JP3435636B2 - 可変インダクタンス素子 - Google Patents
可変インダクタンス素子Info
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Description
ス素子、特に、移動体通信機器等に使用される可変イン
ダクタンス素子に関する。
電話や自動車電話等の移動体通信機器においては、その
内部で使用される部品においても小型化が要求されてい
る。また、使用周波数が高くなるにつれて回路は複雑に
なり、使用部品は狭偏差であることが要求される。しか
し、実際、個々の部品には偏差があり、これらの部品を
実装して構成した回路が機能しない場合がある。そのた
め、回路を構成する部品群の一部に可変タイプの部品を
使用し、この可変タイプの部品を微調整することによ
り、回路を機能させる方法が採られている。その一つの
方法として、可変インダクタンス素子を使用する方法が
あり、従来より、インダクタンス調整部(トリミングパ
ターン)を有したインダクタンス素子等が知られてい
た。
変インダクタンス素子の一例を示す斜視図である。この
インダクタンス素子1は、絶縁性基板2の表面に渦巻形
状のコイル3を設けている。インダクタンス調整部は、
梯子状に配置された複数のトリミング電極4にて構成さ
れており、コイル3が設けられている領域内に位置して
いる。コイル3の一方の端部3aは外部電極7に電気的
に接続され、他方の端部3bは絶縁膜5上に配設されて
外部電極8に電気的に接続されている。そして、レーザ
ビームを可変インダクタンス素子1の上面側から照射す
る等して、トリミング電極4を順に一本ずつ切断するこ
とにより、外部電極7と外部電極8との間のインダクタ
ンス値を段階的に微調整することができる。
ンス素子11を示す斜視図である。このインダクタンス
素子11は、絶縁性基板12の表面に渦巻形状のコイル
13を設けている。インダクタンス調整部は、トリミン
グ電極14a〜14dにて構成されており、これらトリ
ミング電極14a〜14dはコイル13の途中からコイ
ル13が設けられている領域外にそれぞれ引き出されて
いる。トリミング電極14c,14dは絶縁膜15a,
15b上に配設されている。コイル13の一方の端部1
3aは外部電極17に電気的に接続し、他方の端部13
bは絶縁膜15c上に配設されて外部電極18に電気的
に接続している。そして、トリミング電極14a〜14
dを順に一本ずつ切断することにより、外部電極17と
外部電極18との間のインダクタンス値を調整すること
ができる。
示した可変インダクタンス素子1は、インダクタンス調
整部の配設エリア面積が小さいため、可変範囲が狭く、
回路調整に必要な可変範囲を得ることが困難であった。
回路調整に必要な可変範囲を取得するためにインダクタ
ンス調整部の配設エリア面積を大きくとると、インダク
タンス素子の小型化の妨げとなるからである。さらに、
可変インダクタンス素子1は、コイル3が設けられてい
る領域内に電極4を配置しているので、該電極4がコイ
ル3によって発生した磁界を遮ることになる。この結
果、インダクタンス素子1のQ値が低くなるという問題
があった。
子11は、1ターン単位でのインダクタンス値の調整と
なり、インダクタンス値を微小単位で調整することがで
きなかった。従って、回路調整に最適な値が可変範囲内
にあっても、その最適値を得ることができないことがあ
った。しかも、可変インダクタンス素子11は、トリミ
ング電極14a〜14dを略一定のコイル長毎に接続す
ることが難しく、インダクタンス値を略一定の値で段階
的に微調整することが困難であった。さらに、トリミン
グ電極14a〜14dがトリミング順に一列に並ばない
ため、トリミング作業が煩雑であり、量産には不適当な
ものであった。
つ、インダクタンス値の可変範囲が広く、容易に微調整
することができる可変インダクタンス素子を提供するこ
とにある。
め、本発明に係る可変インダクタンス素子は、 (a)絶縁性基板と、 (b)絶縁性基板の表面に設けられた 入力外部電極およ
