JP3085825B2 - 真空成形法 - Google Patents
真空成形法Info
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Description
アンダーカット部を有する製品を成形するのに好適な真
空成形法に関する。
ンストルメントパネルAは、図7に示すように、順次積
層された芯材1、クッション材2および表皮3から構成
されている。芯材1は、インストルメントパネルA全体
の形状を一定に維持するためのものであり、ABS樹脂
等の硬質樹脂から構成され、例えば射出成形法によって
成形されている。クッション材2はポリプロピレンフォ
ーム等の発泡材から構成され、表皮3は例えばポリ塩化
ビニルとABS樹脂とを混合した樹脂から構成されてお
り、両者はラミネート加工によって一体化されている。
そして、芯材1にクッション材2が接着されることによ
り、芯材1、クッション材2および表皮3が一体化され
ている、なお、芯材1には、インストルメントパネルA
を真空成形する際に空気を流通させる必要上、多数の小
孔が貫通して形成されている。
真空成形法によって製造されている。この場合、インス
トルメントパネルAが凸状のアンダーカット部4を有し
ているため、次のようにして真空成形されている。
11と雌型12とからなる真空成形用の金型装置であ
り、この金型装置10を用いてインストルメントパネル
Aを成形する場合には、雄型11と雌型12とを離間さ
せて型開きさせておき、それらの間にはクッション材2
と表皮3とからなるシート13を張っておく。次に、雄
型11に芯材1をセットする。この場合、芯材1の表面
には、予め接着剤を塗布しておく。その後、雄型11を
雌型12に接近移動させ、芯材1およびシート13を雌
型12内に入り込ませる。そして、シート13のうちの
インストルメントパネルAのアンダーカット部4から上
側になるべき部分を雌型12の内面に押圧接触させる。
移動させ、想像線で示すように、シート13を芯材1の
アンダーカット部4から下側に対応する部分に押圧接触
させる。その後、雌型12および可動型12a,12b
から真空吸引する。これによって、表皮3に絞等の形状
が付与される。真空成形後、可動型12a,12bを後
退させ、その後型開きして成形品を取り出す。そして、
シート13の芯材1に接着していない部分を切り取る。
これによって、インストルメントパネルAが得られる。
においては、雌型12と可動型12a,12bとの間に
可動型12a,12bの移動を許容するための小さな隙
間があり、この隙間からもシート13が真空吸引され
る。このため、製造されたインストルメントパネルAの
表皮3の表面には、隙間に対応する部分(図8において
符号イ,ロで示す部分)に隙間に沿ったスジが形成され
てしまい、インストルメントパネルAの美観を損ねると
いう問題があった。
を解決するためになされたもので、芯材の表面に表皮を
接着してなる製品を成形するに際し、表面に接着剤が塗
布された芯材を雄型にセットし、雄型を雌型側へ相対的
に移動させることにより、雄型と雌型との間に張られた
表皮を芯材に接触させるとともに、雌型の内面に沿わ
せ、この状態で雌型側から真空吸引し、次に上記雌型側
からの真空吸引を停止した後、上記雄型側から真空吸引
することを特徴としている。この場合、上記雄型側から
の真空吸引時に、上記表皮の周縁部を上記芯材側へ向か
って強制的に移動させるようにするのが望ましい。
面に押圧接触させられることにより、その表面に雌型の
内面に形成された絞等の形状が付与される。雌型側から
の真空吸引を停止した後に雄型側から真空吸引すると、
その吸引力によって表皮のうちのアンダーカット部に対
応する部分が芯材に押圧接触させられ、接着剤によって
固着される。
を固定しておくと、表皮のうちのアンダーカット部に対
応する部分が、雄型側からの真空吸引によって芯材に接
触させられ際に大きく引き伸ばされる。このとき、表皮
の引き伸ばしに要する力が大きいと、その分だけ真空吸
引による表皮の芯材に対する接触圧が弱くなり、固着力
が低下するおそれがある。また、引き伸ばされることに
より、当該部分が他の部分に比して薄くなる。この点、
表皮の周縁部を強制的に芯材側へ移動させれば、表皮が
引き伸ばされなくなるか、あるいは引き伸ばし量が小さ
くなる。したがって、固着力が低下したり、あるいは表
皮の一部が薄くなることもない。
を参照して説明する。図1〜図3は、この発明を実施す
るための金型装置20を示すものであり、この金型装置
20では図7に示すインストルメントパネルAを成形す
るようになっている。まず、金型装置20の構成につい
て説明すると、金型装置20は、対向して配置された雌
型30および雄型40と、これら雌型30と雄型40と
の間に配置され、シート13の周縁部を固定する一対の
挟持枠50,50とを備えている。
に、駆動手段(図示せず)によって上下方向に移動させ
られるロッド31を備えており、このロッド31の下端
部には、金属製の枠体32が固定されている。この枠体
32は、下端中央部が開口した中空の直方体状をなすも
のであり、その内部には上型33が収容されている。
れている。この凹部34の下端開口部の幅は、インスト
ルメントパネルAの幅Wとほぼ同一寸法になってお、凹
部34の長さはインストルメントパネルAの長さとほぼ
同一寸法になっている。また、凹部の上底部は、インス
トルメントパネルAのアンダーカット部4,4から上側
の部分と同一の断面形状になっている。さらに、凹部3
4の内面には、絞等の表皮3に付与すべき所望の模様等
が形成されている。
皮3を真空吸引して凹部34の内面に押圧密着させるこ
とによって行われるのであり、表皮3の真空吸引を可能
にするために、上型33は多孔質のセラミックで形成さ
れている。したがって、ロッド31および枠体32を貫
通する吸引孔35を真空ポンプ、真空タンク等の真空吸
引手段(図示せず)に接続して真空吸引すると、表皮3
が凹部34の内面に押圧密着される。勿論、上型33を
樹脂、その他の材質で形成し、吸引孔35に連通した多
数の小孔を凹部34の内面に開口させることによっても
表皮3を真空吸引することが可能である。
6,36が枠体32の幅方向(図2において左右方向)
へそれぞれ摺動自在に設けられている。各挟持片36
は、枠体32の長手方向の端面に配置固定されたシリン
ダ機構60によって互いに接近離間移動させられるよう
になっている。なお、挟持片36は、初期状態ではその
側面が枠体32の側面と面一になるように位置してい
る。
向へ移動させられるロッド41を備えている。このロッ
ド41の上端部には、基板42が固定されている。この
基板42の上面には、下型43が固定されている。この
下型43は、その上端部に芯材2がガタなく嵌まり込む
よう、その幅は芯材1の内側の最も狭い幅(図7におい
て下端部の幅)とほぼ同一になっており、その長さは芯
材1の内側の長さとほぼ同一になっている。
樹脂から形成されており、その内部には基板42および
ロッド41を貫通して真空吸引手段(図示せず)に接続
された吸引孔44が形成されるとともに、この吸引孔4
4に連通した多数の小孔(図示せず)が形成されてい
る。各小孔は、下型43の外面にほぼ均一に開口してい
る。なお、下型43については、多孔質のセラミックで
形成してもよい。その場合、下型43に小孔を形成する
必要がないのは勿論である。
45,45が互いに接近離間する方向へ摺動自在に設け
られている。各挟持片45は、上記雌型30の挟持片3
6と同様に、シリンダ機構(図示せず)によって移動さ
せられるようになっている。また、初期状態では、雌型
30の挟持片36と対向するように位置している。
ストルメントパネルAを成形する場合について説明す
る。まず、図2に示すように、雌型30と雄型40とを
離間させておき、雄型40の下型43の上端部に芯材1
をセットするとともに、挟持枠50,50によってシー
ト13の周縁部を固定する。この場合、芯材1の表面
(クッション材2が接着される面)には接着剤を塗布し
ておく。また、シート13については、表皮3を雌型3
0側に向けておく。
よって加熱する。加熱後、雌型30を下方へ移動させる
とともに、雄型40を上方へ移動させる。雌型30につ
いては、挟持片36がシート13に接触したら停止させ
る。なお、雌型30を当初からシート13に近接または
接触させて配置してある場合には、雌型30を移動させ
なくともよい。
ト13に接触した後もさらに上方へ移動させ、これによ
ってシート13の中央部を雌型30の凹部34内に押し
込むようにする。そして、シート13が凹部34の上底
部に押圧接触するか、その直前に雄型40を停止する。
このとき、雌型30の挟持片36と雄型40の挟持片4
5とがシート13に押圧接触して挟持する状態になり、
これによって凹部34内が密封される。
3を雌型30側から真空吸引する。すると、図1(A)
に示すように、シート13が凹部34の内面に押圧密着
する。これによって、シート13を所望の形状に形成す
るとともに、シート13の表皮3に凹部34の内面に形
成された絞等の模様を転写する。形状の形成および模様
の転写に必要な時間が経過したら、雌型30側からの真
空吸引を停止する。
型40側からの真空吸引を行う。すると、芯材1に多数
の小孔が形成されているので、その小孔を介してシート
13が真空吸引される。この結果、図1(B)に示すよ
うに、シート13が芯材1に押圧密着する。この場合、
シート13のうちのインストルメントパネルAのアンダ
ーカット部4から上側の部分に対応する部分が芯材1に
押圧密着するのは勿論のこと、アンダーカット部4から
下側の部分に対応する部分が、雄型30側からの真空吸
引によって芯材1に押圧密着する。勿論、シート13は
下型43にも押圧密着する。
孔35を介して雌型30に圧縮空気を供給し、雌型30
側からシート13に正圧を加えるようにしてもよい。同
様に、雌型30側からの真空吸引時に雄型40側からシ
ート13に正圧を加えるようにしてもよい。
同時に雌型30に設置されたシリンダ機構60および雄
型40に設置されたシリンダ機構を起動し、挟持片3
6,45をシート13を挟持した状態を維持しつつ下型
43に接近するように移動させる。この点の理由は後述
する。なお、挟持片36,45を移動させる場合、挟持
枠50,50がシート13を挟持した状態にしておいて
もよいが、挟持枠50,50を離間移動させ、シート1
3の周縁部が自由移動し得る状態にしておくのが望まし
い。
0を離間移動させ、いわゆる型開きする。そして、成形
品を雄型40から取り出し、シート13のうちの芯材1
に密着していない部分を切り落とす。これによって、イ
ンストルメントパネルAを得る。
は、シート13を雌型30側から真空吸引して凹部34
の内面に押圧接触させ、表皮3に所望の形状および模様
を付与した後、雌型30側からの真空吸引を停止する一
方、雄型40側から真空吸引しているので、アンダーカ
ット部4を有するインストルメントパネルAを成形する
