JP2023048759A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収体の厚みに関わらず、優れたフィット性を有し、漏れを抑制することができる吸収性物品を提供する。【解決手段】本発明の第一の形態は、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられた吸収体とを有する細長形状の本体を備えた吸収性物品であって、前記吸収体と前記裏面シートとの間に、前記吸収性物品の幅方向に伸縮可能な弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記幅方向の両端部に、伸張した状態で前記吸収体及び前記裏面シートと接合された接合部と、前記接合部よりも前記幅方向内側に位置する非接合部とを有している。【選択図】図1
Description
本発明は、吸収性物品に関する。
従来、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品として、透液性の表面シートと不透液性の裏面シートとの間に吸収体が設けられたものが知られている。このような吸収性物品においては、漏れを防止するために、吸収体の厚みを大きくしフィット性を高めることが知られている。
例えば、特許文献1には、上記吸収部の中央部に、肌当接面側へ隆起した上記吸収性物品の長手方向に延びる隆起部を備え、該隆起部に対応する上記吸収部の非肌当接面側には、上記吸収性物品の長手方向に延びる溝を備える吸収性物品が開示されている。溝によって隆起部が肌当接面側に隆起して装着者に沿った形状となるので、良好なフィット性が発揮され、漏れが防止される、というものである。
しかしながら、特許文献1に記載の吸収性物品は、吸収体の厚みが大きいため、吸収性物品を折り畳んで個包装体とした際に、個包装体としての厚みも大きくなり、持ち運びの利便性に欠ける点がある。また、特許文献1に記載の吸収性物品は、吸収体の厚みが大きいため、装着時に衣類に響きやすい。
上記の点に鑑みて、本発明の一形態は、吸収体の厚みに関わらず、優れたフィット性を有し、漏れを抑制することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の第一の形態は、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられた吸収体とを有する細長形状の本体を備えた吸収性物品であって、前記吸収体と前記裏面シートとの間に、前記吸収性物品の幅方向に伸縮可能な弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記幅方向の両端部に、伸張した状態で前記吸収体及び前記裏面シートと接合された接合部と、前記接合部よりも前記幅方向内側に位置する非接合部とを有している。
上記第一の形態によれば、弾性部材が幅方向内側に収縮することにより、吸収性物品の本体(吸収性物品本体)に幅方向内向きの力が加わるため、吸収性物品本体を表面シート側に向けて隆起させることができる。吸収性物品本体が、表面シート側に向けて隆起することにより、吸収性物品本体を使用者の身体に沿った形状とすることができるため、吸収体の厚みに関わらず、例えば、厚みの小さい吸収体であっても、優れたフィット性を発揮し、漏れを抑制することができる。
本発明の第二の形態は、前記吸収体の少なくとも前記幅方向における両側部に設けられた、前記吸収性物品の長手方向に延在する圧搾溝を有し、前記接合部は、平面視で、前記圧搾溝よりも前記幅方向外側に配置されている。
上記第二の形態によれば、圧搾溝近傍が変形しやすくなるため、圧搾溝を起点として吸収性物品本体を表面シート側に向けて容易に隆起させることができる。そして、接合部が、平面視で圧搾溝よりも幅方向外側に配置されているため、圧搾溝より幅方向内側の領域に、弾性部材による幅方向内向きの力が加わり、圧搾溝を起点として吸収性物品本体を表面シート側に向けてより容易に隆起させることができる。また、吸収性物品の長手方向に延在する圧搾溝が吸収体の少なくとも幅方向における両側部に設けられているため、吸収性物品本体を長細形状に隆起させることができ、より吸収性物品本体を使用者の身体に沿った形状とすることができる。よって、吸収性物品は、より優れたフィット性を発揮し、漏れをより抑制することができる。
本発明の第三の形態は、前記裏面シートに設けられた、前記吸収性物品を下着に固定するズレ止め部を有し、前記ズレ止め部は、平面視で、前記非接合部よりも前記幅方向外側に配置されている。
上記第三の形態によれば、吸収性物品を幅方向外側に引っ張り、隆起部の高さを所望の高さに調整し、その状態で吸収性物品を下着に固定することで、隆起部を任意の高さで装着することができ、使用者の体型や好みに応じたフィット性を提供することができる。また、吸収性物品本体が隆起する際に、ズレ止め部同士が接触し接着することを防止することができ、装着性を向上させることができる。
本発明の第四の形態は、前記本体の前記幅方向両側部から延出された一対のウィングを有し、前記ズレ止め部は、前記ウィングの前記裏面シート側の面に設けられている。
