JP2015208376A - 折り紙 - Google Patents

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容一郎 高橋
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【課題】色の変化で楽しく遊ぶことができる折り紙を提供するとともに、折り紙の製造時に耐水性を持たせるための水不溶剤を含浸させる工程を不要にする。【解決手段】折り紙1は、基材フィルム11,12と、この基材フィルム11,12の片面に設けられた感温変色層20とを備えている。基材フィルム11,12は、折り目を形成可能かつ折り曲げ角を維持可能な可折性の樹脂又は金属からなる。感温変色層20は、温度に応じて変色する熱変色性インキからなる。【選択図】図2

Description

本発明は、折り紙に関し、特に温度に応じて変色可能な折り紙に関する。
通常、折り紙の素材は紙である。紙は水に弱いから風呂場などの水場での使用には不向きである。
これに対し、特許文献1には、可逆性熱変色層を少なくとも片面に設けた紙に、水不溶剤を含浸させてなる熱変色性折り紙が開示されている。
実開昭61−111499号公報
前掲特許文献1は、紙に耐水性を持たせるために水不溶剤を含浸させる手間を要する。
前記問題点を解決するために、本発明は、折り目を形成可能かつ折り曲げ角を維持可能な可折性の樹脂又は金属からなる基材フィルムと、温度に応じて変色する熱変色性インキからなり、前記基材フィルムの片面に設けられた感温変色層と、を備えたことを特徴とする。
これによって、色の変化で楽しく遊ぶことができる折り紙を提供できる。基材フィルムは、耐水性を有しているから風呂場などの水場での使用に十分耐えることができる。また、折り紙の製造の際、水不溶剤を含浸させる工程は不要である。したがって、耐水性かつ感温変色性を有する折り紙を安価に作製できる。
2枚の前記基材フィルムの間に前記感温変色層が挟まれており、少なくとも一方の基材フィルムが可折性かつ透明な樹脂からなることが好ましい。これによって、感温変色層を2枚の基材フィルムによって保護でき、感温変色層の剥がれや損傷を防止できる。また、少なくとも前記一方の基材フィルム側から感温変色層の温度に応じた色の変化を楽しむことができる。ここで、透明とは、可視光に対して透光性を有することを言い、好ましくは可視光に対する透過率が80%以上、より好ましくは90%以上であることを言う。
3枚の前記基材フィルムと2層の前記感温変色層とが互い違いに積層され、両側の基材フィルムがそれぞれ可折性かつ透明な樹脂からなり、中間の基材フィルムが可折性かつ非透明な金属又は樹脂からなることが好ましい。これによって、折り紙の両面の温度に応じた色、絵柄、模様等を互いに異ならせることができ、折り紙の興趣性を一層高めることができる。しかも、各感温変色層の剥がれや損傷を防止できる。ここで、非透明とは、可視光に対して透光性をほとんど有しないことを言い、好ましくは可視光に対する透過率が10%以下、より好ましくは1%以下であることを言う。
本発明によれば、風呂場などの水場でも色の変化で楽しく遊ぶことができる折り紙を提供できる。この折り紙は、製造の際、水不溶剤を含浸させる工程が不要である。よって、耐水性かつ感温変色性の折り紙を安価に作製できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る折り紙を、その一部分を折り曲げた状態で示す平面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う、上記折り紙の断面図である。 図3は、図1のIII−III線に沿う、上記折り紙の断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る折り紙の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示したものである。図2に示すように、折り紙1は、2枚の基材フィルム11,12と、感温変色層20とを備えている。図1に示すように、2枚の基材フィルム11,12は、同一形状(四角形)の薄紙状になっている。これら基材フィルム11,12の材質としては、紙と同様の可折性を有し、かつ透明な樹脂が用いられている。図1及び図3に示すように、可折性とは、折り目1aを形成でき、かつその折り目1aの折り曲げ角を維持可能な性質を言う。好ましくは、基材フィルム11,12は、360度近くまで折り曲げることができ、かつ360度近い折り曲げ角を維持可能である。なお、「折り曲げ角を維持可能」とは、基材フィルム11,12が折り曲げ時の角度を折り曲げ力解除後もそのまま完全に維持するのに限られず、折り曲げ時の角度から数度〜数十度程度の範囲内(好ましくは10度以内、より好ましくは5度以内)で展伸方向に戻る場合をも含む。
このような基材フィルム11,12の樹脂材質として、例えば特開平07−145257等に開示された微細空洞を多数含有するポリエステル系樹脂が挙げられる。あるいは、基材フィルム11,12としてセロファンを用いてもよい。基材フィルム11,12は、樹脂製であるから、十分な耐水性を有している。基材フィルム11,12の厚さは、例えば10μm〜50μm程度であり、好ましくは30μm程度である。
図2に示すように、2枚の基材フィルム11,12の間に感温変色層20が挟まれている。言い換えると、各基材フィルム11,12における片面(他方の基材フィルムを向く面)に感温変色層20が設けられている。感温変色層20は、温度に応じて変色する性質を有している。感温変色層20としては、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物等を含む公知の熱変色性インクを用いることができる(例えば特許文献1等参照)。感温変色層20が変色する温度領域は、例えば10℃程度〜50℃程度である。この温度領域内のある温度付近より低温側と高温側とでは感温変色層20の色が異なる。変色は、好ましくは可逆的であるが、不可逆的であってもよい。
感温変色層20は、一方(例えば図2において下側)の基材フィルム12の内側面(上面)に被膜されている。好ましくは、基材フィルム12の全面に感温変色層20が被膜されている。感温変色層20の被膜方法としては、例えばグラビア印刷が用いられている。一色刷りでもよく、多色刷りでもよい。さらには、感温変色層20によって模様や図柄等を描いてもよい。
感温変色層20と他方(例えば図2において上側)の基材フィルム11との間には、透明な接着剤層30が介在されている。接着剤層30によって感温変色層20と基材フィルム11とが接着されている。接着剤層30としては、例えば透明なウレタン系接着剤が用いられているが、これに限られるものではない。
前記の折り紙1によれば、製造時において基材フィルム11,12に水不溶剤を含浸させる工程は不要である。これにより、折り紙1を安価に作製できる。
折り紙1は、前記のような水不溶剤の含浸工程を行なわなくても十分な耐水性を有しているから、風呂場などの水場でも十分に使用することができる。
この折り紙1を風呂場の温水に漬けたり冷水に漬けたりすると、感温変色層20が変色する。これによって、折り紙1の楽しさを増大させることができ、折り紙1の付加価値を高めることができる。
2枚の基材フィルム11,12を共に透明にすることによって、どちら側からでも感温変色層20を見ることができ、温度に応じた変色を楽しむことができる。接着剤層30は透明であるから、感温変色層20が外部から見えにくくなることはない。
さらに、感温変色層20を2枚の基材フィルム11,12にて挟むことによって保護することができる。したがって、感温変色層20の剥がれや損傷を防止することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
図4は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の折り紙1は、3枚の基材フィルム11,12,13と、2層の感温変色層21,22とを有している。これら基材フィルム11〜13及び感温変色層21,22が互い違いに積層されている。
詳細には、図4において、上側の基材フィルム11の内側面(下面)に感温変色層21がグラビア印刷などにて被膜され、下側の基材フィルム12の内側面(上面)に感温変色層22がグラビア印刷などにて被膜されている。中間の基材フィルム13の両面がそれぞれ接着剤層30を介して感温変色層21,22と接着されている。なお、中間の基材フィルム13の片面又は両面に感温変色層21又は22をグラビア印刷などにて被膜するとともに、この感温変色層21又は22と基材フィルム11又は12とを接着剤層30にて接着してもよい。
上下両側の基材フィルム11,12の材質は、第1実施形態と同様であり、紙と同様の可折性を有し、かつ透明な樹脂にて構成されている。一方、中間の基材フィルム13は、アルミ箔(金属フィルム)にて構成されている。したがって、基材フィルム13は非透明である。アルミ箔は可折性を有している。
2つの感温変色層21,22の材質は、第1実施形態の感温変色層20と同様に、温度に応じて変色する熱変色性インキにて構成されているが、その色彩、模様等は互いに異なっている。
また、接着剤層30の材質は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態によれば、中間の第3基材フィルム13を挟んで両側の感温変色層21,22を、それぞれ透明な基材フィルム11,12を通して外部から見ることができる。これら感温変色層21,22が温度に応じて別々に変色する。これによって、折り紙1の両面における色、絵柄、模様等の温度に応じた変化を互いに異ならせることができ、折り紙1の興趣性を一層高めることができる。
しかも、中間の基材フィルム13がアルミ箔にて構成されているため、折り紙1をメタリック調にすることができる。例えば、感温変色層21又は22が黄色であると、折り紙1を金色に見せることができる。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、折り紙1の基材フィルムが1枚だけであってもよい。この1枚の基材フィルムの片面に被膜された感温変色層が露出されていてもよい。この1枚の基材フィルムは、透明でもよく、白色、その他の有色で非透明でもよく、樹脂フィルムに限られず、アルミ箔などの金属にて構成されていてもよい。
第1実施形態において、2枚の基材フィルム11,12のうち少なくとも一方が透明であればよく、他方の基材フィルムは白色、その他の有色で非透明であってもよい。この他方の基材フィルムがアルミ箔などの金属にて構成されていてもよい。
第2実施形態において、中間の基材フィルム13が、アルミ箔などの金属フィルムに代えて、可折性を有する樹脂にて構成されていてもよく、さらには白色、その他の有色で非透明の樹脂にて構成されていてもよい。
本発明は、折り紙の製造分野に適用可能である。
1 折り紙
11,12,13 基材フィルム
20,21,22 感温変色層
30 接着剤層

Claims (3)

  1. 折り目を形成可能かつ折り曲げ角を維持可能な可折性の樹脂又は金属からなる基材フィルムと、
    温度に応じて変色する熱変色性インキからなり、前記基材フィルムの片面に設けられた感温変色層と、
    を備えたことを特徴とする折り紙。
  2. 2枚の前記基材フィルムの間に前記感温変色層が挟まれており、少なくとも一方の基材フィルムが可折性かつ透明な樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の折り紙。
  3. 3枚の前記基材フィルムと2層の前記感温変色層とが互い違いに積層され、両側の基材フィルムがそれぞれ可折性かつ透明な樹脂からなり、中間の基材フィルムが可折性かつ非透明な金属又は樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の折り紙。
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