JP2020069260A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ等が安定した状態に設置できやすい洗濯機を提供する。【解決手段】全自動洗濯乾燥機1は、筐体10と、筐体10内に弾性的に支持された外槽20と、外槽20内に回転可能に配置され、洗濯物が収容される洗濯脱水槽24と、洗濯脱水槽24を回転させる駆動ユニット30と、全自動洗濯乾燥機1の設置状態に起因して生じる、洗濯脱水槽24が回転したときの筐体10が傾く振動を検出可能な加速度センサ80と、制御部と、ブザーと、を備える。制御部は、洗濯脱水槽24を駆動ユニット30により回転させ、許容される大きさを超える筐体10が傾く振動が発生したことに基づいてブザーに報知を行わせる。【選択図】図3

Description

本発明は、洗濯機に関する。
従来、洗濯機において、上面板に水準器を設けるようにしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。洗濯機が設置場所に設置された際、設置業者またはユーザは、洗濯機が水平に設置されておらず、水準器が水平な状態を示していなければ、筐体の底面四隅に設けられた脚部の高さを調整する。
特開2000−79295号公報
洗濯機が設置された際に、たとえば、1つの脚部は床から浮いているが他の3つの脚部が床に着いているために、結果として、洗濯機が傾かずにほぼ水平な状態に保たれるような場合が生じ得る。このとき、設置業者やユーザは、洗濯機がこのような状態にあること気づきにくい。このように洗濯機が不安定な状態に設置されたまま洗濯運転が行われた場合、特に、洗濯脱水槽が回転したときに、筐体が、浮いた脚部の方に傾いては元に戻るというような振動を発生させ、このような筐体が傾く振動に起因する、騒音などの不具合が生じる虞がある。
そこで、本発明は、ユーザ等が安定した状態に設置できやすい洗濯機を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体と、前記筐体内に弾性的に支持された外槽と、前記外槽内に回転可能に配置され、洗濯物が収容される内槽と、前記内槽を回転させる駆動部と、前記洗濯機の設置状態に起因して生じる、前記内槽が回転したときの前記筐体が傾く振動を検出可能な検出部と、制御部と、第1報知部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記内槽を前記駆動部により回転させ、許容される大きさを超える前記振動が発生したことに基づいて前記第1報知部に報知を行わせる。
上記の構成によれば、ユーザ等は、洗濯機が不安定な設置状態にあることを把握でき、安定な設置状態となるよう調整を行うこができる。よって、洗濯機が安定した状態に設置されやすくなる。
本態様に係る洗濯機において、前記筐体の底面に設けられた4つの脚部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、少なくとも一つの前記脚部は、高さが調整可能な調整脚とされる。
上記の構成によれば、何れか一つの脚部が設置面に着いておらず洗濯機が不安定な設置状態にある場合に、調整脚である脚部の高さを調整することにより、全ての脚部が設置面に着いた状態となるよう容易に調整を行うことができる。
本態様に係る洗濯機において、前記制御部は、前記第1報知部による報知が開始された後も前記駆動部により前記内槽の回転を継続させ、許容される大きさを超える前記振動が治まったことに基づいて前記第1報知部に報知を停止させるような構成とされ得る。
上記の構成によれば、調整を行ったユーザ等は、洗濯機を安定した設置状態に調整できたことを容易に把握できる。
本態様に係る洗濯機において、前記検出部は、加速度センサとされ得る。この場合、前記制御部は、前記内槽の回転中に前記加速度センサにより検出された加速度に基づいて前記振動の大きさを判定する。
上記の構成によれば、筐体内の所定の位置に加速度センサを配置することにより、筐体が傾く振動を容易に検出できる。
上記の構成とされた場合、第2報知部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記加速度センサは、互いに直交する第1の水平方向および第2の水平方向に働く加速度を検出可能な構成とされる。そして、前記制御部は、前記内槽の回転中に前記加速度センサにより検出された前記第1の水平方向に働く加速度と前記第2の方向に働く加速度に基づいて、前記振動時に前記筐体が傾く方向を判定し、前記筐体が傾く方向に応じた報知を前記第2報知部に行わせる。
このような構成とされれば、ユーザ等は、振動時に筐体が傾く方向を知ることができるので、不安定の要因となる位置を把握でき、洗濯機を安定した設置状態に調整しやすくなる。
上記のように検出部が加速度センサとされた場合、第3報知部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、前記駆動部により前記内槽を回転させる前に、前記加速度センサにより検出された加速度に基づいて前記筐体の水平方向に対する傾き量が許容される傾き量を超えているか否かの判定を行い、前記傾き量が前記許容される傾き量を超えている場合に前記第3報知部に報知を行わせる。
このような構成とされれば、ユーザ等は、筐体が傾いた状態にあることを把握でき、筐体の傾きを無くするよう調整を行うことができる。