上記第四の形態によれば、吸収性物品本体の幅方向両側部から延出されたウィングを把持しやすく、ウィングを把持して吸収性物品本体を幅方向外側に引っ張ることができるので、隆起部の高さを所望の高さに容易に調整することができる。
本発明の一形態によれば、吸収体の厚みに関わらず、優れたフィット性を有し、漏れを抑制することができる吸収性物品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。本明細書において、吸収性物品の長手方向とは、着用者の前後方向に対応し、前方とは、着用者の腹側を示し、後方とは、着用者の背側を示す。
図1は、一実施形態による吸収性物品の平面図であり、図2は、図1のI-I断面図である。図2では、後述する吸収体接着剤層12、12及び裏面シート接着剤層13、13は省略している。図3は、弾性部材が伸張した状態における図1のII-II断面の模式図であり、図4は、弾性部材が収縮した状態における図1のII-II断面の模式図である。図3及び図4では、後述するサイド不織布7、7及び圧搾溝11は省略している。図1及び図2に示すように、吸収性物品1は、不透液性の裏面シート2と、透液性の表面シート3と、これら両シート2、3間に設けられた吸収体4とを有する本体(吸収性物品本体)10を備えている。吸収性物品本体10は、表面シート3と吸収体4との間にセカンドシート9を有していてもよい。また、吸収体4の形状保持等のために、吸収体4は、クレープ紙又は不織布等からなる(図示しない)被包シートによって包まれていてもよい。吸収性物品1の使用時には、吸収性物品1の裏面シート2側がショーツ(下着)等のクロッチ部に固定され、表面シート3側が肌側となるように装着する。なお、図1に示す実施形態では、吸収性物品1は、吸収性物品本体10の幅方向D2両側部から延出された一対のウィングW、Wを有しているが、ウィングがない形態とすることができる。
吸収性物品本体10は、全体としては、長手方向(図中の第1方向D1)に所定の長さを有し、長手方向と直交する幅方向(図中の第2方向D2)に所定の幅を有する細長い形状(細長形状)を有している。吸収性物品本体10の幅は、図示の例では略一定となっているが、長手方向にわたって変化していてもよい。吸収性物品本体10は、長手方向に延びる中心線(長手方向中心線)CLに対し略線対称の形状及び構造を有していてよい。また、実施の形態における所定の作用効果を奏する限り、非対称の形状および構造を有しても良い。
また、吸収性物品本体10は、装着時に装着者の排血口、排尿口等の体液排出口に対応する領域(体液排出口対応領域)30を有している。体液排出口対応領域30は中心31を有している。体液排出口対応領域の中心31は、長手方向中心線CL上にあり、長手方向D1における体液排出口対応領域30の長さの中央に位置している。そして、吸収性物品1は、体液排出口対応領域30を含む中央領域Mと、中央領域Mの前方にある前方領域Fと、中央領域Mの後方にある後方領域Rとを有する。中央領域Mは、装着時には装着者の排尿口から肛門までの股間の部分におおよそ対応する領域であってよい。また、後方領域Rは、装着者の臀部の溝に対応する領域、具体的には、装着者の臀部の溝に対応する部分を含みつつ前後方向に広がる領域(臀部溝対応領域)である。後方領域Rは、臀裂部全体をカバーする領域ということもできるし、会陰の後方又は肛門付近から尾てい骨の下端付近までの領域ということもできる。後方領域Rの前端は、吸収性物品1の前端から110~170mm程度後方に、体液排出口対応領域30から30~60mm程度後方に位置し得る。
図1においては、本形態は、前方領域Fの長さと後方領域Rの長さとがほぼ同じであるように示されているが、後方領域Rの長さが、前方領域Fの長さよりも長くなっていてもよく、前方領域Fの長さが、後方領域Rの長さよりも長くなっていてもよい。
吸収性物品1の全長は、140~360mmであると好ましく、230~270mmであるとより好ましく、240~260mmであるとより一層好ましい。なお、後方領域Rの長手方向の長さは、70~250mmとすることができる。
吸収体4の前方及び後方の端縁部では、裏面シート2と表面シート3との外縁がホットメルト等の接着剤やヒートシール、超音波シール等の接着手段によって接合されている。また、吸収体4の側方においては、表面シート3側の両側部に長手方向に沿って設けられたサイド不織布7、7と、裏面シート2とが上記接着手段によって接合されており、これにより上述のウィングW、Wが形成されていてよい。
裏面シート2としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シート等の少なくとも遮水性を有するシート材を用いることができる。ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布の積層シート等を用いることができる。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられることがさらに望ましい。このような遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
