JP2021070489A - 二重容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物を取り出した直後により効率的に外殻から内袋を剥離可能な二重容器を提供すること。【解決手段】本発明の一態様によれば、二重容器であって、外殻と、外気導入孔と、内袋とを備え、前記外殻は、外側から押圧可能で、この押圧によって前記内袋に収容された内容物が口部から流出するように構成され、前記外気導入孔は、前記外殻の底部側の特定領域に設けられ、ここで前記底部側とは、本二重容器を高さ方向に二等分したときの口部から遠い側で、逆止弁を嵌合するように構成され、この逆止弁によって、前記内容物の流出後、前記外殻の形状を戻すように前記外殻の内側且つ前記内袋の外側の中間空間に空気が導入され、前記内袋は、前記内容物が減少すると前記中間空間に導入された前記空気に押圧されて収縮するように構成されるものが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、二重容器に関する。
外殻と内袋とを有し、内袋に内容物を収容可能な二重容器(積層剥離容器)が知られている(例えば特許文献1)。これは外殻が外側から押圧可能で、この押圧によって内袋に収容された内容物が口部から流出する。そして、押圧後、外殻に設けられた逆止弁より外殻と内袋との間に空気を導入させることで、外殻の形状を復元し、内袋は徐々に萎んでいく。
特開2018−087036号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、逆止弁を挿通させる空気導入孔が口部の近傍にあるため、内容物を取り出した直後に容器の下方から上方に向かって空気を導入しようとすることとなり、非効率的である。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、内容物を取り出した直後により効率的に外殻から内袋を剥離可能な二重容器を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、二重容器であって、外殻と、外気導入孔と、内袋とを備え、前記外殻は、外側から押圧可能で、この押圧によって前記内袋に収容された内容物が口部から流出するように構成され、前記外気導入孔は、前記外殻の底部側の特定領域に設けられ、ここで前記底部側とは、本二重容器を高さ方向に二等分したときの口部から遠い側で、逆止弁を嵌合するように構成され、この逆止弁によって、前記内容物の流出後、前記外殻の形状を戻すように前記外殻の内側且つ前記内袋の外側の中間空間に空気が導入され、前記内袋は、前記内容物が減少すると前記中間空間に導入された前記空気に押圧されて収縮するように構成されるものが提供される。
この二重容器は、空気導入孔を設ける特定領域が外殻の底部側に設けられているため、内容物を取り出した直後に効率的に外殻から内袋を剥離可能とする、という有利な効果を奏する。
第1の実施形態に係る二重容器1の斜視図を示している。 図1の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第1の実施形態に係る二重容器1の正面図及び背面図を示している。 図3の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第1の実施形態に係る二重容器1の左側面図及び右側面図を示している。 図5の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第1の実施形態に係る二重容器1の平面図及び底面図を示している。 図7の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第1の実施形態に係る二重容器1の内部構成を示す端面図である。 逆止弁6の詳細な構造を示している。 第2の実施形態に係る二重容器1の斜視図を示している。 図11の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第2の実施形態に係る二重容器1の正面図及び背面図を示している。 図13の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第2の実施形態に係る二重容器1の左側面図及び右側面図を示している。 図15の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第2の実施形態に係る二重容器1の平面図及び底面図を示している。 図17の状態からキャップ30を外した態様を示している。 第2の実施形態に係る二重容器1の内部構成を示す端面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.第1の実施形態
