JP2016072021A - 接点装置 - Google Patents

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寛和 伏木
Hirokazu Fushiki
寛和 伏木
英樹 榎本
Hideki Enomoto
英樹 榎本
裕亮 森口
Yusuke Moriguchi
裕亮 森口
良介 尾崎
Ryosuke Ozaki
良介 尾崎
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Abstract

【課題】電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる接点装置を提供することを目的とする。【解決手段】磁界発生源は、互いに異極性の第1磁極面711および第2磁極面712を有し、第2方向(左右方向)において第1磁極面711が可動接点32と対向するように配置された永久磁石71からなる。ヨーク13は、第1方向および第2方向の両方に直交する第3方向(前後方向)において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。連結板133は、第2方向において永久磁石71を挟んで可動接点32と対向する位置に配置され、永久磁石71の第2磁極面712と磁気的に結合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に接点装置に関し、より詳細には固定接点および可動接点を備える接点装置に関する。
従来、この種の接点装置として、固定接点の近傍に永久磁石が配置された接点装置(開閉装置)が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の接点装置は、可動接点が固定接点から接触する際に生じたアーク(アーク電流)を、永久磁石の磁束で引き伸ばして遮断するように構成されている。この接点装置では、永久磁石は、固定接点を設けた固定部材(固定接点端子)における可動接点との対向面に組み付けられている。ここで、アークは、フレミングの左手の法則に基づいて磁場の向きと直交する方向に引き伸ばされるため、固定部材に沿って固定部材の短手方向に引き伸ばされることになる。
また、特許文献1には、電流を流す向きが逆向きになると、発生したアークが内方に引き伸ばされ、遮断することが困難となることが記載されている。そして、この不具合を解消すべく、固定部材の先端部に固定接点を配置し、固定接点の近傍に永久磁石を配置することが開示されている。
特開2005−183285号公報
ところで、特許文献1に記載の接点装置は、一対の固定接点および可動接点に対して一個の永久磁石を突き合せるように配置することにより、アークを固定部材の短手方向に引き伸ばしている。そのため、特許文献1に記載の構成では、永久磁石の生じる磁界(磁場)の向きはとくに制御されておらず、アークに対して作用する磁界の向きも一意には定まらない。したがって、特許文献1では、アークの引き伸ばされる向きが定まらず、遮断性能の信頼性が低くなる可能性がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる接点装置を提供することを目的とする。
本発明の接点装置の第1の形態は、固定接点と、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面を有し、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1磁極面が前記可動接点と対向するように配置された永久磁石からなる磁界発生源と、前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、前記ヨークは、前記第1方向および前記第2方向の両方に直交する第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、前記連結板は、前記第2方向において前記磁界発生源を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、前記磁界発生源の前記第2磁極面と磁気的に結合されていることを特徴とする。
接点装置の第2の形態は、固定接点と、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面をそれぞれ有し、前記第1方向と直交する第3方向において前記第1磁極面同士が前記可動接点を挟んで対向するように配置された一対の永久磁石からなる磁界発生源と、前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、前記ヨークは、前記第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、前記連結板は、前記第1方向および前記第3方向の両方に直交する第2方向において前記可動接点と対向する位置に配置され、前記一対の側板は、前記一対の永久磁石と一対一に対応しており、前記第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、それぞれ対応する永久磁石の前記第2磁極面と磁気的に結合されていることを特徴とする。
接点装置の第3の形態は、固定接点と、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面をそれぞれ有し、前記第1方向と直交する第3方向において前記第1磁極面同士が前記可動接点を挟んで対向するように配置された第1永久磁石および第2永久磁石からなる一対の永久磁石と、前記第1方向および前記第3方向の両方に直交する第2方向において前記第2磁極面が前記可動接点と対向するように配置された第3永久磁石とを具備する磁界発生源と、前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、前記ヨークは、前記第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、前記一対の側板は、前記一対の永久磁石と一対一に対応しており、前記第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、それぞれ対応する永久磁石の前記第2磁極面と磁気的に結合されており、前記連結板は、前記第2方向において前記第3永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、前記第3永久磁石の前記第1磁極面と磁気的に結合されていることを特徴とする。
接点装置の第4の形態としては、第1〜3のいずれかの形態において、非磁性材料からなり、少なくとも前記固定接点および前記可動接点を囲むケースをさらに備え、前記磁界発生源は前記ケースの外側に配置されていることが望ましい。
接点装置の第5の形態としては、第1〜3のいずれかの形態において、少なくとも前記固定接点および前記可動接点を囲むケースをさらに備え、前記磁界発生源は前記ケースの内側に配置されていることが望ましい。
本発明は、ヨークが、一対の側板と連結片とで、可動接点、および磁界発生源としての永久磁石の周囲を囲むように配置されている。そのため、永久磁石の生じる磁界(磁場)の向きは、ヨークによって制御されることになり、アークに対して作用する磁界の向きが定まりやすくなる。したがって、アークの引き伸ばされる向きは定まりやすくなり、接点装置は、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる、という利点がある。
実施形態1の接点装置の要部を示す概略平面図である。 実施形態1の接点装置を示す断面図である。 実施形態1の接点装置の要部を示す概略平面図である。 変形例1の接点装置の要部を示す概略平面図である。 実施形態2の接点装置の要部を示す概略平面図である。 実施形態2の接点装置の要部を示す概略平面図である。 変形例2の接点装置の要部を示す概略平面図である。 実施形態3の接点装置の要部を示す概略平面図である。 図9Aは実施形態4の接点装置の要部を示す斜視図、図9Bは実施形態4の接点装置の要部を示す平面図である。 実施形態4の接点装置の要部を示す正面図である。
(実施形態1)
本実施形態の接点装置1は、図1および図2に示すように、固定接点31と、可動接点32と、磁界発生源(永久磁石71)と、ヨーク13とを備えている。
可動接点32は、固定接点31に接触する閉位置と固定接点31から離れる開位置との間で、第1方向(上下方向)に沿って移動する。磁界発生源は、互いに異極性の第1磁極面711および第2磁極面712を有し、第1方向と直交する第2方向(左右方向)において第1磁極面711が可動接点32と対向するように配置された永久磁石71からなる。ヨーク13は、磁界発生源(永久磁石71)の生じる磁束を通す磁路の一部を形成する。
