JP2019012654A - 非水系電解質二次電池用正極材料及びその製造方法並びに該正極材料を用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極材料及びその製造方法並びに該正極材料を用いた非水系電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極に用いた場合に容量が低下するのを抑制しながら高出力が得られる非水系電解質二次電池用正極材料を提供する。【解決手段】リチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる好適には比表面積が0.5〜2.0m2/gの正極活物質の粉末と、好適には中位径D50が0.01〜0.50μmの窒化リン酸リチウムの粉末と、非水系有機溶剤との混合物を含む非水系電解質二次電池用正極材料であって、該正極活物質の粉末100質量部に対して該非水系有機溶剤が20〜40質量部含まれており、好ましくは該正極活物質の粉末100質量部に対して、該窒化リン酸リチウムの粉末が0.1〜2.0質量部含まれている。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電解質二次電池用正極材料及びその製造方法並びに該正極材料を用いた非水系電解質二次電池に関する。
近年の携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な非水系電解質二次電池の開発が強く望まれている。また、ハイブリット自動車をはじめとする電気自動車用の電池として高出力の二次電池の開発も強く望まれている。このような要求を満たす二次電池として、負極及び正極の活物質にリチウムイオンの脱離及び挿入が可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池が注目されており、現在盛んに研究開発が行われている。上記のリチウムイオン二次電池の中でも、層状又はスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
これまでに提案されている活物質材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)やリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。これらのうち、リチウムニッケル複合酸化物及びリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物はサイクル特性が良く、低抵抗で高出力が得られるので、電池特性に優れた材料として注目されている。近年、正極材料の活物質にはさらなる特性の向上が求められており、様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、正極化活物質としてのリチウムコバルト系複合酸化物にZr化合物を被覆することで表面改質を行い、これにより電池特性、特に負荷特性、サイクル特性、及び安定性に優れた正極活物質を提供する技術が開示されている。また、特許文献2には、コバルト酸リチウム粒子粉末とZr原料とLi原料とを混合した後、600〜1000℃の高温で焼成することによってコバルト酸リチウム粒子表面にZr化合物を被覆させ、これにより負荷特性、サイクル特性、及び熱安定性に優れた正極活物質を提供する技術が開示されている。更に、特許文献3には、4V級の正極活物質(A)の粒子の表面に、5V級の正極活物質(B)と、特定の酸化物(C)又は固体電解質(D)とが付着した複合粒子からなることを特徴とするリチウム二次電池正極材料、及び本発明のリチウム二次電池用正極材料を用いた正極を有することを特徴とするリチウム二次電池が開示されている。
特開2003−221234号公報 特許第5482977号公報 特開2015−060767号公報
しかしながら、特許文献1のように正極活物質の表面が異種化合物により被覆されると、リチウムイオンの移動(インターカレーション)が大きく制限されるため、結果的にリチウム複合酸化物の持つ高容量という長所が損なわれてしまうおそれがある。また、リチウム複合酸化物中に異種元素を固溶させる場合も容量の低下を招きやすい。一方、特許文献2に記載の600〜1000℃の高温での焼成等の熱処理は、正極活物質の材質によっては変質し、電池特性が劣化するおそれがある。更に、特許文献3では、メカノフュージョン処理を行う必要があり、数千万円から数億円規模の設備投資のほか、イニシャルコスト以外にも、工程が増えることによるランニングコスト上昇や時間ロスが大きな問題となる。本発明は上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、正極に用いた場合に容量が低下するのを抑制しながら高出力が得られる非水系電解質二次電池用正極材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の非水系電解質二次電池用正極材料は、リチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる正極活物質の粉末と、窒化リン酸リチウムの粉末と、非水系有機溶剤との混合物を含む非水系電解質二次電池用正極材料であって、前記正極活物質の粉末100質量部に対して前記非水系有機溶剤が20〜40質量部含まれていることを特徴としている。
また、本発明の非水系電解質二次電池用正極材料の製造方法は、リチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる正極活物質の粉末と、窒化リン酸リチウムの粉末と、前記正極活物質の粉末100質量部に対して20〜40質量部の非水系有機溶剤とを混合する工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、高容量で且つ高出力の電池特性を有する非水系電解質二次電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係る正極材料を用いた電極のインピーダンススペクトルの測定結果を示す模式図である。 解析に使用した等価回路の説明図である。 本発明の実施形態に係る正極材料を使用した電池の部分断面正面図である。
本発明の実施形態の正極材料は、リチウム金属複合酸化物の一次粒子若しくは該一次粒子が凝集した構造の二次粒子、又はこれら一次粒子及び二次粒子の混合物(以降、簡単のためリチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子とも称する)からなる粉末と、好ましくは中位径D50が0.01〜0.50μmの窒化リン酸リチウムの粉末と、非水系有機溶剤との混合物を含むことを特徴としている。以下、かかる正極材料及びその構成要素並びに該正極材料を用いた非水系電解質二次電池及びその製造方法について詳細に説明する。
(1)正極材料
本発明の実施形態の非水系電解質二次電池用正極材料は、一般式LiNi1−x−yCo(ただし、0.01≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0.97≦z≦1.20、Mは添加元素であり、Mn、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表されるリチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる粉末と、好ましくは中位径D50が0.01〜0.50μmの窒化リン酸リチウムの粉末と、非水系有機溶剤との混合物を含んでおり、ペーストの形態を有している。
このように正極材料に非水系有機溶剤を含有させてペースト状にすることで、微粒子で構成される窒化リン酸リチウム粉末の凝集が抑制され、後段の正極の作成時に非水系有機溶剤を更に添加する際により均一な混合が可能となり、正極中での窒化リン酸リチウムの分散性が極めて高くなる。上記の非水系有機溶剤の具体的な組成としては、電池特性に悪影響を及ぼさないのであれば特に限定はないが、コストや異物混入の可能性を抑えうる点を考慮すれば、後述する正極の作成時に使用する非水系有機溶剤と同じものを用いるのが好ましく、例えばN−メチル−2−ピロリジノンを挙げることができる。本発明の実施形態の正極材料では、この非水系有機溶剤が正極活物質100質量部に対して20〜40質量部含まれるようにする。
上記のように、正極材料の母材となる正極活物質に上記一般式で表されるリチウム金属複合酸化物を用いることにより、高い充放電容量が得られる。更に、上記のリチウム金属複合酸化物の一次粒子や二次粒子からなる粉末に中位径D50が0.01〜0.50μmの範囲内にある窒化リン酸リチウム粉末を混合することにより、充放電容量の低下を抑制しながら出力特性を向上させることができる。このように電池の出力特性が向上する理由は、LiPON、LiPO、LiBO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSiO、LiWO、LiMoO、LiZrO、LiTiOなどのリチウム化合物は、リチウムイオンの伝導性を促進する高リチウム伝導性物質であるからである。すなわち、上記のリチウム化合物はリチウムイオン伝導率が高いため、正極活物質の表面にこのような高リチウム伝導性物質が存在することによりリチウムイオンの移動が促進され、正極活物質の表面におけるリチウムイオンのインターカレーションが促進される。
上記の高リチウム伝導性物質の中でも特に窒化リン酸リチウム(LiPON)は極めて高いリチウムイオン伝導率を有する化合物であるため、この窒化リン酸リチウムの粉末を非水系有機溶剤の存在下で単にリチウム金属複合酸化物の粉末と混合してリチウム金属複合酸化物の粒子間に分散状態で存在させるだけで、リチウム金属複合酸化物の高容量特性を損なうことなく正極抵抗を大幅に低減することができる。このように、窒化リン酸リチウム粉末が正極材料中に均一に存在することで出力特性が向上するメカニズムは、窒化リン酸リチウム粒子が活物質表面に接触することで電解液及び正極活物質に作用し、電解液と正極活物質界面との間でのリチウムイオンの伝導パスが形成されることによるものであり、これにより、活物質の反応抵抗が低減する。なお、この窒化リン酸リチウムは、例えばリン酸リチウムLiPOの一部又は全部を窒化することで作成することができる。
