JP4962241B2 - 内装品の真空成形方法 - Google Patents
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Description
インストルメントパネルのうち、助手席側のグローブボックス周囲や、運転席側のコックピット周囲等の部分では、これらの部分を車幅方向から見ると、その形状が、自動車のフロント側から車内空間に向けて膨らんだ湾曲形状となっている。このような湾曲形状のパネル湾曲部では、この部分における基材の形状が、パネル湾曲部の形態にほぼ沿った形状となっている。
この特許文献1の真空成形法では、基材10は、その湾曲部の頂部を型開閉方向VL(図11中、上下方向)上方に向けた配置形態で、基材側吸引型51に取付けられている。一方、表皮20は、クランプ具55により水平に保持された状態で、基材側吸引型51(基材側真空吸引型)と表皮側吸引型52(表皮側真空吸引型)との間に配設されている。
そして、成形時には、表皮20を水平な姿勢のまま、基材側吸引型51を上昇させて、表皮20の一部を基材11の一部に被覆する。次いで、表皮側吸引型52を下降させ、この残り表皮20の一部を、この基材10の残部に被覆した後、基材側吸引型51と表皮側吸引型52とが型締めされている。型締め後、基材側吸引型51と表皮側吸引型52との成形空間内で、表皮側吸引型52側からの表皮20の真空引きにより表皮20の表面形状を成形し、基材側吸引型51側から基材10の通気部を通じてこの表皮20を吸引することで、表皮20が基材10に接着されている。
以下、その理由について、図12を用いて説明する。図12は、水平な姿勢に配設された表皮を基材に被覆し、基材側真空吸引型及び表皮側真空吸引型で型締めしたときの様子を説明する説明図である。
このようなインストルメントパネルでは、湾曲部11の型開閉向VL(図12中、上下方向)の高さが湾曲部高さHであるとすると、インストルメントパネルの成形の際、湾曲部高さHのほぼ中間位置で湾曲部11を水平方向に横切る湾曲部中間線FCで、基材側真空吸引型51と表皮側真空吸引型52とを型締めることが望ましい。
その理由としては、湾曲部11のうち、湾曲部中間線FCより高位の頂部側部分に、基材側真空吸引型51の上昇により表皮20が被覆される一方、湾曲部中間線FCより低位の底部側部分に、表皮側真空吸引型52の下降により表皮20が被覆される。すなわち、表皮20は、基材10の湾曲部11に水平な姿勢で当接し、基材側真空吸引型51の上昇と表皮側真空吸引型52の下降により、湾曲部11の形状に沿った形態に変形し、面方向に延伸する。
このとき、湾曲部11において、湾曲部中間線FCと交差する部位を境に、型開閉方向VLに対し、表皮20が湾曲部11の頂部側部分を被覆するまでの距離と、表皮20が湾曲部11の底部側部分を被覆するまでの距離との差は、比較的小さくなっている。このため、基材側真空吸引型51の上昇と表皮側真空吸引型52の下降により、表皮20が湾曲部11に沿って変形する際、表皮20の面方向への延伸量は、頂部側部分側及び底部側部分において、それぞれ同じ程度にすることができるからである。
このため、湾曲部11の湾曲第2部位Z2−湾曲第3部位Z3間に不要な表皮20を被覆しないように、表皮20の水平方向の長さを短く、基材側真空吸引型51と表皮側真空吸引型52とが型締めするときの型締め基準線FXを、湾曲部中間線FCより上位にして、表皮20が、必要とする湾曲部11の第7部位Z1−第8部位Z2間を被覆するようにしている。
すなわち、型開閉方向VLに対し、表皮20が湾曲部11の頂部側部分を被覆するまでの距離H1と、表皮20が湾曲部11の底部側部分を被覆するまでの距離H2(H2>H1)との差(H2−H1)が、型締め位置を湾曲部中間線FCとする場合と比べ、大きくなってしまうことがある。
すると、基材側真空吸引型51の上昇と表皮側真空吸引型52の下降により、表皮20が湾曲部11に沿って変形する際、表皮20の面方向への延伸量は、頂部側部分側及び底部側部分側で互いに大きく異なり、両側における相対的な延伸量の差も、比較的大きくなってしまう。
こうして生じる表皮20の厚さのバラツキに起因して、基材側真空吸引型51及び表皮側真空吸引型52による挟着時に、表皮20に破れ等の破損が発生する問題が生じる。
