JP2022095155A - 食品用包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境対策として紙素材を用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができるとともに、自動包装工程において悪影響を及ぼすカールの発生を抑制することができる食品用包装材を提供する。【解決手段】食品用包装材1の外シート2は、第1方向に沿った帯状の中央部シート22と、中央部シート22の両側に配置され、第1方向に沿った帯状の側部シート23,23とを備え、中央部シート22の外側部22aと側部シート23の内側部23aとは、中央部シート22の外側部22aの内面と側部シート23の内側部23aの外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、剥離可能に接合され、中央部シート22には、紙シートが用いられ、中央部シート22は、第1方向の一端側に摘み部26を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、食品を包装するための食品用包装材に関する。
正面形状が三角形状(主として正三角形状)で、所定の厚みを有する立体形状に仕上げられた三角おにぎり等の米飯加工食品等の食品を包装するための食品用包装材は、長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体により一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される形態が一般的である。
この種の食品用包装材は、食品を挟んで長手方向に二つ折りにし、両側の余分なシート片を中心側に折り、この上にラベルを貼着することにより、食品を三角形状に包装するものである(いわゆる三角包装、たとえば特許文献1)。そして、食品を食する際には、食品包装体の角部にある摘み部を摘み、摘み部を引っ張って開封用条体を縦回りに引き回し、外シートを長手方向に分断した後、一方の分断包装体片を横に引っ張り、次に他方の分断包装体片を横に引っ張り、各分断包装体片を食品及びシート状食品から分離する。これにより、食品をシート状食品と一体化させた状態で取り出すことができる。
ところで、近年は、廃棄プラスチックが全世界的な環境問題となっている。この種の食品用包装材においても、シートはすべてプラスチック製であり、プラスチックの使用量の削減が喫緊の課題となっている。そこで、この種の食品用包装材のシートの素材として、紙素材の使用が検討され始めている(外シートに紙素材を使用したものとして、特許文献2)。
しかし、紙シートは、カールしやすい。このため、紙シートを用いることにより、食品用包装材がカールしてしまい、包装装置による自動包装工程に悪影響が生じ、最悪の場合、自動包装が困難になるという問題がある。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、環境対策として紙素材を用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができるとともに、自動包装工程において悪影響を及ぼすカールの発生を抑制することができる食品用包装材を提供することを課題とする。
本発明に係る食品用包装材は、
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
外シートは、
第1方向に沿った帯状の中央部シートと、
中央部シートの両側に配置され、第1方向に沿った帯状の側部シートとを備え、
中央部シートの外側部と側部シートの内側部とは、中央部シートの外側部の内面と側部シートの内側部の外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、剥離可能に接合され、
中央部シートには、紙シートが用いられ、
中央部シートは、第1方向の一端側に摘み部を備える
食品用包装材である。
第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
外シートは、
第1方向に沿った帯状の中央部シートと、
中央部シートの両側に配置され、第1方向に沿った帯状の側部シートとを備え、
中央部シートの外側部と側部シートの内側部とは、中央部シートの外側部の内面と側部シートの内側部の外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、剥離可能に接合され、
中央部シートには、紙シートが用いられ、
中央部シートは、第1方向の一端側に摘み部を備える
食品用包装材である。
ここで、本発明に係る食品用包装材の一態様として、
中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部は、第1方向に沿って、かつ、中央部シートの外側部の側縁よりも内側の位置に形成され、
中央部シートの外側部の側縁から接合部までは、非接合部の遊離片が形成され、
遊離片の第1方向の一端部は、摘み部となる
との構成を採用することができる。
中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部は、第1方向に沿って、かつ、中央部シートの外側部の側縁よりも内側の位置に形成され、
中央部シートの外側部の側縁から接合部までは、非接合部の遊離片が形成され、
遊離片の第1方向の一端部は、摘み部となる
との構成を採用することができる。
また、この場合、
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることにより、食品を三角形状に包装する食品用包装材であり、
食品を三角形状に包装した食品包装体において、中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部の一端部が食品包装体の頂角部に形成される耳片の側面に位置するように、中央部シートの第2方向の幅サイズ及び接合部の第2方向の形成位置が設定される
との構成を採用することができる。
食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることにより、食品を三角形状に包装する食品用包装材であり、
食品を三角形状に包装した食品包装体において、中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部の一端部が食品包装体の頂角部に形成される耳片の側面に位置するように、中央部シートの第2方向の幅サイズ及び接合部の第2方向の形成位置が設定される
との構成を採用することができる。
また、本発明に係る食品用包装材の他態様として、
中央部シートは、紙とプラスチックの積層シートであり、
中央部シートと側部シートとは、異種素材のシートである
との構成を採用することができる。
中央部シートは、紙とプラスチックの積層シートであり、
中央部シートと側部シートとは、異種素材のシートである
との構成を採用することができる。
本発明によれば、中央部シートの両側に側部シートが配置され、中央部シートの外側部と側部シートの内側部とは、中央部シートの外側部の内面と側部シートの内側部の外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、接合され、中央部シートには、紙シートが用いられる。すなわち、外シートは、一部に紙シートを備えるが、側部シート、重ね合わせ部及び接合部により、カールを規制する剛性が付与され、平面維持性が高められる。このため、本発明によれば、環境対策として紙素材を用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができるとともに、自動包装工程において悪影響を及ぼすカールの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る一実施形態として、三角おにぎりを挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることにより、三角おにぎりを三角形状に包装する、いわゆる三角包装に用いられる食品用包装材及びこの食品用包装材を用いて食品を包装した食品包装体について、図1ないし図8を参酌して説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施形態に係る食品用包装材1は、本体10を備える。本体10は、一対のシート(外シート2、内シート3)が、シート状食品4を挟んで重ね合わせられ、シート状食品4を囲むように接合されるものである。一対のシートは、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有する。シート状食品4は、三角おにぎりに巻く海苔等である。一対のシートは、一端10a側及び他端10b側の端部接合部11,11と、両側部の側部接合部12,12とにより、四方が接合、封止される。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」又は「第1方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」又は「第2方向」という。
図4に示すように、外シート2は、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。外シート2は、幅方向における中央部20と、左右の側部21,21との3つの領域に区画される。中央部20及び左右の側部21,21は、それぞれ長方形状(矩形状)を有する。外シート2は、3つのシート(中央部シート22及び左右の側部シート23,23)が、側部同士が重ね合わせられ(重ね合わせ部24)、重ね合わせ部24が接合される(接合部25)ことにより、1枚のシートにされたものである。
中央部20は、中央部シート22に相当する。左右の側部21,21は、左右の側部シート23,23のうち、重ね合わせ部24を除いた部分に相当する。本実施形態においては、中央部20は、外シート2の幅方向中心を中心として配置される。左右の側部21,21は、同じ幅を有し、外シート2の幅方向中心を中心として線対称に配置される。
中央部シート22は、内面側に熱溶着性を有する紙、和紙、紙質又は紙様(以下、これらをまとめて「紙」という。)のシート(フィルム)である。本実施形態においては、中央部シート22は、紙を外層とし、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(フィルム)を内層としてラミネートした積層シート(フィルム)である。また、紙は、バイオベースポリエチレンテレフタレート(バイオベースPET、いわゆるバイオPET)を含む紙である。
側部シート23は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシート(プラスチックフィルム)である。あるいは、側部シート23は、スパンボンド不織布である。本実施形態においては、側部シート23は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シート(フィルム)である。なお、ポリプロピレンシート(フィルム)とは、純度100%のポリプロピレンシート(フィルム)はもちろんのこと、ポリプロピレンを主成分として、他の成分(たとえばポリエチレンといった他の樹脂成分)を含有するシート(フィルム)も含む概念である(以下、同様)。
