JP2586885B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2586885B2 JP7188995A JP18899595A JP2586885B2 JP 2586885 B2 JP2586885 B2 JP 2586885B2 JP 7188995 A JP7188995 A JP 7188995A JP 18899595 A JP18899595 A JP 18899595A JP 2586885 B2 JP2586885 B2 JP 2586885B2
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勝弥 奥村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、電極取り出
し部において、半導体の拡散層と金属の間の相互拡散を
防止する膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体装置内には、シリコンと金
属、または金属と金属の接触箇所が多く存在する。該金
属接触が高温プロセスにさらされると、シリコンと金
属、または金属と金属間の相互拡散がおこる。これを防
ぐために種々の拡散防止膜が開発、検討されている。そ
の中で最も有望と考えられているものにTiN膜があ
る。
【0003】このTiN膜をシリコン拡散層とAl(ア
ルミニウム)膜の相互拡散防止膜に適用した場合につい
て述べる。図2(a)に示すように、P型シリコン基板
1において、接合深さ0.20μmのN型拡散領域2上
の一部にTiN膜3を1000オングストロ−ム堆積
し、該TiN膜3上にAl膜4を1μm形成した。
【0004】上記TiN膜3は、Tiタ−ゲットを用い
てAr/N2 混合プラズマ(N2 :60%)で化成スパ
ッタリング法により形成した。なお、化成スパッタリン
グ法とは、化学反応(ここではTiとNの化学反応)を
利用したスパッタリング法のことである。上記Al膜
4、TiN膜3をパタ−ニングしてダイオ−ドを形成
し、接合リ−ク電流を測定した。なお、7は、絶縁膜で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記測定において、5
00℃で60分間の熱処理を行ったところ、リ−ク電流
に異常なものが測定された。不良箇所を詳細に観察した
結果、拡散層2に微小なアロイスパイクが発見され、該
アロイスパイクによって接合が破壊されていることが判
明した。
【0006】上記アロイスパイクは、TiN膜3の一部
が何らかの理由でバリア性を失い、局所的にAl−Si
の相互拡散が発生したことを意味している。この原因を
図2(b)で説明する。
【0007】TiN膜3中に未反応Ti5が若干存在し
ており、該未反応Tiが熱処理によってTiN膜3の粒
界等に集合し、該集合した未反応Ti5を介してAl−
Si拡散が起こり、アロイスパイク6が形成され、接合
リ−クが発生したものと考えられる。本発明は、相互拡
散防止膜中の未反応物質を他の物質で不活性にし、金属
−半導体または金属相互の拡散を抑制しようとすること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体もしくは
金属と金属との間の相互拡散防止用のバリア膜として高
融点金属窒化膜を用いる場合に、前記バリア膜をスパッ
タ法により形成すると共に、前記バリア膜を形成する物
質に、ボロンもしくは炭素を添加しかつ加熱処理を施す
ことにより、前記ボロンもしくは炭素を前記高融点金属
窒化膜中の未反応物質と化合させ不活性物質を形成する
というものである。
【0009】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体
もしくは金属と金属との間の相互拡散防止用のバリア膜
として高融点金属窒化膜を用いる場合に、前記バリア膜
をスパッタ法により所定温度で形成すると同時に、前記
バリア膜を形成する物質にボロンもしくは炭素を添加し
かつ前記ボロンもしくは炭素を前記高融点金属窒化膜中
の未反応物質と化合させ不活性物質を形成するというも
のである。これにより、バリア膜のバリア性を完全化す
ることができると共に、良導電性も保持することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。図1(a)に
示すように、P型シリコン基板10に、0.2μmの接
合深さをもったN型拡散層11が形成されており、この
拡散層11上に、ボロンを0.3%含有したチタンタ−
ゲットを用いて、Ar/N2 混合プラズマ(N2 :60
%)による化成スパッタ法で、TiN膜12を1000
オングストロ−ム形成した。なお、化成スパッタ法と
は、化学反応(ここではTiとNの化学反応)を利用し
たスパッタ法のことである。その後、Al膜13を1μ
m堆積した。なお、17は、絶縁膜である。
【0011】図1(a)のTiN膜12には、前述した
ように未反応Ti14が存在するが、同時にボロン15
も混在している。このようなTiN膜を熱処理すると、
未反応Tiはボロンと反応して、図1(b)のように、
TiB2 16が形成される。このため、TiN膜12の
バリア性は著しく向上し、500℃で60分の熱処理を
行っても、接合リ−クの発生は全く測定されなかった。
【0012】なお、上記TiB2 の反応は、300℃前
後で進行するから、TiN膜形成時に、基板温度を30
0〜400℃に保持し、TiN膜堆積と同時にTiB2
形成を図ってもよい。また、TiN膜堆積後、熱処理を
行い、しかる後にAl膜の堆積を行ってもよい。
【0013】また、ボロンは、チタンタ−ゲット中にT
iB2 の状態で含有されていても、またはこれ以外のボ
ロン化合物の状態で含有されていても同様の効果があ
り、何らさしつかえない。また、ボロンを含まないチタ
ンと、ボロンまたはボロンを含む化合物(例えば、Ti
2 ,BN)との組み合わせで作られたタ−ゲットを用
いてもよい。
【0014】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。即ち、ボロンを含まないチタンタ−ゲットを用いて
TiN膜を堆積後、イオン注入法でボロンをTiN膜に
0.1%の濃度まで注入した。イオン注入後、450℃
で熱処理後、Al膜の堆積を行った。しかして、本実施
例でも500℃の熱処理を行っても、接合リ−クの発生
は全く測定されなかった。
【0015】さらに、本発明の異なる実施の形態を説明
する。即ち、ボロンを含まないチタンタ−ゲットを用い
てAr/N2 混合プラズマ中にB22 ガスを0.5%
混入させて、TiN膜の化成スパッタを行った。TiN
膜中にボロンが含有され、所望の特性は達成された。
【0016】なお、前記実施例では、シリコン拡散層と
アルミニウム膜の間のバリア膜として評価したものであ
るが、本発明のTiN膜は、他のメタルシステム、例え
ば、TiSi2 とAl,TiSi2 とW(タングステ
ン)といった金属相互の拡散防止膜にも有効であり、後
者のシステムでは、900℃の高温でも十分なバリア性
があった。
【0017】この他にも、GaAsなどのシリコン以外
の半導体基板と金属の拡散防止膜としても用いることが
できる。上述の各実施の形態では、ボロンで未反応Ti
をTiB2 として不活性化したが、カ−ボンでTiCに
しても同様の効果が期待される。
【0018】また、高融点金属としてTiを用いたが、
Ti以外のHfやWでも同様の現象が発生しており、本
発明は、Ti以外の高融点金属でも有効である。これら
高融点金属による高融点金属窒化膜は、ボロンや炭素を
含む場合には、酸素を含む場合とは異なり良導電性を有
するものである。
【0019】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の半導体
装置の製造方法によれば、次のような効果を奏する。化
成スパッタ法により、バリア膜である高融点金属窒化膜
を形成する場合に、高融点金属窒化膜中の未反応物質
(高融点金属)をボロンまたはカ−ボンにより不活性化
している(例えば、TiN2 やTiCにすること)た
め、バリア膜のバリア性を完全化し、該バリア膜の良導
電性も保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に関わる半導体装置の製造
方法を示す断面図。
【図2】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
10 :P型シリコン基板、 11 :N型拡散層、 12 :TiN膜、 13 :Al膜、 14 :TiB2

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体もしくは金属と金属との間の相互
    拡散防止用のバリア膜として高融点金属窒化膜を用いる
    半導体装置の製造方法において、前記バリア膜をスパッ
    タ法により形成した後に、前記バリア膜を形成する物質
    に、ボロンもしくは炭素を添加すると同時に加熱処理を
    施すことにより、前記ボロンもしくは炭素を前記高融点
    金属窒化膜中の未反応物質と化合させ不活性物質を形成
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体もしくは金属と金属との間の相互
    拡散防止用のバリア膜として高融点金属窒化膜を用いる
    半導体装置の製造方法において、前記バリア膜をスパッ
    タ法により所定温度で形成すると同時に、前記バリア膜
    を形成する物質にボロンもしくは炭素を添加しかつ前記
    ボロンもしくは炭素を前記高融点金属窒化膜中の未反応
    物質と化合させ不活性物質を形成することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属がチタンであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記高融点金属窒化膜上の金属がアルミ
    ニウムもしくはアルミニウム合金であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記バリア膜が高融点金属と窒素の化学
    反応を利用したスパッタ法により形成されることを特徴
    とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方
    法。
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