JP2012149213A - インク組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造・取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
これまでの研究により、インクジェット記録用インクの性能の改善が行われてきている。特許文献1には、特定のピラゾリルアゾ色素により、インクジェット記録用インクに要求される良好な色相と堅牢性の高さを両立できることが開示されている。また、特許文献3及び4にも特定のピラゾリルアゾ色素が記載されている。
この現象は、写真画質用のインクジェット専用光沢紙において特に顕著であり、写真画質が重要な特徴のひとつとなっている現在のインクジェット記録方式にとって大きな問題であった。
少なくとも、第1の色材である下記一般式(Y)で表される化合物、及びホスホネート化合物を含有するインク組成物。
一般式(Y)
[2]
更に、第2の色材として下記群Aから選択される少なくとも1種の化合物を含有し、前記第2の色材のインク組成物中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク組成物中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.001以上1.0以下である、前記[1]に記載のインク組成物。
[3]
前記群Aより選択される化合物が、1、2、3及び8から選ばれる少なくとも1種である前記[2]に記載のインク組成物。
[4]
前記一般式(Y)で表される化合物において、Mの主成分がK+イオンであり、群Aより選択される化合物において、Mの主成分がK+イオンである前記[2]又は[3]に記載のインク組成物。
[5]
前記一般式(Y)で表される化合物及び群Aより選択される化合物におけるMが全てK+イオンである前記[2]〜[4]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[6]
前記第1の色材の含有量が、インク組成物全質量を基準として、0.1〜20質量%である前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[7]
前記第2の色材のインク組成物中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク組成物中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.001以上0.2以下である前記[2]〜[6]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[8]
前記第2の色材のインク組成物中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク組成物中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.01以上0.2以下である前記[2]〜[7]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[9]
前記ホスホネート化合物が、アミノトリ(メチレン−ホスホン酸)のナトリウム塩、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸のナトリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩、及びヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)のカリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1つである前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[10]
前記ホスホネート化合物の含有量が、インク組成物全質量を基準として、0.05質量%以上0.8質量%以下である前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[11]
前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載のインク組成物を含有するインクジェット記録用インク。
[12]
前記[11]に記載のインクジェット記録用インクを用いる、インクジェット記録方法。
[13]
支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インク滴が前記[11]に記載のインクジェット記録用インクからなる、インクジェット記録方法。
本発明のインク組成物(インクともいう)は、少なくとも、第1の色材である下記一般式(Y)で表される化合物、及びホスホネート化合物を含有する。
一般式(Y)
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク組成物及びそれを用いたインク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。式(Y−1)で表される化合物は新規なアゾ化合物であり、一般式(Y)で表される化合物、及び式(Y−1)で表される化合物は本発明のインク組成物に有用である。また、以下の記載において、第1の色材である、一般式(Y)で表される化合物、及び式(Y−1)で表される化合物は、それぞれ「一般式(Y)の化合物」、及び「式(Y−1)の化合物」と省略して記載することがある。また、第2の色材である、群Aから選択される少なくとも1種の化合物は、「群Aの化合物」と省略して記載することがある。
〔一般式(Y)で表される化合物〕
