JP2523908B2 - 磁気ディスク装置及び薄膜磁気ヘッド並びに薄膜磁気ヘッド作製用ウエハ - Google Patents

磁気ディスク装置及び薄膜磁気ヘッド並びに薄膜磁気ヘッド作製用ウエハ

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JP2523908B2 JP1318767A JP31876789A JP2523908B2 JP 2523908 B2 JP2523908 B2 JP 2523908B2 JP 1318767 A JP1318767 A JP 1318767A JP 31876789 A JP31876789 A JP 31876789A JP 2523908 B2 JP2523908 B2 JP 2523908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンピユータの外部記憶装置として使用さ
れる磁気デイスク装置及び該磁気デイスク装置に用いる
薄膜磁気ヘツド、並びに薄膜磁気ヘツド作製用ウエハに
係り、特に磁気デイスクへの記録密度の大きい磁気デイ
スク装置,薄膜磁気ヘツド及び薄膜磁気ヘツド作製用ウ
エハに関する。
〔従来の技術〕
コンピユータの外部記憶装置としては、情報の書き込
み,読み出しが速いことを特徴とする磁気デイスク装置
が望まれている。コンピユータの計算処理量の大規模化
に伴つて、磁気デイスク装置はますます大容量化されて
きている。他方、装置の大きさが小さいことも重要なセ
ールスポイントである。これらのことから、磁気デイス
ク装置には大容量化,小型化,情報の出し入れの高速化
が要求されることになる。
大容量化と小型化については、磁気デイスクへの記録
密度の増大がポイントとなつていることは明らかであ
る。
また、磁気デイスクへの記録密度を大きくするために
必要な手段が記録媒体層の厚さの減少であることは、既
によく知られている。すなわち、磁気ヘツド素子が浮動
型スライダの後端に形成され、磁気デイスクとの間に微
小な空隙を保つて浮上しつつ、情報の書き込みや読み取
りを行う際に、記録媒体が厚い場合には、情報を記録す
るために磁気ヘツド素子の磁気ギヤツプの先端から放射
された磁束が、記録媒体の中で広がつてしまう。このた
め、記録密度を大きくしようとすると、それらが相互に
接近しあつて悪影響を及ぼしあい、結果として分解能不
良に陥る。従つて、上記媒体が薄いことが高記録密度化
に必要となる。これに適した磁気デイスクとして、スパ
ツター型磁気デイスクまたはメツキ型磁気デイスクなど
の薄膜磁気デイスクがある。これらは記録媒体をスパツ
ター法またはメツキ法によつて形成するために、その厚
さを小さく制御することが可能である。また、記録媒体
が連続的で緻密なため、比較的大きい記録強度が得られ
るという利点もある。しかし、記録媒体が薄くなると記
録強度が小さくなり、情報を読み取る際の出力が低下す
るという不具合が生じる。しかし、磁気ヘツド素子と記
録媒体との距離が近づけば、この問題は解決する。さら
に、磁気ギヤツプ先端から放出された磁束の広がりをよ
り小さくするためにも、磁気ヘツド素子と記録媒体との
距離が近いことは好都合である。このため、高記録密度
化には記録媒体厚の減少とともに、磁気ヘツド素子と記
録媒体との距離の低減、すなわちスライダの浮上高さを
低くすることが必須となる。
スライダの構造は第3図に示されている。第3図はテ
ーパーフラツト型磁気ヘツドの斜視図であり、スライダ
12と磁気ヘツド素子13よりなる。ここでスライダの構造
について説明する。スライダのうち磁気デイスクと向き
合う面は、直線または曲線状態の輪郭によつて複数のレ
ールに分割される。レールとレールの間には所定の段差
が形成される(第3図は直線状態に分割された例を示し
ている)。この際、分割されたレールの面、すなわち浮
上面14の幅は、スライダの設計浮上高さに応じて決めら
れ、浮上高さが低いほど幅が狭い。また、浮上面のうち
磁気デイスクとの相対運動方向に対して前方に位置する
部分は、わずかの傾斜をもつて前方方向にななめに削り
とられている。これをテーパといい、このテーパ部分と
浮上面の後端には磁気デイスクの回転によつて浮上揚力
が比較的大きく作用する。従つて、第3図の場合には2
つのテーパ部分と2つの浮上面後端の計4つの部分に主
な浮上揚力が作用する。このようにしてスライダを4つ
のコーナーで支持することは、スライダのローリングや
チツピングを抑制し、スライダの浮上姿勢を安定に保つ
効果がある。従つて、スライダの浮上面は通常複数に分
割され、それらがスライダのほぼ幅一杯に配置された構
造をとる。さらに、テーパ部分にはより大きい浮上揚力
が作用するため、スライダの前部をより強く押し上げ
る。すなわち、スライダの後端が最も磁気デイスクに接
近した状態となる。また、スライダの後端の面には、磁
気ヘツド素子の磁気ギヤツプの先端が浮上面と同一平面
に露出するように形成されているため、上記テーパ部分