本節では、第1の実施形態に係る二重容器1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る二重容器1の斜視図を示している。図2は、図1の状態からキャップ30を外した態様を示している。図3は、第1の実施形態に係る二重容器1の正面図及び背面図を示している。図4は、図3の状態からキャップ30を外した態様を示している。図5は、第1の実施形態に係る二重容器1の左側面図及び右側面図を示している。図6は、図5の状態からキャップ30を外した態様を示している。図7は、第1の実施形態に係る二重容器1の平面図及び底面図を示している。図8は、図7の状態からキャップ30を外した態様を示している。
1.1 本体2
二重容器1は、いわゆる積層剥離容器である。図1〜図8に示されるように、二重容器1は、本体2(外殻21及び内袋22)と、外気導入孔52とを備える。外殻21は、外側から押圧可能である。この押圧によって内袋22(収容空間26)に収容された内容物が口部3から流出するように構成される。内袋22は、内容物が減少すると、外気導入孔52を介して中間空間25に導入された空気に押圧されて収縮するように構成される。
外殻21及び内袋22は、多層パリソンとしてブロー成形に供され、一体に接合された状態で成形されるが、その使用形態としては、例えば使用前に予め外殻21から内袋22を剥離しておき、内袋22が外殻21に接するまで内容物を充填する。内容物を押し出すことで、円滑に内袋22が収縮する。あるいは、内袋22が外殻21に接合された状態のままとし、内容物の排出に伴って内袋22が外殻21から剥離して収縮するようにしてもよい。
本体2は、前述の通り、外殻21と内袋22とを備え、外殻21は、復元性が高くなるように、内袋22よりも肉厚に形成されている。
外殻21は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外殻21は、単層又は複数層構成であり、その最内層と最外層の少なくとも一方に滑剤を含有することが好ましい。外殻21が単層構成の場合、その単層が最内層であり且つ最外層であるので、その層に滑剤を含有させればよい。外殻21が2層構成の場合、容器内面側の層が最内層となり、容器外面側の層が最外層となるので、その少なくとも一方に滑剤を含有させればよい。外殻21が3層以上で構成される場合、最も容器内面側の層が最内層であり、最も容器外面側の層が最外層となる。
外殻21の最内層は、内袋22に接触する層であり、外殻21の最内層に滑剤を含有させることによって外殻21と内袋22の間の剥離性を向上させることができる。一方、外殻21の最外層は、ブロー成形の際に金型に接触する層であり、外殻21の最外層に滑剤を含有させることによって離型性を向上させることができる。
外殻21の最内層と最外層の一方又は両方は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体で形成することができる。これによって、外殻である外殻21の形状復元性・透明性・耐熱性を向上させることができる。
ランダム共重合体は、プロピレン以外のモノマーの含有量が、50mol%よりも小さいものであり、5〜35mol%が好ましい。プロピレンと共重合されるモノマーとしては、ポリプロピレンのホモポリマーに比べた場合のランダム共重合体の耐衝撃性を向上させるものであればよく、エチレンが特に好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、エチレンの含有量は、5〜30mol%が好ましい。ランダム共重合体の重量平均分子量は、10〜50万が好ましく、10〜30万がさらに好ましい。
また、ランダム共重合体の引張弾性率は、400〜1600MPaが好ましく、1000〜1600MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、形状復元性が特に良好であるからである。
なお、容器が過度に硬いと、容器の使用感が悪くなるため、ランダム共重合体に、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどの柔軟材料を混合して外殻21を構成してもよい。ただし、ランダム共重合体に対して混合する材料は、ランダム共重合体の有効な特性を大きく阻害することのなきよう、混合物全体に対して50重量%未満となるように混合することが好ましい。例えば、ランダム共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとを85:15の重量割合で混合した材料により外殻21を構成することができる。
内袋22は、例えば容器外面側に設けられたEVOH層と、EVOH層の容器内面側に設けられた内面層と、EVOH層と内面層の間に設けられた接着層を備える。EVOH層を設けることでガスバリア性、及び外殻21からの剥離性を向上させることができる。
EVOH層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層の柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層は、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層に含有させることにより、EVOH層の酸素バリア性をさらに向上させることができる。