表面シート3は、経血、おりもの、尿等の体液を速やかに透過させる透液性のシートである。表面シート3としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシート等が好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、及びこれらの混紡繊維、並びに綿等の天然繊維を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、不織布の加工法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等が挙げられる。これらの加工法のうち、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む不織布を製造できる点で好ましく、サーマルボンド法は嵩高でソフトな不織布を製造できる点で好ましい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を用いることができる。
裏面シート2と表面シート3との間に介在される吸収体4は、体液を吸収して保持できる材料であれば限定されないが、綿状パルプと吸水性ポリマーとを含むことが好ましい。吸水性ポリマーとしては、高吸水ポリマー粒状粉(superabsorbent polymer(SAP))、高吸水ポリマー繊維(superabsorbent fiber(SAF))及びこれらの組合せを用いることができる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられる。化学パルプの原料材としては、広葉樹材、針葉樹材等が用いられるが、繊維長が長いこと等から針葉樹材が好適に使用される。
また、吸収体4には合成繊維を混合してもよい。合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、及びこれらの共重合体を使用することができ、これらのうちの2種を混合して使用することもできる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維も用いることができる。なお、疎水性繊維を親水化剤で表面処理し、体液に対する親和性を付与したものを用いることもできる。
吸収体4の厚みは、0.5~25mmの範囲内とすることができ、1.5~6.5mmの範囲であると好ましい。吸収体4は、全面にわたり均一な厚みを有していなくてもよい。また、吸収体4は、積繊又はエアレイド法によって製造されたものが好ましい。
サイド不織布7としては、撥水処理不織布又は親水処理不織布を使用することができる。例えば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する効果又は肌触り感を高める場合は、シリコン系、パラフィン系の撥水剤等をコーティングした撥水処理不織布を用いることが好ましい。また、ウィングにおける経血等の吸収性を高める場合には、不織布の材料として、親水処理された不織布を用いることが好ましい。不織布の種類としては、折り癖が付きにくく、シワになりにくく柔らかいエアスルー不織布が好ましい。
セカンドシート9は、体液に対して親水性を有するものであればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができ、この他に、多孔性プラスチックシートを用いることもできる。このセカンドシート9は、表面シート3の裏面シート2側の面に隣接して積層した状態で、表面シート3及びセカンドシート9を一体的に熱融着することにより接合される。なお、本実施形態では、セカンドシート9を有しているが、セカンドシート9を有していない構成とすることができる。
吸収体4と裏面シート2との間に、吸収性物品1の幅方向D2に伸縮可能な弾性部材5a、5b、5c、5d、5eが設けられ、弾性部材は、幅方向D2の両端部に、伸張した状態で吸収体4及び裏面シート2と接合された接合部Aと、接合部Aよりも幅方向D2内側に位置する非接合部Bとを有している。接合部Aは、接合手段として、図3に示すように、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの吸収体4側(表面シート3側)の面に吸収体接着剤層12、12を有し、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの裏面シート2側の面に裏面シート接着剤層13、13を有する。本実施形態では、接合手段として、接着剤層を用いているが、これに限らず、融着、圧着等、任意の接合手段を用いることができる。非接合部Bは、少なくとも吸収体4と接合されていない部分である。非接合部Bは、裏面シート2と接合されていなくてもよく、接合されていてもよい。図4に示すように、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eが幅方向D2内側に収縮することにより、吸収性物品本体10に幅方向D2内向きの力Fが加わるため、吸収性物品本体10を表面シート側3に向けて隆起させることができる。吸収性物品本体10が、表面シート3側に向けて隆起することにより、吸収性物品本体10を使用者の身体に沿った形状とすることができるため、吸収体4の厚みに関わらず、例えば、厚みの小さい吸収体4であっても、優れたフィット性を発揮し、漏れを抑制することができる。
