JP2563100Y2 - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

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JP2563100Y2
JP2563100Y2 JP1992060561U JP6056192U JP2563100Y2 JP 2563100 Y2 JP2563100 Y2 JP 2563100Y2 JP 1992060561 U JP1992060561 U JP 1992060561U JP 6056192 U JP6056192 U JP 6056192U JP 2563100 Y2 JP2563100 Y2 JP 2563100Y2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/36Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency
    • B60R22/41Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency with additional means for preventing locking during unwinding under predetermined conditions

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、シートベルトのリト
ラクター(巻取装置)に関し、特に緊急ロック機構を備
えたシートベルト用リトラクターの改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルトは、ウェビング,バックル,取
付け器具及びリトラクター(巻取り装置)から構成され
る。前記リトラクターは、シートベルト不使用時に自動
的にウェビングを引込む装置で、ウェビングの損傷を防
ぐと共に、シートベルト使用時には自由にウェビングの
長さが変えられる巻取り装置である。
【0003】このようなリトラクターには、自動ロック
式リトラクターや緊急ロック式リトラクター等がある
が、一般には、乗員を過度に拘束して装着者に圧迫感を
与えるといった問題を解決するために、急な加速、衝突
又は減速に反応する慣性感知手段によってリトラクター
を物理的にロックする緊急ロック機構を備えて乗員を効
果的及び安全に拘束すると共にウェビングによる圧迫感
を低減する緊急ロック式リトラクターが用いられてい
る。
【0004】更に、こうした緊急ロック式リトラクター
に用いられる慣性感知手段としては、ウェビングの引き
出し速度を感知する感知手段があり、例えば、慣性部材
が巻取り軸に対して回転遅れを生じるとロック部材が巻
取り軸とラッチ部材とを連結し、該ラッチ部材が巻取り
軸と共にウェビング引き出し方向に回転することにより
ラッチ部材のカム部が爪部材の従動部に作用して爪部材
を巻取り軸と一体な爪車に係合させて、巻取り軸のウェ
ビング引き出し方向の回転をロックする構成である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
慣性部材の慣性力を利用して巻取り軸のウェビング引き
出し方向の回転をロックする構成のものは、上記慣性力
が働く状態が発生すると、緊急時ではない不必要な時に
も上記の如きウェビング引き出し方向の回転がロックさ
れることがある。即ち、ウェビング引き出し状態から巻
取りバネのバネ力に従って急激にウェビングが全量巻き
取られると、その衝撃でロック部材が巻取り軸とラッチ
部材とを連結して巻取り軸のウェビング引き出し方向の
回転をロックするので、巻取り軸はウェビング引き出し
方向に回転できない。これと共に、ウェビングは全量巻
取り状態にあるので、巻取り軸はウェビング巻取り方向
にも回転できず、以後ウェビングは、上記の如き爪部材
が爪車と係合可能な状態と爪部材が実際に爪車に係合す
る状態との間の狭い範囲内で引出し巻取りができるのみ
で、実質的には引出しも巻取りも不可能となり、リトラ
クターは所謂エンドロック状態に陥るという問題があっ
た。
【0006】そこで、本考案の目的は上記課題を解消す
ることにあり、ベルト格納時に緊急ロック機構が誤作動
してウェビングが引出しも巻取りも不可能となるエンド
ロック状態の発生を防止し、確実に作動することができ
る緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクター
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の上記目的は、ウ