重ね合わせ部24は、外シート2の一端10aから他端10bの全域にわたって形成される。重ね合わせ部24において、中央部シート22の外側部22aは、側部シート23の内側部23aの外面側に配置され、中央部シート22の外側部22aと側部シート23の内側部23aとは、中央部シート22の外側部22aの内面と側部シート23の内側部23aの外面とが対向するように重ね合わせられる。
接合部25は、中央部シート22の外側部22aの側縁に沿って中央部シート22及び側部シート23をヒートシールすることにより形成される。接合部25は、1mmないし10mmの幅を有する一条の線状シールないし細幅の帯状シールである。
接合部25は、中央部シート22の外側部22aの側縁に沿って形成される。しかし、接合部25は、中央部シート22の外側部22aの側縁よりも内側の位置に形成される。これにより、中央部シート22の外側部22aの側縁から接合部25までは、非接合部であり、接合部25を固定端とする帯状の遊離片22bとなる。遊離片22bは、指で摘むことができるよう、5mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上の幅を有する。後述するが、遊離片22bの一端部(遊離片22bのうち、接合部25の一端部25aから延びる部分)は、開封起点としての摘み部26となる。
接合部25は、小さな力では剥離することはないが、人がある程度以上の力を加えると剥離可能な弱接合である。本実施形態においては、中央部シート22の外側部22aの内面に感熱接着剤等のコート剤(パートコート剤)が塗布され、これにより、中央部シート22は内面側に熱溶着性を有するが、コート剤の接合強度(ヒートシール強度)は強くないため、接合部25は弱接合(弱シール)となる。
図1ないし図3に戻り、内シート3は、外シート2と同様、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。内シート3は、外シート2の側部シート23と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシート(プラスチックフィルム)である。本実施形態においては、内シート3は、マット処理が施された二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シート(フィルム)である。
内シート3は、長手方向に沿って内側部同士が重ね合わせられた一対の内シート片(第1内シート片30及び第2内シート片31)を備える。内シート片30,31の内側部30a,31a同士が重ね合わせられた状態の大きさが外シート2と同じ大きさである。本実施形態においては、重ね合わせ部32は、内シート3の幅方向の中央部に配置される。
第1内シート片30は、長手方向に長い長方形状(矩形状)を有する。第1内シート片30は、外シート2の幅方向の一方側(本実施形態においては、食品用包装材1の一端10aを上、他端10bを下にして食品用包装材1を正面(外面)から見た場合の右側)に配置される。第2内シート片31は、長手方向に長い長方形状(矩形状)を有する。第2内シート片31は、外シート2の幅方向の他方側(本実施形態においては、食品用包装材1を正面(外面)から見た場合の左側)に配置される。重ね合わせ部32は、第1内シート片30の内側部30aと第2内シート片31の内側部31aとの重ね合わせにより構成される。重ね合わせ部32は、内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたって形成される。本実施形態においては、第2内シート片31の内側部31aの上(外面)に、第1内シート片30の内側部30aが重ね合わせられる。
内シート3は、第1内シート片30の内側部30aを覆う被覆片33をさらに備える。被覆片33は、内シート3の幅方向に所定の幅を有して内シート3の長手方向に沿って長尺な帯状である。被覆片33は、内シート片30,31と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシート(プラスチックフィルム)である。本実施形態においては、被覆片33は、エンボス加工が施された無延伸ポリプロピレン(CPP)シート(フィルム)である。
被覆片33は、内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたる長さを有する。被覆片33は、内側部33aが内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたって第1内シート片30の内側部30aを覆うように、配置される。これにより、第2内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの間に、第1内シート片30の内側部30aが挿入されて、第2内シート片31の内側部31a、第1内シート片30の内側部30a及び被覆片33の内側部33aの3層のシートによるラビリンス構造が形成される。
被覆片33は、外側部33b側にて第2内シート片31に接合される(接合部34)。被覆片33は、第2内シート片31よりは幅狭である。これにより、被覆片33は、第2内シート片31のうち、側部接合部12よりも内側(すなわち、シート状食品4の収容部に対応する領域)に接合される。接合部34は、被覆片33の外側部33bの側縁に沿って第2内シート片31及び被覆片33をヒートシールすることにより形成される。
なお、内シート片30,31として、マット処理が施されたシートを用い、被覆片33として、エンボス処理が施されて表面が凹凸のシートを用いるのは、被包装物である三角おにぎりやシート状食品4とのすべり性を得るためである。しかし、たとえば被包装物やシート状食品4が油分を含んでいて、すべり性に問題がないのであれば、これらのシートを用いず、通常のシートを用いるようにしてもよい。あるいは、内シート片30,31及び被覆片33のいずれも、マット処理が施されたシートを用いるようにしてもよい。あるいは、内シート片30,31及び被覆片33のいずれも、エンボス処理が施されて表面が凹凸のシートを用いるようにしてもよい。
端部接合部11は、内シート片30,31の重ね合わせ部32を除き、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。側部接合部12は、外シート2及び内シート3の側縁に沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。このようにして構成された本体10の内部がシート状食品4の収容部となる。本実施形態においては、端部接合部11は、それぞれが一端10a及び他端10bに沿って延び、互いに外シート2及び内シート3の長手方向に所定間隔を有して平行する線状ないし細幅の帯状の接合部で構成される。また、本実施形態においては、側部接合部12は、帯状の接合部で構成される。
食品用包装材1(本体10)の両側部のうち、長手方向の両端部、すなわち、四隅の角部には、切欠部13が形成される。切欠部13は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部13により無くすことにより、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状にするにあたり、シート片の重なりを少なくするためのものである。
切欠部13と食品用包装材1の側縁とが交わる部分から食品用包装材1の側縁の所定範囲にかけて、食品用包装材1の側縁に沿って、易破断部14が形成される。すなわち、食品用包装材1の一端10a側の両側部には、切欠部13と隣接して、易破断部14が形成される。易破断部14は、三角形状の凸部が連続して並ぶ鋸歯状の外縁形状を有する。易破断部14は、各開封用条体22に対応して設けられ、易破断部14から幅方向に食品用包装材1を破断しやすくするためのものである。
本実施形態に係る食品用包装材1は、以上の構成からなり、次に、この食品用包装材1を用いた食品の包装方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、食品用包装材1の内シート3の上に三角おにぎり5が載せられる。このとき、三角おにぎり5が内シート片30,31上に左右均等に載り、かつ、三角おにぎり5の一つの角部(頂角部)が食品用包装材1の一端10a側に向くように、三角おにぎり5が配置される。なお、三角おにぎり5の幅は、シート状食品4の幅とほぼ同じである。
次に、同図(b)に示すように、食品用包装材1が、一端10a側とこれに対向する他端10b側を合わせるように長手方向に二つ折りにされ、折った側の部分は、三角おにぎり5の側面(三角形状の斜面)にも沿うように折られる。これにより、食品用包装材1の長手方向の一端10a側半分が三角おにぎり5の正面を覆い、他端10b側半分が三角おにぎり5の背面を覆うとともに、食品用包装材1の両側(左右)のシート片10c,10cが食品用包装材1の一端10aと他端10bの位置がずれた状態となって余る。
そこで、同図(c)に示すように、両側のいずれか一方の余分なシート片10cが、折られて、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分の上に重ねられ、この上に、図6(a)に示すように、他方の余分なシート片10cが、折られて、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分の上に重ねられる。このとき、食品用包装材1の一端10aの端縁が三角おにぎり5の背面の斜辺に沿うように、両側の余分なシート片10c,10cが折られる。なお、この結果、標準的な三角おにぎり5にあっては、食品用包装材1の両側端部の易破断部14,14のそれぞれ最も一端10a側の端部同士、より詳しくは、それぞれ最も一端10a側に位置する三角形状の凸部同士は、重なるないし近傍に位置する。
そして、同図(b)に示すように、両側の余分なシート片10c,10cの、切欠部13によって互いに重なっていないそれぞれの部分が、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分にポイントシール等により接合され(接合部15)、食品用包装材1が、三角おにぎり5を包み込んだ状態に固定される。そして、同図(c)に示すように、この上に、ラベル7が貼着される。
以上の工程を経て、図7に示すように、食品包装体6が完成する。この状態において、外シート2の中央部シート22と側部シート23とを接合する接合部25の一端部25aは、食品包装体6の頂角部に形成される耳片10dの側面に位置する。言い換えれば、接合部25の一端部25aが耳片10dの側面に位置するように、中央部シート22の幅サイズ及び接合部25の形成位置が設定される。これにより、接合部25の一端部25aから延びる摘み部26(遊離片22bの一端部であり、開封起点となる。)は、外シート2の外面から浮いて離間し、摘まみやすい。なお、耳片10dとは、食品包装体6において、三角形状のそれぞれ角部に形成され、突出方向の軸回りに余分なシート片が(多少の膨らみを有して)偏平状に折り畳まれた部分である。
三角おにぎり5を食する際には、図8(a)及び(b)に示すように、摘み部26を摘み、摘み部26を引っ張って中央部シート22を縦回りに引き回し、外シート2を長手方向に分断する。すなわち、中央部シート22と左右の側部シート23,23とを接合する接合部25,25を剥離しながら、中央部シート22を左右の側部シート23,23から引き剥がし、左右の側部シート23,23だけにする。この際、中央部シート22は、幅広の帯状シートであるため、分断開口27は、幅広となる。また、外シート2は、分断された結果、右側の第1外シート片(右側の側部シート)23と左側の第2外シート片(左側の側部シート)23とに分断される。第1外シート片23は、第1内シート片30に対応したシート片である。第1外シート片23及び第1内シート片30は、端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第1分断包装体片60を構成する。第2外シート片23は、第2内シート片31に対応したシート片である。第2外シート片23及び第2内シート片31は、端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第2分断包装体片61を構成する。
そこで、まず、同図(c)に示すように、第1分断包装体片60を右側に引っ張り、第1分断包装体片60を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。そして次に、同図(d)に示すように、第2分断包装体片61を左側に引っ張り、第2分断包装体片61を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。これにより、三角おにぎり5をシート状食品4と一体化させた状態で取り出すことができる。
以上のとおり、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、中央部シート22の両側に側部シート23,23が配置され、中央部シート22の外側部22aと側部シート23の内側部23aとは、中央部シート22の外側部22aの内面と側部シート23の内側部23aの外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、接合され、中央部シート22には、紙シートが用いられる。すなわち、外シート2は、一部に紙シートを備えるが、側部シート23、重ね合わせ部24及び接合部25により、カールを規制する剛性が付与され、平面維持性が高められる。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、環境対策として紙素材を用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができるとともに、自動包装工程において悪影響を及ぼすカールの発生を抑制することができる。
しかも、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、中央部シート22は、紙とポリエチレンテレフタレート(PET)との積層シート(ラミネートシート)である。ポリエチレンテレフタレートは、プラスチックの中でも比較的硬い材質である。このため、本実施形態に係る食品包装材1によれば、カールの発生の抑制効果を高めることができる。
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、中央部シート22は、帯状の開封シートとして機能する。これにより、中央部シート22を摘み部26を摘まんで開封操作すると、外シート2に幅広な分断開口27が形成され、外シート2とシート状食品4との接触面積が少なくなる。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、分断された一対の包装体片60,61を円滑に三角おにぎり5から引き抜き、取り除くことができ、ひいては、開封性を向上することができる。
しかも、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、中央部シート22と側部シート23とを接合する接合部25の一端部25aは、食品包装体6の頂角部の耳片10dの側面に位置する。これにより、接合部25の一端部25aから延びる摘み部26は、耳片10dにおいて外シート2の外面から浮いて離間し、視認しやすく、かつ、摘まみやすい。このため、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、摘み部26を摘まんで行う中央部シート22の開封操作を円滑かつ迅速に行うことができ、ひいては、開封性をさらに向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、中央部シート22は、紙とプラスチックの積層シートからなる紙シートである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。中央部シートは、混抄紙や合成紙等からなる紙シートであってもよい。要は、中央部シートは、内面側に熱溶着性を有する紙シートであれば、どのような種類の紙シートであってもよい。
また、上記実施形態においては、中央部シート22と側部シート23とを接合する接合部25は、中央部シート22の外側部22aの側縁よりも内側の位置に形成され、中央部シート22の外側部22aの側縁から接合部25までは、非接合部の遊離片22bとなり、遊離片22bの一端部は、摘み部26となる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、図9に示すように、遊離片が形成されないように接合部25が形成され、中央部シート22の一端部全体が摘み部26となる外シート2の形態であってもよい。
