JP2015055568A - 生体分子分析方法及び生体分子分析装置 - Google Patents

生体分子分析方法及び生体分子分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015055568A
JP2015055568A JP2013189631A JP2013189631A JP2015055568A JP 2015055568 A JP2015055568 A JP 2015055568A JP 2013189631 A JP2013189631 A JP 2013189631A JP 2013189631 A JP2013189631 A JP 2013189631A JP 2015055568 A JP2015055568 A JP 2015055568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomolecule
molecule
support
support substrate
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013189631A
Other languages
English (en)
Inventor
斎藤 俊郎
Toshiro Saito
俊郎 斎藤
依莉 多羅沢
Eri Tarasawa
依莉 多羅沢
孝伸 濱崎
Takanobu Hamazaki
孝伸 濱崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp, Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2013189631A priority Critical patent/JP2015055568A/ja
Publication of JP2015055568A publication Critical patent/JP2015055568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】簡便な操作で、かつ、磁場を用いることなくデジタルカウント方式による生体分子分析を実現する。
【解決手段】 被検出支持体と固定反応分子と分析対象生体分子とからなる複合体を、結合分子を介して支持基板に固定し、前記支持基板上に固定された複合体を前記被検出支持体に基づいて光学的に検出し、これに基づいて前記支持基板上に固定された複合体を計数する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体分子を分析対象として当該生体分子を一分子レベルで計測する生体分子分析方法及び生体分子分析装置に関する。
試料に含まれる微量の生体分子を分析対象として高精度に分析するニーズが高まっている。例えば、近年、癌診断の分野では、早期に癌発症の徴候を知るため様々な癌マーカーが研究され、実用化も進んでいる。癌マーカーとは癌細胞由来の分泌型の生体因子であり、癌の進行とともに増加し血中や尿中に現れる。例えば、ホルモン、サイトカイン等のタンパク質、マイクロRNA等の核酸が癌マーカーとして知られている。早期の癌ではこれらの癌マーカーの量は少なく検出が難しい。また、術後の経過判断や予後の予測を実現するためには、極微量の癌マーカーの微小な量の変化を検出することが求められ、高感度な検出技術の実現が求められている。
血液中の癌マーカーを検出する場合、患者から採取できる血液量は限られており、その中から極微量の癌マーカーを出来るだけ多く捕捉して検出することが求められる。例えば、50μlの血漿中から検出する場合、早期の癌では癌マーカーは10-16〜10-12Mの濃度範囲であるため、50μl中に存在する約3000分子程度の標的分子を定量する検出感度が必要になる。このように、50μlに数千分子しか存在しない極微量の癌マーカーを定量性良く検出可能な超高感度の検出技術が求められている。しかしながら、現在、主流である高感度の癌マーカー検出方法では、抗体を用いた免疫測定法でELISA法やナノ微粒子アッセイといった手法が知られているが、検出感度はpMレベルであり、上述したような極微量の癌マーカーの検出などには適用できない。
従来の解析方法では、分子数の総数に比例する物性値を求める方法が採用されている。例えば、分析対象の生体分子を蛍光ラベルし、所定量の試料全体から生じる蛍光強度を測定し、試料中に含まれる生体分子を蛍光強度に基づいて定量する方法である。このような解析方法では、分析対象がない、いわゆるバックグラウンドの強度や変動が1pM以下の低濃度領域では無視できず、測定自体が困難になるという問題が回避できず、高感度化の大きな隘路となっていた。これに対して、分析対象の生体分子を一分子レベルで計数する、いわゆるデジタルカウント方式が開発されている。デジタルカウント方式では、個々の信号強度を正確に測定する必要はなく、所定の閾値を超える信号輝点の数を計数すれば良く、低濃度領域でもバックグラウンドの強度や変動は無視することが可能である。そのため、デジタルカウント方式は高感度検出技術として有望である。最近、デジタルカウント方式を用いた免疫測定法として、デジタルELISAが提案されている(非特許文献1-2、特許文献1)。
非特許文献1と特許文献1で用いられている抗原の捕捉と標識の手順は以下のとおりである。先ず、分析対象である生体分子を、当該生体分子を抗原とするモノクローナル抗体付きの磁気ビ−ズと反応させ捕獲する。次にビオチン修飾したポリクローナル抗体でサンドイッチ反応を行い、抗原をビオチンで標識する。さらに、このビオチンに対してStreptavidin β-Galactosidase Conjugateを結合させた後、発色基質を導入し生体分子を検出する。この手法では、試薬の混入を防ぐため、隔離したウエルの中に、生体分子を捕捉した磁気ビ−ズを一つずつ挿入し、発色溶液を導入した後に各ウエルを封止している。
特許文献2で用いられている抗原の捕捉と標識の手順は以下のとおりである。磁気ビ−ズと溶液中の分析対象の生体分子を結合した後、外部磁場を用いて磁気ビーズを基板上に集めた後、分析対象の生体分子を介して磁気ビ−ズを基板上に固定する。分析対象の生体分子を捕捉していない磁気ビーズは洗浄工程により基板上から除去される。洗浄後、磁気共鳴や工学的手法により、基板上に固定された磁気ビーズの量を求め、この量から分析対象分子の量の情報が得られる。
US Patent No. 8,236,574 US Publication No. US 2012/0062219
Rissin DM et al, Nature Biotecnology, Jun 28(6); p595-599 (2010) Rissin DM et al, Anal. Chem, 83; p2279-2285 (2011)
非特許文献1及び特許文献1に開示された方法では、生体分子を捕捉した磁気ビーズを、隔離されたウエルに挿入し、発色溶液を導入した後、各ウエルを封止する必要がある。このように、非特許文献1及び特許文献1に開示された方法は操作が煩雑であり、分析に要する時間(turn around time:TAT)が長くなるとともに、消耗品のコストが高いという問題がある。これに対して特許文献2に開示された方法は、非特許文献1及び特許文献1に開示された方法と比べる工程数が少なく、簡便であると言える。しかしながら、特許文献2に開示された方法は、外部磁場によって磁気ビーズを基板表面に集めており、磁力線に沿って磁気ビーズが凝集して(積み上がって)基板上に固定されるこことなる。この場合、基板上に固定された磁気ビーズを、顕微鏡を用いた散乱画像などから正確に計測することができない。すなわち、特許文献2に開示された方法は、上述したデジタルカウント方式に適用することは非常に困難であるといった問題があった。さらにまた、特許文献2に開示された方法では、基板近傍に磁石を配置せねばならず、分析装置の小型化を困難にするという問題もあった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑み、簡便な操作で、かつ、磁場を用いることなくデジタルカウント方式による分析を実現する、生体分子分析方法及び生体分子分析装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成した本発明に係る生体分子分析方法は、分析対象生体分子を選択的に捕捉する第一の捕捉分子を有する被検出支持体と、第一の結合分子を有する支持基板と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第二の捕捉分子と前記支持基板表面上の前記第一の結合分子に結合する第二の結合分子とを有する固定反応分子とを用い、前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とを接触させる工程と、
前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とからなる複合体を、前記第一の結合分子及び前記第二の結合分子を介して前記支持基板に固定する工程と、
前記支持基板上に固定された複合体を前記被検出支持体に基づいて光学的に検出し、これに基づいて前記支持基板上に固定された複合体を計数する工程を含む。
本発明に係る生体分子分析方法では、前記第一の捕捉分子及び前記第二の捕捉分子を、それぞれ前記分析対象生体分子の異なる領域をエピトープとする抗体とすることができる。
本発明に係る生体分子分析方法では、第一の結合分子及び第二の結合分子をそれぞれアビジン及びビオチン又はそれぞれビオチン及びアビジンとすることができる。本発明に係る生体分子分析方法において第二の結合分子は、第一の結合分子と特異的に結合する塩基配列を有する核酸分子とすることもできる。また、この場合、第二の結合分子は、第一の結合分子と特異的に結合する塩基配列からなるポリヌクレオチド単位を複数単位有する核酸分子としてもよい。
本発明に係る生体分子分析方法では、前記被検出支持体を微粒子とすることができる。特に前記被検出支持体を非磁性微粒子とすることが好ましい。さらに、前記被検出支持体を比重10以上であり、かつ平均粒径が40〜300nmの微粒子とすることが好ましい。より具体的に、前記被検出支持体は、金、白金及びタングステンからなる群から選ばれる元素を含む微粒子とすることができる。
また、本発明に係る生体分子分析装置は、
第一の結合分子を有する支持基板と、
分析対象生体分子と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第一の捕捉分子を有する被検出支持体と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第二の捕捉分子と前記支持基板表面上の前記第一の結合分子に結合する第二の結合分子とを有する固定反応分子とを接触させる反応容器と、
前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とからなる複合体を含む反応溶液を前記反応容器から前記支持基板上に供給する反応溶液供給装置と、
前記支持基板上に固定された前記複合体を前記被検出支持体に基づいて光学的に検出し、これに基づいて前記支持基板上に固定された複合体を計数する検出装置とを含む。
本発明に係る生体分子分析装置において、前記検出装置は、蛍光、フォトルミネッセンス、散乱光から選ばれる少なくとも一つの光学画像を取得する撮像装置を備え、当該撮像装置により前記被検出支持体を検出することができる。
本発明に係る生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、分析対象生体分子を含む複合体を外部磁場を利用することなく支持基板上に固定化し、固定化した複合体における被検出支持体を光学的に検出する。これにより、本発明に係る生体分子分析方法及び生体分子分析装置によれば、分析対象生体分子を一分子レベルで計数することができる。
本発明によれば、分析対象生体分子を極微量で含むような試料であっても、当該分析対象生体分子を高精度に分析することができる。特に、本発明を適用することによって、特殊な基板や煩雑な工程を要することなく、極微量の分析対象生体分子を定量的に分析することができる。
本実施例の生体分子分析方法の一例を説明するための図。 本実施例の生体分子分析方法の一例を説明するための図。 本実施例の生体分子分析装置の構成の一例を説明するための図。 本実施例の生体分子分析装置で得られた結果の一例を示すための図。 試料中のPSA濃度(横軸)と視野当たりの平均金微粒子数(縦軸)との関係を示す特性図である。
以下、本発明に係る生体分子分析方法及び生体分子分析装置を、図面を参照して詳細に説明する。
生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、生体分子を分析対象とする。分析対象となる生体分子は、特に限定されず、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、低分子化合物、糖鎖、脂質、ビタミン、ホルモン等の生物が作り出すあらゆる物質を含む意味である。
生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、特に、タンパク質、ペプチド及び核酸を分析対象とすることが好ましい。なかでも、分析対象の生体分子としては、癌等の疾患の進行とともに増加する生体分子、すなわち臨床検査において検出対象となる疾患マーカーとすることが好ましい。より具体的には、腫瘍マーカーを分析対象の生体分子とすることができる。腫瘍マーカーとしては、特に限定されず、例えば、AFP(α-フェトプロテイン)、AFP-L3%(AFPレクチン分画)、BFP(塩基性フェトプロテイン)、CEA、BCA225、CA 15-3、CA 19-9、CA 50、CA 54/61 (CA546)、CA 72-4、CA 125、CA 130、CA 602、CSLEX(シアリルLex抗原)、DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)、KMO-1、NCC-ST-439、SLX(シアリルLex-i抗原)、SPan-1、STN(シアリルTn抗原)、CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)、SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)、TPA(組織ポリペプチド抗原)、IAP(免疫抑制酸性蛋白)、ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)、CTx(I型コラーゲン架橋C-テロペプチド)、尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)尿中NMP22(核マトリックスプロテイン22)、PIVKA-II、PSA(前立腺特異抗原)、SP1(妊娠特異蛋白)、γ-Sm(γ-セミノプロテイン)、フェリチン、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)、カテコールアミン、HVA(ホモバニリン酸)、VMA(バニリルマンデル酸)、カルシトニン (CT)、ALP(アルカリフォスファターゼ)、PL-ALP(胎盤性ALP)、GAT(癌関連ガラクトース転移酵素)、LDH(乳酸脱水素酵素)、NSE(神経特異エノラーゼ)、PAP(前立腺酸性フォスファターゼ)、ペプシノゲン (PG) I/II比及びerbB-2を挙げることができる。
