JP2018115930A - レーダ装置および物標検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】物標の検出精度を向上させること。【解決手段】実施形態に係るレーダ装置は、送信部と、生成部と、変換部と、連結部と、距離算出部とを備える。送信部は、周波数が連続的に増加または減少する送信信号によってチャープ波を生成し、該チャープ波を送信する。生成部は、物標によるチャープ波の反射波を受信アンテナで受信した受信信号および送信信号からビート信号を生成する。変換部は、生成部によって生成されたビート信号に対して2次元フーリエ変換を行うことで、ビート信号を物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する。連結部は、変換部によって変換された周波数スペクトルにおいて同一距離に一つのピークのみが存在する場合に、ビート信号を疑似的に連結して連結ビート信号を生成する。距離算出部は、連結部によって生成された連結ビート信号に対してフーリエ変換を行うことで物標との距離を算出する。【選択図】図1B
Description
本発明は、レーダ装置および物標検出方法に関する。
近年、物標を検出するレーダ装置として、周波数が連続的に増加または減少するチャープ波を送信して物標との距離および相対速度を検出するFCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
FCM方式は、チャープ波を生成する送信信号と物標によるチャープ波の反射波を受信して得られる受信信号とから生成されたビート信号の周波数および位相変化から物標との距離および相対速度を検出する方式である。
かかるレーダ装置では、複数の物標との距離および相対速度が近い場合に、複数の物標のそれぞれを分離して検出することが困難な場合がある。このため、レーダ装置においては、物標の検出精度を向上させることが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物標の検出精度を向上させることができるレーダ装置および物標検出方法を提供することを目的とする。
実施形態に係るレーダ装置は、送信部と、生成部と、変換部と、連結部と、距離算出部とを備える。送信部は、周波数が連続的に増加または減少する送信信号によってチャープ波を生成し、該チャープ波を送信する。生成部は、物標による前記チャープ波の反射波を受信アンテナで受信した受信信号および前記送信信号からビート信号を生成する。変換部は、前記生成部によって生成された前記ビート信号に対して2次元フーリエ変換を行うことで、前記ビート信号を物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する。連結部は、前記変換部によって変換された前記周波数スペクトルにおいて同一距離に一つのピークのみが存在する場合に、前記ビート信号を疑似的に連結して連結ビート信号を生成する。距離算出部は、前記連結部によって生成された連結ビート信号に対してフーリエ変換を行うことで前記物標との距離を算出する。
実施形態の一態様に係るレーダ装置および物標検出方法によれば、物標の検出精度を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置および物標検出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により、この発明が限定されるものではない。
まず、図1Aおよび図1Bを用いて実施形態に係るレーダ装置による物標検出方法の概要について説明する。図1Aは、車両に搭載されたレーダ装置と物標との位置関係の一例を示す図である。図1Bは、物標検出方法の概要を示す図である。図1Aに示すように、実施形態に係るレーダ装置1は、自動車などの自車両Aに搭載されており、前方の物標(例えば、他車両、歩行者、ガードレールなどの静止物など)を検出する。
レーダ装置1は、周波数が連続的に増加または減少するチャープ波を送信して検出範囲L内に存在する各物標との距離および相対速度を検出するFCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置である。
レーダ装置1は、チャープ波を生成する送信信号と物標によるチャープ波の反射波を受信して得られる受信信号とから生成されたチャープ波毎のビート信号に対して2次元高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)処理(以下、2次元FFT処理と記載する)を行って物標との距離および相対速度を導出する。
具体的には、2次元FFT処理において、1回目の高速フーリエ変換(以下、FFT処理と記載する)によって物標との距離を導出し、2回目のFFT処理によって物標との相対速度を導出する。
ここで、1回目のFFT処理において導出される物標との距離の検出精度である距離分解能は、ビート信号に対するA/D(Analog/Digital)変換のサンプリング数を増やすことで向上させることができる。
しかし、サンプリング数を多くして距離分解能を向上させると、単位時間当たりに得られる1回目のFFT処理の結果は少なくなる。このため、2回目のFFT処理に用いるデータ量が少なくなり、物標との相対速度の検出精度である速度分解能が低下する。
そこで、実施形態に係るレーダ装置1では、速度分解能を低下させることなく、距離分解能を向上させることで物標の検出精度を向上させることとした。レーダ装置1は、2次元FFT処理により物標との距離および相対速度を導出したのちに、所定条件を満たす物標について距離分解能をあげて再度FFT処理を行う。
具体的には、図1Bに示すように、まず、レーダ装置1は、ビート信号に対して2次元FFT処理を行うことで、ビート信号SBを物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する(ステップS1)。
図1Bでは、ビート信号SBを周波数スペクトルへ変換し、かかる周波数スペクトルに5つのピークP1〜P5が導出されていることを示す。続いて、レーダ装置1は、同一の距離に1つのピークのみが存在する場合に、ビート信号SBを疑似的に連結させて連結ビート信号SLを生成する(ステップS2)。
ここで、ビート信号SBを連結させると、連結させたビート信号SBの数に応じてA/D変換のサンプリング数が増えるため、距離分解能を向上させることができる。
また、「同一の距離に一つのピークのみ」としたのは、仮に、同一距離に複数のピークが存在する場合、かかる複数のピークのうち1つのピークを2つのピークへ分離できたとしても、かかる2つのピークを元のピークへ帰属することが困難となるためである。
すなわち、「同一距離ビンに一つのピークのみ」としたのは、以下の理由による。例えば、10BINの距離ビンにおいて、12BINと15BINの速度ビンにピークが存在する場合を想定する。
かかる場合に、10BINである距離ビンのピークを9.5BINのピーク(ピークPa)と10.5BINのピーク(ピークPb)に分離したとき、ピークPaとピークPbとの速度ビンが12BINおよび15BINのいずれに対応するのかが不明となるためである。
そのため、レーダ装置1は、ある距離ビンのピークについて、速度ビンには1つのピークのみ検出される場合にこの処理を実施する。言い換えると、レーダ装置1は、距離が異なり相対速度が略同じ物標のピークの距離分解能を向上させる。
これにより、レーダ装置1は、例えば自車両Aの前方を歩行する歩行者に属するピークの距離ビンの値と、歩行者の近傍の位置で歩行者と略同じ速度(比較的低速)で走行する車両に属するピークの距離ビンの値とを精度良く検出することができる。
続いて、レーダ装置1は、連結ビート信号SLに対してFFT処理を行う(ステップS3)。これにより、周波数スペクトルを距離成分についてより細かく解析することができる。
その結果、例えば、図1Bに示すように、ピークP1に複数のピークが重なっていた場合、ピークP1を2つのピークP1a、P1bに分離することができる。
また、ピークP1a、P1bの相対速度は、ピークP1の相対速度を用いることができる。このため、レーダ装置1は、速度分解能を低下させることなく、距離分解能を向上させることができる。
したがって、実施形態に係るレーダ装置1によれば、物標の検出精度を向上させることができる。
次に、図2を用いて実施形態に係るレーダ装置1の構成について説明する。図2は、レーダ装置1のブロック図である。なお、図2には、レーダ装置1に加え、車両制御装置2を併せて示す。
車両制御装置2は、レーダ装置1による物標の検出結果に基づいてPCS(Pre-crash Safety System)やAEB(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御を行う。なお、レーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行機や船舶の監視等)に用いられてもよい。
レーダ装置1は、送信部10と、受信部20と、生成部30と、処理部40とを備える。送信部10は、信号生成部11と、発振器12と、送信アンテナ13とを備える。信号生成部11はノコギリ波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発振器12に供給する。発振器12は、信号生成部11で生成された変調信号に基づいて、時間の経過に従って周波数が増加するチャープ信号である送信信号STを所定期間Tc(以下、チャープ期間Tcと記載する)毎に生成して、送信アンテナ13へ出力する。
送信アンテナ13は、発振器12からの送信信号STを送信波SWへ変換し、かかる送信波SWを自車両Aの外部へ出力する。送信アンテナ13が出力する送信波SWは、チャープ期間Tc毎に、時間の経過に従って周波数が増加するチャープ波である。送信アンテナ13から自車両Aの前方に送信された送信波SWは、他の車両などの物標で反射されて反射波となる。
受信部20は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナ21を備える。各受信アンテナ21は物標からの反射波を受信波RWとして受信し、かかる受信波RWを受信信号SRへ変換して生成部30へ出力する。なお、図2に示す受信アンテナ21の数は、4つであるが、3つ以下または5つ以上であってもよい。
生成部30は、送信信号STと受信信号SRとからビート信号SBを生成する。生成部30は、複数のミキサ31と、複数のA/D変換器32とを備える。ミキサ31およびA/D変換器32は、受信アンテナ21毎に設けられる。
受信アンテナ21から出力された受信信号SRは、不図示の増幅器(例えば、ローノイズアンプ)で増幅された後にミキサ31へ入力される。ミキサ31は、送信信号STと受信信号SRとの一部をミキシングし不要な信号成分を除去してビート信号SBを生成し、A/D変換器32へ出力する。
これにより、送信信号STの周波数fST(以下、送信周波数fSTと記載する)と受信信号SRの周波数fSR(以下、受信周波数fSRと記載する)との差となるビート周波数fSB(=fST−fSR)を有するビート信号SBが生成される。ミキサ31で生成されたビート信号SBは、A/D変換器32でデジタルの信号へ変換された後に処理部40に出力される。
図3は、送信周波数fSTと、受信周波数fSRと、ビート周波数fSBとの関係の一例を示す図である。図3に示すように、ビート信号SBは、チャープ波毎に生成される。
また、図3に示す例では、送信周波数fSTは、チャープ波毎に、基準周波数f0から時間に伴って傾きθ(=(f1−f0)/Tm)で増加し、最大周波数f1に達すると基準周波数f0に短時間で戻るノコギリ波状である。なお、送信周波数fSTは、チャープ波毎に基準周波数f0から最大周波数f1へ短時間で到達し、かかる最大周波数f1から時間に伴って傾きθ(=(f0−f1)/Tm)で減少するノコギリ波状であってもよい。
図2の説明に戻り、処理部40について説明する。処理部40は、送信制御部41および信号処理部42を備える。信号処理部42は、変換部43、ピーク抽出部44、方位演算部45、距離・相対速度決定部46、連結部47および距離算出部48を備える。かかる処理部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート等を含むマイクロコンピュータであり、レーダ装置1全体を制御する。
かかるマイクロコンピュータのCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、送信制御部41および信号処理部42として機能する。なお、送信制御部41および信号処理部42は全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
送信制御部41は、送信部10の信号生成部11を制御し、信号生成部11からノコギリ状に電圧が変化する変調信号を発振器12へ出力させる。これにより、時間の経過に従って周波数が変化する送信信号STが発振器12から送信アンテナ13へ出力される。
変換部43は、各A/D変換器32から出力されるビート信号SBに対してそれぞれ2次元高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理(以下、FFT処理と記載する)を行う。
変換部43は、所定期間において生成部30によって受信アンテナ21毎に生成されるビート信号SBに対して2次元FFT処理を行うことで、ビート信号SBを距離および相対速度を示す周波数スペクトル(図1B参照)へ変換する。
そして、変換部43は、周波数スペクトルをピーク抽出部44へ出力し、かかる周波数スペクトルの導出に用いたビート信号SBを連結部47へ出力する。
ここで、周知技術ではあるが、FCM方式のレーダ装置における物標との距離および相対速度の検出原理について簡単に説明しておく。上述したように、送信信号STに基づく送信波SWは、送信アンテナ13から送信され、かかる送信波SWが物標で反射して反射波となり、かかる反射波が受信波RWとして受信アンテナ21で受信されて受信信号SRとして出力される。
送信波SWが送信アンテナ13から送信されてから受信信号SRが出力されるまでの期間は、物標とレーダ装置1との間の距離に比例して増減し、ビート信号SBの周波数は、物標とレーダ装置1との間の距離(以下、物標との距離と記載する)に比例する。
このため、ビート信号SBに対してFFT処理を行うことで物標との距離に対応する周波数ビン(以下、距離ビンと記載する場合がある)にピークが出現する。かかるピークが存在する距離ビンを特定することで、物標との距離を検出することができる。
図4は、一つのビート信号SBに対してFFT処理を行った結果を示す図であり、横軸を周波数として、縦軸をパワーの大きさとしている。図4に示す例では、距離ビンfr10にピークが出現しており、距離ビンfr10に対応する距離に物標が存在することを示す。
ところで、物標とレーダ装置1との間の相対速度がゼロである場合、受信信号SRにドップラ成分は生じず、各チャープ波に対応する受信信号SR間で位相は同じであるため、各ビート信号SBの位相も同じである。
一方、物標とレーダ装置1との間の相対速度がゼロでない場合、受信信号SRにドップラ成分が生じ、各チャープ波に対応する受信信号SR間で位相が異なるため、時間的に連続するビート信号SB間にドップラ周波数に応じた位相の変化が現われる。
このように、物標とレーダ装置1との間の相対速度がゼロでない場合、ビート信号SB間において同一物標のピークにドップラ周波数に応じた位相の変化が現われる。そこで、各ビート信号SBをFFT処理して得られる周波数スペクトルを時系列に並べて2回目のFFT処理を行うことで、ドップラ周波数に対する周波数ビンにピークが出現する周波数スペクトルを得ることができる。かかるピークが出現した周波数ビン(以下、速度ビンと記載する場合がある)を検出することで、物標との相対速度を検出することができる。
図5は、時間的に連続するビート信号SBのFFT処理結果とビート信号SB間のピークの位相変化の一例を示す図である。図5に示す例では、距離ビンfr10にピークがあり、かかるピークの位相が変化していることを示している。
このように、ビート信号SBに対して2回のFFT処理を行い、ピークが存在する距離ビンおよび速度ビンを検出することで、物標との距離および相対速度を検出することができる。
図2の説明に戻り、処理部40の説明をつづける。ピーク抽出部44は、変換部43から入力される周波数スペクトルからパワーが所定値以上となるピークを抽出し、かかるピークに関する情報を方位演算部45へ出力する。
ここで、ピーク抽出部44は、同一距離ビンに1つのピークのみが存在した場合、すなわち、同一距離ビンに異なる速度ビンを示すピークが存在しない場合、連結部47に連結ビート信号SLの生成を指示する。以下、同一距離ビンに1つのみとなるピークを単独ピークと記載する。
ところで、連結部47が連結ビート信号SLを生成し、距離分解能を上げたとしても、分離して検出しようとしているピークがそもそも1つのピークである可能性がある。
このため、ピーク抽出部44は、条件を絞って単独ピークを抽出することで、連結部47による処理を軽減することもできる。この点の詳細については、図6Aおよび図6Bを用いて後述する。
方位演算部45は、所定の角度演算処理により、ピーク抽出部44において抽出されたピークの各距離ビンの信号から、同一距離ビンに存在する複数の物標についての情報を分離し、それら複数の物標それぞれの角度を推定する。
方位演算部45は、4つの受信アンテナ21の受信信号SRに基づく4つのビート信号SBの全ての周波数スペクトルにおいて同一ピーク周波数ビンの信号(以下、ピーク信号と記載する)に注目し、それらピーク信号の位相情報に基づいて物標の角度を推定する。方位演算部45における方位の推定は、例えば、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)、DBF(Digital Beam Forming)、または、MUSIC(Multiple Signal Classification)などの所定の方位推定方式を用いて行われる。
距離・相対速度決定部46は、ピーク抽出部44によって抽出されたピークの距離ビンおよび速度ビンの組み合わせに基づいて物標との距離および相対速度を算出する。
そして、距離・相対速度決定部46は、物標の距離、相対速度、方位などを含む物標情報を生成し、車両制御装置2へ出力する。ここで、距離・相対速度決定部46は、距離算出部48から距離情報が入力された場合に、物標情報の当該距離情報に対応する箇所を差し替えて、車両制御装置2へ出力する。
次に、連結部47について説明する。連結部47は、ピーク抽出部44から連結ビート信号SLの生成指示が入力された場合に、疑似的に連結させた連結ビート信号SLを生成する。
連結部47は、変換部43から入力されたビート信号SBに対して窓関数を掛けた後に、各ビート信号SBを連結させる。これにより、各ビート信号SBの不連続性を低減させた連結ビート信号SLを生成することができる。また、連結部47は、生成した連結ビート信号SLを距離算出部48へ出力する。なお、連結部47は、窓関数として、たとえば方形窓関数、ハニング窓関数、ガウス窓関数などの所定の窓関数を用いることができる。
ところで、連結部47は、単独ピークの距離ビンに応じて連結させる個数を調整することで、処理負荷の増加を抑えることもできる。この点の詳細については、図7を用いて説明する。
距離算出部48は、連結部47から入力される連結ビート信号SLに対してFFT処理することで連結ビート信号SLを物標との距離を示す周波数スペクトルへ変換し、かかる周波数スペクトルに基づいて物標との距離を算出する。また、距離算出部48は、算出結果である距離情報を距離・相対速度決定部46へ出力する。
次に、図6Aを用いてピーク抽出部44が連結部47へ連結ビート信号SLを指示する条件について説明する。図6Aは、連結部47による連結ビート信号SLの生成条件の一例を示す図である。
図6Aでは、前回の周波数スペクトルと今回の周波数スペクトルとを重畳して示す。また、同図では、前回の周波数スペクトルのピークP6、P7を白丸で示し、今回の周波数スペクトルのピークP8を黒丸で示す。
同図に示すように、前回の周波数スペクトルにおいて抽出されていた2つのピークP6、P7が、同図に示す破線矢印の向きに移動した場合、今回の周波数スペクトルにおいて1つのピークP8として抽出される場合がある。
ピークP8には、ピークP6、P7に由来する2つのピークが1つのピークとして抽出されている可能性が高い。このため、かかる場合に限って、ピーク抽出部44は、連結部47へ連結ビート信号SLの生成指示を行うこともできる。
例えば、ピーク抽出部44は、周波数スペクトルの履歴に基づき、今回の周波数スペクトルにおけるピークの位置(距離ビン、速度ビン)を予測し、今回の周波数スペクトルにおいて1つのピークに複数のピークが重なっている可能性が高いと判定した場合に、連結ビート信号SLの生成指示を行う。
これにより、ピーク抽出部44は、連結部47や距離算出部48を効率的に動作させることができる。したがって、処理負荷の増加を抑えつつ、物標の距離分解を向上させることができる。
次に、図6Bを用いて単独ピークの対象範囲について説明する。図6Bは、連結部47による連結ビート信号SLの生成条件の一例を示す図であり、縦軸を速度ビンとし、横軸を距離ビンとした周波数スペクトルを示す。
ピーク抽出部44は、対象領域内に単独ピークを抽出した場合にのみ、連結部47へ連結ビート信号SLの生成を指示することができる。また、ピーク抽出部44は、かかる対象領域を動的に設定することができる。
例えば、ピーク抽出部44は、速度センサ(不図示)から入力される走行速度の情報に基づいて対象領域を設定する。ピーク抽出部44は、自車両Aの走行速度(以下、自車速と記載する)に対応する速度ビンがy[Hz]とした場合、y+a〜y−b[Hz]の間の速度ビンの周波数領域を対象領域に設定する。
y+a〜y−b[Hz]は、例えば、自車速から±10[km/h]に相当する速度ビンに対応する。これは、歩行者と静止物(例えば、静止している車両)とにターゲットを絞って距離分解能を向上させて検出するためである。
静止している車両の相対速度は、自車速と等しくy[Hz]となる。また、歩行者の移動速度は、おおむね10[km/h]以内と見做すことができる。
歩行者が自車両Aに近づく場合の相対速度は、10[km/h]以内の範囲で大きくなり、歩行者が自車両Aに近づく場合の相対速度は、10[km/h]以内の範囲で小さくなることが想定される。
このため、対象範囲を自車両Aの速度から±10[km/h]の速度範囲に限定することで、歩行者と静止物との分離を効率よく行うことができる。なお、上記した対象領域は一例であって、これに限定されるものではなく、任意に変更することができる。
また、図6Bに示すように、ピーク抽出部44は、対象領域を距離ビンに基づいて限定することもできる。例えば、距離ビンがx[Hz]に自車両Aに近い側の区間(距離ビンが小さい側)を対象領域とし、自車両Aから遠い側(距離ビンが大きい側)を対象領域外に設定することもできる。
これは、自車両Aから距離が近い物標は、距離が遠い物標に比べて精度よく検出しておく必要があるためである。換言すると、自車両Aから遠い物標については、距離が近くなってから精度よく検出すれば足りるためである。
このため、距離ビンについて対象領域を限定することで、処理負荷を抑えつつ、検出すべき優先度が高い物標を精度よく検出することができる。
なお、x[Hz]は、例えば、自車両Aからの距離が20[m]に相当するが、自車両Aの走行速度が速い場合は、遅い場合に比べて長い距離に設定するなど、自車両Aの走行状態に応じて変更することもできる。
次に、図7を用いて連結させるビート信号SBの数と、距離との関係について説明する。図7は、連結させるビート信号SBの数と、距離との関係の一例を示す図である。図7は、縦軸を連結部47が連結させる個数とし、横軸を単独ピークの距離ビンとする。
上記したように、連結ビート信号SLに連結させるビート信号SBの数を増やすと、ビート信号SBに対するA/D変換のサンプリング数が多くなり、距離分解能が向上する。
このため、図7に示すように、連結部47は、単独ピークの距離ビンが小さい値であるほど、多い数のビート信号SBを連結させる。一方、連結部47は、距離ビンが大きい値になるにつれて徐々に少ない数のビート信号SBを連結させて連結ビート信号SLを生成する。
つまり、連結部47は、物標との距離が近いほど、物標の検出精度を上げて検出し、物標との距離が遠くなるにつれて処理負荷の増加を抑えるようにしている。
これにより、処理負荷の増加を抑えつつ、検出する優先度の高い物標について検出精度を向上させて検出することができる。なお、図7では、ビート信号SBの個数と、距離ビンとが比例関係にある場合について示したが、これに限定されるものではない。距離ビンが増加するにつれてビート信号SBの個数を段階的に減少させたり、距離ビンが所定値以下である場合ビート信号SBを一定個数とし、かかる所定値を超えた後に徐々に減少させるようにするなど、任意に変更することができる。
次に、図8を用いて実施形態に係るレーダ装置1が実行する処理手順について説明する。図8は、レーダ装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、変換部43は、2次元FFT処理によりビート信号SBを周波数スペクトルへ変換する(ステップS101)。続いて、ピーク抽出部44は、周波数スペクトルからピーク抽出処理を行う(ステップS102)。
次に、ピーク抽出部44は、ピーク抽出処理において単独ピークが有るか否かを判定する(ステップS103)。この判定において、単独ピークがあった場合(ステップS103,Yes)、連結部47は、連結ビート信号SLを生成する(ステップS104)。
続いて、距離算出部48は、連結ビート信号SLに対するFFT処理により距離を算出する(ステップS105)。なお、ステップS103の判定において単独ピークがなかった場合(ステップS103,No)、処理部40は、ステップS104およびステップS105の処理を省略する。
次に、方位演算部45は、ピーク抽出処理の処理結果に基づいて方位演算処理を行い(ステップS106)、距離・相対速度決定部46は、距離・相対速度決定処理を実行し(ステップS107)、処理を終了する。
上述したように、実施形態に係るレーダ装置1は、送信部10と、生成部30と、変換部43と、連結部47と、距離算出部48とを備える。送信部10は、周波数が連続的に増加または減少する送信信号STによってチャープ波を生成し、該チャープ波を送信する。生成部30は、物標によるチャープ波の反射波を受信アンテナ21で受信した受信信号SRおよび送信信号STからビート信号SBを生成する。
変換部43は、生成部30によって生成されたビート信号SBに対して2次元フーリエ変換を行うことで、ビート信号SBを物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する。連結部47は、変換部43によって変換された周波数スペクトルにおいて同一距離に一つのピークのみが存在する場合に、ビート信号SBを疑似的に連結して連結ビート信号SLを生成する。距離算出部48は、連結部47によって生成された連結ビート信号SLに対してフーリエ変換を行うことで物標との距離を算出する。したがって、実施形態に係るレーダ装置1によれば、物標の検出精度を向上させることができる。
ところで、レーダ装置1は、連結ビート信号SLに対して全ての範囲でFFT処理を行う必要はない。例えば、レーダ装置1は、連結ビート信号SLに対して単独ピークの距離ビンに基づき、限定した範囲でFFT処理を行うこともできる。かかる場合に、連結ビート信号SLに対するFFT処理の処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、ピーク抽出部44が、各ピークの位置の履歴に基づいて連結部47へ連結ビート信号LSの生成指示を行う場合(図6A参照)について説明したが、これに限定されるものではない。
ピーク抽出部44は、各ピークのパワーの履歴に基づいて連結部47へ連結ビート信号LSの生成指示を行うこともできる。例えば、前回の周波数スペクトルにおけるピークのパワーが、今回の周波数スペクトルにおいて所定値を超えて上昇した場合、かかるピークには、複数のピークが重なった可能性が高い。
このため、ピーク抽出部44は、前回からパワーが所定値を超えて上昇するピークが存在した場合に、連結部47へ連結ビート信号LSの生成指示を行うこともできる。これにより、処理負荷の増加を抑えつつ、物標の検出精度を向上させることができる。
また、ピーク抽出部44は、ブロードしたピークを抽出した場合に、連結部47へ連結ビート信号LSの生成指示を行うことにしてもよい。これは、ブロードしたピークには、複数のピークが重なっている可能性が高いためである。
したがって、ピーク抽出部44は、周波数スペクトルにおいて距離ビンおよび速度ビンのうち少なくとも一方に、例えば、3BIN以上の広がりを持つピークを抽出した場合に、連結部47へ連結ビート信号LSの生成指示を行う。これにより、処理負荷の増加を抑えつつ、物標の検出精度を向上させることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な様態は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲および、その均等物によって定義される統括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変化が可能である。
1 レーダ装置
10 送信部
21 受信アンテナ
30 生成部
43 変換部
44 ピーク抽出部
45 方位演算部
46 距離・相対速度決定部
47 連結部
48 距離算出部
SB ビート信号
SL 連結ビート信号
10 送信部
21 受信アンテナ
30 生成部
43 変換部
44 ピーク抽出部
45 方位演算部
46 距離・相対速度決定部
47 連結部
48 距離算出部
SB ビート信号
SL 連結ビート信号
Claims (6)
- 周波数が連続的に増加または減少する送信信号によってチャープ波を生成し、該チャープ波を送信する送信部と、
物標による前記チャープ波の反射波を受信アンテナで受信した受信信号および前記送信信号からビート信号を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記ビート信号に対して2次元フーリエ変換を行うことで、前記ビート信号を物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記周波数スペクトルにおいて同一距離に一つのピークのみが存在する場合に、前記ビート信号を疑似的に連結して連結ビート信号を生成する連結部と、
前記連結部によって生成された連結ビート信号に対してフーリエ変換を行うことで前記物標との距離を算出する距離算出部と
を備えることを特徴とするレーダ装置。 - 前記連結部は、
前記周波数スペクトルにおいて前記一つのピークのみが存在する距離が近い程、連結する前記ビート信号の数を増やすこと
を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。 - 前記連結部は、
前記ピークに対応する相対速度が歩行者の移動速度に相当する速度範囲以外であった場合に、前記連結ビート信号の生成を行わないこと
を特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。 - 前記連結部は、
前記変換部によって前回変換された周波数スペクトルにおける複数の前記ピークが、今回変換された周波数スペクトルにおいて重なって一つの前記ピークとなった場合にのみ、前記ビート信号を連結すること
を特徴とする請求項1、2または3に記載のレーダ装置。 - 前記連結部は、
前記周波数スペクトルにおいて前記一つのピークのみが存在する距離が所定値以上である場合に、前記連結ビート信号の生成を行わないこと
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレーダ装置。 - 周波数が連続的に増加または減少する送信信号によってチャープ波を生成し、該チャープ波を送信する送信工程と、
物標による前記チャープ波の反射波を受信アンテナで受信した受信信号および前記送信信号からビート信号を生成する生成工程と、
前記生成工程によって生成された前記ビート信号に対して2次元フーリエ変換を行うことで、前記ビート信号を物標との距離および相対速度を示す周波数スペクトルへ変換する変換工程と、
前記変換工程によって変換された前記周波数スペクトルにおいて同一距離に一つのピークのみが存在する場合に、前記ビート信号を疑似的に連結して連結ビート信号を生成する連結工程と、
を含むことを特徴とする物標検出方法。
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- 2017-01-17 JP JP2017006200A patent/JP2018115930A/ja active Pending
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