EVOH樹脂の融点は、外殻21を構成するランダム共重合体の融点よりも高いことが好ましい。外気導入孔52は、加熱式の孔開け装置を用いて外殻21に形成することが好ましいが、EVOH樹脂の融点をランダム共重合体の融点よりも高くすることによって、外殻21に外気導入孔52を形成する際に、孔が内袋22にまで到達することを防ぐ。この観点から、(EVOHの融点)−(ランダム共重合体層の融点)の差は大きい方がよく、15℃以上であることが好ましく、30℃以上であることが特に好ましい。この融点の差は、例えば5〜50℃である。
内面層は、二重容器1の内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内面層を構成する樹脂の引張弾性率は、50〜300MPaが好ましく、70〜200MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、内面層が特に柔軟であるからである。
接着層は、EVOH層と内面層とを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層の一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
また、本体2が全体として扁平な形状を有していることに留意されたい。このような構成により、ユーザが容易に押圧可能で、内容物を絞り出しやすくなる、という有利な効果を奏する。
1.2 逆止弁6
外気導入孔52及び逆止弁6について説明する。図9は、第1の実施形態に係る二重容器1の内部構成を示す端面図である。特に、図9における一点鎖線に囲まれる領域は、意匠的特徴を有することに留意されたい。図10は、逆止弁6の詳細な構造を示している。
図9に示されるように、外気導入孔52は、外殻21の底部側の特定領域51に設けられる。ここで底部側とは、本二重容器1を高さ方向に二等分したときの口部3から遠い側である。特に、本実施形態においては、特定領域51は、外殻21の側面の一部であることに留意されたい。具体的には、特定領域51は、外殻21における凹部5に位置する。
外気導入孔52は、逆止弁6を嵌合するように構成される。逆止弁6は、例えば、ボール弁が採用されうる。この逆止弁6によって、内容物の流出後、外殻21の形状を戻すように外殻21の内側且つ内袋22の外側の中間空間25に空気が導入される。つまり、中間空間25と外部空間は、この外気導入孔52によって互いに連通されることになる。
このように、外気導入孔52が外殻21の底部側の特定領域51に設けられることで、内容物を取り出した直後に、外気導入孔52を介して外気が上方から下方に向かうように中間空間25に導入されることとなる。すなわち、従来に比べて、効率的に外殻21から内袋22を剥離することができる。
続いて、外気導入孔52に嵌合される逆止弁6について説明する。図10A〜図10Gに示されるように、逆止弁6は、筒体60及びボール69からなるボール弁である。筒体60は、外部空間と中間空間25を連通させるように設けられた空洞部6sを有する。ボール69は、空洞部6s内において特定方向に移動可能に収容される。具体的には、空洞部6sの横断面での直径は、ボール69の対応する断面での直径よりもわずかに大きくなっており、ボール69が特定方向(ここでは紙面上下方向)に自由に移動可能な形状となっている。
筒体60は、外気導入孔52内に配置される軸部61と、軸部61の外部空間側に設けられ且つ筒体60が中間空間25に入り込むことを防ぐ係止部62と、軸部61の中間空間25側に設けられ且つ筒体60が本体2の外側から引き抜かれることを防ぐ膨径部63とを有する。軸部61は、中間空間25側に向かって先細り形状になっている。そして、軸部61の外周面が外気導入孔52の縁に密着することによって筒体60が本体2に装着される。
空洞部6sを囲む面66には、ボール69が中間空間25側から外部空間側に向かって移動するときにボール69を係止するストッパ部65が設けられている。ストッパ部65は、環状の突起で構成されており、ボール69がストッパ部65に当接すると空洞部6sを通じた空気の流通が遮断されるようになっている。
また、筒体60の先端は、平坦面641となっており、平坦面641には、空洞部6sに連通する開口部64が設けられている。また、開口部64から放射状に広がる複数のスリット部642を有する。
逆止弁6は、図10Fに示されるように、膨径部63側から外気導入孔52内に挿入され、係止部62が外殻21の外面に当接する位置まで押し込まれると、軸部61の外周面が外気導入孔52の縁に密着した状態で、外殻21に保持される。中間空間25に空気が入っている状態で外殻21を圧縮すると、中間空間25内の空気が開口部64を通じて空洞部6s内に入り、ボール69を押し上げてストッパ部65に当接させる。ボール69がストッパ部65に当接すると、空洞部6sを通じた空気の流れが遮断される。
この状態で外殻21をさらに圧縮すると、中間空間25内の圧力が高まり、その結果、内袋22が圧縮されて、内袋22内である収容空間26から内容物が吐出される。また、外殻21への圧縮力を解除すると、外殻21が自身の弾性によって復元しようとする。外殻21の復元に伴って中間空間25内が減圧されることによって、図10Gに示されるように、ボール69に対して容器内側方向の力Fが加わる。これによって、ボール69が空洞部6sの底に向かって移動して、図10Fに示される状態となり、ボール69と面66の隙間及び開口部64を通って中間空間25内に外気(空気)が導入される。
