JP3159196B2 - 可変インダクタンス素子 - Google Patents
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Description
ス素子、特に、移動体通信機器等に使用される可変イン
ダクタンス素子に関する。
電話や自動車電話等の移動体通信機器においては、その
内部で使用される部品においても小型化が要求されてい
る。また、使用周波数が高くなるにつれて回路は複雑に
なり、使用部品は狭偏差であることが要求される。2個
のコイルの電気的中央点に接続された中間タップを有し
た回路を得る場合には、図5に示すように、2個のコイ
ル部品21,22をプリント基板26に実装し、プリン
ト基板26上に形成された回路パターン23,24及び
中間タップパターン25によって2個のコイル部品21
と22を電気的に接続していた。そして、2個のコイル
部品21,22のインダクタンス値を変化させる方法と
しては、これら2個のコイル部品21,22を取り外し
て、異なるインダクタンス値を有しかつ予めバランスさ
せた別の2個のコイル部品に交換する方法や、コイル部
品21,22に可変コイルを使用して両者のインダクタ
ンス値をバランスさせながら変化させる方法等が提案さ
れていた。
の方法は、2個のコイル部品21,22のインダクタン
ス値のばらつきや実装時の位置ずれにより、2個のコイ
ル部品21と22のインダクタンス値のバランスが悪
く、中間タップパターン25がコイル部品21,22に
て構成されたコイルの電気的中央点からずれた点に接続
されることがあった。さらに、2個のコイル部品21,
22をプリント基板26上に形成した中間タップパター
ン25を介して電気的に接続するため、プリント基板2
6上の占有面積も大きくなるという問題もあった。
2個のコイル部品に交換してインダクタンス値を変化さ
せる方法は、コイル部品21,22の取り外し作業が煩
雑で自動化に対応することが困難であった。さらに、コ
イル部品21,22に可変コイルを使用して両者のイン
ダクタンス値をバランスさせながら変化させる方法は、
コイル部品21,22のバランスを取りながらインダク
タンス値を調整する作業が煩雑で自動化に対応すること
が困難であった。しかも、所望のインダクタンス値が低
くなるにつれて、パターン23〜25自身が有するイン
ダクタンス成分の影響が大きくなり、微小インダクタン
ス値の取得は困難であった。
での占有面積が抑えられ、かつ、インダクタンス値をバ
ランスよく安定して調整することが容易な少なくとも二
つのコイルを有する可変インダクタンス素子を提供する
ことにある。
するため、本発明に係る可変インダクタンス素子は、
(a)絶縁性基板と、(b)前記絶縁性基板に設けられ
た少なくとも二つの略蛇行状コイルと、(c)前記二つ
のコイルがそれぞれ配設されている領域外の前記絶縁性
基板に配置され、前記二つのコイル間を電気的に接続し
た、インダクタンス値を調整するためのトリミング電極
と、(d)前記二つのコイルのそれぞれの一端部に電気
的に接続された二つの入出力外部電極と、(e)前記二
つのコイルのそれぞれの他端部を電気的に接続した中間
タップ電極と、を備えたことを特徴とする。
り、少なくとも二つのコイルのインダクタンス値のバラ
ンスを崩すことなく、各コイルの入出力外部電極間のイ
ンダクタンス値、あるいは入出力外部電極と中間タップ
電極間のインダクタンス値が変化する。さらに、トリミ
ング電極を、略蛇行状コイルが設けられている領域外に
配置しているため、略蛇行状コイルによって発生した磁
界をトリミング電極が遮る現象が抑えられる。従って、
高Q値のインダクタンス素子が得られる。
イルのライン幅の2倍以上に設定することにより、隣り
合う部分でそれぞれ発生する磁界の間の距離が大きくな
り、磁界の干渉が抑えられる。
タンス素子の実施形態について、添付図面を参照して説
明する。
ように、絶縁性基板1の上面を平滑な面になるように研
磨した後、厚膜印刷法、あるいはフォトリソグラフィ等
の薄膜形成法により略蛇行状コイル2,3及びトリミン
グ電極4a〜4fを絶縁性基板1の上面に形成する。厚
膜印刷法は、例えば所望のパターン形状を有した開口を
備えたマスキング材を絶縁性基板1の上面に被せた後、
導電性ペーストをマスキング材の上から塗布し、マスキ
ング材の開口から露出した絶縁性基板1の上面に、比較
的膜厚の厚い所望のパターン形状の導電体(第1実施形
態の場合、コイル2,3及びトリミング電極4a〜4
f)を形成する方法である。
下に説明する方法である。絶縁性基板1の上面の略全面
に比較的膜厚の薄い導電性膜を形成した後、レジスト膜
(例えば感光性樹脂膜等)をスピンコート又は印刷によ
り導電性膜の略全体に形成する。次に、レジスト膜の上
面に所定の画像パターンが形成されたマスクフィルムを
被せ、紫外線等を照射する等の方法により、レジスト膜
の所望の部分を硬化させる。次に、硬化した部分を残し
てレジスト膜を剥した後、露出した部分の導電性膜を除
去し、所望のパターン形状の導電体を形成する。この
後、硬化したレジスト膜を除去する。
て、絶縁性基板1の上面に感光性導電ペーストを塗布
し、その後、所定の画像パターンが形成されたマスクフ
ィルムを被せて露光し、現像する方法でもよい。
線対称に配設され、コイル2とコイル3のそれぞれのイ
ンダクタンス値は等しくなるように設定されている。コ
イル2の一方の端部2aは絶縁性基板1の左側端部の奥
側に引き出され、他方の端部2bは絶縁性基板1の右側
端部の奥側に引き出されている。コイル3の一方の端部
3aは絶縁性基板1の左側端部の手前側に引き出され、
他方の端部3bは絶縁性基板1の右側端部の手前側に引
き出されている。
ル2,3の間に梯子状に橋渡され、絶縁性基板1上の略
中央部に配設されている。このトリミング電極4a〜4
fは、コイル2,3が設けられている領域外に配置され
ている。つまり、トリミング電極4a〜4fを配置する
際には、二つの蛇行状コイル2,3が接近している部分
(図1で示したA部分)に配置するようにし、二つの蛇
行状コイル2,3が遠ざかっている部分(図1で示した
B部分)に配置させないようにする。好ましくは、トリ
ミング電極4a〜4fのライン幅は、コイル2,3のラ
イン幅より細く設定される。具体的には、コイル2,3
のライン幅が、例えば100μmである場合には、トリ
ミング電極4a〜4fのライン幅は50μm程度に設定
される。
ラスセラミックス、アルミナ、フェライト等が使用され
る。コイル2,3及びトリミング電極4a〜4fの材料
としては、Ag,Ag−Pd,Cu,Au,Ni,Al
等が使用される。
を絶縁性基板1の上面側全面にスピンコート又は印刷等
により塗布、乾燥して、コイル2,3やトリミング電極
4a〜4fを被覆する絶縁保護膜を形成する。
入出力外部電極6,7を設け、右端部に中間タップ電極
8を設ける。入出力外部電極6はコイル2の端部2aに
電気的に接続し、入出力外部電極7はコイル3の端部3
aに電気的に接続している。中間タップ電極8はコイル
2,3の他端部2b,3bに電気的に接続している。こ
れらの電極6〜8は、Ag,Ag−Pd,Cu,Ni,
NiCr,NiCu等の導電性ペーストを塗布、焼付け
たり、乾式メッキや湿式メッキしたり、また、それらを
組みあわせることによって形成される。図2は可変イン
ダクタンス素子9の電気等価回路図である。
9は、絶縁性基板1上に、二つのコイル2,3が中間タ
ップ電極8を介して電気的に接続されている回路を有し
ている。そして、トリミング電極4a〜4fを、略蛇行
状コイル2,3が設けられている領域外に配置している
ため、略蛇行状コイル2,3によって発生した磁界をト
リミング電極4a〜4fが遮る現象が抑えられる。従っ
て、高Q値のインダクタンス素子9が得られる。
ト基板等に実装した後、トリミング電極4a〜4fをト
リミングする。すなわち、パルス状のレーザビームを可
変インダクタンス素子9の上面側から照射する等して、