本発明のインク組成物において使用する第1の色材は、一般式(Y)で表される。以下に、一般式(Y)で表される化合物について説明する。一般式(Y)で表される化合物は水溶性アゾ染料(イエロー)である。また、一般式(Y)で表される化合物を「アゾ染料」と表記する場合がある。
一般式(Y)
一般式(Y)で表される染料において、少なくとも1つのMがK+イオンであることが好ましく、Mの主成分であるカウンターカチオンがK+イオンであることがより好ましく、全てのMがK+イオンであることが特に好ましい。
上記一般式(Y)の化合物の中でも特に、下記式(Y−1)の化合物を使用することが好ましい。
式(Y−1)
〔群A〕
本発明のインク組成物は、第1の色材として使用する上記で説明した前記一般式(Y)の化合物に加えて、インク組成物の貯蔵安定性、インクの着色性、印画物の画像堅牢性に優れるという特徴を有する第2の色材を含有することが好ましい。本発明では、第2の色材として、下記群Aから選択される少なくとも1種の化合物を用いる。下記群Aから選択される少なくとも1種の化合物の中でも、特に化合物1、2、3、5、6又は8が好ましく、1、2、3、6又は8がより好ましく、1、2、3、又は8が更に好ましい。
群Aから選択される化合物は、一般的な合成法で合成することが可能であり、例えば特開2004−083903公報中に記載のジアゾ成分及びカップリング成分を変更、種々組み合わせることで一般式(Y)又は式(Y−1)と同様に合成することができる。
一般式(Y)で表される化合物及び群Aより選択される化合物のイオン性親水性基のカウンターカチオンMの主成分がK+イオンであれば、着色剤組成物又はインク溶液中の溶解性が高くなり、塩の形成・析出を抑制しインク組成物又はインク溶液の貯蔵安定性を大幅に向上することができるためである。
また、一般式(Y)で表される化合物及び群Aより選択される化合物におけるMが全てK+イオンであることがより好ましい。これによりインク組成物又はインク溶液の貯蔵安定性を大幅に向上することができるためである。
本発明においては、一般式(Y)で表される化合物において、Mの主成分がK+イオンであり、群Aより選択される化合物において、Mの主成分がK+イオンであることが特に好ましいく、一般式(Y)で表される化合物及び群Aより選択される化合物におけるMが全てK+イオンであることが最も好ましい。
本発明で用いる色材がインク組成物及びインク中に含まれているか否かの検証には、液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての最大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのm/z(posi)、m/z(nega)
・装置:Agilent1100(アジレント・テクノロジー社製)
・カラム:YMC AM−312 内径 6.0 mm× 長さ 150 mm(ワイエムシー社製)
・溶離液:A液 超純水+0.1%酢酸、0.2%トリエチルアミン
B液 メタノール+0.1%酢酸、0.2%トリエチルアミン
・移動相及びグラジエント条件:(表1(表1中、B.Conc.はB液の濃度を意味する))
・装置:Applied BiosystemsTM QSTAR pulseri(ライフテクノロジー社製)
・イオン化法:ESI(posi)
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出法:TOF−MS
・検出範囲:120〜1500
なお、Mは例えば、イオンクロマトグラフによる測定により検証することができる。
イオンクロマトグラフ測定条件:
装置:パーソナルイオンアナライザPIA−1000(島津製作所製)
カラム:カチオン分析用セミミクロカラムShim−pack IC−C3(S)(内径2mm × 長さ100mm)
移動相:2.5 mMシュウ酸水溶液
カラム温度:35℃
流速:0.2mL/分
〔色材の含有量〕
本発明のインク組成物は、インク原料として、着色剤を高い濃度で含む濃厚水溶液とすることができる。濃厚水溶液の着色剤濃度は15質量%以下、好ましくは12質量%以下であることが染料の経時安定性、取り扱いの容易さ(粘度)の点で好ましく、染料の経時安定性の向上や輸送コストの抑制の観点から、8質量%以上の濃度であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、インクジェット用インクとすることもできる。インクジェット用インクの着色剤濃度はインク粘度や、印画物の濃度の点で、1〜12質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜6質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、少なくとも、第1の色材と、少なくとも1種のホスホネート化合物とを水性媒体中に含有するインク組成物であることが好ましく、少なくとも、第1の色材及び第2の色材の2つの色材と、少なくとも1種のホスホネート化合物とを水性媒体中に含有するインク組成物であることがより好ましい。
また本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして用いられることが好ましい。すなわち、本発明は本発明のインク組成物を含有するインクジェット記録用インクにも関する。インクジェット記録用インクにおける一般式(Y)で表される染料の含有量は、上記インク組成物中における含有量と同様である。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録用インクの原液を水等により希釈して調整することができる。一般式(Y)で表される染料のインクジェット記録用インク原液中への添加量は、広い範囲で使用可能であるが、インクジェット記録用インク原液全量に対し、好ましくは、1〜20質量%、より好ましくは、5〜15質量%である。また本発明のインクジェット記録用インクには、本発明のインク組成物が含有していてもよい後述の成分を同様に含ませることができる。
群A中の化合物2は、インク組成物全質量を基準として、0.003〜3.0質量%含まれることが好ましく、0.1〜3.0質量%含まれることがより好ましい。
群A中の化合物3は、インク組成物全質量を基準として、0.001〜1.0質量%含まれることが好ましく、0.01〜1.0質量%含まれることがより好ましい。
群A中の化合物4は、インク組成物全質量を基準として、0.00〜0.5質量%含まれることが好ましい。
群A中の化合物5は、インク組成物全質量を基準として、0.0〜0.5質量%含まれることが好ましい。
群A中の化合物6は、インク組成物全質量を基準として、0.0〜0.5質量%含まれることが好ましい。
群A中の化合物7は、インク組成物全質量を基準として、0.0〜0.5質量%含まれることが好ましい。
群A中の化合物8は、インク組成物全質量を基準として、0.002〜2.0質量%含まれることが好ましく、0.05〜2.0質量%含まれることがより好ましい。
また、ポリアゾ染料などのブラック染料も使用することができる。
C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I.ベーシックブラック8、等が挙げられる。
本技術に用いられる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of
Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W.Herbst,K.Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性又は塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC.I.Pigment Yellow 34,37,42,53など、赤系顔料のC.I.Pigment Red 101,108など、青系顔料のC.I.Pigment Blue 27,29,17:1など、黒系顔料のC.I.Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC.I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C.I.Pigment Orange 13,16など)や緑顔料(C.I.Pigment Green 7など)を使用してもよい。
(1) 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5) 特開平9−151342号、同10−140065号、同10−292143号、同11−166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
本技術に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
次に、ホスホネート化合物について説明する。
本発明のインクはホスホネート化合物を含有する。
本発明のインク組成物は、ホスホネート化合物を含有することによって、放置後に水分が蒸発したインクの再分散性が良好となり、プリンタヘッドの放置回復性を確保することができる。即ち、本発明のインクジェット記録用インクを用いた場合、通常のインクを使用した場合に必要なプリント後のプリンタヘッドのクリーニングを不要又は回数を低減することができる。
具体的には、下記の式で表される酸のナトリウム塩であるデイクエスト2016(1−ヒドロキシエチレン−1,1,−ジホスホン酸4ナトリウム塩)を挙げることができる。
次に、本発明のインク組成物が含有し得る界面活性剤について説明する。本発明で使用される界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコールのエステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、高級アルコールのリン酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、脂肪族アミン塩類、4級アンモニウム塩類等のカチオン界面活性剤、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物等のノニオン界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両性界面活性剤、フッ素系、シリコン系化合物等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を用いることができる。
本発明で用いるインク組成物は、界面活性剤を0.005〜5質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.005〜3質量%含有する。インク組成物中の界面活性剤の含有量が0.005〜5質量%の範囲にあると、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生などの印字品質の低下が起こらず、吐出時、ノズル周辺部へのインクの付着等による印字不良を抑えることができる。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。なかでも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
本発明の染料はその構造によって溶解性に多少変動があるが、本発明のインクは、染料種によってその溶解度が10(g/100g溶剤)以下となるような水混和性有機溶剤を適宜選択することが好ましい。
本発明の染料の25℃における溶解度は、より好ましくは8(g/100g溶剤)以下であり、更に好ましくは5(g/100g溶剤)以下である。
また、該水混和性有機溶剤は、少なくとも1種がアルコール及び/又はその誘導体含む2種以上からなる混合物であることが好ましい。水混和性有機溶剤の添加量は1〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。この値とすることで、インクの安定性、吐出安定性、乾燥性が良好となる傾向にある。
アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、
用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合で使用してもよい。
具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
前記有機塩基としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、アンモニウムなどが挙げられる。また、前記有機酸としては酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸などが挙げられる。前記無機酸としては、塩酸,硫酸、リン酸などが挙げられる。
本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐オゾン性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものが挙げられる。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
本発明のインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
好ましい被記録材と記録方式の組み合わせは、支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法である。
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)450mLと1,2−ジクロロエタン24.75g中に、室温で化合物(a)(2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬工業(株)製/カタログ番号019−11125))76.5gを加え、炭酸カリウム79.5gを添加後に70℃まで昇温して同温度で30分間撹拌した。引き続き、80℃の温水375mLを上記反応液中に10分間かけて滴下し、内温25℃まで冷却した。析出した結晶をろ別し、イオン交換水250mL、引き続きメタノール150mLで洗浄後70℃にて一晩乾燥して化合物(b)65.1gを得た。
アミノイソフタル酸((和光純薬工業(株)製/カタログ番号322−26175))(A)181.2gをイオン交換水1000mlに懸濁後、濃塩酸257mLを添加し、氷浴で5℃に保った。そこへ亜硝酸ナトリウム69.7gの水溶液116mlを滴下した(反応液A)。亜硫酸ナトリウム378.1gの水溶液1300mlを内温25℃で攪拌し、そこへ上記反応液Aを注入した。この状態で30分攪拌した後、内温を30℃まで加熱して、60分攪拌した。この反応液に塩酸500mLを添加し、すぐに内温50℃まで昇温した(反応液B)。この状態で90分攪拌した後に、ピバロイルアセトニトリル(東京化成(株)製/カタログ番号P1112)125.2gとイソプロパノール100mLを上記反応液Bに添加後、内温を93℃まで昇温し、240分間攪拌した。室温まで冷却後、析出した結晶(C)を吸引濾過し、結晶をイオン交換水1500mL、続いてイソプロパノール1000mLで洗浄後乾燥した。単離収率223.5g。収率73.7%。
メタンスルホン酸100mL、酢酸120mL、プロピオン酸180mL中に、室温で化合物(b)29.2gを添加し、内温を45℃まで昇温して均一溶液にした後に内温0℃まで冷却した。引き続き、NaNO214.7gとイオン交換水27mLの溶液を上記均一溶液中に内温0〜10℃を保ちながら滴下し、内温5℃で15分間撹拌して、ジアゾニウム塩を調製した。合成例2で作成したカプラー成分(C)60.6g、メタノール600mL、エチレングリコール600mLから予め作成した溶液に、内温0〜10℃を保つ速度で上記ジアゾニウム塩溶液を滴下した。引き続き、内温25℃で30分間撹拌した。析出した結晶をろ過し、メタノール250mLで洗浄後、粗結晶を650mLの水に分散し、その後内温80℃で30分間撹拌後室温まで冷却し、ろ過、水300mLで洗浄後、60℃で一晩乾燥して、64.47gの色素(D)を得た。
予め調製したKOH(錠剤)16.5gとイオン交換水414.9mLの溶液中に、内温20〜30℃で上記合成例3で作成した色素(D)46.1gを添加して溶解した。
引き続き、酢酸カリウム40.0gとメタノール200mLの溶液を上記色素水溶液中に内温25℃で滴下し、引き続き同温で10分間撹拌した。その後、IPA(イソプロピルアルコール)2488mLを滴下して造塩し、同温度で30分間撹拌後にろ過、IPA500mLで洗浄、70℃で一晩乾燥して、44gの色素(Y−1)の粗結晶を得た。
イオン交換水78.3mLに粗結晶(Y−1)8.7gを室温で溶解後、0.1N塩酸を用いて水溶液のpH値を8.5に調整し、0.2μmのメンブランフィルターでろ過後、ろ液中にIPA391.5mLを内温25℃で滴下した。析出した結晶をろ過、IPA100mLで洗浄後、80℃で一晩乾燥して、7.8gの色素(Y−1)の精結晶を得た。
{λmax:428nm(H2O)、εmax:4.20×104}
合成例4のKOHをNaOHに、酢酸カリウムを酢酸ナトリウムに変更した以外は、合成例4及び合成例5と同様の操作を行い、7.7gの色素(Y−2:一般式Y中のM=Na+)の精結晶を得た。
合成例4のKOHをLiOHに、酢酸カリウムを酢酸リチウムに変更した以外は、合成例4及び合成例5と同様の操作を行い、7.4gの色素(Y−3:一般式Y中のM=Li+)の精結晶を得た。
合成例4のKOHをNH4OHに、酢酸カリウムを酢酸アンモニウムに変更した以外は、合成例4及び合成例5と同様の操作を行い、7.3gの色素(Y−4:一般式Y中のM=NH4 +)の精結晶を得た。
上記合成例5〜8で得られた色材1である化合物(Y−1)を100g及び色材2として群A中の1(M=K+イオン)/2(M=K+イオン)/3(M=K+イオン)/8(M=K+イオン)=1/3/1/2(質量比)を10g含む混合物を超純水900gに室温で攪拌しながら溶解後、ホスホネート化合物であるデイクエスト2016(Solutia社製、1−ヒドロキシエチリデンー1、1−ジホスホン酸 4Na塩(30%水溶液))を固形分として3g添加してこれらを完全に混合溶解した。引き続き、平均孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不溶物のろ過を行い、インク原液A1を得た。
色材1、色材2、及びホスホネート化合物を、下記表3に示すように変更した以外は、インク原液A1の調製と同様にして、インク原液A2〜A3、B1〜B3、C1〜C6、D1〜D3、E1〜E3、F1〜F3を作製した。
比較用のインク原液として、ホスホネート化合物を含有しない以外はインク原液A1の調製と同様にしてインク原液101を作製した。
上記で得られたインク原液A1を用い、下記表5に記載の組成の混合物に超純水190gを加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌溶解した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧ろ過しイエローインク液a1を調製した。
インク液a1の調製において、インク原液A1をインク原液A2〜A3、B1〜B3、C1〜C6、D1〜D3、E1〜E3、F1〜F3、G1〜G8に変更する以外は同様にして、インク液a2〜a3、b1〜b3、c1〜c6、d1〜d3、e1〜e3、f1〜f3、g1〜g8をそれぞれ調製した。
インク液a1の調製において、インク原液A1をインク原液101に変更する以外は同様にして、比較例であるインク液101rを調製した。
インク原液A1を用い、下記表6に記載の組成の混合物に超純水440gを加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌溶解した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧ろ過しイエローインク液a1−2を調製した。
インク液a1−2の調製において、インク原液A1をインク原液A2〜A3、B1〜B3、C1〜C6、D1〜D3、E1〜E3、F1〜F3、G1〜G8に変更する以外は同様にして、インク液a2−2〜a3−2、b1−2〜b3−2、c1−2〜c6−2、d1−2〜d3−2、e1−2〜e3−2、f1−2〜f3−2、g1−2〜g8−2をそれぞれ調製した。
インク液a1−2の調製において、インク原液A1をインク原液101に変更する以外は同様にして、比較例であるインク液101r−2を調製した。
上記インク液について、下記評価を行った(実施例1〜58、比較例1及び2)。その結果を表7及び8に示した。
インクジェット記録装置として、インクジェットプリンター(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)を使用した。記録媒体としてキャノン社製 フォト光沢フィルム HG201を用いた。印字サンプルの打滴開始部から5cmの部位のライン間の距離を王子計測機器製ドットアナライザイーDA−6000で測定し、その標準偏差を算出し、吐出の方向精度を以下の基準で評価した。
〈評価基準〉
A・・・標準偏差が3μm未満
B・・・標準偏差が3μm以上4μm未満
C・・・標準偏差が4μm以上5μm未満
D・・・標準偏差が5μm以上
各インク組成物をPET製容器に入れて密栓し60℃恒温槽中で14日間保存し、保存後の粘度及び分光吸収を測定した。また、同様の方法で保存前のインクの粘度及び分光吸収を測定した。粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)により25℃、コーンの回転数20〜100rpmの条件にて測定した。分光吸収は、V−570(日本分光株式会社製)を用い、インクを超純水で2000倍に希釈し、石英セル、対照に超純水を用いて測定し、500nm付近の吸光度の変化を比較した。測定値を指標にして、下記の評価基準に従ってインクの安定性の評価を行った。
〈評価基準〉
A:粘度及び吸光度変化ともに、保存前の値の±10%未満であった。
B:粘度及び吸光度変化いずれかの値が、保存前の値の±10%以上であった。
C:粘度及び吸光度変化ともに、保存前の値の±10%以上であった。
インクジェット記録装置として、インクジェットプリンタBJ−F850(Canon(株)社製)を使用した。
正常に印字できることを確認した後、6週間、23℃、50%RHの環境に放置し、ヘッドクリーニングによる回復操作を正常に印字できるまで繰り返して、回復を記録し、下記の基準で評価した。
〈評価基準〉
A・・・1回以下で回復
B・・・2〜4回で回復
C・・・5回以上で回復
作製したインク組成物、インクジェット記録装置として、インクジェットプリンター(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)を用い、イエロー単色ベタ画像を印字した。記録媒体としてキャノン社製 フォト光沢フィルム HG201を用いた。イエロー単色ベタ画像部それぞれについて、JIS Z8741(1997年)に従い、デジタル変角光度計(商品名:UGV−5D、スガ試験機(株)製)を用いて、光学濃度1.0付近の画像の、入射角45°、受光角45°での光沢度を測定し、下記の基準に従って評価した。
〈評価基準〉
A・・・45°光沢度が、70%以上。
B・・・45°光沢度が、70%未満。
作製したインク組成物をPET製容器に入れて密栓し60℃恒温槽中で21日間保存し、保存前後のインク組成物を、インクジェット記録装置として、インクジェットプリンター(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)を用い、Dmaxのイエロー単色ベタ画像を印字した。記録媒体としてキャノン社製 フォト光沢フィルム HG201を用いた。イエロー単色ベタ画像部それぞれについて、JIS Z8741(1997年)に従い、デジタル変角光度計(商品名:UGV−5D、スガ試験機(株)製)を用いて、光学濃度1.0付近の画像の、入射角45°、受光角45°での光沢度を測定し、下記の基準に従って評価した。
〈評価基準〉
A・・・45°光沢度が、保存前の値の±5%未満。
B・・・45°光沢度が、保存前の値の−5%以上〜−10%未満。
C・・・45°光沢度が、保存前の値の−10%以下。
記録媒体(商品名:キヤノン写真用紙 光沢 プロ[プラチナグレード]PT−101;キヤノン製)に記録デューティを50%とした画像を形成して、画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥した。このようにして得られた記録物の画像の部分について、光学濃度を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。更に、この記録物を、スーパーキセノン試験機(商品名:SX−75;スガ試験機製)を用いて、照射強度100キロルクス、槽内温度24℃、相対湿度60%で72時間曝露した。その後、記録物の画像の部分について、光学濃度を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。なお、光学濃度は、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。得られた試験前の光学濃度及び試験後の光学濃度の各値から、下記式に基づいて光学濃度の残存率を算出して、耐光性の評価を行った。その結果、全ての実施例について優れた耐光性を示した。
Claims (13)
- 前記群Aより選択される化合物が、1、2、3及び8から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のインク組成物。
- 前記一般式(Y)で表される化合物において、Mの主成分がK+イオンであり、群Aより選択される化合物において、Mの主成分がK+イオンである請求項2又は3に記載のインク組成物。
- 前記一般式(Y)で表される化合物及び群Aより選択される化合物におけるMが全てK+イオンである請求項2〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記第1の色材の含有量が、インク組成物全質量を基準として、0.1〜20質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記第2の色材のインク組成物中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク組成物中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.001以上0.2以下である請求項2〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記第2の色材のインク組成物中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク組成物中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.01以上0.2以下である請求項2〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記ホスホネート化合物が、アミノトリ(メチレン−ホスホン酸)のナトリウム塩、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸のナトリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩、及びヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)のカリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記ホスホネート化合物の含有量が、インク組成物全質量を基準として、0.05質量%以上0.8質量%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物を含有するインクジェット記録用インク。
- 請求項11に記載のインクジェット記録用インクを用いる、インクジェット記録方法。
- 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インク滴が請求項11に記載のインクジェット記録用インクからなる、インクジェット記録方法。
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