(1)射出成形された基材を基材側真空吸引型にセットし、基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型との型締めにより、あらかじめ基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型とを離間させた状態で、それらの真空吸引型間に平面状に配置され、周縁部がクランプで固定された表皮を基材に接触させると共に、表皮側真空吸引型の内面に沿わせ、この状態で表皮側真空吸引型により表皮を真空吸引して表皮を成形し、次に、表皮側真空吸引型による真空吸引を停止した後、基材側真空吸引型により基材の通気部を介して表皮を基材側に真空吸引して表皮を基材に接着させる内装品の真空成形方法であって、前記基材側真空吸引型と前記表皮側真空吸引型との型締め時に、表皮の両真空吸引型との干渉量が少なく、かつその干渉量が前後左右方向でバランスする角度に表皮を傾斜保持させること。
一般に、内装品を真空成形方法で製造するにあたり、基材側真空吸引型及び表皮側真空吸引型による押圧で、基材の湾曲部に表皮を被覆するとき、表皮は、その厚み方向に、基材の湾曲部の形状に沿って変形し、面方向に沿って延伸する。そして、表皮の厚みは、このときの延伸で引き延ばされた分に応じて、延伸前の状態よりも小さくなる。
これに対し、本発明の内装品の真空成形方法では、基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型との型締め時に、表皮の両真空吸引型との干渉量が少なく、かつその干渉量が前後左右方向でバランスする角度に表皮を傾斜保持させているので、基材の湾曲部に表皮を被覆するにあたり、表皮と基材の湾曲部との距離を、表皮を水平な姿勢で基材に被膜した従来の真空成形法の場合と比べて、相対的に小さくすることができる。その結果、表皮が基材の湾曲部の形状に沿って変形する際に、表皮の面方向への延伸量も小さくでき、この延伸量に応じた表皮の厚みの変化も小さく抑制される。
表皮の被覆時に、被覆前(延伸前)の表皮の厚みから、被覆後(延伸後)の表皮の厚みに変化した厚さ変化量も小さく抑制されていることから、基材の湾曲部に表皮を被覆したところでは、各部位において、表皮の厚さのバラツキが、比較的小さくなっている。
したがって、基材を被覆した表皮の各部位において、被覆時に表皮の延伸を抑制し、表皮の厚みのバラツキを比較的小さく抑えているので、表皮の厚みのバラツキに起因して、基材側真空吸引型及び表皮側真空吸引型による挟着時に、表皮に破れ等の破損することを抑制することができる。
この第2被覆工程では、表皮の一部を、表皮被覆予定部の頂部側被覆予定部で湾曲形状に沿って被覆したままの状態で、表皮の残部を、表皮被覆予定部の残部側被覆予定部で湾曲形状に沿って被覆する。このため、表皮の残部を残部側被覆予定部に被覆するにあたり、表皮側真空吸引型が、基材側真空吸引型との間に表皮の残部を挟んで頂部側被覆予定部を押圧しても、頂部側被覆予定部の形状に沿って被覆した表皮の一部では、表皮の延伸が生じ難いからである。
したがって、第1被覆工程と第2被覆工程に分け、表皮を、表皮被覆予定部の頂部側被覆予定部と残部側被覆予定部とに分けてそれぞれ被覆することで、表皮の延伸は、表皮被覆予定部全体にわたって、表皮を表皮被覆予定部全部に一度に覆ってしまう場合に比べて、小さく抑えられる。
本実施形態に係る内装品は、自動車用内装部品の一つであるインストルメントパネルである。したがって、以下、インストルメントパネルの真空成形方法について、図1〜図10を用いて説明する。
図6は、インストルメントパネル1の平面図である。図7は、図6に示すインストルメントパネル1のA−A矢視断面図である。図8は、図6に示すインストルメントパネル1のB−B矢視断面図である。図9は、図6に示すインストルメントパネル1のC−C矢視断面図である。なお、図6中左右方向がインストルメントパネル1の長手方向PLであり、図7〜図9中左右方向がインストルメントパネル1の幅方向PWである。
