JP3081773B2 - N−アシルピペラジン誘導体及び抗菌剤、抗潰瘍剤 - Google Patents
N−アシルピペラジン誘導体及び抗菌剤、抗潰瘍剤Info
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Description
にヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用ないし抗潰
瘍作用を有するN−アシルピペラジン誘導体に関する。
種の説が考えられている。特にストレス、及びリウマチ
疾患などの治療のための非ステロイド性抗炎症剤の服用
などが潰瘍の発生に密接に関連していることが解明され
ており、これらは胃や十二指腸への過剰な酸分泌を誘発
することが大きな原因といわれている。このため、酸分
泌を抑制することで、潰瘍の発生予防及び治療を行うこ
とが重要である。一方、胃や十二指腸に常在する桿菌で
あるヘリコバクター・ピロリは、これが持つ強いウレア
ーゼ活性によりアンモニアを発生し、潰瘍を誘発すると
ともに、粘液や粘膜内にしつこく生存するために潰瘍再
発の最大の要因と考えられるようになってきた。従っ
て、この菌を殺菌することができれば、潰瘍の再発を防
止できると考えられている。
薬が開発されているが、ストレス性潰瘍の発生防止効果
あるいはヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を持
つ薬剤は少ない。本発明は前記従来技術の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は潰瘍の発生防止効果に優
れたN−アシルピペラジン誘導体及びそれを主成分とす
るヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤、抗潰瘍剤を
提供することにある。
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のN−アシ
ルピペラジン誘導体が、ヘリコバクター・ピロリに対す
る抗菌性ないし酸分泌抑制を主作用機序として各種潰瘍
に有効であることを見いだし、本発明を完成するにいた
った。すなわち、本発明にかかるN−アシルピペラジン
誘導体及びその塩は、下記一般式化2よりなることを特
徴とする。
アルキル基、低級アシル基、アリールカルボニルオキシ
低級アルキル基を意味する。
ルコキシ基、低級アルケニル基、アミノ基、ニトロ基を
意味する。R3,R4は同一または異なる水素原子、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、低級アルキル基、低級
アルコキシ基を意味する。nは0または1を意味す
る。) また、本発明において、R1は分岐低級アルキル基であ
ることが好適である。また、本発明において、R2は分
岐低級アルキル基であることが好適である。また、本発
明において、R1,R2の両者が分岐低級アルキル基であ
ることが好適である。
ともいずれかはイソブチル基であることが好適である。
また、本発明において、R1,R2の両者がイソブチル基
であることが好適である。また、本発明において、
R3,R4のいずれかはフッ素原子であることが好適であ
る。また、本発明において、フッ素原子はパラ位に結合
していることが好適である。また、本発明において、R
1,R2の両者がイソブチル基で、R3がパラ位に結合さ
れたフッ素原子であることが好適である。
ロリに対する抗菌剤は、前記N−アシルピペラジン誘導
体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とするこ
とを特徴する。また、本発明にかかる抗潰瘍剤は、前記
N−アシルピペラジン誘導体ないしその薬理的に許容で
きる塩を有効成分とすることを特徴とする。また、本発
明にかかる抗潰瘍剤において、薬理的に許容できる塩
は、塩酸塩ないしシュウ酸塩であることが好適である。
以下、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
る低級アルキル基とは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐
状のアルキル基で、たとえばメチル、エチル、n−プロ
ピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、1−メ
チルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−
エチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシルなどを挙げ
ることができるが、安定した抗潰瘍効果を得る観点か
ら、好ましくは分岐低級アルキル基であり、特に好まし
くはイソブチル基である。R3及びR4に見られる低級ア
ルキル基も前記同様のものを例示することができるが、
好ましくはメチル基である。
ルコキシ基は上記の低級アルキル基から誘導される基を
意味するが、好ましい例はメトキシ基である。R1の定
義において、「ヒドロキシ低級アルキル基」のアルキル
基とは、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を挙げることが
できるが、好ましい例はエチル基である。R1の定義に
おいて、低級アシル基とは、たとえばアセチル、プロピ
オニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル等を挙げ
ることができるが、好ましくはイソブチリル基である。
R1の定義において、「アリールカルボニルオキシ低級
アルキル基」のアリール基とは、置換あるいは無置換フ
ェニル基を示し、好ましくは3,4−メチレンジオキシ
フェニル基である。また、アルキル基とは、炭素数1〜
4の直鎖アルキル基を挙げることができるが、好ましい
例はエチル基である。
素数3〜4のアルケニル基を意味し、好ましい例はイソ
ブテニル基である。R3,R4に見られるハロゲン原子と
は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素を意味するが、最も好
ましい例はフッ素である。また、該フッ素原子は少なく
ともパラ位に存在することが好適であり、生体に対する
安全性が著しく向上する。本発明化合物化2は、図1〜
図4に示す反応式によって製造することができるが、こ
れに限定されるものではない。
式(II)で表されるカルボン酸と一般式(III)で表さ
れる置換ピペラジンから、混合酸無水物法、酸塩化物
法、DCC法あるいはアジド法などの公知のアミド結合
形成反応を用いることにより、一般式(I)で表される
本発明化合物であるN−アシルピペラジン誘導体が得ら
れる。化合物(III)中におけるR1及び化合物(II)中
におけるR2,R3,R4,nは上記定義の通りである。
てたとえば、ジフェニルホスフィニッククロライド、エ
チルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート、
ピバロイルクロライドなどを用いて、カルボン酸(II)
をその対応する酸無水物へと変換した後、化合物(II
I)と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であ
るトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン
等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類などが用いられている。反応温度、反応時間は使用す
る原料化合物に応じて変化させればよいが、通常−15
℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
えば、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル等を用い
て、カルボン酸(II)をその対応する酸塩化物へと変換
した後、化合物(III)と反応させる。添加剤として例
えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N
−メチルモルホリン等が用いられる。溶媒として例え
ば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類などが用いられる。反
応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化さ
せればよいが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行
われる。
ば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)等が用いられ
る。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホルム
などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類など
が用いられる。本反応は必要に応じて1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(HOBt)やN−ヒドロキシスクシ
ンイミド(HONSu)を添加して行ってもよい。反応
温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させ
ればよいが通常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行わ
れる。
ば、ジフェニルホスホリルアジドなどを用いてカルボン
酸(II)をその対応するアジドへと変換した後、化合物
(III)と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基
であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホ
リンなどが用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメ
タン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド類などが用いられる。反応温度、反応時間
は使用する原料化合物に応じて変化させればよいが通
常、0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。
化剤として、ジフェニルホスフィニッククロライド、ピ
バロイルクロライド等を用い、添加剤としてはトリエチ
ルアミンを用いてクロロホルムまたはN,N−ジメチル
ホルムアミド等の溶媒中にて、−15℃から室温の範囲
で反応を行うことにより目的を達する。図2には反応式
Bが示されている。
一般式(II)で表されるカルボン酸と、一般式(IV)で
表される保護ピペラジンから、反応式Aにおいて記述し
た縮合方法を用いることにより、一般式(V)で表され
る化合物が得られる。化合物(II)中におけるR2,
R3,R4及びnは上記定義の通りである。化合物(IV)
中におけるR5はアミノ保護基を表し、以後の反応にお
いて問題が起きない限りベンジルオキシカルボニル基、
第三ブチルオキシカルボニル基などのウレタン型保護
基、ホルミル基やトシル基などのアシル型保護基、ある
いはトリチル基などのアルキル型保護基を用いることが
できる。
(V)で表される化合物を脱保護反応に付すことによ
り、一般式(VI)で表される化合物が得られる。本脱保
護反応はアミノ保護基R5の種類により公知の各種の方
法を用いることができる。例えばR5がホルミル基の場
合、脱保護剤としてヒドラジン、塩酸、過酸化水素など
が用いられる。具体的には例えば1Nから6Nの範囲の
塩酸を用いてメタノール中にて、0℃から室温の範囲で
反応を行うことにより目的を達する。反応式Bの第三段
階において、一般式(VI)で表される化合物と一般式
(VII)で表されるハロゲン化物とを塩基の存在下で反
応させることにより、一般式(I)で表される本発明化
合物であるN−アシルピペラジン誘導体が得られる。化
合物(VII)中におけるXはハロゲン原子を表す。
アルキル基の場合には、塩基として例えば、炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリ
ウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の
有機塩基が用いられる。具体的には例えば塩基として炭
酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホルム
アミドなどの溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範
囲で反応を行うことにより目的を達する。また、R1が
低級アシル基の場合、塩基として例えば炭酸カリウム、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、ト
リエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられ
る。具体的には例えば塩基としてトリエチルアミン、ピ
リジンを用い、ジクロロメタン、ベンゼンなどの溶媒中
にて0℃から室温の範囲で反応を行うことにより目的を
達する。
Cの第一段階において、一般式(VIII)で表されるカル
ボン酸と一般式(III)で表される置換ピペラジンか
ら、反応式Aにおいて記述した縮合方法を用いることに
より、一般式(IX)で表させる化合物が得られる。化合
物(III)中におけるR1及び、化合物(VIII)中におけ
るR2,nは上記定義の通りである。又、化合物(VII
I)中におけるR6はフェノール性水酸基の保護基を表
し、以後の反応において問題を起こさない限りベンジル
基、各種の置換ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル
基あるいは第三ブチルオキシカルボニル基等を用いるこ
とができる。反応式Cの第二段階において、一般式 (I
X) で表される化合物を脱保護反応に付すことにより一
般式 (X) で表される化合物が得られる。
知の各種の方法が用いることができる。例えばR6がベ
ンジル基の場合、還元的な除去又は酸処理による除去法
が用いられる。具体的には、例えば接触還元条件下、触
媒としてパラジウム−炭素を用い、エタノール等の溶媒
中にて室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうこ
とにより目的を達する。反応式Cの第三段階において、
一般式 (X) で表される化合物と一般式 (XI)で表される
適当に置換されたベンジルハライドを塩基存在下で反応
させることにより、一般式 (I) で表される本発明化合
物であるN−アシルピペラジン誘導体が得られる。化合
物 (XI) 中におけるR3, R4は上記定義のとおりであ
り、Xはハロゲン原子を表す。
リウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナ
トリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等
の有機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基とし
て炭酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の
範囲で反応を行なうことにより目的を達する。図4に反
応式Dを示す。反応式Dにおいて、反応式A〜Cにおい
て調製される一般式 (I) でR2がニトロ基である化合物
(I-a) を還元させることにより、一般式 (I) でR2が
アミノ基である化合物 (I-b) が得られる。化合物 (I-
a) 中におけるR1, R3, R4,nは上記定義のとおりで
ある。
鉛、アルミニウム、スズ、二塩化スズ、鉄、パラジウ
ム、白金、ロジウム、ニッケル等を使用することができ
る。具体的には、例えば過剰量、好ましくは3〜7当量
の二塩化スズを用い、エタノール等の溶媒中にて溶媒の
還流温度で反応を行なうことにより目的を達する。な
お、上記の反応式A〜Dで合成される一般式(I)又は
(I−b)で表される本発明化合物を水素化アルミニウ
ムリチウムなどの還元剤を用いて還元することにより、
アミド結合のカルボニル基がメチレンに還元された化合
物を製造することができる。また、反応式A及びBにお
いて一般式 (II) で表される原料化合物は反応式Eによ
って製造することができる。
階において、一般式 (XII) で表される化合物と一般式
(XI)で表される適当に置換されたベンジルハライドを塩
基存在下で反応させることにより、一般式 (XIII)で表
される化合物が得られる。化合物 (XII) 中における
R2, n 及び化合物 (XI) 中におけるR3, R4は上記定
義のとおりであり、化合物(XI) 中におけるXはハロゲ
ン原子を表す。また、化合物 (XII) 中におけるR7はカ
ルボキシル保護基を表し、以後の反応において問題を起
こさない限り、メチル基、エチル基、第三ブチル基等の
低級アルキル基、フェナシル基あるいはトリクロロエチ
ル基等を用いることができる。
リウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナ
トリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等
の有機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基とし
て炭酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の
範囲で反応を行なうことにより目的を達する。反応式E
の第二段階において、一般式 (XIII) で表される化合物
を脱保護反応に付すことにより、一般式 (II) で表され
るカルボン酸が得られる。
知の各種の方法が用いられる。例えばR7がメチル基、
エチル基の場合には公知のエステル加水分解によって脱
保護される。具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の無機塩基を用い、水、メタノール、エ
タノール等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範
囲で反応を行なうことにより目的を達する。また、反応
式Eにおいて、一般式 (XII) で表される原料化合物は
商業上入手可能であるかまたは、一般式 (XII) でR2が
低級2−アルケニル基である化合物(XII-a) は反応式F
で製造することができ、さらに本化合物から一般式 (XI
I)でR2が低級アルキル基である化合物(XII-b) を反応
式Gによって製造することができる。
階において、一般式 (XIV) で表される化合物と一般式
(XV)で表されるハライドを塩基存在下で反応させること
により、一般式 (XVI) で表される化合物が得られる。
化合物 (XIV) 中におけるnは上記定義のとおりであ
り、化合物 (XV) 中におけるR8, R9, R10, R11, R
12は水素原子または低級アルキル基を、Xはハロゲン原
子を表す。また、化合物 (XIV) 中におけるR7はカルボ
キシル保護基を表し、以後の反応において問題を起こさ
ない限り、メチル基、エチル基、第三ブチル基等の低級
アルキル基、フェナシル基あるいはトリクロロエチル基
等を用いることができる。
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナト
リウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなど
の有機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基とし
て炭酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホ
ルムアミドなどの溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度
の範囲で反応を行うことにより目的を達する。反応式F
の第二段階において、一般式(XVI)で表される化合物
をクライゼン転移反応に付すことにより、一般式(XII-
a)で表される化合物が得られる。本反応は、高沸点溶
媒中または溶媒の非存在下、常圧または加圧下で行う。
高沸点溶媒として、例えばフェニルエーテル、N,N−
ジメチルアニリンなどが用いられる。反応温度、反応時
間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが通
常、100℃から200℃の範囲で行われる。
て、一般式 (XII-a) で表される化合物に水素添加する
ことにより、一般式 (XII-b) で表される化合物が得ら
れる。化合物 (XII-a) 中におけるnは上記定義のとおり
であり、R8, R9, R10, R11, R12は水素原子または
低級アルキル基を表す。また、R7はカルボキシル保護
基を表し、以後の反応において問題を起こさない限り、
メチル基、エチル基、第三ブチル基等の低級アルキル
基、フェナシル基あるいはトリクロロエチル基等を用い
ることができる。
として例えば、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウ
ム、ルテニウム等を使用することができる。具体的に
は、例えばパラジウム−炭素を用い、水素ガス雰囲気
下、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の
溶媒中で室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なう
ことにより目的を達する。また、反応式AまたはCにお
いて一般式 (III) で表される原料化合物は商業上入手
可能であるかまたは、反応式Hによって製造することが
できる。
階において、一般式 (IV) で表される保護ピペラジンと
一般式 (VII) で表される適当なハライドを塩基存在下
で反応させることにより、一般式 (XVII) で表される化
合物が得られる。化合物 (IV) 中におけるR5はアミノ
保護基を表し、以後の反応において問題が起きない限り
ベンジルオキシカルボニル基、第三ブチルオキシカルボ
ニル基等のウレタン型保護基、ホルミル基やトシル基等
のアシル型保護基、あるいはトリチル基等のアルキル型
保護基を用いることができる。化合物 (VII) 中におけ
るXはハロゲン原子を表す。
ルキル基の場合には、塩基として例えば、炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリ
ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の有
機塩基が用いられる。具体的には、例えば塩基として炭
酸カリウムを用い、アセトン、N,N−ジメチルホルム
アミド等の溶媒中にて、室温から溶媒の還流温度の範囲
で反応を行なうことにより目的を達する。またR1が低
級アシル基の場合には、塩基として例えば、炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、
トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が用いられ
る。具体的には例えば塩基としてトリエチルアミン、ピ
リジンを用い、ジクロロメタン、ベンゼン等の溶媒中に
て、0℃から室温の範囲で反応を行なうことにより目的
を達する。
II) で表される化合物を脱保護反応に付すことにより、
一般式 (III) で表される化合物が得られる。本脱保護
反応はアミノ保護基R5の種類により公知の各種の方法
を用いることができる。例えばR5がホルミル基の場
合、脱保護剤としてヒドラジン、塩酸、過酸化水素等が
用いられる。具体的には、例えば1Nから6Nの範囲の
塩酸を用いてメタノール中にて、0℃から室温の範囲で
反応を行なうことにより目的を達する。なお、上記の各
反応式において用いられている原料化合物で、製造法を
記述していない化合物(IV)、 (VII)、(VIII)、(XI)、(X
IV) 及び (XV) は商業上入手可能であるか、あるいは公
知の方法を用い、容易に合成することができる。
物であるN−アシルピペラジン誘導体の酸付加塩として
は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸
との塩、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ
酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタン
スルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。これらの塩
は通常の方法により容易に製造することができる。本発
明にかかるN−アシルピペラジン誘導体は、強力な抗ス
トレス性潰瘍作用や優れた胃酸分泌抑制作用を有し、さ
らに潰瘍再発の原因とされるヘリコバクター・ピロリに
対する抗菌作用を有し、しかも安全性が高い。このた
め、人または動物の消化性潰瘍の治療・予防剤として有
用である。このように、胃酸分泌抑制作用及びヘリコバ
クター・ピロリに対する抗菌作用を共に有する化合物は
従来殆ど認められておらず、本発明化合物が潰瘍の予
防、治療のみならず、再発防止にも有効であることが示
される。
として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル
剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、
また坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投
与してもよい。投与量は症状の程度、個人差、年齢、潰
瘍の種類などにより下記範囲外の量を投与することもあ
り得るが、勿論それぞれの特定の場合における個々の状
況に適合するように調節しなければならない。通常成人
1日あたり約0.01〜200mg/kg、好ましくは0.
05〜50mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg
を1日1〜数回に分けて投与する。製剤化の際は、通常
の製剤担体を用い、常法により製造するが、必要により
薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えてもよ
い。すなわち、経口用固形製剤を調整する場合には、主
薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加えた後、常法により錠
剤、被服錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
ーチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、
二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、
メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が、
崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶
セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ク
エン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が、滑沢
剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油など
が、着色剤としては医薬品に添加することが許されてい
るものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、
芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。こ
れらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要
により適宜コーティングすることが可能である。注射剤
を調整する場合には、必要により主薬にpH調整剤、緩
衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮
下、筋肉内、静脈内用注射剤とする。
お、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。まず、各実施例の抗潰瘍剤としての評価に用いた試
験方法について説明する。WIS:水浸拘束ストレス潰瘍抑制試験 <意義>ストレスによる潰瘍発生の抑制度を検証する。 <方法>6〜7週齢Crj:SD系雄性ラットまたはS
lc:SD系雄性ラットを一晩絶食し(摂水は自由)、
一群あたり5〜8匹として0.3%カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムまたは0.05%Tween80水溶液に
溶解または懸濁した被験薬物(100mg/10ml/kg)を経
口投与した。なお、対象には基剤のみを投与した。10
分後にラットを東大薬作型ストレスケージに入れ、21
℃の恒温水槽内に剣状突起まで浸した。水浸開始より7
時間後にラットを水槽より引き上げ、直ちにエーテルま
たは炭酸ガスで屠殺して胃を摘出した。5%中性ホルマ
リン緩衝液10mlを胃内に注入し、そのまま1%中性ホ
ルマリン緩衝液中に30分以上浸して同定したのち、胃
の大彎に沿って切開し腺胃部に発生している糜爛の長さ
を実体顕微鏡下にノギスを用いて測定した。ラット1匹
あたりの糜爛の長さの総和を潰瘍係数とした。 <判定基準>被験薬物100mg/kg投与時の効果を、潰
瘍発生抑制率(%)として表した。 潰瘍発生抑制率(%)=(1-(被験薬物群の潰瘍係数/対象群
の潰瘍係数))×100
vivo) <意義>In vivoでの酸分泌抑制効果を確認す
る。 <方法>(基礎分泌)7週令のCrj:Donryu系
雄性ラットを一晩絶食(摂水は自由)として一群8−1
0匹とし、ウレタン麻酔下(1.25g/kg)で用いた。
0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液
または0.05%Tween80水溶液に溶解または懸
濁した被験薬物(100mg/10ml/kg)を経口
投与し、その30分後に正中切開して幽門を結紮した。
閉腹して30分後に生理食塩水に溶解したヒスタミン3
0mg/kgを皮下投与し、その3時間後に炭酸ガスで
層殺した。胃を直ちに摘出して貯留した胃液を回収し、
胃液量を測定した。胃液は0.1N NaOHで滴定し
て総酸排出量を算出した。 <判定基準> ・被験薬物100mg/kg投与時の効果を、胃液量
(VOL)・総酸排出量(TOA)について、おのおの
の抑制率(%)で表した。 各抑制率(%)=(1−(被験薬物の値/対照群の
値))×100
o) <意義>細胞レベルでの酸分泌抑制能を検討する。また
作用機序の検討に用いることができる。 <方法>まず遊離胃底腺膜標本を作製した。雄性日本白
色種家兎(2.5−3Kg)をネンブタールで麻酔死さ
せ、正中切開して直ちに胃を摘出し、幽門・噴門部を切
除して大彎部に沿って切開して2枚に分けた。粘膜面に
付着している胃内容物を氷冷PBS(−)で洗い流した
のち、氷冷PBS(−)中で丁寧に洗い去った。胃壁を
粘膜面を上にしてコルク板上に広げ、滅菌ガーゼで餌・
粘液を完全に除去した。スパチラで粘膜を剥離し、氷冷
PBS(−)に集めた。PBS(−)で2回洗浄後、は
さみで細切した。さらに栄養液で2回洗浄した。栄養液
の組成は、NaCl 132.4mM,KCl 5.4
mM,Na2HPO4・12H2O5mM,NaH2PO4
・2H2O 1mM,MgSO4 1.2mM,CaCl
21mM,HEPES 25mM,glucose 2
mg/ml,BSA 1mg/mlである。コラゲナー
ゼ 1mg/mlを含む栄養液70mlに粘膜片を分散
させ、三角フラスコに入れて37℃で40−60分間ス
ターラーで激しく撹拌した。この間、100%O2を栄
養液表面に吹き付けておき、またpHを適宜測定して、
低下していたら直ちにアルカリでpH7.4に調整し
た。反応液に栄養液を加えて約200mlとし、メッシ
ュでろ過して50mlの遠沈管に分注し、15分間静置
して胃底腺を沈殿させた。上清をアスピレーターで除去
・栄養液に分散・静置、を繰り返して胃底腺を3回洗浄
した。この時、ピペッティングではなく、遠沈管2本に
交互に繰り返し注ぎ入れるかたちで分散させた。顕微鏡
下で細胞数をカウントし、1.6×106cells/
mlに調整した。
験を行なった。エッペンドルフチューブを秤量したの
ち、上述した栄養液に溶解したヒスタミン10μl(最
終濃度10-5M)、DMSOに溶解した被験薬物10μ
l(最終濃度10-5M)、栄養液で希釈した[14C]−
アミノピリン10μl(最終濃度0.05μCi/m
l)を入れ、上で調製した遊離胃底腺970μlを加
え、37℃で40分間125回/分で振盪させた。卓上
遠心機で30秒間遠心し、上清200μlをミニバイア
ルにとり、残りはアスピレーターで除去した。沈澱はチ
ューブの蓋を開けた状態で80℃の乾燥機に一晩入れて
完全に乾固させたのち、室温に戻して秤量した。次いで
1N KOH 100μlを加え、蓋をして60℃で1
−2時間処理して溶解し、ミニバイアルに移した。上清
または沈澱の入ったミニバイアルにアトムライト4ml
を加え、液体シンチレーションカウンターで放射活性を
測定した。なお、20mM NaSCNを加えて水素イ
オン濃度勾配をキャンセルさせたものを用いて沈澱の放
射活性の補正を行なったのち、沈澱に特異的にトラップ
されたアミノピリンの集積率を算出した。なお、本実験
はduplicateで実施した。
離胃底腺では酸は分泌小管から腺腔にかけての空間に蓄
積する。アミノピリンは弱塩基(pKa=5.0)で中
性溶液中では非イオン型で細胞膜を自由に通過し、酸性
溶液中ではイオン化して電荷のため細胞膜を通過できな
くなることから、遊離胃底腺の閉じられた酸性空間にア
ミノピリンが蓄積する性質を利用している。アミノピリ
ンの集積率(R)は以下の式で算出される。 R=((補正した沈澱の放射活性)/(上清の放射活
性))×(200/(沈澱のmg乾燥重量)) <判定基準> ・最終濃度10-5Mにおける被験薬物の効果は、酸分泌
抑制率(%)で表した。 酸分泌抑制率(%)=(1−(被験薬物のR/対照群の
R))×100
抗菌性試験 <意義>潰瘍の発生及び再燃・再発に深く関与するとい
われているヘリコバクター・ピロリ(微好気性のグラム
陰性菌;以下、HP)に対する最小発育阻止濃度(MI
C)を測定し、抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有する
化合物を見出す。 <方法>日本化学療法学会の方法に準じて実施した。H
elicobacter pylori NCTC11
637株の凍結菌株を市販の5%羊血液加トリブチケー
スソイ寒天培地で復元させ、さらに同培地で継代し、3
日間前培養した。なお、培養条件は、37℃,5%O2
・10%CO2・85%N2で行った。次に被験薬物の1
000μg/ml溶液を25%以下のDMSO溶液にて
調整し、これを減菌清製水で2倍系列希釈を行い、この
液の各々100μlを24ウエルプレートにとり、5%
馬血液加ブルセラ寒天培地900μlを加えて混合し固
化させ、MIC測定用培地を調整した。前培養で生育し
たコロニーはイノキュレーションループで適当量とり、
10mlのMueller Hinton Broth
に、肉眼で濁りが確認できる程度まで懸濁し、約107
cfu/mlの菌懸濁原液とした。この菌懸濁原液1m
lを9mlのMueller Hinton Brot
hに加えて10倍希釈液とし、同様にして102希釈液
を調製し、接種用菌液とした。菌の接種は、接種用菌液
10μlを分注器にてMIC測定用培地上に滴下して行
った。菌を接種したMIC測定用培地は、前培養と同条
件下で7日間培養し、培養終了後に菌の生育の無有を判
定した。 <判定基準>HPのコロニーを認めないか、認めても数
個(5個以内)の被験薬物の最小濃度をMIC値(μg
/ml)として表した。
序の可能性として、適合性細胞保護作用(弱い粘膜壊死
物質が胃粘膜の内因性プロスタグランジン量を増加させ
ることにより、見かけ上、抗潰瘍効果を示すこと)も考
えられる。この場合、被験薬物は粘膜障害性を有してお
り、抗潰瘍剤としては不適当である。そこで、胃粘膜の
健常性を反映する胃粘膜電位差(PD)を測定すること
により、被験薬物が胃粘膜障害性を持たないことを確認
する(胃粘膜レベルでの毒性)。 <方法>7〜8週齢のCrj:SD系雄性ラットを一晩
絶食し(摂水は自由)、ウレタン(1.25g/kg、i.p.)
麻酔下でコルク板に仰臥位にて固定して正中切開し、前
胃部に小切開を加えて37℃に加温した生理食塩水で胃
内を洗浄した。前胃部より大彎に沿って胃体部中央の胃
十二指腸動脈・右胃大網動脈の終端部まで血管を傷つけ
ないように切開した。コルク板をジャッキに乗せて高さ
を調節後、京都薬大・竹内助教授考案のex vivoチャン
バーに胃を装着した。このチャンバー内に表出させた胃
粘膜面積は2.5cm2である。チャンバー内をマイクロ
チューブポンプを用いて37℃に加温した生理食塩水で
灌流し、3M−KClを含む寒天ブリッジにてチャンバ
ー内と腹腔内の電位差をPDメーターで測定した。な
お、直腸温を経時的に測定して体温を管理した。PDが
十分安定した後、生理食塩水の灌流を止め、0.5%カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液又は0.0
5%Tween80水溶液に溶解または懸濁させた被験
薬物100mg/10ml/kgをチャンバー内に投与し、60分
間PDを記録した。なお、対照には基剤のみを投与し
た。
薬後60分間のPD変化を総合的に勘案し、陽性対照を
参考にして、5段階に分類して表した。 5:対照と同じで、全く障害性を認めない。 4:わずかにPDの低下傾向があり、若干の粘膜障害性
の可能性が示唆されるが、問題ない。 3:PDの軽度低下があり、軽度の粘膜障害性がある可
能性が認められるがほとんど問題ない。 2:PDの中等度低下があり、粘膜障害性を認める。 1:PDの重度低下があり、顕著な粘膜障害性を認め
る。
〜5匹で用いた。試験当日朝9時より4〜5時間絶食
(摂水は自由)し、0.5%カルボキシメチルセルロー
スナトリウム水溶液に溶解または懸濁した被験薬物20
00mg/10ml/kgを経口投与した。なお、対照には基剤の
みを投与した。投与後15分、30分、1時間、2時
間、3時間の各時点で行動・症状観察を行い、一週間後
まで毎日経過観察した。体重は、絶食前・絶食後及び休
日をのぞき毎日同じ時刻に測定した。死亡例については
直ちに剖検し、臓器の肉眼的観察を行った。生存例につ
いても、投与一週間後にエーテルまたは炭酸ガスで屠殺
し、臓器の肉眼的観察を行った。
投与時の毒性を5段階に分類して表した。 5:死亡率0%、行動・臓器とも全く毒性を認めない。 4:死亡率0%、臓器には毒性を認めないが、行動ない
し体重増加に若干の毒性を認める。 3:死亡例がある(全例死亡ではない)が臓器には毒性
を認めない。 2:死亡例の有無に関わらず、臓器に毒性を認める。 1:全例死亡
胞レベルでの毒性があるものも、抗潰瘍剤としては不適
当である。また、他の細胞レベルの試験における被験薬
物の作用が毒性によるものではないことを確認すること
ができる。 <方法>雄性日本白色種家兎(2.5〜3kg)をネンブ
タールで麻酔死させ、直ちに胃を摘出した。胃大彎を切
開して胃内容物を除去し、粘膜表面をHBSS(Hanks'
balanced salt solution)で洗浄したのち、氷冷したH
BSS中で実験室へ運搬した。幽門前庭部を取り除き、
胃体部粘膜をスバチラではがし、BME(BasalMedium
Eagle)中で2〜3mm2に細切した後、ディスパーゼ28
0U/ml及びコラゲナーゼ30〜50U/ml(メディウム:
BME60ml)にて37℃で15分間120〜130回
/分振盪した。なお、コラゲナーゼ濃度はロットが変わ
るごとに、細胞の状態を見て適宜変更した。1mMEDT
A含有EBSS(Earle's Balanced Salt Solution)で
2回洗浄した後、1mMEDTA含有MEM(Minimum Es
sential Medium)で5分間37℃で振盪した。次に、前
述と同濃度のディスパーゼ・コラゲナーゼで15分振盪
させて上清を除去し、さらに50〜60分間、37℃・
120〜130回/分振盪した。その後、HBSSで2
回洗浄した後、2%UltrocerGを含むHam
F12にて1×106Cells/mlとし、96穴プレートに
200μlづつ分注した。37℃・5%CO2・95%ai
rで3日間インキュベートしてコンフルエントに達した
状態で、MTTアッセイに用いた。被験薬物は10-2M
となるようにDMSOに溶解し、最終濃度10-4Mとな
るように2%Ultrocer G含有HBSSで希釈
した。8well/群とし、メディウム100μlと交換後直
ちにMTT試薬10μlを加えた。37℃・5%CO2・
95%airで4時間インキュベート後、遠心して上清を
捨て、100%エタノール100μlを加えてホルマザ
ンを溶解し、マイクロプレートリーダーで吸光度(OD
570−630)を測定した。これは生細胞のミトコン
ドリアのみによってMTTがMTTホルマザンに変化
し、色が変わる現象を利用した方法である。
験薬物の細胞障害作用または細胞保護作用を細胞障害率
(%)として表した。 細胞障害率(%)=(1-(被験薬物群の吸光度/対照群の吸光
度)×100 従って、数字が小さい方が好ましい。以上の効果試験及
び安全性試験に基づき、本発明の実施例にかかる化合物
の抗潰瘍作用、HPに対する抗菌作用及び安全性を調べ
た。
として、下記の実施例化合物を試験した。効果試験、安
全性試験の結果を表1に示す。 [実施例1]
前記化2に示す一般式を有する化合物は水浸拘束ストレ
ス潰瘍試験の結果から優れた抗潰瘍作用とともに、ヘリ
コバクター・ピコリに対する高い抗菌性を併有している
ことが理解される。また、R1に関しては、実施例1〜
5及び7,8に示すように低級アルキル基、特にイソブ
チル基であると、概して高い抗潰瘍作用を有するが、例
えば実施例6に示すようにアルキル基に代わってアシル
基を導入し、あるいは実施例9,10に示すようにヒド
ロキシアルキル、ないしはそのエステルなどを導入して
も十分な効果を示す。
さらに広範な置換基を選択することができ、特に実施例
6,9,10に示されるように低級アルキル基、特にイ
ソブチル基を有するものが好適であるが、アミノ基(実
施例1)、イソブテニル基等の低級アルケニル基(実施
例4)、メトキシ基等のアルコキシ基(実施例7)、ニ
トロ基(実施例8)なども選択することができる。
下記化13に示すようにR1,R2が共にイソブチル基で
ある基本骨格を有する。そして、該N−アシルピペラジ
ン誘導体は、一般的に高い抗潰瘍性を示すという特徴を
有する。
体として、下記のものが挙げられる。 [実施例11]
R2が共にイソブチル基の場合、安定した高い抗潰瘍作
用及びヘリコバクター・ピロリに対する高い抗菌性が得
られる。また、実施例15に示すようにnが1の場合に
も十分な効果が認められ、さらに実施例20に示すよう
にアミド結合部分が還元され、カルボニル残基の酸素原
子が除去された場合にも効果が確認された。
下記化24に示すようにR1,R2がそれぞれイソブチル
基であり、R3がパラ位に存在するフッ素原子である基
本骨格を有する。そして、該N−アシルピペラジン誘導
体は、高い抗潰瘍性とともに、安全性に特に優れるとい
う特徴を有する。
体として、下記のものが挙げられる。 [実施例21]
パラ位のフッ素原子とすることにより優れた安全性を得
ることができる。例えば、前記化合物群2の実施例16
と、本化合物群3の実施例21ないし22を比較する
と、パラ位にフッ素原子を結合させることにより、酸分
泌抑制効果、抗潰瘍効果及びヘリコバクター・ピコリに
対する抗菌性が改善されると共に、安全性が大幅に改善
される。次に、前記各実施例にかかる化合物の製造方法
について説明する。まず、後述する実施例において用い
る中間体の合成方法を、以下に参考例1〜7として示
す。
g、炭酸カリウム45.6gをアセトン150ml中で40時間攪
拌還流した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残
さにトルエン150mlを加え、2%苛性ソーダ液及び水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得
られた油状物質をN,N-ジメチルアニリン80mlに溶かし約
10時間攪拌還流した。氷冷下反応液に濃塩酸を加えて酸
性とし、トルエンで抽出した。抽出液を10%水酸化ナト
リウム水溶液で抽出後、水層に濃塩酸を加えて酸性と
し、トルエンで抽出した。抽出液を水洗後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、減圧濃縮し、標題化合物59.2gを得
た。
ノール250mlに溶かし、10%パラジウムチャコール2.6g
を加え、水素ガス雰囲気下、室温で41時間攪拌した。
反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮し、油状の標題化合物
25.6gを得た。
酸カリウム31.8g、ベンジルブロマイド23.6gをアセト
ン150ml中で4時間攪拌還流した。反応液に水を加え、酢
酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮して得られた残
さに水50ml、水酸化カリウム12.9g、エタノール100ml
を加え、2時間攪拌還流した。反応液に水を加え塩酸で
中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を10%塩酸
及び水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮
した。得られた固体を再結晶(n-ヘキサン-エタノー
ル)することにより、標題化合物29.0gを得た。
の合成 4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチル25.6g、炭
酸カリウム31.8g、4-フルオロベンジルブロマイド26.1
gをアセトン150ml中で4時間攪拌還流した。反応液に水
を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮して
得られた残さに水50ml、水酸化カリウム12.9g、エタノ
ール100mlを加え、2時間攪拌還流した。反応液に水を
加え塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を10%塩酸及び水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。得られた固体を再結晶(n-ヘキサン
-エタノール)することにより、標題化合物30.8gを得
た。
50mlに溶解し、炭酸カリウム68.34gおよびイソブチルブ
ロマイド47.43gを加えた。24時間攪拌還流した後、反
応液を濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さを酢
酸エチルに溶かし、水、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残さ3
6.85gの一部27.8gをメタノール160mlに溶解し、2N-塩
酸メタノール溶液180mlを加え、室温で60時間放置し
た。反応溶液を減圧濃縮して得た残さにアセトンを加
え、析出した結晶を濾取し、アセトンで洗浄後、乾燥し
標題化合物34.8gを得た。
トリウム水溶液100mlを加え、エーテルで抽出した。抽
出液を濃縮後、残さを減圧蒸留(bp 172-174℃/5mmH
g)し、標題化合物43.7gを得た。
ルアミン4.39mlをジクロロメタン60mlに溶解し、氷冷下
イソブチリルクロライド1.84mlを加えた。30分間攪拌
後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃
縮して得られた残さの一部1.79gにトリフルオロ酢酸9m
lを加えて、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮
して得られた残さをメタノール20mlに溶解し、2N-塩酸
メタノール溶液10mlを加えた。10分間攪拌後、反応液を
減圧濃縮し、残さに10%水酸化ナトリウム水溶液を加
え、クロロホルムで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水
で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し標題
化合物0.85gを得た。
ル]-4-イソブチルピペラジン2塩酸塩 1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-ニトロベンゾイ
ル]-4-イソブチルピペラジン(実施例8の化合物)17.5
gのエタノール溶液85mlに二塩化スズ一水和物47.4gを
加え、70℃で40分間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ炭
酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:2 〜1:0)で精
製し、1-[3-アミノ-4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベン
ゾイル]-4-イソブチルピペラジン14.5gを結晶として得
た。本化合物1.30gを、後述する実施例8の場合と同様
にして塩酸塩とすることにより標題化合物1.51gを得
た。本化合物は吸湿性の強い結晶である。 mp 126.0-127.3 ℃ 1H-NMR (DMSO-d6)δ: 7.62(2H, dd, J=8.8,5.4Hz),
7.32(1H, s), 7.23(2H, t, J=8.8Hz), 7.19-7.08(2H,
m), 5.22(2H, s), 4.30-2.90(10H, m), 2.94(2H, d, J=
6.8Hz), 2.14-2.04(1H, m), 1.00(6H, d, J=6.4Hz).
ブチルピペラジン塩酸塩 1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイル]-4-イソ
ブチルピペラジン(実施例5の化合物)1.52gを、後述
する実施例22の場合と同様にして塩酸塩化することに
より標題化合物1.65gを得た。 mp 187.0-189.0 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.94-12.84(1H, bs), 7.42-7.38
(4H, m), 7.09(2H, t, J=8.3Hz), 6.99(2H, d, J=8.3H
z), 5.06(2H, s), 4.50-3.80(2H, m), 3.64-3.46(2H,
m), 2.90-2.60(6H, m), 2.29-2.19(1H, m), 1.17(6H,
d, J=5.4Hz).
ジン 4-ヒドロキシ安息香酸エチル2.50gを、参考例3の場合
と同様にして、ベンジルブロマイド2.57gを用いてベン
ジル化した後、水酸化カリウムを用いて加水分解するこ
とにより4-ベンジルオキシ安息香酸の結晶3.31gを得
た。本化合物1.18gを、N,N'-ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド 1.14g、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール0.81
gと共にテトラヒドロフラン 50mlに懸濁させ、1-イソブ
チルピペラジン0.71gを加えて、室温にて24時間攪拌し
た。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残さを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール= 60:1)で精製し、得られた固体を再結晶
(n-ヘキサン-酢酸エチル)することにより、標題化合
物1.03gを得た。 mp 77.6-78.4℃ 1H-NMR(CDCl3)δ: 7.43-7.30(7H, m), 6.97(2H, d, J
=8.8Hz), 5.09(2H, s),2.50-2.25(4H, m), 2.20-2.02(2
H, m), 1.70-1.85(1H, m), 0.90(6H, d, J=6.3Hz).
ル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 参考例4の場合と同様にして、4-ヒドロキシ-3-メタリル
安息香酸エチル1.96gを4-フルオロベンジルブロマイド
1.85gを用いてベンジル化した後、エチルエステルを加
水分解することにより、4-(4-フルオロベンジルオキシ)
-3-メタリル安息香酸2.42gを得た。本化合物2.13gを、
実施例16の場合と同様にして1-イソブチルピペラジン
1.01gとの縮合反応に付すことにより、1-[4-(4-フルオ
ロベンジルオキシ)-3-メタリルベンゾイル]-4-イソブチ
ルピペラジンを得た。本化合物をジエチルエーテル40ml
に溶解し、1N-塩化水素エーテル溶液10mlを加えた。10
分間室温で攪拌後、析出した結晶を濾取し再結晶(n-ヘ
キサン-エタノール)することにより、標題化合物1.88g
を得た。 mp 163.8-165.3 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.92-12.82(1H, bs), 7.38(2H,
dd, J=8.8,5.4Hz), 7.34-7.29(2H, m), 7.08(2H, t, J
=8.8Hz), 6.92(1H, d, J=8.3Hz), 5.07(2H, s),4.82(1
H, s), 4.62(1H, s), 4.55-3.75(2H, m), 3.62-3.47(2
H, m), 3.37(2H, s), 2.84-2.81(2H, m), 2.86-2.61(4
H, m), 2.29-2.19(1H, m), 1.71(3H, s), 1.16(6H, d,
J=6.8Hz).
ブチルピペラジン 実施例3の場合と全く同様にして合成した。すなわち、
4-ヒドロキシ安息香酸エチル2.50gを4-フルオロベンジ
ルブロマイド2.84gを用いてベンジル化し、次いで加水
分解した。得られた4-(4-フルオロベンジルオキシ)安息
香酸3.57gの一部1.24gを1-イソブチルピペラジン0.71g
との縮合反応に付すことにより、標題化合物1.08gを得
た。 mp 109.0-110.2 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.41(2H, d, J=8.8Hz), 7.38(2H,
d, J=8.8Hz), 7.08(2H,t, J=8.8Hz), 6.96(2H, d, J=
8.8Hz), 5.05(2H, s), 3.85-3.35(4H, m), 2.50-2.25(4
H, m), 2.10(2H, d, J=7.3Hz), 1.88-1.71(1H, m), 0.9
0(6H, d, J=6.8Hz).
イル]-4-イソブチリルピペラジン 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸
1.51g を、実施例16と同様にして1-イソブチリルピペ
ラジン0.78gとの縮合反応に付した。得られた固体を再
結晶(エーテル)することにより、標題化合物1.98gを
得た。 mp 86.3-87.1 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.39(2H, dd, J=8.8,5.4Hz), 7.2
7(1H, d, J=8.8Hz), 7.19(1H, s), 7.11(2H, t, J=8.8H
z), 6.89(1H, d, J=8.8Hz), 5.06(2H, s), 3.85-3.45(8
H, m), 2.88-2.75(1H, m), 2.54(2H, d, J=7.3Hz),1.98
-1.85(1H, m), 1.15(6H, d, J=6.8Hz), 0.90(6H, d, J=
6.8Hz).
ル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸エチル4.10gを、参
考例4と全く同様にして、4-フルオロベンジルブロマイ
ド4.35gを用いてベンジル化、次いで加水分解反応に付
すことにより、4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-メト
キシ安息香酸5.57gを得た。本物質1.38gを、実施例8
の場合と同様にして1-イソブチルピペラジン2塩酸塩1.0
8gとの縮合反応に付すことにより、1-[4-(4-フルオロ
ベンジルオキシ)-3-メトキシベンゾイル]-4-イソブチル
ピペラジン2.24gを得た。本物質をジエチルエーテル50
mlに溶解し、1N-塩化水素エーテル溶液10mlを加えた。1
0分間室温で攪拌後、析出した結晶を濾取し、再結晶(n
-ヘキサン-エタノール)することにより標題化合物1.60
gを得た。 mp 197.7-200.4 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.85-12.75(1H, bs), 7.41(2H,
dd, J=8.8,5.4Hz), 7.06(2H, t, J=8.8Hz), 7.01(1H,
s), 6.96(1H, d, J=8.3Hz), 6.88(1H, d, J=8.3Hz), 5.
13(2H, s), 4.80-3.95(4H, m), 3.89(3H, s), 3.62-3.4
7(2H, m), 2.90-2.78(2H, m), 2.90-2.65(2H, m), 2.29
-2.19(1H, m), 1.16(6H, d, J=6.8Hz).
ル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 4-ヒドロキシ-3-ニトロ安息香酸50.0gのエタノール溶
液500mlに、濃硫酸33.0mlを加え20時間攪拌還流した。
反応液を減圧濃縮後、残さを水で希釈し、析出した結晶
を濾取した。本結晶を水中に懸濁させ飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液で中和した。結晶を濾取後、水で洗浄、減
圧下乾燥することにより4-ヒドロキシ-3-ニトロ安息香
酸エチル54.0gを得た。本化合物46.6gを、参考例4と同
様にして、4-フルオロベンジルブロマイド50.0gを用い
てベンジル化した後、水酸化カリウムを用いて加水分解
することにより4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-ニト
ロ安息香酸58.0gを得た。本化合物16.0gのクロロホル
ム溶液180mlに、氷冷下、トリエチルアミン15.3ml 及び
ジフェニルホスフィニッククロライド 10.5ml を加え
た。1時間攪拌後、1-イソブチルピペラジン2塩酸塩11.8
g及びトリエチルアミン15.3mlを加え、室温で13時間攪
拌した。反応液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 1:2〜1:1)で
精製し、1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-ニトロベ
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン19.8gを結晶として
得た。本化合物1.38gの酢酸エチル溶液20mlに1N-塩化
水素エーテル溶液 3.4mlを加えた。室温で15分間攪拌
後、析出した結晶を濾取し、標題化合物1.48gを得た。 m.p. 184.5-185.8 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.99-12.90(1H, bs), 8.00(1H,
s), 7.62(1H, d, J=8.8Hz), 7.44(2H, dd, J=8.8,5.4H
z), 7.18(1H, d, J=8.8Hz), 7.09(2H, t, J=8.8Hz), 5.
24(2H, s), 4.55-3.95(4H, m), 3.62-3.40(2H, m), 2.8
5(4H, s), 2.29-2.19(1H, m), 1.17(6H, d, J=6.4Hz).
イル]-4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸
2.72g をクロロホルム50ml、トリエチルアミン2.50ml
に溶解し、氷冷下、 ジフェニルホスフィニッククロラ
イド 1.72ml を加えた。40分間攪拌後、1-(2-ヒドロキ
シエチル)ピペラジン1.11mlを加え、室温で1.5時間攪拌
した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃
縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール = 30:1)で精製し、得ら
れた固体を再結晶(ジエチルエーテル)することにより
標題化合物3.50gを得た。 mp 83.5-85.0 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.39(2H, dd, J=8.8,5.4Hz), 7.2
4(1H, d, J=8.8Hz), 7.18(1H, s), 7.08(2H, t, J=8.8H
z), 6.88(1H, d, J=8.8Hz), 5.05(2H, s), 3.90-3.40(1
H, bs), 3.65(4H, t, J=5.4Hz), 2.63-2.46(10H, m),
2.01-1.91(1H, m),0.90(6H, d, J=6.8Hz).
イル]-4-[2-(ピペロニロイルオキシ)エチル]ピペラジン 1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベンゾ
イル]-4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン1.95 gをジク
ロロメタン30ml、トリエチルアミン1.04mlに溶解し、氷
冷下ピペロニロイルクロライド0.93gを滴下した。12時
間室温で攪拌後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール = 50:1)で精製
し、標題化合物1.92gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.63(1H, d, J=8.8Hz), 7.45(1H,
s), 7.39(2H, dd, J=8.8,5.4Hz), 7.25(1H, d, J=8.8H
z), 7.17(1H, s), 7.08(2H, t, J=8.8Hz), 6.87(1H, d,
J=8.8Hz), 6.84(1H, d, J=8.8Hz), 6.04(2H, s), 5.05
(2H, s), 4.42(2H,t, J=5.8Hz), 3.88-3.38(4H, m), 2.
79 (2H, t, J=5.8Hz), 2.68-2.46(4H, m),2.53(2H, d,
J=6.8Hz), 1.98-1.85(1H, m), 0.89(6H, d, J=6.8Hz).
ル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン(実施例18の中間体)1.50gを、実施例18
の場合と同様にして、4-シアノベンジルブロマイド1.02
gを用いてベンジル化し、1-[4-(4-シアノベンジルオキ
シ)-3-イソブチルベンゾイル]-4-イソブチルピペラジン
を得た。本化合物を、実施例22の場合と同様にして塩酸
塩化することにより標題化合物2.05gを得た。 mp 159.2-161.5 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.90-12.80(1H, bs), 7.71(2H,
d, J=8.3Hz), 7.54(2H,d, J=8.3Hz), 7.31-7.23(2H,
m), 6.86(1H, d, J=8.3Hz), 5.17(2H, s), 4.85-3.80(2
H, m), 3.65-3.45(2H, m), 2.95-2.60(6H, m), 2.56(2
H, d, J=6.8Hz), 2.29-2.19(1H, m), 1.98-1.88(1H,
m), 1.17(6H, d, J=6.4Hz), 0.91(6H, d, J=6.4Hz).
チルベンゾイル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン1.59gを、実施例18の場合と同様にし
て、2-フルオロ-3-メチルベンジルブロマイド1.12gを用
いてベンジル化し、1-[4-(2-フルオロ-3-メチルベンジ
ルオキシ)-3-イソブチルベンゾイル]-4-イソブチルピペ
ラジンを得た。本化合物を、実施例22の場合と同様にし
て塩酸塩化することにより標題化合物2.05gを得た。 mp 144.1-147.6 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.82-12.72(1H, bs), 7.32-7.29
(2H, m), 7.28-7.16(2H,m), 7.06(1H, t, J=7.8Hz), 6.
95(1H, d, J=8.3Hz), 5.15(2H, s), 4.80-3.80(2H, m),
3.62-3.42(2H, m), 2.85-2.82(2H, m), 2.84-2.62(4H,
m), 2.54(2H, d, J=6.8Hz), 2.31(3H, s), 2.29-2.19
(1H, m), 1.98-1.88(1H, m), 1.16(6H, d,J=6.4Hz), 0.
89(6H, d, J=6.8Hz).
キシ)ベンゾイル]ピペラジン塩酸塩 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン1.59gを、実施例18の場合と同様にし
て、4-ニトロベンジルブロマイド1.19gを用いてベンジ
ル化し、1-イソブチル-4-[3-イソブチル-4-(4-ニトロベ
ンジルオキシ)ベンゾイル]ピペラジンを得た。本化合物
をジエチルエーテル、テトラヒドロフラン混液に溶解
し、1N-塩化水素エーテル溶液7mlを加えた。室温で10分
間攪拌後、析出した結晶を濾取し、再結晶(n-ヘキサン
-エタノール)することにより、標題化合物1.22gを得
た。 mp 159.6-161.3 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.96-12.86(1H, bs), 8.28(2H,
d, J=8.8Hz), 7.60(2H, d, J=8.8Hz), 7.31-7.25(2H,
m), 6.87(1H, d, J=8.8Hz), 5.22(2H, s), 4.50-3.80(2
H, m), 3.64-3.46(2H, m), 2.84-2.81(2H, m), 2.90-2.
60(4H, m), 2.58(2H, d, J=6.8Hz), 2.29-2.19(1H, m),
1.98-1.88(1H, m), 1.17(6H, d, J=6.4Hz),0.92(6H,
d, J=6.4Hz).
オキシ)ベンゾイル]ピペラジン 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン1.59gを、実施例18の場合と同様にし
て、4-メトキシベンジルブロマイド0.94gを用いてベン
ジル化することにより、標題化合物1.69gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.34(2H, d, J=8.8Hz), 7.25(1H,
d, J=8.8Hz), 7.16(1H,s), 6.92(2H, d, J=8.8Hz), 6.
89(1H, d, J=8.8Hz), 5.01(2H, s), 3.82(3H, s), 3.85
-3.35(4H, m), 2.52 (2H, d, J=6.8Hz), 2.55-2.25(4H,
m), 2.10(2H, d, J=7.3Hz), 2.01-1.91(1H, m), 1.88-
1.71(1H, m), 0.90(6H, d, J=6.8Hz), 0.89(6H, d, J=
6.4Hz).
4-イソブチルピペラジン 4-ヒドロキシフェニル酢酸150.0g、トルエン250ml、エ
タノール150ml及びp-トルエンスルホン酸50gの混液を3
時間攪拌還流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して
油状の4-ヒドロキシフェニル酢酸エチル164.3gを得
た。本物質を、参考例1と全く同様の反応に付すことに
より油状の4-ヒドロキシ-3-メタリルフェニル酢酸エチ
ル138.2gを得た。本物質を、参考例2及び3と全く同様
にして、接触還元反応、ベンジル化反応及び加水分解反
応に順次付すことにより4-ベンジルオキシ-3-イソブチ
ルフェニル酢酸70.4gを得た。本物質1.0g を、実施例
3の場合と同様にして1-イソブチルピペラジン0.48gと
の縮合反応に付すことにより標題化合物1.3gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.44-7.29(5H, m), 7.01-6.98(2H,
m), 6.83(1H, d, J=8.3Hz), 5.05(2H, s), 3.64(4H,
s), 3.52-3.38(2H, m), 2.52(2H, d, J=6.8Hz), 2.43-
2.27(2H, m), 2.25-2.10(2H, m), 2.09-2.02(2H, m),
2.01-1.91(1H, m), 1.88-1.71(1H, m), 0.89(12H, d, J
=6.8Hz).
ブチルピペラジン 4-ベンジルオキシ-3-イソブチル安息香酸4.94gをクロロ
ホルム60ml、トリエチルアミン4.83ml に溶解し、氷冷
下ジフェニルホスフィニッククロライド 3.66mlを加え
た。40分間攪拌後、 1-イソブチルピペラジン2.48gを
加え室温で1.5時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール = 50:1)
で精製し、標題化合物7.11gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.44-7.37(4H, m), 7.33(1H, d, J
=8.8Hz), 7.26-7.23(1H,m), 7.17(1H, s), 6.89(1H, d,
J=8.8Hz), 5.10(2H, s), 3.90-3.35(4H, m), 2.55(2H,
d, J=7.3Hz), 2.55-2.25(4H, m), 2.10(2H, d, J=7.3H
z), 2.01-1.91(1H, m), 1.88-1.71(1H, m), 0.91(6H,
d, J=6.8Hz), 0.90(6H, d, J=6.8Hz).
ル]-4-イソブチルピペラジン 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン1.59gを、実施例18の場合と同様にし
て、4-クロロベンジルブロマイド1.03gを用いてベンジ
ル化することにより標題化合物0.95gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.38-7.34(4H, m), 7.24(1H, d,
J=8.3Hz), 7.17(1H, s),6.85(1H, d, J=8.3Hz), 5.05(2
H, s), 3.80-3.30(4H, m), 2.54(2H, d, J=7.3Hz), 2.5
5-2.25(4H, m), 2.10(2H, d, J=7.3Hz), 2.01-1.91(1H,
m), 1.88-1.71(1H, m), 0.90(12H, d, J=6.8Hz).
イル]-4-イソブチルピペラジン 1-(4-ベンジルオキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソ
ブチルピペラジン6.78gをエタノール250mlに溶解し、10
%パラジウムチャコール0.14gを加え、水素ガス雰囲気
下室温で24時間攪拌した。反応液を吸引濾過し、濾液
を減圧濃縮し1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイ
ル)-4-イソブチルピペラジン4.73gを得た。本化合物0.9
6g、2-フルオロベンジルブロマイド0.68g、炭酸カリウ
ム0.83gをアセトン50ml中で4時間攪拌還流した。反応
液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濃縮後、得られた残さをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサ
ン = 1:2)で精製することにより、標題化合物0.90gを
得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.50(1H, t, J=8.8Hz), 7.37-7.15
(4H, m), 7.09(1H, t, J=8.8Hz), 6.92(1H, d, J=8.8H
z), 5.16(2H, s), 3.80-3.30(4H, m), 2.54 (2H,d J=7.
3Hz), 2.55-2.25(4H,m), 2.10(2H, d, J=7.3Hz), 2.01-
1.91(1H, m), 1.88-1.71(1H, m), 0.90(12H, d, J=7.3H
z).
イル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-[4-(2-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベンゾ
イル]-4-イソブチルピペラジン 1.04gを、実施例22の
場合と同様にして塩酸塩化した後、再結晶(n-ヘキサン
-エタノール)することにより、標題化合物1.29gを得
た。 mp 170.0-171.5 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.96-12.86(1H, bs), 7.48(1H,
t, J=8.3Hz), 7.31-7.08(5H, m), 6.95(1H, d, J=8.3H
z), 5.17(2H, s), 4.50-3.70(2H, m), 3.64-3.46(2H,
m), 2.89-2.78(2H, m), 2.82-2.60(4H, m), 2.54(2H,
d, J=6.8Hz), 2.29-2.19(1H, m), 1.98-1.88(1H, m),
1.17(6H, d, J=6.4Hz), 0.89(6H, d, J=6.4Hz).
ジル]-4-イソブチルピペラジン2塩酸塩 水素化リチウムアルミニウム0.28gのテトラヒドロフラ
ン懸濁液50mlに1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-
イソブチルベンゾイル]-4-イソブチルピペラジン(実施
例21の化合物)2.13gのテトラヒドロフラン溶液15ml
を添加した。4時間攪拌還流した後、水を加えて過剰の
試薬を分解し濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した
後、残渣を実施例22の場合と同様にして塩酸塩とするこ
とにより標題化合物1.79gを得た。 mp 236.7-239.3℃1 H-NMR(CDCl3)δ: 7.47-7.36(4H,m), 7.19(2H,t,J=8.3H
z), 7.05(1H,d,J=8.3Hz),5.07(2H,s), 3.85-3.35(4H,
m), 2.54-2.40(4H,m), 2.45(2H,s),2.42 (2H,d,J=6.8H
z), 2.01-1.91(1H,m), 1.88-1.71(1H,m), 0.94(6H,d,J=
6.4Hz), 0.81(6H,d,J=6.4Hz).
イル]-4-イソブチルピペラジン 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸1
6.5g をクロロホルム150ml、トリエチルアミン15.3mlに
溶解し、氷冷下ジフェニルホスフィニッククロライド1
1.5mlを加えた。40分間攪拌後、1-イソブチルピペラジ
ン7.83gを加え室温にて1.5時間攪拌した。反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水
硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残さをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル = 50:1)で精製し、得られた固体を再結晶(n-ヘキ
サン)することにより、標題化合物19.6gを得た。 mp 77.0-78.0 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.39(2H, dd, J=8.8,5.4Hz), 7.2
5(1H, d, J=8.8Hz), 7.17(1H, s), 7.08(2H, t, J=8.8H
z), 6.87(1H, d, J=8.8Hz), 5.05(2H, s), 3.90-3.35(4
H, m), 2.53(2H, d, J=6.8Hz), 2.55-2.25(4H, m), 2.1
0(2H, d, J=7.3Hz), 2.01-1.91(1H, m), 1.88-1.71(1
H, m), 0.90(6H, d, J=6.4Hz), 0.89(6H,d, J=6.8Hz).
イル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベンゾ
イル]-4-イソブチルピペラジン3.18gをジエチルエーテ
ル20mlに溶解し、1N-塩化水素エーテル溶液15mlを加え
た。10分間室温で攪拌した後、析出した結晶を濾取し、
標題化合物4.40gを得た。 mp 166.7-168.7 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.95-12.85(1H, bs), 7.39(2H, d
d, J=8.3,5.4Hz), 7.31-7.28(1H, m), 7.21(1H, s), 7.
09(2H, t, J=8.3Hz), 6.90(1H, d, J=8.3Hz), 5.07(2H,
s), 4.60-3.90(2H, m), 3.64-3.46(2H, m), 2.84-2.81
(2H, m), 2.85-2.60(4H, m), 2.53(2H, d, J=7.3Hz),
2.29-2.19(1H, m), 1.98-1.88(1H, m), 1.17(6H, d, J=
6.8Hz), 0.89(6H, d, J=6.8Hz).
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-[4-(3,4-ジフルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベ
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン(実施例26の化合
物)2.24 gを、実施例22の場合と同様にして塩酸塩化す
ることにより標題化合物2.03gを得た。 mp 161.5-163.5 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.89-12.79(1H, bs), 7.31-7.14
(5H, m), 6.87(1H, d, J=8.8Hz), 5.05(2H, s), 4.50-
3.80(2H, m), 3.64-3.46(2H, m), 2.84-2.81(2H, m),
2.90-2.60(4H, m), 2.54(2H, d, J=7.3Hz), 2.29-2.19
(1H, m), 1.98-1.88(1H, m), 1.17(6H, d, J=6.8Hz),
0.91(6H, d, J=6.8Hz).
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン塩酸塩 1-[4-(2,4-ジフルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベ
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン(実施例27の化合
物)0.49gを、実施例22の場合と同様にして塩酸塩化
することにより標題化合物0.52gを得た。 mp 152.2-154.8 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 12.97-12.87(1H, bs), 7.48-7.42
(1H, m), 7.32-7.30(1H,m), 7.21(1H, s), 6.94(1H, d,
J=8.3Hz), 6.90-6.84(2H, m), 5.11(2H, s), 4.30-3.8
0(2H, m), 3.60-3.45(2H, m), 2.90-2.60(4H, m), 2.84
-2.81(2H, m), 2.51(2H, d, J=7.3Hz), 2.30-2.20(1H,
m), 1.96-1.87(1H, m), 1.00(6H, d, J=6.8Hz), 0.83(6
H, d, J=6.4Hz).
イル]-4-イソブチルピペラジン シュウ酸塩 1-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチルベンゾ
イル]-4-イソブチルピペラジン1.01gをジエチルエーテ
ル10mlに溶解し、シュウ酸0.4gのジエチルエーテル溶
液10mlを加えた。10分間室温で攪拌後、析出した結晶を
濾取し、再結晶(n-ヘキサン-エタノール)することに
より、標題化合物0.93gを得た。 mp 168.0-169.4 ℃ 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.39(2H, dd, J=8.3,5.4Hz), 7.3
2-7.28(1H, m), 7.20(1H, s), 7.09(2H, t, J=8.3Hz),
6.90(1H, d, J=8.3Hz), 5.07(2H, s), 4.20-3.80(4H,
m), 3.30-3.00(2H, m), 2.90(2H, d, J=6.8Hz), 2.53(2
H, d, J=6.8Hz), 2.80-2.20(4H, m), 2.18-2.05(1H,
m), 1.98-1.85(1H, m), 1.04(6H, d, J=6.8Hz), 0.89(6
H, d, J=6.8Hz).
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン1.24gを、実施例18の場合と同様にし
て、3,4-ジフルオロベンジルブロマイド1.60gを用いて
ベンジル化することにより、標題化合物1.67gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.28-7.11(5H, m), 6.84(1H, d,
J=8.3Hz), 5.03(2H, s),3.85-3.35(4H, m), 2.54 (2H,
d, J=7.3Hz), 2.55-2.25(4H, m), 2.10(2H, d,J=7.3H
z), 2.01-1.91(1H, m), 1.88-1.71(1H, m), 0.91(6H,
d, J=6.8Hz), 0.90(6H, d, J=6.4Hz).
ンゾイル]-4-イソブチルピペラジン 1-(4-ヒドロキシ-3-イソブチルベンゾイル)-4-イソブチ
ルピペラジン 1.60gを、実施例18の場合と同様にし
て、2,4-ジフルオロベンジルブロマイド1.24gを用いて
ベンジル化することにより、標題化合物1.67gを得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 7.49-7.42(1H, m), 7.26(1H, d,
J=8.3Hz), 7.18(1H, s),6.94-6.82(3H, m), 5.10(2H,
s), 3.85-3.35(4H, m), 2.52 (2H, d, J=7.3Hz),2.48-
2.30(4H, m), 2.10(2H, d, J=7.3Hz), 2.01-1.91(1H,
m), 1.88-1.71(1H,m), 0.90(6H, d, J=6.4Hz), 0.89(6
H, d, J=6.8Hz).
アシルピペラジン誘導体は、優れた抗潰瘍効果を奏す
る。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
製造行程の一例を示す説明図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 下記一般式化1よりなるN−アシルピペ
ラジン誘導体及びその塩。 【化1】 (上記化1中、R1は低級アルキル基、ヒドロキシ低級
アルキル基、低級アシル基、アリールカルボニルオキシ
低級アルキル基を意味する。R2は水素原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、アミノ
基、ニトロ基を意味する。R3,R4は同一または異なる
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基を意味する。nは0または
1を意味する。) - 【請求項2】 請求項1記載の化合物において、R1は
分岐低級アルキル基であることを特徴とするN−アシル
ピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の化合物におい
て、R2は分岐低級アルキル基であることを特徴とする
N−アシルピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項4】 請求項3記載の化合物において、R1,
R2の両者が分岐低級アルキル基であることを特徴とす
るN−アシルピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項5】 請求項2または3記載の化合物におい
て、R1,R2の少なくともいずれかはイソブチル基であ
ることを特徴とするN−アシルピペラジン誘導体及びそ
の塩。 - 【請求項6】 請求項4記載の化合物において、R1,
R2の両者がイソブチル基であることを特徴とするN−
アシルピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物
において、R3,R4のいずれかはフッ素原子であること
を特徴とするN−アシルピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項8】 請求項7記載の化合物において、フッ素
原子はパラ位に結合していることを特徴とするN−アシ
ルピペラジン誘導体及びその塩。 - 【請求項9】 請求項1記載の化合物において、R1,
R2の両者がイソブチル基で、R3がパラ位に結合された
フッ素原子であることを特徴とするN−アシルピペラジ
ン誘導体。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のN−
アシルピペラジン誘導体ないしその薬理的に許容できる
塩を有効成分とするヘリコバクター・ピロリに対する抗
菌剤。 - 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載のN−
アシルピペラジン誘導体ないしその薬理的に許容できる
塩を有効成分とする抗潰瘍剤。 - 【請求項12】 請求項11記載の抗潰瘍剤において、
薬理的に許容できる塩は、塩酸塩ないしシュウ酸塩であ
ることを特徴とする抗潰瘍剤。
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