JP2011158830A - 磁性キャリア及び二成分系現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電付与性に優れ、カブリの発生がなく、長期使用においても、リークやキャリア付着の発生がなく、濃度変動や濃度ムラのない高画質な画像が得られる磁性キャリアを提供することにある。
【解決手段】 走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さの分布を規定し、さらに、該多孔質磁性粒子内部の6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数と4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数を規定した磁性キャリアである。
【選択図】 図2
【解決手段】 走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さの分布を規定し、さらに、該多孔質磁性粒子内部の6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数と4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数を規定した磁性キャリアである。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア及び二成分系現像剤に関するものである。
従来、電子写真法においては、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像させる二成分現像方式が広く採用されている。
二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。
上記磁性キャリアは、現像剤寿命などの観点から、表面に被覆樹脂層を有する磁性キャリアが一般的であり、種々のタイプの磁性キャリアが開発され、かつ実用化されている。
一方、より速く、という要望は高まる一方で、近年のマシンの高速化は著しい。これに伴い、現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大しており、従来高寿命とされた磁性キャリアにおいても充分な寿命が得られなくなってきている。
そこで、磁性キャリアとトナー間の負荷を軽減する目的で、磁性キャリアを低比重化することが提案されている。例えば、磁性体を樹脂中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリアの開発の試みがある(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上述した磁性体分散型樹脂キャリアは、磁性キャリア粒子中に磁性体を多量に添加しない場合には、粒径に対する飽和磁化が小さく、現像時に静電潜像担持体上に磁性キャリアが付着する、いわゆるキャリア付着が生じてしまうと言った問題がある。また、磁性体を多量に添加した場合には、抵抗の低い磁性体の量が増加する為に磁性キャリアの抵抗が下がり、現像時に印加するバイアス電圧のリークによる画像上の大きな問題点になり易い。
そこで、磁性体分散型樹脂キャリアに変わるものとして、多孔質フェライトの磁性コア粒子の空隙にシリコーン樹脂を充填し、磁性キャリアの比重を軽くすることで、スペントを抑制した磁性キャリアの開発の試みがある(例えば特許文献2参照)。
上記磁性キャリアにより、磁性キャリアとトナー間の負荷が軽減され、長期の画像出力においても、スペントの問題は解消できる。しかし、磁性キャリアとトナー間の負荷が軽減されるため、トナー消費が多い画像を連続して出力した場合、低比重な磁性キャリアを用いると、トナーへのストレスが小さく、トナーの摩擦帯電が十分なされず、トナー中の逆極性トナーの割合が多くなる場合がある。これにより、静電潜像担持体上に逆極性トナーが付着する、いわゆるカブリが生じる。さらに逆極性が極端に強いトナーが含まれている場合、トナーの付着力が大きくクリーナー部材で回収することができず、静電潜像担持体上を付着したまま、静電潜像担持体上をつれまわり、露光不良や帯電不良を発生してしまう場合がある。
そこで、樹脂部とコア部とが交互に存在する立体的積層構造を有する磁性キャリアが提案されている(例えば特許文献3参照)。上記磁性キャリアは、コンデンサー的な性質を保有させることにより、安定した帯電付与性が得られるとされている。しかしながら、トナーが現像された際に磁性キャリア表面には、トナーと逆極性のカウンター電荷が残留する。このカウンター電荷は、磁性キャリア内部のコア部領域を伝って移動するが、上記磁性キャリアは、樹脂部とコア部とが交互に存在させているため、コア部同士の接触面積が小さく、コア部同士間の電荷移動がスムーズにできず、カウンター電荷が緩和されにくい。そのため、磁性キャリア表面に残留するカウンター電荷は、静電潜像担持体上に現像されたトナーを引戻す力として働くため、トナーが現像されにくくなり、濃度が出ない、あるいは、濃度ムラが発生する場合がある。
一方、近年高品位画質化への要求が高まり、特にカラー画像形成では、高精細な画像を実現するため、トナーの小径化が顕著である。しかし、従来の粉砕法による小径化においては、小粒径化に伴う過粉砕のため、粒度分布に現れない極微粉が存在しやすい。その様なトナーを用いた場合、低比重化しトナーへのストレスを軽減した磁性キャリアであっても、磁性キャリアへのトナーのスペントが発生し、トナーへの帯電付与性が低下する場合がある。また、現像剤の流動性も低下することで濃度変動や濃度ムラの問題が著しくなり、高品位画質と高信頼性とを同時に実現することは困難である。高品位画質と高信頼性とを同時に実現するためには、トナーの粒度分布をシャープ化し、かつ小粒径化することが必要になる。
つまり、帯電付与性、耐久性、高現像性、高画質性のすべてを満足する磁性キャリア及び二成分系現像剤の開発が急務である。
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、帯電付与性に優れ、つれまわり現象を含めたカブリの発生がなく、長期使用においても、リークやキャリア付着の発生がなく、濃度変動や濃度ムラのない高画質な画像が得られる、磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
本発明は、多孔質磁性粒子の孔に樹脂が充填された磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
該磁性キャリア粒子は粒子表面に樹脂部が存在しており、
i)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点から該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線(半径)を引いたとき、
1)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが0.3μm以下である直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上50本以下であり、
2)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが1.5μm以上5.0μm以下である直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上35本以下であり、
ii)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面から表面に向かって5°おきに36等分割する直線(直径)を引いたとき、
1)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%以上35.0個数%以下であり、
2)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%以上15.0個数%以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
該磁性キャリア粒子は粒子表面に樹脂部が存在しており、
i)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点から該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線(半径)を引いたとき、
1)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが0.3μm以下である直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上50本以下であり、
2)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが1.5μm以上5.0μm以下である直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上35本以下であり、
ii)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面から表面に向かって5°おきに36等分割する直線(直径)を引いたとき、