インストルメントパネル1は、基材10及び表皮20から構成されている。このインストルメントパネル1は、基材10の一部に、この表面10aに沿って表皮20(ドットハッチの部分)を貼着し、後述する真空成形法により、基材10と表皮20とを挟着して一体に成形してなる。このインストルメントパネル1のうち、助手席側のグローブボックス周囲や、運転席側のコックピット周囲等の一部では、これらの部分を車幅方向(長手方向PL)から見ると、その形状が、自動車のフロント側から車内空間に向けて湾曲形状に膨らんだパネル湾曲部となっている。
図7に示す部分の表皮被覆部15では、湾曲部11は、第1部位P1−第5部位P5間に形成され、表皮20は、このうちの第2部位P2−第4部位P4(表皮被覆予定部12)に被覆されている。
また、図8に示す部分の表皮被覆部15では、湾曲部11は、第6部位Q1−第10部位Q5間に形成され、表皮20は、このうちの第7部位Q2−第9部位Q4(表皮被覆予定部12)に被覆されている。
同様に、図9に示す部分の表皮被覆部15では、湾曲部11は、第11部位R1−第14部位R4間(表皮被覆予定部12)に形成され、表皮20も、この間全体に被覆されている。
なお、図7及び図8に示す部分の表皮被覆部15では、第3部位P3−第4部位P4間と第8部位Q3−第9部位Q4間の二点鎖線で示した部分の表皮20は、真空成形後にカットされている。
なお、表皮20の厚みtは、表皮20を基材10に被覆する前の状態において、本実施形態では、表面部材21が厚さ1(mm)、発泡層22が厚さ4(mm)で、表皮20全体で厚みt=5(mm)となっている。
インストルメントパネル1の真空成形には、真空成形装置50が用いられる。そこで、まず真空成形装置50について簡単に説明する。
この真空成形装置50は、予め所定形状に1次成形された基材10とシート状の表皮20とを真空成形法により一体に密着させてインストルメントパネル1を成形する装置である。
真空成形装置50は、いずれも型開閉方向VL(図1〜図5中、上下方向)に昇降可能な基材側真空吸引型51及び表皮側真空吸引型52と、複数のクランプ具55とを有している。クランプ具55は、表皮20の周縁部間を結ぶ面方向のうち、その一方向である表皮幅方向HW(図1に示す表皮20において左上−右下方向)に対し、テンションをかけた状態で、表皮20の周縁部を固定し保持する。また、いずれも図示しないが、真空成形装置50は、表皮20の表皮幅方向HWに対し、表皮20の周縁部間の中央を通る軸線を軸心Oに、表皮20を回転可能に構成した枠体と、ヒータと等を有している。
基材側真空吸引型51と表皮側真空吸引型52とが型締めされたとき、基材側真空吸引型51及び表皮側真空吸引型52の内部には、基材10と表皮20とを収容する成形空間50Sが形成される(図4参照)。
なお、インストルメントパネル1には、図7〜図9に例示したパネル湾曲部(表皮被覆部15)のように、複数のパネル湾曲部が長手方向PLにわたって形成されているが、各パネル湾曲部の形状は、存在する位置によって多少異なる。
したがって、以下の説明では、基材10に表皮20を被覆するにあたり、基材10の湾曲部11を図1に示す形状で模式的に示したものを代表し、この湾曲部11のうち、図3に示す第2部位M2と第4部位M4との間の表面11aを表皮被覆予定部12とする場合ついて説明する。
また、図8に示すパネル湾曲部では、一端側部位M1は第10部位Q5に対応し、他端側部位M4は第6部位Q1に対応する。
同様に、図9に示すパネル湾曲部では、他端側部位M4は第11部位R1に対応し、一端側部位M1は図9には存在しない。この一端側部位M1は、インストルメントパネル1の幅方向PWの車両前側(図6において上方)に位置する一方、他端側部位M4は、グローブボックスやコックピットの車高方向の下方に位置する。
その上で、表皮20は、当接基準点Tにおける接線SXと平行な向き、すなわち接線SXと型締め基準線FXとが傾斜角θとなるように傾斜させる。
すなわち、基材側真空吸引型51と表皮側真空吸引型52との型開閉方向VLに対し、基材10の表皮被覆予定部12の中央付近で交差し、表皮被覆予定部12を横切る水平な軸線を型締め基準線FXとしたとき、第1被覆工程では、基材側真空吸引型51が型締め基準線FXまで移動することにより、図3に示すように、表皮被覆予定部12のうち、型締め基準線FXよりも表皮側真空吸引型52側にある頂部側被覆予定部12Tに、表皮20の一部を被覆する。