なお、逆止弁6が前述のようなボール弁であることは、あくまでも一例であり、この限りではない。外気を中間空間25に導入し、その逆流を防ぐ構造であれば、どのような構造であってもよい。
1.3 口部3及びキャップ30
本体2においては、口部3は、蓋であるキャップ30を装着可能に構成される。具体的には、口部3に雄ネジ部が設けられており、雄ネジ部には、雌ねじを有するキャップ30が取り付けられる。ここで、キャップ30は、その天面31を接地面として、倒立して載置可能に構成される。もちろん、二重容器1の底面23を載置面として、正立して載置することもできる。倒立を安定させるために、二重容器1において、キャップ30の天面31の面積をS1とし、口部3の面積をS2とすると、S1≧1.5×S2を満たすことが好ましい。
具体的には、S1=k×S2とすると、k=1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3,3.1,3.2,3.3,3.4,3.5,3.6,3.7,3.8,3.9,4,4.1,4.2,4.3,4.4,4.5,4.6,4.7,4.8,4.9,5,5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,6,6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。倒立状態で載置可能であることにより、ジャムやマヨネーズ、ケチャップ等の粘稠な物質を内容物として収容する場合においても、残存率を抑えることができる。
ところで、再び図9を参照するに、特定領域51は、凹部5を規定する開口面53に対して傾斜角を有するように構成される。かかる傾斜角をθとすると、二重容器1では、傾斜角θが5度以上45度以下であるとよい。具体的には例えば、θ=5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
このような傾斜角θを有することによって、よりスムーズに上方から下方に向かうように外気が中間空間25に導入されることとなる。すなわち、このような構成も効率的に外殻21から内袋22を剥離することに寄与する。
さらに、凹部5を規定する壁54は、開口面53に対して非垂直に構成される。これらが成す角をφとすると、二重容器1では、角φが5度以上75度以下であるとよい。具体的には例えば、φ=5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、好ましくは、φ≧θを満たすとよい。
このような角φを有することによって、内袋22が外殻21から剥離する際に、凹部5(内袋22側から見ると凸形状)に内袋22が引っかかるおそれが抑制される。すなわち、このような構成も効率的に外殻21から内袋22を剥離することに寄与する。
さらに、二重容器1は、溝部55をさらに備える。具体的には、溝部55は、外殻21の、特定領域51よりもさらに底部側に設けられる。このような溝部55を設けることで、製造過程で外気導入孔52をドリルで空ける際に、溝部55に収容可能な凸部を有する固定治具(不図示)を用いて、位置決めの基準として用いることができる。ただし、溝部55の深さは、凹部5の深さよりも浅いことが好ましい。二重容器1の外側に内容物等を記したシュリンクフィルムを貼付した場合に、凹みが目立たないことが意匠上良いからである。
2.第2の実施形態
本節では、第2の実施形態に係る二重容器1について説明する。図11は、第2の実施形態に係る二重容器1の斜視図を示している。図12は、図11の状態からキャップ30を外した態様を示している。図13は、第2の実施形態に係る二重容器1の正面図及び背面図を示している。図14は、図13の状態からキャップ30を外した態様を示している。図15は、第2の実施形態に係る二重容器1の左側面図及び右側面図を示している。図16は、図15の状態からキャップ30を外した態様を示している。図17は、第2の実施形態に係る二重容器1の平面図及び底面図を示している。図18は、図17の状態からキャップ30を外した態様を示している。図19は、第2の実施形態に係る二重容器1の内部構成を示す端面図である。特に、図19における一点鎖線に囲まれる領域は、意匠的特徴を有することに留意されたい。
第2の実施形態に係る二重容器1は、第1の実施形態に係る二重容器1の基本構成を同一の構成を有するものの、図11〜図19に示されるように、本体2の形状が異なる点に留意されたい。特に、第2の実施形態に二重容器1は、底面23(紙面上方)が丸みを帯びており、底面23を載置面として自立しないことに留意されたい。したがって、キャップ30の天面31を載置面とすることを前提とした構成となっている。
また、第2の実施形態に係る二重容器1では、特定領域51の延長面が底面23におけるピンチオフ231と交わるように構成されることに留意されたい。このような構成により、内袋22がピンチオフ231を支点として萎みやすくなり、底部側に内容物が溜まりにくいという有利な効果を奏する。