本発明によれば、ユーザ等が安定した状態に設置できやすい洗濯機を提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機の側面断面図である。 図2は、実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機の上部の背面斜視図である。 図3(a)は、実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機の平面断面図であり、図3(b)は、実施の形態に係る、外槽における加速度センサが取り付けられた部分の縦断面図である。 図4は、実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機の構成を示すブロック図である。 図5は、実施の形態に係る、設置モードの運転の制御処理を示すフローチャートである。 図6(a)ないし(d)は、実施の形態に係る、振動時に筐体が傾く方向の報知の一例を示す図であり、図6(e)は、実施の形態に係る、調整不能の報知の一例を示す図である。 図7は、変更例1に係る、全自動洗濯乾燥機の平面断面図である。 図8は、変更例1に係る、設置モードの運転の制御処理を示すフローチャートである。 図9(a)ないし(d)は、変更例1に係る、筐体の傾き方向の報知の一例を示す図であり、図9(e)は、変更例1に係る、調整不能の報知の一例を示す図である。 図10は、その他の変更例に係る、加速度センサの配置方向について説明するための図である。
以下、本発明の洗濯機の一実施形態である全自動洗濯乾燥機1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の側面断面図である。図2は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の上部の背面斜視図である。
全自動洗濯乾燥機1は、外観を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物を投入するための外側投入口14が形成される。外側投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。
脚台13の底面、即ち、筐体10の底面には、四隅に脚部17が設けられる。4つの脚部17のうち、前側2つの脚部17は、高さが調整可能な調整脚17aとされる。調整脚17aは、たとえば、ネジが形成された軸と当該軸の下端に固定された脚とを備え、軸を回転させることにより脚が昇降する構成とされ得る。
筐体10内には、外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20は、上面が開口するほぼ円筒状の外槽本体20aと、外槽本体20aの上面を覆うことにより、外槽20の上面を構成する外槽カバー20bとを含む。外槽20の上面、即ち外槽カバー20bには、外側投入口14に対応する位置に、洗濯物を投入するための内側投入口22が形成される。内側投入口22は、外槽蓋23により開閉可能に覆われる。
外槽20内には、上面が開放されたほぼ円筒状の洗濯脱水槽24が配される。洗濯脱水槽24の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔24aが形成される。洗濯脱水槽24の上部には、バランスリング25が設けられる。洗濯脱水槽24の底部には、パルセータ26が配される。パルセータ26の表面には、放射状に複数の羽根26aが設けられる。なお、洗濯脱水槽24は、本発明の内槽に相当する。
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽24およびパルセータ26を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32と、翼軸33と、脱水槽軸34とを含む。翼軸33はパルセータ26に接続され、脱水槽軸34は洗濯脱水槽24に接続される。伝達機構部32は、クラッチ機構を有し、当該クラッチ機構による切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクを翼軸33のみに伝達してパルセータ26のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクを翼軸33および脱水槽軸34に伝達してパルセータ26および洗濯脱水槽24を一体的に回転させる。なお、伝達機構部32は減速機構を有し、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31の回転が減速機構の減速比に従って減速され、翼軸33に伝達される。なお、駆動ユニット30は、本発明の駆動部に相当する。
外槽20の外底部には、排水口部20cが形成される。排水口部20cには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽24および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
筐体10内の後部には、外槽20の上方に乾燥装置50と給水装置60とが配置される。乾燥装置50と給水装置60は、胴体部11の上面後部に配置された固定板16に取り付けられ、上面板12により覆われる。
乾燥装置50は、洗濯脱水槽24内に収容された洗濯物を乾燥させる。乾燥装置50はヒータと送風ファンが配置された循環風路50aを含み、循環風路50aが、吸気ダクト71および排気ダクト72によって外槽20の内部と接続される。吸気ダクト71および排気ダクト72は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に図示しない蛇腹部を有する。ヒータおよび送風ファンの動作により生成した温風が、循環風路50aから排出され、吸気ダクト71を通じて外槽20内に導入される。さらに、外槽20から排出された温風が、排気ダクト72を通じて循環風路50a内に導入される。こうして、循環風路50aと外槽20との間で温風が循環する。
乾燥装置50は、温風の循環による循環乾燥動作と、それに続く、循環する温風の一部を外部へ排出させる排気乾燥動作とを行う。上面板12には、多数の排気孔で構成され、温風が排出される排気口51が設けられる。