ここで、ヨーク13は、第1方向および第2方向の両方に直交する第3方向(前後方向)において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。連結板133は、第2方向において磁界発生源(永久磁石71)を挟んで可動接点32と対向する位置に配置され、磁界発生源(永久磁石71)の第2磁極面712と磁気的に結合されている。
この構成によれば、ヨーク13は、一対の側板131,132と連結板133とで、可動接点32、および磁界発生源としての永久磁石71の周囲を囲むように配置されている。そのため、磁界発生源としての永久磁石71の生じる磁界(磁場)の向きは、ヨーク13によって制御されることになり、固定接点31と可動接点32との間に生じるアークに対して作用する磁界の向きが定まりやすくなる。したがって、アークの引き伸ばされる向きは定まりやすくなる。結果的に、接点装置1は、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる、という利点がある。
以下、本実施形態の接点装置1について詳しく説明する。以下に説明する接点装置1は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態では、接点装置1が、図2に示すように電磁石装置6と共に電磁継電器(電磁リレー)10を構成する場合を例として説明する。つまり、電磁継電器10は、接点装置1と、接点装置1を開閉するように駆動する電磁石装置6とを備えている。ただし、接点装置1は、電磁継電器10に限らず、たとえばブレーカ(遮断器)やスイッチ等に用いられていてもよい。本実施形態においては、電磁継電器10が電気自動車(EV)に搭載され、走行用のバッテリから負荷(たとえばインバータ)への直流電力の供給路上に接点装置1が電気的に接続される場合を例とする。
<接点装置の構成>
本実施形態の接点装置1は、図2に示すように、固定端子(以下、「第1固定端子」ともいう)21および固定接点31が設けられた固定部材4と、可動接点32が設けられた可動部材5とを備えている。ここでは、固定接点31は可動接点32と共に接点部3を構成している。また、本実施形態の接点装置1は、固定接点31と可動接点32との間に発生するアークを引き伸ばすための磁界を発生する磁界発生源としての永久磁石71と、磁路の一部を形成するヨーク13とを備えている。さらに本実施形態では、接点装置1は、第1固定端子21と対を成す第2固定端子(以下、単に「固定端子」ともいう)22が設けられた支持部材11と、少なくとも接点部3を収納するケース12とを備えている。
以下では、説明のために固定接点31と可動接点32との対向方向である第1方向(可動接点32の移動方向)を上下方向と定義し、固定接点31から見て可動接点32側を上方と定義する。また、可動接点32と永久磁石71との対向方向である第2方向(第1方向と直交する方向)を左右方向と定義し、可動接点32から見て永久磁石71側を右方と定義する。さらに、一対の側板131,132の対向方向である第3方向(第1方向および第2方向の両方に直交する方向)を前後方向と定義し、一対の側板131,132のうち一方の側板(第1側板)131から見て他方の側板(第2側板)132側を後方と定義する。なお、図面には、これらの方向(上、下、左、右、前、後)を表す矢印を示すが、これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。つまり、以下では、図2の上下左右を上下左右とし、図2の紙面に直交する方向を前後方向として説明する。ただし、これらの方向は接点装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
ここで、固定端子21および固定接点31はそれぞれ固定部材4に設けられていればよく、固定部材4に一体に設けられていてもよいし、固定部材4とは別体として設けられていてもよい。同様に、可動接点32は可動部材5に設けられていればよく、可動部材5と一体に設けられていてもよいし、可動部材5とは別体として設けられていてもよい。すなわち、本実施形態においては、固定端子21は固定部材4とは別部材からなり固定部材4に固定されているが、この構成に限らず、固定端子21は固定部材4と一体に構成されていてもよい。第2固定端子22と支持部材11との関係についても同様である。また、固定接点31は固定部材4と一体に構成されている(固定部材4の一部である)が、この構成に限らず、固定接点31は固定部材4と別部材からなり固定部材4に固定されていてもよい。また、可動接点32は可動部材5とは別部材からなり可動部材5に固定されているが、この構成に限らず、可動接点32は可動部材5の一部が打ち出されるなどして可動部材5と一体に構成されていてもよい。
ケース12は、左右方向に長い中空の直方体状に形成され、接点部(固定接点31および可動接点32)3に加え、固定部材4、可動部材5、並びに支持部材11を収納している。ケース12は、上面が開口した箱状のボディ121と、矩形板状のカバー122とを備えている。カバー122は、ボディ121の上面を塞ぐようにボディ121に接合される。カバー122には、一対の固定端子21,22を通すための一対の開口孔が左右方向に並ぶように形成されている。一対の開口孔は、それぞれ円形状に形成されており、カバー122を厚み方向(上下方向)に貫通している。
ボディ121は、一例としてステンレス(SUS304等)や42アロイ(Fe−42Ni)、コバールなどの金属製であり、カバー122はセラミックやガラスなどの絶縁性材料で形成されている。ただし、この例に限らず、たとえばカバー122は全体が絶縁性材料で形成されていなくてもよく、カバー122の一部のみが絶縁性材料で形成されていてもよい。また、ボディ121およびカバー122の両方が絶縁性材料で形成されていてもよい。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、磁界発生源(永久磁石71)がケース12の外側に配置されるため、ケース12は非磁性材料で形成される。
一対の固定端子21,22(第1固定端子21および第2固定端子22)は、ケース12のカバー122に形成されている一対の開口孔を貫通した状態で、ケース12に保持される。これにより、一対の固定端子21,22は、左右方向に並ぶように配置される。一対の固定端子21,22は、各々、導電性の金属材料から形成されており、接点部3に外部回路(バッテリおよび負荷)を接続するための端子として機能する。本実施形態では、一例として銅(Cu)で形成された固定端子21,22を用いることとするが、固定端子21,22を銅製に限定する趣旨ではなく、固定端子21,22は銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。
一対の固定端子21,22の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。ここでは、一対の固定端子21,22の各々は、上端側を下端側の小径部に比べて外径の大きな拡径部とすることで、正面視がT字状となるように構成されている。第1固定端子21の下端部はケース12内で固定部材4に結合されており、第2固定端子22の下端部はケース12内で支持部材11に結合されている。
固定部材4は、導電性の金属板から形成されており、固定端子(第1固定端子)21と固定接点31とを電気的に接続する。ここでは、固定部材4は、固定端子21が設けられた端子片41と、固定接点31が設けられた接点片42と、固定端子21と固定接点31とを電気的に接続するように端子片41と接点片42とを連結する連結片43とを有している。本実施形態では、固定端子21は固定部材4と別体、固定接点31は固定部材4と一体に設けられているから、言い換えれば、端子片41の上面には固定端子21が取り付けられ、接点片42の一部が固定接点31となる。これにより、固定端子21は、固定部材4を介して固定接点31と電気的に接続されることになる。
さらに詳しく説明すると、端子片41と接点片42とは、第1方向における連結片43の両端部から、第2方向に沿って同じ向きに突出している。本実施形態では、端子片41は、連結片43の上端部から左側に突出し、接点片42は、連結片43の下端部から左側へ突出している。端子片41と接点片42とは互いに略平行であって、それぞれ連結片43とは略直交する。そのため、固定部材4は、全体として正面視が左側の開放された略C字状の形状を成す。
固定部材4は、固定端子21が設けられる端子片41の上面、および固定接点31が設けられる接点片42を除き、被覆部材14によって覆われている。被覆部材14は、電気絶縁性を有する絶縁材料、たとえば合成樹脂材料を用いて形成されており、固定部材4のうちの接点片42以外の部位と、接点部3との間の絶縁距離を稼いでいる。これにより、接点部3の開極時に固定接点31と可動接点32との間にアークが生じても、アークが固定部材4のうちの接点片42以外の部位に直接触れることを回避できる。なお、被覆部材14は必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
支持部材11は、導電性の金属板から形成されており、固定端子(第2固定端子)22と可動部材5とを電気的に接続する。ここでは、支持部材11は、左右方向に長い矩形板状に形成されており、長手方向の一端部(右端部)に固定端子22が設けられ、他端部(左端部)に可動部材5が設けられている。本実施形態では、固定端子22および可動部材5はいずれも支持部材11と別体として設けられているから、言い換えれば、支持部材11の右端部の上面には固定端子22が取り付けられ、支持部材11の左端部の下面には可動部材5が取り付けられている。これにより、固定端子22は、支持部材11を介して可動部材5と電気的に接続されることになる。
可動部材5は、導電性の金属板から形成されており、支持部材11と可動接点32とを電気的に接続する。ここでは、可動部材5は、左右方向に長い帯状に形成されており、長手方向の一端部(左端部)が支持部材11によって支持(保持)され、他端部(右端部)に可動接点32が設けられている。本実施形態では、可動接点32は可動部材5と別体として設けられているから、言い換えれば、可動部材5の右端部の下面には可動接点32が取り付けられている。これにより、固定端子22は、支持部材11および可動部材5を介して可動接点32と電気的に接続されることになる。さらに、固定端子21は、第2方向において固定接点31よりも連結片43から離れた位置、つまり固定接点31よりも左側の位置に配置されている。なお、可動部材5は、1枚の金属板で構成されていてもよいし、厚み方向に重ねた複数枚の金属板で構成されていてもよい。
可動部材5は、右端部の下面に設けられている可動接点32を、固定部材4の接点片42の上面に設けられている固定接点31と対向させるように、固定部材4との位置関係が規定されている。言い換えれば、可動部材5は、その右端部に設けた可動接点32を固定接点31と対向させるような位置関係で、支持部材11によってケース12内に支持(保持)されている。
ここで、可動部材5は、可動接点32を起点として第2方向に沿って連結片43から離れる向き(左方)に延長された形状である。可動部材5は、長手方向の一端部(左端部)が支持部材11に固定された片持ち梁であるから、自由端となる長手方向の他端部(右端部)を撓み量に応じて第1方向(上下方向)に移動させることができる。したがって、可動接点32は、可動部材5の移動(変形)に伴って上述したように第1方向に沿って移動し、固定接点31に接触する閉位置と固定接点31から離れた開位置との間を移動する。
また、可動部材5は、板ばねとしても機能し、定常時には可動接点32を固定接点31から離れた開位置に保持する。可動部材5は、後述する電磁石装置6からの駆動力が作用することにより、自身のばね力に抗して撓むことで可動接点32を固定接点31に接触する閉位置に移動させる。可動部材5は、電磁石装置6からの駆動力がなくなると、自身のばね力によって可動接点32を固定接点31から離れた開位置に復帰させる。
磁界発生源としての永久磁石71は、第1方向と直交する第2方向において、固定部材(連結片43)4を挟んで可動接点32と対向するように配置されている。本実施形態では、永久磁石71はケース12の外側に配置されている。具体的には、永久磁石71は、接点部3の右側に位置するボディ121の右側壁の外表面(右側面)に取り付けられている。ここでは一例として、永久磁石71は矩形板状のフェライト磁石であるが、永久磁石71の形状や種類を限定する趣旨ではない。
ヨーク13は、磁性材料を用いて形成されており、永久磁石71の生じる磁束を通す磁路の一部を形成する。ヨーク13に用いられる磁性材料(軟質磁性材料)としては、たとえば鉄、低炭素鋼、ステンレス鋼などがある。本実施形態では、ヨーク13は、永久磁石71と共にケース12の外側に配置されており、その一部には永久磁石71が取り付けられている。
永久磁石71およびヨーク13の詳細については、後の「本実施形態の特徴」の項で説明する。
なお、本実施形態では一例として、固定部材4、可動部材5、および支持部材11はいずれも銅(Cu)製とするが、これらを銅製に限定する趣旨ではなく、銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。ただし少なくとも、永久磁石71と可動接点32との間に位置する固定部材4については、非磁性材料を用いて構成されていることが望ましい。
上記構成により、接点装置1は、可動部材5の移動(変形)に伴って接点部(固定接点31および可動接点32)3が開閉する。ここで、固定接点31は固定部材4を介して固定端子21と電気的に接続され、可動接点32は支持部材11および可動部材5を介して固定端子22と電気的に接続されている。したがって、可動接点32が閉位置にあるとき、つまり接点部3が閉じた状態(以下、「閉状態」という)では、一対の固定端子21,22間は、固定部材4、接点部3、可動部材5、および支持部材11を介して導通する。そのため、接点装置1は、バッテリおよび負荷の一方に固定端子21を電気的に接続し、他方に固定端子22を電気的に接続することで、閉状態においてバッテリからの負荷への直流電力の供給路を形成する。一方、可動接点32が開位置にあるとき、つまり接点部3が開いた状態(以下、「開状態」という)では、一対の固定端子21,22間は非導通となる。このように、接点装置1は、接点部3の開閉に伴い一対の固定端子21,22間の導通と非導通とが切り替わることになる。
ところで、本実施形態の接点装置1においては、ケース12の内部空間が気密空間となるように、一対の固定端子21,22はケース12のカバー122に気密接合されている。また、ケース12の内部空間にはたとえば水素を含む消弧性ガスが封入されていることが望ましい。これにより、ケース12内に収納されている接点部3が開極する際にアークが発生したとしても、アークは消弧性ガスによって急速に冷却され迅速に消弧可能になる。ただし、ケース12の内部空間が気密空間であることは必須の構成ではなく、ケース12内に消弧性ガスが封入されていることも必須の構成ではない。
なお、接点装置1は、本実施形態では固定接点31と可動接点32とを1つずつ備えた一点切りの構成であるが、この例に限らない。すなわち、接点装置は、たとえば一対の固定接点と、一対の固定接点に対向して配置された一対の可動接点とを備えた、二点切りの構成であってもよい。また、接点装置は、たとえば固定接点と可動接点との組を2組以上備えた多極の接点装置であってもよい。
<電磁石装置の構成>
電磁石装置6は、図2に示すように、励磁コイル61と、コイルボビン62と、継鉄63と、一対の磁極板64,65と、アマチュア66と、保持ばね67とを備えている。電磁石装置6は、励磁コイル61への通電時に励磁コイル61で生じる磁束によって一対の磁極板64,65にアマチュア66を吸引し、アマチュア66を第1の位置(図2に示す位置)から第2の位置へ移動させる。さらに本実施形態では、電磁石装置6は、アマチュア66を接点装置1の可動部材5と機械的に連結して、電磁石装置6で発生した駆動力を接点装置1へ伝達するために、連結部材68および接圧ばね69を備えている。
コイルボビン62は、電気絶縁性を有する絶縁材料、たとえば合成樹脂材料を用いて、左右方向に長い中空の円筒状に形成されている。励磁コイル61は、コイルボビン62の外周面に巻き付けられた電線によって構成されている。
継鉄63は、その中間部がコイルボビン62の中空部に挿し通されている。継鉄63のうち、コイルボビン62の左右方向の両端面から突出した部位はそれぞれ上方に延びており、継鉄63は全体として正面視が略C字状となるように構成されている。継鉄63の一端部は一対の磁極板64,65のうちの一方の磁極板(第1磁極板)64に結合され、継鉄63の他端部は一対の磁極板64,65のうちの他方の磁極板(第2磁極板)65に結合されている。
一対の磁極板64,65は、それぞれ矩形板状に形成されており、ボディ121の底板に取り付けられている。これにより、電磁石装置6は、励磁コイル61とコイルボビン62と継鉄63と一対の磁極板64,65とが、ケース12に対して定位置(ケース12の下方)に固定されることになる。
アマチュア66は、ケース12内に収納されている。アマチュア66は、左右方向に長い矩形板状に形成されており、長手方向の一端部(左端部)が第1磁極板64に対向し、他端部(右端部)が第2磁極板65に対向するような位置に配置されている。アマチュア66は、継鉄63および一対の磁極板64,65と共に、励磁コイル61の通電時に生じる磁束が通る磁路を形成する。そのため、継鉄63と一対の磁極板64,65とアマチュア66とは、いずれも磁性材料から形成されている。
