JP3058663B2 - オシロメトリック型自動血圧測定装置 - Google Patents

オシロメトリック型自動血圧測定装置

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JP3058663B2
JP3058663B2 JP2241541A JP24154190A JP3058663B2 JP 3058663 B2 JP3058663 B2 JP 3058663B2 JP 2241541 A JP2241541 A JP 2241541A JP 24154190 A JP24154190 A JP 24154190A JP 3058663 B2 JP3058663 B2 JP 3058663B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はオシロメトリック型式の自動血圧測定装置の
改良に関するものである。
従来の技術 生体内の動脈を圧迫する圧迫装置と、その圧迫装置の
圧迫圧力を検出する圧力センサとを備え、その圧迫装置
の圧迫圧力の変化過程で圧力センサから逐次出力された
圧力信号に基づいて血圧値を決定するオシロメトリック
型自動血圧測定装置が従来から提供されている。このオ
シロメトリック型自動血圧測定装置においては、通常、
1〜10Hz程度の比較的低い通過周波数帯を有する帯域フ
ィルタを通して前記圧力信号から動脈の脈動に伴って変
動する脈波成分が取り出され、この脈波成分の大きさの
前記圧迫圧力の変化に伴う変化に基づいて血圧値が決定
されるように構成されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、斯かるオシロメトリック型自動血圧測
定装置においては、圧迫装置による圧迫圧力変化過程で
生体に体動が生ずると、この体動の周波数は、通常、前
記帯域フィルタを通過し得る程度の低い周波数であるこ
とから、その体動などに起因するノイズが前記脈波成分
に混入して血圧値の決定が不正確となる場合があった。
本発明はこのような事情を背景として為されたもので
あって、その目的とするところは、体動があっても血圧
値を好適に測定し得るオシロメトリック型自動血圧測定
装置を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者は以上の事情に基づいて種々検討を重ねた結
果、前記圧力信号のうち前記帯域フィルタの通過周波数
帯より高い周波数の成分は、体動の影響を受け難いだけ
でなく、前記脈波成分と略同様に前記圧迫圧力の変化に
伴って大きさが変化し、それに基づいて血圧値を好適に
決定し得ることを見い出した。
本発明は斯かる知見に基づいて為されたものであっ
て、その要旨とするところは、前記のようなオシロメト
リック型自動血圧測定装置であって、第1図のクレーム
対応図に示すように、(a)1〜10Hz程度の通過周波数
帯域を有して、前記圧力信号から前記動脈の脈動に伴っ
て変動する脈波成分を取り出す第1フィルタと、(b)
その第1フィルタの通過周波数より高い10〜25Hz程度の
通過周波数帯域を有してその第1フィルタと並列に設け
られ、前記圧力信号が供給される第2フィルタと、
(c)前記第1フィルタにより取り出された脈波成分の
大きさの前記圧迫圧力の変化に伴う変化に基づいて血圧
値を決定する第1血圧決定手段と、(d)前記第2フィ
ルタを通過した圧力信号の大きさの前記圧迫圧力の変化
に伴う変化に基づいて血圧値を決定する第2血圧決定手
段と、(e)前記第1血圧決定手段および前記第2血圧
決定手段によりそれぞれ決定された血圧値に基づいて表
示すべき血圧値を決定する表示血圧値決定手段とを含む
ことを特徴とする。
作用および発明の効果 斯かる構成のオシロメトリック型自動血圧測定装置に
よれば、従来と同様に1〜10Hz程度の通過周波数帯域を
有する第1フィルタにより圧力信号から取り出された脈
波成分の大きさの圧迫圧力変化に伴う変化に基づいて第
1血圧決定手段により血圧値が決定されるのに加えて、
その第1フィルタの通過周波数より高い10〜25Hz程度の
通過周波数帯域を有する第2フィルタを通過した圧力信
号の大きさの圧迫圧力変化に伴う変化に基づいても第2
血圧決定手段により血圧値が決定され、このようにして
決定された両血圧値に基づいて表示血圧値決定手段によ
り表示すべき血圧値が決定されるので、たとえば、第1
フィルタにより圧力信号から取り出された脈波成分に生
体の体動などによるノイズが混入してその脈波成分を用
いて測定された血圧値が異常となった場合には、その体
動などによるノイズを好適に除去し得る第2フィルタか
らの信号を用いて測定された好適な血圧値を表示するこ
とができる。この結果、前記圧迫圧力変化過程において
体動が生じても血圧値を好適に測定し得るオシロメトリ
ック型自動血圧測定装置が提供されるのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を示す図面に基づいて詳細に
説明する。
第2図において、10は、図示しない生体の上腕部等に
巻回されてそれを圧迫するゴム袋状のカフである、本実
施例の圧迫装置を構成する。カフ10には、圧力センサ1
2,急速排気弁14,絞りを備えた徐速排気弁16,および電動
ポンプ18が配管20を介してそれぞれ接続されている。圧
力センサ12は、カフ10内の圧力を検出してその圧力を表
す圧力信号SPをローパスフィルタ22へ出力するととも
に、その圧力信号SPを増幅器24を介して第1バンドパス
フィルタ26へ増幅器28を介して第2バンドパスフィルタ
30へそれぞれ出力する。ローパスフィルタ22は、圧力信
号SP中の静圧成分を検出してカフ圧P(静圧)を表すカ
フ圧信号SKをA/D変換器32を介してCPU34へ提供する。第
1バンドパスフィルタ26は、従来から設けられているも
のであって、1〜10Hz程度の通過周波数帯を有してお
り、圧力信号SPから図示しない動脈の脈動に伴って変動
する脈波成分を検出して脈波を表す脈波信号SMをA/D変
換器36を介してCPU34へ提供する。第2バンドパスフィ
ルタ30は、第1バンドパスフィルタ26の通過周波数帯よ
り高くて生体の通常の体動の周波数より高い10〜20Hz程
度の通過周波数帯を有しており、通過した信号SAをA/D
変換器38を介してCPU34へ供給する。したがって、本実
施例においては、第1バンドパスフィルタ26が第1フィ
ルタを、第2バンドパスフィルタ30が第2フィルタをそ
れぞれ構成している。なお、増幅器24,28がバンドパス
フィルタ26,30毎に設けられている理由は、第2バンド
パスフィルタ30におけるゲインは通常1/10〜1/100程度
であって第1バンドパスフィルタ26におけるゲインに比
べて小さいことによる。
CPU34は、データバスラインを介してROM40,RAM42,出
力インタフェース44,および血圧表示器46とそれぞれ連
結されており、RAM42の記憶機能を利用しつつROM40に予
め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、急
速排気弁14,徐速排気弁16,および電動ポンプ18へ出力イ
ンタフェース44を介して駆動信号を出力する一方、一連
の血圧測定動作を実行して、カフ10内のたとえば降圧過
程において逐次採取される脈波信号SMおよび信号SAに基
づいて最高血圧値および最低血圧値等の血圧値を脈波信
号SMおよび信号SA毎にそれぞれ決定するとともに、脈波
信号SMおよび信号SA毎に決定された2種類の血圧値に基
づいて表示すべき血圧値を決定して血圧表示器46に表示
させる。
次に、以上のように構成されたオシロメトリック型自
動血圧測定装置の作動を第3図のフローチャートに従っ
て説明する。
まず、ステップS1が実行されることにより、図示しな
い起動スイッチがON操作されたか否かが判断される。こ
の判断が否定されるとステップS1が繰り返し実行されて
待機状態とされるが、肯定されるとステップS2が実行さ
れて、急速排気弁14および徐速排気弁16が閉じられ且つ
電動ポンプ18が作動させられることにより、カフ10内の
昇圧が開始される。続くステップS3においては、カフ圧
Pが予想される生体の最高血圧値よりも高い目標カフ圧
Pmに達したか否かが判断される。未だ目標カフ圧Pmに達
しない間はステップS2およびステップS3が繰り返し実行
されるが、目標カフ圧Pmに達するとステップ4が実行さ
れて、電動ポンプ18の作動が停止させられるとともに徐
速排気弁16が開かれることにより、カフ10内の徐速降圧
が開始される。そして、斯かる徐速降圧過程においてス
テップS5の血圧決定ルーチンが実行される。
この血圧決定ルーチンにおいては、カフ10の徐速降圧
期間において採取された前記脈波信号SMの大きさのカフ
圧Pの変化に伴う変化に基づいて、良く知られたアルゴ
リズムに従ってたとえば最高血圧値SYS1および最高血圧
値DIA1が決定される一方、脈波信号SMと並行して採取さ
れた前記信号のSAの大きさのカフ圧Pの変化に伴う変化
に基づいて、同様にして最高血圧値SYS2および最高血圧
値DIA2が決定される。したがって、本実施例において
は、ステップS5の血圧決定ルーチンが第1血圧決定手段
および第2血圧決定手段に対応する。第4図(a)およ
び第4図(c)は、脈波信号SMおよび信号SAの大きさの
カフ圧Pの変化に伴う変化の一例をそれぞれ示す図であ
る。
続くステップS6においては、ステップS5において血圧
値SYS1,DIA1,SYS2,DIA2が決定されたか否かが判断され
る。この判断が否定されると、ステップS5およびステッ
プS6が繰り返し実行されるが、ステップS6の判断が肯定
されると、ステップS7が実行されて、急速排気弁14が開
かれてカフ10内が急速に排圧されるとともに、ステップ
S8が実行されることにより、たとえば、ステップS5にて
決定された最高血圧値SYS1および最低血圧値DIA1(以
下、第1バンドパスフィルタ26による血圧値という)と
最高血圧値SYS2および最低血圧値DIA2(以下、第2バン
ドパスフィルタ30による血圧値という)との何れを表示
すべきかが決定される。すなわち、たとえば、第1バン
ドパスフィルタ26による血圧値と第2バンドパスフィル
タ30による血圧値とが略同じである場合には第1バンド
パスフィルタ26による血圧値が表示すべき血圧値として
決定されるが、両血圧値が大幅に異なる場合には第2バ
ンドパスフィルタ30による血圧値が表示すべき血圧値と
してとして決定されたり、あるいは、両血圧値のうちの
一方が異常である場合には他方が表示すべき血圧値とし
て決定されたりするのである。なお、決定された血圧値
が異常であるか否かの判断は、たとえば、生理的に常識
外の血圧値であるか否か、あるいは脈波信号SMや信号SA
のトレンドに異常があるか否かに基づいて行われる。こ
のようにして表示すべき血圧値が決定されると、ステッ
プS9が実行されて、ステップS8にて決定された最高血圧
値および最低血圧値が血圧表示器46に表示される。本実
施例においては、上記ステップS8が表示血圧値決定手段
に対応する。
このように本実施例によれば、従来と同様の第1バン
ドパスフィルタ26により圧力信号SPから取り出された脈
波信号SMの大きさのカフ圧Pの変化に伴う変化に基づい
て最高血圧値SYS1および最低血圧値DIA1が決定されるの
に加えて、その第1バンドパスフィルタ26の通過周波数
帯より高く、生体の体動などによるノイズを好適に除去
し得る10〜20Hz程度の通過周波数帯を有する第2バンド
パスフィルタ30を通過した信号SAの大きさのカフ圧Pの
変化に伴う変化に基づいても最高血圧値SYS2および最低
血圧値DIA2が決定される。そして、このようにして決定
された最高血圧値SYS1および最低血圧値DIA1と最高血圧
値SYS2および最低血圧値DIA2とのうちの好適な方の血圧
値が血圧表示器46に表示されるので、たとえば、第1バ
ンドパスフィルタ26からの脈波信号SMに生体の体動など
によるノイズが混入してその脈波信号SMを用いて測定さ
れた血圧値が異常となった場合には、体動などの影響を
受け難い第2バンドパスフィルタ30からの信号SAを用い
て測定された好適な血圧値を表示することができる。こ
の結果、カフ圧Pの降圧過程において体動が生じても血
圧値を好適に測定することができる。なお、第4図
(b)および第4図(d)は、体動が生じている場合に
おける脈波信号SMおよび信号SAの大きさのカフ圧Pの変
化に伴う変化の一例をそれぞれ示す図であって、第1バ
ンドパスフィルタ26に基づく第4図(b)においては第
4図(a)と比較して判るように体動の影響が大きく現
れているのに対し、第2バンドパスフィルタ30に基づく
第4図(d)においては第4図(c)と比較して判るよ
うに体動の影響が殆ど現れていない。
また、本実施例によれば、第2フィルタとしての第2
バンドパスフィルタ30は10〜20Hz程度の通過周波数帯を
有しているため、カフ10の擦れなどによるノイズをも好
適に除去し得て、体動だけでなくカフ10の擦れなどが生
じても血圧値を好適に測定することができる。この効果
は、第2バンドパスフィルタ30の通過周波数帯の上限が
25Hz程度まで好適に得られる。
なお、前述の実施例では、第1バンドパスフィルタ26
および第2バンドパスフィルタ30による両血圧値のうち
の一方の血圧値が血圧表示器46に表示されると説明した
が、必ずしもその必要はなく、たとえば、両血圧値の平
均値を表示することもできる。要するに、第1血圧決定
手段および第2血圧決定手段によりそれぞれ決定された
血圧値に基づいて表示すべき血圧値を決定すればよいの
である。
また、前述の実施例では、第1フィルタおよび第2フ
ィルタはアナログフィルタにてそれぞれ構成されている
が、ソフトウェアによるデジタルフィルタにて構成する
こともできる。
また、前述の実施例では、第1バンドパスフィルタ26
および第2バンドパスフィルタ30の入力側に増幅器24,2
8がそれぞれ設けられているが、必ずしもその必要はな
く、たとえば、第1バンドパスフィルタ26および第2バ
ンドパスフィルタ30の出力側に増幅器24,28を設けても
よいし、あるいは、A/D変換器38の分解能が高い場合に
おいては圧力信号SPを共通の増幅器で増幅して第1バン
ドパスフィルタ26および第2バンドパスフィルタ30へそ
れぞれ供給するように構成してもよく、さらには、A/D
変換器36,38の分解能が共に高い場合においては増幅器
を全く設けないで構成することも可能である。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲にいて種
々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はクレーム対応図である。第2図は本発明の一実
施例であるオシロメトリック型自動血圧測定装置の構成
を示すブロック線図である。第3図は第1図の自動血圧
測定装置の作動を説明するためのフローチャートであ
る。第4図(a)および(c)は体動のない状態で第1
図の自動血圧測定装置において逐次採取される脈波信号
SMおよび信号SAのカフ圧Pの変化に伴う変化の一例をそ
れぞれ示す図である。第4図(b)および(d)は体動
がある状態で第1図の自動血圧測定装置において逐次採
取される脈波信号SMおよび信号SAのカフ圧Pの変化に伴
う変化の一例をそれぞれ示す図である。 10:カフ(圧迫装置) 12:圧力センサ 26:第1バンドパスフィルタ(第1フィルタ) 30:第2バンドパスフィルタ(第2フィルタ) ステップS5:(第1および第2血圧決定手段) ステップS8:(表示血圧値決定手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体内の動脈を圧迫する圧迫装置と、該圧
    迫装置の圧迫圧力を検出する圧力センサとを備え、該圧
    迫装置の圧迫圧力の変化過程で該圧力センサから逐次出
    力された圧力信号に基づいて血圧値を決定するオシロメ
    トリック型自動血圧測定装置であって、 1〜10Hz程度の通過周波数帯域を有して、前記圧力信号
    から前記動脈の脈動に伴って変動する脈波成分を取り出
    す第1フィルタと、 該第1フィルタの通過周波数帯域より高い10〜25Hz程度
    の通過周波数帯域を有して該第1フィルタと並列に設け
    られ、前記圧力信号が供給される第2フィルタと、 前記第1フィルタにより取り出された脈波成分の大きさ
    の前記圧迫圧力の変化に伴う変化に基づいて血圧値を決
    定する第1血圧決定手段と、 前記第2フィルタを通過した圧力信号の大きさの前記圧
    迫圧力の変化に伴う変化に基づいて血圧値を決定する第
    2血圧決定手段と、 前記第1血圧決定手段および前記第2血圧決定手段によ
    りそれぞれ決定された血圧値に基づいて表示すべき血圧
    値を決定する表示血圧値決定手段と を含むことを特徴とするオシロメトリック型自動血圧測
    定装置。
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