JP2921112B2 - 転がり軸受 - Google Patents
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- JP2921112B2 JP2921112B2 JP2334146A JP33414690A JP2921112B2 JP 2921112 B2 JP2921112 B2 JP 2921112B2 JP 2334146 A JP2334146 A JP 2334146A JP 33414690 A JP33414690 A JP 33414690A JP 2921112 B2 JP2921112 B2 JP 2921112B2
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- rolling
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- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/40—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for rings; for bearing races
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- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、転がり軸受に係り、特に、クリーン潤滑条
件下で使用される電動機や自動車等のオルタネータ、中
間プーリー及び電磁クラッチ用として求められる長寿命
の転がり軸受に関する。
件下で使用される電動機や自動車等のオルタネータ、中
間プーリー及び電磁クラッチ用として求められる長寿命
の転がり軸受に関する。
従来、転がり軸受の長寿命化は、軸受材料の高清浄度
化及び肌焼鋼を用いることでなされてきた。
化及び肌焼鋼を用いることでなされてきた。
また、特開昭62−132031号に開示されているように、
軌道輪及び転動体の浸炭硬化層深さを深く形成すること
により、軸受の寿命を向上する従来例が存在する。
軌道輪及び転動体の浸炭硬化層深さを深く形成すること
により、軸受の寿命を向上する従来例が存在する。
そしてまた、特公昭62−29487号に開示れているよう
に、例えば、SUJ3等の軸受鋼にマルテンパー等の恒温熱
処理を施すことで、軸受の亀裂靱性を高め、軸受の寿命
を向上する従来例が存在する。
に、例えば、SUJ3等の軸受鋼にマルテンパー等の恒温熱
処理を施すことで、軸受の亀裂靱性を高め、軸受の寿命
を向上する従来例が存在する。
また、転がり軸受の耐転がり疲れ性に効果のある圧縮
残留応力に着目し、当該軸受の寿命を向上する従来例が
存在する。この従来例は、圧縮残留応力(Sr)は、静的
最大せん断応力(τmax)を減じる方向に働き、Srによ
り補正された最大せん断応力(τmax)r(但し、τmax
は絶対値表示)は、 (τmax)r=τmax−1/2(Sr) …… (Zaretsky.E.V,NASA TND−2664;ザレツスキーイーブ
イ,ナサ ティーエヌディー−2664;1965年)で表さ
れ、圧縮残留応力(Sr)が大きいほど、最大せん断応力
((τmax)r)は低下する。また、転がり疲労寿命(L
ife)は、 Life=k[1/((τmax)r]9 …… (但し、kは比例定数) で表わされることから、圧縮残留横領(Sr)を付加する
ことにより、転がり疲労寿命(Life)の向上を図るもの
である。
残留応力に着目し、当該軸受の寿命を向上する従来例が
存在する。この従来例は、圧縮残留応力(Sr)は、静的
最大せん断応力(τmax)を減じる方向に働き、Srによ
り補正された最大せん断応力(τmax)r(但し、τmax
は絶対値表示)は、 (τmax)r=τmax−1/2(Sr) …… (Zaretsky.E.V,NASA TND−2664;ザレツスキーイーブ
イ,ナサ ティーエヌディー−2664;1965年)で表さ
れ、圧縮残留応力(Sr)が大きいほど、最大せん断応力
((τmax)r)は低下する。また、転がり疲労寿命(L
ife)は、 Life=k[1/((τmax)r]9 …… (但し、kは比例定数) で表わされることから、圧縮残留横領(Sr)を付加する
ことにより、転がり疲労寿命(Life)の向上を図るもの
である。
しかしながら、近年の軸受使用条件の高負荷、高速化
要求に対し、従来の技術である軸受鋼の高清浄化、軸受
部材の浸炭化のみでは、要求寿命に達しないという課題
が生じてきた。
要求に対し、従来の技術である軸受鋼の高清浄化、軸受
部材の浸炭化のみでは、要求寿命に達しないという課題
が生じてきた。
そして、圧縮残留応力に着目した従来例は、圧縮残留
応力を増加させても、実際には、前記式に表される9
乗則により期待される転がり寿命が得られず、寿命向上
率が小さいという課題があった。
応力を増加させても、実際には、前記式に表される9
乗則により期待される転がり寿命が得られず、寿命向上
率が小さいという課題があった。
また、特開昭62−132031号記載の従来例は、深い浸炭
層を形成するために熱処理時間が長くなり、そして、特
公昭62−29487号記載の従来例は、特殊な恒温熱処理を
必要とするため、両者とも熱処理生産性が低下するとい
う課題と共に、高負荷、高速化要求に対し、更に十分な
寿命を得る必要があった。
層を形成するために熱処理時間が長くなり、そして、特
公昭62−29487号記載の従来例は、特殊な恒温熱処理を
必要とするため、両者とも熱処理生産性が低下するとい
う課題と共に、高負荷、高速化要求に対し、更に十分な
寿命を得る必要があった。
そこで、本発明は、このような課題を解決するために
なされたものであり、密封シール機構、耐転がり疲れ性
に効果的な圧縮残留応力に加え、表面硬さを最適にし、
熱処理生産性を損なわず、長寿命な転がり軸受を提供す
ることを目的とする。
なされたものであり、密封シール機構、耐転がり疲れ性
に効果的な圧縮残留応力に加え、表面硬さを最適にし、
熱処理生産性を損なわず、長寿命な転がり軸受を提供す
ることを目的とする。
この目的を達成するために本発明は、軌道輪及び転動
体を備えてなる転がり軸受において、当該軌道輪及び転
動体の少なくとも一つの表面硬さはHv900以上であり、
軌道面及び/又は転動面から前記転動体平均直径の2%
に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力は100kgf
/mm2以上である転がり軸受であることを特徴とするもの
である。
体を備えてなる転がり軸受において、当該軌道輪及び転
動体の少なくとも一つの表面硬さはHv900以上であり、
軌道面及び/又は転動面から前記転動体平均直径の2%
に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力は100kgf
/mm2以上である転がり軸受であることを特徴とするもの
である。
この発明に係わる転がり軸受によれば、当該転がり軸
受の、軌道輪及び転動体の少なくとも一つの表面硬さを
Hv900以上、軌道面及び/又は転動面から前記転動体平
均直径の2%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留
応力を100kgf/mm2以上としたことにより、耐転がり疲れ
性を向上することができる。この結果、前記転がり軸受
の寿命を向上することができる。
受の、軌道輪及び転動体の少なくとも一つの表面硬さを
Hv900以上、軌道面及び/又は転動面から前記転動体平
均直径の2%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留
応力を100kgf/mm2以上としたことにより、耐転がり疲れ
性を向上することができる。この結果、前記転がり軸受
の寿命を向上することができる。
以下、本発明における各特性値の臨界的意義及び作用
等について説明する。
等について説明する。
(表面硬さはHv900以上) 転がり軸受の軌道面、転動面には局部的に大きな面圧
が繰り返し加わるので、その転がり疲れ強さ,耐焼付性
を向上させるには、表面硬さを向上することが有効であ
る。硬さがHv900までは硬さの上昇に伴い転がり疲れ強
さは増加する。しかしながら、硬さがHv900を越える
と、硬さが上昇しても転がり疲れ強さは向上せず一定と
なる。これより、軌道輪及び転動体の少なくとも一つの
表面硬さをHv900以上とした。
が繰り返し加わるので、その転がり疲れ強さ,耐焼付性
を向上させるには、表面硬さを向上することが有効であ
る。硬さがHv900までは硬さの上昇に伴い転がり疲れ強
さは増加する。しかしながら、硬さがHv900を越える
と、硬さが上昇しても転がり疲れ強さは向上せず一定と
なる。これより、軌道輪及び転動体の少なくとも一つの
表面硬さをHv900以上とした。
(軌道面及び/又は転動面から前記転動体平均直径の2
%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力は100k
gf/mm2以上) 軌道輪と転動体とが転がり接触すると、各々の表面下
にせん断応力が発生し、これがクラック発生の主原因と
なり、フレーキングに至り、転がり寿命が低下する。前
記せん断応力を緩和するには、転がり軸受に圧縮残留応
力を付与し、その値を向上することが有効である。
%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力は100k
gf/mm2以上) 軌道輪と転動体とが転がり接触すると、各々の表面下
にせん断応力が発生し、これがクラック発生の主原因と
なり、フレーキングに至り、転がり寿命が低下する。前
記せん断応力を緩和するには、転がり軸受に圧縮残留応
力を付与し、その値を向上することが有効である。
軌道輪と転動体とが転がり接触する再に発生するせん
断応力の値が最大値となる深さは、その表面から転動体
平均直径の2%未満であることから、転がり疲れ寿命を
延ばすためには、この位置でのせん断応力を緩和するこ
とが効果的である。そこで、本発明者等が、いかなる値
の圧縮残留応力を転がり軸受の前記位置に付与すれば耐
転がり疲労特性を向上することができるかについて鋭意
検討したところ、軌道面及び/又は転動面から前記転が
り転動体平均直径の2%に対応する深さまでの間での最
小圧縮残留応力を100kgf/mm2以上とすることが効果的で
あることを見だした。
断応力の値が最大値となる深さは、その表面から転動体
平均直径の2%未満であることから、転がり疲れ寿命を
延ばすためには、この位置でのせん断応力を緩和するこ
とが効果的である。そこで、本発明者等が、いかなる値
の圧縮残留応力を転がり軸受の前記位置に付与すれば耐
転がり疲労特性を向上することができるかについて鋭意
検討したところ、軌道面及び/又は転動面から前記転が
り転動体平均直径の2%に対応する深さまでの間での最
小圧縮残留応力を100kgf/mm2以上とすることが効果的で
あることを見だした。
本発明に係る転がり軸受の表面硬さ及び圧縮残留応力
を同時に得るためには、例えば、公知のショットピーニ
ング加工、肌焼(浸炭,浸炭窒化,高周波焼入)等を行
うことが有効である。このショットピーニング加工、肌
焼等の処理条件を設定することで、所望の表面硬さ及び
圧縮残留応力を得ることができる。そして、特に、ショ
ットピーニング加工は、所望の表面硬さ及び圧縮残留応
力を得る方法として有効である。
を同時に得るためには、例えば、公知のショットピーニ
ング加工、肌焼(浸炭,浸炭窒化,高周波焼入)等を行
うことが有効である。このショットピーニング加工、肌
焼等の処理条件を設定することで、所望の表面硬さ及び
圧縮残留応力を得ることができる。そして、特に、ショ
ットピーニング加工は、所望の表面硬さ及び圧縮残留応
力を得る方法として有効である。
しかしながら、例えば、前記ショットピーニング処理
は、冷間加工の一種であり、塑性変形を与えて加工硬化
により、被加工物の表面層の硬さ及び圧縮残留応力を形
成するため、当該被加工物の表面の組織が高ひずみ状態
となっている。従って、異物が侵入して軸受の転がり面
に圧痕を形成するような使用条件下においては、圧痕形
成時の転がり面のひずみ量(ゴミの硬さ、サイズ)によ
り圧痕周辺にクラックを発生する場合がある。従って、
本発明の表面硬さ、圧縮残留応力を有する転がり軸受を
使用する場合は、極力軸受内への異物侵入を防止するこ
とが望ましい。
は、冷間加工の一種であり、塑性変形を与えて加工硬化
により、被加工物の表面層の硬さ及び圧縮残留応力を形
成するため、当該被加工物の表面の組織が高ひずみ状態
となっている。従って、異物が侵入して軸受の転がり面
に圧痕を形成するような使用条件下においては、圧痕形
成時の転がり面のひずみ量(ゴミの硬さ、サイズ)によ
り圧痕周辺にクラックを発生する場合がある。従って、
本発明の表面硬さ、圧縮残留応力を有する転がり軸受を
使用する場合は、極力軸受内への異物侵入を防止するこ
とが望ましい。
そこで、前記軸受内への異物侵入を防止する手段とし
て、転がり軸受に密封シールを施すことが有効である。
異物の侵入ヲ防いだ密封シールグリース入り軸受は、例
えば、その転がり面がショットピーニング加工により高
ひずみ状態となっていても、異物による圧痕の形成を防
止し、軸受寿命を向上する。このため、本発明に係る軸
受の表面硬さ及び圧縮残留応力値を満足させると共に、
さらに密封シールにより異物の侵入を防ぐことで、より
寿命が向上した転がり軸受を提供することができる。
て、転がり軸受に密封シールを施すことが有効である。
異物の侵入ヲ防いだ密封シールグリース入り軸受は、例
えば、その転がり面がショットピーニング加工により高
ひずみ状態となっていても、異物による圧痕の形成を防
止し、軸受寿命を向上する。このため、本発明に係る軸
受の表面硬さ及び圧縮残留応力値を満足させると共に、
さらに密封シールにより異物の侵入を防ぐことで、より
寿命が向上した転がり軸受を提供することができる。
またさらに、本発明者等がブレーキングの起点となる
酸化物系非金属介在物に着目し、当該非金属介在物と軸
受寿命との関係について、鋭意研究を重ねた結果、特願
平1−187561号に示すように、平均粒子径13μm以上の
非金属介在物が存在せず、平均粒子系3μm以上,13μ
m未満の非金属介在物の存在個数が被検面積165mm2当た
り80個以内の鋼を用いた転がり軸受は、寿命が極めて向
上することを見いだした。そして、平均粒子径3μm以
上,13μm未満の非金属介在物の存在個数が少ないほ
ど、軸受寿命は向上する。また、平均粒子径13μm以上
の非金属介在物が存在すると、フレーキングが発生し易
くなり、寿命低下を来す。この非金属介在物の存在と軸
受寿命との関係は、当該軸受の表面硬さ及び圧縮残留応
力値による寿命向上とは無関係であり、いかなる表面硬
さ及び圧縮残留応力を有する軸受に対しても成立する。
圧縮残留応力は、せん断応力を緩和する効果があるが、
これに加え、非金属介在物を減らすことで、せん断応力
による応力集中を引き起こす原因自体を減らすことがで
きるため、軸受寿命がさらに向上する。これより、本発
明に係る軸受の表面硬さ、圧縮残留応力値、異物の硬
さ,サイズ及び存在率を満たし、さらに酸化物系非金属
介在物の存在個数の全てを満たす転がり軸受は、その寿
命を極めて向上することができる。
酸化物系非金属介在物に着目し、当該非金属介在物と軸
受寿命との関係について、鋭意研究を重ねた結果、特願
平1−187561号に示すように、平均粒子径13μm以上の
非金属介在物が存在せず、平均粒子系3μm以上,13μ
m未満の非金属介在物の存在個数が被検面積165mm2当た
り80個以内の鋼を用いた転がり軸受は、寿命が極めて向
上することを見いだした。そして、平均粒子径3μm以
上,13μm未満の非金属介在物の存在個数が少ないほ
ど、軸受寿命は向上する。また、平均粒子径13μm以上
の非金属介在物が存在すると、フレーキングが発生し易
くなり、寿命低下を来す。この非金属介在物の存在と軸
受寿命との関係は、当該軸受の表面硬さ及び圧縮残留応
力値による寿命向上とは無関係であり、いかなる表面硬
さ及び圧縮残留応力を有する軸受に対しても成立する。
圧縮残留応力は、せん断応力を緩和する効果があるが、
これに加え、非金属介在物を減らすことで、せん断応力
による応力集中を引き起こす原因自体を減らすことがで
きるため、軸受寿命がさらに向上する。これより、本発
明に係る軸受の表面硬さ、圧縮残留応力値、異物の硬
さ,サイズ及び存在率を満たし、さらに酸化物系非金属
介在物の存在個数の全てを満たす転がり軸受は、その寿
命を極めて向上することができる。
尚、被検面積165mm2において、平均粒子系13μm以上
の酸化物系非金属介在物の存在個数を0とするために
は、VIM(真空誘導溶解)法を施した後、VAR(真空アー
ク再溶解)法を実施するバキュームダブルメルチィング
法が有効である。
の酸化物系非金属介在物の存在個数を0とするために
は、VIM(真空誘導溶解)法を施した後、VAR(真空アー
ク再溶解)法を実施するバキュームダブルメルチィング
法が有効である。
次に本発明の実施例について、図面に基づいて説明す
る。
る。
(実施例1) SUJ2及びSCr420を用い、第1表に示す熱処理及びショ
ットピーニング加工を行い、第1表に示す円板状試験片
(試験片No.1〜14)を作製した。
ットピーニング加工を行い、第1表に示す円板状試験片
(試験片No.1〜14)を作製した。
尚、最小圧縮残留応力は、試験片表面から、後述の実
施例2で使用する転動体の平均直径の1%に対応する深
さまでの間で、X線残留応力測定により測定し、非金属
介在物の測定は、被検面積165mm2当たりの値を示した。
施例2で使用する転動体の平均直径の1%に対応する深
さまでの間で、X線残留応力測定により測定し、非金属
介在物の測定は、被検面積165mm2当たりの値を示した。
尚、第1表に示す熱処理及びショットピーニング加工
は、以下に示す通りで行った。
は、以下に示す通りで行った。
(焼入) 800〜850で30分間加熱後、油冷し、次いで150〜200℃
で2時間焼戻した。
で2時間焼戻した。
(浸炭焼入) Rxガス+エンリッチガスの雰囲気で930±5℃で約8
時間浸炭熱処理を行い、その後油焼入し、次いで180℃
で2時間焼戻した。
時間浸炭熱処理を行い、その後油焼入し、次いで180℃
で2時間焼戻した。
(ショットピーニング加工) 第3図に示す直圧式ノズル型ショットピーニング装置
を使用した。
を使用した。
この装置は、ショット粒1が充填された加圧タンク2
と、この加圧タンク2に加圧空気を供給する加圧空気供
給管3と、加圧タンク2内に供給された空気を排気する
排気管4と、加圧タンク2の下部に配設され、加圧空気
供給管3の分岐管5からの圧縮空気とショット粒1とを
混合するミキサ6と、ショット7を先端のノズル8から
被処理物表面に投射するホース9と、加圧タンク2内に
シャッタ10を介してショット粒1を供給するホッパ11
と、分岐管5の途中に設けられ、ショット粒1の投射速
度を調節するための空気圧を調整可能なバルブ12と、か
ら構成されている。
と、この加圧タンク2に加圧空気を供給する加圧空気供
給管3と、加圧タンク2内に供給された空気を排気する
排気管4と、加圧タンク2の下部に配設され、加圧空気
供給管3の分岐管5からの圧縮空気とショット粒1とを
混合するミキサ6と、ショット7を先端のノズル8から
被処理物表面に投射するホース9と、加圧タンク2内に
シャッタ10を介してショット粒1を供給するホッパ11
と、分岐管5の途中に設けられ、ショット粒1の投射速
度を調節するための空気圧を調整可能なバルブ12と、か
ら構成されている。
本実施例では、ショット粒1として、平均粒径0.72m
m,平均硬さHRC61の鋼球を使用し、ショット投射速度が3
2〜120m/sec.(平均投射速度80m/sec.)となるようにシ
ョットピーニング処理を行った。ショットピーニング加
工は、表面硬さ及び圧縮残留応力を被加工物に付与する
ために長時間の熱処理等を必要としないため、熱処理生
産性が低下することがない。尚、このショットピーニン
グの際、バルブ12の開度を調整して空気圧を変更するこ
とにより、前記試験片の表面に形成される最小残留応力
が第1表に示す値となるようにした。尚、前記最小残留
応力は、引っ張り強さを(+)で表し、圧縮強さを
(−)で表した。
m,平均硬さHRC61の鋼球を使用し、ショット投射速度が3
2〜120m/sec.(平均投射速度80m/sec.)となるようにシ
ョットピーニング処理を行った。ショットピーニング加
工は、表面硬さ及び圧縮残留応力を被加工物に付与する
ために長時間の熱処理等を必要としないため、熱処理生
産性が低下することがない。尚、このショットピーニン
グの際、バルブ12の開度を調整して空気圧を変更するこ
とにより、前記試験片の表面に形成される最小残留応力
が第1表に示す値となるようにした。尚、前記最小残留
応力は、引っ張り強さを(+)で表し、圧縮強さを
(−)で表した。
次に、これらの各試験片について、スラスト寿命試験
を行った。この寿命試験は、「特殊鋼便覧(第1版,電
気製鋼研究所編,理工学社,1969年5月25日発行)の第1
0〜21頁)」記載のスラスト形軸受鋼試験機を用いて、
N=1000rpm,Pmax=578kgf/mm2,潤滑油;#68ダービン
油、クリーン潤滑条件下で行った。
を行った。この寿命試験は、「特殊鋼便覧(第1版,電
気製鋼研究所編,理工学社,1969年5月25日発行)の第1
0〜21頁)」記載のスラスト形軸受鋼試験機を用いて、
N=1000rpm,Pmax=578kgf/mm2,潤滑油;#68ダービン
油、クリーン潤滑条件下で行った。
尚、寿命の判定に際しては、試験片にフレーキング,
割れが発生した時点をもって寿命と判断し、この寿命を
各試験片の全数の10%にフレーキングが発生するまでの
累積回転数で表現した(L10,90%残存寿命)。この結果
を第1図に示す。
割れが発生した時点をもって寿命と判断し、この寿命を
各試験片の全数の10%にフレーキングが発生するまでの
累積回転数で表現した(L10,90%残存寿命)。この結果
を第1図に示す。
第1図より、表面硬さがHv900以上で、試験片表面か
ら、後述の実施例2で使用する転動体の平均直径の1%
に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf
/mm2以上の試験片(試験片No.9〜14;発明品)は、他の
試験片(試験片No.1〜8;比較品)に比べ、L10寿命が大
幅に向上することが立証された。また、平均粒子径が13
μm以上の酸化物系非金属介在物(Al2O3)が存在せ
ず、3μm以上、13μm未満の酸化物系非金属介在物が
被検面積165mm2当たり80個以下の試験片は、さらにL10
寿命が向上していることが立証された(試験片No.11及
び14)。そして、前記非金属介在物の存在する個数が少
ない試験片ほどL10寿命が向上することが立証された。
この結果、表面硬さがHv900以上で、試験片表面から、
後述の実施例2で使用する転動体の平均直径の1%に対
応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf/mm2
以上という条件に加えて、被検面積165mm2において、平
均粒子系が3μm以上、13μm未満の非金属介在物の総
数が80個以下という条件を満たす試験片は、さらに寿命
が向上することがわかる。
ら、後述の実施例2で使用する転動体の平均直径の1%
に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf
/mm2以上の試験片(試験片No.9〜14;発明品)は、他の
試験片(試験片No.1〜8;比較品)に比べ、L10寿命が大
幅に向上することが立証された。また、平均粒子径が13
μm以上の酸化物系非金属介在物(Al2O3)が存在せ
ず、3μm以上、13μm未満の酸化物系非金属介在物が
被検面積165mm2当たり80個以下の試験片は、さらにL10
寿命が向上していることが立証された(試験片No.11及
び14)。そして、前記非金属介在物の存在する個数が少
ない試験片ほどL10寿命が向上することが立証された。
この結果、表面硬さがHv900以上で、試験片表面から、
後述の実施例2で使用する転動体の平均直径の1%に対
応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf/mm2
以上という条件に加えて、被検面積165mm2において、平
均粒子系が3μm以上、13μm未満の非金属介在物の総
数が80個以下という条件を満たす試験片は、さらに寿命
が向上することがわかる。
(実施例2) SUJ2及びSCr420を用い、第2表に示す熱処理及びショ
ットピーニング加工を行い、第2表に示す軸受内輪(内
輪No.1〜8)を作製した。
ットピーニング加工を行い、第2表に示す軸受内輪(内
輪No.1〜8)を作製した。
ここで、各熱処理及びショットピーニング加工の条
件、残留応力の測定、非金属介在物の測定は、前記実施
例1と同一である。
件、残留応力の測定、非金属介在物の測定は、前記実施
例1と同一である。
次に、第2表に示す内輪と、その内輪と同一の鋼を使
用し、同様の熱処理を行い、ショットピーニング加工を
施さない外輪及び転動体を組み合わせ、グリース密封型
転がり軸受(JIS6206接触型シールタイプ)を作製した
(軸受No.1〜8)。尚、前記グリースは、アルバニアグ
リスNo.2を使用した。例えば、この時、当該グリース
は、軸受の内部空間に対して30%パックとした。また、
軸受No.は、使用した内輪No.に対応している。
用し、同様の熱処理を行い、ショットピーニング加工を
施さない外輪及び転動体を組み合わせ、グリース密封型
転がり軸受(JIS6206接触型シールタイプ)を作製した
(軸受No.1〜8)。尚、前記グリースは、アルバニアグ
リスNo.2を使用した。例えば、この時、当該グリース
は、軸受の内部空間に対して30%パックとした。また、
軸受No.は、使用した内輪No.に対応している。
このグリース密封型転がり軸受を使用して、寿命試験
を行った。この寿命試験は、「テクニカルジャーナル
(No.646、日本精工株式会社編,1986年9月発行)の第2
0頁」記載の軸受耐久寿命試験機を用いて、ラジアル荷
重Fr=1410kgf、最大接触面圧Pmax=350kgf/mm2、回転
数(内輪)=3000r.p.m.外輪静止条件下で行った。
を行った。この寿命試験は、「テクニカルジャーナル
(No.646、日本精工株式会社編,1986年9月発行)の第2
0頁」記載の軸受耐久寿命試験機を用いて、ラジアル荷
重Fr=1410kgf、最大接触面圧Pmax=350kgf/mm2、回転
数(内輪)=3000r.p.m.外輪静止条件下で行った。
尚、寿命の判定に際しては、前記実施例1と同様に行
った。この結果を第2図に示す。
った。この結果を第2図に示す。
第2図より、少なくとも内輪の表面硬さがHv900以上
で、内輪表面から転動体の平均直径の1%に対応する深
さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf/mm2以上のグ
リース密封型転がり軸受(軸受No.5〜8;発明品)は、他
の軸受(軸受No.1〜4;比較品)に比べ、L10寿命が大幅
に向上することが立証された。また、平均粒子径が13μ
m以上の酸化物系非金属介在物(Al2O3)が存在せず、
3μm以上、13μm未満の酸化物系非金属介在物が被検
面積165mm2当たり80個以下の軸受は、さらにL10寿命が
向上していることが立証された(軸受No.6及び7)。そ
して、前記非金属介在物の存在する個数が少ない軸受ほ
どL10寿命が向上することが立証された。この結果、表
権硬さがHv900以上で、内輪表面から転動体の平均直径
の1%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が
100kgf/mm2以上以上という条件に加えて、被検面積165m
m2において、平均粒子系が3μm以上、13μm未満の非
金属介在物の総数が80個以下という条件を満たす鋼から
なる転がり軸受は、さらに寿命が向上したことがわか
る。
で、内輪表面から転動体の平均直径の1%に対応する深
さまでの間での最小圧縮残留応力が100kgf/mm2以上のグ
リース密封型転がり軸受(軸受No.5〜8;発明品)は、他
の軸受(軸受No.1〜4;比較品)に比べ、L10寿命が大幅
に向上することが立証された。また、平均粒子径が13μ
m以上の酸化物系非金属介在物(Al2O3)が存在せず、
3μm以上、13μm未満の酸化物系非金属介在物が被検
面積165mm2当たり80個以下の軸受は、さらにL10寿命が
向上していることが立証された(軸受No.6及び7)。そ
して、前記非金属介在物の存在する個数が少ない軸受ほ
どL10寿命が向上することが立証された。この結果、表
権硬さがHv900以上で、内輪表面から転動体の平均直径
の1%に対応する深さまでの間での最小圧縮残留応力が
100kgf/mm2以上以上という条件に加えて、被検面積165m
m2において、平均粒子系が3μm以上、13μm未満の非
金属介在物の総数が80個以下という条件を満たす鋼から
なる転がり軸受は、さらに寿命が向上したことがわか
る。
(実施例3) SCr420を用い、第3表に示す熱処理及びショットピー
ニング加工を行い、第3表に示す軸受内輪(内輪No.9〜
11)を作製した。尚、内輪No.10は、内輪表面から転動
体の平均直径の1%に対応する深さまでの位置での最小
圧縮残留応力を示し、内輪No.11は、内輪表面から転動
体の平均直径の2%に対応する深さまでの位置での最小
残留応力を示した。
ニング加工を行い、第3表に示す軸受内輪(内輪No.9〜
11)を作製した。尚、内輪No.10は、内輪表面から転動
体の平均直径の1%に対応する深さまでの位置での最小
圧縮残留応力を示し、内輪No.11は、内輪表面から転動
体の平均直径の2%に対応する深さまでの位置での最小
残留応力を示した。
ここで、各熱処理及びショットピーニング加工の条
件、残留応力の測定、非金属介在物の測定は、前記実施
例1と同一である。
件、残留応力の測定、非金属介在物の測定は、前記実施
例1と同一である。
次に、第3表に示す内輪と、その内輪と同一の鋼を使
用し、同様の熱処理を行い、ショットピーニング加工を
施さない外輪及び転動体を組み合わせ、グリース密封型
転がり軸受(JIS6302接触型シールタイプ、例えば、日
本精工株式会社製軸受のDDUタイプ)を作製した(軸受N
o.9〜11)。尚、前記グリースは、アルバニアグリスNo.
2を使用した。この時、当該グリースは、軸受の内部空
間に対して30%パックとした。また、軸受No.は、使用
した内輪No.に対応している。
用し、同様の熱処理を行い、ショットピーニング加工を
施さない外輪及び転動体を組み合わせ、グリース密封型
転がり軸受(JIS6302接触型シールタイプ、例えば、日
本精工株式会社製軸受のDDUタイプ)を作製した(軸受N
o.9〜11)。尚、前記グリースは、アルバニアグリスNo.
2を使用した。この時、当該グリースは、軸受の内部空
間に対して30%パックとした。また、軸受No.は、使用
した内輪No.に対応している。
このグリース密封型転がり軸受を使用して、実施例2
と同様の寿命試験を行った。尚、前記試験は、ラジアル
荷重Fr=400kgf、最大接触面圧Pmax=320kgf/mm2、回転
数(内輪)=6000r.p.m.外輪静止条件下で行った。
と同様の寿命試験を行った。尚、前記試験は、ラジアル
荷重Fr=400kgf、最大接触面圧Pmax=320kgf/mm2、回転
数(内輪)=6000r.p.m.外輪静止条件下で行った。
また、寿命の判定に際しては、前記実施例1と同様に
行った。この結果を第4表に示す。
行った。この結果を第4表に示す。
この結果から、発明品(軸受No.10)は、比較品(軸
受No.9)に比べ、L10寿命が約6倍となることが立証さ
れた。
受No.9)に比べ、L10寿命が約6倍となることが立証さ
れた。
また、特に、内輪表面から転動体の平均直径の2%に
対応する深さ位置までの最小圧縮残留応力が100kgf/mm2
以上の発明品(軸受No.11)は、L10寿命が大幅に向上
し、比較品(軸受No.9)に比べ、約8倍以上となること
が立証された。これより、軌道輪及び転動体の少なくと
も一つの表面硬さHv900以上で、少なくとも内輪表面か
ら転動体の平均直径の1%に対応する深さまでの間での
最小圧縮残留応力が100kgf/mm2以上、好ましくは、内輪
表面から転動体の平均直径の2%に対応する深さまでの
間での最小圧縮残留応力100kgf/mm2以上のグリース密封
型転がり軸受は、L10寿命が大幅に向上することが立証
された。
対応する深さ位置までの最小圧縮残留応力が100kgf/mm2
以上の発明品(軸受No.11)は、L10寿命が大幅に向上
し、比較品(軸受No.9)に比べ、約8倍以上となること
が立証された。これより、軌道輪及び転動体の少なくと
も一つの表面硬さHv900以上で、少なくとも内輪表面か
ら転動体の平均直径の1%に対応する深さまでの間での
最小圧縮残留応力が100kgf/mm2以上、好ましくは、内輪
表面から転動体の平均直径の2%に対応する深さまでの
間での最小圧縮残留応力100kgf/mm2以上のグリース密封
型転がり軸受は、L10寿命が大幅に向上することが立証
された。
本実施例では、鋼としてSUJ2及びSCr420を使用したが
これに限らず、SUJ3等の各種高炭素クロム軸受鋼、SCM4
20H,SNCM等の各種浸炭軸受鋼、M50等の各種高温軸受用
高速度鋼等他の鋼を使用することができる。
これに限らず、SUJ3等の各種高炭素クロム軸受鋼、SCM4
20H,SNCM等の各種浸炭軸受鋼、M50等の各種高温軸受用
高速度鋼等他の鋼を使用することができる。
また、本実施例では、軸受の表面硬さ及び圧縮残留応
力を同時に得るために、鋼表面ショットピーニング加工
を施したが、その他の手段として、公知の肌焼(浸炭,
浸炭窒化,高周波焼入)のみを使用して、必要な表面硬
さ及び圧縮残留応力を鋼に付与することも可能である。
力を同時に得るために、鋼表面ショットピーニング加工
を施したが、その他の手段として、公知の肌焼(浸炭,
浸炭窒化,高周波焼入)のみを使用して、必要な表面硬
さ及び圧縮残留応力を鋼に付与することも可能である。
また、本発明は、より清浄な潤滑化で使用することが
望ましいが、異物混入潤滑下の使用でも長寿命軸受とす
ることができる。
望ましいが、異物混入潤滑下の使用でも長寿命軸受とす
ることができる。
以上説明したように本発明にれば、軌道輪及び転動体
の少なくとも一つの表面硬さをHv900以上、当該軌道輪
及び/又は転動体から前記転動体平均直径の2%に対応
する深さまでの間での最小圧縮残留応力を100kgf/mm2以
上とすることにより、更に耐転がり疲れ性を向上するこ
とができる。この結果、長寿命な転がり軸受を提供する
ことができる。
の少なくとも一つの表面硬さをHv900以上、当該軌道輪
及び/又は転動体から前記転動体平均直径の2%に対応
する深さまでの間での最小圧縮残留応力を100kgf/mm2以
上とすることにより、更に耐転がり疲れ性を向上するこ
とができる。この結果、長寿命な転がり軸受を提供する
ことができる。
第1図は、本発明の実施例1に係るスラスト寿命試験に
おいて、各試験片とL10寿命の関係を示す図、第2図
は、本発明の実施例2に係る寿命試験において、各試験
片とL10寿命の関係を示す図、第3図は、ショットピー
ニング加工装置の構成図である。 図中、1はショット粒、2は加工タンク、6はミキサ、
7はショット、8はノズルを示す。
おいて、各試験片とL10寿命の関係を示す図、第2図
は、本発明の実施例2に係る寿命試験において、各試験
片とL10寿命の関係を示す図、第3図は、ショットピー
ニング加工装置の構成図である。 図中、1はショット粒、2は加工タンク、6はミキサ、
7はショット、8はノズルを示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 33/32 F16C 33/58
Claims (5)
- 【請求項1】軌道輪及び転動体を備えてなる転がり軸受
において、当該軌道輪及び転動体の少なくとも一つの表
面硬さはHv900以上であり、軌道面及び/又は転動面か
ら前記転動体平均直径の2%に対応する深さまでの間で
の最小圧縮残留応力は100kgf/mm2以上であることを特徴
とする転がり軸受。 - 【請求項2】被検面積165mm2当たりにおける、平均粒子
径が13μm以上の酸化物系介在物を0個にし、平均粒子
径が3μm以上で13μm未満の酸化物系介在物を80個以
下にした請求項1記載の転がり軸受。 - 【請求項3】密封シールが施され、前記密封シール内に
は潤滑剤としてグリースが封入されている請求項1記載
の転がり軸受。 - 【請求項4】密封シールが施されている請求項2記載の
転がり軸受。 - 【請求項5】前記軌道輪及び転動体の少なくとも1つ
が、真空誘導溶解法の後に真空アーク再溶解法を施され
た鋼からなる請求項2に記載の転がり軸受。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP2334146A JP2921112B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 転がり軸受 |
US07/799,437 US5147140A (en) | 1990-11-30 | 1991-11-26 | Ball-and-roller bearing |
GB9125350A GB2250787B (en) | 1990-11-30 | 1991-11-28 | Rolling bearing |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2334146A JP2921112B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 転がり軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04203621A JPH04203621A (ja) | 1992-07-24 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
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1990
- 1990-11-30 JP JP2334146A patent/JP2921112B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1991
- 1991-11-26 US US07/799,437 patent/US5147140A/en not_active Expired - Lifetime
- 1991-11-28 GB GB9125350A patent/GB2250787B/en not_active Expired - Fee Related
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JP2734704B2 (ja) | 転がり軸受 |
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