保持ばね67は、正面視でL字状に形成された板ばねからなり、一端部がケース12に固定され、他端部がアマチュア66の左端部に固定されている。これにより、アマチュア66は、保持ばね67を介してケース12に支持され、第1磁極板64と対向する側の端部を支点にして回転可能になる。
励磁コイル61に通電されていない通常時には、アマチュア66は、右端部がボディ121の底板から離れた第1の位置(図2に示す位置)に、保持ばね67によって保持されている。対して、励磁コイル61に通電されると、アマチュア66は、一対の磁極板64,65に吸引され、保持ばね67を撓ませながら、右端部がボディ121の底板に接触する第2の位置に移動する。このように、電磁石装置6は、励磁コイル61の通電状態の切り替えによりアマチュア66に作用する吸引力を制御し、アマチュア66の右端部を上下方向に移動させることにより、接点装置1の接点部3の開状態と閉状態とを切り替えるための駆動力を発生する。
連結部材68は、アマチュア66の右端部の上面に取り付けられている。接圧ばね69は、左右方向に長い板ばねであって、長手方向の一端部(左端部)が連結部材68に結合され、他端部(右端部)が可動部材5における可動接点32側の端部(右端部)に結合されている。ここでは、接圧ばね69は、左端部における前後方向の両端縁からそれぞれ下方に突出した一対の結合片を有しており、一対の結合片間に連結部材68を挟むような形で連結部材68に結合されている。可動部材5は、一対の結合片間を通すことで接圧ばね69の下方に配置されている。
これにより、アマチュア66の動き、すなわち電磁石装置6で発生する駆動力は、連結部材68および接圧ばね69を介して可動部材5へと伝達されることになる。
<電磁継電器の動作>
次に、上述した構成の接点装置1および電磁石装置6を備えた電磁継電器10の動作について簡単に説明する。
励磁コイル61に通電されていないとき(非通電時)には、アマチュア66は、一対の磁極板64,65との間に磁気吸引力が生じないため、第1の位置に位置する。このとき、可動部材5には電磁石装置6からの駆動力は作用しないため、可動部材5は、図2に示すように可動接点32を固定接点31から離れた開位置に位置させる。この状態では、接点装置1は接点部3が開状態にあるので、一対の固定端子21,22間は非導通である。
一方、励磁コイル61に通電されると、アマチュア66は、一対の磁極板64,65との間に磁気吸引力が生じるため、第2の位置に移動する。このとき、可動部材5には連結部材68および接圧ばね69を介して電磁石装置6からの駆動力が作用し、可動部材5における可動接点32側の端部(右端部)が下方へ移動する。これにより、可動部材5は、可動接点32を固定接点31に接触する閉位置へ移動させる。この状態では、接点装置1は接点部3が閉状態にあるので、一対の固定端子21,22間は導通する。
なお、適切なオーバトラベルが設定されていれば、接点装置1は、アマチュア66と可動部材5との間に介在する接圧ばね69により、閉状態において固定接点31と可動接点32との間の接圧(接触圧)を確保できる。
<本実施形態の特徴>
次に、本実施形態の接点装置1における特徴について、図1を参照して詳しく説明する。なお、図1では、接点装置1のうちの接点部(固定接点31および可動接点32)3、固定部材4、磁界発生源(永久磁石71)、およびヨーク13を図示し、その他の図示を省略している(以降の図でも適宜省略する)。
磁界発生源としての永久磁石71は、図1に示すように、互いに異極性の第1磁極面711と第2磁極面712とを有している。本実施形態では一例として、第1磁極面711を「N極」、第2磁極面712を「S極」として説明するが、この構成に限らず、N極とS極とは反対の関係であってもよい。
ここでは、永久磁石71は、接点部3の右方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側をN極としている。つまり、永久磁石71は、第1方向(上下方向)と直交する第2方向(左右方向)において、第1磁極面711が可動接点32と対向するように配置されている。
ヨーク13は、第1方向および第2方向の両方に直交する第3方向(前後方向)において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。さらに詳しく説明すると、一対の側板131,132は、第3方向における連結板133の両端部から、第2方向に沿って同じ向きに突出している。本実施形態では、一対の側板131,132のうちの一方の側板(「第1側板」ともいう)131は、連結板133の前端部から左側に突出し、他方の側板(「第2側板」ともいう)132は、連結板133の後端部から左側へ突出している。一対の側板131,132は互いに略平行であって、それぞれ連結板133とは略直交する。そのため、ヨーク13は、全体として左側の開放された略C字状の形状を成す。
ここで、ヨーク13は、可動接点32、および磁界発生源としての永久磁石71の周囲を囲むように配置されている。言い換えれば、接点部(固定接点31および可動接点32)3、および永久磁石71はヨーク13の内側に配置されている。
また、連結板133は、第2方向において磁界発生源(永久磁石71)を挟んで可動接点32と対向する位置に配置され、磁界発生源(永久磁石71)の第2磁極面712と磁気的に結合されている。つまり、磁界発生源としての永久磁石71は、可動接点32と連結板133との間に配置されており、第2磁極面712を連結板133に向けた状態で連結板133と磁気的に結合されている。本実施形態では、永久磁石71は連結板133における可動接点32側の面(左側面)に直接取り付けられている。ただし、永久磁石71が連結板133に直接的に接していることは必須の構成ではなく、永久磁石71と連結板133との間に別部材が介在してもよいし、永久磁石71と連結板133との間にギャップが形成されていてもよい。
このように、本実施形態では、ヨーク13は永久磁石71の第2磁極面712が磁気的に結合されているので、可動接点32に対して第3方向の両側に位置する一対の側板131,132は、永久磁石71の第1磁極面711から見て異極性の磁極として機能する。これにより、磁界発生源としての永久磁石71の生じる磁束B1は、図1に示すように、第1磁極面711から一対の側板131,132に向かうように制御される。そのため、永久磁石71の生じる磁束B1は、接点部3を第2方向に沿って真っ直ぐに通過する直線、および第2方向において接点部3に近づくに従って第3方向の外側に逸れるように湾曲した曲線を描くことになる。
したがって、接点部3の開極時に固定接点31と可動接点32との間に生じるアークA1は、ローレンツ力により斜め右方へ引き伸ばされることになる。図1において矢印「M1」は、第1固定端子21から第2固定端子22に向かう電流(以下、「順方向電流」という)が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。図1において矢印「M2」は、第2固定端子22から第1固定端子21に向かう電流(以下、「逆方向電流」という)が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。すなわち、順方向電流が流れている場合、アークA1は、固定接点31から可動接点32に向けて流れる電流であるから、右前方(M1の向き)に引き伸ばされることになる。一方、逆方向電流が流れている場合、アークA1は、可動接点32から固定接点31に向けて流れる電流であるから、右後方(M2の向き)に引き伸ばされることになる。
また、順方向電流と逆方向電流とのいずれであっても、引き伸ばされたアークA1は、第3方向において接点部3から離れるに従って右方(連結板133側)に逸れるように湾曲した曲線を描くことになる。したがって、アークA1は、可動接点32の右方に位置する連結片43を避けて引き伸ばされることになる。
なお、ヨーク13は、一対の側板131,132と連結板133とを有していればよく、上述したような略C字状の形状には限らず、たとえば一対の側板131,132における連結板133とは反対側の端部同士が連結され矩形枠状に形成されていてもよい。
<効果>
以上説明した本実施形態の接点装置1は、ヨーク13が、第3方向(前後方向)において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。連結板133は、第2方向(左右方向)において磁界発生源(永久磁石71)を挟んで可動接点32と対向する位置に配置され、磁界発生源(永久磁石71)の第2磁極面712と磁気的に結合されている。すなわち、ヨーク13は、一対の側板131,132と連結板133とで、可動接点32、および磁界発生源としての永久磁石71の周囲を囲むように配置されている。そのため、磁界発生源としての永久磁石71の生じる磁界(磁場)の向きは、ヨーク13によって制御されることになり、固定接点31と可動接点32との間に生じるアークに対して作用する磁界の向きが定まりやすくなる。したがって、アークの引き伸ばされる向きは定まりやすくなる。