1)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%以上35.0個数%以下であり、
2)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%以上15.0個数%以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
更に、本発明は、上記磁性キャリアとトナーとを有することを特徴とする二成分系現像剤に関する。
本発明の磁性キャリア及び二成分系現像剤を用いることにより、高精彩な画像を安定して形成できる。具体的には、つれまわり現象を含めたカブリの発生がなく、長期使用においても、リークやキャリア付着の発生がなく、濃度変動や濃度ムラのない高画質な画像が得られる。
本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填した磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであり、該磁性キャリア粒子表面には樹脂部が存在するものである。
本発明の磁性キャリアは、後述の図2にも示されるように、走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点から該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線(半径)を引いたとき(図4参照)、以下の1)及び2)を満たす。
1)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが0.3μm以下である直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上50本以下である。
2)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが1.5μm以上5.0μm以下である直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上35本以下である。
1)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが0.3μm以下である直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上50本以下である。
2)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが1.5μm以上5.0μm以下である直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上35本以下である。
また、走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面から表面に向かって5°おきに36等分割する直線(直径)を引いたとき、以下の1)及び2)を満たす。
3)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%以上35.0個数%以下である。
4)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%以上15.0個数%以下であることが重要である。
3)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%以上35.0個数%以下である。
4)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%以上15.0個数%以下であることが重要である。
本発明の磁性キャリアにおいて、上記1)〜4)のすべてを上記範囲にコントロールすることで、カブリ、キャリア付着、リーク、濃度ムラ、濃度変動を抑制できる。
より好ましくは、直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して11本以上35本以下であること、直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して11本以上32本以下であること、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対して5.0個数%以上20.0個数%以下であること、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対して2.0個数%以上10.0個数%以下であることが好ましく、更には2.0個数%以上6.0個数%以下であることが好ましい。
本発明の磁性キャリアがこのような優れた効果を発現する理由を、本発明者らは以下のように推察している。
直線(半径)の本数Aは、多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリア粒子の表面までの距離が近く、磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが薄い部分の存在割合を示している。そして磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが薄い部分は、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷を減衰させる部分と考えている。
一方、直線(半径)の本数Bは、多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリア粒子の表面までの距離が遠く、磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが厚い部分の存在割合を示している。そして磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが厚い部分は、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷を付与する部分と考えている。
この相反する部分を示す直線(半径)の本数Aと、直線(半径)の本数Bを、全直線(半径)に対して上記範囲にコントロールすることで、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷の付与と減衰をミクロ的に制御できる。それによって、トナーへの摩擦帯電の立ち上がり性を向上させることができると考えている。その結果、トナー消費が多い画像を連続して出力した場合においても、新たに補給されてくるトナーを瞬時に摩擦帯電させることができるため、カブリの発生を抑制することができると推察している。
さらに、磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが薄い部分は、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に生じるトナーと逆極性のカウンター電荷を、磁性キャリア間を通じて現像剤担持体へ逃がす部分でもあると考えている。そのため、直線(半径)の本数Aを、全直線(半径)に対して上記範囲にコントロールすることで、現像性を向上させることにより濃度ムラの発生を抑制することができると考えている。
磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが薄い部分と、厚い部分を、上記範囲にコントロールするためには、多孔質磁性粒子の孔径、特に多孔質磁性粒子表面の孔径の分布を広くすることが重要である。そのために、多孔質磁性粒子の原料となる仮焼成した粒子の粒度分布をコントロールすることにより、多孔質磁性粒子表面の孔径の分布を制御することができる。さらに、樹脂を充填する場合に、後述するが、樹脂ワニスの粘度や充填時の溶剤の揮発速度をコントロールすることで、磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さが薄い部分と、厚い部分を、上記範囲にコントロールすることが可能となる。
また、多孔質磁性粒子表面の孔径の分布と同時に、内部構造、つまり出発原料に由来する焼結一次粒子のつながりが、現像性の向上や、リークの抑制のために重要である。上記に挙げた通り、現像性の低下は、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に生じるトナーと逆極性のカウンター電荷がトナーを引き戻すことが原因と考えられる。従って、発生したカウンター電荷を磁性キャリアを介して現像剤担持体に放出する必要がある。発生したカウンター電荷が移動する領域は、磁性キャリア粒子内部の多孔質磁性粒子部領域である。この領域を電荷がスムーズに移動するためには、磁性キャリア粒子内部の多孔質磁性粒子部領域が、特定の長さと個数を有することが重要である。これは、多孔質磁性粒子を構成する焼結一次粒子同士の接触面積や、焼結性にも由来する。鋭意検討を重ねた結果、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域は、一次粒子同士の接触面積が十分に広いため、密着性も大幅に向上する。そのため、カウンター電荷の多孔質磁性粒子部の移動が容易になる領域であることが判明した。つまり、磁性キャリア粒子の断面の基準点を通る磁性キャリア粒子の表面から表面への直線(直径)上において、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域を上記範囲にコントロールすることで、現像性の低下に由来する濃度ムラの発生を抑制することができる。