なお、これら分析対象の生体分子は、血液、血清、尿、乳汁、唾液、組織片及び培養細胞等に含まれている。従って、生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、分析対象の生体分子によって、血液、血清、尿、乳汁、唾液、組織片及び培養細胞等を試料とする。分析対象の生体分子の試料中の濃度は、特に限定されないが、早期の癌における腫瘍マーカーの濃度範囲である10-16〜10-12Mであってもよい。本生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、このようなごく微量の濃度範囲である生体分子を高精度に分析できる。
本生体分子分析方法及び生体分子分析装置では、上述した分析対象の生体分子を含む複合体を形成し、この複合体を支持基板の表面に固定し、固定された複合体を光学的に検出する。ここで、複合体とは、分析対象の生体分子と特異的に結合する被検出支持体と、分析対象の生体分子と特異的に結合する固定反応分子と、分析対象の生体分子とから構成される。被検出支持体とは、複合体を光学的に検出する際の検出対象となる物質、すなわち光学的に検出される物質である。固定反応分子とは、複合体を支持基板上に固定する機能を有する物質である。
被検出支持体、生体分子及び固定反応分子からなる複合体を形成する工程及び形成された複合体を支持基板に固定する工程、並びに複合体を固定した支持基板を撮像した画像を一実施形態として図1に示す。
図1に示す例において被検出支持体は、微粒子101及び微粒子101の表面に固定された第一の捕捉分子102から構成されている。第一の捕捉分子102とは、分析対象生体分子103を特異的に捕捉する分子であり、例えば、分析対象生体分子103の所定の領域をエピトープとする抗体を使用することができる。ここで、分析対象生体分子103を特異的に捕捉するとは、第一の捕捉分子102が抗体である場合、分析対象生体分子103に対する結合定数(Ka)が他の物質に対する結合定数より有意に高いことを意味する。なお、第一の捕捉分子102には、分析対象生体分子103に合わせて、抗体や核酸分子を用いることができる。
微粒子101には、金属、シリカ、高分子などの微粒子、フェライトを含有した磁気微粒子のいずれを用いることができる。特に微粒子101としては非磁性微粒子を使用することが好ましい。微粒子101の比重及び平均粒径としては、特に限定されないが、比重10以上で、かつ、平均粒径が40〜300nmとすることが好ましい。
微粒子101の材料としては、表面修飾が容易にできる材料が好ましい。例えば、金、白金からなる微粒子101を用いれば、チオール基が選択的に表面に固定されるため、容易に表面修飾することが可能であり、第一の捕捉分子102を微粒子101の表面に結合させることができる。例えば、金、白金からなる微粒子の表面にアミノチオールを固定した微粒子101を用い、第一の捕捉分子102を抗体とした場合、抗体のカルボキシル基とアミノチオールのアミノ基を1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸を用いたカップリング反応で容易に結合できる。微粒子101の材料としてタングステンを用いた場合には、リン酸が選択的に表面の酸化膜と結合することから、リン酸化合物で表面修飾することができる。例えば、アミノリン酸化合物を用いることで、金や白金の場合と同じように第一の捕捉分子102として抗体を固定できる。この場合、微粒子101には、抗体の活性を保ったまま結合できる二次抗体、プロテインA又はプロテインG修飾の微粒子を使用することができる。これらの微粒子101は市販されており、容易に入手することができる。例えば、金の微粒子101を用いる場合には、KPL社金コロイド標識製品Anti-Mouse IgG (H+L) Antibody, Gold labeledを利用することができる。Anti-Mouse IgG修飾微粒子に対して約10倍以上の一次抗体を混合しインキュベートすることで、第一の捕捉分子102として抗体を固定した微粒子101を得ることができる。
また、固定反応分子104は、第二の捕捉分子105と第二の結合分子106から構成されている。これら第二の捕捉分子105と第二の結合分子106は、直接的に結合していても良いが、例えば炭素数5〜20の炭化水素鎖を介して結合していても良い。炭化水素鎖としてはアルキル鎖を例示できるが、分岐側鎖を有しても良いし所定の官能基を側鎖に有しても良い。ここで、第二の捕捉分子105とは、分析対象生体分子103を特異的に捕捉する分子である。よって、第二の捕捉分子105には、上述した第一の捕捉分子102と同様に、分析対象生体分子103に合わせて抗体や核酸分子を用いることができる。ただし、第一の捕捉分子102と第二の捕捉分子105とは、互いに分析対象生体分子103の異なる領域を特異的に捕捉する。すなわち、例えば第一の捕捉分子102と第二の捕捉分子105が抗体である場合、第一の捕捉分子102と第二の捕捉分子105は、それぞれ分析対象生体分子103における異なる領域をエピトープとする。
なお、分析対象生体分子103が核酸分子の場合には、第一の捕捉分子102及び第二の捕捉分子105として核酸を用いるのが好ましいが、塩基配列を設計する場合には、融解温度、反応バッファー、反応温度を十分考慮する必要があることは言うまでもない。
図1に示す例において複合体107は、微粒子101及び第一の捕捉分子102からなる被検出支持体と分析対象生体分子103と固定反応分子104とを接触させることで形成することができる。より具体的には、分析対象生体分子103を含む試料と、被検出支持体及び/又は固定反応分子104を含む溶液とを混合することで、複合体107を形成することができる。ここで、分析対象生体分子103を含む試料とは、上述のように、血液、血清、尿、乳汁、唾液、組織片及び培養細胞等の生体サンプル自体や、希釈、濃縮、遠心分離及び破砕等の各種処理を生体サンプルに施して得られる処理サンプルを含む意味である。
反応時には、反応液を入れた容器を回転させるなど、反応液を攪拌させることが好ましい。また、複合体107を形成するための反応時間は、特に限定されないが、30分以下とすることが好ましく、15分以下とすることがより好ましい。この範囲の反応時間とすることで、通常の臨床検査試験に用いることが可能となる。また、反応時間については、反応液中の被検出支持体の濃度及び/又は固定反応分子104の濃度により適宜調整することができる。
このとき、微粒子101には、分析対象生体分子103が一分子だけ捕捉されることが好ましい。そのため、微粒子101及び第一の捕捉分子102からなる被検出支持体は、反応液中の分析対象生体分子103よりも多いことが好ましく、反応液中の分析対象生体分子103の個数より10倍以上の個数を反応液中に投入することがより好ましい。例えば、試料液の液量が50μlとし、検出する分析対象生体分子103の濃度を1pMとすると、使用する被検出支持体は、少なくとも、3×10個以上、より好ましくは3×10個以上用いることが好ましい。微粒子101の数をこの範囲とすることで、1つの微粒子101に対して複数の分析対象生体分子103が結合することを防止することができる。