また、接点装置1は、上述したように順方向電流と逆方向電流とのいずれであっても、接点部3に対して第2方向の同じ側(本実施形態では右側)にアークを引き伸ばすことができる。したがって、接点装置1は通電方向にかかわらず同等の遮断性能を実現可能である。
要するに、本実施形態の接点装置1は、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる、という利点がある。
さらに、本実施形態の接点装置1によれば、磁界発生源としての永久磁石は1個でよいので、部品点数を抑えることができる。しかも、接点装置1は、ヨーク13を備えることで、ヨーク13が無い場合に比べて、同一の永久磁石でも強い磁場をアークに作用させることができ、高い遮断性能を実現することができる。
<磁界発生源とケースとの位置関係>
ところで、上述したように、本実施形態の接点装置1は、少なくとも固定接点31および可動接点32を囲むケース12を備えている。ここでは、ケース12は非磁性材料からなるため、磁界発生源としての永久磁石71の配置としてはケース12の内と外とのいずれも考えられる。本実施形態では、図3に示すように磁界発生源(永久磁石71)はケース12の外側に配置されている。ただし、ケース12は、全体が非磁性材料からなることは必須ではなく、少なくとも磁界発生源およびヨーク13に対応する部位(本実施形態ではボディ121)が非磁性材料であればよい。
永久磁石71は、上述したようにボディ121の右側面に取り付けられているため、連結板133とケース12との間に挟まれるように配置される。なお、ヨーク13の一対の側板131,132とケース12との間には、図3に示すように隙間があってもよいし、この隙間はなくてもよい。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の外側に配置されることにより、ケース12が壁となってアークの熱による磁界発生源へのダメージを低減でき、磁束密度が低減しにくくなる。
<変形例1>
次に、本実施形態の変形例となる接点装置1について、図4を参照して説明する。
変形例の接点装置1は、磁界発生源(永久磁石71)がケース12の内側に配置されている点で、本実施形態の接点装置1と相違する。本変形例では、ヨーク13は、ケース12の内周面に沿う形状および寸法に形成されており、永久磁石71と共にケース12の内側に配置されている。本変形例では、ケース12は非磁性材料で形成されていてもよいが、ケース12が非磁性材料からなることは必須ではない。なお、ヨーク13とケース12との間には、隙間があってもよいし、図4に示すように隙間がなくてもよい。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の内側に配置されることにより、磁界発生源がケース12の外側に配置される場合に比べて、磁界発生源を接点部3の近傍に配置でき、強い磁場をアークに作用させることができる。したがって、接点装置1は比較的高い遮断性能を実現することができる。
また、磁界発生源がケース12の内側に配置される場合にあっては、磁界発生源としての永久磁石71は、第2方向(左右方向)において、固定部材(連結片43)4と可動接点32との間に配置されていてもよい。これにより、接点装置1は、永久磁石71と可動接点32との間に固定部材4が位置する場合に比べ、磁界発生源を接点部3のより近傍に配置でき、強い磁場をアークに作用させることができる。
(実施形態2)
本実施形態に係る接点装置1は、図5に示すように、磁界発生源として一対の永久磁石72,73を備えている点で、実施形態1の接点装置1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
一対の永久磁石72,73は、互いに異極性の第1磁極面721,731および第2磁極面722,732をそれぞれ有している。一対の永久磁石72,73は、第1方向(上下方向)と直交する第3方向(前後方向)において第1磁極面721,731同士が可動接点32を挟んで対向するように配置されている。つまり、一対の永久磁石72,73のうちの一方の永久磁石(以下、「第1永久磁石」ともいう)72と、他方の永久磁石(以下、「第2永久磁石」ともいう)73とは、第3方向において同極性の磁極面(第1磁極面)が互いに対向するように配置されている。
さらに詳しく説明すると、第1永久磁石72は、互いに異極性の第1磁極面721および第2磁極面722を有し、第2永久磁石73は、互いに異極性の第1磁極面731および第2磁極面732を有している。本実施形態では一例として、第1磁極面721,731を「N極」、第2磁極面722,732を「S極」として説明するが、この構成に限らず、N極とS極とは反対の関係であってもよい。第1永久磁石72は、接点部3の前方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側にN極(つまり第1磁極面721)を向けている。第2永久磁石73は、可動接点32の後方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側にN極(つまり第1磁極面731)を向けている。ここでは、一対の永久磁石72,73としては同一特性の磁石が用いられており、各々から接点部3までの距離は等距離に設定されている。
また、ヨーク13は、実施形態1と同様に、第3方向において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。ここで、連結板133は、第1方向および第3方向の両方に直交する第2方向(左右方向)において可動接点32と対向する位置に配置されている。
一対の側板131,132は、一対の永久磁石72,73と一対一に対応している。一対の側板131,132は、第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石72,73を挟んで可動接点32と対向する位置に配置されている。また、一対の側板131,132は、それぞれ対応する永久磁石72,73の第2磁極面722,732と磁気的に結合されている。本実施形態では、第1側板131は第1永久磁石72に対応し、第2側板132は第2永久磁石73に対応している。つまり、第1永久磁石72は、第1側板131と可動接点32との間に配置されており、第2磁極面722を第1側板131に向けた状態で第1側板131と磁気的に結合されている。第2永久磁石73は、第2側板132と可動接点32との間に配置されており、第2磁極面732を第2側板132に向けた状態で第2側板132と磁気的に結合されている。
本実施形態では、第1永久磁石72は第1側板131における可動接点32側の面(背面)に直接取り付けられており、第2永久磁石73は第2側板132における可動接点32側の面(前面)に直接取り付けられている。ただし、永久磁石72,73が側板131,132に直接的に接していることは必須ではなく、永久磁石72,73と側板131,132との間に別部材が介在してもよいし、永久磁石72,73と側板131,132との間にギャップが形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、第2方向における一対の永久磁石72,73の中心線C2は、接点部3の中心線C1に対して、連結片43とは反対側(左側)にオフセットしている。
このように、本実施形態では、ヨーク13は一対の永久磁石72,73の第2磁極面722,732と磁気的に結合されている。そのため、ヨーク13のうち、可動接点32に対して第2方向の一方(右方)に位置する連結板133は、一対の永久磁石72,73の第1磁極面721,731から見てそれぞれ異極性の磁極として機能する。これにより、磁界発生源としての一対の永久磁石72,73の生じる磁束B2,B3は、図5に示すように、第1磁極面721,731から連結板133に向かうように制御される。そのため、一対の永久磁石72,73の生じる磁束B2,B3は、第3方向において接点部3に近づくに従って第2方向の外側(中心線C2から離れる向き)に逸れるように湾曲した曲線を描くことになる。
したがって、接点部3の開極時に固定接点31と可動接点32との間に生じるアークA1は、ローレンツ力により斜め右方へ引き伸ばされることになる。図5において矢印「M3」は、順方向電流が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。図5において矢印「M4」は、逆方向電流が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。すなわち、順方向電流が流れている場合、アークA1は、固定接点31から可動接点32に向けて流れる電流であるから、右後方(M3の向き)に引き伸ばされることになる。一方、逆方向電流が流れている場合、アークA1は、可動接点32から固定接点31に向けて流れる電流であるから、右前方(M4の向き)に引き伸ばされることになる。