図3に示すように、可変インダクタンス素子9に溝10
を形成すると共に、トリミング電極4a〜4fを外側か
ら順に一本ずつ切断する(図3はトリミング電極4a,
4bが切断されている状態を示している)。これによ
り、入出力外部電極6−中間タップ電極8間のインダク
タンス値、並びに入出力外部電極7−中間タップ電極8
間のインダクタンス値を変化させないで、入出力外部電
極6−入出力外部電極7間のインダクタンス値を段階的
に変化させることができる。しかも、中間タップ電極8
に、電圧又は電流を供給することも可能である。
クタンス値が所望のピッチで変化するように、予めトリ
ミング電極4a〜4fを配置させておくことにより、入
出力外部電極6−中間タップ電極8間のインダクタンス
値と入出力外部電極7−中間タップ電極8間のインダク
タンス値のバランスを崩すことなく、入出力外部電極6
−入出力外部電極7間のインダクタンス値を段階的に調
整することができる可変インダクタンス素子9が得られ
る。
二つのコイル2,3を内蔵しているので、2個のコイル
部品をプリント基板の回路パターンで電気的に接続する
必要がなく、プリント基板上の占有面積を小さくするこ
とができる。例えば、第1実施形態の可変インダクタン
ス素子9のサイズは、長さが3.2mm,幅が1.6m
mである。しかも、プリント基板の回路パターン自身が
有するインダクタンス成分の影響がなくなるので、コイ
ル2,3が有する微小インダクタンス値の調整が可能と
なる。
〜4fとを絶縁性基板1上に同時に一度で形成できるた
め、可変インダクタンス素子9を低コストで製作でき
る。さらに、ビアホールやスルーホールによる層間接続
がないため、高い接続信頼性を実現することができる。
ングはレーザビームに限らず、サンドブラスト等いかな
る手段で行ってもよく、また、溝10は必ず形成される
必要はなく、トリミング電極4a〜4fが電気的に切断
されれば、溝10は物理的に存在していなくともよい。
に、可変インダクタンス素子11は、絶縁性基板1の上
面に、略蛇行状コイル12,13及びトリミング電極1
4a〜14dを形成したものである。略蛇行状コイル1
2は、自身の隣り合う部分の間隔Dを、ライン幅Wの2
倍以上に設定している。同様に、略蛇行状コイル13
は、自身の隣り合う部分の間隔Dを、ライン幅Wの2倍
以上に設定している。
コイル12,13の間に梯子状に橋渡され、絶縁性基板
1上の中央部に配設されている。このトリミング電極1
4a〜14dは、コイル12,13が設けられている領
域外に配置されている。つまり、トリミング電極14a
〜14dを配置する際には、二つの蛇行状コイル12,
13が接近している部分(図4で示したA部分)に配置
するようにし、二つの蛇行状コイル12,13が遠ざか
っている部分(図4で示したB部分)に配置させないよ
うにする。
極4eが、二つのコイル2,3が接近している部分(図
1で示したA部分)の中央部に設けているのに対して、
第2実施形態のトリミング電極14a〜14dの全て
が、二つのコイル12,13が接近している部分(図4
で示したA部分)の端部に設けられている。つまり、ト
リミング電極14a〜14dがコイル12,13によっ
て発生した磁界を遮る現象を、さらに抑えるように工夫
されている。
板1の上に線対称に配設されている。コイル12の一方
の端部12aは入出力外部電極6に電気的に接続し、コ
イル13の一方の端部13aは入出力外部電極7に電気
的に接続している。コイル12,13の他方の端部12
b,13bは、中間タップ電極8に電気的に接続してい
る。
は、前記第1実施形態の可変インダクタンス素子9と同
様の作用効果を奏する。さらに、コイル12,13自身
の隣り合う部分の間隔Dをライン幅Wの2倍以上に設定
しているので、隣り合う部分でそれぞれ発生する磁界の
間の距離が大きくなり、磁界の干渉を抑えることができ
る。従って、インダクタンス素子11のQ値の低下を更
に抑えることができる。
インダクタンス素子は前記実施形態に限定するものでは
