JP3201729B2 - 光センサシステムの使用方法 - Google Patents
光センサシステムの使用方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送電線や配電線の
電流や電圧等の物理量を計測するための光センサシステ
ムの使用方法に関するものである。
電流や電圧等の物理量を計測するための光センサシステ
ムの使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電線の電流や電圧の計測装置として光セ
ンサを用いたものがある。電流を測定する場合はその磁
界中に光センサを設け、電圧を測定する場合はその電界
中に光センサを設ける。そして発光素子から光を出力
し、光ファイバを介して光センサに無変調光を送る。光
センサは磁界又は電界中で変調を受け、変調された光を
光ファイバを介して受光素子に与える。受光素子は入射
された変調光を電気信号に変換する。この光の変調率を
観測することにより、測定すべき物理量である電流や電
圧の値を計測することができる。
ンサを用いたものがある。電流を測定する場合はその磁
界中に光センサを設け、電圧を測定する場合はその電界
中に光センサを設ける。そして発光素子から光を出力
し、光ファイバを介して光センサに無変調光を送る。光
センサは磁界又は電界中で変調を受け、変調された光を
光ファイバを介して受光素子に与える。受光素子は入射
された変調光を電気信号に変換する。この光の変調率を
観測することにより、測定すべき物理量である電流や電
圧の値を計測することができる。
【0003】図5は一部の測定物理量(磁界、電界)と
光センサの検出原理の関係を示すものである。光センサ
の光学現象としては、ファラデー効果、ポッケルス効
果、干渉現象等があり、光の変調方式としては、偏光、
位相を利用したものがある。測定系に光を利用すること
から、高絶縁性、防爆性、耐電磁雑音性を要求される分
野に、このような原理の計測装置が採用されている。
光センサの検出原理の関係を示すものである。光センサ
の光学現象としては、ファラデー効果、ポッケルス効
果、干渉現象等があり、光の変調方式としては、偏光、
位相を利用したものがある。測定系に光を利用すること
から、高絶縁性、防爆性、耐電磁雑音性を要求される分
野に、このような原理の計測装置が採用されている。
【0004】このような光センサを用いた電圧センサの
原理図を図6に示す。電圧センサ60は、基本的には偏
光子61、1/4波長板62、電気光学素子63、検光
子64から構成される。図示しない発光素子からの光
は、偏光子61により直線偏光の光に変換される。この
光は1/4波長板62を透過して円偏光の光に変換され
る。光センサである電気光学素子63に対して測定用の
電圧が印加されていない場合、この円偏光の光は電気光
学素子63を素通りし、次に検光子64で光量が1/2
になって出力される。
原理図を図6に示す。電圧センサ60は、基本的には偏
光子61、1/4波長板62、電気光学素子63、検光
子64から構成される。図示しない発光素子からの光
は、偏光子61により直線偏光の光に変換される。この
光は1/4波長板62を透過して円偏光の光に変換され
る。光センサである電気光学素子63に対して測定用の
電圧が印加されていない場合、この円偏光の光は電気光
学素子63を素通りし、次に検光子64で光量が1/2
になって出力される。
【0005】また電気光学素子63に対して測定用の電
圧が印加されると、電気光学素子63の屈折率が変化す
る。この電気光学素子63は複屈折性を有するため、電
気光学素子63を透過後の光の偏光状態は、印加される
電圧の大きさにより図6のP0 〜P- 、P0 〜P+ のよ
うに変化する。即ち、円偏光−楕円偏光−直線偏光−楕
円偏光−円偏光と状態が変化する。
圧が印加されると、電気光学素子63の屈折率が変化す
る。この電気光学素子63は複屈折性を有するため、電
気光学素子63を透過後の光の偏光状態は、印加される
電圧の大きさにより図6のP0 〜P- 、P0 〜P+ のよ
うに変化する。即ち、円偏光−楕円偏光−直線偏光−楕
円偏光−円偏光と状態が変化する。
【0006】電界強度を検出する光センサの一例とし
て、電圧センサ70の実際の構造を図7(a)に示す。
図7(b)に示すように、光ファイバ71からの一定強
度の光はレンズ72で平行光となり、偏光子(PBS)
73、1/4波長板74、電気光学素子(LiNbO3)75
に入力される。そして電界によって変調を受けた光は、
検光子(PBS)76を経てレンズ77に入り、出射用