<効果>
以上説明した本実施形態の接点装置1によれば、ヨーク13は、実施形態1と同様に、一対の側板131,132と連結板133とで、可動接点32、および磁界発生源としての一対の永久磁石72,73の周囲を囲むように配置されている。そのため、磁界発生源としての一対の永久磁石72,73の生じる磁界(磁場)の向きは、ヨーク13によって制御されることになり、固定接点31と可動接点32との間に生じるアークに対して作用する磁界の向きが定まりやすくなる。したがって、アークの引き伸ばされる向きは定まりやすくなる。
また、接点装置1は、上述したように順方向電流と逆方向電流とのいずれであっても、接点部3に対して第2方向の同じ側(本実施形態では右側)にアークを引き伸ばすことができる。したがって、接点装置1は通電方向にかかわらず同等の遮断性能を実現可能である。
要するに、本実施形態の接点装置1は、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる、という利点がある。
さらに、本実施形態の接点装置1によれば、接点部3から見て連結板133側、つまり接点部3の右方には、永久磁石を配置する必要がない。したがって、この構成の接点装置1は、アークA1を引き伸ばす先に永久磁石が存在しないため、アークA1を引き伸ばすためのスペースを有効に利用できる。
<磁界発生源とケースとの位置関係>
ところで、本実施形態においても、実施形態1と同様に、磁界発生源としての一対の永久磁石72,73の配置としてはケース12の内と外とのいずれも考えられる。本実施形態では、図6に示すように磁界発生源(一対の永久磁石72,73)はケース12の外側に配置されている。ただし、ケース12は、全体が非磁性材料からなることは必須ではなく、少なくとも磁界発生源およびヨーク13に対応する部位(本実施形態ではボディ121)が非磁性材料であればよい。
第1永久磁石72は、ケース12の前面に取り付けられるため、第1側板131とケース12との間に挟まれるように配置される。第2永久磁石73は、ケース12の背面に取り付けられるため、第2側板132とケース12との間に挟まれるように配置される。なお、ヨーク13の連結板133とケース12との間には、図6に示すように隙間があってもよいし、この隙間はなくてもよい。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の外側に配置されることにより、ケース12が壁となってアークの熱による磁界発生源へのダメージを低減でき、磁束密度が低減しにくくなる。
<変形例2>
次に、本実施形態の変形例となる接点装置1について、図7を参照して説明する。
本変形例の接点装置1は、磁界発生源(一対の永久磁石72,73)がケース12の内側に配置されている点で、本実施形態の接点装置1と相違する。本変形例では、実施形態1の変形例(変形例1)と同様に、ヨーク13は、ケース12の内周面に沿う形状および寸法に形成されており、一対の永久磁石72,73と共にケース12の内側に配置されている。本変形例では、ケース12は非磁性材料で形成されていてもよいが、ケース12が非磁性材料からなることは必須ではない。なお、ヨーク13とケース12との間には、隙間があってもよいし、図7に示すように隙間がなくてもよい。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の内側に配置されることにより、磁界発生源がケース12の外側に配置される場合に比べて、磁界発生源を接点部3の近傍に配置でき、強い磁場をアークに作用させることができる。したがって、接点装置1は比較的高い遮断性能を実現することができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態に係る接点装置1は、図8に示すように、磁界発生源として、一対の永久磁石72,73に加えて、第3永久磁石74を備えている点で、実施形態2の接点装置1とは相違する。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態においては、第1永久磁石72および第2永久磁石73からなる一対の永久磁石72,73と第3永久磁石74との計3個の永久磁石72,73,74が、磁界発生源として用いられている。これら3個の永久磁石72,73,74は、互いに異極性の第1磁極面721,731,741および第2磁極面722,732,742をそれぞれ有している。
ここで、一対の永久磁石72,73は、第1方向(上下方向)と直交する第3方向(前後方向)において第1磁極面721,731同士が可動接点32を挟んで対向するように配置されている。第3永久磁石74は、第1方向および第3方向の両方と直交する第2方向(左右方向)において、第2磁極面742が可動接点32と対向するように配置されている。
さらに詳しく説明すると、第3永久磁石74は、第1永久磁石72および第2永久磁石73と同様に、互いに異極性の第1磁極面741および第2磁極面742を有している。本実施形態では一例として、第1磁極面721,731,741を「N極」、第2磁極面722,732,742を「S極」として説明するが、この構成に限らず、N極とS極とは反対の関係であってもよい。第1永久磁石72は、接点部3の前方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側にN極(つまり第1磁極面721)を向けている。第2永久磁石73は、可動接点32の後方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側にN極(つまり第1磁極面731)を向けている。ここでは、一対の永久磁石72,73としては同一特性の磁石が用いられており、各々から接点部3までの距離は等距離に設定されている。第3永久磁石74は、接点部3の右方に、接点部3とは所定の間隔を空けて配置されており、接点部3側にS極(つまり第2磁極面742)を向けている。
ヨーク13は、実施形態2と同様に、第3方向において可動接点32を挟んで対向する一対の側板131,132と、一対の側板131,132の間を連結する連結板133とを有している。一対の側板131,132は、一対の永久磁石72,73と一対一に対応している。一対の側板131,132は、第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石72,73を挟んで可動接点32と対向する位置に配置されている。また、一対の側板131,132は、それぞれ対応する永久磁石72,73の第2磁極面722,732と磁気的に結合されている。
なお、本実施形態においては、実施形態2と同様に、第2方向における一対の永久磁石72,73の中心線C2は、接点部3の中心線C1に対して、連結片43とは反対側(左側)にオフセットしている。
また、連結板133は、第2方向において第3永久磁石74を挟んで可動接点32と対向する位置に配置され、第3永久磁石74の第1磁極面741と磁気的に結合されている。つまり、第3永久磁石74は、可動接点32と連結板133との間に配置されており、第1磁極面741を連結板133に向けた状態で連結板133と磁気的に結合されている。本実施形態では、第3永久磁石74は連結板133における可動接点32側の面(左側面)に直接取り付けられている。ただし、第3永久磁石74が連結板133に直接的に接していることは必須の構成ではなく、第3永久磁石74と連結板133との間に別部材が介在してもよいし、第3永久磁石74と連結板133との間にギャップが形成されていてもよい。
このように、本実施形態では、ヨーク13は、第1永久磁石72および第2永久磁石73の第2磁極面722,732と磁気的に結合され、且つ第3永久磁石74の第1磁極面741と磁気的に結合されている。そのため、ヨーク13は、一対の永久磁石72,73の第2磁極面722,732と第3永久磁石74の第1磁極面741との間を磁気的に結合するように機能する。言い換えれば、第1永久磁石72、第2永久磁石73、第3永久磁石74、およびヨーク13は、2つの第1磁極面721,731と1つの第2磁極面742とを持つ単一の永久磁石とみなすことができる。よって、可動接点32に対して第2方向の一方(右方)に位置する第3永久磁石74の第2磁極面742は、一対の永久磁石72,73の第1磁極面721,731から見てそれぞれ異極性の磁極として機能する。