なく、その要旨の範囲内で種々に変更することができ
る。
しているが、量産する場合には、複数の可変インダクタ
ンス素子を備えたマザー基板(ウエハ)の状態で製造
し、最終工程でダイシング、スクライブブレイク、レー
ザ等の工法により製品サイズ毎に切り出す方法が効果的
である。また、二つのコイルの形状は略蛇行形状であれ
ばよく、例えばsin曲線を有する形状であってもよ
い。そして、二つのコイルは、必ずしも線対称形に配設
される必要はなく、二つのコイルが異なる形状及び異な
るインダクタンス値を有するように設定してもよい。さ
らに、可変インダクタンス素子は三つ以上のコイルを有
していてもよく、この場合、隣接する二つのコイル間に
それぞれトリミング電極が設けられる。
よれば、トリミング電極をトリミングすることにより、
各コイルのインダクタンス値のバランスを崩すことな
く、各コイルの入出力外部電極間のインダクタンス値を
変化させることができる。そして、トリミング電極を、
略蛇行状コイルが設けられている領域外に配置している
ので、コイルによって発生した磁界をトリミング電極が
遮る現象が抑えられる。従って、高Q値のインダクタン
ス素子が得られる。
なくとも二つのコイルを内蔵しているので、2個のコイ
ル部品をプリント基板上に形成した回路パターンで電気
的に接続する必要がなく、プリント基板上の占有面積を
小さくすることができる。しかも、プリント基板の回路
パターン自身が有するインダクタンス成分の影響がなく
なるので、略蛇行状コイルが有する微小インダクタンス
値の調整が可能となる。
を、コイルのライン幅の2倍以上に設定しているので、
隣り合う部分でそれぞれ発生する磁界の間の距離が大き
くなり、磁界の干渉を抑えることができる。従って、イ
ンダクタンス素子のQ値の低下を更に抑えることができ
る。
施形態を示す斜視図。
価回路図。
クタンス調整方法を説明するための斜視図。
施形態を示す平面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板に設けられた少なくとも二つの略蛇行状
コイルと、 前記二つのコイルがそれぞれ配設されている領域外の前
記絶縁性基板に配置され、前記二つのコイル間を電気的
に接続した、インダクタンス値を調整するためのトリミ
ング電極と、 前記二つのコイルのそれぞれの一端部に電気的に接続さ
れた二つの入出力外部電極と、 前記二つのコイルのそれぞれの他端部を電気的に接続し
た中間タップ電極とを備え、 前記二つの入出力外部電極と前記中間タップ電極とを3
端子とする3端子型素子を構成し たこと、 を特徴とする可変インダクタンス素子。 - 【請求項2】 前記コイルの隣り合う部分の間隔が、コ
イルのライン幅の2倍以上であることを特徴とする請求
項1記載の可変インダクタンス素子。 - 【請求項3】 前記トリミング電極のライン幅が前記コ
イルのライン幅より細いことを特徴とする請求項1又は
請求項2記載の可変インダクタンス素子。 - 【請求項4】 前記トリミング電極を前記二つのコイル
が接近している部分の端部に配置したことを特徴とする
請求項1ないし請求項3記載の可変インダクタンス素
子。 - 【請求項5】 絶縁性基板に、二つの略蛇行状コイル
と、前記二つのコイルがそれぞれ配設されている領域外
に配置され、前記二つのコイル間を電気的に接続したト
リミング電極と、前記二つのコイルのそれぞれの一端部
に電気的に接続された二つの入出力外部電極と、前記二
つのコイルのそれぞれの他端部を電気的に接続した中間
タップ電極とを形成して、前記二つの入出力外部電極と
前記中間タップ電極とを3端子とする3端子型可変イン
ダクタンス素子を構成し、該3端子型可変インダクタン
ス素子をプリント基板に実装した後、前記トリミング電
極をトリミングしてインダクタンス値を調整することを
特徴とする可変インダクタンス素子のトリミング方法。
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