JP2683117B2 - エンコーダー - Google Patents

エンコーダー

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JP2683117B2
JP2683117B2 JP1285896A JP28589689A JP2683117B2 JP 2683117 B2 JP2683117 B2 JP 2683117B2 JP 1285896 A JP1285896 A JP 1285896A JP 28589689 A JP28589689 A JP 28589689A JP 2683117 B2 JP2683117 B2 JP 2683117B2
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    • G01D5/38Forming the light into pulses by diffraction gratings
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    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
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    • H03M1/22Analogue/digital converters pattern-reading type
    • H03M1/24Analogue/digital converters pattern-reading type using relatively movable reader and disc or strip
    • H03M1/28Analogue/digital converters pattern-reading type using relatively movable reader and disc or strip with non-weighted coding
    • H03M1/30Analogue/digital converters pattern-reading type using relatively movable reader and disc or strip with non-weighted coding incremental
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はエンコーダーに関し、特に、回折格子と回折
格子に入射する光束の相対的な変位を、回折格子から射
出するいくつかの回折光同志を干渉させて形成した干渉
光を光電変換することにより検出するエンコーダーに関
する。
〔従来技術〕
従来より、NC工作機械等で、被検物体の位置や角度変
位を検出するセンサーとしてエンコーダーが使用されて
いる。そして、近年この種のエンコーダーに対して高分
解能化と高精度化が益々要求されてきている。
変位検出用の光学式スケールとして回折格子を用い、
回折格子の記録密度を数ミクロン/ピツチにし、回折格
子から射出するいくつかの回折光を互いに干渉させるこ
とでスケールの変位に応じた周期信号を得る方式が高分
解能、高精度なエンコーダーが既に知られているが、更
なる高精度化、高分解能化のために回折格子の記録密度
を波長オーダー程度に上げると、回折光の回折角度(回
折格子からの射出角)が大きくなり、光学部品の配置が
面倒になるという問題点が発生する。
例えば、第6図に示す従来のエンコーダーは以下のよ
うな動作によってスケールの変位に応じた信号を発生さ
せている。
レーザーダイオード1からの光束をコリメータレンズ
2で平行光束にして回折格子5上の点P1に垂直に入射さ
せ、点P1から射出した+1次反射回折光(R1+)をミラ
ー6を介してビームスプリツター4まで戻すと同時に点
P1から射出した−1次反射回折光(R1−)をミラー62を
介してビームスプリツター4まで戻し、ビームスプリツ
ター4を介して±1反射回折光を重ねあわせて干渉させ
る。回折格子5が格子1ピツチ分だけ移動するあいだに
+1次回折光の波面の位相が『2π進み』、−1次回折
光の波面の位相が『2π遅れる』という原理によって、
2光束を干渉させて形成した干渉光で格子1ピツチの移
動に応じて2周期の明暗変化が観測される。即ち回折格
子5の格子本数の2倍の周期信号が取り出せる。
しかしながら、前述したように、回折格子5の記録密
度(ピツチ)が細かくなるほど回折光の回折角が大きく
なるので、回折格子5から射出する回折光の射出角が90
゜近くなる。従って、回折格子5に接触しないようにミ
ラー61、62を回折格子5の近傍に設置しなければなら
ず、このような設置は極めて面倒である。更に、回折格
子5の格子ピツチをレーザーダイオード1からの光束の
波長以下にすると、回折光が取り出せなけなり、回折格
子5の変化を検出することすら不可能になる。
本件出願人は、この様な問題を解消し、回折格子のピ
ツチが細かくなっても容易に回折光を取り出せるエンコ
ーダーを、特願平1−120046号で開示した。
〔発明の概要〕
本発明は、上記先願のエンコーダーの改良に関するも
のであり、その目的は、干渉光を光電変換することによ
り得られる信号の振幅や位相を安定させることにある。
この目的を達成するために、本発明のエンコーダー
は、光源からの光束を分割して光束R1と光束R2とを形成
する第1偏光ビームスプリツターと上記光束R1の光路L1
及び上記光束R2の光路L2に設けた第1λ/4板とを備え、
回折格子上記光束R1を回折させて生じる正の第1回折光
が上記光路L1に沿って進み、上記回折格子で光束R2を回
折させて生じる負の第2回折光が上記光路L2に沿って進
むように上記光束R1と光束R2を上記回折格子に入射させ
ると共に上記第1及び第2回折光を上記第1偏光ビーム
スプリツターを介して重畳せしめる第1光学手段と、上
記第1光学手段からの上記第1及び第2回折光を互いに
分離せしめる第2偏光ビームスプリツターと第2偏光ビ
ームスプリツターからの上記第1回折光の光路L3及び第
2回折光の光路L4に設けた第2λ/4板とを備え、上記回
折格子で上記第1回折光を回折させて生じる正の第1再
回折光が上記光路L3に沿って進み、上記回折格子で上記
第2回折光を回折させて生じる負の第2再回折光が上記
光路L4に沿って進むように上記第1及び第2回折光を上
記回折格子に入射させると共に上記第1及び第2再回折
光を上記第2偏光ビームスプリツターを介して重畳せし
める第2光学手段と、上記第2光学手段からの上記第1
及び第2再回折光を互いに干渉させて形成した干渉光を
電気信号に変換する変換手段とを有し、上記光路L1及び
L4を介して上記変換手段に入射する光と上記光路L2及び
L4を介して上記変換手段に入射する光の光路長差と、上
記光路L1及びL3を介して上記変換手段に入射する光と上
記光路L2及びL3を介して上記変換手段に入射する光の光
路長差を、上記光源からの光束の可干渉距離より大きく
したことを特徴としている。
〔実施例〕
本発明の実施例を説明する前に、上記特願平1−1200
46号で開示したロータリーエンコーダについて述べ、本
発明の課題を示す。
第1図は、この先願のロータリーエンコーダーを示す
斜視図である。
同図において、1はレーザーダイオードから成る光
源、2はコリメーターレンズ、31,32はプリズム、41,42
はプリズム31,32中の偏光ビームスプリツター面、5は
回転デイスク板(回折格子)、63,64,65,66はミラー、7
1,72,73は1/4波長板、8は1/2波長板、9は非偏光ビー
ムスプリツター、10,11は偏光素子(例えば偏光板や偏
光プリズム)、S1,S2は受光素子である。
光源1から射出した波長λのレーザー光束をコリメー
タレンズ2によって平行光束にし、この平行光束をプリ
ズム31に入射させてプリズム31の所定箇所に設けたミラ
ー面や偏光ビームスプリツター面41によって対称な光路
L1,L2に沿って進む2光束R1,R2に分割し、各々の光束R
1,R2をミラー63で反射せしめて1/4波長板71を通過させ
てから回転デイスク板5上に設けた格子ピツチPの放射
状回折格子の第1の点(P1)に同時に入射させる。ここ
で、回折格子で回折して点P1から射出する複数の回折光
のうち光束R1の+1次反射回折光と光束R2の−1次反射
回折光が各々元の光路L1,L2を逆進する方向に出射する
ように、あらかじめ光束R1,R2の入射角θをθ=sin
-1(λ/2P)に設定しておく。また光束R1とR2は、偏光
ビームスプリツター面41で分割された時点で偏光面が互
いに直交した直線偏光になっているが、1/4波長板71を
往復通過することで光束R1とR2の偏光面が入れ替わる。
つまり、光束R1は偏光ビームスプリツター面41を透過し
た直線偏光(P偏光)であるから光束R1の+1次回折光
(R1+)は1/4波長板71を介してS偏光となり、偏光ビ
ームスプリツター面41で反射しプリズム31から出射す
る。また光束R2は偏光ビームスプリツター面で反射した
直線偏光(S偏光)であるから光束R2の−1次回折光
(R2−)は1/4波長板71を介してP偏光となり、偏光ビ
ームスプリツター面41を透過しプリズム31から、光束
(R1+)と重なりあって出射する。光束R1の+1次回折
光(R1+)と光束R2の−1次回折光(R2−)は、重なり
あったままプリズム3のミラー64,65により伝送され1/2
波長板8を透過してプリズム32に入射する。そして、プ
リズム32の所定箇所に設けたミラー面や偏光ビームスプ
リツター面42によって光束(R1+)を光路L3に沿って進
行させ光束(R2−)を光路L4に沿って進行させ、各々ミ
ラー66で反射せしめて1/4波長板72を通過させた後に回
転デイスク板5上に設けた放射状回折格子の第2の点
(P2)に、前述の角度θで入射させる、ここで、1/2
波長板8は+1次回折光(R1+)の偏光面をS偏光から
P偏光に変換し、−1次回折光(R2−)の偏光面をP偏
光からS偏光に変換している。また、点P1とP2は回転デ
イスク板5の回転軸0に対して対称な位置関係に設定し
ておく。回折格子で反射回折して点P2より出射した複数
の反射回折光のうち、光束(R1+)の+1次再回折光
(R1++)は元の光路L3に逆進し、1/4波長板72を再び
通過してS偏光になり、プリズム32内の偏光ビームスプ
リツター面42で反射されプリズム32を射出する。一方、
光束(R2−)の−1次再回折光(R2−−)は元の光路L4
を逆進し1/4波長板72を再び透過してP偏光になり、プ
リズム32内の偏光ビームスプリツター面42を透過して+
1次再回析光(R1++)と重なりあってプリズム32を出
射する。重なりあった2光束は1/4波長板73を通過する
ことにより互いに偏光面が逆向きに回転する円偏光とな
るので、この互いに逆回りの円偏光同志が合成された光
束の偏光状態は直線偏光となる。この直線偏光光束の偏
光方位は、回転デイスク板5の回転に応じて変化する、
+1次再回折光(R1++)と一次再回折光(R2−−)の
波面の位相差によって決まり、位相差が0,π/4,2π/4,3
π/4,4π/4,5π/4,…,8π/4と変化していくあいだに直
線偏光光束の偏光方位は45゜,67.5゜,90゜,112.5゜,135
゜,157.5゜,…,225゜(45゜)と回転していく。そこ
で、この光束を非偏光ビームスプリツター9にて等光量
の2光束に分割した後、一方の光束を偏光素子10を用い
て特定の偏光成分のみを分離してとりだして、干渉光を
受光素子S1に入射させ、もう一方を偏光素子11を用いて
特定の偏光成分のみを分離して取り出して、干渉光を受
光素子S2に入射させれば、受光素子S1,S2からそれぞれ
回転デイスク板5の回転量に応じた周期的な信号が出力
される。ここで偏光素子10と11で取り出す偏光成分を互
いに45゜ずらしておけば、受光素子S1,S2に入射する干
渉光の明暗変化のタイミングが互いに1/4周期(出力信
号の位相でπ/2)だけずれる。従って、第1図の実施例
同様、これらの互いに90゜位相がずれた2相の周期信号
を電気的な増幅や二値化の処理をしてやれば、回転デイ
スク板5の回転角度や回転方向を検出することができ
る。
本ロータリーエンコーダーにおいては、回転デイスク
板5の放射状回折格子のピツチが光源1からの光束の波
長λと等しくなったとしても、光束R1及びR2の点P1及び
P2に対する入射角を30゜程度にすることができ、また、
±1次回折光及び±1次再回折光の射出角も30゜程度に
することができる。従って、光学系の配置に制約を受け
ることなく高分解能なエンコーダーを作成することが可
能である。
更に、本ロータリーエンコーダーは光束R1及びR2を回
転デイスク板5上の互いに対称な点P1,P2で回折させて
いるので、回転デイスク板5の回転中心0と放射状回折
格子の中心(放射中心)の偏心の影響を軽減させた、高
精度の回転状態の検出を達成している。
また、プリズム31からプリズム32伝送される±1次回
折光の光路がほぼ共通であるため、周囲の温度変動によ
り互いの光路長差が大きく生じることがなく、極めて安
定した検出が行える。
以上の説明で回折光の次数として+1次や−1次を用
いているが、本願では±符号は第4図(A)〜(E)に
示すように回折格子5の移動方向と光束の進行方位がず
らされる方向が一致するほうを+、それと逆の場合を−
としている。
第1図に示すロータリーエンコーダーにおいて、プリ
ズム31,32の各々の偏光ビームスプリツター面41,42は、
本来、P偏光の光のみを透過し、S偏光の光のみを反射
させるべきものであるが、実際には、このような完全な
偏光ビームスプリツター面を形成するのは容易ではな
い。従って、プリズム31の偏光ビームスプリツター面41
から光路L1に沿って回折格子上の点P1に入射する光と、
同じく光路L2に沿って回折格子上の点P1に入射する光
は、各々P偏光成分とS偏光成分とが含まれることにな
り、1/4波長板71を介して偏光ビームスプリツター面41
へ入射する+1回折光(R1+)、−1次回折光(R2−)
は、各々「S偏光+ある量のP偏光」、「P偏光+ある
量のS偏光」を含む。+1次回折光(R1+)のS偏光光
と−1次回折光(R2−)のP偏光光とは、偏光ビームス
プリツター面41を介して互いに重なり合い、そこから射
出するが、偏光ビームスプリツター面41の上述の如き不
完全性に伴ない、+1次回折光(R1+)のP偏光光(以
下、+1次不要回折光と称す)と−1次回折光(R2−)
のS偏光光(以下、−1次の不要回折光と称す。)も、
偏光ビームスプリツター面41を介して重なり合い、そこ
から射出する。
ここで、±1次の不要回折光は、プリズム3を通過
し、1/2波長板8に入射する、+1次の不要回折光は1/2
波長板8を介してS偏光光になり、−1次の不要回折光
は1/2波長板8を介してP偏光光となる。そして、これ
ら±1次の不要回折光がプリズム32の偏光ビームスプリ
ツター面42に入射すると、+1次の不要回折光が反射し
て光路L4へ向けられ、−1次の不要回折光が透過して光
路L3へ向けられる。+1次の不要回折光は、光路L4に沿
って進み、λ/4板72を介して、回折格子上の点P2に入射
し、−1次の不要回折光は、光路L3に沿って進み、λ/4
板72を介して、回折格子上の点P2に入射する。+1次の
不要回折光が回折格子で反射回折されて生じる−1次の
不要再回折光は、光路L4へ向かって射出し、−1次の不
要回折光が回折格子で反射回折されて生じる+1次の不
要再回折光は光路L3に向かって射出する。−1次の不要
再回折光は光路L4に沿ってλ/4板72を介して偏光ビーム
スプリツター面42へ向けられ、+1次の不要再回折光は
光路L3に沿ってλ/4板72を介して偏光ビームスプリツタ
ー面42へ向けられる。この時、λ/4板72の作用で−1次
の不要再回折光はP偏光光に、+1次不要再回折光はS
偏光光になっており、−1次の不要再回折光が偏光ビー
ムスプリツター面42で透過し、+1次の不要再回折光が
偏光ビームスプリツター面42を反射し、偏光ビームスプ
リツター面42から、互いに重なり合って±1次の不要再
回折光が射出する。そして、これらの±1次の不要再回
折光の光路は、±1次再回折光(R1++,R2−−)の光
路と一致するから、±1次再回折と共に受光素子S1,S2
へ向かうことになる。
ここで、−1次の不要再回折光は、回折格子上の点P1
からの+1次回折光が回折格子上の点P2で再回折して生
じた−1次回折光であるから、回折格子が変位しても位
相の変化は生じない。一方、+1次の不要再回折光は、
回折格子上の点P1からの−1次回折光が回折格子上の点
P2で再回折して生じた+1次回折光であるから、やは
り、回折格子が変位しても位相の変化は生じない。
ところが、−1次不要再回折光は、一次再回折光(R2
−−)の偏光方位と同じ偏光方位をもち、+1次不要再
回折光は、+1次再回折光(R1++)の偏光方位と同じ
偏光方位をもつから、−1次不要再回折光と−1次再回
折光(R2−−)が互いに干渉し、+1次不要再回折光と
+1次再回折光(R1++)が互いに干渉する。従って、
受光素子S1,S2からの信号は、±1次再回折光(R1++,
R2−−)による干渉光の明暗変化に応じた正弦波信号
が、この±1次不要回折光の作用で±1次再回折光に生
じる強度変化に対応する正弦波信号で変調された信号に
なる。尚、前述のように、±1次再回折光(R1++,R2
−−)の干渉による正弦波信号は、回折格子が1ピツチ
分だけ変位することにより4周期生じる。一方、±1次
不要回折光の作用による正弦波信号は、回折格子が1ピ
ツチ分だけ変位することにより2周期生じる。
このようにして、受光素子S1,S2からの正弦波信号の
振幅と位相が変調され、その波形が乱れる。この波形の
乱れは、回折格子の変位を測定する時の精度を低下させ
る要因となる。特に、受光素子S1,S2から得られる正弦
波信号を電気的に分割して多数個のパルスを生成するよ
うな(電気分割)処理を行う場合など、正確にパルスを
生成することができなくなる。
本発明の課題は、上述した、受光素子S1,S2からの正
弦波信号の振幅と位相の乱れをなくすことにあり、これ
は、以下に示す実施例により解決される。
第2図は、本発明の一実施例を示す斜視図であり、1
は光源で、ここではマルチモード半導体レーザーを用い
ている。2はコリメータレンズ、31,32はプリズム、41,
42は偏光ビームスプリツター面、5は回転デイスク板
(回折格子)、71,72,73は1/4波長板、8は1/2波長板、
9は非偏光ビームスプリツタ、10,11は検光子、S1,S2は
受光素子、14,15は互いに同じ厚さのガラス板、16は折
り返しミラーである。第2図と第1図を比較すると解る
ように、本実施例のエンコーダーは、ガラス板14,15、
折り返しミラー16を備えている以外は、第1図で示した
エンコーダーと全く同一での系を有している。尚、100
は読取りユニツトを示す。
光源1から射出した光束は、コリメータレンズ2によ
って、平行光束に変換され、プリズム31に入射する。そ
して、この平行光束は、プリズム31に形成したミラーを
介して偏光ビームスプリツター面41によって光束R1,R2
に2分割され、光束R2はガラス板14によって、光束R1に
対して所定量の光路長差を付与される。光束R1,R2は各
々対応する光路L1,L2に沿って進行する。ここで光路L1,
L2の各光路長|L1|,|L2|は以下のように設定してある。
|L1|−|L2|=Δ12≠0 次に、光束R1(P偏光+ある量のS偏光)、R2(S偏
光+ある量のP偏光)は、各々1/4波長板71を透過して
から、回転デイスク板5上に設けた放射状回折格子上の
点P1に、互いに逆側から同時に入射する。ここで前述の
様に、これらの光束R1,R2が点P1で回折されて点P1から
射出する複数の回折光のうち、光束R1が回折されて生じ
た+1次反射回折光(R1+1)と光束R2が回折されて生じ
た−1次反射回折光(R2-1)が、元の光路L1,L2を逆進
する様に、第4図(C)に示す通り予め光束R1,R2の入
射角をθ[=sin-1(λ/2p)]に設定しておく。この
ようにして得られた+1次反射回折光(R1+1)、−1次
反射回折光(R2-1)は、デイスク5が放射状回折格子の
1ピツチ分だけ回転する間にそれらの波面の位相が、+
1次反射回折光(R1+1)は『2π進み』、−1次反射回
折光(R2-1)は『2π遅れる』という位相の変化を与え
られる。
また、光束R1とR2は、偏光ビームスプリツター面41の
作用で、偏光面が互いに直交した略直線偏光になってい
るが、各光束が1/4波長板71を往復透過することで、±
1次反射回折光(R1+1とR2-1)の偏光面の関係が入れ替
わる。従って、+1次反射回折光(R1+1)は『S偏光+
ある量のP偏光』、−1次反射回折光(R2-1)は『P偏
光+ある量のS偏光』になっている。+1次反射回折光
(R1+1)のS偏光成分は、偏光ビームスプリツター面41
で反射し、プリズム31から出射する。また−1次反射回
折光(R2-1)のP偏光成分は、偏光ビームスプリツター
面41を透過し、プリズム31から、+1次反射回折光(R1
+1,S偏光成分と重なりあって出射する。
しかし、偏光ビームスプリツター面41の特性の不完全
性によって、+1次反射回折光(R1+1)に含まれていた
微量のP偏光成分の一部も、偏光ビームスプリツター面
41で反射し、−1次反射回折光(R2-1)に含まれていた
微量のS偏光成分の一部も、偏光ビームスプリツター面
41を透過し、互いに重なり合ってプリズム31より出射す
る。
±1次反射回折光(R1+1とR2-1)は、互いに重なりあ
ったまま、プリズム3に伝送され、プリズム3で反射せ
しめられて、そして1/2波長板8を透過し、偏光面が互
いに入れ替えられる。つまり+1次反射回折光(R1+1
は『P偏光+ある量のS偏光』に、−1次反射回折光
(R2-1)は『S偏光+ある量のP偏光』になる。各回折
光(R1+1とR2-1)はプリズム32に入射し、プリズム32に
形成したミラーを介して偏光ビームスプリツター面42に
入射し、それによって互いに分割される。各回折光(R1
+1とR2-1)のP偏光成分は光路L3に、S偏光成分は光路
L4に進行させられる。ここで、P偏光成分の光路L3には
ガラス板15が設けられており、光路L3,L4の各光路長|L3
|,|L4|は、次の関係を満たすように設定されている。
|L3|−|L4|=Δ34≠0 |L1|+|L3|=|L2|+|L4| ここで、上記Δ34と先に示したΔ12の値は、光路L1と
光路L3を介して受光素子S1,S2に入射する光と、光路L2
と光路L3を介して受光素子S1,S2に入射する光の光路長
差、及び光路L2と光路L4を介して受光素子S1,S2に入射
する光と光路L1と光路L4を介して受光素子S1,S2に入射
する光の光路長差が、光源1からの光束の可干渉距離よ
り大きくなるように設定してある。さて、±1次反射回
折光(R1+1とR2-1)は、各々1/4波長板72を透過した
後、回転デイスク5上に設けた放射状回折格子上の点P2
に入射する。ここで点P1とP2は回転デイスク5の回転中
心に対して、互いに点対称な位置関係に設定しておく。
点P2より出射した複数の回折光のうち、光路L3を進行
してきた±1次反射(回折光R1+1とR2-1)の、+1次反
射再回折光(R1+1+1とR2-1+1)は、回転デイスク5が放
射状回折格子の1ピツチ分回転する間に、『2π位相が
進んで』元の光路L3を逆進し、光路L4を進行してきた+
1次反射回折光(R2-1とR1+1)の−1次反射再回折光
(R2-1-1とR1+1-1)は、『2π位相が遅れて』元の光路
L4を逆進する。すなわち、回転デイスク5が放射状回折
格子の1ピツチ分回転する時の各光束の波面の位相のず
れは以下のようになる。
R1+1+1…+2π+2π=+4π R2-1-1…−2π−2π=−4π R1+1-1(不要再回折光)…+2π−2π=0 R2-1+1(不要再回折光)…−2π+2π=0 次に、各反射再回折光は、1/4波長板72を再び透過
し、+1次反射回折光(R1+1+1とR2-1+1)はS偏光光に
なり、−1次反射再回折光(R2-1-1とR1+1-1)はP偏光
光になり、プリズム32に入射する。プリズム32内の偏光
ビームスプリツター面42で、S偏光光(R1+1+1とR
2-1+1)は反射され、P偏光光(R2-1-1とR1+1-1)は透
過するので、上記4光束は重なり合ってプリズム32を出
射する。そのうち、2光束(R1+1+1とR2-1+1)は偏光面
が互いに一致しているが、それぞれの光路長が R1+1+1…|L1|×2+|L3|×2+L0 R2-1+1…|L2|×2+|L3|×2+L0 (L0は共通部分の光路長) であり、Δl=Δ12×2≠0、なる光路長差Δlが付与
されている。ここで、光路長差Δlが、光源1からの光
の可干渉距離より大きくなるようにΔ12とΔ34の値が設
定されているので2光束(R1+1+1とR2-1+1)は互いに干
渉せず光束(R+1+1)の強度が変調されない。すなわ
ち、光束(R2-1+1)は単なるDC成分になる。また2光束
(R2-1-1とR1+1-1)も偏光面が一致しているが、同様の
理由により光路長差Δl=Δ34×2であり、光束(R
-1-1)の強度は変調されない。S偏光の光束(R1+1+1
R2-1+1)とP偏光の光束(R2-1-1とR1+1-1)は、1/4波
長板73を透過して、互いに偏光面が逆向きに回転する円
偏光となるので、その合成された光束の偏光状態は直線
偏光となる。この直線偏光光束の偏光方位は、光束(R1
+1+1と光束(R2-1-1)の各波面の位相差によって決まり
回折格子の変位に応じてこの位相差が0、π/4、2π/
4、3π/4、4π/4、5π/4、…、8π/4と変化してい
くあいだに偏光方位は45゜,67.5゜,90゜,112.5゜,135
゜,157.5゜,…,225゜(45゜)と回転していく。そこ
で、この直線偏光光束を非偏光ビームスプリツタ9で同
強度の2光束に分割した後、一方の光束を、検光子10を
用いて、特定の偏光成分のみを分離して取り出して、干
渉光として受光素子S1に入射させ、もう一方の直線偏光
光束を、検光子11を用いて、特定の偏光成分のみを分離
して取り出して、干渉光として受光素子S2に入射させれ
ば、受光素子S1,S2から周期的な正弦波信号が出力され
る。ここで検光子10と11により取り出す偏光成分を互い
に45゜ずらしておけば、各干渉光の明暗変化のタイミン
グが、互いに1/4周期(正弦波信号の位相でπ/2)だけ
ずれる。この様にして得られる2相の正弦波信号を電気
的に増幅し、二値化処理をして、回転角及び回転方向に
対応する角信号を得ることができる。このとき光束(R1
+1-1とR2-1+1)の影響によって、受光素子S1,S2からの
正弦波信号に微量のDC成分が付加されているが、これに
より正弦波信号の振幅や位相の変化は生じず、正しい波
形の信号が得られる。また、後段に設けた回路による正
弦波信号の電気分割も正しく行える。
第2図において、第4図(B),(D)に示す様に点
P1、点P2に入射する各光束の入射角を図示された状態か
ら多少ずらして、往路の光路と復路の光路が一致しない
様に構成すれば、各光束が回折格子が生じる正反射光が
他の光路に混入しないので好ましい。この構成で、光路
L1に対応する復路L1′の光路長を|L1′|,光路L2に対応
する復路L2′の光路長を|L2′|、光路L3に対応する復
路L3′の光路長を|L3′|、光路L4に対応する復路L4′
の光路長を|L4′|とすれば、第2図と同様、ガラス板
を挿入することで、各光路長が以下の条件を満たすよう
にすれば良い。
|L1|+|L1′|+|L3″|+|L3| =|L2|+|L2′|+|L4″|+|L4| 以上の実施例で説明したエンコーダーでは、光源1と
してマルチモード半導体レーザを用いて、更にガラス板
を挿入するだけで、不要回折光の干渉作用のみを無く
し、必要な±1次再回折光の干渉作用を阻害しないです
む。また、光源は、通常のシングルモード半導体レーザ
ーでも、ガスレーザーでも良い。尚、ガラス板14を光路
L1に挿入した場合は、ガラス板15は光路L4に挿入し、ガ
ラス板14を光路L2に挿入した場合は、ガラス板16は光路
L3に挿入すればよいことは言うまでもない。更に、上記
実施例では回転デイスク(スケール)の回折格子の変位
を測定するものを例示したが、本発明はリニアスケール
に形成した回折格子の変位を測定するリニアエンコーダ
ーにも適用できる。
第3図は、第2図の実施例の変形例を示す概略図であ
り、光路L1,L2間の光路長及び光路L3,L4間の光路長をガ
ラス板14,15を用いることなく、光学部品の形状や配置
によって、互いに異ならしめるように構成したものであ
る。第3図において、第1図及び第2図に示した各部材
と同一の部材に同一符号が符してあり、図から明らかな
ように、本実施例のエンコーダーの機能は第2図のエン
コーダーと同じである。従って、これ以上の説明は略す
ことにする。
第5図は、本発明の構成によるロータリーエンコーダ
100を空気軸受けベアリングから成る回転ステージ114に
取り付けて、その回転ステージ114の一方に磁気デイス
クトラツク信号書き込み用ヘツド112を取り付けて、磁
気デイスク113のトラツク信号書き込み装置に応用した
ものである。
<発明の効果> 以上説明したように、偏光ビームスプリツタ、波長板
等の光学部品の特性が多少悪くて、不要回折光が光路中
に生じても、エンコーダの出力信号に影響が表われない
ので、比較的安価な光学部品が使用できるとともに、信
号の電気分割による高分解能化がより正確に行える。
【図面の簡単な説明】
第1図はロータリーエンコーダーの一例を示す斜視図。 第2図は本発明の一実施例を示す斜視図。 第3図は第2図で示したエンコーダーの変形例を示す斜
視図。 第4図は、回折光の回折次数を説明するための図。 第5図は本発明を磁気デイスクトラツク信号書き込み装
置に応用した例を示す図。 第6図は従来のエンコーダを示す概略図。 1……光源、 2……コリメータレンズ、 3,31,32……プリズム、 41,42……偏光ビームスプリツター面、 5……回転デイスク、 64,65……ミラー、 71,72,73……1/4波長板、 8……1/2波長板、 9……非偏光ビームスプリツタ、 10,11……検光子、 14,15……ガラス板、 S1,S2……受光素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光束を分割して光束R1と光束R2
    とを形成する第1偏光ビームスプリツターと上記光束R1
    の光路L1及び上記光束R2の光路L2に設けた第1λ/4板と
    を備え、回折格子と上記光束R1を回折させて生じる正の
    第1回折光が上記光路L1に沿って進み、上記回折格子で
    光束R2を回折させて生じる負の第2回折光が上記光路L2
    に沿って進むように上記光束R1と光束R2を上記回折格子
    に入射させると共に上記第1及び第2回折光を上記第1
    偏光ビームスプリツターを介して重畳せしめる第1光学
    手段と、上記第1光学手段からの上記第1及び第2回折
    光を互いに分離せしめる第2偏光ビームスプリツターと
    第2偏光ビームスプリツターからの上記第1回折光の光
    路L3及び第2回折光の光路L4に設けた第2λ/4板とを備
    え、上記回折格子で上記第1回折光を回折させて生じる
    正の第1再回折光が上記光路L3に沿って進み、上記回折
    格子で上記第2回折光を回折させて生じる負の第2再回
    折光が上記光路L4に沿って進むように上記第1及び第2
    回折光を上記回折格子に入射させると共に上記第1及び
    第2再回折光を上記第2偏光ビームスプリツターを介し
    て重畳せしめる第2光学手段と、上記第2光学手段から
    の上記第1及び第2再回折光を互いに干渉させて形成し
    た干渉光を電気信号に変換する変換手段とを有し、上記
    光路L1及びL4を介して上記変換手段に入射する光と上記
    光路L2及びL4を介して上記変換手段に入射する光の光路
    長差と、上記光路L1及びL3を介して上記変換手段に入射
    する光と上記光路L2及びL3を介して上記変換手段に入射
    する光の光路長差を、上記光源からの光束の可干渉距離
    より大きくしたことを特徴とするエンコーダー。
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