長手方向D1において、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eと体液排出口の中心31との距離は、20~80mm以下であることが好ましい。これにより、吸収性物品本体10を表面シート側3に向けて容易に隆起させることができ、吸収性物品本体10をより使用者の身体に沿った形状とすることができる。さらに、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、長手方向D1において、ウィングW、Wを含む領域内に配置されることが好ましい。これにより、ウィングW、Wを把持して吸収性物品本体10を幅方向外側に引っ張ることで、隆起部14の高さを所望の高さに、より容易に調整することができる。
非接合部Bの長さは、伸張した状態で、10mm以上であることが好ましく、40~80mmであることがより好ましい。これにより、吸収性物品本体10を表面シート側3に向けて十分な高さで隆起させることができ、吸収性物品本体10を使用者の身体に良好にフィットさせることができる。弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの両端は、吸収性物品本体10の領域内、且つ吸収体4の幅方向D2両端の外側に配置されていてもよい。即ち、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの両端は、ウィングW、Wには配置されない。
弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、糸状の部材(例えば、糸ゴム)であってよく、吸収性物品1の幅方向D2に亘って、且つ長手方向D1に沿って所定の間隔を置いて配置されている。5本の弾性部材5a、5b、5c、5d、5eのうち、中央に位置する弾性部材5cは、体液排出口対応領域の中心31に位置している。弾性部材5a、5bは、体液排出口対応領域の中心31から、吸収性物品1の前端側に、また、弾性部材5d、5eは、体液排出口対応領域の中心31から、吸収性物品1の後端側に、それぞれずれた位置に配置されている。弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、等間隔に配置されていてもよく、異なる間隔で配置されていてもよい。例えば、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、体液排出口対応領域の中心31との距離が近い程、間隔を小さくし、それに対し、体液排出口対応領域の中心31との距離が遠い程、間隔を大きくしてもよい。また、本実施形態では、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、互いに平行に配置しているが、互いに交差させて配置していてもよい。本実施形態では、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eを5本有しているが、これに限らず、本数は、4本あるいは6本以上等、吸収体4の大きさ、厚さなどに応じて、任意の数に設定できる。なお、本実施形態では、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、糸状であるが、これに限らず、伸縮性を有するシート状の部材であってもよい。
弾性部材5a、5b、5c、5d、5eは、収縮した状態(自然長)に対して125~225%伸張した状態で、吸収体4及び裏面シート2と接合されていることが好ましい。これにより、吸収性物品本体10を表面シート側3に向けて十分に隆起させることができると共に、吸収性物品1を幅方向D2外側に引っ張ることができ、隆起部14の高さを所望の高さに調整することができる。吸収体4及び裏面シート2と接合される時の、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの収縮した状態の長さに対する伸張した状態の長さの割合(以下、「伸張率」という)は、複数の弾性部材5a、5b、5c、5d、5eにおいて、同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。例えば、体液排出口対応領域の中心31との距離が近い程、伸張率を大きくし、それに対し、体液排出口対応領域の中心31との距離が遠い程、伸張率を小さくしてもよい。例えば、体液排出口対応領域の中心31との距離が近い程、伸張率を小さくし、それに対し、体液排出口対応領域の中心31との距離が遠い程、伸張率を大きくしてもよい。また、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの弾性力(張力)は、任意の大きさを選択することができる。弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの弾性力も、複数の弾性部材5a、5b、5c、5d、5eにおいて、同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。例えば、弾性部材5cの弾性力を大きくし、それ以外の弾性部材5a、5b、5d、5eの弾性力を小くしてもよい。