給水装置60は、外部に露出する給水口61が、水栓から延びる図示しない外部給水ホースに接続される。給水装置60は給水バルブおよび洗剤容器を含み、給水バルブが開放されることにより、水栓からの水道水が洗剤容器内に収容された洗剤とともに外槽20内に供給される。給水装置60は、風呂水ポンプを含んでいてもよい。
図3(a)は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の平面断面図であり、図3(b)は、本実施の形態に係る、外槽20における加速度センサ80が取り付けられた部分の縦断面図である。
外槽20の外周面には、上下方向におけるほぼ中央であって、平面視においてほぼ左斜め後ろ45度の位置に、加速度センサ80が、基板81を介して取り付けられる。加速度センサ80は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3軸方向の動加速度および静加速度、言い換えれば重力加速度を検出可能な3軸加速度センサである。加速度センサ80として、たとえば、3軸ピエゾ抵抗型加速度センサを用いることができる。加速度センサ80は、たとえば、X軸方向およびZ軸方向が、それぞれ、水平方向であって外槽20の外周面の接線方向および法線方向となり、Y軸方向が鉛直方向となるように、外槽20に取り付けられる。加速度センサ80は、本発明の検出部に相当する。
図4は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の構成を示すブロック図である。
全自動洗濯乾燥機1は、上述した構成に加え、操作部91と、表示部92と、ブザー93と、水位センサ94とを備える。また、全自動洗濯乾燥機1は、制御ユニット100を備える。制御ユニット100は、制御部101、記憶部102、モータ駆動部103、クラッチ駆動部104、給水駆動部105、排水駆動部106、ファン駆動部107およびヒータ駆動部108を含む。
操作部91は、全自動洗濯乾燥機1の電源を投入および遮断するための電源ボタン、運転を開始、一時停止させるためのスタート/一時停止ボタン、洗濯運転、洗濯乾燥運転および乾燥運転に係る複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのコース選択ボタンなど、各種の操作ボタンを含む。操作部91は、ユーザに操作された操作ボタンに応じた入力信号を制御部101に出力する。
表示部92は、選択された運転コースを表示するコース表示部、洗濯水位を表示する水位表示部、運転の進行に合わせて現在実行中の工程を表示する工程表示部、運転の残り時間を表示する残時間表示部などを含む。残時間表示部は、2つの7セグメントLEDを含み、これら7セグメントLEDにより、残り時間を表示する。また、残時間表示部は、後述する設置モードの運転において、振動時に筐体10が傾く方向を表示するためにも用いられる。
ブザー93は、制御部101から制御信号に従って、操作ボタンが受け付けられたことを知らせる音、運転が終了したことを知らせる音など、各種のビープ音を出力する。また、ブザー93は、後述する設置モードの運転において、全自動洗濯乾燥機1が不安定な状態で設置されている場合に、設置状態の調整が必要であることを報知するために用いられる。なお、ブザー93は、本発明の第1報知部に相当する。
水位センサ94は、洗濯脱水槽24内の水位を検出し、検出した水位に応じた水位信号を制御部101に出力する。
加速度センサ80は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のそれぞれの加速度データを制御部101に出力する。図3(a)、(b)に示すような、筐体10の右斜め後方向である+X軸方向、筐体10の右斜め前方向である+Z軸方向および真下方向である+Y軸方向に加速度が働くときは、加速度データは正の値をとる。一方、+X軸方向と反対の−X軸方向、+Z軸方向と反対の−Z軸方向および+Y軸方向と反対の−Y軸方向に加速度が働くときは、加速度データは負の値をとる。また、洗濯脱水槽24が静止しているときに出力された加速度データが静加速度の加速度データとなり、洗濯脱水槽24が回転しているときに出力された加速度データが動加速度の加速度データとなる。
モータ駆動部103は、制御部101からの制御信号に従って、駆動モータ31を駆動する。モータ駆動部103は、駆動モータ31の回転数を検出する回転数センサ(図示せず)を有し、回転数センサが検出した回転数に応じた駆動電流を駆動モータ31に出力する。駆動モータ31の回転数制御として、たとえば、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いることができる。
クラッチ駆動部104は、制御部101から出力された制御信号に従い、伝達機構部32のクラッチ機構32aを駆動する。給水駆動部105は、制御部101からの制御信号に従って、給水装置60の給水バルブ62を駆動する。排水駆動部106は、制御部101からの制御信号に従って、排水バルブ40を駆動する。
ファン駆動部107は、制御部101から出力された制御信号に従って、乾燥装置50の送風ファン52を駆動する。ヒータ駆動部108は、制御部101から出力された制御信号に従って、乾燥装置50のヒータ53を駆動する。
記憶部102は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部102には、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転および乾燥運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部102には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムに従い、表示部92、ブザー93、モータ駆動部103、クラッチ駆動部104、給水駆動部105、排水駆動部106、ファン駆動部107、ヒータ駆動部108等を制御する。
全自動洗濯乾燥機1では、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転または乾燥運転が行われる。洗濯運転は、洗濯のみを行う運転であり、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。洗濯乾燥運転は、洗濯から乾燥までを連続的に行う運転であり、最終脱水工程に続いて乾燥工程が実行される。乾燥運転は、乾燥のみを行う運転であり、乾燥工程のみが実行される。
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽24内に水が溜められた状態で、パルセータ26が右方向および左方向に回転する。パルセータ26の回転により発生した水流等の作用によって洗濯脱水槽24内の洗濯物が洗われる、あるいは、すすがれる。
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽24およびパルセータ26が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽24に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。なお、中間脱水工程および最終脱水工程において、洗濯脱水槽24内での洗濯物の片寄りが大きい場合、洗濯脱水槽24が所定の脱水回転数まで立ち上げられる際に、外槽20が大きく振動し得る。制御部101は、この外槽20の振動の大きさを加速度センサ80に働く動加速度に基づいて判定し、許容される大きさを超える振動が発生した場合、洗濯脱水槽24の回転の立ち上げを中止して、パルセータ26の回転などにより洗濯脱水槽24内の洗濯物をほぐすほぐし動作を行う。
乾燥工程では、最初に内気循環乾燥工程が行われ、それに続いて外気導入乾燥工程が行われる。内気循環乾燥工程では、乾燥装置50により循環乾燥動作が行われ、循環風路50aと外槽20との間で温風が循環する。乾燥風の循環により、洗濯脱水槽24内の温度が速やかに上昇する。パルセータ26が回転し、洗濯物が撹拌されつつ、循環する温風により乾燥される。洗濯脱水槽24内の温度上昇が進み、洗濯物から水分が蒸発して温風に水分が多く含まれるようになると、外気導入乾燥工程に切り替えられる。外気導入乾燥工程では、乾燥装置50により排気乾燥動作が行われ、循環風路50aに外気が導入されるとともに、循環風路50aから循環する温風の一部が排気される。洗濯物から蒸発した水分が、効果的に外槽20内から筐体10の外に排出され、外槽20内が除湿されやすくなるため、洗濯物の乾燥が促進される。
さて、全自動洗濯乾燥機1が設置場所に設置された際に、たとえば、1つの脚部17は床等の設置面から浮いているが他の3つの脚部17が設置面に着いているために、結果として、全自動洗濯乾燥機1が傾かずにほぼ水平な状態に保たれるような場合が生じ得る。たとえば、右前側の調整脚17aである脚部17の高さが左前側の調整脚17aである脚部17の高さより低い場合に、右前側の脚部17が設置面から浮いた状態となりやすく、反対に、左前側の脚部17の高さが右前側の脚部17の高さより低い場合に、左前側の脚部17が設置面から浮いた状態となりやすい。
また、前後左右の4つの脚部17の高さが等しくても、全自動洗濯乾燥機1の高さ調整などのため、各脚部17がブロック等の調整部材の上に載置された場合、一つ調整部材が他の調整部材よりも低いと、その調整部材に載置されるべき脚部17が設置部材の設置面から浮いた状態となりやすい。このように、全自動洗濯乾燥機1が不安定に設置された状態で、洗濯運転等が行われると、洗濯脱水槽24が回転したときに、筐体10が、浮いた脚部17の方に傾いては元に戻るというような振動を発生させ、このような筐体10が傾く振動に起因する、騒音などの不具合が生じる虞がある。
そこで、本実施の形態の全自動洗濯乾燥機1では、洗濯運転、洗濯乾燥運転および乾燥運転に加え、設置モードの運転を行うことができる。全自動洗濯乾燥機1が設置場所に設置された後、全自動洗濯乾燥機1の設置状態を確認するため、設置業者またはユーザ(以下、「ユーザ等」という)により、設置モードの運転が行われる。
図5は、本実施の形態に係る、設置モードの運転の制御処理を示すフローチャートである。図6(a)ないし(d)は、本実施の形態に係る、振動時に筐体10が傾く方向の報知の一例を示す図であり、図6(e)は、本実施の形態に係る、調整不能の報知の一例を示す図である。
所定の操作に基づいて設置モードの運転が開始されると、制御部101は、駆動モータ31を回転させて、洗濯物が収容されていない状態の洗濯脱水槽24を、脱水時の回転数より小さい回転数、望ましくは洗濯脱水槽24の縦共振が生じる回転数より小さな回転数で一方向へ回転させる(S1)。このときは、脱水時と同様、パルセータ26が洗濯脱水槽24と一体的に回転する。
4つ全ての脚部17が設置面に着いている場合は、筐体10が安定した状態にあるため、洗濯脱水槽24が回転したときに、筐体10が傾く振動がほぼ発生しない。一方で、一つの脚部17が浮いているような場合は、筐体10が不安定な状態にあるため、洗濯脱水槽24が回転に伴って、筐体10が浮いた脚部17の側へ傾いては元に戻るという振動が発生し得る。即ち、右前側の脚部17が浮いている場合は、筐体10が右斜め前に傾くように振動し、左前側の脚部17が浮いている場合は、筐体10が左斜め前に傾くように振動し、右後側の脚部17が浮いている場合は、筐体10が右斜め後に傾くように振動し、左後側の脚部17が浮いている場合は、筐体10が左斜め後に傾くように振動する。このような筐体10が傾く振動は、浮いた脚部17と設置面との間の隙間が大きく、筐体10が傾くことができる量、言い換えれば角度が大きいほど、大きくなり得る。