しかし、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域は、電荷の移動が容易であるため、現像剤担持体上にできた磁性キャリアの穂立ちを介してリークし、静電潜像担持体上の静電潜像を乱しやすい領域でもある。
従って、リークを防止する多孔質磁性粒子部以外の領域の存在が重要となってくる。そこで、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域に着目して、この存在量をコントロールすることにより、カウンター電荷の減衰とリーク防止という相反する特性を満足できるようになった。4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域は、多孔質磁性粒子部の電荷の移動を妨げる領域として働くと考えている。尚、現像領域内は高電界下であるため、多孔質磁性粒子部以外の領域の長さが4.0μm未満である箇所においては、多孔質磁性粒子部領域同士の間隔が狭く、リーク電流が多孔質磁性粒子部以外の領域でも突き抜けてしまう。その結果、電荷の流れを制御するには不十分である。
直線(半径)の本数Aが7本より少ないことは、比抵抗の低い多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリア粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが薄い部分が少ないことを示している。この場合、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷を減衰させる部分は少なく、電荷を付与する部分が多いために、摩擦帯電量の絶対値は大きくなるものの帯電の立ち上がり性は遅くなり、かえってカブリの発生を生じる場合がある。また、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に生じるトナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されにくく、現像性が低下するために濃度ムラが発生する場合がある。また、現像性の低下により、極小粒子のスペントも進み、画像濃度の低下や、現像性の低下に伴う白抜け等の画像欠陥が発生する場合がある。
また、直線(半径)の本数Aが50本より多いことは、比抵抗の低い多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリア粒子表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが薄い部分が多いことを示している。この場合、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に残る、トナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されやすく、現像性が良化するために濃度ムラの発生を抑制できる。その反面、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷を付与する部分は少なく、電荷を減衰させる部分が多いために、帯電の立ち上がり性は向上するが、摩擦帯電量の絶対値が小さくなりカブリが発生する場合がある。また、磁性キャリアの抵抗が低いことから、リークが発生する場合がある。
直線(半径)の本数Bが7本より少ないことは、比抵抗の低い多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリアの表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが厚い部分が少ないことを示している。この場合、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に残る、トナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されやすく、現像性が良化するために濃度ムラの発生を抑制できる。その反面、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷を付与する部分は少なく、電荷を減衰させる部分が多いために、摩擦帯電量の絶対値が小さくなりカブリが発生する場合がある。また、多孔質磁性粒子の強度が低く、破壊され易くなるので、多数枚の印字を行った場合でも、破壊された磁性キャリアのトナー画像上への付着が生じる場合がある。さらに、磁性キャリア表面の凹凸度合いが大きくなることで、トナーのスペントが起こりやすくなる場合もある。
また、直線(半径)の本数Bが35本より多いことは、比抵抗の低い多孔質磁性粒子の表面から磁性キャリアの表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが厚い部分が多いことを示している。この場合、トナーと摩擦帯電した際に発生する電荷をリークさせる部分は少なく、電荷を付与する部分が多いために、摩擦帯電量の絶対値が大きくなるが、帯電の立ち上がり性が悪化し、つれまわり現象を引き起こすカブリを生じる場合がある。また、トナーが現像された際に磁性キャリア粒子表面に生じるトナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されにくく、現像性が低下するために濃度ムラが発生する場合がある。また、現像性の低下により、極小粒子のスペントも進み、画像濃度の低下や白抜け等の画像欠陥が発生する場合がある。
6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%よりも少ない場合には、電荷の移動があまり行われず、リークによる静電潜像担持体上の静電潜像を乱すことは抑制できる。その反面、トナーが現像された時に磁性キャリア粒子表面に生じるトナーと逆極性のカウンター電荷を減衰させにくくなり、現像性が低下する。そのために濃度ムラが発生する場合がある。
また、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、30.0個数%よりも多い場合には、トナーが現像された時に磁性キャリア粒子表面のカウンター電荷が減衰され、現像性が良化するために濃度ムラの発生を抑制できる。その反面、電荷の移動が容易であるため、現像剤担持体上にできた磁性キャリアの穂立ちを介してリークし、静電潜像担持体上の静電潜像を乱す場合がある。
4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%よりも少ない場合には、トナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されやすく、現像性が良化するために濃度ムラの発生を抑制できる。その反面、電荷の移動が容易であるため、現像剤担持体上にできた磁性キャリアの穂立ちを介してリークし、静電潜像担持体上の静電潜像を乱す場合がある。また、多孔質磁性粒子の孔への樹脂を含有させることが不十分となりやすい。その結果、物理的強度が低下し、長期耐久時においては、磁性キャリアの一部が破壊され、キャリア付着の発生、帯電付与能の低下によりカブリが発生する場合がある。
4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、15.0個数%よりも多い場合には、電荷の移動が抑制されるため、静電潜像担持体上の静電潜像を乱すことは抑制できる。その反面、トナーが現像された時に磁性キャリア粒子内部に残る、トナーと逆極性のカウンター電荷が現像剤担持体に放出されにくく、現像性が低下するために濃度ムラが発生する場合がある。また、磁性キャリア粒子内で比重差が大きくなり、磁性キャリアの流動性の低下が起こり、さらに濃度ムラが顕著になる場合がある。
また、本発明において、該磁性キャリア粒子表面には、樹脂部が存在するが、帯電の立ち上がり性や現像性に影響する磁性キャリア粒子表面の樹脂量をコントロールするために、該樹脂部は、樹脂を充填した後の多孔質磁性粒子を樹脂で被覆することにより形成されたものであることが好ましい。コア粒子表面に樹脂部を形成する方法としては、上記の方法以外にも、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填する際に、粒子表面にも樹脂を付着させたり、被覆したりする方法が挙げられる。尚、樹脂部の存在状態としては、必ずしも完全に覆うように存在していなくても良い。
磁性キャリア粒子の表面を樹脂によりさらに被覆することにより、磁性キャリア表面の樹脂厚さをより精密に制御することができるようになるため好ましい。また、磁性キャリア粒子表面からのトナーの離型性、磁性キャリア粒子表面のトナーや外添剤の汚染性、トナーへの帯電付与能や磁性キャリア抵抗を制御する意味からも、表面を樹脂により被覆することが好ましい。
また、走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であることが好ましい。
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
面積S1が上記の範囲を満たす磁性キャリア粒子を用いた場合には、現像部位において、低抵抗化された磁気ブラシが電極として働くため(電極効果)によって、トナーに働く電界の力が大きくなる。その結果、トナーが飛翔しやすくなり、現像性が向上すると考えられる。また、多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の面積が適度にコントロールされているため、磁性キャリア粒子の表面におけるトナー飛翔後のカウンター電荷をすばやく減衰させることができ、さらに現像性が向上する。
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であることが好ましい。
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
面積S1が上記の範囲を満たす磁性キャリア粒子を用いた場合には、現像部位において、低抵抗化された磁気ブラシが電極として働くため(電極効果)によって、トナーに働く電界の力が大きくなる。その結果、トナーが飛翔しやすくなり、現像性が向上すると考えられる。また、多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の面積が適度にコントロールされているため、磁性キャリア粒子の表面におけるトナー飛翔後のカウンター電荷をすばやく減衰させることができ、さらに現像性が向上する。
また、磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であることが好ましい。より好ましくは2.0面積%以上5.5面積%以下である。平均割合Av1が、上記の範囲内にあることによって、カウンター電荷をすばやく減衰させることができ、現像性が向上し、濃度ムラの発生を抑制することができる。
更に、磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることが好ましい。Av2の値がこの範囲内にあるような磁性キャリアは、潜像潜像担持体へのリークを抑制することができる。
Av2=(磁性キャリア粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
上記S1、Av1及びAv2を満たす場合に、特に、長期にわたって安定した現像性が得られ、また、濃度ムラ、リーク抑制に対してもより顕著な効果が得られる。
Av2=(磁性キャリア粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
上記S1、Av1及びAv2を満たす場合に、特に、長期にわたって安定した現像性が得られ、また、濃度ムラ、リーク抑制に対してもより顕著な効果が得られる。
多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分とは、走査型電子顕微鏡の所定の加速電圧下で、主に反射電子を可視化した像(図7)において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分であり、磁性キャリア粒子表面における樹脂厚さの薄い部分を指す。
本発明の磁性キャリアにおいて、磁性キャリア粒子表面の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の面積が占める割合及びその面積分布をコントロールすることにより、トナーによるカウンター電荷を減衰させ、逆にリークを防止することができる。また、摩擦帯電を付与する部分を多くもつことで、摩擦帯電の立ち上がりを早くできる。
さらに、本発明において、磁性キャリアの後述する比抵抗測定法において、ブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下ある場合に、さらに高い摩擦帯電量が得られ、カブリが良化されると共に、現像性を高める効果がある。
本発明の磁性キャリアにおいて、所望の電界強度でブレークダウンを起こすためには、磁性キャリア表面の樹脂の厚さの薄い部分と厚い部分の分布をコントロールすることが重要である。これにより、電界がかからない場合、トナーへの摩擦帯電の付与性を高くでき、電界がかかる現像領域では、磁性キャリアの抵抗が急激に低下することで電極効果として働くことができるようになると考えている。
本発明の多孔質磁性粒子は、以下のような工程で製造することができる。
多孔質磁性粒子の材質としては、マグネタイト又はフェライトが好ましい。さらに、フェライトであることが多孔質磁性粒子の多孔質の構造を制御したり、抵抗を調整したりできるため、より好ましい。
フェライトは次の一般式で表される焼結体である。
(M12O)x(M2O)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
該式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ni、Co、Caからなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。
(M12O)x(M2O)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
該式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ni、Co、Caからなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。
多孔質構造や粒子表面の凹凸状態を好適にするためにフェライト結晶の成長の速度を容易にコントロールでき、多孔質磁性粒子の比抵抗を好適にコントロールできる観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Li−Mn系フェライトがより好ましい。
以下に、多孔質磁性粒子としてフェライトを用いる場合の製造工程を詳細に説明する。
工程1(秤量・混合工程):
上記フェライトの原料を、秤量し、混合する。
フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Ba、Sr、Y、Ca、Si、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、希土類金属の金属粒子、金属元素の酸化物、金属元素の水酸化物、金属元素のシュウ酸塩、金属元素の炭酸塩。
混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
上記フェライトの原料を、秤量し、混合する。
フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Ba、Sr、Y、Ca、Si、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、希土類金属の金属粒子、金属元素の酸化物、金属元素の水酸化物、金属元素のシュウ酸塩、金属元素の炭酸塩。
混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中で焼成温度700℃以上1000℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉。
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中で焼成温度700℃以上1000℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉。
工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。
粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものが挙げられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミル。
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。
粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものが挙げられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミル。
仮焼フェライトの微粉砕品の体積基準の50%粒径(D50)は、0.5μm以上5.0μm以下、体積基準の90%粒子径(D90)は2.0μm以上7.0μm以下とすることが好ましい。また、該仮焼フェライトの微粉砕品の粒度分布を示すD90/D50が、1.5以上10.0以下にすることが好ましい。こうすることで、多孔質磁性粒子部領域の個数と、多孔質磁性粒子部以外の領域の個数を好ましい範囲にコントロールしやすくなる。また、多孔質磁性粒子表面の孔径の分布を制御しやすくなる。