吸収性物品1は、吸収体4の少なくとも幅方向D2における両側部に設けられた、吸収性物品1の長手方向D1に延在する圧搾溝11を有していることが好ましい。この圧搾溝11は、表面シート3から裏面シート2側に窪む溝として形成されたものである。圧搾溝11は、平面視で、吸収性物品1の長手方向中心線CLを対称線とする線対称に形成されていてよい。圧搾溝11は、吸収体4の上に表面シート3を積層させた積層体を、一対の加圧ロールの間に通過させることによって形成することができる。例えば、積層体の表面シート3側及び吸収体4側に、凸状のロール及び平坦なロールが配置されるようにして、両ロールから加圧することができる。
圧搾溝11の平面視形状は、本実施形態では、ループ状であるが、これに限らず、任意の形状とすることができる。例えば、吸収体4の幅方向D2における両側部にそれぞれ、長手方向D1に延在する円弧状の一対の圧搾溝が設けられていてもよい。また、圧搾溝11の数は、2本以上であってもよく、任意の数とすることができる。
接合部Aは、平面視で、圧搾溝11よりも幅方向D2外側に配置されている。これにより、圧搾溝11近傍が変形しやすくなるため、圧搾溝11を起点として吸収性物品本体10を表面シート3側に向けて容易に隆起させることができる。接合部Aが、平面視で圧搾溝11よりも幅方向D2外側に配置されているため、圧搾溝11より幅方向D2内側の領域に、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eによる幅方向D2内向きの力Fが加わり、圧搾溝11を起点として吸収性物品本体10を表面シート3側に向けてより容易に隆起させることができる。また、吸収性物品1の長手方向D1に延在する圧搾溝11が吸収体4の少なくとも幅方向D2における両側部に設けられているため、吸収性物品1を長細形状に隆起させることができ、より吸収性物品1を使用者の身体に沿った形状とすることができる。よって、より優れたフィット性を発揮し、漏れをより抑制することができる。
圧搾溝11は、吸収性物品本体10を表面シート3側に向けてより隆起させる起点としての機能の他に、体液を引き込んで長手方向D1に誘導する機能を有する。吸収性物品1の通常の使用においては、体液は、体液排出口対応領域30を含む中央領域Mに直接的に排出される。中央領域Mにおいて受けとめられた体液の一部は、受けとめられた位置で表面シート3を通って吸収体4に吸収されるが、一部は吸収体4内を面方向に拡散して移行し得る。拡散の際、体液は、吸収体4の密度が高くなっている圧搾溝11に沿って長手方向D1に誘導され得る。よって、本形態の吸収性物品1は、圧搾溝11により体液を引き込んで長手方向D1に誘導することができる。
圧搾溝11は、低圧搾部と、低圧搾部よりも深い窪みを有するように形成された高圧搾部とを有することが好ましい。高圧搾部は、図1の黒色で示した箇所に形成されていてよい。高圧搾部があることで、体液を引き込み、誘導する機能を高めることができるので好ましい。
裏面シート2の下着との対向面(非肌面側)には、装着中に吸収性物品1をショーツ(下着)等のクロッチ部に固定するためのズレ止め部8が設けられており、ズレ止め部8は、平面視で、非接合部Bよりも幅方向D2外側に配置されている。ズレ止め部8は、粘着剤層からなっていることが好ましい。これにより、吸収性物品1を幅方向D2外側に引っ張り、隆起部14(隆起させる部分)の高さを所望の高さに調整し、その状態で吸収性物品1を下着に固定することで、隆起部14を任意の高さで装着することができ、使用者の体型や好みに応じたフィット性を提供することができる。また、吸収性物品本体10が隆起する際に、ズレ止め部同士が接触し接着することを防止することができ、装着性を向上させることができる。ズレ止め部8は、ウィングW、Wの裏面シート2側の面に設けられていることが好ましい。これにより、吸収性物品本体10の幅方向D2両側部から延出されたウィングW、Wを把持しやすく、ウィングW、Wを把持して吸収性物品本体10を幅方向D2外側に引っ張ることができるので、隆起部14の高さを所望の高さに容易に調整することができる。ウィングW、Wを有さない場合は、ズレ止め部8は非接合部Bの外側に形成するのが好ましい。
次に、吸収性物品1の変形例について説明する。図5は、一実施形態による吸収性物品の第一変形例を示す、弾性部材が収縮した状態における図1のII-II断面の模式図である。図6は、一実施形態による吸収性物品の第二変形例を示す平面図であり、図7は、図6のIII-III断面の模式図である。図5及び図7では、サイド不織布7、7及び圧搾溝11は省略している。
弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの非接合部Bは、裏面シート2と接合する部分を含んでいてもよい。図5に示す例では、裏面シート接着剤層13は、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eの裏面シート2側の面に断続的に複数、設けられている。これにより、弾性部材5a、5b、5c、5d、5eが収縮した状態において、裏面シート2のシワが分散するため、装着性を向上させることができる。