上述のように形成された複合体107は、図1に示すように、固定反応分子104を介して支持基板109に固定することができる。支持基板109としては、薄い石英ガラス基板やシリコン基板など平滑性に優れた基板材料が光学測定上好ましい。支持基板109は、固定反応分子104における第二の結合分子106と結合することで、固定反応分子104を固定する第一の結合分子108を有している。ここで、第一の結合分子108と第二の結合分子106には、例えば、アビジンとビオチンを用いることができる。例えば、支持基板109としては薄い石英ガラス基板やシリコン基板を用いた場合には、ビオチンを官能基として末端に有するシラン化合物を用いることで、容易に、支持基板109の表面に第一の結合分子108としてビオチンを導入することができる。例えば、Nanocs Inc.社製のSilane-PEG-Biotin, MW 5000を利用することができる。第一の結合分子108としてアビジンを用いる場合には、ビオチンを支持基板109の表面に導入後、過剰のアビジンを付与することで、容易に実現できる。第二の結合分子106は第二の捕捉分子105と結合して固定反応分子104を形成することから、第二の結合分子106はあまり大きな分子は好ましくない。したがって、第二の結合分子106にビオチンを、第一の結合分子108としてアビジンを用いる組合せがより好ましい。第二の捕獲分子105として抗体を用いる場合には、市販のビオチン化抗体を固定反応分子104として用いることができる。
上述のように複合体107を形成した後、複合体107を含む反応液を支持基板109上に載せ、所定の時間反応させる。反応を促進するため、空気を断続的に支持基板109上の反応液に吹きかけ、攪拌することが好ましい。乾燥を防ぐ目的で、フローチャンバー中に支持基板109と反応液を密閉して反応させる方法も好ましい。その場合、攪拌を目的に、反応液をフローチャンバー中でおだやかに動かすことも反応促進の点で好ましい。例えば、外部より振動波を印可する方法や、ヒーターで加熱して反応液中に対流をおこし、液を攪拌する方法を用いることができる。
所定の時間反応させた後、未固定の微粒子101や固定反応分子104、複合体107以外のその他の成分を洗浄工程により支持基板109上から除去する。洗浄工程は、例えば、フローチャンバー中に洗浄液をおだやかに流すことで容易に行うことができる。
なお、上述した複合体107を形成する際の反応液及び複合体107を固定した後に使用する洗浄液には、リン酸バッファーなどの一般的なバッファー液を用いることができる。さらに、複合体107を形成する際の反応液には、非特異吸着を低減するために、BSAなどのいわゆるブロッキング剤を添加することもできる。
以上の工程によって、分析対象生体分子103を含む複合体107を支持基板109の表面に固定することができる。このとき、複合体107は、外部磁界によることなく自重で支持基板109の表面に固定される。よって、複合体107は、重なり合うことなく、支持基板109の表面に分散して固定することができる。
次に、支持基板109に固定された複合体107について、被検出支持体を光学的に検出する。すなわち、複合体107を固定した支持基板109の表面の画像を取得することで、複合体107に含まれる微粒子101を光学的に検出することができる。なお、このとき、フローチャンバー等の反応容器内に、複合体107を固定した支持基板109を洗浄液とともに封入した状態で、画像取得工程を行うことが、明瞭な画像を得るうえで好ましい。
このとき、画像取得の方法としては、散乱画像を取得することが簡便である点で好ましい。予め、微粒子101に蛍光色素を含有させておき、蛍光画像を取得する方法も好ましい。また、微粒子101として金や白金微粒子を用いた場合には、微粒子からのフォトルミネッセンスが600nmから800nmにかけて観察され、これを検出して微粒子画像を得ることも好ましい。支持基板109の全面の画像を取得するため、支持基板109の全面をスキャンできるように可動ステージ上に支持基板109を設置して画像取得することが好ましい。
次に、得られた画像から、支持基板109に固定された複合体107を計数する。上述のように、得られた画像からは、微粒子101を光学的に検出することができる。よって、微粒子101に基づく信号強度とバックグラウンドとを予め計測し、微粒子101の存在が認められる閾値を予め設定しておく。得られた画像において、予め設定された閾値を超える信号強度を示すスポットを計数することで、支持基板109に固定された複合体107を計数することができる。このような画像の数値処理には、Image-Jなどの簡便な画像処理ソフトウエアを用いることができる。
このとき、上述した方法では、異なる複数種類の微粒子101を使用することによって、複数の分析対象生体分子103を同時に分析することができる。たとえば、複数の分析対象生体分子103について、異なる蛍光波長を生じる複数種類の微粒子101を使用すれば、得られた画像(蛍光画像)から蛍光波長に基づいて区別可能な複数のスポットを検出できる。これにより、上述したような一連の工程によって、複数の分析対象生体分子103を同時に分析することができる。
以上のようにして、分析対象生体分子103を分析することができる。上述のように、本生体分子分析方法によれば、所定の試料に含まれる極微量の分析対象生体分子103であっても定量的に分析できることが判る。すなわち、所定の試料全体から生じる蛍光強度を測定し、試料中に含まれる生体分子を測定した蛍光強度に基づいて定量する方法とは異なり、本生体分子分析方法では分析対象生体分子103を一分子レベルで検出することができる。
なお、本生体分子分析方法においては、予め、分析対象生体分子103の濃度が既知である複数の試料を上述のように計測することで検量線を作成しておき、分析対象生体分子103の濃度未知の試料の計測結果を検量線と照らし合わせることで、濃度未知試料における分析対象生体分子103の濃度を決定することもできる。
特に、上述した生体分子分析方法においては、比重10以上で、かつ、平均粒径が40〜300nmである微粒子101を用いた場合、複合体107を自重で支持基板109へ沈降させる際の時間を10分以下とすることができる。したがって、微粒子101の比重及び平均粒径を比重10以上で、かつ、平均粒径が40〜300nmとした場合、全体の解析時間を30分以下にすることでき臨床検査装置へ適用することができる。
ところで、生体分子分析方法及び生体分子分析装置は図1に示す実施形態に限定されず、図2に示す他の実施形態としても良い。図2に示す実施形態では、複合体を構成する固定反応分子として複数の第二の結合分子を有するものを用いている。
図2に示す実施形態において、分析対象生体分子203に対して特異的に結合する第一の捕捉分子202を表面に固定した微粒子201を、図1に示した実施形態と同様な方法により予め作製する。また、図2に示す実施形態において、支持基板209は、表面に導入されたリンカー分子210と、リンカー分子210を介して固定された第一の結合分子208とを備えている。
