JP5920978B2 - 食品包装体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、調理パンや菓子パンなど略三角形の食品を包装するためのプラスチックフィルム製の食品包装体に関し、特にチーズケーキなどのように厚さが小さい食品に適した食品包装体に関する。
調理パンや菓子パンなど略三角形の食品の包装体として、例えば特許文献1などには、プラスチックフィルム製の食品包装体が記載されている。このような食品包装体は2枚の概ね等脚台形状のプラスチックシートを溶着などによって接続し、袋体として形成される。
このような従来の食品包装体は、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせ、脚台形状の斜辺および上辺に沿って溶断して製造されるのが通常である。溶断により、2枚のプラスチックシートは接続される。こうして、下辺部が開口した袋体が形成される。そして、一方のプラスチックフィルムの中心線に沿ってカットテープなど開封補助帯が設けられる。さらに、袋体の上に外縁部が設けられ、この外縁部には切り込みが設けられている。
この袋体の中に三角形の食品を入れ、プラスチックシートの開口部を折り畳み、封止する。このとき、カットテープは三角柱状の食品の側面に沿って表れる。外縁部の切り込みよりフィルムの破断を開始し、さらにカットテープにより開封する。
実開平7−8238号公開実用新案公報
特許文献1に記載のものなど従来の食品包装体は、三角柱状の食品の中でも主にサンドイッチなど、厚みのある食品に対して使用される。特に、サンドイッチの場合、一つの包装体に2〜3組のサンドイッチが入れられているので、一回に取出す分の厚さは小さく、比較的小さい開封口でも取出すことができる。
しかし、チーズケーキなどの菓子類では、一つの包装体に1個だけしか入っていないので、一回にすべての中身を取り出すことになる。したがって、カットテープを複数本平行に設けるなどして、側面の幅のほぼ全部に渡るくらいの広い幅の開封補助帯を設ける必要がある。しかし、外縁部(頂部)の切り込みは、開封補助帯の幅の外側に形成しなければならないので、開封補助帯を袋体の側面の幅いっぱいに設けることができない。そこで、チーズケーキ用の包装においては、チーズケーキの大きさよりもかなり大きなサイズの包装体が使用されている。これは、材料の無駄な使用であるとともに、大きな隙間のある収納状態では、外観が悪い。
また、レアチーズケーキなどの場合、一側面だけを開封しても、そこから中身を取出すのは難しい。側面よりも上面を取り去る方が、食品を取り出しり、あるいはスプーンなどで食べるのに便宜である。この発明は、略三角形状の食品を簡単に包装でき、しかも、上面側を開くことができるプラスチックシート製の食品包装体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明の食品包装体は、二つ折りになった外部プラスチックシート材と、外部プラスチックシート材の中に設けられる内部折り込みプラスチックシート材とを有し、
内部折り込みプラスチックシート材は二等辺三角形部を有し、その中心線に沿って二つ折りした形状であり、外部プラスチックシート材の側辺と内部折り込みプラスチックシート材の側辺は相互に重ね合わせられた状態で接続されており、
内部折り込みプラスチックシート材の二等辺三角形部の頂点部側において外部プラスチックシート材に頂部封止部が設けられている。
さらに、頂部封止部に続いてつまみ部が設けられていて、つまみ部に開封開始のための切り込みが形成されていることが好ましい。
この発明の食品包装体は、片側のみに折り込み部が形成されている片側ガゼットのプラスチックシート原反を材料とし、折り込み部側の側辺より斜めに熱圧着により接続帯を形成する工程と、接続帯に沿ってその外側を切断する工程と、接続帯の先端付近より接続帯に対して概ね垂直に頂部封止部を形成する工程を有する。そして、帯状のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の外側プラスチックシート原反と、外側プラスチックシート原反より狭い幅の帯状であり外側プラスチックシート原反とは異なる素材のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の内側折り込みプラスチックシート原反とを、相互にその側辺を重ね合わせて接続して片側ガゼットのプラスチックシート原反を形成し、このプラスチックシート原反を使用することもできる。
この発明の食品包装体は、厚さが小さい食品であっても包装することができ、上面を開く形で簡単に開封することができる。
食品包装体を示す平面図である。 同断面図である。 内部折り込みプラスチックシート材を示す展開図である。 食品包装体の使用状態を示す斜視図である。 食品包装体の開封方法を示す斜視図である。 食品包装体の製造方法を示す平面図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は食品包装体を示す平面図、図2は同A−A断面図である。
食品包装体1は、外部プラスチックシート材2と、外部プラスチックシート材2の中に設けられる内部折り込みプラスチックシート材3とを有する。外部プラスチックシート材2と内部折り込みプラスチックシート材3はどちらも透明なプラスチックを素材とするが、同じ素材でもよく、異なる素材を用いてもよい。
図3は内部折り込みプラスチックシート材を示す展開図である。展開した状態では概ね二等辺三角形の形状である。ここでは、二等辺三角形部4の底辺に続いて、長方形状のリブ5が設けられている。内部折り込みプラスチックシート材3は、二等辺三角形の中心線15に沿って二つ折りされている。
次に、外部プラスチックシート材2について説明する。外部プラスチックシート材2も線対称な図形のシートを中心線に沿って二つ折りにした形状である。図1に示すように二つ折りの状態で見たとき、折線に沿った下辺6と、その下辺6な平行な上辺7を有する。上辺7の一端からは上辺7に垂直な辺8が下辺6の端部まで伸び、上辺7の他端部からは上辺7に対して傾斜した斜辺9が伸びている。
内部折り込みプラスチックシート材3を二つ折りにしたとき、内部折り込みプラスチックシート材3の斜辺10は外部プラスチックシート材2の斜辺9と重なり合わせることができる形状である。このとき、内部折り込みプラスチックシート材3のリブの側辺11は外部プラスチックシート材2の上辺7と重なり合う。このようにして、外部プラスチックシート材2の中に内部折り込みプラスチックシート材3が挟まれた状態で、外部プラスチックシート材2の上辺7および斜辺9に沿って接続帯12が設けられ、外部プラスチックシート材2と内部折り込みプラスチックシート材3が接続されている。この接続帯12は、たとえば後述するように熱圧着により形成することができる。さらに、外部プラスチックシート材2の上辺7の下端から下辺6にかけても頂部封止帯13が設けられ、ここでは外部プラスチックシート材2同士が接続される。一方、垂直な辺8側には接続帯は設けられておらず開口している。こうして、図1に示すような袋状の食品包装体が形成されている。このとき、外部プラスチックシート材2の下辺6(折り曲げ線)と内部折り込みプラスチックシート材3の折り曲げ線15は平行になる。
さらに、頂部接続帯13に続いてつまみ部14が設けられている。このつまみ部14の上部(接続帯12の有る側)には、切り込み15が形成されている。
次に、この食品包装体1の使用方法について説明する。図4は食品包装体の使用状態を示す斜視図である。食品包装体1の口部を開け、食品xを挿入する。比較的薄い三角柱状の食品に対しても適用することができる。ここで、食品は二等辺三角形の底面を有するものが適している。また、完全な二等辺三角形の外、これに近い外観を有する扇形の底面でもよい。上面が決まっている食品の場合は、上面を内部折り込みプラスチックシート材3に向けて入れる。
内部折り込みプラスチックシート材3の形状は、包装対象の食品の上面の形状に合わせて設定されている。たとえば、中心角が30°程度の扇形のチーズケーキに対して使用する場合、展開状態の内部折り込みプラスチックシート材3は二等辺三角形部の頂角が30°になっている。
食品xの側面および底面は外部プラスチックシート材2に接する。すなわち、外部プラスチックシート材2の下辺6と内部折り込みプラスチックシート材3の折り曲げ線15の距離は、食品の厚さに対応して設定されている。そして、口部を折り畳んで封をして、粘着テープなどで止める。
こうして、食品は食品包装体1によって図4に示すように包装される。食品製造者は、食品を簡単に包装できる。食品をほとんど隙間なくコンパクトに包装でき、包装状態の外観も美しい。使用前の食品包装体1は図1に示すように折り畳まれているので場所を取らず、移送や保管に便利である。
さらに、食品包装体の開封方法について説明する。図5は食品包装体の開封方法を示す斜視図である。つまみ部14の切り込み15より切り開くことにより、内部折り込みプラスチックシート材3の頂部より開封が始まる。内部折り込みプラスチックシート材3の斜辺10に沿った接続部12がはがされ、外部プラスチックシート材2と内部折り込みプラスチックシート材3が分離していく。こうして、内部折り込みプラスチックシート材3が剥がれていき、食品xの上面側が露出する。
ここで、レアチーズケーキなど表面が水分や脂分を多く含む食品では、密着性がよくしかも剥離時には食品が付着しにくいプラスチックフィルムを内部折り込みプラスチックシート材3の素材として選択することができる。一方、食品の上面と接しない外部プラスチックシート材2はより安価な通常の素材でもよい。
この例では先端につまみ部14が設けられているので、一方の手の指でつまみ部14の下部をつまみ、他方の手の指で切り込み15より上をつまむことができる。したがって、開封時において食品そのものを圧迫しなくてもよい。これにより、レアチーズケーキなどの柔らかい食品でも、つぶしたり崩したりすることなく開封することができる。