上記のように、リチウムイオンの伝導パスを形成するために窒化リン酸リチウムの粉末を正極材料内に均一に分散させており、逆にこの正極材料内での窒化リン酸リチウム粉末の分散が不均一になると、リチウム金属複合酸化物の粒子間でリチウムイオンの移動が不均一になる。その結果、特定のリチウム金属複合酸化物粒子に負荷がかかり、サイクル特性の悪化や反応抵抗の上昇を招きやすい。このように、正極材料内において均一に窒化リン酸リチウム粉末を分布させるため、窒化リン酸リチウム粉末の中位径D50を0.01〜0.50μmの範囲内にするのが好ましい。
上記の窒化リン酸リチウム粉末の中位径D50が0.01μm未満では、十分なリチウムイオン伝導度を有しない微細な窒化リン酸リチウムの粒子が過多に含まれることになるので、このような微細な粒子が多く存在する部分では上記効果が得られにくくなり、結果的に不均一に分散された場合と同様にサイクル特性の悪化や反応抵抗の上昇が起きるおそれがある。加えて、粉砕コストがかかり過ぎることがある。逆に上記の中位径D50が0.50μmを超えると、正極材料内に窒化リン酸リチウム粉末を均一に分散させにくくなり、反応抵抗の低減効果が十分に得られなくなるおそれがある。
上記の中位径D50は、測定対象となる粉末に対してレーザー回折散乱法を用いて測定することで得た各粒径における粒子数を粒径の小さい側から累積し、その累積体積が全粒子の合計体積の50%となる粒径を意味している。なお、粒径が上記範囲を外れる場合には、混合前に粉砕したり篩分けしたりすることで上記位範囲内にすることができる。
本発明の実施形態の正極材料では、リチウム金属複合酸化物の粉末100質量部に対して、上記の窒化リン酸リチウム粉末が0.1〜2.0質量部が含まれるように混合することが好ましい。これにより、高い充放電容量と優れた出力特性とを両立することができる。この窒化リン酸リチウム粉末の量が0.1質量部未満では、出力特性の改善効果が十分に得られない場合があり、逆に2.0質量部を超えると、窒化リン酸リチウム粉末が多くなり過ぎてリチウム金属複合酸化物と電解液のリチウム伝導が阻害され、充放電容量、特に正極材料の単位質量あたりの充放電容量が低下することがある。
上記の本発明の実施形態の正極材料に含まれるリチウム金属複合酸化物は、そのニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びMの原子数の和(Me)に対するリチウム(Li)の原子数の比(Li/Me)が0.97以上1.20以下であるのが好ましい。このLi/Meの値が0.97未満であると、上記正極材量を用いた非水系電解質二次電池における正極の反応抵抗が大きくなるため、電池の出力が低くなるおそれがある。逆に、このLi/Meの値が1.20を超えると、正極活材料の放電容量が低下したり、正極の反応抵抗が増加したりするおそれがある。このLi/Meの値はより大きな放電容量を得るために、1.10以下であることがより好ましい。
Co及び添加元素Mは、サイクル特性や出力特性などの電池特性を向上させるために添加するものであり、これらの添加量をそれぞれ示すx及びyが0.35を超えると、Redox反応に貢献するNiが減少するため、電池容量が低下するおそれがある。一方、Coの添加量を示すxが0.01未満になると、サイクル特性や熱安定性が十分に得られなくなるおそれがある。したがって、電池に用いたときに十分な電池容量を得るためには、Mの添加量を示すyを0.15以下とすることがより好ましい。また、電解液との接触面積を多くすることが、出力特性の向上に有利であることから、一次粒子及び/又は二次粒子からなるリチウム金属複合酸化物粒子を用いる。
この一次粒子及び/又は二次粒子からなるリチウム金属複合酸化物の粉末は、比表面積が0.5〜2.0m/gであることが好ましい。この比表面積が0.5m/g未満では、電解液との接触が十分に得られず、出力特性や電池容量が低下することがある。逆に、この比表面積が2.0m/gを超えると、電解液の分解が促進されて熱安定性が低下することがある。すなわち、比表面積を0.5〜2.0m/gの範囲内にすることにより、電解液との接触を高めて出力特性や電池容量をより良好なものとすると共に、熱安定性も確保することができる。
上記のリチウム金属複合酸化物の製造方法については特に限定はなく、公知の製造方法で生成することができる。なお、リチウム金属複合酸化物の粒径、タップ密度などの粉体特性は、通常に用いられる正極活物質の範囲内であればよいが、中位径D50が4.0〜15.0μmの範囲内にあるのが好ましい。この中位径D50は、例えばマイクロトラック・ベル株式会社製のマイクロトラックMT3300EXIIによって測定することができる。この測定装置は測定対象の粉末に液体を添加して得たスラリーを循環しながらレーザー回折散乱法を用いて粒径を測定するものであり、循環するスラリーには超音波が当てられて二次粒子の解砕が行われるので、測定される粒子はほぼ一次粒子になる。