に際し、可動型を用いる必要がない。したがって、表皮
3にスジが発生するのを確実に防止することができる。
を下型43側へ移動させることにより、シート13の周
縁部を芯材1に接近するように移動させているので、シ
ート13をアンダーカット部4から下側の芯材1に確実
に押圧接触させることができる。
定した状態でシート13を雄型40側から真空吸引した
ものとすると、シート13が芯材1のうちのアンダーカ
ット部4から下側の部分に密着するには、アンダーカッ
ト部4に対応する箇所から挟持片36,45によって挟
持された箇所までの間の部分が大きく伸びる必要があ
り、シート13に大きな引っ張り応力が作用する。この
ため、シート13が芯材1に押圧密着しないおそれがあ
る。また、大きく引き伸ばされる部分が他の部分(アン
ダーカット部4から上側の部分)より薄くなってしま
う。
0側からの真空吸引時にシート13の周縁部を芯材1に
接近するように移動させているので、雄型40側からの
真空吸引時に、シート13のアンダーカット部4から下
側の部分の伸び量を少なくすることができる。したがっ
て、シート13の当該部分を芯材1に確実に押圧密着さ
せることができる。また、伸び量が少ないので、当該部
分が他の部分より大きく薄くなるのを防止することがで
きる。
図4に示す実施例は、アンダーカット部4の突出量が比
較的小さい場合のためのものであり、この実施例では、
上記実施例の挟持片36,45に代えてローラ37,4
6を配置し、これらのローラ37,46によってシート
13を移動可能に挟持させるようにしている。この実施
例では、雄型40側から真空吸引すると、その吸引力に
よってシート13が引っ張られ、その周縁部が自動的に
移動する。なお、符号38は、ローラ37に接触するこ
とにより、枠体32とローラ37との間の気密性を確保
するためのゴム等からなるシール材であり、符号47も
同様のシール材である。
状をなすアンダーカット部がある製品を成形するための
ものであり、図5に示すように、シート13を雌型30
側から真空吸引して凹部34の内面に密着させた後、雌
型30側からの真空吸引を停止するとともに、雄型40
側から真空吸引する。すると、図6に示すように、アン
ダーカット部に対応する芯材1の凹部1aにシート13
が密着する。
れるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適
宜変更可能である。例えば、この発明によれば、上記の
インストルメントパネルA以外にもドアトリム等の車両
用の内装品、または車両用以外の製品を成形することが
できる。この場合、芯材1と表皮3との間にクッション
材2があってもよく、なくともよい。
形法によれば、雌型側からの真空吸引を停止した後、雄
型側から真空吸引するものであるから、アンダーカット
部を有する製品を可動型を用いることなく成形すること
ができる。したがって、可動型を用いることに起因する
スジの発生を確実に防止することができるという効果が
得られる。
締めした状態で示す断面図であって、図1(A)は雌型
側から真空吸引した状態を示す図、図1(B)は雌型側
からの真空吸引を停止し、かつ雄型側から真空吸引した
状態を示す図である。
る。
の例の一部を示す断面図である。
らに他の例を型締めし、かつ雌型側から真空吸引した状
態で示す断面図である。
かつ雄型側から真空吸引した状態で示す断面図である。
ネルを示す断面図である。
示す断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯材の表面に表皮を接着してなる製品を
成形するに際し、表面に接着剤が塗布された芯材を雄型
にセットし、雄型を雌型側へ相対的に移動させることに
より、雄型と雌型との間に張られた表皮を芯材に接触さ
せるとともに、雌型の内面に沿わせ、この状態で雌型側
から真空吸引し、次に上記雌型側からの真空吸引を停止
した後、上記雄型側から真空吸引することを特徴とする
真空成形法。 - 【請求項2】 上記雄型側からの真空吸引時に、上記表
皮の周縁部を上記芯材側へ向かって強制的に移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載真空成形法。
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JPH06344433A JPH06344433A (ja) | 1994-12-20 |
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ID=15825519
Family Applications (1)
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JP16612693A Expired - Lifetime JP3085825B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 真空成形法 |
Country Status (1)
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-
1993
- 1993-06-11 JP JP16612693A patent/JP3085825B2/ja not_active Expired - Lifetime
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