図2に示す実施形態において、固定反応分子204は、図1に示した実施形態と同様に、分析対象生体分子203に対して第一の捕捉分子202とは異なる認識部位に特異的に結合する第二の捕捉分子205を備えている。図2に示す実施形態の固定反応分子204は、第一の結合分子208と特異的に結合する第二の結合分子204として、塩基配列部211を複数個有する核酸分子206を備えている。すなわち、図2に示す実施形態の固定反応分子204は、第二の捕捉分子205と核酸分子206とから構成されている。
本実施形態では、複合体207を形成した後に、第一の結合分子208を固定した支持基板209に複合体207を含む反応液を供給する。これにより、複合体207における核酸分子206が第一の結合分子208と結合することで、複合体207を支持基板209に固定することができる。特に、本実施形態では、核酸分子206が複数の塩基配列部211を有しており、個々の塩基配列部211それぞれが第一の結合分子208と結合することができる。よって、核酸分子206と第一の結合分子208との結合は、複数の塩基配列部211が寄与している場合が多くなる。これにより、複合体207の支持基板209への結合確率を向上させることができる。例えば、微粒子201の平均粒径を大きくした場合、支持基板209に自重で沈降する速度が速く測定時間が短くなる点で好ましいが、微粒子201の表面に導入される第二の結合分子が一分子だけであるため、支持基板209への結合確率が低下することが、大きな問題として考えられる。しかしながら、本実施形態のように、複数の塩基配列部211が結合できるとすると上記結合確率を大幅に向上させることができる。
より具体的に、複数の塩基配列部211としては、特定のタンパク質に特異的に結合する特定の塩基配列、すなわちアプタマー配列が用いることができる。例えば、支持基板209として石英ガラス基板、リンカー分子210としてビオチン化シラン(例えば、Nanocs Inc.社製のSilane-PEG-Biotin, MW 5000)及び第一の結合分子208としてストレプトアビジンを用いた場合、ストレプトアビジンに結合するアプタマー配列を塩基配列部211として使用することができる。ストレプトアビジンに結合するアプタマー配列については、参考文献であるJiangrong Q. et al, Anal. Chem, 81; p5490-5495 (2009)に開示されている。より具体的には、表1に示すように、ストレプトアビジンに結合するアプタマー配列として配列番号1〜3の塩基配列からなるDNAを挙げることができる。
Figure 2015055568
複数の塩基配列部211からなる核酸分子206は、ローリングサイクルアンプリフィケーション反応を用いて容易に取得することができる。核酸分子206と第二の捕捉分子205との結合は、核酸分子206の末端にアミノ基を修飾しておき、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸を用いたカップリング反応で容易に実現できる。
特に、表1に示したアプタマー配列を20個程度有した核酸分子206を用いることで、粒径100nmの微粒子201を結合確率約40%で結合できることを確認している。微粒子201に導入された第二の結合分子204がビオチン分子1個の場合の結合確率は5%程度であった。両者を比較することで、第二の結合分子を複数入れることの効果、また、そのために、支持基板209に固定した第一の結合分子208と結合する塩基配列部211を複数有する核酸分子206を固定反応分子204の構成分子とすることの効果が確認された。さらに、表1に示したアプタマー配列を60個程度有した核酸分子206を用いることで、粒径100nmの微粒子201を結合確率約70%で結合できることを確認している。このことから、表1に示したアプタマー配列をより多く有した核酸分子206を用いることで、微粒子201の結合確率が向上する効果も確認された。
以上のように、図1及び2に示した実施形態は、例えば、図3に示すような装置構成を有する生体分子分析装置により実現することができる。図3に示す生体分子分析装置は、上述した支持基板307(図1に示す実施形態における支持基板109、図2に示す実施形態における支持基板209)と、分析対象生体分子と被検出支持体と固定反応分子とからなる複合体を形成する反応容器304と、複合体を含む反応溶液を反応容器304から支持基板307上に供給する反応溶液供給装置305と、支持基板上に固定された複合体を検出・計数する検出装置とを含む。
より詳細には生体分子分析装置は、支持基板307を載置する可動ステージ308を備え、流路を設けた流路部材を支持基板307上に貼り合せてなる計測用フローセル309を備える。流路部材として、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)を使用することができる。
生体分子分析装置は、分析対象生体分子の試料溶液槽302、微粒子及び第1の捕捉分子からなる被検出支持体を供給する溶液槽301、固定反応分子を供給する溶液槽303を備えている。これら試料溶液槽302と溶液槽301と溶液槽303とは、上述した反応容器304に連結されている。また、生体分子分析装置は、バルブ320、321及び322を備えている。これらバルブ320、321及び322を開くことで、分析対象生体分子、被検出支持体及び固定反応分子を反応容器304に供給することができる。
また、生体分子分析装置では、反応容器304と反応溶液供給装置(以下、送液ユニット)305とを、バルブ315を介して連結している。反応容器304における複合体形成反応が終了した後、バルブ315を開放することによって、所定量を送液ユニット305に供給することができる。このようにバルブ315を開けて送液ユニット305で反応液を吸引した後、バルブ315を閉めるとともにバルブ310、316を開け、送液ユニット305から反応液を計測用フローセル309に供給し、バルブ310、316を閉じる。これにより、複合体を支持基板307に接触させることができる。所定の時間反応液を計測用フローセル309中で支持基板307上に静置することで、複合体を支持基板307と反応させる。反応終了後、バルブ318を開けて洗浄液槽317から洗浄液を送液ユニット305に送り、バルブ318を占め、バルブ310、316を開けて、送液ユニット305から計測用フローセル309へ洗浄液を送り、廃液槽315へ洗浄液を送ることで未反応の微粒子を支持基板307上から除去する。この洗浄工程を所定の回数行ったのち、再度計測用フローセル309中に洗浄液を入れた状態で、支持基板307の表面について画像観察を行う。
図3に示した生体分子分析装置では、光源312とダイクロイックミラー313とフィルター319と対物レンズ311からなる光学系と、2次元CCDカメラ314とを含む検出装置を備える。なおこの検出装置は、2次元CCDカメラ314で撮像した画像をコントローラ306に出力することができる。コントローラ306では、2次元CCDカメラ314で撮像した画像に基づいて、支持基板307に固定された複合体を計数することができる。なお、コントローラ306は、複合体の計数のみではなく、バルブ310、316、318、320、321、322及び323の開閉動作、送液ユニット305による反応液の吸引及び排出動作、稼働ステージ308の移動動作及び光学系の動作を制御することができる。これら制御は操作者により予め設定された条件に基づいて自動的に行うことができる。
