JP2022102875A - 低分子エラスチンペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な分子量分布を有するエラスチンを提供する。【解決手段】分子量1000以下となるものの占める割合が30%以上70%未満となるエラスチン分解ペプチドを含む組成物。前記組成物はエラスチンをプロテアーゼ及びエラスターゼで分解して得られ、皮膚改善用食品組成物、および皮膚改善用化粧品組成物として利用できる。【選択図】図1

Description

本発明は、エラスチンを分解して得られるペプチド、エラスチンペプチドに関する。
エラスチンは、脊椎動物の動脈、真皮等に存在し、通常、生体内においては、3次元の網目構造の不溶性のタンパク質として存在している。水に不溶性のエラスチンは、酸、アルカリ処理、又は酵素で処理することによって、加水分解し、水溶性エラスチンが得られている。そして、水溶性エラスチンは、化粧品、特に保湿剤として利用され、皮膚に弾力を与える等の美容効果があるとして、コラーゲン等と共に健康食品としても利用されている。更に、水溶性エラスチンは、人工血管等の再生医療分野においても利用が進んでいる。
水溶性エラスチンは、酸、アルカリ処理、パパイン、種々の微生物由来のプロテアーゼ等により加水分解することで得られる。エラスチンは、処理方法、エラスチンの由来により得られるエラスチンの分子量が異なる。かつお由来の分子量43,000以上のエラスチンに血小板凝集阻害効果を有することが報告されているが(特許文献2)、化粧品、健康食品として利用する場合に、どの分子量の水溶性エラスチンが最適かは不明な点も多い。
特開2007-45722号公報 特開2011-093872号公報
本発明は、新規な分子量分布を有するエラスチンを得ることを課題とする。
本発明者らは、特定の分子量を含むエラスチン分解ペプチドは、ヒアルロニダーゼ阻害活性及びチロシナーゼ阻害活性が他の分子量分布のエラスチン分解ペプチドを比較し、活性が高いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下のようになる。
(1)分子量1000以下となるものの占める割合が30%以上70%未満となるエラスチン分解ペプチドを含む組成物。
(2)エラスチンをプロテアーゼ及びエラスターゼで分解して得られる前記(1)のエラスチン分解ペプチドを含む組成物。
(3)前記(1)の組成物を含む皮膚改善用食品組成物。
(4)前記(1)の組成物を含む皮膚改善用化粧品組成物。
本発明のエラスチン分解ペプチドは、ヒアルロニダーゼ阻害活性及びチロシナーゼ阻害活性が高いため、本発明のエラスチン分解ペプチドを含む組成物は、特に肌の美白性、皮膚の弾性及びハリの低下、肌荒れ等の皮膚老化を効果的に防止する組成物として有用であり、医薬品、化粧料、食品組成物等に利用することができる。
実施例における分子量分布 筋原繊維の分解性 エラスチンの分解性
本発明は、例えば、魚類に含まれる動脈球など、エラスチンを多く含むものを原料として、本発明のエラスチン分解ペプチドをえることができる。
エラスチンは、動脈、靭帯、皮膚など弾性組織に広く分布しているタンパク質である。本発明では、エラスチンを多く含む原料であれば、特に制限なく、使用することができる。エラスチンは、例えば、畜産物の項靭帯や動脈、魚介類の動脈球などに存在するものを利用することができる。より具体的には、例えば、哺乳類であれば、豚、牛などの大動脈血管、組織、魚類であれば、マグロ、カツオなふぉの動脈球を使用することができる。
本発明では、エラスチンを多く含む原料を使用し、分子量1000以下となるものの占める割合が30~50重量%となるよう、酵素などを用いて、エラスチンを分解することで製造することができる。分解方法は、プロテアーゼなどの酵素を使用する方法、酸やアルカリ処理により分解する方法、又はその組み合わせなどを利用することができる。酵素は、複数組み合わせて処理しても良い。特に好ましい方法は、酵素プロテアーゼとエラスターゼで処理する方法である。使用するプロテアーゼは特に制限なく、一般的なプロテアーゼを使用することができる。特に好ましくは、エンド型プロテアーゼを使用する。エンド型プロテーゼは、市販のものを使用することができ、例えば、ビオプラーゼ(長瀬産業社製)、パパイン、ブロメライン、プロチンSD-AY10、プロチンNY100、プロテアーゼNアマノ(天野エンザイム社製)、ニュートラーゼ、アルカラーゼ、トリプシン、キモトリプシン(ノボザイム社製)等がある。
エラスターゼは、エラスチン分解能を有するプロテアーゼ等を使用する。エラスチン分解能を有するプロテアーゼとしては、例えば、アルカリ性プロテアーゼ、耐熱性プロテアーゼなどがある、より具体的には、ビオブラーゼ(長瀬産業社製)、プロチンAC-10F(天野エンザイム社製)、ペプシン(天野エンザイム社製)、ノボザイムFM(ノボザイム社製)、サーモリシンなどがある。例示した酵素の反応条件は、使用する酵素の一般的な条件で良い。
さらに、本発明では、エラスターゼとして、エラスチン分解特性の高い酵素を用いるとさらに好ましい。このような酵素としては、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むものである。本発明のポリペプチドは、配列番号1アミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むものである(以下、本願では、「エラスチン高分解性酵素」という)。
前段のエラスチン高分解性酵素は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、約18kDa、約14kDa、又は約11kDaの分子量をしめし、単体の分子量組成としても良いが、約18kDa及び約14kDa及び約11kDa、18kDa及び14kDa、18kDa及び11kDa、又は14kDa及び11kDaの複合分子量を組成物としても良い。
エラスチン高分解性酵素は、分子量約18kDa、約14kDa、又は約11kDaを示し、配列番号1のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。配列同一性は、例えば、配列番号1の配列に対して、クエリー配列(評価対象の配列)を、適切にアラインメントし、算出された値である。具体的には、本願においては、配列同一性は、CLUSTALアルゴリズムで算出された値である。また、約14kDa及び約11kDaの分子量を示すポリペプチドのアミノ酸配列は、不明だが、配列番号1のアミノ酸配列のうち、N末端側、又はC末端側が切断されているポリペプチドである。
エラスチン高分解性酵素は、遺伝子工学的に製造することができる。本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は、配列番号1をコードする塩基配列、又は配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列から選択し、利用することができる。塩基配列の配列同一性は、CLUSTA L アルゴリズムで算出された値である。
エラスチン高分解性酵素は、当該ポリペプチドの発現用担体を用いて、例えば、Streptomyces属などの放線菌を宿主として、製造することができる。使用するベクターは、放線菌用ベクターであれば利用でき、特開2014-207898に記載のベクターなどを利用することができる。宿主とする放線菌は、一般に入手可能な放線菌を利用することができるが、特にStreptomyces属に属する放線菌を利用することが望ましい。具体的には、例えば、Streptomyces erythraeus、Streptomyces griseus、Streptomyces omiyaensis、Streptomyces fradiae、Streptomyces roseoflavus、Streptomyces septatus、Streptomyces lividans、Streptomyces lavendulae、Streptomyces virginia、Streptomyces coelicolor などがある。本発明の組み換えポリペプチドの製造では、培地組成、培地pH、培養温度、培養時間などは、適宜最適条件を決定することで効率よく製造することができる。
エラスチン高分解性酵素は、組み換えによる遺伝学的製造以外に、Streptomyces属の微生物から単離することができる。例えば、Streptomyces erythraeus、Streptomyces griseus、Streptomyces omiyaensis、Streptomyces fradiae、Streptomyces roseoflavusなどがある。当該微生物から、一般的なタンパク質を分離し、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、且つ分子量約18kDa、約14kDa、又は約11kDaを示すポリペプチドを単離する。
培養工程で用いる培地は、本発明で使用する細胞が資化できる炭素源、窒素源、無機塩類を含有する培地を使用することができる。天然培地、合成培地のいずれを用いても良い。
炭素源として、ブドウ糖、酢酸、エタノ-ル、グリセロ-ル、糖蜜、亜硫酸パルプ廃液等が用いられ、窒素源としては、尿素、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸塩などが使用される。リン酸、カリウム、マグネシウム源も過リン酸石灰、リン酸アンモニウム、塩化カリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の通常の工業用原料でよく、その他亜鉛、銅、マンガン、鉄イオン等の無機塩を添加する。その他は、ビタミン、アミノ酸、核酸関連物質等を使用しないでも培養可能であるが、これらを添加しても良い。カゼイン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン等の有機物を添加しても良い。
培養条件は、培地の種類、培養方法などにより適宜選択すればよく、細胞が増殖し、本発明の酵素を産生できる条件であれば特に制限はない。一般には、液体培地中で振盪培養または通気攪拌培養などの好気的条件下で、25~35℃、好ましくは27℃~30℃で6~96時間行われる。pHは、3.0~9.0、好ましくは5.0~8.5、より好ましくは6.0~8.0、さらに好ましくは6.0~7.0に調整し培養する。pHは、培養開始時に調整後、一定pHになるよう調整してもよいし、培養調整後、一定時間おきに調整する方法でもよい。培養pHの調整は、無機酸または有機酸、アルカリ溶液などを用いて行うことができる。
培養後、培養上清を得る。培養上清は、細胞と培地成分を分離することで得られる。分離方法は、遠心分離、フィルタープレスなど、一般的な方法でよい。
培養上清を酵素液として使用することもできるが、UF濃縮、疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等により処理し、精製し、酵素液を得ても良い。
酵素液は、そのままエラスチンエラスターゼとして使用できるが、乾燥してもよい。乾燥方法に制限はないが、酵素活性を損なわない乾燥方法を適宜選択する。
エラスチン高分解性酵素の至適反応pHは、7.0~11.0、至適温度は、50~80℃である。
本発明のエラスチン分解ペプチドの製造は、前段までの酵素を用いる以外は、任意の方法で良い。例えば、原料となるエラスチン含有物(かつお動脈球)をアルカリ性水溶液処理する。アルカリ性水溶液としては、0.01~0.5Nの水酸化ナトリウム溶液を用いる。アルカリ水溶液は、原料の動脈球の湿重量に対して、質量比で1~2倍量を使用する。アルカリ性水溶液処理の温度、時間は任意であるが、4~25℃程度、0.5~6時間程度処理する。当該処理は、エラスチン含有原料の臭気を除去するために行われる。
当該処理後、熱処理をする。これにより、エラスチン以外のタンパク質、コラーゲンを溶解させる。これらが除去できる条件であれば、任意に採用することができるが。通常は、熱処理、アルカリ熱処理などで除去する。アルカリ熱処理の場合は、0.1~0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を湿重量に対して、質量比で1~2倍量使用し、60~90℃、0.5~2時間加熱する。処理後中和処理をしても良い。中和処理は、慣用されている方法、例えば、塩酸を用いて処理をする。
前段の処理の後、酵素反応を行う。使用する酵素は、前記の酵素を用いる。酵素分解は、プロテアーゼ及びエラスターゼを用いることが好ましいが、両酵素は、同時に反応しても、別々に反応させても良い。同時に反応させる場合は、例えば、エラスチン高分解性酵素とプロチンSD-AY10を混合した溶液を通常のプロテアーゼ処理に用いる添加量、反応条件で処理する。酵素処理後は、常法により、酵素を失活させる。
酵素処理後は、そのまま、エラスチン分解ペプチド含有組成物として利用することができるが、ろ過、遠心分離等の任意の方法により、不溶解物を除去しても良い。また、必要に応じて、活性炭等の吸着剤を利用して不純物を除去しても良い。このようにして得られたエラスチン分解ペプチドは、そのまま用いることができるが、濃縮、濃縮後に噴霧乾燥又は凍結乾燥などの方法により粉末化しても良い。
以上のような製造方法により得られる、エラスチン分解ペプチドのうち、分子量が1000以下のものが、30~70重量%未満となるよう調整する。本発明において、分子量および分子量分布はゲル濾過カラムクロマトグラフィー(HPLC)により分析して決定する。分子量が1000以下のものが、30~70重量%未満となるよう酵素分解の条件を調整することにより得られるが、酵素分解条件だけでなく、高分子分を常法により除去することにより、調整してもよい。
本発明のエラスチン分解ペプチドの摂取量は、エラスチン分解ペプチドが含有していればよく、特に制限はない。
本発明のエラスチン分解ペプチドは、特に限定されず、食品としてするだけでなく、化粧品又は皮膚外用剤として適用することができる。例えば、経口投与、静脈内、腹膜内もしくは皮下投与等の非経口投与をあげることができる。具体的には、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、又は注射剤、クリーム剤等の非経口剤のいずれでもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(エラスチン高分解性酵素の製造)
(1)Streptomyces nanshensis(JCM 16226)の胞子懸濁液(10個/ml以上)白金耳を種培地(可溶性コーンスターチ30g/l、コーン・スティープ・リカー30g/l、硫酸アンモニウム1g/l 、硫酸マグネシウム0.5g/l、炭酸カルシウム3g/l、pH7.0)20mlに接種し200ml容三角フラスコで28℃、200rpmで12時間培養し、種培養終了液を得た。
(2)得られた種培養終了液1mlを主培地(可溶性コーンスターチ300g/l、コーン・スティープ・リカー150g/l 、脱脂大豆粉250g/l 、硫酸アンモニウム10g/l 、硫酸マグネシウム5g/l 、炭酸カルシウム30g/l、pH7.0)2000mlに移植し、10l容フラスコで28℃ 、200rpmで40時間培養し、主培養終了液を得た。
(3)酵素処理液をフィルタープレス濾過により、菌体等の固形分を除去し、分画分子量6000のUF膜で処理を行い、濃縮液画分を回収し、これをスプレードライ乾燥してポリペプチドを得た。
(酵素活性)
精製した酵素をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分子量を検討した。電気泳動後、クマシーブリリアントブルー染色法( シグマ社製) により染色した。結果を図1に示す。約18kDa、約14kDa、約11kDaの付近にバンドが確認された。
(エラターゼの活性発現)
約18kDa、約14kDa、約11kDaのタンパク質は常法により内部アミノ酸配列、N末端アミノ酸配列を解析した結果、すべて同一のタンパク質がN末端よりプロセッシングを受けて短くなっていたタンパク質であった。さらに、本エラスターゼ遺伝子の全長を常法により決定した結果、726bpの塩基配列からなる遺伝子であった。約18kDa、約14kDa、約11kDaそれぞれのタンパク質に該当する塩基配列をpNCMO2又はpNY326(タカラバイオ株式会社製)のマルチクローニングサイトにクローニングし、Brevibacillus発現システム(タカラバイオ株式会社製)にて発現解析を行った。その結果、3種いずれのタンパク質についてもエラスチン分解活性を確認した。
(基質特性の検討)
筋原線維の分解性ならびにエラスチンの分解性について実施例1で調製した酵素を用いて検討を行った。エラスチン分解活性はエラスチンコンゴーレッド(ナカライテスク社製)を基質として用いて、1時間に495 nmの吸光度を1変化させる酵素活性を1Uとした。 筋原線維の分解性は、ウシ肩肉より調製した1%筋原線維溶液900μlに1U/mlに調製した酵素溶液100μlを加え、pH8.0、25℃で6時間反応させた。その結果、図2で示すように市販の中性、アルカリプロテアーゼ4種(ビオプラーゼOP、ビオプラーゼSP-20FG(以上ナガセケムテックス社製)、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)、プロチンSD-AY10(天野エンザイム社製))よりも筋原線維の分解性が弱いことが明らかになった。エラスチンの分解性は、0.6%ウシ靭帯由来のエラスチン900μlに2U/mlに調製した酵素溶液100μlを加え、pH8.0、25℃で8時間反応させた。その結果、図3示すように本酵素のエラスチンの分解性は市販酵素に比べ、顕著に強いことが明らかとなった。