また、上記実施形態においては、食品用包装材1は、三角包装に用いられ、食品を緊密に包装するものである。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することにより、食品を包装する四角包装に用いるようにしてもよい。あるいは、特開2006-264758号に記載されている、食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を重ねて袋状にすること及び開口を封止することにより、食品を包装する四角包装に用いるようにしてもよい。なお、四角包装用の食品用包装材では、三角包装用の食品包装材1に設けられる切欠部13はなくなり、また、袋状体の開口を形成する長さが必要であることから、三角包装用の食品用包装材1よりも長手方向の一端側及び他端側が長く形成される。
また、「三角形状」、「長方形状」、「矩形状」、「中央部」、「端部」、「側部」、「均等」、「平行」、「直交」といった形状、部位又は状態を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。
また、上記実施形態においては、食品は、三角おにぎり(米飯加工食品)であり、シート状食品は、海苔である。しかし、包装対象の食品は、食品用包装材で包むことができる形であれば、おにぎり以外の米飯加工食品(たとえば、ピラフ、チャーハン、寿司等)や、米飯加工食品以外の食品(たとえば、饅頭等の和菓子、ケーキ等の洋菓子、パン、サンドイッチ、ハンバーガー等)であってもよく、食品の種類は、特に限定されるものではない。シート状食品も、食品用包装材の平面状の収容部に収容できる形であれば、シート状の昆布、畳鰯等であってもよく、シート状食品の種類は、特に限定されるものではない。
また、包装対象の食品の形状も、特に限定されるものではない。たとえば、正面が三角形状ではなく、正面が円形状や四角形状の偏平な柱状であってもよい。また、ブロック状であってもよい。また、球状等、全面が連続した曲面状のものであってもよい。これらは一例にすぎず、要は、食品用包装材で包むことができる形であれば、どのような形状であってもよい。
また、食品用包装袋に用いられる外シートの側部シートは、プラスチックシート(プラスチックフィルム)からなるものに限定されない。たとえば、紙シート(フィルム)又はその他の材質のシート(フィルム)であってもよい。すなわち、本発明において、外シートの側部は、透明であることに限定されず、半透明又は不透明であってもよい。なお、本発明において、シートは、厚みによって定められるものではなく、フィルムを含む概念である。
1…食品用包装材、10…本体、10a…一端、10b…他端、10c…余分なシート片、10d…耳片、11…端部接合部、12…側部接合部、13…切欠部、14…易破断部、15…接合部、2…外シート、20…中央部、21…側部、22…中央部シート、22a…外側部、22b…遊離片、23…側部シート、23a…内側部、24…重ね合わせ部、25…接合部、25a…一端部、26…摘み部、27…分断開口、3…内シート、30…第1内シート片、30a…内側部、31…第2内シート片、31a…内側部、32…重ね合わせ部、33…被覆片、33a…内側部、33b…外側部、34…接合部、4…シート状食品、5…三角おにぎり、6…食品包装体、60…第1分断包装体片、61…第2分断包装体片、7…ラベル
Claims (4)
- 第1方向と交差する第2方向に分離可能な外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、外シートと同方向に分離可能な内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
外シートは、
第1方向に沿った帯状の中央部シートと、
中央部シートの両側に配置され、第1方向に沿った帯状の側部シートとを備え、
中央部シートの外側部と側部シートの内側部とは、中央部シートの外側部の内面と側部シートの内側部の外面とが対向するように重ね合わせられ、かつ、剥離可能に接合され、
中央部シートには、紙シートが用いられ、
中央部シートは、第1方向の一端側に摘み部を備える
食品用包装材。 - 中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部は、第1方向に沿って、かつ、中央部シートの外側部の側縁よりも内側の位置に形成され、
中央部シートの外側部の側縁から接合部までは、非接合部の遊離片が形成され、
遊離片の第1方向の一端部は、摘み部となる
請求項1に記載の食品用包装材。 - 食品を挟んで第1方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることにより、食品を三角形状に包装する食品用包装材であり、
食品を三角形状に包装した食品包装体において、中央部シートの外側部と側部シートの内側部との重ね合わせ部における接合部の一端部が食品包装体の頂角部に形成される耳片の側面に位置するように、中央部シートの第2方向の幅サイズ及び接合部の第2方向の形成位置が設定される
請求項2に記載の食品用包装材。 - 中央部シートは、紙とプラスチックの積層シートであり、
中央部シートと側部シートとは、異種素材のシートである
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の食品用包装材。
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