上面を広く開封することによって、食品を簡単に取り出すことができる。また、取出さなくても、スプーンなどですくい上げて食べることもできる。
食品包装体の製造方法の例について説明する。図6は食品包装体の製造方法を示す平面図である。この製造方法の例においては、片側のみに折り込み部が形成されている片側ガゼットのプラスチックシート原反が材料として使用される。プラスチックシート原反の幅は外部プラスチックシート材の高さ(辺8の長さ)に対応する。折り込みの深さは、内部折り込みプラスチックシート材3の深さに対応する。
プラスチックシート原反としては、片側ヒートシールのフィルムを使用することが好ましい。このとき、ヒートシール面を筒の内側に向ける。このプラスチックシート原反に対して、熱圧着で上辺部および斜辺部の接着帯12と頂部封止帯13を形成する。そして、斜辺9、垂直な辺8およびつまみ部14の先端線に沿って切断する。さらに、つまみ部14の先端に切り込み15を形成する。
以上、筒状のプラスチックシート原反より図1に示す食品包装体が簡単に製造できる。食品包装体1の長さ分だけプラスチックシート原反をずらしながら同様の工程を繰り返せば、食品包装体が連続的に製造できる。なお、上辺部および斜辺部と接着帯12と頂部封止帯13は、それぞれ個別の熱圧着で形成してもよく、あるいは、一体のプレス型により一度に形成してもよい。
つぎに、食品包装体の製造方法の別の例について説明する。この例では、帯状のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の外側プラスチックシート原反と、外側プラスチックシート原反より狭い幅の帯状であり外側プラスチックシート原反とは異なる素材のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の内側折り込みプラスチックシート原反とを、相互にその側辺を重ね合わせて接続して片側ガゼットのプラスチックシート原反を形成する。ここで、内側折り込みプラスチックシート原反は、密着性がよくしかも剥離時には食品が付着しにくいプラスチックを素材とする。一方、外側プラスチックシート原反はより安価な通常のプラスチックを素材とする。
こうして、2種類の異なるプラスチックを接続した片側ガゼットの原反を形成し、これを材料として使用する。この片側ガゼットの原反に対し、先述の例と同様に図6に示すような熱圧着および切断を施すことによって食品包装体を製造する。この例の製造法では、食品上面との接触面がイージーピール性を有する食品包装体を得ることができ、しかも、比較的高価なイージーピール性のプラスチック材料の使用量を少なくし、材料コストを抑えることができる。
1.食品包装体
2.外部プラスチックシート材
3.内部折り込みプラスチックシート材
4.二等辺三角形部
5.斜辺
6.上辺
7.下辺
12.接続部
13.頂部封止部
14.つまみ部
15.切り込み

Claims (4)

  1. 二つ折りになった外部プラスチックシート材と、外部プラスチックシート材の中に設けられる内部折り込みプラスチックシート材とを有し、
    内部折り込みプラスチックシート材は二等辺三角形部を有し、その中心線に沿って二つ折りした形状であり、外部プラスチックシート材の側辺と内部折り込みプラスチックシート材の側辺は相互に重ね合わせられた状態で接続されており、
    内部折り込みプラスチックシート材の二等辺三角形部の頂点部側において外部プラスチックシート材に頂部封止部が設けられている食品包装体。
  2. 頂部封止部に続いてつまみ部が設けられていて、つまみ部に開封開始のための切り込みが形成されている請求項1に記載の食品包装体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の食品包装体を製造する方法であって、
    片側のみに折り込み部が形成されている片側ガゼットのプラスチックシート原反を材料とし、
    折り込み部側の側辺より斜めに熱圧着により接続帯を形成する工程と、接続帯に沿ってその外側を切断する工程と、接続帯の先端付近より接続帯に対して概ね垂直に頂部封止部を形成する工程を有する食品包装体の製造方法。
  4. 帯状のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の外側プラスチックシート原反と、外側プラスチックシート原反より狭い幅の帯状であり外側プラスチックシート原反とは異なる素材のプラスチックシートをその中心線に沿って二つ折りした形状の内側折り込みプラスチックシート原反とを、相互にその側辺を重ね合わせて接続して片側ガゼットのプラスチックシート原反を形成し、このプラスチックシート原反を使用する請求項3に記載の食品包装体の製造方法。
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