の光ファイバ78から図7(c)のような変調光が出力
される。
て、電圧センサ70の実際の構造を図7(a)に示す。
図7(b)に示すように、光ファイバ71からの一定強
度の光はレンズ72で平行光となり、偏光子(PBS)
73、1/4波長板74、電気光学素子(LiNbO3)75
に入力される。そして電界によって変調を受けた光は、
検光子(PBS)76を経てレンズ77に入り、出射用
の光ファイバ78から図7(c)のような変調光が出力
される。
【0007】以上のような光センサを含み、光を出力
し、変調光の信号処理を行い、物理量を測定する装置を
以降に光センサシステムと呼び、その構成を具体的に説
明する。従来の光センサシステム81は例えば図8に示
すように、光源を有するE/O回路83、電流や電圧等
の測定物理量Vに応じてE/O回路83から入射される
光を強度変調する光センサ82、光センサ82からの入
射光を電気信号に変換するO/E回路84、 O/E回路
84の出力信号を用いて光センサ82の変調度を計算す
る演算回路85から構成されている。そして必要に応じ
てO/E回路84の出力端にスペクトラムアナライザー
87を接続する。
し、変調光の信号処理を行い、物理量を測定する装置を
以降に光センサシステムと呼び、その構成を具体的に説
明する。従来の光センサシステム81は例えば図8に示
すように、光源を有するE/O回路83、電流や電圧等
の測定物理量Vに応じてE/O回路83から入射される
光を強度変調する光センサ82、光センサ82からの入
射光を電気信号に変換するO/E回路84、 O/E回路
84の出力信号を用いて光センサ82の変調度を計算す
る演算回路85から構成されている。そして必要に応じ
てO/E回路84の出力端にスペクトラムアナライザー
87を接続する。
【0008】従来の光センサシステムの調整及び使用方
法は、微小な物理量の測定精度向上のために、光センサ
82に物理量Vを印加したとき、その信号レベルに対
し、E/O回路83とO/E回路84のノイズをできる
だけ小さくすること、即ち信号SとノイズNの比(SN
R)をできるだけ大きくすることであった。
法は、微小な物理量の測定精度向上のために、光センサ
82に物理量Vを印加したとき、その信号レベルに対
し、E/O回路83とO/E回路84のノイズをできる
だけ小さくすること、即ち信号SとノイズNの比(SN
R)をできるだけ大きくすることであった。
【0009】図9は前述した光センサシステム81を用
いて物理量Vを測定する際の従来の調整及び使用方法を
示した動作手順である。まず最初のステップS21で
は、測定物理量V=vを光センサ82に印加する。そし
て演算回路85がO/E回路84の出力信号から光セン
サ82の変調度を演算し、測定物理量Vの値vに変換し
て出力する。
いて物理量Vを測定する際の従来の調整及び使用方法を
示した動作手順である。まず最初のステップS21で
は、測定物理量V=vを光センサ82に印加する。そし
て演算回路85がO/E回路84の出力信号から光セン
サ82の変調度を演算し、測定物理量Vの値vに変換し
て出力する。
【0010】測定精度の調整時にはステップS22に移
り、O/E回路4の出力信号をスペクトラムアナライザ
ー87に入力する。ステップS23では、スペクトラム
アナライザー87は入力信号の交流(AC)成分Vac
と直流(DC)成分Vdcを分離する。そしてステップ
S24に進むと、分離された信号成分を用いてVac/
Vdc値をS/N値として得る。そして得られたS/N
値と目標とするS/N値であるSNRの値とを比較す
る。
り、O/E回路4の出力信号をスペクトラムアナライザ
ー87に入力する。ステップS23では、スペクトラム
アナライザー87は入力信号の交流(AC)成分Vac
と直流(DC)成分Vdcを分離する。そしてステップ
S24に進むと、分離された信号成分を用いてVac/
Vdc値をS/N値として得る。そして得られたS/N
値と目標とするS/N値であるSNRの値とを比較す
る。
【0011】ステップS24において、S/N値がSN
Rより小さければ、ステップS25に進む。またステッ
プS24において、S/N値がSNR以上であれば、調
整不要と判定される。ステップS25に進んだ場合、ス
ペクトラムアナライザー87で得られるS/N値を見な
がら、E/O回路83の光量と、O/E回路84のノイ
ズ発生量とを調整する。そしてステップS21に戻り、
同様の処理をする。そしてステップS24でS/N値が
SNR以上となれば、光センサシステム81の調整が完
了したので、物理量Vの計測を開始する。
Rより小さければ、ステップS25に進む。またステッ
プS24において、S/N値がSNR以上であれば、調
整不要と判定される。ステップS25に進んだ場合、ス
ペクトラムアナライザー87で得られるS/N値を見な
がら、E/O回路83の光量と、O/E回路84のノイ
ズ発生量とを調整する。そしてステップS21に戻り、
同様の処理をする。そしてステップS24でS/N値が
SNR以上となれば、光センサシステム81の調整が完
了したので、物理量Vの計測を開始する。
【0012】このように測定物理量V=vを印加した状
態で、ノイズNを含む信号Sをスペクトラムアナライザ
ー87に入力し、そのスペクトルを分析する。そしてノ
イズ成分と信号成分に分離してS/N値を計算する必要
がある。
態で、ノイズNを含む信号Sをスペクトラムアナライザ
ー87に入力し、そのスペクトルを分析する。そしてノ
イズ成分と信号成分に分離してS/N値を計算する必要
がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来例のようにSNR
を指標として微小な物理量の測定精度を改善するために
は、信号SとノイズNを分離するスペクトラムアナライ
ザー87等の高額な機器が必要であった。また、測定物
理量の大きさと必要な測定精度の指標となるSNRとの
関係が不明であるため、必要以上にSNRを高めること
があり、光センサシステムのコストアップの要因になっ
ていた。また反対に、要求される精度に対してSNRが
不足すると、光センサシステムの測定精度にばらつきが
生じる。また3相の配電線の各相に光センサシステムを
取り付けて、各相の電流と電圧を測定して零相を求める
には、複数の光センサシステムを用いる必要があるが、
このような場合には大きな測定誤差を引き起こすという
問題を有していた。
を指標として微小な物理量の測定精度を改善するために
は、信号SとノイズNを分離するスペクトラムアナライ
ザー87等の高額な機器が必要であった。また、測定物
理量の大きさと必要な測定精度の指標となるSNRとの
関係が不明であるため、必要以上にSNRを高めること
があり、光センサシステムのコストアップの要因になっ
ていた。また反対に、要求される精度に対してSNRが
不足すると、光センサシステムの測定精度にばらつきが
生じる。また3相の配電線の各相に光センサシステムを
取り付けて、各相の電流と電圧を測定して零相を求める
には、複数の光センサシステムを用いる必要があるが、
このような場合には大きな測定誤差を引き起こすという
問題を有していた。
【0014】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、簡単な方法で必要十分な測定
精度を確保して物理量を計測できる光センサシステムの
使用方法を実現することを目的とする。
てなされたものであって、簡単な方法で必要十分な測定
精度を確保して物理量を計測できる光センサシステムの
使用方法を実現することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るため、本願の請求項1記載の発明は、物理量Vが外部
から印加されたとき、物理量Vに応じて入射光を強度変
調する光センサと、前記光センサに測定用の光を出力す
るE/O回路と、前記光センサからの変調光を受光し、
電気信号に変換するO/E回路と、前記O/E回路の出
力する変調成分Vacと直流成分Vdcから前記光セン
サの変調度Mを演算し、前記変調度Mを物理量Vの値に
変換して出力する演算回路と、を具備する光センサシス
テムの使用方法であって、前記光センサに物理量Vを印
加しない状態で、前記演算回路により前記O/E回路の
出力信号の変調成分Vacoと直流成分Vdcを抽出
し、物理量Vを印加しない状態の変調成分Vacoと直
流成分Vdcの比をノイズ光量比Vaco/Vdcとし
て演算し、所望の測定分解能の物理量Vに対する前記光
センサのノイズ光量比を目標ノイズ光量比npとして設
定し、前記ノイズ光量比Vaco/Vdcの値が前記目
標ノイズ光量比np以下になるよう、前記E/O回路の
光出力と前記O/E回路のノイズ発生量とを調整し、前
記E/O回路と前記O/E回路の特性調整後に、前記物
理量Vを前記光センサに印加して得られる前記光センサ
の変調度M=Vac/Vdcの値により、前記物理量V
の値を演算して出力することを特徴とするものである。
るため、本願の請求項1記載の発明は、物理量Vが外部
から印加されたとき、物理量Vに応じて入射光を強度変
調する光センサと、前記光センサに測定用の光を出力す
るE/O回路と、前記光センサからの変調光を受光し、
電気信号に変換するO/E回路と、前記O/E回路の出