これにより、磁界発生源(一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74)が生じる磁束B4,B5は、図8に示すように、一対の永久磁石72,73の第1磁極面721,731から第3永久磁石74の第2磁極面742に向かうように制御される。そのため、一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74の生じる磁束B4,B5は、一対の永久磁石72,73から第3方向において接点部3に近づくに従って第2方向の外側(中心線C2から離れる向き)に逸れるように湾曲した曲線を描くことになる。
したがって、接点部3の開極時に固定接点31と可動接点32との間に生じるアークA1は、ローレンツ力により斜め右方へ引き伸ばされることになる。図8において矢印「M5」は、順方向電流が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。図8において矢印「M6」は、逆方向電流が流れている場合のアークA1の引き伸ばされる向きを表している。すなわち、順方向電流が流れている場合、アークA1は、固定接点31から可動接点32に向けて流れる電流であるから、右後方(M5の向き)に引き伸ばされることになる。一方、逆方向電流が流れている場合、アークA1は、可動接点32から固定接点31に向けて流れる電流であるから、右前方(M6の向き)に引き伸ばされることになる。
<効果>
以上説明した本実施形態の接点装置1によれば、ヨーク13は、実施形態2と同様に、一対の側板131,132と連結板133とで、可動接点32、および磁界発生源としての3個の永久磁石72,73,74の周囲を囲むように配置されている。そのため、磁界発生源としての一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74の生じる磁界(磁場)の向きは、ヨーク13によって制御されることになり、固定接点31と可動接点32との間に生じるアークに対して作用する磁界の向きが定まりやすくなる。したがって、アークの引き伸ばされる向きは定まりやすくなる。
また、接点装置1は、上述したように順方向電流と逆方向電流とのいずれであっても、接点部3に対して第2方向の同じ側(本実施形態では右側)にアークを引き伸ばすことができる。したがって、接点装置1は通電方向にかかわらず同等の遮断性能を実現可能である。
要するに、本実施形態の接点装置1は、電流を流す向きによらずに使用可能で、且つ遮断性能の信頼性の向上を図ることができる、という利点がある。
さらに、本実施形態の接点装置1によれば、3個の永久磁石72,73,74を磁界発生源として用いることで、永久磁石72,73,74の各々の小型化を図ることができる。
<磁界発生源とケースとの位置関係>
ところで、本実施形態においても、実施形態2と同様に、磁界発生源としての一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74の配置としてはケース12の内と外とのいずれも考えられる。本実施形態では、磁界発生源(一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74)はケース12(図6参照)の外側に配置されている。ただし、ケース12は、全体が非磁性材料からなることは必須ではなく、少なくとも磁界発生源およびヨーク13に対応する部位(本実施形態ではボディ121)が非磁性材料であればよい。
第1永久磁石72は、ケース12の前面に取り付けられるため、第1側板131とケース12との間に挟まれるように配置される。第2永久磁石73は、ケース12の背面に取り付けられるため、第2側板132とケース12との間に挟まれるように配置される。第3永久磁石74は、ケース12の右側面に取り付けられるため、連結板133とケース12との間に挟まれるように配置される。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の外側に配置されることにより、ケース12が壁となってアークの熱による磁界発生源へのダメージを低減でき、磁束密度が低減しにくくなる。
<変形例3>
次に、本実施形態の変形例となる接点装置1について説明する。
本変形例の接点装置1は、磁界発生源(一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74)がケース12(図7参照)の内側に配置されている点で、本実施形態の接点装置1と相違する。本変形例では、実施形態2の変形例(変形例2)と同様に、ヨーク13は、ケース12の内周面に沿う形状および寸法に形成されており、一対の永久磁石72,73および第3永久磁石74と共にケース12の内側に配置されている。本変形例では、ケース12は非磁性材料で形成されていてもよいが、ケース12が非磁性材料からなることは必須ではない。なお、ヨーク13とケース12との間には、隙間があってもよいし、隙間がなくてもよい。
接点装置1は、このように磁界発生源がケース12の内側に配置されることにより、磁界発生源がケース12の外側に配置される場合に比べて、磁界発生源を接点部3の近傍に配置でき、強い磁場をアークに作用させることができる。したがって、接点装置1は比較的高い遮断性能を実現することができる。
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
(実施形態4)
本実施形態に係る接点装置1は、図9Aおよび図9Bに示すように、固定部材4の形状が実施形態1の接点装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
固定部材4は、固定端子21が設けられた端子片41と、固定接点31が設けられた接点片42と、固定端子21と固定接点31とを電気的に接続するように端子片41と接点片42とを連結する一対の連結片431,432とを有している。一対の連結片431,432は、第1方向(上下方向)と直交する第3方向(前後方向)に所定の間隔を空けて並んでいる。
ここで、端子片41と接点片42とは、第1方向における一対の連結片431,432の両端部から、第1方向および第3方向の両方に直交する第2方向(左右方向)に沿って突出している。本実施形態では、端子片41は、一対の連結片431,432の上端部から左右両側に突出し、接点片42は、一対の連結片431,432の下端部から右側へ突出している。
さらに、端子片41は、一対の連結片431,432の間を連結する第1小片411と、固定端子21が設けられた第2小片412と、第1小片411と第2小片412とを連結する第3小片413とを有している。第1小片411は、一対の連結片431,432に対し、第2方向において接点片42と同じ側に位置する。第2小片412は、一対の連結片431,432に対し、第2方向において接点片42と反対側に位置する。要するに、本実施形態では、第1小片411は一対の連結片431,432に対して右側に位置し、第2小片412は一対の連結片431,432に対して左側に位置する。
端子片41と接点片42とは互いに略平行であって、それぞれ一対の連結片431,432とは略直交する。そのため、固定部材4は、端子片41と一対の連結片431,432とで正面視がT字状の形状を成し、接点片42と一対の連結片431,432とで正面視がL字状の形状を成す。固定端子21は第2小片412の上面に取り付けられている。固定接点31は、接点片42の上面のうち可動接点32と対向する部位である。
また、可動接点32は、第1方向の位置が端子片41と接点片42との間の範囲内で、且つ第3方向の位置が一対の連結片431,432の間の範囲内となるように配置されている。言い換えれば、可動接点32は、第1方向に直交する平面であって端子片41を含む第1平面と、第1方向に直交する平面であって接点片42を含む第2平面との間に配置されている。さらに、可動接点32は、第3方向に直交する平面であり一対の連結片431,432のうちの一方の連結片(第1連結片)431を含む第3平面と、第3方向に直交する平面であり他方の連結片(第2連結片)432を含む第4平面との間に配置されている。
さらに、可動部材5は、可動接点32を起点として一対の連結片431,432の間を通して第2方向に沿って延長された形状である。本実施形態では、可動部材5は、接点片42に設けた固定接点31と対向する可動接点32を起点として、一対の連結片431,432の間を通って左方に延長された形状である。言い換えれば、一対の連結片431,432の間を可動部材5が貫通するように固定部材4と可動部材5とが組み合わされている。そのため、一対の連結片431,432の間隔は、可動部材5の第3方向の寸法より大きく設定される。
ここで、図9Bにおいては、接点部3の開極時に固定接点31と可動接点32との間に生じるアークA1の引き伸ばされる向きを、実施形態1と同様に矢印M1,M2で表している。