生体分子分析装置の光学系では、光源312の光をダイクロイックミラー313によって対物レンズ311に導き、支持基板307上に照射する。微粒子から発せられる蛍光又は散乱光は対物レンズ311で集められた後、フィルター319を通過後、ダイクロイックミラー313を通過し、2次元CCDカメラ314の感光面上に結像される。蛍光及び散乱光のいずれを観察するかは、フィルター319の透過率を制御することで実現できる。このとき、支持基板307の一部を観察しても良いが、支持基板307の全面を観察しても良い。支持基板307の全面を観察するには、例えば、可動ステージ308を動作させ、支持基板307全面をスキャンする方法を挙げることができる。支持基板307の全面を観察することによって、取得した画像に含まれる輝点数を増やすことができ、分析における定量性を高めることができる。図4に実際に得られた、直径40nmの金微粒子の散乱画像を示す。視野は横430μm、縦330μmである。図4に示すように、鮮明な微粒子画像が取得できることが確認された。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例1では、PSA(prostate cancer specific antigen)を検出すべき対象タンパク質として、本発明の分析方法の妥当性を検証した。金微粒子に、KPL社金コロイド標識製品Anti-Mouse IgG (H+L) Antibody, Gold labeledを用いた。Anti-Mouse IgG修飾微粒子に対して約10倍量の一次抗体(Abcam社製 PSA mouse mAb PS2)を混合しインキュベートすることで、PSAの一次抗体付き微粒子を得た。第二の捕捉分子として、R&D system社製 Human Kallikrein 3/PSA Affinity Purified Polyclonal Ab, Goat IgG (製品番号AF1344)を用いた。第二の結合分子として、ストレプトアビジンに結合するアプタマー配列(配列番号1)を60分子含む核酸分子をRCA反応で合成した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(同仁化学社製)を用いたカップリング反応で、第二の捕捉分子と第二の結合分子を結合させた。PSAには、R&D system社製 Recombinant Human Kallikrein 3/PSAを用い、PSA濃度を1fM、10fM、100fM又は1000fMに調整した。ベースラインを測定するため、PSAを含まない反応液も調整した。一次抗体付き金微粒子2pM、PSA(1fM〜1000fM)、第二の結合分子を結合させた第二の捕捉分子1nMを、反応液の容量を50μlとして30分間反応させた。反応後、卓上遠心機で、金微粒子を沈降させ、上精の未反応液を除去し、リン酸バッファーを50ul加えて再分散させた。この洗浄を5回繰り返すことで、未反応成分を十分に除去した。
一方、硫酸−過酸化水素水洗浄液で洗浄した石英基板を、Nanocs Inc.社製Silane-PEG-Biotin (MW 5000)1μMのエタノール溶液に1時間ほど浸漬処理し、70℃で一時間乾燥後、ストレプトアビジン水溶液(1μM)と1時間反応させて、石英基板上にストレプトアビジンを導入した基板を作製した。
各PSA濃度の溶液と反応させた前記金微粒子分散液を、各々異なる前記ストレプトアビジン導入基板上に適下・反応させた。反応後、基板をリン酸バッファーで3回洗浄した。
基板をXYステージに載せ、散乱画像を蛍光顕微鏡(光源:100W水銀、対物レンズ:×20、NA:0.5)で観察した。視野サイズは、330μm×430μmで、約250視野を観察し、Image-Jにて画像解析を行い、視野当たりの平均金微粒子数を算出した。PSAを含まない反応液の金微粒子数をベースラインと判断し、各PSA濃度の金微粒子数から差し引いた。横軸にPSA濃度、縦軸に視野当たりの平均金微粒子数をプロットしたものを図5に示す。図5から明らかなように、1fMまでリニアリティが保持されていることが判る。この結果から、観察された金微粒子数に基づいて、試料のPSA濃度を1fMレベルまで定量できることが明らかとなった。
101…微粒子、102…第一の捕捉分子、103…分析対象分子、104…固定反応分子、105…第二の捕捉分子、106…第二の結合分子、107…複合体、108…第一の結合分子、109…支持基板、201…微粒子、202…第一の捕捉分子、203…分析対象分子、204…固定反応分子、205…第二の捕捉分子、206…核酸分子、207…複合体、208…第一の結合分子、209…支持基板、210…リンカー分子、301…溶液槽、302…試料溶液槽、303…溶液槽、304…反応容器、305…送液ユニット、306…コントローラ、307…支持基板、308…可動ステージ、309…計測用フローセル、310…バルブ、311…対物レンズ、312…光源、313…ダイクロイックミラー、314…2次元CCDカメラ、315…廃液槽、316…バルブ、317…洗浄液槽、318…バルブ、319…フィルター、320…バルブ、321…バルブ、322…バルブ、323…バルブ

Claims (11)

  1. 分析対象生体分子を選択的に捕捉する第一の捕捉分子を有する被検出支持体と、第一の結合分子を有する支持基板と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第二の捕捉分子と前記支持基板表面上の前記第一の結合分子に結合する第二の結合分子とを有する固定反応分子とを用い、前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とを接触させる工程と、
    前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とからなる複合体を、前記第一の結合分子及び前記第二の結合分子を介して前記支持基板に固定する工程と、
    前記支持基板上に固定された複合体を前記被検出支持体に基づいて光学的に検出し、これに基づいて前記支持基板上に固定された複合体を計数する工程を含む、生体分子分析方法。
  2. 前記第一の捕捉分子及び前記第二の捕捉分子は、それぞれ前記分析対象生体分子の異なる領域をエピトープとする抗体である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  3. 前記第一の結合分子及び前記第二の結合分子は、それぞれアビジン及びビオチン又はそれぞれビオチン及びアビジンである、請求項1記載の生体分子分析方法。
  4. 前記第二の結合分子は、前記第一の結合分子と特異的に結合する塩基配列を有する核酸分子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  5. 前記第二の結合分子は、前記第一の結合分子と特異的に結合する塩基配列からなるポリヌクレオチド単位を複数単位有する核酸分子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  6. 前記被検出支持体は微粒子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  7. 前記被検出支持体は非磁性微粒子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  8. 前記被検出支持体は、比重10以上であり、かつ平均粒径が40〜300nmの微粒子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  9. 前記被検出支持体は、金、白金及びタングステンからなる群から選ばれる元素を含む微粒子である、請求項1記載の生体分子分析方法。