上記した本発明の実施形態の正極材料では、正極活物質としてリチウムニッケルコバルト系複合酸化物を用いる場合について説明したが、本発明の正極材料はこれに限定されるものではなく、例えば、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物などを用いた場合であっても同様の効果が期待できる。
(2)正極材料の製造方法
次に、上記した本発明の実施形態の非水系電解質二次電池用正極材料の製造方法について説明する。先ず、母材となる正極活物質として、一般式LiNi1−x−yCo(ただし、0.01≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0.97≦z≦1.20、Mは、Mn、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)の一次粒子及び/又は二次粒子からなるリチウム金属複合酸化物粉末と、高リチウム伝導性物質としての窒化リン酸リチウム粉末と、非水系有機溶剤とを用意する。
そして、これらリチウム金属複合酸化物粉末と窒化リン酸リチウム粉末とを、非水系有機溶剤が添加された状態で十分に混合する。これにより、窒化リン酸リチウム粉末の凝集を抑制しながら、正極活物質の粒子間に高リチウム伝導性物質である窒化リン酸リチウムの微粒子を均一に分散させると共に該微粒子を正極活物質の表面に接触させることができる。なお、非水系有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリジノンを挙げることができるが、前述したようにこれに限定するものではない。
上記の混合には、一般的な混合機を使用することができ、例えば、シェーカーミキサー、レーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどを用い、リチウム金属複合酸化物の粉末に対してその一次粒子が破壊されない程度の条件で、窒化リン酸リチウムを十分に混合してやればよい。これにより、窒化リン酸リチウムの微粒子を、リチウム金属複合酸化物の粉末の表面にほぼ均一に分布させることができる。
正極材料の製造方法では、上記の混合工程の前に、正極材料の電池容量及び熱安定性を向上させるため、リチウム金属複合酸化物粉末を水洗する工程を設けてもよい。この水洗工程は、リチウム金属複合酸化物粉末から過度にリチウムが溶出して電池特性が劣化しないのであれば、公知の水洗方法や水洗条件を採用することができる。この水洗後のリチウム金属複合酸化物粉末は、窒化リン酸リチウムとの混合前に乾燥処理を施してもよいし、固液分離のみで乾燥せずに窒化リン酸リチウムと混合してから乾燥処理を施してもよい。いずれの場合においても、この乾燥処理にはリチウム金属複合酸化物の電池特性が劣化しないのであれば公知の乾燥法や乾燥条件を採用することができる。
(3)非水系電解質二次電池
上記した本発明の実施形態の正極材料を用いた正極と、一般的な非水系電解質二次電池に使用される負極、セパレータ、及び非水系電解液などの構成要素とから非水系電解質二次電池を構成することができる。以下、かかる非水系電解質二次電池及びその構成要素の一具体例について説明を行うが、本発明は以下の一具体例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更例や代替例を実施することができる。また、本発明の実施形態の正極材料を用いた非水系電解質二次電池の用途についても特に限定するものではない。
(a)正極
上記した本発明の実施形態の正極材料を用いて、例えば以下の方法で非水系電解質二次電池の正極を作製することができる。すなわち、先ず上記したペースト状の正極材料(第1ペースト)に、導電材及び活物質粒子をつなぎ止める役割を担う結着剤を添加し、必要に応じて電気二重層容量を増加させるために活性炭を添加した後、これら正極活物質や導電材等を分散させると共に結着剤の溶解や粘度調整等の目的を有する有機溶剤を添加して混練する。これによりペースト状の正極合材が得られる(第2ペースト)。
この第2ペーストの正極合材中の構成要素の混合比も、非水系電解質二次電池の性能を決定する重要な要素となる。そのため、有機溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量部とした場合、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様に、正極活物質の含有量が60〜95質量部の範囲内にあり、導電材の含有量が1〜20質量部の範囲内にあり、結着剤の含有量が1〜20質量部の範囲内にあることが望ましい。なお、上記の第2ペーストの正極合材中に含まれる有機溶剤の含有率は20〜60質量%の範囲内にあるのが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