なお、本実施形態の接点装置1では、図9Bに示すように、可動部材5および可動接点32の右端部は、幅方向(前後方向)の中央部が右方に向けて凸となる先細り形状を採用している。これにより、接点部3から右方に引き伸ばされたアークA1は、先細り形状の先端に集中することになり、接点装置1は、アークA1の発生位置を制御しやすくなる。この構成は、実施形態1ないし実施形態3のいずれにも適用可能である。
<効果>
以上説明した本実施形態の接点装置1は、一対の連結片431,432間に隙間があるため、この隙間を利用し、固定部材4の短手方向(第3方向)にアークA1を引き伸ばさなくても、固定部材4との干渉を避けてアークA1を引き伸ばすことができる。可動部材5が一対の連結片431,432の間を貫通した構成では、接点装置1は、第2方向に沿って一対の連結片431,432から離れる向きにアークA1を引き伸ばすことで、固定部材4との干渉を避けてアークA1を引き伸ばすことができる。
要するに、本実施形態の構成によれば、接点部3から見て一対の連結片431,432と反対側、つまり接点部3の右方には、図9Aおよび図9Bに示すように、固定部材4が存在しない開けた空間が形成されることになる。言い換えれば、この構成の接点装置1は、アークA1を引き伸ばす先に電路が存在しないため、アークA1と電路との間の電気的な絶縁を考慮しなくとも、アークA1と電路との接触を回避できる。したがって、接点装置1は、図9Aおよび図9Bに例示するように、接点部3から右方にアークA1を引き伸ばすことによって、固定部材4との接触を避けつつアークA1を十分に引き伸ばすことが可能である。結果的に、接点装置1は、省スペースで比較的高い遮断性能を実現でき、小型化を図りながらも、大電流に対しての遮断性能を向上させることができる、という利点がある。
また、本実施形態の接点装置1の構成によれば、接点部3の閉状態において、固定部材4の端子片41を流れる電流と、可動部材5を流れる電流との間に斥力が作用する。すなわち、接点装置1は、図10に示すように、可動接点32が閉位置にある状態(接点部3の閉状態)において一対の固定端子21,22に電流が流れると、互いに対向し且つ略平行の関係にある端子片41と可動部材5とに逆向きの電流が流れる。つまり、端子片41を流れる電流I1と可動部材5を流れる電流I2とは互いに逆向きの関係になる。逆向きの平行電流(電流I1および電流I2)の間には斥力F1が働き、この斥力F1は、端子片41から可動部材5を引き離す向き、つまり可動部材5を下方に押し下げる向きに作用する。言い換えれば、可動接点32は斥力F1によって固定接点31に押し付けられることになる。
したがって、接点装置1は、たとえば短絡電流などの大電流が接点部3を流れた際に、可動接点32を固定接点31から引き離す向きの力(電磁反発力)が生じたとしても、上記斥力F1により、可動接点32が固定接点31に接触した状態を維持しやすくなる。とくに、固定接点31と可動接点32とを1つずつ備えた一点切りの構成においては、電磁反発力の影響は大きくなるが、本実施形態の接点装置1は、斥力F1を利用することで接点部3の閉状態を維持しやすい。その結果、本実施形態の接点装置1は、短絡耐量(閉状態を維持できる短絡電流の上限値)が向上するという利点がある。
なお、図10では、順方向電流を想定しているため、端子片41を流れる電流I1は右向き、可動部材5を流れる電流I2は左向きである。逆方向電流を想定すると、端子片41を流れる電流I1は左向き、可動部材5を流れる電流I2は右向きとなる。
また、本実施形態の構成において、第3小片413は、図9Bに示すように、第2方向(左右方向)において所定の長さ寸法を持つことが好ましい。これにより、接点装置1は、端子片41のうち可動部材5と対向する部位の第2方向の寸法を、第3小片413の分だけ長く確保でき、端子片41と可動部材5との間に生じる斥力F1が大きくなる。したがって、接点装置1は短絡耐量のさらなる向上を図ることができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成は、実施形態2または実施形態3の構成とも組み合わせ可能である。
1 接点装置
12 ケース
13 ヨーク
131,132 側板
133 連結板
31 固定接点
32 可動接点
71 永久磁石
72 第1永久磁石
73 第2永久磁石
74 第3永久磁石

Claims (5)

  1. 固定接点と、
    前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、
    互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面を有し、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1磁極面が前記可動接点と対向するように配置された永久磁石からなる磁界発生源と、
    前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、
    前記ヨークは、前記第1方向および前記第2方向の両方に直交する第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、
    前記連結板は、前記第2方向において前記磁界発生源を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、前記磁界発生源の前記第2磁極面と磁気的に結合されている
    ことを特徴とする接点装置。
  2. 固定接点と、
    前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、
    互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面をそれぞれ有し、前記第1方向と直交する第3方向において前記第1磁極面同士が前記可動接点を挟んで対向するように配置された一対の永久磁石からなる磁界発生源と、
    前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、
    前記ヨークは、前記第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、
    前記連結板は、前記第1方向および前記第3方向の両方に直交する第2方向において前記可動接点と対向する位置に配置され、
    前記一対の側板は、前記一対の永久磁石と一対一に対応しており、前記第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、それぞれ対応する永久磁石の前記第2磁極面と磁気的に結合されている
    ことを特徴とする接点装置。
  3. 固定接点と、
    前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で、第1方向に沿って移動する可動接点と、
    互いに異極性の第1磁極面および第2磁極面をそれぞれ有し、前記第1方向と直交する第3方向において前記第1磁極面同士が前記可動接点を挟んで対向するように配置された第1永久磁石および第2永久磁石からなる一対の永久磁石と、前記第1方向および前記第3方向の両方に直交する第2方向において前記第2磁極面が前記可動接点と対向するように配置された第3永久磁石とを具備する磁界発生源と、
    前記磁界発生源の生じる磁束を通す磁路の一部を形成するヨークとを備え、
    前記ヨークは、前記第3方向において前記可動接点を挟んで対向する一対の側板と、前記一対の側板の間を連結する連結板とを有し、
    前記一対の側板は、前記一対の永久磁石と一対一に対応しており、前記第3方向においてそれぞれ対応する永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、それぞれ対応する永久磁石の前記第2磁極面と磁気的に結合されており、
    前記連結板は、前記第2方向において前記第3永久磁石を挟んで前記可動接点と対向する位置に配置され、前記第3永久磁石の前記第1磁極面と磁気的に結合されている
    ことを特徴とする接点装置。
  4. 非磁性材料からなり、少なくとも前記固定接点および前記可動接点を囲むケースをさらに備え、
    前記磁界発生源は前記ケースの外側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接点装置。
  5. 少なくとも前記固定接点および前記可動接点を囲むケースをさらに備え、
    前記磁界発生源は前記ケースの内側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接点装置。
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