仮焼フェライトの微粉砕品を上記の粒径分布にするために、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くすればよい。また、仮焼フェライトの粒度分布を広くするためには、比重の重いボールを用い、粉砕時間を短くすることで得ることができる。また、粒径の異なる複数の仮焼フェライトを混合することでも分布の広い仮焼フェライトを得ることができる。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、以下のものがあげられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm3)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm3)、高比重ガラス(比重2.7g/cm3)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm3)、チタニア(比重3.9g/cm3)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm3)、アルミナ(比重3.6g/cm3)、ジルコニア(比重6.0g/cm3)、スチール(比重7.9g/cm3)、ステンレス(比重8.0g/cm3)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。
ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径5mm以上60mmのものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm未満のものが好適に用いられる。
また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の方が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加える。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮する必要がある。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、温度100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。
噴霧乾燥機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加える。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮する必要がある。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、温度100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。
噴霧乾燥機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を温度800℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度1000℃以上1200℃以下がより好ましい。昇温時間を短くし、降温時間を長くすることで、結晶成長の速度をコントロールし、所望の多孔質構造を得ることができる。焼成温度の保持時間は、3時間以上5時間以下であることが、所望の多孔質構造を得るために好ましい。磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の構造を制御するために、上記範囲内で焼成温度や焼成時間を制御することが好ましい。
焼成温度を上げたり、焼成時間を長くしたりすることで、多孔質磁性粒子の焼成が進み、その結果、多孔質磁性粒子部領域の面積比率は大きくなり、長さも長くなる。
次に、造粒品を温度800℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度1000℃以上1200℃以下がより好ましい。昇温時間を短くし、降温時間を長くすることで、結晶成長の速度をコントロールし、所望の多孔質構造を得ることができる。焼成温度の保持時間は、3時間以上5時間以下であることが、所望の多孔質構造を得るために好ましい。磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の構造を制御するために、上記範囲内で焼成温度や焼成時間を制御することが好ましい。
焼成温度を上げたり、焼成時間を長くしたりすることで、多孔質磁性粒子の焼成が進み、その結果、多孔質磁性粒子部領域の面積比率は大きくなり、長さも長くなる。
工程6(選別工程):
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、18.0μm以上58.0μm以下であることが、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制と画像へのキャリア付着の防止のためより好ましい。
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、18.0μm以上58.0μm以下であることが、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制と画像へのキャリア付着の防止のためより好ましい。
さらに、本発明の磁性キャリア粒子は、多孔質磁性粒子の孔の少なくとも一部に、樹脂を含有させた上で、磁性キャリアの表面近傍に樹脂を存在させ、その樹脂の厚みをコントロールすることが重要である。多孔質磁性粒子は、内部の孔の大きさと、数によっては物理的強度が低くなることがあるが、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を含有させることで、磁性キャリア粒子としての物理的強度を高めることができる。
該多孔質磁性粒子に樹脂を含有させる場合は、多孔質磁性粒子の奥の孔まで樹脂を充填させても良く、また、多孔質磁性粒子の表面の孔のみに樹脂を充填させても良い。
該多孔質磁性粒子の孔に充填する樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわないが、多孔質磁性粒子に対する親和性が高いものであることが好ましい。親和性が高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性粒子の細孔への樹脂の充填時に、同時に多孔質磁性粒子表面も樹脂で覆うことが容易になる。
充填させる樹脂として、熱可塑性樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
また、該熱硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
また、これらの樹脂を変性した樹脂を用いても良い。中でもポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂又は溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂等の含フッ素系樹脂、変性シリコーン樹脂あるいはシリコーン樹脂は、多孔質磁性粒子に対する親和性が高いため好ましい。
上記樹脂の中でも、磁性キャリアの強度を高めることができるため、熱硬化性樹脂が好ましい。中でもシリコーン樹脂が、磁性キャリア粒子とトナーの付着力を低減でき、現像性を高めることができるため好ましい。
例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
充填する樹脂量は、多孔質磁性粒子の孔容積に応じて充填できる。充填樹脂量としては、多孔質磁性粒子に対して、5.0乃至20.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、7.0乃至15.0質量部である。
多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填させる方法としては、特に限定されないが、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性粒子の孔に添加し、溶剤を除去する方法が採用できる。特に、減圧状態で樹脂と溶剤を混合した樹脂溶液を多孔質磁性粒子の孔へ充填させ、脱気や加温により溶剤を除去する方法が好ましい。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。多孔質磁性粒子の孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
磁性キャリア粒子表面の樹脂の厚さを調整するには、充填する樹脂溶液中の樹脂濃度の調整、充填する際の充填する装置内の温度、溶剤を除去する際の温度、樹脂充填工程の回数などが挙げられる。
該樹脂溶液における樹脂の量は、6質量%以上25質量%以下であることが好ましい。25質量%より樹脂量の多い樹脂溶液を用いると粘度が高いため多孔質磁性粒子の孔の奥まで樹脂溶液を均一に充填しにくい。また、6質量%未満であると樹脂量が少なく、多孔質磁性粒子への樹脂の付着力が低く、溶剤除去に時間がかかり、不均一な充填になる場合がある。充填する樹脂を希釈し、濃度の低い溶液で充填することにより磁性キャリア粒子表面の樹脂厚さを薄くすることができ、濃度の高い溶液を用いて充填することにより、磁性キャリア粒子表面の樹脂厚さを厚くすることができる。濃度の異なる溶液を適宜選択して、複数回に分けて充填することにより、好適な表面の樹脂厚さを有する磁性キャリアを得ることが可能となる。
また、充填する樹脂溶液の温度を低くし、昇温させながら溶媒をゆっくり撹拌しながら蒸発させることで、磁性キャリア粒子表面に樹脂を薄く充填させることができる。一方、充填する樹脂溶液の温度を高くし、撹拌しながら蒸発させることで、磁性キャリア粒子表面に樹脂の薄い部分を適度に残しながら、樹脂を厚く充填させることができる。充填する工程において、異なる温度の充填工程を行うことにより、好適な表面の樹脂厚さを有する磁性キャリア粒子を得ることが可能となる。
上記の様に、樹脂充填工程を多段階において繰り返すことで、磁性キャリア粒子表面の樹脂が薄い部分と、厚い部分をコントロールすることができる。このとき、濃度の同じ樹脂溶液を用いてもよく、異なる樹脂溶液を用いてもよい。
また、樹脂を充填した多孔質磁性粒子の表面を、樹脂によりさらに被覆することが好ましい。更に被覆することにより、磁性キャリア表面の樹脂厚さをより精密に制御することができるようになる。また、磁性キャリア粒子表面からのトナーの離型性、磁性キャリア粒子表面のトナーや外添剤の汚染性、トナーへの帯電付与能や磁性キャリア抵抗を制御する意味からも、表面を樹脂により被覆することが好ましい。
粒子表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により被覆する方法が挙げられる。中でも、磁性キャリア粒子の表面に多孔質磁性粒子を適度に表面に露出させることができる浸漬法がより好ましい。
被覆する樹脂の量としては、被覆前粒子100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが、磁性キャリアの表面における多孔質磁性部を表面に適度に露出させることができ、好ましい。
被覆する樹脂は、単独でも使用できるが、種々、混合して使用してもよい。被覆する樹脂は、充填に使用する樹脂と同じであっても、異なっていても良く、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。又、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。特により離型性の高い樹脂を用いることが好ましい。
該熱可塑性樹脂としては、前述した充填樹脂に使用される該熱可塑性樹脂が挙げられる。
該熱硬化性樹脂としては、前述した充填樹脂に使用される熱硬化性樹脂が挙げられる。上述した樹脂の中でもシリコーン樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂としては、従来から知られているシリコーン樹脂を使用することができる。
さらに、被覆樹脂は、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有していてもよい。
導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。
荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
次に、本発明の二成分系現像剤に磁性キャリアと共に含有されるトナーについて説明する。
本発明におけるトナーは、重量平均粒子径(D4)が3.0μm以上、8.0μm以下であることが好ましく、4.5μm以上、6.5μm以下であることが更に好ましい。トナーの重量平均粒子径(D4)が上記範囲の場合、像担持体上の静電潜像の良好なドット再現性を得ることができる。
本発明におけるトナーは、平均円形度が0.940以上1.000以下であることが好ましい。トナーの平均円形度が上記の範囲内にある場合には、キャリアとトナーとの離型性が良好となる。尚、平均円形度は、一視野が画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200以上1.000以下の円形度範囲に800分割し解析される。尚、測定対象の粒子は、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒径を有するものである。
本発明におけるトナーは、上記のフロー式粒子像測定装置によって計測された円相当径0.60μm以上、2.00μm以下である粒子(以下小粒子トナーともいう)の割合が、25個数%以下であることが好ましく、更に好ましくは10個数%以下である。小粒子トナーの割合が30個数%以下の場合、現像器内での現像剤とトナーの混合性が良好であり、かつ小粒子トナーの磁性キャリアへの付着を少なくすることができるため、現像性を低下させることなく、長期にわたり安定した帯電付与性を保持することが出来る。
本発明におけるトナーのトナー粒子を製造する方法としては、例えば、結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法;結着樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解または分散させた溶液を水系媒体中に導入し懸濁造粒させ、該溶剤を除去することによってトナー粒子を得る懸濁造粒法;モノマーに着色剤等を均一に溶解または分散したモノマー組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に分散し、重合反応を行わせトナー粒子を作製する懸濁重合法;高分子分散剤を水系有機溶剤中に溶解し、モノマーが重合することで溶媒不溶の粒子を生成してトナー粒子を得る分散重合法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成する乳化重合法;少なくとも重合体微粒子及び着色剤微粒子を凝集して微粒子凝集体を形成する工程と該微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる熟成工程を経て得られる乳化凝集法;がある。
本発明においては、小粒子を低減したトナーであることが好ましい。特に、粉砕法によるトナーにおいては、粉砕後、あるいは粉砕・分級後に、トナーの表面を機械的、熱的な処理により改質することで小粒子の低減を行うことができる。
また、粒度分布がシャープで、小径化するのに適し、小粒子の生成が限りなく抑えるために、乳化凝集法で製造したトナーが好ましい。小粒子の割合が少ないため、長期の使用においても、磁性キャリアへのスペントが発生しにくい。そのため、長期にわたって、摩擦帯電付与性が変化せず、安定した帯電付与が可能となり、濃度変動のない画像が得られる。
以下に乳化凝集法でのトナーの製造手順について説明する。
重合体の微粒子に用いられる重合体としては、公知の樹脂が用いられるが、これらの中で、重合体微粒子に好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
重合体微粒子は、水系溶媒中に乳化分散された微粒子であればよく、重合性モノマーを乳化重合して得られた重合体乳化微粒子もしくは、予め重合させておいた重合体を乳化分散させた乳化微粒子が好ましい。
乳化重合及び乳化分散で用いられる界面活性剤としては、公知のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。これらの界面活性剤は二種以上を併用してもよい。特にアニオン系界面活性剤を主として用いることが好ましい。
重合の為の重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
また、重合の際には、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤は単独又は二種類以上の併用でもよい。また、重合体の分子量調整のためには、架橋剤を用いてもよい。
着色剤微粒子に用いられる着色剤としては、公知の染料及び/または顔料が使用される。顔料単独でもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。これらの着色剤は、上記乳化凝集法でのトナー粒子を形成する微粒子と共に、上記界面活性剤を用い乳化分散させることにより得られる。
着色剤としては、以下のものが挙げられる。黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調整したものが挙げられる。マゼンタ用着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。
シアン用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。イエロー用着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。着色剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して好ましくは0.1質量部以上、30.0質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上、20.0質量部以下であり、特に好ましくは3.0質量部以上、15.0質量部以下である。
乳化凝集法では、これらの重合体微粒子、着色剤微粒子の他にワックスを乳化分散させた微粒子を用いてもよい。
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。