第2の実施形態においても、外気導入孔52が外殻21の底部側の特定領域51に設けられることで、内容物を取り出した直後に、外気導入孔52を介して外気が上方から下方に向かうように中間空間25に導入されることとなる。すなわち、従来に比べて、効率的に外殻21から内袋22を剥離することができる。
3.結言
以上のように、これまでに説明した実施形態によれば、内容物を取り出した直後により効率的に外殻から内袋を剥離可能な二重容器を実現することができる。
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記二重容器において、前記口部は、キャップを装着可能に構成され、前記キャップは、その天面を接地面として、倒立して載置可能に構成されるもの。
前記二重容器において、前記キャップの天面の面積をS1とし、前記口部の面積をS2とすると、S1≧1.5×S2を満たすもの。
前記二重容器において、前記特定領域は、前記外殻の側面の一部であるもの。
前記二重容器において、前記特定領域は、前記外殻における凹部に位置し、前記凹部を規定する開口面に対して傾斜角を有するように構成されるもの。
前記二重容器において、前記傾斜角が5度以上45度以下であるもの。
前記二重容器において、前記凹部を規定する壁は、前記開口面に対して非垂直に構成されるもの。
前記二重容器において、溝部をさらに備え、前記溝部は、前記外殻の、前記特定領域よりもさらに底部側に設けられるもの。
前記二重容器において、前記溝部の深さは、前記凹部の深さよりも浅いもの。
前記二重容器において、前記逆止弁は、ボール弁であるもの。
もちろん、この限りではない。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :二重容器
2 :本体
3 :口部
5 :凹部
6 :逆止弁
6s :空洞部
13 :内層
21 :外殻
22 :内袋
23 :底面
231 :ピンチオフ
25 :中間空間
26 :収容空間
30 :キャップ
31 :天面
51 :特定領域
52 :外気導入孔
53 :開口面
54 :壁
55 :溝部
60 :筒体
61 :軸部
62 :係止部
63 :膨径部
64 :開口部
65 :ストッパ部
66 :面
69 :ボール
641 :平坦面
642 :スリット部
F :力
θ :傾斜角
φ :角

Claims (10)

  1. 二重容器であって、
    外殻と、外気導入孔と、内袋とを備え、
    前記外殻は、外側から押圧可能で、この押圧によって前記内袋に収容された内容物が口部から流出するように構成され、
    前記外気導入孔は、
    前記外殻の底部側の特定領域に設けられ、ここで前記底部側とは、本二重容器を高さ方向に二等分したときの口部から遠い側で、
    逆止弁を嵌合するように構成され、この逆止弁によって、前記内容物の流出後、前記外殻の形状を戻すように前記外殻の内側且つ前記内袋の外側の中間空間に空気が導入され、
    前記内袋は、前記内容物が減少すると前記中間空間に導入された前記空気に押圧されて収縮するように構成されるもの。
  2. 請求項1に記載の二重容器において、
    前記口部は、キャップを装着可能に構成され、
    前記キャップは、その天面を接地面として、倒立して載置可能に構成されるもの。
  3. 請求項2に記載の二重容器において、
    前記キャップの天面の面積をS1とし、前記口部の面積をS2とすると、
    S1≧1.5×S2
    を満たすもの。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の二重容器において、
    前記特定領域は、前記外殻の側面の一部であるもの。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の二重容器において、
    前記特定領域は、
    前記外殻における凹部に位置し、
    前記凹部を規定する開口面に対して傾斜角を有するように構成されるもの。
  6. 請求項5に記載の二重容器において、
    前記傾斜角が5度以上45度以下であるもの。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の二重容器において、
    前記凹部を規定する壁は、前記開口面に対して非垂直に構成されるもの。
  8. 請求項5〜請求項7の何れか1つに記載の二重容器において、
    溝部をさらに備え、
    前記溝部は、前記外殻の、前記特定領域よりもさらに底部側に設けられるもの。
  9. 請求項8に記載の二重容器において、
    前記溝部の深さは、前記凹部の深さよりも浅いもの。
  10. 請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の二重容器において、
    前記逆止弁は、ボール弁であるもの。
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