は、浮上中に磁気ギヤツプの先端を最も磁気デイスクに
接近させることになる。
ここで、便宜上スライダの浮上高さをスライダ浮上状
態における磁気ヘツド素子と磁気デイスク表面との距離
と定義する。実際の浮上高さは、設計値とは異なり主と
して以下の変動要因を有している。第1に、スライダの
浮上面の幅の寸法誤差やスライダの支持バネの力の大き
さの誤差による設計値からのズレ、第2に、デイスク表
面のうねりの影響を受けて上記ズレに加えてさらに生じ
る振動的なズレ、第3に、新たな情報の書き込み,読み
取りをするために、スライダは素早く場所を移動(シー
ク動作)しなければならず、この際にスライダの慣性の
影響で一時的に生じる浮上高さの振動的なズレ、第4
に、デイスクの表面は完全に平滑ではなく、いくつもの
突起が発生するので、これを除くためにいわゆるバニツ
シユ・スライダで表面を軽く摺動させる処理が行われ
る。但し、この処理はやり過ぎると磁気デイスクを傷つ
けるため、目的とする設定浮上高さに応じた度合いで行
われる。しかし、突起は完全に除かれる訳ではなく、さ
らにスライダと磁気デイスクの吸着を防ぐという別の目
的からも、必ずある程度の突起が存在している。この突
起の先端から見れば、スライダとの距離はさらに近いも
のになる。以上の要因によるスライダの浮上量の変動量
は、浮上高さが0.3μm程度まで小さくなつた昨今の状
況下では、通常第1の要因で約±10%、第2の要因で約
±10%、第3の要因で約±10%、そして第4の理由で約
−60〜−70%程度見込まれている。ここで、符号+は浮
上高さの増加、符号−は浮上高さの減少を示す。従つ
て、浮上高さの減少変動については、最悪の場合、余裕
が0〜10%、おおむね5%程度しかないことになる。
上述したスライダは、通常1枚のウエハから一括して
数百個が一度に製造される。この手順は、第4図によつ
て簡単に示される。第4図は、磁気ヘツドの加工工程を
示す流れ図である。まず、1枚のウエハの表面に全部の
磁気ヘツド素子が一括して形成される。次に、これらが
機械加工によつて個々のスライダに分割される。分割さ
れたスライダの切断面に、その後さらに機械加工または
イオンミリングやエツチングなどの処理が施され、所定
の浮上面が形成される。第4図には、2つの浮上面の前
端部が連結された負圧型浮動スライダも示されている。
また、スライダ材料には、目的に応じて種々の金属酸
化物が用いられる。代表的には比重が小さく、ヤング率
の大きいAl2O3系材料が用いられる。すなわち、磁気デ
イスク装置では、アクセス時間を短縮するために、薄膜
磁気ヘツドが磁気デイスクの表面上わずか0.3μm程度
の間隔を保ちつつ高速移動するが、記録密度を向上させ
るためにこの間隔はますます縮められてきている。この
ため、浮上安定性の点で軽量な磁気ヘツドが求められ、
スライダとしては比重の小さいものが、さらに加工中の
変形を小さくするためにヤング率の大きな材料が求めら
れる。また、硬度が小さいスピネル構造酸化物やZrO2
材料が用いられることも考えられる。すなわち、磁気デ
イスクの回転の起動または停止の段階では、磁気ヘツド
と磁気デイスクとは過渡的に摺動する機構(CSS方式)
が一般に採用されているため、このような磁気デイスク
との摺動は磁気ヘツドの中でもスライダが主として受け
もつている。従つて、スライダ材料には、上述した摺動
によつて磁気デイスクに損傷を与えない低硬度のものが
望まれている。
以上のように種々の金属酸化物系材料が用いられる
が、酸化物が選ばれる理由は、材料が安価な点や、焼結
が比較的容易な点などである。また、薄膜磁気ヘツドは
複雑な製造工程をもち、高い精度と量産性が同時に要求
される製品である。特にウエハ(基板)については、最
終的に所定の形状に機械加工する工程でのチツピングや
寸法不良による不良があつては、それまでにいくつもの
工程を経てきているだけに、損失が大きくなり問題とな
る。しかしながら、チツピングや寸法不良を小さくする
ために慎重に加工すれば、多量の製品を所定の期間内に
製造することができなくなる。従つて、基板にはチツピ
ングが少なく精度良く機械加工できるものが要求されて
いる。
この点に関する改善提案は、特にAl2O3系基板に関し
て多く、例えば特開昭61−158862号公報などがある。こ
れらの多くは、加工性向上を目的としてAl2O3にTiC、及
び少量の酸化物または金属などを添加するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
今後の高記録密度磁気デイスク装置を考えると、面記
録密度は100Mb/in2以上に向かつている。これを得るに
はスライダの設定浮上高さは、0.05〜0.15μmが必要と
される。この浮上高さは、いわゆる負圧型浮動スライダ
や垂直磁気記録が有効な領域でもある。ここで、従来の
ウエハ及びスライダに新たな問題点が見出された。すな
わち、従来のままでは機械加工によつてスライダが変形
し、スライダの浮上面後端の端が磁気ヘツド素子の先端