び出力外部電極と、(c)絶縁性基板の表面に設けられ、 入力外部電極と出
力外部電極との間に少なくとも二つの渦巻状コイルパタ
ーンを電気的に直列に接続してなるコイルと、(d)絶縁性基板の表面に設けられ、 渦巻状コイルパタ
ーンのうち少なくとも二つの渦巻状コイルパターンの各
々に少なくとも一つ設けられ、一端を渦巻状コイルパタ
ーンに接続したトリミング電極と、(e)絶縁性基板の表面に設けられ、 トリミング電極の
他端が接続されている引出し電極とを備え、(f) 引出し電極を入力外部電極および出力外部電極の
いずれか一方の外部電極に接続し、トリミング電極を一
列に配設し、一端のトリミング電極から順に切断するに
つれて、コイルのインダクタンス値が増大するようにし
たこと、を特徴とする。
の長手方向に対して垂直な方向に延在し、トリミング電
極の延在方向は引出し電極の延在方向と異なっているこ
とが好ましい。また、トリミング電極は略一定のコイル
長毎に接続されていることが好ましい。
極との間に少なくとも二つの渦巻状コイルパターンを電
気的に直列に接続してコイルを構成しているため、トリ
ミング電極はトリミング順に配置される。また、回路調
整に必要な可変範囲が広くなり、トリミング電極を順に
一本ずつトリミング(切断)することにより、インダク
タンス値が一定の値で段階的に微調整される。
タンス素子の実施形態について添付図面を参照して説明
する。
を平滑な面になるように研磨した後、厚膜印刷法あるい
はスパッタリング、蒸着等の薄膜形成法によりコイル2
2及び引出し電極25を絶縁性基板21の上面に形成す
る。厚膜印刷法は、例えば所望のパターン形状を有した
開口を備えたスクリーン版を絶縁性基板21の上面に被
せた後、導電性ペーストをスクリーン版の上から塗布
し、スクリーン版の開口から露出した絶縁性基板21の
上面に、比較的膜厚の厚い所望のパターン形状の導電体
(本実施形態の場合、コイル22及び引出し電極25)
を形成する方法である。
る方法である。絶縁性基板21の上面の略全面に比較的
膜厚の薄い導電性膜を形成した後、レジスト膜(例えば
感光性樹脂膜等)をスピンコート又は印刷により導電性
膜の略全体に形成する。次に、レジスト膜の上面に所定
の画像パターンが形成されたマスクフィルムを被せ、紫
外線等を照射する等の方法により、レジスト膜の所望の
部分を硬化させる。次に、硬化した部分を残してレジス
ト膜を剥がした後、露出した部分の導電性膜を除去し、
所望のパターン形状の導電体(コイル22及び引出し電
極25)を形成する。この後、硬化したレジスト膜を除
去する。
21の上面に感光性導電ペーストを塗布し、その後所定
の画像パターンが形成されたマスクフィルムを被せて露
光し、現像する方法でもよい。
ターン23,24を電気的に直列に接続してなる。これ
らコイルパターン23,24は絶縁性基板21の長手方
向に並設されている。引出し電極25はその一端が絶縁
性基板21の右辺に露出している。
ガラスセラミックス、アルミナ、フェライト、Si、S
iO2等が用いられる。コイル22及び引出し電極25
の材料としては、Ag,Ag−Pd,Cu,Ni,Al
等が使用される。
30lを有した絶縁保護膜30が形成される。すなわ
ち、液状の絶縁性材料を絶縁性基板21の上面の全面に
スピンコート又は印刷等により塗布、乾燥及び焼成して
絶縁保護膜30を形成する。絶縁性材料には、例えば感
光性ポリイミド樹脂や感光性ガラスペースト等が使用さ
れる。次に、絶縁保護膜30の上面に所定の画像パター
ンが形成されたマスクフィルムを被せ、紫外線等を照射
する等の方法により、絶縁保護膜30の所望の部分を硬
化させる。次に、絶縁保護膜30の未硬化部分を除去
し、開口部30a〜30lを形成する。開口部30aに
は、渦巻状コイルパターン23の内側に位置しているコ
イル22の一端部22aが露出している。開口部30g
には、渦巻状コイルパターン24の内側に位置している
コイル22の他端部22bが露出している。同様に、開
口部30b〜30fにはそれぞれコイル22の所定の部