ここで、外槽20は、吊棒21によって吊られた状態にあるので、筐体10と共には傾きにくく、筐体10が傾く方向へほぼ水平に移動し得る。よって、筐体10が傾く振動が発生したとき、外槽20はほぼ水平に振動するため、外槽20に取り付けられた加速度センサ80には、鉛直方向であるY軸方向に動加速度がほぼ働かず、振動の方向に応じてX軸方向およびZ軸方向に動加速度が働く。即ち、筐体10が右斜め前に傾くように振動したときと左斜め後に傾くように振動したとき、加速度センサ80には、Z軸方向に動加速度が働き、X軸方向とY軸方向に動加速度がほぼ働かない。
また、筐体10が左斜め前に傾くように振動したときと右斜め後に傾くように振動したとき、加速度センサ80には、X軸方向に動加速度が働き、Z軸方向とY軸方向に動加速度がほぼ働かない。X軸方向とZ軸方向に働く最大の動加速度は、筐体10が傾く振動の大きさに相関し、筐体10が傾く振動が大きいほど大きくなる。
洗濯脱水槽24が回転すると、制御部101は、加速度センサ80からX軸方向およびZ軸方向の加速度データをサンプリングする(S2)。制御部101は、サンプリング時間が経過するまで(S3:YES)、加速度データのサンプリングを行う。サンプリング時間は、たとえば、洗濯脱水槽24が数回転するような長さとされる。
次に、制御部101は、X軸方向の加速度データの最大値とZ軸方向の加速度データの最大値を抽出する(S4)。サンプリングされた加速度データには、正の値と負の値とが含まれるため、抽出される最大値は、絶対最大値とされる。制御部101は、X軸方向およびZ軸方向の何れかの加速度データの最大値が、それぞれに対応する第1閾値を超えたか否かを判定する(S5)。第1閾値は、許容される大きさを超えるような筐体10が傾く振動が発生したときに、加速度データの最大値が超えるような値であり、実験等により決められる。
X軸方向およびZ軸方向の何れかの加速度データの最大値が、それぞれに対応する第1閾値を超えない場合(S5:NO)、即ち、許容される大きさを超えるような筐体10が傾く振動が発生していない場合、制御部101は、駆動モータ31を停止させて洗濯脱水槽24を停止させる(S6)。
一方、X軸方向およびZ軸方向の何れかの加速度データの最大値が、それぞれに対応する第1閾値を超えた場合(S5:YES)、即ち、許容される大きさを超えるような筐体10が傾く振動が発生している場合、制御部101は、これら最大値が、それぞれに対応する第2閾値を超えたか否かを判定する(S7)。第2閾値は、調整脚17aによる調整を行っても、許容される大きさまで治めることができないような筐体10が傾く振動が発生したときに、加速度データの最大値が超えるような値であり、実験等により決められる。
X軸方向およびZ軸方向の何れかの加速度データの最大値が、それぞれに対応する第2閾値を超えない場合(S7:NO)、制御部101は、全自動洗濯乾燥機1の設置状態を調整する必要があることを知らせる報知音をブザー93に出力させる(S8)。報知音は、たとえば、“ピー、ピー・・・”というような間欠的なビープ音とすることができる。
さらに、制御部101は、X軸方向およびZ軸方向の加速度データに基づいて、振動時に筐体10が傾く方向を判定する(S9)。即ち、筐体10が右斜め前に傾く場合は、Z軸方向の加速度データの最大値がX軸方向の加速度データの最大値より大きくなり、かつ、最初にサンプリングしたZ軸方向の加速度データが正の値をとる。
また、筐体10が左斜め前に傾く場合は、X軸方向の加速度データの最大値がZ軸方向の加速度データの最大値より大きくなり、かつ、最初にサンプリングしたX軸方向の加速度データが負の値をとる。さらに、筐体10が左斜め後に傾く場合は、Z軸方向の加速度データの最大値がX軸方向の加速度データの最大値より大きくなり、かつ、最初にサンプリングしたZ軸方向の加速度データが負の値をとる。さらに、筐体10が右斜め後に傾く場合は、X軸方向の加速度データの最大値がZ軸方向の加速度データの最大値より大きくなり、かつ、最初にサンプリングしたX軸方向の加速度データが正の値をとる。
制御部101は、S9での傾き判定の結果に基づいて、振動時に筐体10が傾く方向を、表示部92の残時間表示部92aに報知させる(S10)。この報知には、図6(a)ないし(d)に示すように、残時間表示部92aの2つの7セグメントLEDが用いられる。残時間表示部92aは、本発明の第2報知部に相当する。
筐体10が右斜め前に傾く場合、図6(a)のように、筐体10の右前の角を示すように右側の7セグメントLEDが点灯し、筐体10が左斜め前に傾く場合、図6(b)のように、筐体10の左前の角を示すように左側の7セグメントLEDが点灯する。また、筐体10が左斜め後に傾く場合、図6(c)のように、筐体10の左後の角を示すように左側の7セグメントLEDが点灯し、筐体10が右斜め後に傾く場合、図6(d)のように、筐体10の右後の角を示すように右側の7セグメントLEDが点灯する。
これら残時間表示部92aでの表示により、ユーザ等は、振動時に筐体10が傾く方向、即ち、浮いた脚部17の位置を把握できる。ユーザ等は、前側の左右の調整脚17aである脚部17の何れかが浮いている場合は、これら調整脚17aの高さを調整して浮いている脚部17が設置面に着くようにする。後側の左右の脚部17が浮いている場合は、浮いている脚部17と設置面との間にディスタントピースなどのスペーサが差し込まれる。これら調整により全自動洗濯乾燥機1の設置状態を安定させることができる。
S8でのブザー93による報知が開始された後も、洗濯脱水槽24の回転は継続される。制御部101は、S2ないしS5と同様、X軸方向およびZ軸方向の加速度データのサンプリングを行い(S11、S12)、X軸方向の加速度データの最大値とZ軸方向の加速度データの最大値を抽出して(S13)、何れかの最大値が、それに対応する第1閾値を超えたか否かを判定する(S14)。ユーザ等による調整が十分でなく、何れかの最大値が、それに対応する第1閾値を超えている間(S14:YES)、制御部101は、S11ないしS14の処理を繰り返す。この間、ブザー93と表示部92による報知は継続される。このとき、制御部101は、第1閾値を超えている加速度データの最大値が小さくなるに従って、“ピー、ピー・・・”から“ピッ、ピッ・・・”というように、ブザー93の発音周期、即ち音の長さを短くしていく。
ユーザ等による調整が完了し、何れかの最大値が、それに対応する第1閾値を超えなくなると(S14:NO)、即ち、許容される大きさを超える筐体10が傾く振動が治まると、制御部101は、ブザー93および表示部92に報知を停止させる(S15)。このとき、制御部101は、ブザー93の報知を停止させる前に、“ピィー”というような、報知初期よりも長い音をブザー93に出力させるようにしてもよい。その後、制御部101は、駆動モータ31を停止させて洗濯脱水槽24を停止させる(S6)。
一方で、S7において、X軸方向およびZ軸方向の何れかの加速度データの最大値が、それぞれに対応する第2閾値を超える場合(S7:YES)、制御部101は、調整脚17aによる調整など、通常の調整では調整不能であることを知らせる報知を表示部92の残時間表示部92aにより行う(S16)。図6(e)に示すように、残時間表示部92aには、調整不能のエラーに対応するエラーコードが表示される。その後、制御部101は、駆動モータ31を停止させて洗濯脱水槽24を停止させる(S6)。なお、残時間表示部92aに表示されたエラーコードは、ユーザによる所定の取消操作により消去される。
こうして、洗濯脱水槽24が停止すると、設置モードの運転が終了する。
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、設置モードの運転において、全自動洗濯乾燥機1の設置状態に起因する、洗濯脱水槽24の回転したときの筐体10が傾く振動が検出され、当該振動が許容される大きさを超える場合に、ブザー93による報知が行われる。これにより、ユーザ等は、全自動洗濯乾燥機1が不安定な設置状態にあることを把握でき、安定な設置状態となるよう調整を行うこができる。
また、本実施の形態によれば、筐体10の底面に設けられた4つの脚部17のうち、前側の2つの脚部17が、高さ調整可能な調整脚17aとされている。これにより、何れか一つの脚部17が設置面に着いておらず全自動洗濯乾燥機1が不安定な設置状態にある場合に、調整脚17aである脚部17の高さを調整することにより、全ての脚部17が設置面に着いた状態となるよう容易に調整を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、ブザー93による報知が開始された後も洗濯脱水槽24が継続して回転して筐体10が傾く振動が検出され、許容される大きさを超える振動が治まったときに報知が停止される。これにより、調整を行ったユーザ等は、全自動洗濯乾燥機1を安定した設置状態に調整できたことを容易に把握できる。
さらに、本実施の形態によれば、筐体10が傾く振動の検出に加速度センサ80が用いられるとともに、加速度センサ80の互いに直交するX軸方向とZ軸方向とが水平方向となるように加速度センサ80が外槽20に取り付けられる。そして、洗濯脱水槽24の回転中に加速度センサ80により検出されたX軸方向に働く加速度とZ軸方向に働く加速度に基づいて、振動時に筐体10が傾く方向が判定され、筐体10が傾く方向に応じた報知が残時間表示部92aにより行われる。これにより、ユーザ等は、振動時に筐体10が傾く方向を知ることができるので、浮いた脚部17など、不安定の要因となる位置を把握でき、全自動洗濯乾燥機1を安定した設置状態に調整しやすくなる。
<変更例1>
図7は、変更例1に係る、全自動洗濯乾燥機1の平面断面図である。
上記実施の形態では、加速度センサ80が外槽20に取り付けられた。これに対し、本変更例では、加速度センサ80が筐体10に取り付けられる。たとえば、図7に示すように、加速度センサ80は、筐体10の右前角部の内側に取り付けられる。筐体10へ取り付けられた状態での加速度センサ80の3軸の方向は、外槽20に取り付けられる場合と同じとされる。
本変更例では、設置モードの運転において、洗濯脱水槽24を回転させて筐体10が傾く振動の発生の有無を確認する制御処理が行われる前に、設置された全自動洗濯乾燥機1の筐体10の傾きの有無を確認する制御処理が行われる。
図8は、変更例1に係る、設置モードの運転の制御処理を示すフローチャートである。図9(a)ないし(d)は、変更例1に係る、筐体10の傾き方向の報知の一例を示す図であり、図9(e)は、変更例1に係る、調整不能の報知の一例を示す図である。なお、図8では、S1以降の処理が省略されている。
以下、設置モードの運転において追加された制御処理について説明する。
設置モードの運転が開始されると、制御部101は、加速度センサ80からX軸方向、Y軸方向およびX軸方向の加速度データを取得する(S21)。このときの加速度データは静止加速度、即ち重力加速度の加速度データであり、Y軸方向の加速度データは、水平方向に対する筐体10の傾き角度に応じた値となり、X軸方向およびZ軸方向の加速度データは、筐体10の傾き方向に応じた値となる。よって、制御部101は、取得したY軸方向の加速度データに基づいて筐体10の傾き角度を求め、取得したX軸方向およびZ軸方向の加速度データに基づいて筐体10の傾き方向を求める(S22)。