よりも下に下がつてしまう現象が生じるため、上述した
ような低浮上高さに対応できなくなる。ウエハを切断す
る際に砥石の先端にはたらく研削抵抗が十分に小さくな
らず、このため砥石の曲がりによる切断面のわん曲が生
じ、スライダの変形となつて残る。さらに、切断面には
研削抵抗に起因する加工残留応力が残り、これは研磨に
よつて低減することも可能であるが、第3図に示したよ
うにスライダは浮上面側とその反対側とで形状や表面の
仕上がりなどの加工状態が異なるため、2つの面で加工
残留応力の大きさが異なる。これによりスライダに変形
が生じる。このようにして変形してしまつたスライダが
浮上している様子を第5図に模式的に示す。スライダが
変形しているためにスライダの浮上面後端の端は磁気ヘ
ツド素子の先端よりも下に下がつている。ここで、スラ
イダ変形量を以下のように定義する。スライダ後端面の
うち、最も突出したエツジの2点を結んだ線を基準線と
し、ここから情報の書き込み,読みとりを実際に行う磁
気ヘツド素子の先端までの距離をスライダ変形量とす
る。この距離は従来0.01〜0.02μm程度であり、ヤング
率が小さいスライダほどこの距離が大きい傾向にあつた
が、いずれにしても従来は大きな問題とはならなかつ
た。しかし、浮上高さが今後0.05〜0.15μmと小さくな
つてくると、無視できない問題となる。すでに述べたよ
うに、浮上高さ、すなわち磁気ヘツド素子と磁気デイス
ク表面との距離は変動する可能性をもち、最悪の場合に
設計値の5%程度まで接近するが、これにはスライダ後
端の変形が考慮されていない。上記変形量では設定浮上
高さ0.05〜0.15μmに対して少なくとも7〜20%以上と
なり、5%を超える。従つて、このようにスライダ後端
が変形すると、磁気デイスクと衝突する危険が生じる。
しかし、磁気デイスクの表面に形成されている膜は極め
て薄いため、損傷を与えることがないように、衝突は必
ず避けなければならない。
従つて、今後は従来の浮上高さの変動の他に、スライ
ダの後端の変形を考慮しなければならない。従来の浮上
高さの変動を考慮すれば、スライダの後端の変形に許さ
れるのはせいぜい設定浮上高さの5%程度、すなわち0.
003〜0.008μm程度である。このような値は、従来のス
ライダでは得られていない。この問題を解決するため
に、スライダの構造を浮上面がスライダの中央に寄つた
形にすることも考えられ、確かにスライダの変形による
影響を小さくすることができる。しかし、この場合には
スライダが浮上中にローリングしやすくなり、浮上安定
性の点で問題が生じる。
本発明の目的は、磁気ヘッド浮上時に、磁気ヘッドと
磁気ディスクが衝突しないような、スライダの変形量の
絶対値の基準を磁気ヘッド浮上量との関係から明らかに
することにより、磁気ヘッドスライダ加工工程の指針を
与えることにある。
また、本発明の目的は、上述したスライダの変形の問
題を解決し、シーク動作によつてもスライダが磁気デイ
スクと衝突することなく安定して浮上する、スライダの
設定浮上高さが、0.05〜0.15μm、面記録密度が100Mb/
in2以上である磁気デイスク装置を提供することにあ
る。
本発明の別の目的は、スライダの設定浮上高さが0.05
〜0.15μm、スライダの後端の変形が設定浮上高さの5
%以下である薄膜磁気ヘツドを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、スライダの設定浮上高さ
が0.05〜0.15μm、スライダの後端の変形が設定浮上高
さの5%以下である薄膜磁気ヘツド作製用ウエハを提供
することにある。
上記目的は、スライダ後端の磁気ヘッド素子先端から
前記薄膜磁気ディスク表面までの設定浮上高さが0.05〜
0.15μmの範囲内であること、かつ前記スライダの浮上
面後端における前記磁気ヘッド素子先端と前記スライダ
の最も突出したエッジとの間の距離とする変形量が0.00
2μm以上の範囲で、前記設定浮上高さの5%以内であ
り、かつ前記磁気ヘッドスライダが50体積%以上の酸化
物セラミックスからなることにより達成される。上記に
おいて、前記薄膜磁気ディスクへの面記録密度が100Mb/
in2以上であることが好ましい。
また、前記スライダが、負圧型浮動スライダであるこ
とが好ましい。
更に、前記薄膜磁気ディスクの磁性膜の厚さが400〜1
000Åであることが好ましい。
また、上記目的は、磁気ヘツド作製用ウエハとして、
金属酸化物系材料にフツ素を含有させた焼結体ウエハ
(基板)を用いることにより達成される。ただし、スピ
ネル構造酸化物系材料については、フツ素に代えてアル
カリ元素またはアルカリ土類元素を含有させてもよく、
またZrO2系材料については、フツ素に代えてアルカリ元
素またはBaを含有させてもよい。
ここで、フツ素の全体に対する割合は0.01重量%以上
2重量%以下とする。また、アルカリ元素またはアルカ
リ土類元素の全体に対する割合は、0.01重量%以上8重