  10. 第一の結合分子を有する支持基板と、
    分析対象生体分子と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第一の捕捉分子を有する被検出支持体と、前記分析対象生体分子を選択的に捕捉する第二の捕捉分子と前記支持基板表面上の前記第一の結合分子に結合する第二の結合分子とを有する固定反応分子とを接触させる反応容器と、
    前記被検出支持体と前記固定反応分子と前記分析対象生体分子とからなる複合体を含む反応溶液を前記反応容器から前記支持基板上に供給する反応溶液供給装置と、
    前記支持基板上に固定された前記複合体を前記被検出支持体に基づいて光学的に検出し、これに基づいて前記支持基板上に固定された複合体を計数する検出装置とを含む、生体分子分析装置。
  11. 前記検出装置は、蛍光、フォトルミネッセンス、散乱光から選ばれる少なくとも一つの光学画像を取得する撮像装置を備え、当該撮像装置により前記被検出支持体を検出する、請求項10記載の生体分子分析装置。
JP2013189631A 2013-09-12 2013-09-12 生体分子分析方法及び生体分子分析装置 Pending JP2015055568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189631A JP2015055568A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 生体分子分析方法及び生体分子分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189631A JP2015055568A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 生体分子分析方法及び生体分子分析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015055568A true JP2015055568A (ja) 2015-03-23

Family

ID=52820053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013189631A Pending JP2015055568A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 生体分子分析方法及び生体分子分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015055568A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018078967A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 シャープ株式会社 蛍光検査システム、分子検査方法及び蛍光検査方法
JP2018146327A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 株式会社日立ハイテクノロジーズ 生体分子分析装置および生体分子分析方法
JP2018167654A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 付着物の定量分析による防汚性能評価方法及び防汚性能評価システム
WO2023079962A1 (ja) * 2021-11-04 2023-05-11 株式会社日立ハイテク 免疫分析方法および免疫分析装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002074978A2 (en) * 2001-03-19 2002-09-26 President And Fellows Of Harvard College Nucleic acid shuffling
US20060105341A1 (en) * 2002-10-11 2006-05-18 Krause Henry M Trap-tagging: a novel method for the identification and purification of rna-protein complexes
JP2009517652A (ja) * 2005-11-25 2009-04-30 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 強結合対の構築による高感度磁気捕獲分析
JP2009545747A (ja) * 2006-08-02 2009-12-24 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー 標的を検出及び/又は選別する方法並びにシステム
JP2010002393A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Canon Inc 標的物質の検出方法
WO2013051651A1 (ja) * 2011-10-05 2013-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 生体分子分析方法及び生体分子分析装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002074978A2 (en) * 2001-03-19 2002-09-26 President And Fellows Of Harvard College Nucleic acid shuffling
US20060105341A1 (en) * 2002-10-11 2006-05-18 Krause Henry M Trap-tagging: a novel method for the identification and purification of rna-protein complexes
JP2009517652A (ja) * 2005-11-25 2009-04-30 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 強結合対の構築による高感度磁気捕獲分析
JP2009545747A (ja) * 2006-08-02 2009-12-24 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー 標的を検出及び/又は選別する方法並びにシステム
JP2010002393A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Canon Inc 標的物質の検出方法
WO2013051651A1 (ja) * 2011-10-05 2013-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 生体分子分析方法及び生体分子分析装置

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BING, T. ET AL.: "Bifunctional combined aptamer for simultaneous separation and detection of thrombin", BIOSENSORS AND BIOELECTRONICS, vol. 25, JPN6017046517, 11 November 2009 (2009-11-11), pages 1487 - 1492, ISSN: 0003832544 *