ズレ止め部8は、裏面シート2において、平面視で、非接合部Bよりも幅方向D2外側に配置されていればよく、任意の場所に配置することができる。また、ズレ止め部8の形状、数、サイズは、任意の形状、数、サイズとすることができる。図6及び図7に示す例では、ズレ止め部8は、平面視で、非接合部Bよりも幅方向D2外側において、前方領域F、中央領域M、及び後方領域Rに亘って、長手方向中心線CLの両側に1本ずつ設けられていている。また、ズレ止め部8は、平面視で接合部Aと重なる部分を含んでいてもよい。ズレ止め部8は、裏面シート2における、非接合部Bの投影面を除く領域に設けられている。換言すると、ズレ止め部8は、裏面シート2における、非接合部Bの投影面に設けられていない。これにより、隆起部14を所望の高さに調整した状態で、より容易に吸収性物品1を下着に固定することができる。また、図1に示す例と、図6に示す例を組み合わせて、ズレ止め部8を、ウィングW、Wの裏面シート2側の面、及び、非接合部Bよりも幅方向D2外側において、前方領域F、中央領域M、及び後方領域Rに亘って、長手方向中心線CLの両側に設けてもよい。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 吸収性物品
2 裏面シート
3 表面シート
4 吸収体
5a、5b、5c、5d、5e 弾性部材
7 サイド不織布
8 ズレ止め部
9 セカンドシート
10 本体(吸収性物品本体)
11 圧搾溝
12 吸収体接着剤層
13 裏面シート接着剤層
14 隆起部
30 体液排出口対応領域
31 体液排出口対応領域の中心
A 接合部
B 非接合部
CL 長手方向中心線
F 前方領域
M 中央領域
R 後方領域
D1 第1方向(長手方向)
D2 第2方向(幅方向)
W ウィング
2 裏面シート
3 表面シート
4 吸収体
5a、5b、5c、5d、5e 弾性部材
7 サイド不織布
8 ズレ止め部
9 セカンドシート
10 本体(吸収性物品本体)
11 圧搾溝
12 吸収体接着剤層
13 裏面シート接着剤層
14 隆起部
30 体液排出口対応領域
31 体液排出口対応領域の中心
A 接合部
B 非接合部
CL 長手方向中心線
F 前方領域
M 中央領域
R 後方領域
D1 第1方向(長手方向)
D2 第2方向(幅方向)
W ウィング
Claims (4)
- 透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられた吸収体とを有する細長形状の本体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体と前記裏面シートとの間に、前記吸収性物品の幅方向に伸縮可能な弾性部材が設けられ、
前記弾性部材は、前記幅方向の両端部に、伸張した状態で前記吸収体及び前記裏面シートと接合された接合部と、前記接合部よりも前記幅方向内側に位置する非接合部とを有している、吸収性物品。 - 前記吸収体の少なくとも前記幅方向における両側部に設けられた、前記吸収性物品の長手方向に延在する圧搾溝を有し、
前記接合部は、平面視で、前記圧搾溝よりも前記幅方向外側に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記裏面シートに設けられた、前記吸収性物品を下着に固定するズレ止め部を有し、
前記ズレ止め部は、平面視で、前記非接合部よりも前記幅方向外側に配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記本体の前記幅方向両側部から延出された一対のウィングを有し、
前記ズレ止め部は、前記ウィングの前記裏面シート側の面に設けられている、請求項3に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021158251A JP2023048759A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021158251A JP2023048759A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 吸収性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023048759A true JP2023048759A (ja) | 2023-04-07 |
Family
ID=85779749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021158251A Pending JP2023048759A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023048759A (ja) |
-
2021
- 2021-09-28 JP JP2021158251A patent/JP2023048759A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240815 |