JP3250660B2 - 伝動チェーン用プレート - Google Patents

伝動チェーン用プレート

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    • F16G13/02Driving-chains
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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝動用チェーン用
プレートに関し、特に、側縁部をチェーンガイド等のシ
ュー面摺動接触して走行駆動される伝動チェーン用プレ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の伝動チェーンには、図3(a)に
示すように、プレートA1の両側の側縁部A2が直線状
に形成されているものや、同図(b)に示すようにプレ
ートB1の両側の側縁部B2の長手方向中央部が括れて
いるものが用いられている。
【0003】図4は図3(a)に示す外形輪郭を有する
プレートを外プレートと内プレートの両方に用いて編成
されている従来の伝動チェーンの一使用例を示すもので
あって、伝動チェーンCは、駆動側スプロケットS1と
被駆動側スプロケットS2との間に掛け渡されていて、
駆動側スプロケットS1の回転を被駆動側スプロケット
S2へ伝達している。
【0004】伝動チェーンCの張り側部分外周側には、
チェーンガイドXが配置されており、前記チェーンガイ
ドXのシュー面Gが伝動チェーンCのプレートA1の側
縁部A2に摺動接触して伝動チェーンCの走行時の張り
側部分の振れを規制している。
【0005】また、伝動チェーンCの戻り側部分外周側
には、テンショナYが配置されている。前記テンショナ
Yは、枢軸Jで一方の端部側を揺動自在に支持されたテ
ンショナレバーRと前記テンショナレバーRの他方の端
部側背面を付勢してそのシュー面G’を伝動チェーンC
のプレートA1の側縁部A2に押し付けるテンショナ本
体Hから構成されており、テンショナYによって伝動チ
ェーンCの弛みを除去して伝動チェーンCの戻り側部分
の走行時の振れを規制している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
伝動チェーンにおいては、図3(a)に示す側縁部A2
が直線状のものでは、図4に示すように、凸状に湾曲し
たシュー面G’に摺動接触する場合に、側縁部A2とシ
ュー面G’とが一カ所のみで接触することとなり、その
接触位置Pは、側縁部A2上で伝動チェーンCの走行に
伴って不安定に変化して接触面圧も高いため、潤滑油の
油膜の形成が困難となる問題があり、また、潤滑油の油
膜がプレートA1の側縁部A2とシュー面G’との間に
形成されたとしても寸断され易いため、油膜切れによる
伝動チェーンCの走行抵抗が大きくなる問題があった。
【0007】また、プレートA1の側縁部A2が直線状
のシュー面Gと摺動接触するときには、前記側縁部A2
も直線状に形成されているため、シュー面Gに側縁部A
2全面が摺動接触し、油膜を保持することが困難であ
り、しかも、摺動面積が大きいので、この場合にも伝動
チェーンCの走行抵抗が大きくなる問題があった。
【0008】また、長手方向中央部が括れた図3(b)
のプレートB1を用いている伝動チェーンでは、図5に
示すように側縁部B2の長手方向両端付近の2カ所でシ
ュー面Gに接触するため、図3(a)に示す、側縁部A
2が直線状のプレートA1よりもシュー面Gとの摺動接
触面積が少ないが、括れた側縁部B2の長手方向中央部
ではシュー面Gと側縁部B2との隙間Sが拡がって潤滑
油Lを隙間S内に保持することができないため、側縁部
B2とシュー面Gの接触部の油膜切れが生じ易くなる問
題があった。
【0009】そこで、本発明は、前述したような従来技
術の問題を解決し、チェーンガイド等のシュー面と側縁
部との間に潤滑油を貯留保持することができ、シュー面
との摩擦による走行抵抗を低減することができる伝動チ
ェーン用プレートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
の伝動チェーン用プレートは、チェーンガイド等のシュ
ー面に側縁部を摺動接触して走行駆動される伝動チェー
ンのプレートにおいて、側縁部の長手方向両端付近にそ