制御部101は、求めた傾き角度が第1角度よりも大きいか否かを判定する(S23)。第1角度は、許容できる傾き角度の閾値となる角度である。全自動洗濯乾燥機1がほぼ水平に設置されており、傾き角度が第1角度よりも大きくなければ(S23:NO)、制御部101は、S1に移行し、洗濯脱水槽24を回転させる。
一方、傾き角度が第1角度よりも大きければ(S23:YES)、制御部101は、傾き角度が第2角度よりも大きいか否かを判定する(S24)。第2角度は、調整脚17aによる調整を行っても、傾き角度を第1角度以下にできないような角度である。
傾き角度が第2角度よりも大きくない場合(S24:NO)、制御部101は、全自動洗濯乾燥機1の傾きを修正する必要があることを知らせる報知音をブザー93に出力させる(S25)。報知音は、たとえば、S8での報知音と同様な音、即ち、“ピー、ピー・・・”というような間欠的なビープ音とすることができる。さらに、制御部101は、筐体10の傾き方向を表示部92の残時間表示部92aに表示させる(S26)。
この報知には、図9(a)ないし(d)に示すように、残時間表示部92aの2つの7セグメントLEDが用いられる。たとえば、筐体10の傾き方向が、前後左右の4方向に分けられる。S22で求められた筐体10の傾き方向が前方向に含まれる場合、図9(a)のように、筐体10の前側を示すように2つの7セグメントLEDが点灯し、筐体10の傾き方向が後方向に含まれる場合、図9(b)のように、筐体10の後側を示すように2つの7セグメントLEDが点灯する。また、筐体10の傾き方向が左方向に含まれる場合、図9(c)のように、筐体10の左側を示すように左側の7セグメントLEDが点灯し、筐体10の傾き方向が右方向に含まれる場合、図9(d)のように、筐体10の右側を示すように右側の7セグメントLEDが点灯する。これら残時間表示部92aでの表示により、ユーザ等は、筐体10の傾き方向を把握できる。ユーザ等は、前側の左右の調整脚17aである脚部17の高さを調整することにより、筐体10がほぼ水平状態になるようにする。
制御部101は、Y軸方向の加速度データを取得し(S27)、筐体10の傾き角度を求めて(S28)、求めた傾き角度が第1角度より大きいか否かを判定する(S29)。ユーザ等による調整が十分でなく、傾き角度が第1角度よりも大きい間(S29:YES)、制御部101は、S27ないしS29の処理を繰り返す。この間、ブザー93と表示部92による報知は継続される。このとき、制御部101は、第1角度を超えている傾き角度が小さくなるに従って、“ピー、ピー・・・”から“ピッ、ピッ・・・”というように、ブザー93の発音周期、即ち音の長さを短くしていく。
ユーザ等による調整が完了し、筐体10の傾き角度が第1角度以下になると(S29:NO)、制御部101は、ブザー93および表示部92に報知を停止させる(S30)。このとき、制御部101は、ブザー93の報知を停止させる前に、“ピィー”というような、報知初期より長い音をブザー93に出力させるようにしてもよい。その後、制御部101は、S1に移行し、洗濯脱水槽24を回転させる。
一方で、S24において、傾き角度が第2角度よりも大きい場合(S24:YES)、制御部101は、調整脚17aによる調整など、通常の調整では調整不能であることを知らせる報知を表示部92の残時間表示部92aにより行う(S31)。図9(e)に示すように、残時間表示部92aには、調整不能のエラーに対応するエラーコードが表示される。その後、制御部101は、S1に移行し、洗濯脱水槽24を回転させる。なお、残時間表示部92aに表示されたエラーコードは、ユーザによる所定の取消操作により消去される。
本変更例では、筐体10に加速度センサ80が取り付けられているため、洗濯脱水槽24の回転に伴い、筐体10が傾く振動が発生すると、加速度センサ80には、Y軸方向にも動加速度が働く。よって、本変更例では、S2ないしS5およびS11ないしS14において、制御部101は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の加速度データのサンプリングを行い、X軸方向の加速度データの最大値、Y軸方向の加速度データの最大値およびZ軸方向の加速度データの最大値を抽出して、何れかの最大値が、それに対応する第1閾値を超えたか否かを判定する。
本変更例によれば、全自動洗濯乾燥機1が設置された状態での筐体10の傾き量が検出され、当該傾き量が許容される傾き量を超えている場合にブザー93による報知が行われる。これにより、ユーザ等は、筐体10が傾いた状態にあることを把握でき、調整脚17aである脚部17の高さを調整するなどして、筐体10の傾きを無くするようにすることができる。
なお、本変更例において、ブザー93は、本発明の第3報知部に相当する。
<その他の変更例>
加速度センサ80の外槽20への取付位置は、上記実施の形態の位置に限られるものではなく、加速度センサ80の筐体10への取付位置も、上記変更例1の位置に限られるものではない。要は、筐体10が傾く振動を検出できれば、加速度センサ80は、外槽20あるいは筐体10の如何なる位置に取り付けられてもよいし、外槽20および筐体10以外の部分に取り付けられてもよい。
また、加速度センサ80が外槽20あるいは筐体10に取り付けられたときの加速度センサ80のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の向きは、上記実施の形態および上記変更例1の向きに限られるものではない。たとえば、図10(a)および(b)にそれぞれ示されるように、加速度センサ80が、X軸方向が前後方向となり、Z軸方向が左右方向となり、Y軸方向が上下方向となるように、外槽20または筐体10に取り付けられてもよい。この場合、図5に示す設置モードの運転のS9の処理において、制御部101は、最初にサンプリングしたZ軸方向およびX軸方向の加速度データが、それぞれ正の値および負の値をとる場合は筐体10が右斜め前に傾くと判定し、同じくZ軸方向およびX軸方向の加速度データが、ともに負の値をとる場合は筐体10が左斜め前に傾くと判定し、同じくZ軸方向およびX軸方向の加速度データが、それぞれ負の値および正の値をとる場合は筐体10が左斜め後に傾くと判定し、同じくZ軸方向およびX軸方向の加速度データが、ともに正の値をとる場合は筐体10が右斜め後に傾くと判定する。