分が露出し、開口部30h〜30lにはそれぞれ引出し
電極25の所定の部分が露出している。
31a〜31e及び引出し電極35,36が、コイル2
2等を形成した場合と同様に、厚膜印刷法あるいはスパ
ッタリング、蒸着等の薄膜形成法により形成される。引
出し電極35は、絶縁保護膜30の開口部30aを介し
て、コイル22の端部22aに電気的に接続している。
引出し電極36は、開口部30gを介して、コイル22
の端部22bに電気的に接続している。同様に、トリミ
ング電極31a〜31eは、それぞれその一端が絶縁保
護膜30の開口部30b〜30fを介してコイル22の
所定の部分に電気的に接続し、他端が開口部30h〜3
0lを介して引出し電極25の所定の部分に電気的に接
続している。
基板21の奥側に梯子状に一列に配設され、つまりコイ
ル22の片側に配設され、引出し電極25とコイル22
に橋渡されている。引出し電極35は絶縁性基板21の
左辺に露出し、引出し電極36は絶縁性基板21の右辺
に露出している。
料を絶縁性基板21の上面側全面にスピンコート又は印
刷等により塗布、乾燥および焼成してトリミング電極3
1a〜31eおよび引出し電極35,36を被覆した絶
縁保護膜30とする。次に、絶縁性基板21の長手方向
の左右の両端部にそれぞれ外部電極37,38を設け
る。外部電極37は引出し電極35に電気的に接続し、
外部電極38は引出し電極25,36に電気的に接続し
ている。外部電極37,38は、Ag,Ag−Pd,C
u,NiCr,NiCu,Ni等の導電性ペーストを塗
布、焼付けた上に湿式電解めっきによりNi,Sn,S
n−Pbなどの金属膜が形成されたり、また、スパッタ
リング、蒸着などによって形成される。
39は、絶縁性基板21上に、コイル22とインダクタ
ンス調整部(トリミング電極31a〜31e)が電気的
に接続されている回路を有している。そして、トリミン
グ電極31a〜31eを、基板21上のコイル22が設
けられている領域内に僅かに配置しているに過ぎないの
で、コイル22によって発生した磁界をトリミング電極
31a〜31eが遮る量を少なくすることができる。従
って、高Q値のインダクタンス素子39が得られる。
ト基板等に実装した後、トリミング電極31a〜31e
をトリミングする。すなわち、レーザビームを可変イン
ダクタンス素子39の上面側から照射する等して、図5
に示すように、可変インダクタンス素子39にトリミン
グ溝40を形成すると共に、トリミング電極31a〜3
1eを、端に位置しているトリミング電極31aから順
に一本ずつ切断する(図5は2本のトリミング電極31
a,31bが切断されている状態を示している)。これ
により、外部電極37と38との間のインダクタンス値
を一定の値で段階的に僅かづつ増大させることができ
る。
の可変インダクタンス素子39を使用して、インダクタ
ンス値の変化を測定した結果を示すグラフである(実線
45参照)。比較のために、図6には、図9に示した従
来の可変インダクタンス素子11の測定結果も併せて記
載している(点線46参照)。本実施形態の可変インダ
クタンス素子39は、低インダクタンス値(約3nH)
から高インダクタンス値(約15nH)までの広い可変
範囲を有している。これに対して、従来の可変インダク
タンス素子11は、比較的高インダクタンス値の可変範
囲(約9〜15nH)しか有していない。
コイル22を二つの渦巻形状のコイルパターン23,2
4にて構成し、かつ、それぞれのコイルパターン23,
24にトリミング電極31a,31b、31d,31e
を接続しているので、トリミング電極31a〜31eを
トリミング順に配置することができ、トリミング作業が
容易になる。しかも、トリミング電極31a〜31eを
略一定のコイル長毎に接続することができ、インダクタ
ンス値を略一定の値で段階的に(言い換えるとリニア
に)微調整することができる。
細かくするには、トリミング電極31a〜31eの数を
増やせばよい。また、トリミング電極31a〜31eの