上記にて得たペースト状の正極合材を、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥処理を行って有機溶剤を飛散させる。これにより、シート状の正極を作製することができる。なお上記乾燥処理後に必要に応じてロールプレス等により圧縮することで電極密度を高めてもよい。上記にて作製したシート状の正極は、最終製品となる二次電池に合わせて裁断等により適当な形状に成形された後、該二次電池に組み込まれる。
上記の導電剤としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。また、上記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。また、有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
(b)負極
上記の正極の対極となる負極には、リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布して乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用することができる。上記の負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができ、評価用の場合は金属リチウムやリチウム金属を用いてもよい。また、結着剤としては、正極と同様のPVDF等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これら負極活物質及び結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(c)セパレータ
上記の正極と負極との間に挟み込んだ状態で配置されるセパレータは、正極と負極との間で短絡が起こらないように隔離すると共に、電解質やイオンを通過させる役割を担っている。このセパレータの材質には、微細孔を無数に有するポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜を用いることができる。
(d)非水系電解液
非水系電解液は、上記の正極と負極との間を移動するイオンの輸送媒体の役割を担っており、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いることができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、更に、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、及びそれらの複合塩を用いることができる。非水系電解液は、更にラジカル捕捉剤、界面活性剤及び難燃剤等を含んでいてもよい。
(e)非水系電解質二次電池の形態及び製造方法
上記において説明した正極、負極、セパレータ及び非水系電解液で主に構成される非水系電解質二次電池は、円筒型、積層型等の種々の形態にすることができる。いずれの場合であっても、その製造方法では、セパレータを挟んで正極及び負極を積層させて電極体とし、この電極体に非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、及び負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を集電用リード等を用いてそれぞれ接続し、電池ケースに密閉することが行われ、これにより非水系電解質二次電池を完成させることができる。
(f)特性
上記の本発明の実施形態の正極材料を用いた非水系電解質二次電池は、高容量で且つ高出力の電池特性を有している。例えば、2032型コイン電池の正極に本発明の実施形態の正極材料を用いた場合、165mAh/g以上の高い初期放電容量と低い正極抵抗が得られ、高容量で且つ高出力である。また、熱安定性が高く、よって安全性においても優れている。
上記した本発明の実施形態の正極材料を用いた非水系電解質二次電池は、常に高容量を要求されるノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末などの小型携帯電子機器の電源に好適であり、高出力が要求される電気自動車用電池にも好適である。特に、本発明の実施形態の正極材料を用いた非水系電解質二次電池は、優れた安全性を有し、小型化、高出力化が可能であることから、搭載スペースに制約を受ける電気自動車用電源として好適である。更に、本発明の実施形態の正極材料を用いた非水系電解質二次電池は、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車用の電源のみならず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃焼機関と併用するいわゆるハイブリッド車用の電源としても用いることができる。
本発明の実施例及び比較例の正極材料を調製し、これらを用いた正極をそれぞれ有する非水系電解質二次電池を作製してそれらの正極界面抵抗を評価した。なお、正極活物質の粉末及び窒化リン酸リチウムの粉末の中位径D50は、マイクロトラック・ベル株式会社製のレーザー回折散乱法による粒度分布測定装置であるマイクロトラックMT3300EXIIを用いて想定した。正極活物質の粉末の比表面積は、窒素ガス吸着脱離流動法による比表面積測定装置である株式会社マウンテックのマックソーブ1200シリーズを用いて測定した。リチウムイオン複合酸化物の組成はICP法による測定装置であるアジレント・テクノロジー株式会社製のICP−OESであるAgilent730−ESを用いて分析した。
