JP2012069432A - チタン酸リチウム粒子粉末の製造法及び非水電解質二次電池 - Google Patents

チタン酸リチウム粒子粉末の製造法及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、非水電解質二次電池用活物質として、優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高いチタン酸リチウム粒子粉末を提供する。
【解決手段】 BET比表面積値が40〜400m/g、一次粒子径が5〜50nmであるチタン酸化物の水性懸濁液に、水溶性リチウム溶液を添加混合し、該混合懸濁液を50〜100℃で熟成反応させる工程、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕する工程、得られた乾燥粉末を550〜800℃で加熱焼成処理する工程から得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用活物質として、優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高いチタン酸リチウム粒子粉末の、安価かつ簡易な製造法を提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
このリチウムイオン二次電池において、従来より、負極活物質としてチタン酸リチウムを使用することが知られている(特許文献1)。
チタン酸リチウムLiTi12は、充放電によるリチウムイオン挿入・脱離反応における結晶構造変化が非常に小さいため、構造安定性が高く、信頼性の高い負極活物質として知られている。
従来から、チタン酸リチウムLiTi12を得るための製造法ついては、リチウム塩とチタン酸化物をLi/Ti=0.80となるように乾式または湿式混合した混合粉末(これらは、単なるリチウム塩とチタン酸化物の混合物である。)を加熱焼成してLiTi12を得る、いわゆる固相反応法が知られている。(特許文献1〜4)
また、上記固相反応法に類似の方法として、チタン酸化物とチタン酸化合物(メタチタン酸、オルトチタン酸またはこれらの混合物)とリチウム塩を含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成する製造法も知られている。(特許文献5、6)
一方、チタン化合物とアンモニウム化合物とを水中で反応させてチタン酸化合物を得る工程、該チタン酸化合物とリチウム化合物を水中で反応させてチタン酸リチウム水和物を得る工程、該チタン酸リチウム水和物を加熱脱水する工程からなる、チタン酸リチウムLiTi12の製造方法が知られている。(特許文献7)
特開平6−275263号公報 特開2001−192208号公報 特開2001−240498号公報 特開2003−137547号公報 特開2005−239460号公報 特開2005−239461号公報 特開平9−309727号公報
非水電解質二次電池用活物質として、優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高いチタン酸リチウム粒子粉末を得るための、安価かつ簡易な製造法は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、特許文献1〜4は、リチウム塩とチタン酸化物をLi/Ti=0.80となるように乾式または湿式混合した混合粉末(これらは、単なるリチウム塩とチタン酸化物の混合物である。)を加熱焼成してLiTi12を得る。これらは、固相反応法として一般に知られた製造法であるが、LiTi12型のスピネル型単相を得るためには、高温での焼成、あるいは2回以上の焼成・粉砕を繰り返すなどの方法が必要となることが多い。したがって、組成的に均一なスピネル型構造単相のチタン酸リチウムLiTi12微粒子を得ることが困難であり、これをリチウムイオン二次電池の負極活物質として使用した場合、優れた初期放電容量、および高率放電容量維持率が高いとは言い難いものである。
また、特許文献5、6の製造法は、チタン化合物とリチウム化合物(リチウム塩)とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、100℃以下で予熱したリチウム塩溶液に少なくともチタン酸化合物(オルトチタン酸、メタチタン酸など)を含むチタン化合物を添加して、該スラリーとすることを特徴としている。本製造法は、乾燥造粒した前駆体を加熱焼成することで、タップ密度が高い大粒子のチタン酸リチウムを得ることを目的としている。タップ密度が高ければ、粒子充填性が向上し、電極密度が向上する効果が期待されるが、一方で、造粒した二次粒子内部での一次粒子間の導電性を確保することが困難であるため、特に高率放電容量維持率を高めることが非常に困難となる。したがって、本発明の目的である、優れた初期放電容量、かつ高率放電容量維持率の向上効果が十分な製造法とは言い難いものである。
また、特許文献7では、チタン化合物とアンモニウム化合物とを水中で反応させてチタン酸化合物を得る工程、該チタン酸化合物とリチウム化合物を水中で反応させてチタン酸リチウム水和物を得る工程、該チタン酸リチウム水和物を加熱脱水する工程によって、薄片状あるいは板状のチタン酸リチウムLiTi12の微粒子を得ている。この合成法によって得られるチタン酸リチウム粒子は、極薄い板状形状かつ多孔質であることを特徴としている。
一方、リチウムイオン二次電池の電極作製時には、活物質であるチタン酸リチウム粒子を有機溶剤中で分散・塗料化して、シート状に塗布することが一般的である。上記の極薄い板状形状かつ多孔質であることを特徴とする微粒子は、塗料分散に対して著しく不利である。したがって、活物質本来の充放電性能を十分に発揮させることが困難であり好ましくない。
また、製造プロセスとしても、水中での反応工程を2回必要とするため、コスト・生産性両面を考慮しても、有利な製造法とは言い難いものである。
そこで、本発明は、非水電解質二次電池用活物質として、優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高いチタン酸リチウム粒子粉末を安価かつ簡易なプロセスを用いて得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
本発明は、BET比表面積値が40〜400m/g、一次粒子径が5〜50nmであるチタン酸化物の水性懸濁液に水溶性リチウム溶液を添加混合し、該混合懸濁液を50〜100℃で熟成反応させる工程、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕する工程、得られた乾燥粉末を550〜800℃で加熱焼成処理する工程からなることを特徴とするチタン酸リチウム粒子粉末の製造法である。(本発明1)
また、本発明は、本発明1記載の製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末を活物質として含有させた電極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池である。(本発明2)
本発明に係る製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末を用いることで、二次電池として優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高い非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
本発明に係るチタン酸リチウム粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るチタン酸リチウム粒子粉末の製造法は、BET比表面積値が40〜400m/g、一次粒子径が5〜50nmであるチタン酸化物の水性懸濁液に水溶性リチウム溶液を所定量添加混合し、該混合懸濁液を50〜100℃で熟成反応させ、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕し、得られた乾燥粉末を550〜800℃で加熱焼成処理してチタン酸リチウム粒子粉末を得るものである。
チタン酸化物としては、例えば、酸化チタン(アナターゼ)、酸化チタン(ルチル)が挙げられるが、酸化チタン(アナターゼ)が好ましい。水溶性リチウムとしては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム等が挙げられ、水酸化リチウムが好ましい。
チタン酸化物のBET比表面積は、40〜400m/gである。より好ましいBET比表面積は50〜400m/gである。BET比表面積が40m/g未満では、水性懸濁液下での熟成反応において反応性に乏しく、チタン酸化物と水溶性リチウム溶液とが十分に反応しないため、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕・焼成しても、LiTi12型のスピネル構造の単相が得られないので好ましくない。400m/gを超える場合は、粉体としてハンドリングが困難であるほか、一般に原料として高価になるため、本発明の目的からは好ましくない。
チタン酸化物の一次粒子径は、5〜50nmである。より好ましい一次粒子径は5〜45nmである。5nmを下回る粒子は、粉体としてハンドリングが困難であるほか、一般に原料として高価になるため、本発明の目的からは好ましくない。50nmを超える場合は、水性懸濁液下での熟成反応において反応性に乏しく、チタン酸化物と水溶性リチウム溶液とが十分に反応しないため、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕・焼成しても、LiTi12型のスピネル構造の単相が得られないので好ましくない。
リチウムの添加量はチタンに対して、Li/Ti(mol比)として、0.80〜2.0である。好ましくは0.85〜1.7である。リチウムの添加量がチタンに対して0.80未満では、LiTi12型のスピネル構造の単相が得られない。2.0を超える場合は、添加しても効果がなく、原料コストも上昇するため、過剰に添加する意味がない。
熟成反応の反応温度は、50〜100℃が好ましい。50℃未満の場合は、水性懸濁液下での熟成反応において、チタン酸化物と水溶性リチウム溶液とが十分に反応しないため、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕・焼成しても、LiTi12型のスピネル構造の単相が得られないので好ましくない。また、100℃を超える温度で熟成反応を行っても、実質的な効果は見られず、また、オートクレーブ等の高価な耐圧容器が必要となるため、好ましくない。より好ましくは、60〜100℃である。反応時間は4〜10時間行うことが好ましい。
上記熟成反応生成物をろ過・乾燥した乾燥粉末は、少なくとも、酸化チタンと岩塩型構造のリチウムチタン複合酸化物とを含む混合物であることが好ましい。