ェビングを巻装するリトラクターの巻取り軸に取り付け
られた爪車と、前記巻取り軸に追従して回転する慣性部
材と、巻取り軸と共にウェビング引き出し方向に回転す
ることにより爪部材を前記爪車に係合させて巻取り軸の
ウェビング引き出し方向の回転をロックするラッチ部材
と、前記慣性部材が巻取り軸に対して回転遅れを生じた
際にロック部材をラッチ部材との係合方向に移動させて
ラッチ部材を巻取り軸に連結するロック手段と、前記巻
取り軸と共に回転する駆動側歯車と、前記駆動側歯車と
同一のピッチ円直径を有しながら異なる歯数の歯を形成
されて前記駆動側歯車と同一の回転軸上に回転自在に支
承させられた回転制御盤と、前記駆動側歯車及び回転制
御盤の両歯と同時に歯合するように軸支され、前記回転
制御盤を前記駆動側歯車に対して位相ずれしながら追従
回転させる中間歯車と、前記ロック部材が前記ラッチ部
材と係合する方向に移動するのを、前記回転制御盤の巻
取り軸に対する位相ずれ角度に応じて規制する規制手段
とを有することを特徴とする緊急ロック機構を備えたシ
ートベルト用リトラクターにより達成される。
【0008】
【作用】本考案の上記構成によれば、前記規制手段がウ
ェビングの巻取り量を感知し、ウェビングがほぼ全量巻
取られた際には前記ロック部材が前記ラッチ部材と係合
する方向に移動することができないように規制されるの
で、ベルト格納時に緊急ロック機構が誤作動してウェビ
ングが引出し不能となることがない。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例
を詳細に説明する。図1乃至図3に示すシートベルト用
リトラクターの分解斜視図及び部分断面において、ベー
ス1はその大部分がコの字状断面を有し、対向する側板
1aには対向してそれぞれ貫通孔1bが穿設されてお
り、該貫通孔1bにはウェビングが巻回される巻取りリ
ール2を固設した巻取り軸4が左右のプラスチックブッ
シュ3を介して回動自在に橋架されている。該巻取り軸
4の一端には、ウェビングを巻取る方向に該巻取り軸4
を常時付勢している周知の巻取りバネ装置7が配設され
ている。
【0010】一方、巻取り軸4の他端には緊急時にウェ
ビングの引き出しを阻止するための緊急ロック機構が配
置されている。この緊急ロック機構は、巻取り軸4の他
端部に固定された爪車であるラッチプレート4aを有
し、その外方には巻取り軸4の一部が突出され、そこに
はテンションプレート9と、内歯13dを有するラッチ
部材であるラッチカップ13とが遊嵌されている。な
お、ラッチカップ13に形成されたスプリングハンガ1
3bとテンションプレート9に形成されたスプリングハ
ンガ9aとにはリターンスプリング12が装着され、ラ
ッチカップ13は矢印X2 方向に回動する付勢力が作用
されている。そして、前記ラッチカップ13の外側に位
置する巻取り軸4には、前記内歯13dに係合するロッ
ク部15aが形成されたロック部材15及びセンサース
プリング16と共にロック手段31を構成するフランジ
14が、駆動側歯車40と回転制御盤41を介在して固
着されている。更に、ロック部材15の外側には、プレ
ンワッシャー17を介して前記フランジ14に螺着され
たタッピングスクリュー20に遊嵌された慣性部材であ
るラチェットホイール19が設けられており、その外周
面には、後述の車体加速度感知手段32のセンサーアー
ム28と係合するためのベルト引き出し方向を向いた歯
19aが複数個形成されている。又、該ラチェットホイ
ール19の内側に設けられた装着部には、フリクション
スプリング18が摺動可能に装着されており、該フリク
ションスプリング18がロック部材15に係合されてい
るので、ラチェットホイール19は巻取り軸4と一体的
に回転し、且つ該巻取り軸4に対して相対変位が可能で
ある。
【0011】前記駆動側歯車40は、前記フランジ14
のボス部14aの先端に嵌合されて巻取り軸4と一体的
に回転する。該駆動側歯車40に重なるようにしてボス
部14aに回転自在に遊嵌される前記回転制御盤41
は、駆動側歯車40の歯40aと同一のピッチ円直径を
有しながら歯数が異なる歯41aを外周上に形成されて
おり、フランジ14に対向する側面には円形の凹部41
bが形成されている。そして、これら両歯40a,41
aと同時に歯合するように前記回転制御盤41及び駆動
側歯車40に隣設される中間歯車42は、ラッチカップ
13を貫通してテンションプレート9の穴9cに先端部
を固定されるピン43によって回転可能に軸支されてい
る。尚、前記ラッチカップ13の底には、回動時に前記
中間歯車42との干渉を防ぐための長穴13aが形成さ
れている。
【0012】即ち、例えば前記駆動側歯車40の歯数を
25とし、前記回転制御盤41の歯数を1歯違いの24
又は26(本実施例の添付図面においては歯数24)と
すれば、中間歯車42を介して駆動側歯車40に駆動さ
れる回転制御盤41は、駆動側歯車40の1回転毎に1
歯分ずつ(360度/24歯=15度)駆動側歯車40
に対して位相ずれしながら追従回転する。尚、同一のピ
ッチ円直径を有しながら歯数を1歯増減させた歯車を形
成することは、バックラッシの設定の仕方等で容易であ
る。
【0013】更に、前記回転制御盤41の凹部41bの
周壁の一部には回転軸に向かって内方へ張り出した係止
壁41cが形成されており、フランジ14に設けた貫通
口14bを貫通して該係止壁41cに係合可能なように
ロック部材15に突設された係止片15dと共に、該ロ
ック部材15が前記ラッチカップ13の内歯13dと係
合する方向に移動するのを規制する規制手段を構成して
いる。そして、前記回転制御盤41は、ウェビング全量
巻取り時に、図5に示すように係止壁41cと係止片1
5dとが対向する位置となるような設定位置に組み付け
られる。従って、ロック部材15のロック部15aがラ
ッチカップ13の内歯13dと係合する方向に移動しよ
うとしても、係止片15dが係止壁41cに当接して移
動を規制されるので、ロック部材15はラッチカップ1
3に係合することができない。
【0014】また、前記ラッチプレート4aに係合する
ことによりラッチプレート4aのウェビング引き出し方
向(矢印X1 方向)の回転を抑止する爪部材であるポー
ル11が、ポールピン10を介してラッチプレート4a
から係脱可能に側板1a外方に軸支されている。該ポー
ルピン10は、側板1aに形成された貫通孔33に挿通
されており、その外方端側軸部10aにはテンションプ
レート9の自由端部に形成された貫通孔9bが嵌挿され
る。そこで、前記ポール11は、貫通孔33を中心に揺
動回転することができる。そして、ポール11にはポー
ルガイド突起11bが突設され、該ポールガイド突起1
1bはラッチカップ13の外周部に突出形成されている
ポールガイド孔13cに挿入される。
【0015】更に、前記側板1aの下部には車体加速度
感知手段32を構成するセンサーケース27が固設さ
れ、この中空部内にはセンサーであるボールウエイト2
9が載置されると共に、突起28aを有するセンサーア
ーム28が揺動可能に取り付けられている。そして、こ
れら緊急ロック機構を覆う側板1aの外側にはセンサー
カバー21が配設されている。
【0016】次に、上記シートベルト用リトラクターの
作動について説明する。先ず、通常使用状態において
は、図4に示すように、ラッチカップ13はスプリング
ハンガ13bとテンションプレート9のスプリングハン
ガ9aとに装着されたリターンスプリング12の付勢力
によってウェビング巻取り方向(矢印X2方向)に付勢
されており、ポールガイド孔13cにポールガイド突起
11bが係合するポール11はラッチプレート4aと非
係合な矢印Z2 方向に付勢されており、更にロック部材
15のロック部15aはセンサースプリング16の付勢
力によりラッチカップ13の内歯13dと非歯合な位置
に付勢されているので、ウェビングの引き出しは自在で
ある。
【0017】また、前記回転制御盤41は、ウェビング
全量巻取り時には図5に示すように係止壁41cと係止
片15dとが対向する位置となるような設定位置に組み
付けられているが、シートベルト装着時にウェビングが
リトラクターから所定量引き出されて巻取り軸4がウェ
ビング引き出し方向に回転すると、図7に示すように係
止壁41cが係止片15dと対向しない位置に移動す
る。即ち、回転制御盤41は、巻取り軸4と共に回転す
る前記駆動側歯車40によって1回転する毎に一歯分ず
つ先行しながら追従回転されるので、巻取り軸4が1回
転する毎に一歯分ずつロック部材15に対して位相ずれ
するためである。尚、ベルト装着時には通常、8〜15
回転巻取り軸4がウェビング引き出し方向に回転してい
るので、係止壁41cは係止片15dと完全に非係合な
位置に位置することができる。
【0018】そこで、係止片15dが係止壁41cに当
接して移動を規制されることがなく、ロック部材15の
ロック部15aはラッチカップ13の内歯13dと係合
する方向に移動することができるので、ロック部材15
はラッチカップ13に係合することができる。しかし
て、衝突等の緊急時に図示しないウェビングにテンショ
ンがかかり、巻取り軸4に所定以上の衝撃的なウェビン
グ引き出し方向(矢印X1 方向)の回動力が作用される
と、前記ラチェットホイール19は慣性力を受けて巻取
り軸4のウェビング引き出し方向の回転に対し回転遅れ
が生じる。そして、前記センサースプリング16の付勢
力よりも、ラチェットホイール19の装着部に装着され
たフリクションスプリング18の係合部18aがロック
部材15の穴15bの内側面をロック部15aが内歯1
3dと歯合する方向に押す力が勝ると、ロック部材15
はロック部15aが内歯13dと歯合する方向に動かさ
れる。
【0019】更に、巻取り軸4がウェビング引き出し方
向に回転すると、図6に示すようにロック部材15のロ
ック部15aとラッチカップ13の内歯13dとが噛み
合い、フランジ14の回動力がラッチカップ13に伝達
され、該ラッチカップ13をリターンスプリング12の
付勢力に抗して矢印X1 方向へ巻取り軸4と一体的に回
動する。すると、ポールガイド突起11bに係合するポ
ールガイド孔13cがこのポールガイド突起11bを介
してポール11を矢印Z1 方向へ回動してラッチプレー
ト4aに係合部11aを係合させる。この結果、ポール
11はラッチプレート4aの矢印X1 方向への回動、す
なわちウェビングの引き出しを抑止してロックする。
【0020】又、車両が緊急時、所定以上の速度変化を
受けると、ボールウエイト29が転動してセンサーアー
ム28を揺動し、その先端28aをラチェットホイール
19の歯19aに噛み合わせるので、ラチェットホイー
ル19のベルト引き出し方向の回転が阻止される。そし
て、ラチェットホイール19が回動を阻止された状態で
更にウェビングが引き出されると、ラチェットホイール
19が巻取り軸4のウェビング引き出し方向の回転に対
し回転遅れが生じるので、ロック手段31が作動して上
述の如くウェビングの引き出しがロックされる。
【0021】そして、ウェビングに作用されたテンショ
ンが解除された時には、リターンスプリング12の付勢
力を介してラッチカップ13が矢印X1 方向と反対方向
に回動されることにより、ポール11が矢印Z2 方向に
回動され、ラッチプレート4aのロックが解除されてウ
ェビングの引き出しが自在とされる。更に、ウェビング
引き出し状態から巻取りバネ装置7のバネ力に従って巻
取り軸4がウェビング巻取り方向に回転すると、回転制
御盤41は巻取り軸4と共に回転する前記駆動側歯車4
0によって1回転する毎に一歯分ずつ先行しながら追従
回転し、ウェビング全量巻取り時には図5に示すように
係止壁41cが係止片15dと対向する位置に復帰す
る。
【0022】そこで、ウェビング引き出し状態から巻取
りバネ装置7のバネ力に従って急激にウェビングが全量
巻き取られた際、衝撃でロック部材15のロック部15
aがラッチカップ13の内歯13dと係合する方向に移
動しようとしても、係止片15dが係止壁41cに当接
して移動を規制されるので、ロック部材15はラッチカ
ップ13に係合することができない。従って、巻取り軸
4はウェビング引き出し方向の回転がロックされず、ウ
ェビングの引き出し巻取りの不可能な所謂エンドロック
状態に陥ることがない。また、急激にウェビングが全量
巻き取られた際の衝撃で、前記センサーアーム28の先
端28aがラチェットホイール19の歯19aに噛み合
ったままとなっても、係止壁41cが係止片15dの移
動を規制している間はウェビングの引き出しが可能であ
るので、ウェビング引出し後に僅かにウェビングを巻き
取らせることにより、先端28aと歯19aとの噛み合
いも解除することができる。
【0023】即ち、回転制御盤41はウェビングの巻取
り量を感知し、ウェビングがほぼ全量巻取られた際には
前記ロック部材15が前記ラッチカップ13と係合する
方向に移動することができないように、係止壁41cが
係止片15dに当接して移動を規制する。そこで、ベル
ト格納時に緊急ロック機構が誤作動してウェビングが引
出しも巻取りも不可能となるエンドロック状態の発生を
防止し、確実に作動することができる緊急ロック機構を
備えたシートベルト用リトラクターを得ることができ
る。
【0024】尚、本考案における回転制御盤、駆動側歯
車、中間歯車及びロック手段等は、上記実施例の形状に
限定されるものではなく、種々の変更が可能であること
は勿論である。また、ロック部材がラッチ部材と係合す
る方向に移動するのを規制する規制手段も、回転制御盤
41の係止壁41cがロック部材15を直接に規制する
上記実施例の構成に限るものではない。
【0025】図8乃至図12は、他の構成による規制手
段及びロック手段50を用いた本考案の他の実施例に基
づく緊急ロック機構であり、上記の如き回転制御盤41
と、フランジ14及びロック部材15の代わりに、回転
制御盤45と、フランジ47、レバー48及びロック部
材49を用いた以外は、上記実施例と同様の構成であ
り、緊急ロック機構の作動原理は同様のため説明を省略
する。
【0026】図8に示すように、前記駆動側歯車40に
重なるようにして回転自在に配設される前記回転制御盤
45は、駆動側歯車40の歯40aと同一のピッチ円直
径を有しながら歯数が異なる歯41aを外周上に形成さ
れており、前記実施例の回転制御盤41と同様に、駆動
側歯車40の1回転毎に1歯分ずつ駆動側歯車40に対
して位相ずれしながら追従回転する。
【0027】フランジ47に対向する回転制御盤45の
側面には、周方向に沿った略円形のカム溝46が形成さ
れている。該カム溝46の一部は、回転軸に向かって内
方へ張り出すように屈曲した内方カム溝領域46aを形
成されており、フランジ47に設けた枢軸47aに回転
自在に軸支された前記レバー48と、前記ロック部材4
9に形成された係止部49bと共に、該ロック部材49
が前記ラッチカップ13の内歯13dと係合する方向に
移動するのを規制する規制手段を構成している。
【0028】前記レバー48は、前記ロック部材49の
係止部49bに係合可能な係止アーム48aと、フラン
ジ47に設けた貫通口47bを貫通して前記カム溝46
に係合する従動突起部48bとを有している。そして、
前記回転制御盤45は、ウェビング全量巻取り時に、図
9及び図10に示すように前記レバー48の従動突起部
48bが前記内方カム溝領域46aに位置し、係止アー
ム48aが前記係止部49bに係合する設定位置に組み
付けられる。従って、ロック部材49のロック部49a
がラッチカップ13の内歯13dと係合する方向に移動
しようとしても、ロック部材49は係止部49bが係止
アーム48aに当接して移動を規制されるので、ロック
部材49はラッチカップ13に係合することができず、
緊急ロック機構は作動不能である。
【0029】そして、前記回転制御盤45は、シートベ
ルト装着時にウェビングがリトラクターから所定量引き
出されて巻取り軸4がウェビング引き出し方向に回転す
ると、図11に示すようにレバー48の従動突起部48
bが内方カム溝領域46aから外れたカム溝46の位置
に従動させられる。即ち、回転制御盤45は、巻取り軸
4と共に回転する前記駆動側歯車40によって1回転す
る毎に一歯分ずつ先行しながら追従回転されるので、巻
取り軸4が1回転する毎に一歯分ずつフランジ47に対
して位相ずれするためである。尚、ベルト装着時には通
常、8〜15回転巻取り軸4がウェビング引き出し方向
に回転しているので、従動突起部48bは確実に内方カ
ム溝領域46aから外れたカム溝46の位置に位置する
ことができる。そこで、図12に示すように、レバー4
8は矢印Y1 方向に回転し、係止アーム48aが係止部
49bと非係合な位置に移動する。
【0030】そこで、係止部49bが係止アーム48a
に当接して移動を規制されることがなく、ロック部材4
9のロック部49aはラッチカップ13の内歯13dと
係合する方向に移動することができるので、ロック部材
49はラッチカップ13に係合することができ、緊急ロ
ック機構が作動可能となる。更に、ウェビング引き出し
状態から巻取りバネ装置7のバネ力に従って巻取り軸4
がウェビング巻取り方向に回転すると、回転制御盤45
は巻取り軸4と共に回転する前記駆動側歯車40によっ
て1回転する毎に一歯分ずつ先行しながら追従回転し、
ウェビング全量巻取り時には図9に示すように前記従動
突起部48bが前記内方カム溝領域46aに復帰する。
【0031】即ち、回転制御盤45はウェビングの巻取
り量を感知し、ウェビングがほぼ全量巻取られた際には
前記ロック部材49が前記ラッチカップ13と係合する
方向に移動することができないように、係止部49bが
係止アーム48aに当接して移動を規制される。そこ
で、前記実施例と同様に、ベルト格納時に緊急ロック機
構が誤作動してウェビングが引出しも巻取りも不可能と
なるエンドロック状態の発生を防止し、確実に作動する
ことができる緊急ロック機構を備えたシートベルト用リ
トラクターを得ることができる。
【0032】
【考案の効果】即ち、本考案によれば、ロック部材がラ
ッチ部材と係合する方向に移動するのを規制する規制手
段が、回転制御盤の巻取り軸に対する位相ずれ角度に応
じて作動することによってウェビングの巻取り量を感知
することができる。そこで、ウェビングがほぼ全量巻取
られた際には前記ロック部材が前記ラッチ部材と係合す
る方向に移動することができないように規制することが
でき、ベルト格納時に緊急ロック機構が誤作動してウェ
ビングが引出し不能となることがない。
【0033】従って、ベルト格納時に緊急ロック機構が
誤作動してウェビングが引出しも巻取りも不可能となる
エンドロック状態の発生を防止し、確実に作動すること
ができる緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラ
クターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に基づくシートベルト用リト
ラクターの分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの残
り部分の分解斜視図である。
【図3】図1及び図2に示したシートベルト用リトラク
ターの要部断面図である。
【図4】図1及び図2に示したシートベルト用リトラク
ターのウェビングの引き出しロック動作を説明するため
の要部破断側面図である。
【図5】ウェビングの引き出しロック動作を説明するた
めの図3のA−A断面における要部断面矢視図である。
【図6】図1及び図2に示したシートベルト用リトラク
ターのウェビングの引き出しロック動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図7】図5に示した回転制御盤の動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図8】本考案の他の実施例に基づく規制手段を備えた
ロック手段の分解斜視図である。
【図9】図8に示した回転制御盤の動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図10】図8に示したロック手段の動作を説明するた
めの要部拡大図である。
【図11】図8に示した回転制御盤の動作を説明するた
めの要部拡大図である。
【図12】図8に示したロック手段の動作を説明するた
めの要部拡大図である。
【符号の説明】
1 リトラクター 1a 側板 1b 貫通孔 2 巻取りリール 3 プラスチックブッシュ 4 巻取り軸 4a ラッチプレート 7 巻取りバネ装置 8 プリテンショナー 9 テンションプレート 10 ポールピン 11 ポール 11a 係合部 11b ポールガイド突起 12 リターンスプリング 13 ラッチカップ 13a 長穴 13b スプリングハンガ 13c ポールガイド孔 13d 内歯 14 フランジ 14a ボス部 14b 貫通口 15 ロック部材 15a 係合部 15b 穴 15c 穴 15d 係止片 16 センサースプリング 17 プレンワッシャー 18 フリクションスプリング 18a 係合部 18b 係合部 19 ラチェットホイール 19a 歯 19b 装着部内周壁 20 タッピングスクリュー 21 センサーカバー 22 リターンスプリング 27 センサーケース 28 センサーアーム 29 ボールウエイト 31 ロック手段 32 車体加速度感知手段 33 貫通孔 40 駆動側歯車 40a 歯 41 回転制御盤 41a 歯 41b 凹部 41c 係止壁 42 中間歯車 43 ピン

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングを巻装するリトラクターの巻
    取り軸に取り付けられた爪車と、前記巻取り軸に追従し
    て回転する慣性部材と、巻取り軸と共にウェビング引き
    出し方向に回転することにより爪部材を前記爪車に係合
    させて巻取り軸のウェビング引き出し方向の回転をロッ
    クするラッチ部材と、前記慣性部材が巻取り軸に対して
    回転遅れを生じた際にロック部材をラッチ部材との係合
    方向に移動させてラッチ部材を巻取り軸に連結するロッ
    ク手段と、前記巻取り軸と共に回転する駆動側歯車と、
    前記駆動側歯車と同一のピッチ円直径を有しながら異な
    る歯数の歯を形成されて前記駆動側歯車と同一の回転軸
    上に回転自在に支承させられた回転制御盤と、前記駆動
    側歯車及び回転制御盤の両歯と同時に歯合するように軸
    支され、前記回転制御盤を前記駆動側歯車に対して位相
    ずれしながら追従回転させる中間歯車と、前記ロック部
    材が前記ラッチ部材と係合する方向に移動するのを、前
    記回転制御盤の巻取り軸に対する位相ずれ角度に応じて
    規制する規制手段とを有することを特徴とする緊急ロッ
    ク機構を備えたシートベルト用リトラクター。
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