力する変調成分Vacと直流成分Vdcから前記光セン
サの変調度Mを演算し、前記変調度Mを物理量Vの値に
変換して出力する演算回路と、を具備する光センサシス
テムの使用方法であって、前記光センサに物理量Vを印
加しない状態で、前記演算回路により前記O/E回路の
出力信号の変調成分Vacoと直流成分Vdcを抽出
し、物理量Vを印加しない状態の変調成分Vacoと直
流成分Vdcの比をノイズ光量比Vaco/Vdcとし
て演算し、所望の測定分解能の物理量Vに対する前記光
センサのノイズ光量比を目標ノイズ光量比npとして設
定し、前記ノイズ光量比Vaco/Vdcの値が前記目
標ノイズ光量比np以下になるよう、前記E/O回路の
光出力と前記O/E回路のノイズ発生量とを調整し、前
記E/O回路と前記O/E回路の特性調整後に、前記物
理量Vを前記光センサに印加して得られる前記光センサ
の変調度M=Vac/Vdcの値により、前記物理量V
の値を演算して出力することを特徴とするものである。
【0016】また本願の請求項2記載の発明は、前記E
/O回路は光出力の強度調整により特性を調整するもの
であり、前記O/E回路はノイズ発生量を所定値以下に
することにより特性を調整することを特徴とするもので
ある。
/O回路は光出力の強度調整により特性を調整するもの
であり、前記O/E回路はノイズ発生量を所定値以下に
することにより特性を調整することを特徴とするもので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る光センサシステムの使用方法について図1〜図4を参
照して説明する。図1は本実施の形態に用いられる光セ
ンサシステム1の構成図であり、光センサ2、E/O回
路3、O/E回路4、演算回路5、光ファイバー6を含
んで構成されることは従来例と同一である。
る光センサシステムの使用方法について図1〜図4を参
照して説明する。図1は本実施の形態に用いられる光セ
ンサシステム1の構成図であり、光センサ2、E/O回
路3、O/E回路4、演算回路5、光ファイバー6を含
んで構成されることは従来例と同一である。
【0018】E/O回路3は例えば発光ダイオード(L
ED)を光源とする光量可変の光源である。光ファイバ
ー6は、E/O回路3から光センサ2に光を与える投光
用ファイバーと、光センサ2からの光をO/E回路4に
案内する受光用ファイバーから成る。光センサ2は測定
物理量Vに応じてE/O回路3からの入射光の強度を変
化させるセンサである。光センサ2として図5で説明し
たように、ポッケルス効果を利用した光電圧センサ、フ
ァラデー効果を利用した光電流センサ、導波路型の光電
圧センサ等がある。
ED)を光源とする光量可変の光源である。光ファイバ
ー6は、E/O回路3から光センサ2に光を与える投光
用ファイバーと、光センサ2からの光をO/E回路4に
案内する受光用ファイバーから成る。光センサ2は測定
物理量Vに応じてE/O回路3からの入射光の強度を変
化させるセンサである。光センサ2として図5で説明し
たように、ポッケルス効果を利用した光電圧センサ、フ
ァラデー効果を利用した光電流センサ、導波路型の光電
圧センサ等がある。
【0019】O/E回路4は光センサ2からの入射光を
電気信号に変換する回路である。演算回路5は、O/E
回路4の出力信号の変調成分VacとDC成分Vdcか
ら、光センサ2の変調度Mを計算し、この変調度Mを測
定物理量Vに変換して出力する回路である。変調度Mは
Vac/Vdcにほぼ等しい。尚、測定物理量Vが例え
ば交流電圧の場合、変調成分Vacは直流成分を含まな
いので、交流成分Vacと呼ぶ。
電気信号に変換する回路である。演算回路5は、O/E
回路4の出力信号の変調成分VacとDC成分Vdcか
ら、光センサ2の変調度Mを計算し、この変調度Mを測
定物理量Vに変換して出力する回路である。変調度Mは
Vac/Vdcにほぼ等しい。尚、測定物理量Vが例え
ば交流電圧の場合、変調成分Vacは直流成分を含まな
いので、交流成分Vacと呼ぶ。
【0020】図2はこのように構成された光センサシス
テム1の使用方法を示した動作手順である。まず最初の
ステップS11では、測定物理量Vを印加しない(V=
0)状態で次の処理をする。即ち、次のステップS12
では、演算回路5がO/E回路4の出力信号のAC成分
VacoとDC成分Vdcを抽出する。そしてV=0の
ときのVaco/Vdcの値をノイズ光量比として求め
る。
テム1の使用方法を示した動作手順である。まず最初の
ステップS11では、測定物理量Vを印加しない(V=
0)状態で次の処理をする。即ち、次のステップS12
では、演算回路5がO/E回路4の出力信号のAC成分
VacoとDC成分Vdcを抽出する。そしてV=0の
ときのVaco/Vdcの値をノイズ光量比として求め
る。
【0021】ここではVdcは光センサ2が外部の物理
量Vで変調されない光成分を示し、V=0時の信号成分
と考えてよい。Vacoは測定物理量V=0のときにO
/E回路4から出力される交流成分であるが、E/O回
路3から光センサ2を経てO/E回路4に至るまでの回
路で生じた雑音成分と考えることができる。
量Vで変調されない光成分を示し、V=0時の信号成分
と考えてよい。Vacoは測定物理量V=0のときにO
/E回路4から出力される交流成分であるが、E/O回
路3から光センサ2を経てO/E回路4に至るまでの回
路で生じた雑音成分と考えることができる。
【0022】所望の分解能に対する光センサのノイズ光
量比を目標ノイズ光量比npとし、ステップS13では
実測されたノイズ光量比Vaco/Vdcの値と目標ノ
イズ光量比npの値を比較する。ノイズ光量比Vaco
/Vdcの値が目標ノイズ光量比npを越えていればス
テップS14に移る。ステップS14では、ノイズ光量
比Vaco/Vdcの値が目標ノイズ光量比np以下に
なるように、E/O回路3の光量と、O/E回路4のノ
イズ発生量とを調整する。そして調整後はステップS1
1に戻り、同様の処理を続ける。
量比を目標ノイズ光量比npとし、ステップS13では
実測されたノイズ光量比Vaco/Vdcの値と目標ノ
イズ光量比npの値を比較する。ノイズ光量比Vaco
/Vdcの値が目標ノイズ光量比npを越えていればス
テップS14に移る。ステップS14では、ノイズ光量
比Vaco/Vdcの値が目標ノイズ光量比np以下に
なるように、E/O回路3の光量と、O/E回路4のノ
イズ発生量とを調整する。そして調整後はステップS1
1に戻り、同様の処理を続ける。
【0023】ステップS13において、ノイズ光量比V
aco/Vdcの値が目標ノイズ光量比np以下になれ
ばステップS15に進み、本来測定したい物理量Vを光
センサ2に印加する。そうすると演算回路5はO/E回
路4の出力信号から変調度M=Vac/Vdcを演算
し、その演算結果を測定物理量Vの値に変換して出力す
る。
aco/Vdcの値が目標ノイズ光量比np以下になれ
ばステップS15に進み、本来測定したい物理量Vを光
センサ2に印加する。そうすると演算回路5はO/E回
路4の出力信号から変調度M=Vac/Vdcを演算
し、その演算結果を測定物理量Vの値に変換して出力す
る。
【0024】ここで、E/O回路3の光量調整とは、L
EDの駆動電流を調整することであり、O/E回路4の
ノイズ発生量の調整とは、ゲイン調整から素子変更や回
路構成の変更までを含むものとする。
EDの駆動電流を調整することであり、O/E回路4の
ノイズ発生量の調整とは、ゲイン調整から素子変更や回
路構成の変更までを含むものとする。
【0025】図3は測定物理量Vの大きさによって変化
する理想変調度と希望測定精度(比誤差)とノイズ光量
比(Vaco/Vdc)との関係を示したグラフであ
る。本図では測定する物理量の大きさは、前述した強度
変調方式の光センサ2の理想変調度に対応する。また測
定精度は直線性からのずれである比誤差に比例する。例
えば図3より変調度0.06%以上の物理量Vを比誤差
1.0%以内で測定するには、ノイズ光量比を1×10
-4以下にすれば良いことがわかる。
する理想変調度と希望測定精度(比誤差)とノイズ光量
比(Vaco/Vdc)との関係を示したグラフであ
る。本図では測定する物理量の大きさは、前述した強度
変調方式の光センサ2の理想変調度に対応する。また測
定精度は直線性からのずれである比誤差に比例する。例
えば図3より変調度0.06%以上の物理量Vを比誤差
1.0%以内で測定するには、ノイズ光量比を1×10
-4以下にすれば良いことがわかる。
【0026】図4は測定物理量Vに対応する理想変調度
と、ノイズ光量比Vaco/Vdcと、測定物理量Vの
実際の測定結果に対応する測定変調度との関係を示した
グラフである。
と、ノイズ光量比Vaco/Vdcと、測定物理量Vの
実際の測定結果に対応する測定変調度との関係を示した
グラフである。
【0027】なお、理想変調度と物理量Vの関係は、各
種の強度変調方式の光センサ2で異なる。例えば、ポッ
ケルス効果を利用した光電圧センサの場合、定格電圧1
00V時の変調度が1.75%で設計されている場合
は、5V以上の電圧を1%以下の誤差で測定するための
所定ノイズ光量比は1.23×10-4以下となる。
種の強度変調方式の光センサ2で異なる。例えば、ポッ
ケルス効果を利用した光電圧センサの場合、定格電圧1
00V時の変調度が1.75%で設計されている場合
は、5V以上の電圧を1%以下の誤差で測定するための
所定ノイズ光量比は1.23×10-4以下となる。
【0028】このように、予め物理量Vの大きさと希望
測定精度とノイズ光量比の関係がわかっていれば、必要
以上にノイズを低減するためにコストをかける必要もな
く、最低コストで所望の測定精度の光センサシステムが
得られる。
測定精度とノイズ光量比の関係がわかっていれば、必要
以上にノイズを低減するためにコストをかける必要もな
く、最低コストで所望の測定精度の光センサシステムが
得られる。
【0029】また、ファラデー効果を利用した光電流セ
ンサの場合も同様に、測定電流(磁界)と理想変調度の
関係から、所定ノイズ光量比が簡単に得られる。
ンサの場合も同様に、測定電流(磁界)と理想変調度の
関係から、所定ノイズ光量比が簡単に得られる。
【0030】なお、O/E回路4が受光する光量に対応
するDC成分が規格化される光センサシステム1の場
合、ノイズ光量比は物理量Vを印加しない状態でのO/
E回路4の出力信号のAC成分とDC成分の規格値の比
に相当する。 この場合の測定変調度は、 O/E回路4の
出力信号のAC成分とDC成分の規格値の比で定義され
る。
するDC成分が規格化される光センサシステム1の場
合、ノイズ光量比は物理量Vを印加しない状態でのO/
E回路4の出力信号のAC成分とDC成分の規格値の比
に相当する。 この場合の測定変調度は、 O/E回路4の
出力信号のAC成分とDC成分の規格値の比で定義され
る。
【0031】また、導波路型の光電圧センサなどの場合
は、 測定物理量Vが電圧又は電界である。この場合電圧
又は電界の大きさは、センサの変調度から測定されるの
ではなく、2個の光波の位相差角から測定される。変調
度も位相差角も測定物理量Vにほぼ線形なので、本実施
の形態での変調度を位相差角に換算して置き換えて考え
れば、同様に所望の測定精度のノイズ光量比を求めるこ
とができる。それ以外にも、物理量Vに線形関係を有す
るパラメーターであれば、測定物理量Vを変調度に容易
に換算することができる。また逆に、変調度を物理量V
に対して線形に変化するパラメーターに変換して、測定
物理量Vに対して線形に変化するパラメーターとノイズ
光量比と比誤差の関係を導出してもよい。
は、 測定物理量Vが電圧又は電界である。この場合電圧
又は電界の大きさは、センサの変調度から測定されるの
ではなく、2個の光波の位相差角から測定される。変調
度も位相差角も測定物理量Vにほぼ線形なので、本実施
の形態での変調度を位相差角に換算して置き換えて考え
れば、同様に所望の測定精度のノイズ光量比を求めるこ
とができる。それ以外にも、物理量Vに線形関係を有す
るパラメーターであれば、測定物理量Vを変調度に容易
に換算することができる。また逆に、変調度を物理量V
に対して線形に変化するパラメーターに変換して、測定
物理量Vに対して線形に変化するパラメーターとノイズ
光量比と比誤差の関係を導出してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノイズ光
量比という容易に計測可能なパラメータを調整すること
により、ノイズを低減するべきコストを必要以上にかけ
る必要もなく、低コストで所望の精度の光センサシステ
ムを実現できる。また測定物理量が電力線の電圧及び電
流である場合、特別の計測機器を現場に持ち込まない
で、測定精度の調整をすることができる。
量比という容易に計測可能なパラメータを調整すること
により、ノイズを低減するべきコストを必要以上にかけ
る必要もなく、低コストで所望の精度の光センサシステ
ムを実現できる。また測定物理量が電力線の電圧及び電
流である場合、特別の計測機器を現場に持ち込まない
で、測定精度の調整をすることができる。
【図1】本発明の一実施の形態における光センサシステ
ムの構成図である。
ムの構成図である。
【図2】本実施の形態における光センサシステムの調整
と使用手順を示すフローチャートである。
と使用手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施の形態における光センサシステムの理想
変調度とノイズ光量比と比誤差との関係を示す特性図で
ある。
変調度とノイズ光量比と比誤差との関係を示す特性図で
ある。
【図4】本実施の形態における光センサシステムの理想
変調度とノイズ光量比と測定変調度との関係を示す特性
図である。
変調度とノイズ光量比と測定変調度との関係を示す特性