量%以下とする。さらに別の目的で、このウエハに金属
酸化物の割合が50体積%未満とならない範囲であれば、
別の炭化物,窒化物またはほう化物など、例えばSiC,Ti
Cなどを添加してもよい。また、焼結体の平均粒径は5
μm以下がよい。
なお、スピネル構造酸化物は、一般式MR2O4(Mは2
価金属、Rは3価金属)で表される酸化物であり、Mは
Mg,Ca,Sr,Ba,Ni,Co,Mnなどから選ばれた1つ以上の元
素、RはAl,Cr,Feなどから選ばれた1つ以上の元素より
成る。また、純ZrO2は相変態を生起するため焼結体が割
れてしまうので、通常Y2O3などを固溶させ、室温での結
晶形を立方晶で安定にした安定化ZrO2を用いるのが一般
的である。
〔作用〕
以下に本発明の内容を詳しく説明する。
発明者らは、金属酸化物系材料にフツ素が添加されて
焼結されると、金属酸化物の結晶粒界が割れやすくなる
ことを見出した。結晶粒界が割れやすくなると、機械加
工時に砥石がくい込み結晶粒界が優先して割れるため、
切削粉が生じさせやすくなり、加工抵抗が減少して加工
が容易になる。このため、加工時の砥石の変形やスライ
ダの加工残留応力が著しく減少し、これらに起因するス
ライダの変形が著しく少なくなるのである。また、切削
ホイールによつて加工部の端に生じるチツピングは、加
工抵抗の減少に伴つて小さくなる。さらに、亀裂は粒界
に沿つて進むためチツピングは結晶粒界単位で生じ易く
なり、結晶粒が小さいほどチツピングの大きさはより小
さいものとなる。
フツ素の含有量は、上述したとおりの効果を得るため
には全体の0.01重量%以上が必要であるが、多すぎると
ウエハ自身が脆くなつてしまう逆効果を生じるので、2
重量%以下がよい。
また、焼結体の粒径は、上述したとおり亀裂のまわり
込みによつてチツピングをより小さくさせるために、5
μm以下が望ましい。
スピネル構造酸化物系材料の場合には、フツ素に代え
てアルカリ元素またはアルカリ土類元素を含有させて
も、同様の効果が得られる。またZrO2系材料、Al2O3
材料の場合には、フツ素に加えてアルカリ元素またはBa
を含有させても同様の効果が得られる。これらの含有量
としては全体の0.01重量%以上8重量%以下が適量であ
る。全体の50体積%以下であれば、金属酸化物の結晶粒
径を小さくするためなどを目的として、炭化物,窒化物
またはほう化物等、例えばSiC,TiCなどを混合してもよ
い。混合する量が全体の50体積%を超えると、酸化物の
利点、例えば焼結のし易さなどが損われてしまうので好
ましくない。
以上のような焼結体を用いて薄膜磁気ヘツド、薄膜磁
気ヘツドの作製用ウエハを製造すれば、製造時の機械加
工が容易になり、本発明の磁気デイスク装置が製造でき
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 第1図,第2図に本発明の一例である磁気デイスク装
置の全体図、及び平面図を示す。本磁気デイスク装置の
構成は、情報を記録するための磁気デイスク1、これを
回転する手段、DCモータ2、情報を書き込み,読みとり
するための磁気ヘツド3,これを支持して磁気デイスクに
対して位置を変える手段のアクチユエーター4とボイス
コイルモーター5、及び装置内部を清浄に保つためのエ
アフイルタ6などから成る。アクチユエーターは、キヤ
リツジ7とレール8,軸受9から成り、ボイルコイルモー
タはボイスコイル10,マグネツト11から成る。第1図,
第2図では、同一の回転軸に8枚の磁気デイスクをとり
つけ、合計の記憶容量を大きくした例を示している。
第3図は、本発明の一例であるテーパーフラツト型磁
気ヘツドの斜視図であり、スライダ12とその表面の一部
に形成された磁気ヘツド素子13とから成る。
本実施例においては、面記録密度を100Mb/in2とする
ために、トラツク密度を2000T/in、線記録密度を50kb/i
n、記録波長を1.4μmと設定した。これらに対応して、
磁気ヘツド素子のギヤツプ幅を10μmに加工し、また使
用する磁気デイスクを磁性層厚さが0.06μm、保磁力が
16000eのCo系スパツタ型磁気デイスクとした。また、ス
ライダの設計浮上高さを0.10μmと設定し、これに対応
してスライダの浮上面の幅を0.26mmに加工した。
第1表に、使用したスライダ材料と、加工後のスライ
ダ変形量の測定結果とを示す。これらの磁気ヘツドを各
々10ケずつ上記の磁気デイスク装置に組み込み、磁気デ
イスクを回転させて浮上させた。ここで、記録の書き込
み,読み取り特性を調べたところ、重ね書き特性、いわ
ゆるオーバーライト特性がいずれも−23〜−27dBと良好
な値を示し、記憶装置として使用可能であることがわか
つた。
次に、各磁気ヘツドを浮上させたまま、磁気デイスク
の外周側と内周側の間を往復移動させ、いわゆるシーク
動作を反復させた。これを10,000回くり返した後、磁気
デイスクをとり出し、表面の傷の有無を詳細に調べた。
第1表に、傷が発見された磁気デイスクの割合を示す。
これから、スライダ変形量が設定浮上高さの5%である
0.005μm以下ではスライダに傷がなく、変形量がこれ
より大きいと傷があることがわかる。すなわち、スライ
ダ変形量が設定浮上高さの5%を超えては、磁気デイス
クと衝突することがわかつた。
以上の結果は、スライダの形状を第4図に示した負圧
型スライダとしても同様であつた。
実施例2 実施例1の磁気デイスク装置において、面記録密度を
300Mb/in2とするために、トラツク密度を3000T/in、線
記録密度を100kb/in、記録波長を0.65μmと設定した。
これに対応して、磁気ヘツド素子のギヤツプ幅を6μm
に加工した。磁気デイスクは、磁性層厚さが0.05μm、
保磁力が16500eのCo系スパツタ型磁気デイスクを用い
た。また、スライダの浮上高さを、0.05μmと設定し、
これに対応してスライダ浮上面の幅を0.21μmに加工し
た。スライダ材料は、実施例1と同じにした。以下、実
施例1と同様に評価した。
この結果、面記録密度300Mb/in2の状態において、オ
ーバーライト特性はいずれも−23〜−27dBと良好であつ
た。シーク動作後の磁気デイスク表面の傷の発生状況を
第2表に示す。これから、スライダ変形量が設定浮上高
さの5%以下の0.0025μm以下ではデイスクに傷がな
く、変形量がこれより大きいと傷があることがわかる。
すなわち、スライダ変形量が設定浮上高さの5%を超え
ては、磁気デイスクと衝突することがわかる。
以上の結果は、スライダの形状を負圧型スライダとし
ても同様であつた。
実施例3 実施例1,2と同様にして、設定浮上高さ0.15μmの場
合についても、磁気デイスクとスライダの衝突の有無に
ついて調べた。その結果、実施例1,2と同様の結果が得
られた。この結果を、実施例1,2の結果と併せて第6図
に図示する。この図は、設定浮上高さが0.05〜0.15μm
の範囲の所定の値に対して、スライダ変形量と、該スラ
イダが磁気デイスクと衝突する割合の関係を示してい
る。この図から、スライダ変形量が設定浮上高さの5%
以下であれば、該スライダは磁気デイスクと衝突しない
ことがわかる。
実施例4 次に、スライダ変形量の小さい磁気ヘツドの実施例に
ついて述べる。例として、スライダ浮上面幅を0.26mmと
した。
まず、Al2O3系スライダ材料の製造方法について述べ
る。
第3表に示した各組成の原料混合粉末を、水を溶媒と
して、10〜50hr,ボールミルで均一に混合し、かつ粗粒
を粉砕した。なお、第3表には組成としてTiCが含まれ
るものも示した。TiCの添加によつて粒径がより小さく
なる効果があるために、この場合のようにAl2O3が50体
積%未満とならない範囲でTiCを添加することも可能で
ある。No.12,13のCaO,BaOは炭酸塩の形で添加した。
得られたスラリをかきまぜながら乾燥した後、金型に
入れて圧粉成形した。
次に、成形体を不活性ガス雰囲気炉中で、第3表に示
す温度で30分間ホツトプレス焼結した。ホツトプレス圧
力は400kgf/cm2とした。焼結体の表面を機械研削及び研
磨によつて最大面粗度0.1μmの鏡面に仕上げ、薄膜磁
気ヘツド用の基板を得た。
基板は、まず粒径を調べるために一部を切断してエツ
チングした。エツチング面を走査型電子顕微鏡で観察
し、インタセプト法により平均粒径を測定した。測定結
果を第3表に示すが、本発明に係る材料はTiCを添加し
た場合に約1.5μm、添加しない場合に約3μmと、い
ずれの場合においても5μm以下となつた。なお、この
粒径は焼結温度によつても調整可能である。従来材(N
o.11〜13)の粒径は約3μmであるので、粒径の点では
本発明に係る材料と同程度であることがわかる。
さらに、基板に残留するフツ素の量を分析した。測定
結果を第3表に示すが、いずれの場合も0.37〜0.85重量
%と、本発明の求める範囲内であつた。なお、添加元素
の残存量がこのように変化しているのは、融点,蒸気
圧,原子量などの違いによるものと考えられる。また、
フツ素の存在場所を電子顕微鏡で調べたところ、いずれ
もAl2O3結晶粒の粒界に、一部偏析していた。
これらの基板を用いて第3図に示す磁気デイスク用薄
膜磁気ヘツドを作製した。これは前述した焼結体よりな
るスライダ12と、磁気ヘツドの素子13とにより構成され
ている。この作製過程での機械加工においては、スライ
ダ溝を加工する際のチツピングも重要である。そこで、
#1500のダイヤモンド砥石を用いて基板に溝入れ加工を
行つた際の、溝の陵部に生じたチツピングの最大値を調
べた。砥石の送り速度は0.3mm/sec.とし、また加工抵抗
を比較するために加工中の砥石の回転ホイールの消費電
力を記録し、相対値で比較した。第3表にこれらの測定
結果を併せて示す。本発明に係るフツ素含有材料につい
ては、チツピングと加工抵抗が従来材のAl2O3−TiC(N
o.11〜13)よりも小さくなつていることがわかる。ここ
で、スライダ変形量を調べた結果も第3表に示す。これ
から、加工抵抗の小さい本発明材では、変形量も著しく
小さくなつていることがわかる。すなわち、本発明に係
るフツ素含有材料を用いれば、薄膜磁気ヘツド作製のた
めの機械加工時のチツピングを小さくでき、かつ精密に
作製作業が行える。さらに、No.7,9とNo.12,13の比較か
ら、Al2O3系材料に添加したBaF2,CaF2などのうち、有効
に作用しているのはBa,Caでなく、フツ素であることが
わかる。
実施例5 次に、スピネル構造酸化物系スライダ材料の場合につ
いて述べる。
第4表に示した各組成の原料粉末を、実施例4と同様
の方法で焼結して基板を得、試験した。
第4表には組成としてSiCが含まれるものも示した。S
iCの添加によつて粒径がより小さくなる効果があるため
に、この場合のようにスピネルが50体積%未満とならな
い範囲でSiCを添加することも可能である。No.19,25,2
8,31,34,37,40,43〜45のLi2O,CaO,BaOは、炭酸塩の形で
添加した。測定結果を第4表に示すが、粒径は本発明に
係るフツ素含有材料ではSiCを添加した場合に約1.5μ
m、添加しない場合に約3μmと、いずれの場合におい
ても5μm以下となつた。なお、この粒径は焼結温度に
よつても調整可能である。従来材(No.46,47)の粒径は
約3μmであるので、粒径の点では本発明に係る材料と
同程度であることがわかる。
さらに、基板に残留する添加アルカリ元素またはアル
カリ土類元素及びフツ素の量を分析した。但し、添加ア
ルカリ土類元素が、主材であるスピネルの成分と同じ場
合(No.14,20,27,30)には、それらの分離が困難である
ことから、フツ素の量を分析してアルカリ土類元素の量
に換算した。測定結果を第4表に示すが、いずれの場合
もアルカリ元素,アルカリ土類元素の量は0.14〜1.4重
量%、フツ素の量は0.3〜0.8重量%と、本発明の求める
範囲内であつた。なお、添加元素の残存量がこのように
変化しているのは、融点,蒸気圧,原子量などの違いに
よるものと考えられる。また、これらの添加元素の存在
場所を電子顕微鏡で調べたところ、いずれもスピネル結
晶粒の粒界に、一部偏析していた。
これらの基板を用いて第3図に示す磁気デイスク用薄
膜磁気ヘツドを作製した。この作製過程での機械加工に
おいて、#1500のダイヤモンド砥石を用いて基板に溝入
れ加工を行つた際の、溝の陵部に生じたチツピングの最
大値を調べた。砥石の送り速度は0.2mm/sec.とし、また
加工抵抗を相対値で比較した。第4表にこれらの測定結
果を併せて示す。フツ素を含有する材料については、チ
ツピングは従来材のMgAl2O4(No.46)よりも著しく低減
し、また加工抵抗はAl2O3−TiC(No.47)よりも小さく
なつていることがわかる。ここで、スライダ変形量を測
定した。この結果も第4表に示す。これから、フツ素含
有材は加工抵抗の小ささに対応して、変形量が小さいこ
とがわかる。さらにスピネル構造酸化物の場合には、フ
ツ素にかえてLi,Ba,Caなどのアルカリ元素,アルカリ土
類元素を含有することによつても、フツ素を含有するの
と同様の効果があることがわかる(No.19,25,28,31,37,
40,43〜45)。
実施例6 ZrO2系スライダ材料の場合について述べる。
第5表に示した各組成の原料粉末を、実施例5と同様
の方法で焼結し、試験した。すでに述べたように、ZrO2
の結晶相を安定化するための安定化剤が必要であるの
で、ここではY2O3を選び、ZrO2に対して9mol%を加え
た。また、組成の中にはTiC,SiC,Al2O3を含むものもあ
るが、ZrO2もしくは金属酸化物の合計が50体積%を下回
らない範囲で、各種の複合化材を加えることが可能であ
る。No.48,54のLi2O,BaOは炭酸塩の形で添加した。
測定結果を第5表に示す。粒径は、3.6〜8.5μmの範
囲で種々のものが得られたが、TiCやSiCの添加によつ
て、粒径を5μm以下に小さくできることがわかる。な
お、No.57の例ではTiCの添加にかかわらず、粒径が8.5
μmと大きくなつたが、電子顕微鏡で分析した結果、Ba
F2がAl2O3と反応したBaとAlの複酸化物をつくり、これ
が焼結中に液相を呈したために粒成長を促進し、粒径が
大きくなつたことがわかつた。フツ素の残存量は0.08〜
0.8重量%、Baやアルカリ元素の残存量は0.14〜1.4重量
%と、いずれも本発明の求める範囲内であつた。
加工チツピングの大きさは、フツ素を含有する材料に
ついては、比較材のZrO2,ZrO2+TiC(No.59,60)よりも
著しく低減していることがわかる。加工抵抗,スライダ
変形量についても同様である。さらにZrO2系材料の場合
には、フツ素にかえてLiなどのアルカリ元素やBaを含有
することによつても、フツ素と同様の効果があることが
わかる(No.48,54)。
実施例7 フツ素の量による影響を調べるために、第6表に示す
組成で原料を配合し、実施例4と同様の方法で焼結,加
工、及び試験を行つた。これらの結果を第6表に示す。
これによると、BaF2の添加量が多くなるほど残存するフ
ツ素の量が多くなつていることがわかる。しかし、粒径
についてはフツ素の量に依存しなかつた。結果として、
残存するフツ素の量が0.01重量%よりも少ない場合に
は、チツピング寸法と加工抵抗,スライダ変形量が大き
くなり、良好な材料は得られなかつた(No.67,71)。一
方、残存するフツ素の量が2重量%よりも多い場合に
は、加工抵抗,スライダ変形量はやや減少したが、チツ
ピング寸法は大きくなり(No.70,74)、残存するフツ素
の量が2重量%よりも多いと、焼結体が脆くなることが
わかつた。なお、デイスクとの摺動性はほとんど同じで
ある。
以上のことから、残存するフツ素の量は、加工性の点
で0.01重量%以上2重量%以下の範囲であることが必要
である。これは、他の金属酸化物でも同様であつた。
実施例8 アルカリ元素,アルカリ土類元素の量による影響を調
べるために、第7表に示す組成で原料を配合し、実施例
4と同様の方法で焼結,加工、及び試験を行つた。Li
2O,BaOは炭酸塩の形で添加した。これらの結果を第7表
に示す。これによると、Li2O,BaOの添加量が多くなるほ
ど残存するLi,Baの量が多くなつていることがわかる。
しかし、粒径についてはLi,Baの量に依存しなかつた。
結果として、残存するLi,Baの量が0.01重量%よりも少
ない場合には、チツピング寸法と加工抵抗,スライダ変
形量が大きくなり、良好な材料は得られなかつた(No.7
5,79)。一方、残存するLi,Baの量が8重量%よりも多
い場合には、加工抵抗,スライダ変形量はやや減少した
が、チツピング寸法は大きくなり(No.78,82)、残存す
るLi,Baの量が8重量%よりも多いと、焼結体が脆くな
ることがわかつた。なお、デイスクとの摺動性はほとん
ど同じである。
以上のことから、残存するLi,Baの量は、加工性の点
で0.01重量%以上8重量%以下の範囲であることが必要
であり、例えばLi,Ba以外に、Mg,Ca,Srであつても同様
である。ZrO2に添加するLi,Baについても同様であつ
た。
〔発明の効果〕 本発明は、磁気ヘッド浮上時、磁気ヘッドと磁気ディ
スクの衝突を回避するための、磁気ヘッド浮上量とスラ
イダの変形量の大きさの関係の臨界値を明らかにしたこ
とにより、磁気ヘッド加工工程の最適化、すなわち、最
小限の時間で必要十分な変形量を有するスライダの加工
指針を与えることができる。
更に、本発明によれば、磁気ヘツド用の各種の金属酸
化物ウエハの精密加工が容易に行えるので、磁気ヘツド
の小型化,精密化,歩留り向上を図ることができる。
これらの結果、設計浮上高さ0.05〜0.15μmの範囲に
おいても、磁気ヘツドと磁気デイスクの衝突を回避する
ことができる。したがつて、この浮上高さ領域におい
て、面記録密度100Mb/in2以上の情報の記録,再生を安
定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、磁気デイスク装置の1例を示す全体斜視図、
第2図は該磁気デイスク装置の平面図、第3図は磁気ヘ
ツドの1例を示す斜視図、第4図は磁気ヘツドの加工工
程を示す流れ図、第5図は変形スライダの、後方から見
た浮上状態を示す模式図、第6図はスライダ変形量と、
該スライダと磁気デイスクとが衝突する割合の関係を示
すグラフである。 1……磁気デイスク、2……DCモータ、3……磁気ヘツ
ド、4……アクチユエータ、5……ボイスコイルモー
タ、6……エアフイルタ、7……キヤリツジ、8……レ
ール、9……軸受、10……ボイスコイル、11……マグネ
ツト、12……スライダ、13……磁気ヘツド素子、14……
浮上面、15……ウエハ(基板)、16……正圧型浮動スラ
イダ、17……負圧型浮上スライダ、18……浮上高さ、19
……スライダ変形量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 邦裕 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 斉藤 翼生 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−8257(JP,A) 特開 昭62−278164(JP,A) 特開 昭63−113818(JP,A) 特開 昭64−55702(JP,A) 特開 昭62−248179(JP,A) 特開 昭61−99929(JP,A) 特開 昭63−185854(JP,A) 特開 昭63−176362(JP,A) 特開 昭63−69751(JP,A) 特開 昭63−122108(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を記録する薄膜磁気ディスクと、 該薄膜磁気ディスクの回転手段と、 浮動型スライダを備えて情報の書き込みと読み出しを行
    う磁気ヘッドと、 該磁気ヘッドを支持して、薄膜磁気ディスクに対して位
    置を変える手段と を具備した磁気ディスク装置において、 前記スライダ後端の磁気ヘッド素子先端から前記薄膜磁
    気ディスク表面までの設定浮上高さが0.05〜0.15μmの
    範囲内であること、 かつ前記スライダの浮上面後端における前記磁気ヘッド
    素子先端と前記スライダの最も突出したエッジとの間の
    距離とする変形量が0.002μm以上の範囲で、前記設定
    浮上高さの5%以内であり、かつ前記磁気ヘッドスライ
    ダが50体積%以上の酸化物セラミックスからなること を特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】前記薄膜磁気ディスクへの面記録密度が10
    0Mb/in2以上であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気ディスク装置。
  3. 【請求項3】前記スライダが、負圧型浮動スライダであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディ
    スク装置。
  4. 【請求項4】前記薄膜磁気ディスクの磁性膜の厚さが40
    0〜1000Åであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】情報を記録する薄膜磁気ディスクと、 該薄膜磁気ディスクの回転手段と、 浮動型スライダを備えて情報の書き込みと読み出しとを
    行う磁気ヘッドと、 該磁気ヘッドを支持して、薄膜磁気ディスクに対して位
    置を変える手段と を具備した磁気ディスク装置において、 前記スライダが、 酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、スピネル構造酸
    化物の中から選ばれた一種以上の金属酸化物を、全体の
    50体積%以上含有し、 フッ素を全体の0.01重量%以上2重量%以下含有した焼
    結体であることを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 【請求項6】前記スライダが、前記金属酸化物の他に、
    少なくとも炭化チタンまたは炭化珪素を含む焼結体であ
    ることを特徴とする請求項5記載の磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】前記フッ素に加えてアルカリ元素またはBa
    を、全体の0.01重量%以上8重量%以下含有した焼結体
    であることを特徴とする請求項5記載の磁気ディスク装
    置。
  8. 【請求項8】前記金属酸化物がスピネル構造酸化物であ
    り、前記フッ素の一部または全部に代えてアルカリ元素
    またはアルカリ土類元素を、全体の0.01重量%以上8重
    量%以下含有した焼結体であることを特徴とする請求項
    5記載の磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】前記スピネル構造酸化物が、Mg,Ca,Sr,Ba,
    Ni,Co,Mnの中から選ばれた1種類以上の元素の酸化物
    と、Al,Cr,Feの中から選ばれた1種類以上の元素の酸化
    物との反応物であることを特徴とする請求項5または請
    求項7記載の磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】前記アルカリ元素としてLiを、前記アル
    カリ土類元素としてMg,Ca,Sr,Baの中から選ばれた1種
    類以上の元素を含むことを特徴とする請求項8記載の磁
    気ディスク装置。
  11. 【請求項11】浮動型スライダと、 該スライダの表面に形成された薄膜磁気ヘッド素子と を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記スライダが、 酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、スピネル構造酸
    化物の中から選ばれた一種以上の金属酸化物を、全体の
    50体積%以上含有し、 フッ素を全体の0.01重量%以上2重量%以下含有した焼
    結体であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、
    スピネル構造酸化物の中から選ばれた一種以上の金属酸
    化物を、全体の50体積%以上含有し、 フッ素を全体の0.01重量%以上2重量%以下含有した焼
    結体であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド作製用ウエ
    ハ。
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