(実施例1)
ニッケルを主成分とする酸化物と水酸化リチウムを混合して焼成する公知の技術で得られたLi1.02Ni0.82Co0.15Al0.03で表されるリチウム金属複合酸化物の粉末を用意し、その1.5gに対して水1mlの割合で常温の水を加えて撹拌することで水洗処理を行った後、脱水及び乾燥して正極材料の母材となる正極活物質とした。この正極活物質は、比表面積が1.35m/g、中位径D50が8.7μmであった。
次に、添加材料である窒化リン酸リチウム粉末を用意し、これを自転・公転ミキサーを用いて十分に粉砕することで、中位径D50が0.16μmの窒化リン酸リチウム粉末を得た。上記の正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gに、この窒化リン酸リチウム粉末0.020gを添加し(正極活物質100質量部に対して0.1質量部に相当する)、さらにN−メチル−2−ピロリドンを6.0g加えて自転・公転ミキサーを用いて30分間混練することでペースト状の正極材料(第1ペースト)を調製した。
(電池の作製)
上記方法で調製した正極材料を用いて正極を形成した後、これを用いて図3に示すようなコイン型二次電池10を組み立ててその電池特性を後述する方法で評価した。具体的には、先ず上記の第1ペーストの形態の正極材料26.02gに、5.72gのアセチレンブラックと、2.86gのポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)と、10.0gのN−メチル−2−ピロリドンとを加えて自転・公転ミキサーを用いて30分間混練することで第2ペーストを調製した。このペーストを目視にて確認したところ、良好に混合されていた。
この第2ペーストをアルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、真空乾燥機中において雰囲気温度120℃で12時間乾燥処理した。乾燥処理後、100MPaの圧力で厚み100μmにプレスし、更に、直径11mmに打ち抜き、正極(評価用電極)1を作製した。なお、上記の塗布の際の厚みを微調整することによって、打ち抜き後に所望の重量を確保した。次に作製した正極1を露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内において、これら乾燥処理した正極(評価用電極)1と、負極2と、セパレータ3と、電解液とをコイン形状の正極缶4と負極缶5との内側に収めて、図3に示すようなコイン型電池10を作製した。
なお、負極2には平均粒径20μm程度の黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンが銅箔に塗布された負極シートを直径14mmの円盤状に打ち抜いたものを用い、電解液には1MのLiPFを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(宇部興産株式会社製)を用い、セパレータ3には膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。また、正極缶4と負極缶5との接合部にはガスケット6を設け、負極2の上面はウェーブワッシャー7で固定した。
(実施例2)
正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gに対する窒化リン酸リチウム粉末の添加量を0.020gに代えて0.060g(正極活物質100質量部に対して0.3質量部に相当する)にした以外は上記実施例1と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例3)
正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gに対するに窒化リン酸リチウム粉末の添加量を0.020gに代えて0.20g(正極活物質100質量部に対して1.0質量部に相当する)にした以外は上記実施例1と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例4)
正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gに対するに窒化リン酸リチウム粉末の添加量を0.020gに代えて0.40g(正極活物質100質量部に対して2.0質量部に相当する)にした以外は上記実施例1と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例5)
第1ペーストの調製時に添加したN−メチル−2−ピロリドンの量を6.0g加えて4.0gとし、第2ペーストの調整時に添加したN−メチル−2−ピロリドンの量を10.0gに加えて12.0gにした以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例6)