BING, T. ET AL.: "Conservative secondary structure motif of streptavidin-binding aptamers generated by different labor", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 18, JPN6017046516, 28 January 2010 (2010-01-28), pages 1798 - 1805, ISSN: 0003832543 *
BING, T. ET AL.: "Specific interactions between adenosine and streptavidin/avidin", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 22, JPN6017046518, 2 October 2012 (2012-10-02), pages 7052 - 7055, ISSN: 0003696223 *
LIANG, S. AND CONNELL, G. J.: "An electrochemiluminescent aptamer switch for a high-throughput assay of an RNA editing reaction", RNA, vol. 15, JPN6017046519, 20 August 2009 (2009-08-20), pages 1929 - 1938, ISSN: 0003696224 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018078967A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 シャープ株式会社 蛍光検査システム、分子検査方法及び蛍光検査方法
JPWO2018078967A1 (ja) * 2016-10-27 2019-10-03 シャープ株式会社 蛍光検査システム、分子検査方法及び蛍光検査方法
US10890528B2 (en) 2016-10-27 2021-01-12 Sharp Kabushiki Kaisha Fluorescent testing system, molecular testing method, and fluorescent testing method
JP2018146327A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 株式会社日立ハイテクノロジーズ 生体分子分析装置および生体分子分析方法
JP2018167654A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 付着物の定量分析による防汚性能評価方法及び防汚性能評価システム
WO2023079962A1 (ja) * 2021-11-04 2023-05-11 株式会社日立ハイテク 免疫分析方法および免疫分析装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gao et al. Simultaneous immunoassays of dual prostate cancer markers using a SERS-based microdroplet channel
Yang et al. Automated support-resolution strategy for a one-way chemiluminescent multiplex immunoassay
EP2960651B1 (en) Bioanalysis device and biomolecule analyser
JP2016517529A (ja) アレルギー及び自己免疫疾患に関する診断分析を行うための自動化された免疫分析計システム
JP5853703B2 (ja) アナライト検出プローブ、アナライト検出試薬およびこれを用いたアナライトの検出方法
JP2014502731A (ja) タンパク質検出方法
KR101486149B1 (ko) 경쟁 면역반응을 이용한 표면-증강 라만 산란 기반의 질병 진단용 마커 검출 방법
US20230375547A1 (en) Methods, devices, and related aspects for detecting ebola virus
US9383371B2 (en) Method of sequential and multiple immunostaining for detection of various antigens in the same specimens
Wu et al. A universal and enzyme-free immunoassay platform for biomarker detection based on gold nanoparticle enumeration with a dark-field microscope
JP2015055568A (ja) 生体分子分析方法及び生体分子分析装置
JP2010145272A (ja) プラズモン励起センサを用いたアッセイ法
US20120058548A1 (en) Detection of biotargets using bioreceptor functionalized nanoparticles
JP2010281595A (ja) リガンド分子の検出方法
JP2012242162A (ja) 標識用複合粒子
CN106460056A (zh) 新型试样内检测对象物的检测方法及利用其的检测试剂盒
EP3851854A1 (en) Biomaterial-detecting microparticle and biomaterial detection method using same
JP4972295B2 (ja) 免疫分析方法及びバイオチップ
Sonawane et al. Detection, quantification, and profiling of PSA: current microarray technologies and future directions
WO2012124763A1 (ja) 組織評価方法
JP6769360B2 (ja) 蛍光体集積粒子複合体を用いた多段階蛍光染色方法および蛍光体集積粒子複合体
JP2023144054A (ja) フェリチン測定試薬
KR20160033580A (ko) 표면-증강 라만 산란 기반의 면역 분석에 의한 류마티즘 마커 검출 방법
EP4119945A1 (en) Highly sensitive immunoconjugate, preparing method thereof, in vitro diagnostic reagent and in vitro diagnostic kit including the same
KR20200102886A (ko) 항-cyfra21-1 자가항체-항원 결합체 및 cyfra21-1 항원 마커의 검출방법 및 이들 마커의 비율을 이용한 폐암 진단키트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180710