トリミングはレーザビームに限らず、サンドブラスト等
いかなる手段で行ってもよく、また、トリミング電極3
1a〜31eが電気的に切断されていれば、トリミング
溝40は物理的に凹んだ構造になっていなくともよい。
特に、絶縁保護膜30の材料としてガラスやガラスセラ
ミックスを使用した場合、レーザビームで溶解したガラ
スがトリミング部分に流れ込み、トリミング後の保護膜
を形成することができる。それにより、トリミング後の
電極露出を防ぐことができる。
子は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の
範囲内で種々に変更することができる。
数は二つ以上任意であり、例えば、図7に示すように、
コイル22は、三つの渦巻形状のコイルパターン54,
55,56を電気的に直列に接続して構成されたもので
あってもよい。図7において、31a〜31hはトリミ
ング電極、61,62はコイルパターン54〜56を直
列に接続するための中継パターン、63はコイル22を
外部電極38に接続するための引出し電極である。この
ように、渦巻形状のコイルパターンの数を増加させるこ
とによってインダクタンス値をより細かく微調整するこ
とができる。
トリミング電極を接続する必要はなく、例えばトリミン
グ電極31g,31hを省略して、コイルパターン56
にはトリミング電極を接続しないようにしてもよい。
しているが、量産する場合には、複数の可変インダクタ
ンス素子を備えたマザー基板(ウエハ)の状態で製造
し、最終工程でダイシング、スクライブブレイク、レー
ザ等の工法により製品サイズ毎に切り出す方法が効果的
である。
パターンが形成されているプリント基板上に直接に二つ
以上の渦巻状コイルパターンを形成することによって構
成されたものであってもよい。
よれば、入力外部電極と出力外部電極との間に少なくと
も二つの渦巻状コイルパターンを電気的に直列に接続し
てコイルを構成しているので、トリミング電極をトリミ
ング順に配置することができる。この結果、トリミング
作業が容易になり、トリミング時の切断ミスなどの不具
合を抑え、トリミングの信頼性が向上する。また、回路
調整に必要な可変範囲を広くでき、トリミング電極を順
に一本ずつトリミングすることにより、インダクタンス
値を一定の値で段階的に微調整することができる。
形態を示す斜視図。
視図。
クタンス調整方法を説明するための斜視図。
クタンス値の可変範囲を示すグラフ。
施形態を示す平面図。
図。
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板の表面に設けられた 入力外部電極および
出力外部電極と、前記絶縁性基板の表面に設けられ、 前記入力外部電極と
出力外部電極との間に少なくとも二つの渦巻状コイルパ
ターンを電気的に直列に接続してなるコイルと、前記絶縁性基板の表面に設けられ、 前記渦巻状コイルパ
ターンのうち少なくとも二つの渦巻状コイルパターンの
各々に少なくとも一つ設けられ、一端を渦巻状コイルパ
ターンに接続したトリミング電極と、前記絶縁性基板の表面に設けられ、 前記トリミング電極
の他端が接続されている引出し電極とを備え、 前記引出し電極を前記入力外部電極および出力外部電極
のいずれか一方の外部電極に接続し、前記トリミング電
極を一列に配設し、一端のトリミング電極から順に切断
するにつれて、前記コイルのインダクタンス値が増大す
るようにしたこと、 を特徴とする可変インダクタンス素子。 - 【請求項2】 前記絶縁性基板が平面視矩形であり、前
記トリミング電極が前記絶縁性基板の長手方向に対して
垂直な方向に延在し、前記トリミング電極の延在方向が
前記引出し電極の延在方向と異なっていることを特徴と
する請求項1記載の可変インダクタンス素子。 - 【請求項3】 前記トリミング電極が略一定のコイル長
毎に接続されていることを特徴とする請求項1または請
求項2記載の可変インダクタンス素子。
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