加熱焼成処理温度は、550℃〜800℃であることが好ましい。550℃未満の場合にはLiTi12型のスピネル構造の単相が得られない。800℃を超える場合には、粒子間焼結が促進するため、電気化学特性(電池性能)が低下するので好ましくない。焼成処理の雰囲気は空気が好ましい。焼成処理時間は2〜10時間が好ましい。
本発明に係る製造法によって得られるチタン酸リチウム粒子粉末のBET比表面積値は5.0〜30m/gが好ましい。BET比表面積値が5m/g未満の場合には、高率放電容量維持率が低下し、30m/gを越える場合には、LiTi12型のスピネル構造の単相を得ることが困難であり、二次電池用活物質としての性能が著しく低下するため好ましくない。より好ましいBET比表面積値は5.0〜25m/gであり、更により好ましくは5.0〜20m/gである。
本発明に係る製造法によって得られるチタン酸リチウム粒子粉末の結晶構造はスピネル型単相である。不純物相が存在する場合には、初期放電容量が低下するため好ましくない。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池について述べる。
本発明に係る非水電解質二次電池は、本発明1に記載の製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末を電極活物質として用いることを特徴とする。二次電池用電極は、チタン酸リチウム粒子粉末にカーボンブラックなどの導電材とフッ素樹脂などのバインダを加え、適宜成形または塗布して得られる。
非水電解質二次電池は、前記の電極、対極および電解質からなり、チタン酸リチウム粒子粉末を正極活物質として用いる場合は、対極(負極)には金属リチウム、リチウム合金等、あるいはグラファイト、コークスなどの炭素系材料が用いられる。また、チタン酸リチウム粒子粉末を負極活物質として用いる場合は、対極(正極)にはリチウム含有酸化マンガン、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウム、五酸化バナジウム及びこれらの化合物の一部を他の元素で置換した化合物の一種又は二種以上が用いられる。電解液には、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒にLiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiBFなどのリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
<作用>
本発明において最も重要な点は、本発明に係る製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末を用いることで、二次電池として優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高い非水電解質二次電池を得ることができるという点である。
本発明において、優れた初期放電容量が得られるのは、本発明に係る製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末の結晶構造がLiTi12型のスピネル構造単相であることによる。
また、チタン酸化物の水性懸濁液に水溶性リチウム溶液を所定量添加混合し、該混合懸濁液を50〜100℃で熟成反応させ、ろ過・乾燥した乾燥粉末は、少なくとも、酸化チタンと岩塩型構造のリチウムチタン複合酸化物とを含む混合物である。すなわち、焼成前の乾燥粉末の段階で、酸化チタンの一部がリチウムと反応し岩塩型構造のリチウムチタン複合酸化物を形成しているため、比較的低温の焼成によってスピネル型構造単相微粒子が得られる。更には、前記100℃以下での熟成反応において、Li/Ti仕込み比を低い(LiTi12化学量論組成0.80からのLi余剰量が少ない)値に設定しているため、熟成反応生成物のろ過・乾燥時のLi偏析が抑制されており、得られた乾燥粉末を550〜800℃で焼成することによって、均一な組成のLiTi12微粒子粉末を得ることが可能である。
すなわち、スピネル型構造単相かつ均一な組成のLiTi12微粒子粉末が生成する効果によって、非水電解質二次電池用の活物質として、優れた初期放電容量を示し、かつ高率放電容量維持率が高いチタン酸リチウム粒子粉末が得られるものと本発明者は推定している。
また、本発明に係る製造法は、チタン酸化物の水性懸濁液に水溶性リチウム溶液を所定量添加混合し、該混合懸濁液を熟成反応させているが、その熟成温度は100℃以下であり、オートクレーブ等の高価な耐圧容器を必要としない。更に、前述したろ過・乾燥・粉砕までの諸工程を考慮すれば、安価かつ簡易な製造法であると言える。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
チタン酸リチウム粒子粉末の同定は、粉末X線回折(RIGAKU RINT2500(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA)を用いた。
チタン酸リチウム粒子粉末の電池特性は、下記製造法によって正極、負極及び電解液を調製し、コイン型の電池セルを作製して評価した。
<正極の作製>
チタン酸リチウム粒子粉末と導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤のポリフッ化ビニリデンを重量比で90:5:5となるように精秤し、乳鉢で十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを調整した。次に、このスラリーを集電体のアルミニウム箔に40μmの膜厚で塗布し、110℃で真空乾燥してからφ16mmの円板状に打ち抜き正極板とした。
<負極の作製>
金属リチウム箔をφ16mmの円板状に打ち抜いて負極を作製した。
<電解液の調製>
炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル混合して電解液とした。
<コイン型電池セルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン電池を作製した。
<電池評価>
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。測定条件としては、正極に対する電流密度を0.2mA/cmとし、カットオフ電圧が1.1Vから3.0Vの間で充放電を繰り返した。初期放電容量は、0.1C率での測定値を使用した。また、高率放電容量維持率は、初期放電容量値に対する5C率での放電容量値の割合(百分率)として表した。
実施例1
<チタン酸リチウム粒子粉末の製造>
比表面積300m/g、一次粒子径6nmの酸化チタン(アナターゼ) 72.77gを500mlのイオン交換水に分散させた懸濁液を1500mlのステンレス容器に入れ、緩やかに撹拌しておく。これに、41.08gの水酸化リチウムを200mlのイオン交換水に溶解した水溶液を添加し、反応懸濁液の全量を800mlに調整する。このとき、Li/Ti(mol/mol)=1.075である。この混合懸濁液を速やかに95℃に加温し、6時間熟成反応を行う。熟成反応終了後、反応懸濁液を室温まで冷却し、ヌッチェろ過した後、ろ過ケーキを120℃で乾燥後、粉砕する。得られた乾燥粉末のX線回折の結果、少なくとも、酸化チタン(アナターゼ型構造酸化物)と岩塩型構造のリチウムチタン複合酸化物とを含む混合物であることが確認された。該乾燥粉末をアルミナるつぼに入れ、マッフル炉で、温度670℃で3時間、空気雰囲気中で焼成を行い、チタン酸リチウム粒子粉末を得た。
得られたチタン酸リチウム粒子粉末のX線回折の結果、LiTi12型のスピネル構造単相であり、不純物相は存在しなかった。また、BET比表面積値は7.5m/gであった。
前記チタン酸リチウム粒子粉末を正極活物質として用いて作製したコイン型電池は、初期放電容量が166mAh/g、高率放電容量維持率は76.7%であった。
実施例2〜5
酸化チタンの種類、熟成反応時のLi/Ti仕込み比率、熟成温度、加熱焼成処理温度等を種々変化させた以外は前記実施例1と同様にしてチタン酸リチウム粒子粉末を得た。
比較例1は、酸化チタン(アナターゼ)粉末、炭酸リチウム粉末および水酸化マグネシウム粉末をLi/Ti(mol/mol)=0.80となるような仕込み組成で配合し、乳鉢で十分に混合し、得られた混合粉末をアルミナるつぼに入れ、マッフル炉中、温度820℃で3時間、空気雰囲気中で焼成してチタン酸リチウム粒子粉末を得た。
比較例2は、比表面積10m/g、一次粒子径180nmの酸化チタン(アナターゼ)粉末を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして、チタン酸リチウム粒子粉末を得た。ただし、得られたチタン酸リチウム粒子粉末のX線回折の結果、LiTi12型のスピネル構造以外に、酸化チタン(アナターゼ型)の不純物相が多量に含まれており、スピネル構造単相は生成されなかった。
比較例3,4
熟成反応の反応温度、加熱焼成処理温度を種々変化させた以外は前記実施例1と同様にしてチタン酸リチウム粒子粉末を得た。
比較例3では、熟成温度を45℃としたこと以外は、実施例1と同様の条件で熟成反応を行い、熟成終了後、反応懸濁液を室温まで冷却し、ヌッチェろ過した後、ろ過ケーキを120℃で乾燥、粉砕して乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末のX線回折の結果、酸化チタン(アナターゼ型構造酸化物)の存在のみが確認され、岩塩型構造のリチウムチタン複合酸化物に帰属する回折ピークは観測されなかった。該乾燥粉末をアルミナるつぼに入れ、マッフル炉で、温度670℃で3時間、空気雰囲気中で焼成を行い、チタン酸リチウム粒子粉末を得た。得られたチタン酸リチウム粒子粉末のX線回折の結果、LiTi12型のスピネル構造がわずかに観測されたが、大部分は、酸化チタン(アナターゼ型構造酸化物)であった。
得られたチタン酸リチウム粒子粉末の製造条件・諸特性を表1に示す。
Figure 2012069432
実施例に示すとおり、本発明に係るチタン酸リチウム粒子粉末は、初期放電容量が高く、しかも、高率での放電容量維持率が高いので、非水電解質二次電池用の活物質として好適である。
なお、前記実施例においては、本発明に係るチタン酸リチウム粒子粉末を正極活物質として用いた例を示しているが、本発明に係るチタン酸リチウム粒子粉末を負極活物質として用いた場合にも、非水電解質二次電池の活物質として、優れた特性を発揮できるものである。

Claims (2)

  1. BET比表面積値が40〜400m/g、一次粒子径が5〜50nmであるチタン酸化物の水性懸濁液に、水溶性リチウム溶液を添加混合し、該混合懸濁液を50〜100℃で熟成反応させる工程、得られた反応生成物をろ過・乾燥・粉砕する工程、得られた乾燥粉末を550〜800℃で加熱焼成処理する工程からなることを特徴とするチタン酸リチウム粒子粉末の製造法。
  2. 請求項1記載の製造法によって得られたチタン酸リチウム粒子粉末を活物質として含有させた電極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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