第1ペーストの調製時に添加したN−メチル−2−ピロリドンの量を6.0g加えて8.0gとし、第2ペーストの調整時に添加したN−メチル−2−ピロリドンの量を10.0gに加えて8.0gにした以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例7)
中位径D50が0.16μmの窒化リン酸リチウム粉末に代えて該中位径D50が0.013μmの窒化リン酸リチウム粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例8)
中位径D50が0.16μmの窒化リン酸リチウム粉末に代えて該中位径D50が0.49μmの窒化リン酸リチウム粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例9)
正極活物質に、中位径D50が8.7μm、比表面積が1.35m/gのリチウム金属複合酸化物粉末に代えて中位径D50が14.8μm、比表面積が0.52m/gのリチウム金属複合酸化物粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例10)
正極活物質に、中位径D50が8.7μm、比表面積が1.35m/gのリチウム金属複合酸化物粉末に代えて中位径D50が4.2μm、比表面積が1.97m/gのリチウム金属複合酸化物粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例11)
中位径D50が0.16μmの窒化リン酸リチウム粉末に代えて該中位径D50が0.005μmの窒化リン酸リチウム粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例12)
中位径D50が0.16μmの窒化リン酸リチウム粉末に代えて該中位径D50が0.72μmの窒化リン酸リチウム粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例13)
正極活物質に、中位径D50が8.7μm、比表面積が1.35m/gのリチウム金属複合酸化物粉末に代えて中位径D50が16.2μm、比表面積が0.38m/gのリチウム金属複合酸化物粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(実施例14)
正極活物質に、中位径D50が8.7μm、比表面積が1.35m/gのリチウム金属複合酸化物粉末に代えて中位径D50が2.5μm、比表面積が2.64m/gのリチウム金属複合酸化物粉末を用いた以外は上記実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(比較例1)
窒化リン酸リチウム粉末の添加を行わなかったことと、第1ペーストを経ずに正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gと、アセチレンブラック5.72gと、ポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)2.86gと、N−メチル−2−ピロリドン16.0gとを一度に加えてペーストを調製したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(比較例2)
第1ペーストを経ずに正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gと、窒化リン酸リチウム粉末0.020gと、アセチレンブラック5.72gと、ポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)2.86gと、N−メチル−2−ピロリドン16.0gとを一度に加えてペーストを調製したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(比較例3)
第1ペーストを経ずに正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gと、窒化リン酸リチウム粉末0.20gと、アセチレンブラック5.72gと、ポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)2.86gと、N−メチル−2−ピロリドン16.0gとを一度に加えてペーストを調製したこと以外は実施例3と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(比較例4)
第1ペーストを経ずに正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物粉末20gと、窒化リン酸リチウム粉末0.40gと、アセチレンブラック5.72gと、ポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)2.86gと、N−メチル−2−ピロリドン16.0gとを一度に加えてペーストを調製したこと以外は実施例4と同様にしてコイン型二次電池10を作製し、その電池評価を後述する方法で行った。