第1被覆工程では、基材側真空吸引型51を型締め基準線FXまで移動させ、基材側真空吸引型51を表皮20の一部に当接させながらこれらを上昇させると、基材側真空吸引型51が当接した表皮20の一部が、基材側真空吸引型51による押圧で、基材側真空吸引型51の型形状に沿って変形する。これにより、この表皮20の一部は、表皮被覆予定部12のうち、他端側部位M4と第3部位M3との間、すなわち第3部位M3より上方にある表皮被覆予定部12の頂部側被覆予定部12Tに被覆される(図2参照)。
すなわち、図3及び図4に示すように、第2被覆工程では、表皮側真空吸引型52が型締め基準線FXまで移動することにより、表皮被覆予定部12のうち、頂部側被覆予定部12Tを除く残部側被覆予定部12Rに、表皮20の残部を被覆する。
すなわち、本実施形態に係る内装品の真空成形方法では、基材側真空吸引型51と表皮側真空吸引型52との型締め時に、表皮20の両真空吸引型51,52との干渉量が少なく、かつその干渉量がインストルメントパネル1の幅方向PWでバランスする角度に表皮20を傾斜保持させている。
次いで、表皮20を、その表面20a側から表皮側真空吸引型52の通気孔(図示しない)を通じて、所定の時間、所定の真空圧力値で吸引する。これにより、成形空間50S内が負圧になり、表皮20の表面20aが成形面52aに吸着されて、表皮20が所定の表面形状(シボ転写、細部形状等)に成形される。
吸引装置が、この表皮側真空吸引型52からの吸引を完全に停止した後、表皮20を、その固着面20b側から基材側真空吸引型51の通気孔及び基材10の微小通気路(いずれも図示せず)を通じて、所定の時間、所定の真空圧力値で吸引する。これにより、表皮20の固着面20bが基材10の湾曲部11の表面11a(表皮被覆予定部12)に吸着されて、固着面20b側に塗布された接着剤により、表皮20と基材10とが接着する。
かくして、基材10と表皮20とを一体に成形したインストルメントパネル1の表皮被覆部15が得られる(図1参照)。
これに対し、本実施形態のインストルメントパネル1の真空成形方法では、表皮20が湾曲部11の頂部側被覆予定部12Tを被覆するまでの距離(約H/2)と、表皮20が湾曲部11の残部側被覆予定部12Rを被覆するまでの距離(約H/2)との差(約H/2−約H/2)が、従来の真空成形法と比べ、相対的に小さくすることができるからである。
したがって、基材10を被覆した表皮20の各部位において、被覆時に表皮20の延伸を抑制し、表皮20の厚みt1のバラツキを比較的小さく抑えているので、表皮20の厚みt1のバラツキに起因して、基材側真空吸引型51及び表皮側真空吸引型52による挟着時に、表皮20に破れ等の破損することを抑制することができる。
この第2被覆工程では、表皮20の一部を、表皮被覆予定部12の頂部側被覆予定部12Tで湾曲形状に沿って被覆したままの状態で、残りの表皮20の一部を、表皮被覆予定部12の残部側被覆予定部12Rで湾曲形状に沿って被覆する。このため、残りの表皮20の一部を残部側被覆予定部12Rに被覆するにあたり、表皮側真空吸引型52が、基材側真空吸引型51との間に残りの表皮20の一部を挟んで頂部側被覆予定部12Rを押圧しても、頂部側被覆予定部12Tの形状に沿って被覆した表皮20の一部では、表皮20の延伸が生じ難いからである。
したがって、第1被覆工程と第2被覆工程に分け、表皮20を、表皮被覆予定部12の頂部側被覆予定部12Tと残部側被覆予定部12Rとに分けてそれぞれ被覆することで、表皮20の延伸は、表皮被覆予定部12全体にわたって、表皮20を表皮被覆予定部12全部を一度に覆ってしまう場合に比べて、小さく抑えられる。
この調査は、図6に示すインストルメントパネル1を、本実施形態の真空成形方法と従来の真空成形方法とによって、それぞれ成形した。両者のインストルメントパネル1について、パネル湾曲部(表皮被覆部15)のうち、第2部位P2−第3部位P3間(図7参照)、第7部位Q2−第8部位Q3(図8参照)及び第12部位R2−第13部位R3(図9参照)等のフロントガラス近傍における表皮20の厚みt1を測定した。
フロントガラス近傍部分では、これまでのインストルメントパネル1の製造を通じて、表皮20の厚みtが最も小さくなり、表皮20全体の厚みt1にバラツキをもたらす要因となっているからである。
本実施形態の真空成形方法と従来の真空成形方法とでは、表皮20の厚みt1の差は、0.1(mm)であるが、この厚さ0.1(mm)の差で、基材側真空吸引型51及び表皮側真空吸引型52による挟着時に、表皮20に破れ等の破損の発生が大きく改善されたことが確認できた。
例えば、頂部側被覆予定部12Tと残部側被覆予定部12Rとの境界位置を、表皮被覆予定部12の湾曲部高さHのほぼ中間に位置(図3中、約H/2)する第3部位M3とした。しかしながら、頂部側被覆予定部と残部側被覆予定部との境界位置は、実施形態に限定されず、例えば、基材の表皮被覆予定部の形状や、基材側真空吸引型及び表皮側真空吸引型の動作条件等を考慮した上で、適宜できる。
PL (インストルメントパネルの)長手方向
PW (インストルメントパネルの)幅方向
10 基材
TH 厚み方向
10a (基材の)表面
11 湾曲部
11a (湾曲部の)表面
12 表皮被覆予定部
12T 頂部側被覆予定部
12R 残部側被覆予定部
20 表皮
HW 表皮幅方向
O 軸心
T 当接基準点
SX 接線
VL 型開閉方向
FX 型締め基準線
51 基材側真空吸引型
51a 支持面
52 表皮側真空吸引型
52a 成形面
55 クランプ具
Claims (2)
- 射出成形された基材を基材側真空吸引型にセットし、
基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型との型締めにより、あらかじめ基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型とを離間させた状態で、それらの真空吸引型間に平面状に配置され、周縁部がクランプで固定された表皮を基材に接触させると共に、表皮側真空吸引型の内面に沿わせ、この状態で表皮側真空吸引型により表皮を真空吸引して表皮を成形し、
次に、表皮側真空吸引型による真空吸引を停止した後、基材側真空吸引型により基材の通気部を介して表皮を基材側に真空吸引して表皮を基材に接着させる内装品の真空成形方法において、
前記基材側真空吸引型と前記表皮側真空吸引型との型締め時に、表皮の両真空吸引型との干渉量が少なく、かつその干渉量が前後左右方向でバランスする角度に表皮を傾斜保持させること、
前記基材は、少なくとも一部に、その厚み方向に湾曲する湾曲部を有すると共に、
前記湾曲部の表面のうち、少なくとも一部に表皮を被覆する表皮被覆予定部を有し、
前記表皮を、前記基材の表皮被覆予定部との当接基準点における接線と平行な向きに傾斜させること、
表皮の一部が表皮被覆予定部に当接したところで、当接基準点を挟む、湾曲部の頂部側及び湾曲部の底部側の両側で、表皮と表皮被覆予定部との間隔が、それぞれ同程度の大きさにすること、
基材側真空吸引型と表皮側真空吸引型との型開閉方向に対し、前記基材の表皮被覆予定部の中央付近で交差し、前記表皮被覆予定部を横切る水平な軸線を型締め基準線としたとき、
前記基材側真空吸引型が前記型締め基準線まで移動することにより、少なくとも、前記表皮被覆予定部のうち、前記型締め基準線よりも前記表皮側真空吸引型側にある頂部側被覆予定部に、表皮の一部を被覆する第1被覆工程と、
前記第1被覆工程に続き、前記表皮側真空吸引型が前記型締め基準線まで移動することにより、前記表皮被覆予定部のうち、前記頂部側被覆予定部を除く残部側被覆予定部に、前記表皮の残部を被覆する第2被覆工程と、
を備えること、
前記第1被覆工程で、基材側真空吸引型により、少なくとも、基材の表皮被覆予定部の頂部側被覆予定部に表皮の一部を、前記第2被覆工程で、表皮側真空吸引型により、この表皮被覆予定部の残部側被覆予定部に表皮の残部を、それぞれ分けて被覆することを特徴とする内装品の真空成形方法。 - 請求項1に記載の内装品の真空成形方法において、
前記表皮の周縁部間を結ぶ面方向のうち、前記クランプで固定された一方向である表皮幅方向に対し、前記周縁部間の中央を通る軸線を軸心に、前記表皮を、回転させて傾斜させることを特徴とする内装品の真空成形方法。
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