図である。
【図5】光センサの検出原理を示す分類表である。
【図6】電圧センサの構成図である。
【図7】電圧センサの主要部の構造を示す断面図であ
る。
る。
【図8】従来の光センサシステムの構成図である。
【図9】従来の光センサシステムの調整と使用手順を示
すフローチャートである。
すフローチャートである。
1 光センサシステム 2 光センサ 3 E/O回路 4 O/E回路 5 演算回路 6 光ファイバー
Claims (2)
- 【請求項1】 物理量Vが外部から印加されたとき、物
理量Vに応じて入射光を強度変調する光センサと、 前記光センサに測定用の光を出力するE/O回路と、 前記光センサからの変調光を受光し、電気信号に変換す
るO/E回路と、 前記O/E回路の出力する変調成分Vacと直流成分V
dcから前記光センサの変調度Mを演算し、前記変調度
Mを物理量Vの値に変換して出力する演算回路と、を具
備する光センサシステムの使用方法であって、 前記光センサに物理量Vを印加しない状態で、前記演算
回路により前記O/E回路の出力信号の変調成分Vac
oと直流成分Vdcを抽出し、 物理量Vを印加しない状態の変調成分Vacoと直流成
分Vdcの比をノイズ光量比Vaco/Vdcとして演
算し、 所望の測定分解能の物理量Vに対する前記光センサのノ
イズ光量比を目標ノイズ光量比npとして設定し、 前記ノイズ光量比Vaco/Vdcの値が前記目標ノイ
ズ光量比np以下になるよう、前記E/O回路の光出力
と前記O/E回路のノイズ発生量とを調整し、 前記E/O回路と前記O/E回路の特性調整後に、前記
物理量Vを前記光センサに印加して得られる前記光セン
サの変調度M=Vac/Vdcの値により、前記物理量
Vの値を演算して出力することを特徴とする光センサシ
ステムの使用方法。 - 【請求項2】 前記E/O回路は光出力の強度調整によ
り特性を調整するものであり、前記O/E回路はノイズ
発生量を所定値以下にすることにより特性を調整するも
のであることを特徴とする請求項1記載の光センサシス
テムの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00318397A JP3201729B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 光センサシステムの使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00318397A JP3201729B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 光センサシステムの使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10197569A JPH10197569A (ja) | 1998-07-31 |
JP3201729B2 true JP3201729B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=11550284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00318397A Expired - Fee Related JP3201729B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 光センサシステムの使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3201729B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101841470B1 (ko) | 2016-03-28 | 2018-05-08 | 인제대학교 산학협력단 | 남성용 요실금 재활 보조기 |
-
1997
- 1997-01-10 JP JP00318397A patent/JP3201729B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101841470B1 (ko) | 2016-03-28 | 2018-05-08 | 인제대학교 산학협력단 | 남성용 요실금 재활 보조기 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10197569A (ja) | 1998-07-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |