JP2576598B2 - 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法 - Google Patents

光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法

Info

Publication number
JP2576598B2
JP2576598B2 JP20216688A JP20216688A JP2576598B2 JP 2576598 B2 JP2576598 B2 JP 2576598B2 JP 20216688 A JP20216688 A JP 20216688A JP 20216688 A JP20216688 A JP 20216688A JP 2576598 B2 JP2576598 B2 JP 2576598B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phenylpropylamine
methyl
optically active
solvent
benzoylphenylglycine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20216688A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0253755A (ja
Inventor
佐喜恵 長谷川
治代 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP20216688A priority Critical patent/JP2576598B2/ja
Publication of JPH0253755A publication Critical patent/JPH0253755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2576598B2 publication Critical patent/JP2576598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光学活性1−メチル−3−フェニルプロピ
ルアミンの製法に関するものである。
<従来の技術> 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミン
は、β−ブロッカー剤などの医薬品の合成原料として有
用な化合物であるが、化学的に合成された1−メチル−
3−フェニルプロピルアミンは、RS体であるので前記合
成原料とするには光学分割して光学活性なものにしなけ
ればならない。1−メチル−3−フェニルプロピルアミ
ンの光学分割方法として、分割剤としてシス樟脳酸無水
物を用いる方法(Aust.J.Chem.,34,(3)665−670(1
981))、(2R,3R)−2,3−ジアセトキシコハク酸無水
物を用いる方法(Aust.J.Chem.,32,(2)2625−262
9、(1979))が知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前記の両方法はいずれも、1−メチル−3−
フェニルプロピルアミンと分割剤とを反応させアミドを
形成させて光学分割する方法であり、アミド形成反応と
アミド分解反応が必須となるため工業的に実用的でな
い。しかも両方法は収率が低い上に光学純度も低く、工
業的に実用化可能なレベルではない。そこで、本発明者
らは、光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミ
ンの実用的な製造法の確立を目的として鋭意検討をかさ
ねた。
<課題を解決するための手段> その結果、上記目的は光学活性N−ベンゾイルフェニ
ルグリシンを分割剤として、(RS)−1−メチル−3−
フェニルプロピルアミンをジアステレオマー塩を経て光
学分割することによって達成されることがわかった。
すなわち、本発明は光学活性N−ベンゾイルフェニル
グリシンを分割剤として用い、該分割剤と(RS)−1−
メチル−3−フェニルプロピルアミンとの二種のジアス
テレオマー塩を生成せしめ、該二種のジアステレオマー
塩の溶解度差を利用して(RS)−メチル−3−フェニル
プロピルアミンを光学分割することを特徴とする光学活
性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製造法で
ある。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明で用いる分割剤は、N−ベンゾイルフェニルグ
リシンであり、その(D)体および(L)体のいずれも
用いることができる。
本発明において、原料として用いられる(RS)−1−
メチル−3−フェニルプロピルアミンは、(R)−1−
メチル−3−フェニルプロピルアミンと(S)−1−メ
チル−3−フェニルプロピルアミンとを等量含むラセミ
型混合物のみならず、いずれか一方の光学異性体を等量
以上に含む混合物をも包含するものである。
(RS)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの
光学分割は次の手順と条件で行なう。
まず、溶媒中で(RS)−1−メチル−3−フェニルプ
ロピルアミン1モルに対して0.1〜2.0モル、好ましくは
0.5〜1.0モル量の(D)−N−ベンゾイルフェニルグリ
シンもしくは(L)−N−ベンゾイルフェニルグリシン
を接触させる。
ここで使用する溶媒としては、1−メチル−3−フェ
ニルプロピルアミンとN−ベンゾイルフェニルグリシン
を溶解するとともに溶液中でこれらの化合物を化学的に
変質せしめることなく、かつジアステレオマー塩を析出
せしめるものであればよく、たとえば、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、
アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム、トル
エンなどの有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いるこ
とができる。好ましく溶媒は、エタノール、酢酸エチル
である。
(RS)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミンに
前記分割剤を接触させる方法としては、上記した溶媒中
に(RS)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミンお
よび分割剤を別個に溶解して混合してもよいし、また溶
媒中にそれらを順次溶解してもよい。さらにあらかじめ
(RS)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミンと分
割剤とからつくった塩を該溶媒中に添加溶解してもよ
い。
次に、接触によって得られた溶液を冷却および/ある
いは濃縮する。すると、難溶性のジアステレオマー塩が
晶析する。難溶性のジアステレオマー塩を分割溶媒から
析出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の
範囲であればよく、目的に応じて適宜決められるが、通
常0℃から80℃の範囲で十分である。
難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、過、遠心分
離などの通常の固液分離法によって容易に分離すること
ができる。
一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離した残りの
母液をそのまま、または濃縮および/あるいは冷却して
易溶性のジアステレオマー塩を析出せしめ、これを分離
することもできる。
かくして得られる各ジアステレオマー塩を適当な方法
で分離することによって、分割剤と(R)−1−メチル
−3−フェニルプロピルアミンまたは(S)−1−メチ
ル−3−フェニルプロピルアミンを分離・採取すること
ができる。
ジアステレオマー塩の分解方法は任意であり、たとえ
ば、水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方法などが
適用できる。すなわち、たとえばジアステレオマー塩水
溶液にアンモニアを添加し、これをクロロホルムなどの
有機溶媒で抽出すると(R)−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルアミンまたは(S)−1−メチル−3−フェ
ニルプロピルアミンが有機溶媒層に抽出されてくるの
で、抽出後有機溶媒を留出することによって容易に光学
活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンを得るこ
とができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中、光学純度は次のように測定したもの
を示す。
光学純度の測定 1−メチル−3−フェニルプロピルアミンまたはジア
ステレオマー塩の0.2%水/メタノール溶液を調製し、
2%トリエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1mlと0.4
%GITC(2,3,4,6,tetra−O−Acetyl−β−D−Glucopy
ranosyl isothiocyanate)のアセトニトリル溶液0.1ml
とを添加して混合した。30分室温で反応させたのち、0.
3%ジエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1mlで過剰の
GITCを分解したサンプルを次のHPLC条件で分析し、アミ
ンのe.e.%を求めた。
HPLC条件 カラム:μ−Bondasphere 5μ C18−100Å 3.9×150mm 移動相:0.05%H3PO4/メタノール=53/47 1.1ml/min カラムT:40℃ UV:254nm 保持時間:(R)−1−メチル−3−フェニルプロピル
アミン 47.8min (S)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミン 5
1.3min 実施例1 (RS)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミン2.
98gと(D)−N−ベンゾイルフェニルグリシン5.10gと
を酢酸エチル180mlとエタノール40mlの混合溶媒に50℃
で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、6時間
後室温で析出結晶を別、乾燥して1.66gの白色の
(R)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミン・
(D)−N−ベンゾイルフェニルグリシン塩を得た。得
られた結晶の全量を水5mlに溶解し、28%アンモニア水
1.5mlを加えて、クロロホルム10mlで3回抽出した。ク
ロロホルム層は、飽和硫酸ナトリウム水10mlで洗浄した
のち無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留出して、0.
56gの(R)−1−メチル−3−フェニルプロピルアミ
ン(収率38%対(R)−1−メチル−3−フェニルプロ
ピルアミン光学純度55.0%e.e.)を得た。
<発明の効果> かくして、本発明によれば、(RS)−1−メチル−3
−フェニルプロピルアミンを極めて簡単な方法で収率よ
く、高い光学純度で光学分割することができる。また、
分割剤の光学活性N−ベンゾイルフェニルグリシンは、
ジアステレオマー塩を酸またはアルカリで処理すること
により容易に回収でき、さらに回収された光学活性N−
ベンゾイルフェニルグリシンは、再使用が可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学活性N−ベンゾイルフェニルグリシン
    を分割剤として用い、該分割剤と(RS)−1−メチル−
    3−フェニルプロピルアミンとの二種のジアステレオマ
    ー塩を生成せしめ、該二種のジアステレオマー塩の溶解
    度差を利用して(RS)−1−メチル−3−フェニルプロ
    ピルアミンを光学分割することを特徴とする光学活性1
    −メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法。
JP20216688A 1988-08-12 1988-08-12 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法 Expired - Fee Related JP2576598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20216688A JP2576598B2 (ja) 1988-08-12 1988-08-12 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20216688A JP2576598B2 (ja) 1988-08-12 1988-08-12 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0253755A JPH0253755A (ja) 1990-02-22
JP2576598B2 true JP2576598B2 (ja) 1997-01-29

Family

ID=16453055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20216688A Expired - Fee Related JP2576598B2 (ja) 1988-08-12 1988-08-12 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2576598B2 (ja)

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Chemical Abstracts 1986 104:149365
Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,82 189(1963)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0253755A (ja) 1990-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110207928A1 (en) Purification method for adefovir dipivoxil
JP2576598B2 (ja) 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法
JP2555244B2 (ja) 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法
EP0382506B1 (en) Optically active diastereomer salts of tetrahydro-2-furoic acid
JP2830364B2 (ja) 光学活性1―ベンジル―3―ヒドロキシピロリジンの製造方法
JP2917464B2 (ja) 光学活性1―メチル―3―フェニルプロピルアミンの製法
JP4397990B2 (ja) 3−アルキルフラバノノール誘導体の精製法
JP2616211B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製法
JPH02306942A (ja) 光学活性フェニルエチルアミン誘導体の製造法
JPH0470306B2 (ja)
JPH05279326A (ja) 光学活性3−ヒドロキシピロリジンの製法
JP2917497B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造方法
JPH0470304B2 (ja)
JP2712669B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製法
JP2917495B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法
JP2551216B2 (ja) 光学活性1―(p―クロルフェニル)―1―(2―ピリジル)―3―ジメチルアミノプロパンの製法
JPH0225455A (ja) 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製造法
JP3304419B2 (ja) 光学活性1−(4−ハロゲノフェニル)エチルアミンの製造法
JPH0217154A (ja) 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製造方法
JPH023627A (ja) 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製造法
JPS61172846A (ja) (±)−2−クロロプロピオン酸の光学分割法
JPH0143731B2 (ja)
JP3284605B2 (ja) 光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法
JPH03153648A (ja) 光学活性1―メチル―3―フェニルプロピルアミンの製法
JPH06271512A (ja) 光学活性トランス−1,2−ジアミノ−4−シクロヘキセンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees