JP2016204302A - 歯髄幹細胞を用いた膵島移植 - Google Patents
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Abstract
【課題】膵島移植の有用性を高めるべく、膵島移植の治療成績の向上に有効な手段を提供することを課題とする。【解決手段】歯髄幹細胞を含有する、膵島移植用細胞製剤が提供される。【選択図】なし
Description
本発明は糖尿病の治療に用いられる細胞製剤に関する。詳しくは、膵島移植用の細胞製剤及びその用途に関する。
糖尿病は多くの国において増え続けている重大な疾患である。糖尿病では各種の重篤な合併症も発症するため、有効な予防・治療方法の確立が期待されている。糖尿病は1型と2型に大別され、1型糖尿病は自己免疫による膵β細胞の死滅を伴い、2型糖尿病は一定の膵β細胞の死滅と共にインスリン分泌低下と感受性の低下を伴う。1型糖尿病は自己抗体を基礎とした膵β細胞の破壊により発症すると考えられている。他方、2型糖尿病は、インスリン分泌の低下/抵抗性に運動不足などの環境因子が組み合わさることが成因とされている。
1型糖尿病の治療ではインスリンの投与が基本となる。しかしながら、現在の治療法はあくまでも対症療法であり、根本的な治療には至らないのが現状である。また、インスリンの投与のみでは、安定した血糖値の管理が困難な場合もある。さらに、インスリン投与には自己注射ゆえのリスクや重篤な低血糖状態に陥るリスクもあり、患者への負担は大きい。
近年、1型糖尿病に対する治療法として膵島移植が注目されている。膵島移植は2000年にアルバータ大学(カナダ エドモントン)によって確立された。複数の脳死ドナー(組織提供者)から分離した膵島組織を比較的短期間に1人の1型糖尿病患者に移植するという膵島移植を7人の1型糖尿病患者に対して行い、その7人全員がインスリン離脱(正常血糖値を維持するのにインスリン注射が不要である状態)になったとの報告がある(非特許文献1)。しかしながら膵島移植には、移植された膵島の生着率が低いために1人のドナーから得られた膵島の移植だけでは不十分であること(1人の患者に対し、複数のドナーが必要)、移植5年後のインスリン離脱率が低く、複数回の膵島移植が必要であること等の問題がある。
膵島移植は有望な治療法であるものの、臓器移植である高侵襲な膵臓移植に比べて長期成績が悪い。このような現状を打開すべく、移植した膵島をより長期にわたり生着させ、正常血糖値を長期間維持する目的で、糖尿病モデル動物に対し幹細胞と膵島を同時移植する研究が行われている。その一つとして、ストレプトゾトシン投与による膵β細胞の破壊を誘発する1型糖尿病モデルマウスに、膵島と間葉系幹細胞を同時に移植することで、移植した膵島の生着率が向上し、耐糖能障害改善効果を認めたことが報告された(非特許文献2、3)。その他、膵島移植の治療成績を向上させるため、脂肪組織由来幹細胞(ASC)や骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSC)等の同時移植が試みられている(特許文献1、非特許文献4〜11)。尚、本発明者らの研究グループは、膵島移植に代わる有望な糖尿病治療法として、歯髄幹細胞の培養上清の投与が有効であることを報告している(特許文献2)。
A.M.James Shapiro et al; New England Journal of Medicine. 2000 Jul 27; 343(4):230-8
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Ito T et al; Transplantation. 2010 Dec 27; 90(12):1366-73
Yamamoto A et al; J Clin Invest 2012 Jan;122(1):80-90
Gandia C et al; Stem Cells 2008 Stem Cells 26: pp. 638-645
現在の膵島移植にはいくつかの問題があるものの、開腹手術を必要とせず低侵襲であり、安全性も高く、施術に伴う患者への負担が少ないという利点がある。そこで本発明は、膵島移植の有用性を高めるべく、膵島移植の治療成績の向上に有効な手段を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み本発明者らは歯髄幹細胞の潜在能力に着目し、膵島移植におけるその有用性を検討した。具体的には、ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病モデルマウスに対して、ヒト乳歯歯髄幹細胞(stem cells from exfoliated deciduous teeth; SHED)と膵島を同時に移植し、その効果を調べた。その結果、SHEDと膵島の同時移植は、膵島移植単独に比べ、著しく高い耐糖能障害改善効果を示した。即ち、SHEDに期待を上回る効果を認めた。SHEDを併用した場合の耐糖能障害改善効果は、過去の研究で頻用される骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSC)を併用した場合に比して高く、この点もSHEDの有用性の高さを裏づける。尚、歯髄幹細胞については、抗炎症効果、神経疾患(脊髄損傷)や心筋梗塞(血管新生)に対する治療効果が報告されているが(非特許文献12、13)、膵島移植への利用・適用の試みはなく、上記の成果はこれまでの報告と一線を画す。
[1]歯髄幹細胞を含有する、膵島移植用細胞製剤。
[2]その投与時に、生体から分離した膵島が併用投与されることを特徴とする、[1]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[3]膵島を更に含有する、[1]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[4]歯髄幹細胞を含有する第1構成要素と、膵島を含有する第2構成要素からなるキットであることを特徴とする、[3]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[5]膵島が単独のドナー由来である、[2]〜[4]のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
[6]歯髄幹細胞が乳歯歯髄幹細胞である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
[7]膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞の使用。
[8]膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞及び膵島の使用。
[9]糖尿病の患者に対して、歯髄幹細胞と膵島を投与することを含む、糖尿病の治療法。
[1]歯髄幹細胞を含有する、膵島移植用細胞製剤。
[2]その投与時に、生体から分離した膵島が併用投与されることを特徴とする、[1]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[3]膵島を更に含有する、[1]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[4]歯髄幹細胞を含有する第1構成要素と、膵島を含有する第2構成要素からなるキットであることを特徴とする、[3]に記載の膵島移植用細胞製剤。
[5]膵島が単独のドナー由来である、[2]〜[4]のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
[6]歯髄幹細胞が乳歯歯髄幹細胞である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
[7]膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞の使用。
[8]膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞及び膵島の使用。
[9]糖尿病の患者に対して、歯髄幹細胞と膵島を投与することを含む、糖尿病の治療法。
1.膵島移植用細胞製剤
本発明は膵島移植用細胞製剤に関する。本明細書において「膵島移植用」とは、膵島移植に用いられることを意味する。本発明の細胞製剤は糖尿病の治療に有効である。本明細書において「糖尿病」とは、分類を問わず、血糖値が病的に高い状態の疾患を意味する。従って、膵島機能が低下又は損失している患者(典型的には1型糖尿病の患者)に限らず、2型糖尿病の患者に対しても本発明の細胞製剤を適用することが可能である。好ましくは、膵島移植を必要とする1型糖尿病患者に対して本発明の細胞製剤は適用される。
本発明は膵島移植用細胞製剤に関する。本明細書において「膵島移植用」とは、膵島移植に用いられることを意味する。本発明の細胞製剤は糖尿病の治療に有効である。本明細書において「糖尿病」とは、分類を問わず、血糖値が病的に高い状態の疾患を意味する。従って、膵島機能が低下又は損失している患者(典型的には1型糖尿病の患者)に限らず、2型糖尿病の患者に対しても本発明の細胞製剤を適用することが可能である。好ましくは、膵島移植を必要とする1型糖尿病患者に対して本発明の細胞製剤は適用される。
本明細書において「細胞製剤」とは、細胞を有効成分として含む剤を意味する。本発明の細胞製剤では歯髄幹細胞が有効成分となる。即ち、本発明の細胞製剤は歯髄幹細胞を含有することを最大の特徴とする。
歯髄幹細胞を含有する本発明の細胞製剤は、典型的には、その投与時に膵島が併用投与される。この場合の細胞製剤と膵島の投与のタイミングは特に限定されず、レシピエント(患者)に対して同時又は所定の時間的間隔を置いて両者が投与されることになる。好ましくは、両者を同時に投与することにする。ここでの「同時」は厳密な同時性を要求するものではない。従って、両者を混合した後にレシピエントへ投与する等、両者の投与が時間差のない条件下で実施される場合は勿論のこと、片方の投与後、速やかに他方を投与する等、両者の投与が実質的に時間差のない条件下で実施される場合もここでの「同時」の概念に含まれる。一方、片方の投与後、所定の時間差で他方を投与する場合は、併用の効果が良好に奏されるよう、時間差を可及的に短く設定することが好ましい。例えば、片方の投与後15分以内、好ましくは10分以内、更に好ましくは5分以内に他方を投与する。
一態様では、本発明の細胞製剤は歯髄幹細胞に加え膵島を含有する。即ち、歯髄幹細胞と膵島を混合した配合剤として本発明の細胞製剤が提供されることになる。例えば、歯髄幹細胞と膵島を別々に調製した後、両者を混合することにより、この態様の細胞製剤とする。歯髄幹細胞と膵島を共培養し、培養後の細胞を回収し、この態様の有効成分としてもよい。
歯髄幹細胞と膵島を含有する細胞製剤の態様は上記の例(即ち配合剤)に限定されない。例えば、歯髄幹細胞を含有する第1構成要素と、膵島を含有する第2構成要素とからなるキットの形態で本発明の細胞製剤を提供することもできる。この場合、膵島を含有しない細胞製剤の場合と同様に、レシピエントに対して同時又は所定の時間的間隔を置いて両要素が投与されることになる。
<歯髄幹細胞>
本発明の細胞製剤を構成する歯髄幹細胞は、歯髄から得られる(歯髄に由来した)幹細胞であれば特に限定されない。永久歯歯髄幹細胞(dental pulp stem cells: DPSCs DPSCs)でも、乳歯歯髄幹細胞(SHED)であってもよい。歯髄幹細胞は低侵襲で容易に採取が可能な神経堤由来の幹細胞であり、様々な未分化神経系マーカーおよび間葉系幹細胞マーカーを共発現する細胞集団である(Miura M. et al; Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 May 13;100(10):5807-123)。
本発明の細胞製剤を構成する歯髄幹細胞は、歯髄から得られる(歯髄に由来した)幹細胞であれば特に限定されない。永久歯歯髄幹細胞(dental pulp stem cells: DPSCs DPSCs)でも、乳歯歯髄幹細胞(SHED)であってもよい。歯髄幹細胞は低侵襲で容易に採取が可能な神経堤由来の幹細胞であり、様々な未分化神経系マーカーおよび間葉系幹細胞マーカーを共発現する細胞集団である(Miura M. et al; Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 May 13;100(10):5807-123)。
本発明の細胞製剤を適用するレシピエント(患者)との関係においては、拒絶反応を抑制又は回避するため、同一生物種(ヒトであればヒト由来)の歯髄幹細胞であることが好ましく、より好ましくは自家歯髄幹細胞を用いる。
歯髄幹細胞は、歯髄細胞の中の接着性細胞として選別可能である。脱落した乳歯や永久歯から採取した歯髄細胞の中の接着性細胞又はその継代細胞を「歯髄幹細胞」として用いることができる。例えば、以下に示す、特開2011−219432号公報に記載の方法等により歯髄幹細胞を調製することができる。
(1)歯髄の採取
自然に脱落した乳歯(又は抜歯した乳歯、或いは永久歯)をクロロヘキシジンまたはイソジン溶液で消毒した後、歯冠部を分割し歯科用リーマーにて歯髄組織を回収する。
自然に脱落した乳歯(又は抜歯した乳歯、或いは永久歯)をクロロヘキシジンまたはイソジン溶液で消毒した後、歯冠部を分割し歯科用リーマーにて歯髄組織を回収する。
(2)酵素処理
採取した歯髄組織を基本培地(10%ウシ血清・抗生物質含有ダルベッコ変法イーグル培地)に懸濁し、2mg/mlのコラゲナーゼ及びディスパーゼで37℃、1時間処理する。5分間の遠心操作(5000回転/分)により酵素処理後の歯髄細胞を回収する。セルストレーナーによる細胞選別はSHEDやDPSCの神経幹細胞分画の回収効率を低下させるので原則、使用しない。
採取した歯髄組織を基本培地(10%ウシ血清・抗生物質含有ダルベッコ変法イーグル培地)に懸濁し、2mg/mlのコラゲナーゼ及びディスパーゼで37℃、1時間処理する。5分間の遠心操作(5000回転/分)により酵素処理後の歯髄細胞を回収する。セルストレーナーによる細胞選別はSHEDやDPSCの神経幹細胞分画の回収効率を低下させるので原則、使用しない。
(3)細胞培養(接着性細胞の選択)
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。5%CO2、37℃に調整したインキュベータにて3日間培養した後、コロニーを形成した接着性細胞を0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理する。ディッシュから剥離した歯髄細胞を直径10cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種し拡大培養を行う。例えば、肉眼で観察してサブコンフルエント(培養容器の表面の約70%を細胞が占める状態)又はコンフルエントに達したときに細胞を培養容器から剥離して回収し、再度、培養液を満たした培養容器に播種する。継代培養を繰り返し行ってもよい。例えば継代培養を1〜8回行い、必要な細胞数(例えば約1×107個/ml)まで増殖させる。尚、培養容器からの細胞の剥離は、トリプシン処理など常法で実施することができる。以上の培養の後、細胞を回収して保存することにしてもよい(保存条件は例えば-198℃)。
(別法)
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。培養液(例えば、10%FCS含有DMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium))を添加した後、5%CO2、37℃に調整したインキュベータにて2週間程度培養する。培養液を除去した後、PBS等で細胞を1回又は数回洗浄する。この操作(培養液の除去及び細胞の洗浄)に代えて、コロニーを形成した接着性細胞(歯髄幹細胞)を回収することにしてもよい。この場合には例えば、0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理し、ディッシュから剥離した細胞を回収する。
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。5%CO2、37℃に調整したインキュベータにて3日間培養した後、コロニーを形成した接着性細胞を0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理する。ディッシュから剥離した歯髄細胞を直径10cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種し拡大培養を行う。例えば、肉眼で観察してサブコンフルエント(培養容器の表面の約70%を細胞が占める状態)又はコンフルエントに達したときに細胞を培養容器から剥離して回収し、再度、培養液を満たした培養容器に播種する。継代培養を繰り返し行ってもよい。例えば継代培養を1〜8回行い、必要な細胞数(例えば約1×107個/ml)まで増殖させる。尚、培養容器からの細胞の剥離は、トリプシン処理など常法で実施することができる。以上の培養の後、細胞を回収して保存することにしてもよい(保存条件は例えば-198℃)。
(別法)
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。培養液(例えば、10%FCS含有DMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium))を添加した後、5%CO2、37℃に調整したインキュベータにて2週間程度培養する。培養液を除去した後、PBS等で細胞を1回又は数回洗浄する。この操作(培養液の除去及び細胞の洗浄)に代えて、コロニーを形成した接着性細胞(歯髄幹細胞)を回収することにしてもよい。この場合には例えば、0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理し、ディッシュから剥離した細胞を回収する。
培養液には基本培地、或いは基本培地に血清等を添加したもの等を使用可能である。尚、基本培地としてはDMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社、GIBCO社等)、RPMI1640培地等を用いることができる。二種以上の基本培地を併用することにしてもよい。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社)として市販される)を挙げることができる。また、培地に添加可能な成分の例として、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
(4)細胞の回収
次に、細胞を回収する。トリプシン処理等で培養容器から細胞を剥離した後、遠心処理を施すことによって細胞を回収することができる。このようにして回収した歯髄幹細胞を用いて本発明の細胞製剤を調製する。
次に、細胞を回収する。トリプシン処理等で培養容器から細胞を剥離した後、遠心処理を施すことによって細胞を回収することができる。このようにして回収した歯髄幹細胞を用いて本発明の細胞製剤を調製する。
<膵島>
膵島とは、ランゲルハンス島とも呼ばれ、通常100〜200μmの大きさの細胞群(塊)である。膵島を構成する細胞は、グルカゴンを分泌するα細胞、インスリンを分泌するβ細胞、及びその他の細胞に分類される。構成比率は順に約25%、約70%及び約5%である。本発明の細胞製剤を適用するレシピエント(患者)との関係においては、拒絶反応を抑制又は回避するため、同一生物種(ヒトであればヒト由来)の膵島であることが好ましい。例えば、レシピエントがヒトであれば、ヒト由来の膵島が用いられる。
膵島とは、ランゲルハンス島とも呼ばれ、通常100〜200μmの大きさの細胞群(塊)である。膵島を構成する細胞は、グルカゴンを分泌するα細胞、インスリンを分泌するβ細胞、及びその他の細胞に分類される。構成比率は順に約25%、約70%及び約5%である。本発明の細胞製剤を適用するレシピエント(患者)との関係においては、拒絶反応を抑制又は回避するため、同一生物種(ヒトであればヒト由来)の膵島であることが好ましい。例えば、レシピエントがヒトであれば、ヒト由来の膵島が用いられる。
膵島は、ドナーの膵臓から公知の方法で調製することができる。例えば、心停止ドナーであれば全膵臓を摘出してグラフトとし、またドナーが生体であれば膵臓の50〜70%程度を切除して摘出すればよい。膵臓からの膵島の分離には、公知のRicordi法又はその変法等を採用できる(例えば、Matsumoto S. J Diabetes 2: 16-22, 2010;Mita A et al., Cell Transplant 19: 1537-46, 2010;Matsumoto S. et al., Transplantation 82:460-5, 2006;松本慎一、膵臓 26:176〜182,2011を参照)。典型的には、消化酵素による膵臓の処理、消化組織の回収、膵島の純化の工程を行う。消化酵素には通常、コラゲナーゼが用いられる。また、消化処理には灌流システムを利用することができる。膵島の純化には密度勾配法を利用することができる。調製した膵島は、必要に応じて、適当な保存液中で保存することができる。保存液には、例えば、生理食塩水、PBS、培地等、薬学的に許容できるものを用いることができる。細胞の維持や保護に有効な成分(例えばアルブミン)が添加された保存液を用いてもよい。また、歯髄幹細胞と共に培養し、保存(保管)することにしてもよい。尚、膵島の純度、膵島の組織量、膵島のバイアビリティー、エンドトキシン量、細菌検査等によって、調製した膵島を評価することができる。
<投与量/細胞数>
本発明の細胞製剤の投与量については、投与経路(移植経路)、レシピエント(患者)の症状の程度等を考慮して設定することができる。例えば、1回の膵島移植(体重50kgのレシピエントを基準とする)で5.0×107個〜1.0×109個の歯髄幹細胞を投与することにする。細胞製剤中の歯髄幹細胞の量は、目的の投与量を実現できるように設定すればよい。
本発明の細胞製剤の投与量については、投与経路(移植経路)、レシピエント(患者)の症状の程度等を考慮して設定することができる。例えば、1回の膵島移植(体重50kgのレシピエントを基準とする)で5.0×107個〜1.0×109個の歯髄幹細胞を投与することにする。細胞製剤中の歯髄幹細胞の量は、目的の投与量を実現できるように設定すればよい。
一般に、1回の膵島移植に使用する膵島の量は5.0×104個〜1.0×107個(体重50kgのレシピエントを基準とする)である。本発明を適用する際にも当該範囲内で膵島を移植することができる。但し、本発明の細胞製剤を用いると、膵島の生着率の向上が期待できるため、移植する膵島の量を低減することができる。例えば、1回の膵島移植に使用する膵島の量を1.0×104個〜2.0×106個(体重50kgのレシピエントを基準とする)とし、単独のドナーに由来する膵島のみを用いて施術することにしてもよい。歯髄幹細胞に加えて膵島も含有する細胞製剤とした場合には、上記の投与量を実現できるように膵島の量を設定する。尚、移植の際の歯髄幹細胞の数と膵島の数の比率を例示すると、500:1〜10000:1である。
<他の成分>
本発明の細胞製剤は、有効成分としての細胞(歯髄幹細胞、又は歯髄幹細胞と膵島)の他、薬学的に許容可能な他の成分(例えば、担体ないし媒体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水、アルブミン、培地)を含むことができる。抗生物質、pH調整剤、成長因子、ホルモン等を含有させることにしてもよい。担体ないし媒体としては、生理食塩水、リンゲル液、適当な緩衝液(例えばリン酸系緩衝液)等を用いることができる。
本発明の細胞製剤は、有効成分としての細胞(歯髄幹細胞、又は歯髄幹細胞と膵島)の他、薬学的に許容可能な他の成分(例えば、担体ないし媒体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水、アルブミン、培地)を含むことができる。抗生物質、pH調整剤、成長因子、ホルモン等を含有させることにしてもよい。担体ないし媒体としては、生理食塩水、リンゲル液、適当な緩衝液(例えばリン酸系緩衝液)等を用いることができる。
<投与経路>
本発明の細胞製剤の投与経路は、膵島の生着率を向上することが可能である限り特に限定されない。例えば、門脈等の血中への直接注入(移植)や、腎被膜下、大網内又は皮下組織等の非血中組織内への移植を採用することができる。好ましくは、門脈への注入によって本発明の細胞製剤を投与する。投与方法の具体例を説明すると、まず、適当な容器(例えば輸液バック)に収容した本発明の細胞製剤を用意する。局所麻酔下、X線透視を行いつつ、或いは超音波検査で肝臓内の状況を確認しつつ、レシピエント(患者)の門脈に穿刺し、本発明の細胞製剤を注入する。注入終了後、穿刺したカテーテルを抜去する。
本発明の細胞製剤の投与経路は、膵島の生着率を向上することが可能である限り特に限定されない。例えば、門脈等の血中への直接注入(移植)や、腎被膜下、大網内又は皮下組織等の非血中組織内への移植を採用することができる。好ましくは、門脈への注入によって本発明の細胞製剤を投与する。投与方法の具体例を説明すると、まず、適当な容器(例えば輸液バック)に収容した本発明の細胞製剤を用意する。局所麻酔下、X線透視を行いつつ、或いは超音波検査で肝臓内の状況を確認しつつ、レシピエント(患者)の門脈に穿刺し、本発明の細胞製剤を注入する。注入終了後、穿刺したカテーテルを抜去する。
2.糖尿病の治療
本発明は第2の局面として糖尿病の治療法を提供する。本発明の治療法では、糖尿病の患者(レシピエント)に対して、歯髄幹細胞と膵島を投与する。典型的には、上記本発明の細胞製剤を利用して歯髄幹細胞と膵島が投与されるが、製剤の形態に調製していない細胞を用いて本発明の治療法を実施することも可能である。使用する歯髄幹細胞の量及び膵島の数は上記の説明に準ずる。即ち、1回の施術(体重50kgのレシピエントを基準とする)に使用する歯髄幹細胞の数を例えば5.0×107個〜1.0×109個、膵島の数を1.0×104個〜2.0×106個にすることができる。投与経路は上記の通りである。尚、身長、体重、血圧の測定、血液検査(糖負荷試験などを含む)、尿検査、画像検査(CTスキャン、超音波検査、X線検査など)等によって治療効果を判定ないし評価することができる。
本発明は第2の局面として糖尿病の治療法を提供する。本発明の治療法では、糖尿病の患者(レシピエント)に対して、歯髄幹細胞と膵島を投与する。典型的には、上記本発明の細胞製剤を利用して歯髄幹細胞と膵島が投与されるが、製剤の形態に調製していない細胞を用いて本発明の治療法を実施することも可能である。使用する歯髄幹細胞の量及び膵島の数は上記の説明に準ずる。即ち、1回の施術(体重50kgのレシピエントを基準とする)に使用する歯髄幹細胞の数を例えば5.0×107個〜1.0×109個、膵島の数を1.0×104個〜2.0×106個にすることができる。投与経路は上記の通りである。尚、身長、体重、血圧の測定、血液検査(糖負荷試験などを含む)、尿検査、画像検査(CTスキャン、超音波検査、X線検査など)等によって治療効果を判定ないし評価することができる。
膵島移植の治療成績の向上を目指し、以下の実験を行った。
1.方法(図1を参照)
1−1.本実験に使用したモデルマウス
ストレプトゾトシン(以下「STZ」、SIGMA ALORICH Co. USA)を生理食塩液に溶解して15mg/mlの溶液を調製した。16時間絶食させた9〜10週齢C57Bl6/Jマウス(日本クレア株式会社)に対して、この溶液を1回、腹腔内投与し(STZの投与量は150mg/kg)、糖尿病モデルマウスを作成した。
1.方法(図1を参照)
1−1.本実験に使用したモデルマウス
ストレプトゾトシン(以下「STZ」、SIGMA ALORICH Co. USA)を生理食塩液に溶解して15mg/mlの溶液を調製した。16時間絶食させた9〜10週齢C57Bl6/Jマウス(日本クレア株式会社)に対して、この溶液を1回、腹腔内投与し(STZの投与量は150mg/kg)、糖尿病モデルマウスを作成した。
1−2.ヒト脱落乳歯歯髄幹細胞の調製
10cmディッシュを用いてDMEM(SIGMA ALORICH Co USA)+10%FBS(SIGMA ALORICH Co USA)+1%PenicillinStreptomycin(Life TechnologiesJapan Ltd)でヒト脱落乳歯歯髄幹細胞を培養し、80〜90%コンフルエントになるまで培養を行う。PBSで2回洗浄した後に、無血清培養液(DMEM)に変更し、48時間培養を行った。
10cmディッシュを用いてDMEM(SIGMA ALORICH Co USA)+10%FBS(SIGMA ALORICH Co USA)+1%PenicillinStreptomycin(Life TechnologiesJapan Ltd)でヒト脱落乳歯歯髄幹細胞を培養し、80〜90%コンフルエントになるまで培養を行う。PBSで2回洗浄した後に、無血清培養液(DMEM)に変更し、48時間培養を行った。
1−3.骨髄由来間葉系幹細胞の調製
LONZA社から入手した骨髄由来間葉系幹細胞を上記ヒト乳歯歯髄幹細胞の調製と同じ方法で調製・培養・ストックを行った。
LONZA社から入手した骨髄由来間葉系幹細胞を上記ヒト乳歯歯髄幹細胞の調製と同じ方法で調製・培養・ストックを行った。
1−4.膵島の単離
以下の手順に従って、マウスから膵島を採取した。
(1) 1mg/mlのコラゲナーゼtypeVIII溶液を、9〜10週齢C57Bl6/Jドナーマウス(日本クレア株式会社)1匹当たり5ml準備した。コラゲナーゼtypeVIII溶液は、失活防止のため、氷冷保存しておいた。
(2)ペントバルビタールナトリウム製剤(商品名ソムノペンチル)を生理食塩水にて希釈し、ドナーマウスに腹腔内投与(50 mg/kg)して麻酔した。
(3)ドナーマウスを開腹し、総胆管を剥離して、膨潤化用溶液入りシリンジ付きの27〜30G針を、肝門部にて十二指腸向きに総胆管内にカニュレーションし、3〜5ml注入した。この際、脾門部まで十分に膨潤化させた。
(4)膨潤化した膵臓を切離し、50mlのコニカルチューブに回収して氷冷した。1本のコニカルチューブには、ドナーマウス1〜2匹分を収容した。
(5)予め37℃に保温した温浴槽に、膨潤化した膵臓入りの50mlコニカルチューブを入れ、10〜15分間反応させた。
(6) 15分間の反応後、冷FBS入りRPMIを25ml加えて、コラゲナーゼで反応させた膨潤化膵臓をほぐした。1000rpmにて遠心分離し、上清を捨て、さらに冷FBS入りRPMIを50mlコニカルチューブに25ml加えて、コラゲナーゼ反応を停止させた。
(7) 1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。次いで、上清を除去した後に、冷FBS入りRPMIを15ml加えて、25mlピペットでゆっくりピペッティングして十分にほぐした。
(8)組織をほぐした溶液を1mmセルストレーナーで濾過し、濾液を回収した。
(9)濾液に対して1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。上清を除去し、ドナーマウス1匹分あたりFicoll 10mlを10mlピペットで十分に撹拌後、冷FBS入りRPMI 10mlをゆっくり加え、チューブ内で重層させた。
(10) 1000rpm、4℃で20分間遠心分離を行った。
(11)上記(10)の操作によってFicoll/FBS入りRPMIの間の層に局在化された膵島を回収し、FBS含有RPMI 25mlを入れた50mlチューブに収容した。
(12) 1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行い、上清を除去した。FBS含有RPMI(培地)でペレットを撹拌し、ディッシュに膵島を移した。
以下の手順に従って、マウスから膵島を採取した。
(1) 1mg/mlのコラゲナーゼtypeVIII溶液を、9〜10週齢C57Bl6/Jドナーマウス(日本クレア株式会社)1匹当たり5ml準備した。コラゲナーゼtypeVIII溶液は、失活防止のため、氷冷保存しておいた。
(2)ペントバルビタールナトリウム製剤(商品名ソムノペンチル)を生理食塩水にて希釈し、ドナーマウスに腹腔内投与(50 mg/kg)して麻酔した。
(3)ドナーマウスを開腹し、総胆管を剥離して、膨潤化用溶液入りシリンジ付きの27〜30G針を、肝門部にて十二指腸向きに総胆管内にカニュレーションし、3〜5ml注入した。この際、脾門部まで十分に膨潤化させた。
(4)膨潤化した膵臓を切離し、50mlのコニカルチューブに回収して氷冷した。1本のコニカルチューブには、ドナーマウス1〜2匹分を収容した。
(5)予め37℃に保温した温浴槽に、膨潤化した膵臓入りの50mlコニカルチューブを入れ、10〜15分間反応させた。
(6) 15分間の反応後、冷FBS入りRPMIを25ml加えて、コラゲナーゼで反応させた膨潤化膵臓をほぐした。1000rpmにて遠心分離し、上清を捨て、さらに冷FBS入りRPMIを50mlコニカルチューブに25ml加えて、コラゲナーゼ反応を停止させた。
(7) 1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。次いで、上清を除去した後に、冷FBS入りRPMIを15ml加えて、25mlピペットでゆっくりピペッティングして十分にほぐした。
(8)組織をほぐした溶液を1mmセルストレーナーで濾過し、濾液を回収した。
(9)濾液に対して1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。上清を除去し、ドナーマウス1匹分あたりFicoll 10mlを10mlピペットで十分に撹拌後、冷FBS入りRPMI 10mlをゆっくり加え、チューブ内で重層させた。
(10) 1000rpm、4℃で20分間遠心分離を行った。
(11)上記(10)の操作によってFicoll/FBS入りRPMIの間の層に局在化された膵島を回収し、FBS含有RPMI 25mlを入れた50mlチューブに収容した。
(12) 1000rpm、4℃で2分間遠心分離を行い、上清を除去した。FBS含有RPMI(培地)でペレットを撹拌し、ディッシュに膵島を移した。
1−5.マウスへの膵島移植
(1) HAMILTON 50μlシリンジにポリエチレンチューブ(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続したもの、もしくはピペット(10〜20μl)を用いて、膵島75個をポリエチレンチューブに回収した。幹細胞についても同様の方法で回収し、実験に使用した。
(2) ポリエチレンチューブを半分に折り、断端が上を向くように、1ml遠心管に入れた。次いで、1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、ポリエチレンチューブ内で1ヶ所に膵島を集めた。
(3) 2mM EDTA/PBSを用いて歯髄幹細胞をディッシュから回収して、細胞数を計測した。
(4) 5×105個の歯髄幹細胞を、50μlのPBSに懸濁した。
(5) HAMILTON 50μlシリンジに、ポリエチレンチューブ(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続したもの、もしくはピペット(100μl)を用いて、5×105個の歯髄幹細胞を、50μlのPBSと共にポリエチレンチューブに収容した。
(6)1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、ポリエチレンチューブ内で1ヶ所に歯髄幹細胞を集め、上清を除去した後に、(4)の混濁液と混和させた。
(7)ペントバルビタールナトリウム製剤(商品名ソムノペンチル)を生理食塩水にて希釈し、上記で作成した糖尿病モデルマウス腹腔内投与(50 mg/kg)して麻酔した。
(8)マウスの右側腹部の毛をカミソリで除去した後、皮膚切開し、腹膜越しに右腎と肝右葉を確認し、右腎直上で腹膜を切開し、右腎を露出させた。
(9)右腎被膜に小切開を入れ、歯髄幹細胞入りのポリエチレンチューブを被膜下に挿入した後、チューブを抜いた。或いは、27G針付シリンジを刺入して(6)で作成した細胞入り混濁液を注入した後、針を抜いた。
(10)右腎を腹腔内に還納し、腹膜、皮膚を、5-0PDSで1層に閉腹して、移植終了した。
(11)移植終了後は、通常の飼育環境で、マウスの飼育を行った。
(1) HAMILTON 50μlシリンジにポリエチレンチューブ(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続したもの、もしくはピペット(10〜20μl)を用いて、膵島75個をポリエチレンチューブに回収した。幹細胞についても同様の方法で回収し、実験に使用した。
(2) ポリエチレンチューブを半分に折り、断端が上を向くように、1ml遠心管に入れた。次いで、1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、ポリエチレンチューブ内で1ヶ所に膵島を集めた。
(3) 2mM EDTA/PBSを用いて歯髄幹細胞をディッシュから回収して、細胞数を計測した。
(4) 5×105個の歯髄幹細胞を、50μlのPBSに懸濁した。
(5) HAMILTON 50μlシリンジに、ポリエチレンチューブ(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続したもの、もしくはピペット(100μl)を用いて、5×105個の歯髄幹細胞を、50μlのPBSと共にポリエチレンチューブに収容した。
(6)1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、ポリエチレンチューブ内で1ヶ所に歯髄幹細胞を集め、上清を除去した後に、(4)の混濁液と混和させた。
(7)ペントバルビタールナトリウム製剤(商品名ソムノペンチル)を生理食塩水にて希釈し、上記で作成した糖尿病モデルマウス腹腔内投与(50 mg/kg)して麻酔した。
(8)マウスの右側腹部の毛をカミソリで除去した後、皮膚切開し、腹膜越しに右腎と肝右葉を確認し、右腎直上で腹膜を切開し、右腎を露出させた。
(9)右腎被膜に小切開を入れ、歯髄幹細胞入りのポリエチレンチューブを被膜下に挿入した後、チューブを抜いた。或いは、27G針付シリンジを刺入して(6)で作成した細胞入り混濁液を注入した後、針を抜いた。
(10)右腎を腹腔内に還納し、腹膜、皮膚を、5-0PDSで1層に閉腹して、移植終了した。
(11)移植終了後は、通常の飼育環境で、マウスの飼育を行った。
1−4.腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)
16時間絶食マウスに2g/kgのグルコースを腹腔内投与した(IPGTT)。投与前、投与後15分、30分、60分、120分に眼窩採血を行い、血糖値測定および血中インスリン量を測定した。血糖値は、全血を用い、アントセンス(HORIBA)で測定した。また、血中インスリン量は、EDTAで分離した血清を用いELISA法(モリナガインスリン測定キット:商品名(森永製菓))で測定した。
16時間絶食マウスに2g/kgのグルコースを腹腔内投与した(IPGTT)。投与前、投与後15分、30分、60分、120分に眼窩採血を行い、血糖値測定および血中インスリン量を測定した。血糖値は、全血を用い、アントセンス(HORIBA)で測定した。また、血中インスリン量は、EDTAで分離した血清を用いELISA法(モリナガインスリン測定キット:商品名(森永製菓))で測定した。
1−7.単離膵臓・腎臓インスリン含有量
単離した膵臓および腎臓をKRB 10ml中に入れ、ホモゲナイザーで撹拌した後、25% asid ethanolを添加して一晩反応させた。遠心分離し、上清を回収した。HTRF法(Homogeneous Time Resolved Fluorescense. Cibio Bioassays)を用いて上清中のインスリン量を測定した。
単離した膵臓および腎臓をKRB 10ml中に入れ、ホモゲナイザーで撹拌した後、25% asid ethanolを添加して一晩反応させた。遠心分離し、上清を回収した。HTRF法(Homogeneous Time Resolved Fluorescense. Cibio Bioassays)を用いて上清中のインスリン量を測定した。
1−8.病理組織学的検討
単離した膵島を4% PFAに4時間浸水させ、組織を固定した。免疫染色で病理組織学的検討をした。
単離した膵島を4% PFAに4時間浸水させ、組織を固定した。免疫染色で病理組織学的検討をした。
1−9.免疫染色
PFA固定後、10%スクロースに8時間、次いで20%スクロースに一晩浸水させ、OCTコンパウンドに包埋した。10μmの厚さの切片を作成し、インスリン及びグルカゴンの発現を蛍光免疫染色法で検討した。切片をPBSで3回洗浄した後に、0.3% Triton-X in PBSで2分間処理し、1% BSA+0.1%Triton-X in PBSで30分ブロッキングを行った。その後、ブロッキング溶液で1/500に希釈した1次抗体を4℃で一晩反応させた(インスリン:abcam;ab7842,ヒト核抗体:Millipore;MAB1281)。1次抗体反応後、PBSで3回洗浄した。蛍光標識した2次抗体Alexa Fluor(invitrogen)をブロッキング溶液で1/1000希釈したものを添加し、室温で2時間反応させた。2次抗体反応後、PBSで3回洗浄し、1/2000に希釈したDAPI(核染色)を15分反応させた。PBSで3回洗浄し、マウントした後に、蛍光顕微鏡で観察した。5枚の非連続切片を無作為に選出し、1切片あたり5視野以上観察した(1匹あたり、25視野以上)。imageJを使用し、蛍光発現した面積・細胞数を解析し、評価した。
PFA固定後、10%スクロースに8時間、次いで20%スクロースに一晩浸水させ、OCTコンパウンドに包埋した。10μmの厚さの切片を作成し、インスリン及びグルカゴンの発現を蛍光免疫染色法で検討した。切片をPBSで3回洗浄した後に、0.3% Triton-X in PBSで2分間処理し、1% BSA+0.1%Triton-X in PBSで30分ブロッキングを行った。その後、ブロッキング溶液で1/500に希釈した1次抗体を4℃で一晩反応させた(インスリン:abcam;ab7842,ヒト核抗体:Millipore;MAB1281)。1次抗体反応後、PBSで3回洗浄した。蛍光標識した2次抗体Alexa Fluor(invitrogen)をブロッキング溶液で1/1000希釈したものを添加し、室温で2時間反応させた。2次抗体反応後、PBSで3回洗浄し、1/2000に希釈したDAPI(核染色)を15分反応させた。PBSで3回洗浄し、マウントした後に、蛍光顕微鏡で観察した。5枚の非連続切片を無作為に選出し、1切片あたり5視野以上観察した(1匹あたり、25視野以上)。imageJを使用し、蛍光発現した面積・細胞数を解析し、評価した。
2.結果・考察
2−1.随時血糖値の変化
膵島(75個)を単独で移植した群(膵島)、幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞 5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)では、移植後も血糖値が上昇している(図2)。これに対して、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では移植10日後から血糖値は上昇せず、血糖値が下がった状態を維持している(図2)。尚、体重変化に有意差は認められなかった(図3)。
2−1.随時血糖値の変化
膵島(75個)を単独で移植した群(膵島)、幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞 5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)では、移植後も血糖値が上昇している(図2)。これに対して、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では移植10日後から血糖値は上昇せず、血糖値が下がった状態を維持している(図2)。尚、体重変化に有意差は認められなかった(図3)。
2−2.腹腔内グルコース負荷試験(IPGTT)
16時間絶食させたマウスに対してグルコース溶液を2g/Kg-体重となるように腹腔内投与し、投与120分後まで血糖値を経時的に測定した(腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT))。移植2週間後のIPGTTでは、幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)に血糖値改善効果は認められなかった(図4)。膵島(75個)を単独で移植した群(膵島)、骨髄由来間葉系幹細胞と膵島(75個)を同時に移植した群(BM混合)では、やや血糖値改善効果が認められた(図4)。これに対して、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では、各時間において有意に血糖値改善効果(耐糖能障害改善効果)が認められた(図4)。また、この治療効果は移植4週間後まで続いた(図5)。
16時間絶食させたマウスに対してグルコース溶液を2g/Kg-体重となるように腹腔内投与し、投与120分後まで血糖値を経時的に測定した(腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT))。移植2週間後のIPGTTでは、幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)に血糖値改善効果は認められなかった(図4)。膵島(75個)を単独で移植した群(膵島)、骨髄由来間葉系幹細胞と膵島(75個)を同時に移植した群(BM混合)では、やや血糖値改善効果が認められた(図4)。これに対して、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では、各時間において有意に血糖値改善効果(耐糖能障害改善効果)が認められた(図4)。また、この治療効果は移植4週間後まで続いた(図5)。
なお、本実験で採用した膵島の移植数(75個)は、通常、1型糖尿病マウスにおける膵島移植で血糖値降下作用が期待されるべき移植数(200〜500個)の3分の1以下に相当する。また、1匹のマウスから50〜100個の膵島を単離することが可能である。これらの点を考慮すれば、上記実験の結果は、1匹のドナーに対し1匹のレシピエントの治療が可能であることを示す。即ち、歯髄幹細胞と膵島を同時移植すれば治療効果が格段に向上し、移植する膵島数を減しても所望の効果(高血糖を改善)が得られることが明らかとなった。
2−3.単離膵臓・腎臓のインスリン含有量
移植4週間後に膵臓・腎臓を単離し、インスリン含有量を測定した。単離した膵臓のインスリン含有量は幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)に比べ、膵島を単独(75個)で移植した群(膵島)、骨髄由来間葉系幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(BM混合)では、やや増加傾向を示した(図6)。歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では更なる増加傾向を示した(図6)。移植後の高血糖の解除により、STZで破壊されていない膵β細胞が保護(STZでの膵β細胞を破壊した後の糖毒性による膵β細胞死の保護)された結果、インスリン含有量が増加したと推測される。
移植4週間後に膵臓・腎臓を単離し、インスリン含有量を測定した。単離した膵臓のインスリン含有量は幹細胞(骨髄由来間葉系幹細胞又は歯髄幹細胞5×105個)を単独で移植した群(BM、SHED)に比べ、膵島を単独(75個)で移植した群(膵島)、骨髄由来間葉系幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(BM混合)では、やや増加傾向を示した(図6)。歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では更なる増加傾向を示した(図6)。移植後の高血糖の解除により、STZで破壊されていない膵β細胞が保護(STZでの膵β細胞を破壊した後の糖毒性による膵β細胞死の保護)された結果、インスリン含有量が増加したと推測される。
一方、単離した腎臓のインスリン含有量は、膵島を単独(75個)で移植した群(膵島)、骨髄由来間葉系幹細胞(5×105)と膵島(75個)を同時に移植した群(BM混合)でやや増加傾向を示した(図7)。歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では有意な増加を示した(図7)。
2−4.単離腎臓の病理組織学的検討
移植4週間後に腎臓を摘出して免疫染色を行い、腎臓組織の観察を行った。インスリン陽性細胞はいずれの群にも認められなかった(図8)。上記の通り、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では、随時血糖値の測定やグルコース負荷試験において耐糖能障害改善効果が認められたが、移植した膵島の数(75個)が少ないために正常状態への改善(随時血糖値200mg/ dL以下)には至らず、移植後のわずかな高血糖により(糖毒性)、STZで破壊されていない膵β細胞が破壊されてしまった可能性が考えられる。
移植4週間後に腎臓を摘出して免疫染色を行い、腎臓組織の観察を行った。インスリン陽性細胞はいずれの群にも認められなかった(図8)。上記の通り、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)では、随時血糖値の測定やグルコース負荷試験において耐糖能障害改善効果が認められたが、移植した膵島の数(75個)が少ないために正常状態への改善(随時血糖値200mg/ dL以下)には至らず、移植後のわずかな高血糖により(糖毒性)、STZで破壊されていない膵β細胞が破壊されてしまった可能性が考えられる。
一方、歯髄幹細胞(5×105個)を単独で移植した群(SHED)、歯髄幹細胞(5×105個)と膵島(75個)を同時に移植した群(SHED混合)ではヒト核抗体陽性細胞を認めた(図8)。つまり、歯髄幹細胞は移植4週間後も移植部に留まっていた。この事実より、膵島と同時に移植した歯髄幹細胞による持続的且つ長期的な効果を期待できる。
3.まとめ
(1)幹細胞と膵島の同時移植は、膵島単独移植に比べ有意に耐糖能障害改善効果が高いことが示された。
(2)歯髄幹細胞と膵島の同時移植によれば、著しく高い耐糖能障害改善効果が得られることが判明した。
(3)歯髄幹細胞と骨髄由来間葉系幹細胞では、歯髄幹細胞の方が耐糖能障害改善効果に優れていた。
(1)幹細胞と膵島の同時移植は、膵島単独移植に比べ有意に耐糖能障害改善効果が高いことが示された。
(2)歯髄幹細胞と膵島の同時移植によれば、著しく高い耐糖能障害改善効果が得られることが判明した。
(3)歯髄幹細胞と骨髄由来間葉系幹細胞では、歯髄幹細胞の方が耐糖能障害改善効果に優れていた。
本発明によれば、膵島移植の際に歯髄幹細胞を併用することで膵島の生着率の向上が図られる。従って、膵島移植による糖尿病の治療において、治療成績の向上が望める。また、生着率の向上は、移植に必要な膵島の量の低減に繋がり、ドナー不足の問題に有効な解決策を提供する。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (9)
- 歯髄幹細胞を含有する、膵島移植用細胞製剤。
- その投与時に、生体から分離した膵島が併用投与されることを特徴とする、請求項1に記載の膵島移植用細胞製剤。
- 膵島を更に含有する、請求項1に記載の膵島移植用細胞製剤。
- 歯髄幹細胞を含有する第1構成要素と、膵島を含有する第2構成要素からなるキットであることを特徴とする、請求項3に記載の膵島移植用細胞製剤。
- 膵島が単独のドナー由来である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
- 歯髄幹細胞が乳歯歯髄幹細胞である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の膵島移植用細胞製剤。
- 膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞の使用。
- 膵島移植用細胞製剤を製造するための、歯髄幹細胞及び膵島の使用。
- 糖尿病の患者に対して、歯髄幹細胞と膵島を投与することを含む、糖尿病の治療法。
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KR20180127437A (ko) | 2016-03-28 | 2018-11-28 | 가부시키가이샤 닛폰 쇼쿠바이 | 흡수제 및 그의 제조 방법, 그리고 흡수제를 사용한 흡수성 물품 |
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-
2015
- 2015-04-22 JP JP2015087289A patent/JP2016204302A/ja active Pending
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