さらに、上記実施の形態では、4つの脚部17のうち、前側2つの脚部17が調整脚17aとされた。しかしながら、少なくとも一つの脚部17が調整脚17aとされればよく、たとえば、4つの脚部17のうちの一つのみが調整脚17aとされてもよいし、後側2つの脚部17が調整脚17aとされてもよいし、4つの脚部17の全てが調整脚17aとされてもよい。また、4つの脚部17の何れもが調整脚17aとされないようにしてもよい。この場合は、ディスタントピース等のスペーサを用いて脚部17の高さが調整される。
さらに、上記実施の形態では、洗濯脱水槽24が回転するときの筐体10が傾く振動が加速度センサ80により検出された。しかしながら、上記振動が検出できれば、その他の検出部、たとえば、振動センサが用いられてもよい。
さらに、上記実施の形態では、許容される大きさを超える筐体10が傾く振動が発生したときにブザー93によるビープ音での報知が行われた。しかしながら、上記振動が発生したときに、スピーカ(図示せず)からの音声による報知や表示部92での表示による報知が行われてもよい。同様に、筐体10の傾き量が許容される傾き量を超える場合の報知も、スピーカからの音声による報知や表示部92での表示による報知とされてよい。
さらに、上記実施の形態では、振動時に筐体10が傾く方向に応じた報知が、表示部92の残時間表示部92aでの表示により行われた。しかしながら、この報知が、スピーカからの音声により行われてもよい。同様に、全自動洗濯乾燥機1が設置された状態で筐体10が傾いているときの傾き方向に応じた報知も、スピーカからの音声により行われてもよい。
さらに、上記実施の形態では、衣類の乾燥機能が搭載された全自動洗濯乾燥機1に本発明が適用された例が示された。しかしながら、衣類の乾燥機能が搭載されていない全自動洗濯機に本発明を適用することもできる。また、外槽内に内槽となる横軸型のドラムを配置したドラム式洗濯機、およびドラム式洗濯機に衣類の乾燥機能が搭載されたドラム式洗濯乾燥機に本発明を適用することもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 全自動洗濯乾燥機(洗濯機)
10 筐体
17 脚部
17a 調整脚
20 外槽
24 洗濯脱水槽(内槽)
30 駆動ユニット(駆動部)
80 加速度センサ(検出部)
92a 残時間表示部(第2報知部)
93 ブザー(第1報知部、第3報知部)
101 制御部

Claims (6)

  1. 洗濯機において、
    筐体と、
    前記筐体内に弾性的に支持された外槽と、
    前記外槽内に回転可能に配置され、洗濯物が収容される内槽と、
    前記内槽を回転させる駆動部と、
    前記洗濯機の設置状態に起因して生じる、前記内槽が回転したときの前記筐体が傾く振動を検出可能な検出部と、
    制御部と、
    第1報知部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記内槽を前記駆動部により回転させ、
    許容される大きさを超える前記振動が発生したことに基づいて前記第1報知部に報知を行わせる、
    ことを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1に記載の洗濯機において、
    前記筐体の底面に設けられた4つの脚部を、さらに備え、
    少なくとも一つの前記脚部は、高さが調整可能な調整脚とされる、
    ことを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項1または2に記載の洗濯機において、
    前記制御部は、
    前記第1報知部による報知が開始された後も前記駆動部により前記内槽の回転を継続させ、
    許容される大きさを超える前記振動が治まったことに基づいて前記第1報知部に報知を停止させる、
    ことを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の洗濯機において、
    前記検出部は、加速度センサであり、
    前記制御部は、前記内槽の回転中に前記加速度センサにより検出された加速度に基づいて前記振動の大きさを判定する、
    ことを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項4に記載の洗濯機において、
    第2報知部を、さらに備え、
    前記加速度センサは、互いに直交する第1の水平方向および第2の水平方向に働く加速度を検出可能であり、
    前記制御部は、
    前記内槽の回転中に前記加速度センサにより検出された前記第1の水平方向に働く加速度と前記第2の方向に働く加速度に基づいて、前記振動時に前記筐体が傾く方向を判定し、
    前記筐体が傾く方向に応じた報知を前記第2報知部に行わせる、
    ことを特徴とする洗濯機。
  6. 請求項4または5に記載の洗濯機において、
    第3報知部を、さらに備え、
    前記制御部は、前記駆動部により前記内槽を回転させる前に、
    前記加速度センサにより検出された加速度に基づいて前記筐体の水平方向に対する傾き量が許容される傾き量を超えているか否かの判定を行い、
    前記傾き量が前記許容される傾き量を超えている場合に前記第3報知部に報知を行わせる、
    ことを特徴とする洗濯機。
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