キハダマグロの動脈球を用いて、エラスチン分解ペプチドを製造した。動脈球を蒸留水で洗浄後、0.02M水酸化ナトリウム水溶液に4℃、7日間浸漬した。蒸留水で洗浄後、3倍容量の蒸留水を加えて、95℃で加熱し、加熱後、上清を除去した。固形分をフードカッターで細断した。酵素は、エラスチン高分解性酵素1.5%とプロチンSD-AY100.75%となるよう加え50℃で5時間分解した。分解後、85℃に加熱し、酵素を失活させた。ろ過により、不溶性成分を除去後、HPLCにて分子量を測定した。
比較品として、分子量1000以下が25%の市販のエラスチンペプチドを使用した。分子量分布は、面積%により、分布量を算出し、表1に示す。
HPLCは、以下の条件で測定した。
カラム:Superdex Peptide
溶媒:0.1M リン酸緩衝液
(pH7.0)、0.2M NaCl
流速:0.8 ml/min
温度:室温
注入量:10 μl
検出:240 nm
Figure 2022102875000002
(チロシナーゼ阻害活性)
100mMリン酸緩衝液(pH6.8)100μlにチロシナーゼ(シグマ社製)500ユニット、さらに濃度10mg/mlの本願発明品、分子量1000以下が25%の市販のエラスチンペプチドを加え、25℃で5分間予備加温した。この溶液に0.05%チロシン溶液を60μl加え、25℃で15分間反応させた後、490nmの吸光度を測定した。チロシナーゼ阻害活性は次式により求めた。
ヒアルロニダーゼ阻害活性(%)=[(A-B)-(C-D)]/(A-B)×100
A=供試試料を添加していない反応液の吸光度(コントロール)
B=酵素を添加していない反応液の吸光度(ブランク)
C=試料溶液の吸光度
D=供試試料、酵素を添加していない反応液の吸光度(試料ブランク)
なお、結果は、表2に示し、阻害率15%以上を○、5-15%を△、5%以下を×とした。
(ヒアルロニダーゼ阻害活性)
100mM 酢酸緩衝液(pH4.0)にヒアルロニダーゼ(シグマ社製)35ユニット、最終濃度2mg/mlとなるよう本願発明品、分子量1000以下が25%の市販のエラスチンペプチドを加え、37℃で20予備加温した。同緩衝液に溶解した0.01%(w/v) compound 48/80(ナカライテスク社製)を20μl加えて、37℃で20分間インキュベートしてヒアルロニダーゼを活性化させた。この溶液に0.8mg/mlヒアルロン酸を20μl加え加え、37℃で40分反応させた後、0.4NNaOH を20μl加えて氷冷し反応を停止させた。0.5N NaOHに溶解した4.95%(w/v)ホウ酸溶液を20μl反応液に加え、100℃で3分間加温した後、再び氷冷した。この溶液にp―ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬を1ml加え、37℃で20分間反応させた後、585nmの吸光度を測定した。ヒアルロニダーゼ阻害活性は次式により求めた。
ヒアルロニダーゼ阻害活性(%)=[(A-B)-(C-D)]/(A-B)×100
A=供試試料を添加していない反応液の吸光度(コントロール)
B=酵素を添加していない反応液の吸光度(ブランク)
C=試料溶液の吸光度
D=供試試料、酵素を添加していない反応液の吸光度(試料ブランク)
なお、結果は、表2阻害率25%以上を○、25-10%を△、10%以下を×とした。
本発明品は、市販品Bと比較すると、チロシナーゼ阻害活性については、同等の活性であったが、ヒアルノニダーゼ阻害活性については、市販品よりも阻害活性が強くなっていた。
Figure 2022102875000003

Claims (4)

  1. 分子量1000以下となるものの占める割合が30%以上70%未満となるエラスチン分解ペプチドを含む組成物。
  2. エラスチンをプロテアーゼ及びエラスターゼで分解して得られる請求項1のエラスチン分解ペプチドを含む組成物。
  3. 請求項1の組成物を含む皮膚改善用食品組成物。
  4. 請求項1の組成物を含む皮膚改善用化粧品組成物。
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