れぞれ前記シュー面に摺動接触する摺動部が形成されて
いるとともに、これらの2つの摺動部が前記シュー面に
接触した状態で両摺動部間の側縁部中央部分とシュー面
との間に潤滑油を貯留保持可能な隙間が形成され、さら
に、前記側縁部中央部分に複数の鋸歯状突部または波状
突部が設けられているものである。
【0011】
【作用】側縁部がチェーンガイドやテンショナのシュー
面を通過する際に、側縁部の長手方向両端付近に形成さ
れている2つの摺動部がシュー面に接触して摺動する。
この際、プレートは長手方向に離間した2つの摺動部に
よってシュー面に支持されるため、これらの摺動部間の
側縁部中央部分とシュー面との間には、潤滑油を貯留保
持可能な隙間が形成され、外部から供給された潤滑油が
前記隙間に侵入して貯留される。そして、前記側縁部中
央部分に複数の鋸歯状突部または波状突部が設けられて
いることによって、潤滑油の隙間への保持能力が向上す
る。
【0012】前記2つの摺動部がシュー面に沿って案内
されているため、前記隙間の変動は少なく、隙間内の潤
滑油は安定して保持され、隙間内から両側の摺動部とシ
ュー面との間に潤滑油が供給されて両者の間に安定した
油膜が形成され、シュー面と側縁部との摩擦による伝動
チェーンの走行抵抗は低減される。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の伝動チェーン用プレートの一実
施例を示す側面図であって、プレート1は伝動用ローラ
チェーンに用いる外プレートであり、通常のローラチェ
ーンの外プレートと同様に、長手方向前後に一対のピン
孔2が形成されている。
【0014】プレート1の両側の側縁部3にはそれぞれ
長手方向両端付近に摺動部4が形成され、プレート1の
両側の摺動部4間の幅Dに対して側縁部中央部分3A間
の幅dは僅かに狭くなっている。
【0015】また、図示していないが、外プレート1に
隣接してチェーン幅方向内側に隣接配置される内プレー
トは、ピン孔2の代わりにローラが回転自在に外嵌され
るブシュが差し込まれるブシュ孔が設けられている点が
異なるだけで、外プレート1と同様な外形輪郭を有して
いる。
【0016】図2は、前述したプレート1がチェーンガ
イドやテンショナのシュー面と摺動接触する状態を示す
ものである。
【0017】伝動チェーンの走行時に外部からプレート
1やシュー面Gに潤滑油Lが給油されると、潤滑油Lは
シュー面Gとこれに対向するプレート1の側縁部中央部
分3Aとの間に形成される僅かな隙間Sに侵入してここ
に貯留保持される。
【0018】そして、プレート1がシュー面Gに沿って
移動すると、前記隙間Sに入り込んでいる潤滑油Lは摺
動部4とシュー面Gとの間に徐々に入り込んで両者の間
に油膜を形成し、プレート1とシュー面G間の摩擦を低
減される。
【0019】また、前記隙間S内の潤滑油Lが不足して
くると周囲から潤滑油Lが取り込まれるため摺動部4と
シュー面G間に常に安定した油膜を維持しておくことが
できる。
【0020】なお、シュー面Gと側縁部中央部分3Aと
の間で形成される隙間Sの大きさは、側縁部中央部分3
Aに製作上生じる凹凸差以上で、0.5mm以下の範囲
とすることが好ましく、側縁部中央部分3Aを両側の摺
動部4より凹ませて隙間Sを形成している場合には、従
来のプレートと比較して材料も節約され、伝動チェーン
全体の重量を軽量化できる。
【0021】そこで、図2(a)に示すプレートは、側
縁部中央部分3Aに細かい鋸歯状突部tを多数設けたも
のであり、これらの鋸歯状突部tの先端は、両側の摺動
部4がシュー面Gに接触した状態でシュー面Gから僅か
に離れており、側縁部中央部分3Aとシュー面Gとの間
に潤滑油Lを貯留する隙間Sを確保している。
【0022】多数の鋸歯状突部tを設けることによっ
て、側縁部中央部分3Aと潤滑油Lとの接触面積が増加
するため、潤滑油Lの隙間Sへの保持能力が向上し、シ
ュー面Gと摺動部4との間の油膜切れが起こり難くな
る。
【0023】また、図2(b)に示すプレートは、側縁
部中央部分3Aに連続する複数の波状突部Wを設けてい
るもので、これらの波状突部Wの先端は、両側の摺動部
4がシュー面Gに接触した状態でシュー面Gから僅かに
離れており、シュー面Gと側縁部中央部分3Aとの間に
形成される隙間Sの間隔を長手方向に周期的に変化させ
ることによって、潤滑油Lの隙間Sへの保持能力を向上
させることができ、隙間S全体の潤滑油の貯留容積を増
やすことができる。
【0024】なお、前述した各実施例のプレートは、伝
動用ローラチェーン用のプレートであるが、伝動用ブシ
ュドチェーンのプレートについても同様に構成すること
ができる。
【0025】また、図示はしないが、プレートの側縁部
が円弧状のシュー面のみと摺動接触するような場合に
は、シュー面と側縁部中央部分との間に一様な隙間が形
成されるように側縁部中央部分をシュー面の湾曲に沿っ
た円弧状としてもよい。
【0026】本発明の摺動部を有するプレートを用いて
伝動チェーンを編成する場合には、必ずしも全てのプレ
ートに本発明のプレートを用いる必要はなく、図3
(a),(b)に示すような通常のプレートと混在させ
てもよい。
【0027】例えば、外プレートあるいは内プレートだ
けに本発明のプレートを用い、残りのプレートに通常の
プレートを用いるようにしてもよく、また、サイレント
チェーンのように、プレートを幅方向に複数列設けてい
るような伝動チェーンでは、幅方向に通常のプレートと
混在させてもよい。
【0028】さらに、ローラチェーンやブシュドチェー
ンのプレートでは、摺動部はプレート両側の側縁部に設
ける必要はなく、サイレントチェーンのプレートと同様
にチェーンガイドやテンショナレバーのシュー面と摺動
接触する側のみに設けてもよい。
【0029】また、側縁部両端付近の摺動部の形状は、
前述した各実施例のみに限定するものではなく、シュー
面との間に潤滑油を貯留保持できる隙間を形成可能であ
ればよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の伝動チェ
ーン用プレートによれば、プレートがチェーンガイドや
テンショナのシュー面を通過する際に、側縁部の長手方
向に両端付近に形成されている2つの摺動部によってシ
ュー面に支持されるため、これらの摺動部間の側縁部中
央部分とシュー面との間に潤滑油を貯留保持可能な隙間
が形成され、前記隙間に外部から供給される潤滑油が侵
入して潤滑油を貯留することができる。そして、前記側
縁部中央部分に複数の鋸歯状突部または波状突部が設け
られていることによって、潤滑油の隙間への保持能力が
向上する。
【0031】また、2つの摺動部がシュー面に沿って案
内されているため、前記隙間の変動が少なく、隙間内に
侵入した潤滑油は安定して保持され、隙間内から両側の
摺動部とシュー面との間に潤滑油を供給でき、また、凸
状に湾曲したシュー面と摺動接触する場合にも2つの摺
動部がシュー面と接触するため、接触面圧が大きくなる
ことはなく、シュー面と側縁部との摩擦による伝動チェ
ーンの走行抵抗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の伝動チェーン用プレートの一実施例
を示す側面図。
【図2】 本発明の伝動チェーン用プレートにおける側
縁部中央部分の形状とシュー面との接触状態を示す図。
【図3】 従来の伝動チェーン用プレートの側面図であ
り、(a)は側縁部が直線状のもの、(b)はプレート
長手方向中央部が括れたものを示す図。
【図4】 従来の伝動チェーンの一使用例を示す図。
【図5】 長手方向中央部が括れている従来のプレート
とシュー面との接触状態を示す図。
【符号の説明】
1 ・・・ プレート 2 ・・・ ピン孔 3 ・・・ 側縁部 3A・・・ 側縁部中央部分 4 ・・・ 摺動部 G ・・・ シュー面 L ・・・ 潤滑油 S ・・・ 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 13/00 - 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チェーンガイド等のシュー面に側縁部を
    摺動接触して走行駆動される伝動チェーンのプレートに
    おいて、 前記側縁部の長手方向両端付近にそれぞれ前記シュー面
    に摺動接触する摺動部が形成されているとともに、これ
    らの2つの摺動部が前記シュー面に接触した状態で両摺
    動部間の側縁部中央部分とシュー面との間に潤滑油を貯
    留保持可能な隙間が形成され、 さらに、前記側縁部中央部分に複数の鋸歯状突部または
    波状突部が設けられていることを特徴とする伝動チェー
    ン用プレート。
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