(評価)
上記にて製造した実施例1〜14及び比較例1〜4のコイン型二次電池10の正極界面抵抗について下記の方法で評価した。すなわち、各コイン型電池10を充電電位4.0Vで充電して、周波数応答アナライザ及びポテンショガルバノスタット(ソーラトロン社製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により図1に示すインピーダンススペクトルを得た。得られたインピーダンススペクトルには、高周波領域と中間周波領域とに2つの半円が観測され、低周波領域に直線が観察されていることから、図2に示す等価回路モデルを組んで正極界面抵抗を解析した。ここで、Rsはバルク抵抗、R1は正極被膜抵抗、Rctは電解液/正極界面抵抗(界面のLi+移動抵抗)、Wはワーブルグ成分、CPE1、CPE2は定相要素を示す。なお、表1に記載の「正極界面抵抗比」は、比較例1(LiPON無添加)の抵抗値を1として規格化した場合の「抵抗比」である。
Figure 2019012654
実施例1〜14の非水系電解質の二次電池は、初期放電容量が比較例1〜4に比べて大きく、また正極界面抵抗も比較例1〜4に比べて低くなっており、優れた特性を有する電池が得られることが確認できた。一方、比較例1の二次電池は、正極界面抵抗が高くなっており、これは窒化リン酸リチウムが混合されていないことによるものと考えられ、また、第1ペーストを経ずに原料全部を一度に混合したので、正極の作製時に目視にて分かる程度に十分に混合されておらず、よってリチウムイオンの伝導パスが良好に形成されなかったことによるものと考えられる。比較例2〜4も第1ペーストを経ずに原料全部を一度に混合したので、正極の作製時に目視にて分かる程度に混合されていない箇所が見られた。以上の結果より、本発明の正極材料を用いた非水系電解質二次電池は正極界面抵抗が低くなり、よって優れた特性を有する二次電池が得られることが確認できた。
なお、実施例11〜14は実施例3に比べて正極界面抵抗が高くなっており、その理由は、実施例12及び13では正極活物質又は窒化リン酸リチウムの粒径が実施例3のものに比べて顕著に大きいため、互いの接触面積が狭くなったことによるものと考えられる。逆に実施例11及び14では正極活物質又は窒化リン酸リチウムの粒径が実施例3のものに比べて顕著に小さいため、リチウムイオンの伝導パスの形成が不十分になって正極界面抵抗が高くなったと考えられる。
1 正極(評価用電極)
2 負極
3 セパレータ
4 正極缶
5 負極缶
6 ガスケット
7 ウェーブワッシャー
10 コイン型電池

Claims (7)

  1. リチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる正極活物質の粉末と、窒化リン酸リチウムの粉末と、非水系有機溶剤との混合物を含む非水系電解質二次電池用正極材料であって、前記正極活物質の粉末100質量部に対して前記非水系有機溶剤が20〜40質量部含まれていることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極材料。
  2. 前記正極活物質の粉末100質量部に対して、前記窒化リン酸リチウムの粉末が0.1〜2.0質量部含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極材料。
  3. 前記窒化リン酸リチウムの粉末の中位径D50が0.01〜0.50μmであり、前記一次粒子及び/又は二次粒子からなる正極活物質の粉末の比表面積が0.5〜2.0m/gであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水系電解質二次電池用正極材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解質二次電池用正極材料を含む正極を有することを特徴とする非水系電解質二次電池。
  5. リチウム金属複合酸化物の一次粒子及び/又は二次粒子からなる正極活物質の粉末と、窒化リン酸リチウムの粉末と、前記正極活物質の粉末100質量部に対して20〜40質量部の非水系有機溶剤とを混合する工程を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  6. 前記混合する工程の前に前記正極活物質の粉末を水洗する工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の非水系電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  7. 前記正極活物質の粉末100質量部に対して、前記窒化リン酸リチウムの粉末を0.1〜2.0質量部混ぜることを特徴とする、請求項5又は6に記載の非水系電解質二次電池用正極材料の製造方法。
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