また、ワックスは、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上、200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が45℃以上、140℃以下の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは65乃至120℃の範囲であり、特に好ましくは70乃至105℃の範囲である。
上記ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が45乃至140℃の範囲の場合、トナー中での適度な微分散性が達成でき、ブロッキング性と低温定着性を両立したトナーが得られるために好ましい。
これらの乳化分散微粒子(重合体の微粒子、着色剤の微粒子、ワックスの微粒子)の個数平均粒子径は、凝集速度をコントロールし、トナー粒子の粒径を所望の値にするために、0.05μm以上3.00μm以下が好ましく、更に好ましくは0.10μm以上1.00μm以下、特に好ましくは0.10μm以上0.50μm以下である。尚、個数平均粒子径は、微粒子測定装置(例えばマイクロトラック社製UPA)を用いて測定することができる。
これらの乳化分散微粒子は、必要に応じて乳化分散液中に撹拌しながら電解質等の凝集剤を添加し、更に加熱することにより凝集し、微粒子凝集体を形成するができる。用いられる凝集剤としては、有機の塩、無機塩のいずれでも良いが、金属塩を用いることが好ましい。凝集剤を添加する場合、凝集速度を適度にするために、乳化分散液の温度は40℃以下に保つことが好ましい。更にその後、加熱して凝集粒子を生成させる。撹拌は通常の公知の撹拌装置を用いることができる。
凝集工程による粒径成長は、実質的にトナーの大きさの粒子が得られるまで行われるが、分散液のpHと温度を調節することにより制御することが可能である。pHの値は使用する乳化剤の種類、量、目標とするトナーの粒径によって変わるため一義的には定義できないが、アニオン界面活性剤を主に用いる場合には、通常pH2以上、6以下、カチオン界面活性剤を用いるときには、通常pH8以上、12以下程度が用いられる。
次に、融着工程について説明する。
トナーは、上記微粒子凝集体を形成する凝集工程の後、微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる融着工程を経て得る事ができる。即ち、凝集工程に引き続き、凝集工程で得られた微粒子粒子凝集体の安定性を増すために、重合体一次粒子のガラス転移温度(Tg)より高い温度で所定時間保持することにより、凝集した粒子間に融着を起こさせることができる。融着工程は、凝集工程に用いた撹拌装置と同様な攪拌装置を用いて行うことができる。この工程を行うことで、所望のトナー粒径の粒子と同時に、小粒子の生成を防止することができる。
各工程を経ることにより得られたトナー粒子は、公知の方法に従って固液分離し、トナー粒子を回収する。次いで、回収されたトナー粒子は、必要に応じて、洗浄した後、乾燥させる。
また、トナーは、その帯電性を安定化させるために公知の荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー構成材料の物性等によっても異なるが、トナー中の樹脂100質量部当たり0.1質量部以上、10.0質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上、5.0質量部以下含まれることがより好ましい。トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。負帯電性荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。
特に、荷電制御剤としては、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸金属化合物が好ましい。
本発明においては、トナーの性能を向上させる目的で、トナー粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などの外添剤をヘンシェルミキサの如き混合機で混合して用いることができる。
本発明においては、トナーの性能を向上させる目的で、トナー粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などの外添剤をヘンシェルミキサの如き混合機で混合して用いることができる。
流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。
更に、トナーには、高画質かつ高安定性を維持するため、個数平均粒子径が80nm以上、300nm以下である微粒子を含有することが好ましい。これは、トナー表面においてスペーサー効果を発現することにより、より磁性キャリアへのトナースペントを抑制し、トナー補給時の帯電安定性を長期間維持することができるからである。また、現像器内でのトナーの耐ストレス性が増加することにより、現像器内のトナーが初期の状態を維持することができ、補給されたトナーとの帯電性の差が小さくなり、結果的にカブリの少ない画像を得ることができるからである。これは、上記外添剤と併用することが好ましい。個数平均粒子径が80nm以上、300nm以下である微粒子は、個数平均粒子径が前記範囲であればどのようなものでも使用可能である。例えば、ビニル系樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きの樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等がある。微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.2質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。個数平均粒子径は、微粒子測定装置(例えばマイクロトラック社製UPA)を用いて測定することができる。
尚、トナーと磁性キャリアとを混合して現像器内での二成分系現像剤として使用する場合、トナーと磁性キャリアの混合比率は磁性キャリア1質量部に対して、トナーを0.04質量部以上、0.20質量部以下の範囲で使用することが好ましい。より好ましくは0.05質量部以上、0.15質量部以下である。
本発明に係る各種物性の測定について以下に説明する。
<磁性キャリア及び多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)、仮焼フェライトの微粉砕品の体積分布基準の50%粒径(D50)、体積分布基準の90%粒径(D90)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
仮焼フェライトの微粉砕品の体積分布基準の50%粒径(D50)、体積分布基準の90%粒径(D90)の測定では、湿式用の試料循環器「Sample Delivery Control(SDC)」(日機装社製)を装着して行った。仮焼フェライト(フェライトスラリー)を測定濃度になるように試料循環器に滴下した。流速70%、超音波出力40W、超音波時間60秒とした。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :30秒
測定回数 :10回
溶媒屈性率 :1.33
粒子屈折率 :2.42
粒子形状 :非球形
定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃/50%RH
磁性キャリア及び多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :30秒
測定回数 :10回
溶媒屈性率 :1.33
粒子屈折率 :2.42
粒子形状 :非球形
定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃/50%RH
磁性キャリア及び多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃/50%RH
<磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の長さ、多孔質磁性粒子部以外の領域の長さの測定方法、及び多孔質磁性粒子部領域の面積比率の測定方法>
磁性キャリア粒子の断面加工には、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、日立ハイテクノロジーズ社製FB−2100を用いた。FIB用試料台(金属メッシュ)上にカーボンペーストを塗り、その上に磁性キャリア粒子を1粒子ずつ独立して存在するように少量固着させ、導電膜として白金蒸着することで試料を作製する。試料をFIB装置にセットし、加速電圧40kV、Gaイオン源を用いて、粗加工し(ビーム電流39nA)、続いて仕上げ加工(ビーム電流7nA)を行い、試料断面を削り出す。尚、試料とする磁性キャリア粒子は、各試料の最大径Dmaxとして、D50×0.9≦Dmax≦D50×1.1である磁性キャリア粒子を対象とする。さらに、各試料の固着面に対して平行な方向における、最大長を含む平面の位置を、固着面からの距離hとする(例えば、(半径)rの完全な球体の場合、h=rとなる)。固着面より垂直な方向に、固着面からの距離0.9×h以上1.1×h以下の範囲において、断面を削り出す。断面加工した試料は、そのまま走査型電子顕微鏡(SEM)観察に適用することができる。走査型電子顕微鏡観察において、試料から放出されてくる反射電子の量は、重元素ほど多いことが知られている。例えば、有機化合物と鉄のような金属が平面状に分布している試料であれば、鉄からの反射電子の放出量がより多く検出されるため、鉄部分が画像上では明るく(輝度が高い、白く)見えることになる。一方、軽元素化合物から構成される有機化合物からの反射電子量は少ないため、画像上では暗く(輝度が低く、黒く)見えることになる。本発明の磁性キャリア粒子の断面観察においては、多孔質磁性粒子部領域に由来する金属酸化物部が明るく(輝度が高い、白く)、多孔質磁性粒子部以外の領域は、暗く(輝度が低く、黒く)見えるため、それぞれ大きなコントラスト差を持った画像が得られる。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800を用いて、以下の条件にて観察した。尚、フラッシング操作を行ってから観察した。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃/50%RH
<磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の長さ、多孔質磁性粒子部以外の領域の長さの測定方法、及び多孔質磁性粒子部領域の面積比率の測定方法>
磁性キャリア粒子の断面加工には、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、日立ハイテクノロジーズ社製FB−2100を用いた。FIB用試料台(金属メッシュ)上にカーボンペーストを塗り、その上に磁性キャリア粒子を1粒子ずつ独立して存在するように少量固着させ、導電膜として白金蒸着することで試料を作製する。試料をFIB装置にセットし、加速電圧40kV、Gaイオン源を用いて、粗加工し(ビーム電流39nA)、続いて仕上げ加工(ビーム電流7nA)を行い、試料断面を削り出す。尚、試料とする磁性キャリア粒子は、各試料の最大径Dmaxとして、D50×0.9≦Dmax≦D50×1.1である磁性キャリア粒子を対象とする。さらに、各試料の固着面に対して平行な方向における、最大長を含む平面の位置を、固着面からの距離hとする(例えば、(半径)rの完全な球体の場合、h=rとなる)。固着面より垂直な方向に、固着面からの距離0.9×h以上1.1×h以下の範囲において、断面を削り出す。断面加工した試料は、そのまま走査型電子顕微鏡(SEM)観察に適用することができる。走査型電子顕微鏡観察において、試料から放出されてくる反射電子の量は、重元素ほど多いことが知られている。例えば、有機化合物と鉄のような金属が平面状に分布している試料であれば、鉄からの反射電子の放出量がより多く検出されるため、鉄部分が画像上では明るく(輝度が高い、白く)見えることになる。一方、軽元素化合物から構成される有機化合物からの反射電子量は少ないため、画像上では暗く(輝度が低く、黒く)見えることになる。本発明の磁性キャリア粒子の断面観察においては、多孔質磁性粒子部領域に由来する金属酸化物部が明るく(輝度が高い、白く)、多孔質磁性粒子部以外の領域は、暗く(輝度が低く、黒く)見えるため、それぞれ大きなコントラスト差を持った画像が得られる。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800を用いて、以下の条件にて観察した。尚、フラッシング操作を行ってから観察した。
SignalName=SE(U,LA100)
AcceleratingVoltage=5000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=4000um
LensMode=High
Condencer1=3
ScanSpeed=Slow4(40sec)
Magnification=1500
DataSize=1280x960
ColorMode=Grayscale
SpecimenBias=0V
尚、反射電子像のキャプチャは、上記条件のほか、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で「コントラスト5、ブライトネス−5」に明るさを調整し、磁性対観察モードはOFFとし、256階調のグレースケール画像を得た。
AcceleratingVoltage=5000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=4000um
LensMode=High
Condencer1=3
ScanSpeed=Slow4(40sec)
Magnification=1500
DataSize=1280x960
ColorMode=Grayscale
SpecimenBias=0V
尚、反射電子像のキャプチャは、上記条件のほか、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で「コントラスト5、ブライトネス−5」に明るさを調整し、磁性対観察モードはOFFとし、256階調のグレースケール画像を得た。
磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の長さ、多孔質磁性粒子部以外(樹脂部及び/又は空隙部)の領域の長さの算出は、磁性キャリア粒子断面のグレースケールのSEM反射電子画像について、画像解析ソフトImage−ProPlus5.1J(Media Cybernetics社製)を用いて以下の手順で計算される。
ここで図2に、本発明の磁性キャリア粒子の加工断面のSEM反射電子画像の一例を示す。図2において、磁性キャリア粒子の加工断面10、多孔質磁性粒子部11、樹脂部12、磁性キャリア表面13、図示しないが空隙部も存在する場合がある。
磁性キャリア粒子の加工断面領域10のみを画像上であらかじめ指定する。尚、磁性キャリア粒子の加工断面領域と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。粒子指定した断面領域について、256階調のグレースケール画像とする。階調値の下位より0乃至10階調を空隙部の領域、11乃至129階調を樹脂部の領域、130乃至254階調を多孔質磁性粒子部領域の3領域に画像上で分割する。255階調目は加工断面領域外の背景部分とする。磁性キャリア粒子の加工断面領域10を二値化した図を図3に示す。尚、本発明において、多孔質磁性粒子部以外の領域とは、樹脂部2及び空隙部(図示しない)を示している。
図4に、本発明の磁性キャリア粒子断面における多孔質磁性粒子部領域、多孔質磁性粒子部以外の領域の測定例を模式的を示す。
1.磁性キャリア粒子の加工断面領域における最大径をRxとする。
2.Rxの中点を磁性キャリア粒子の断面の基準点とする。さらに、中点においてRxと直交する方向の径をRyとする。
3.測定は、Rx/Ry≦1.2である磁性キャリア粒子を対象とする。
4.磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに36本引いた直線(直径)上において、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域、ならびに多孔質磁性粒子部以外の領域ついて、それぞれ長さ及び個数を測定する。始点を1とし、時計回りに番号を付ける。上記の測定値より「0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域」の個数(個数%)、「0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域」の個数(個数%)とする。
5.Rx/Ry≦1.2となる粒子を対象として、該測定を25個の磁性キャリアについて繰り返し、その平均値を算出する。Rx/Ry≦1.2となる粒子の割合は、該測定が25個に達するまでに要した断面加工した粒子を分母として、算出した。
Rx/Ry≦1.2となる粒子の割合=25/断面加工した粒子数×100(%)
図6に、本発明の磁性キャリア粒子断面における、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域、及び0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域を、上記の方法により測定し、長さと個数(個数%)の分布の一例を示す。
1.磁性キャリア粒子の加工断面領域における最大径をRxとする。
2.Rxの中点を磁性キャリア粒子の断面の基準点とする。さらに、中点においてRxと直交する方向の径をRyとする。
3.測定は、Rx/Ry≦1.2である磁性キャリア粒子を対象とする。
4.磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに36本引いた直線(直径)上において、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域、ならびに多孔質磁性粒子部以外の領域ついて、それぞれ長さ及び個数を測定する。始点を1とし、時計回りに番号を付ける。上記の測定値より「0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域」の個数(個数%)、「0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域」の個数(個数%)とする。
5.Rx/Ry≦1.2となる粒子を対象として、該測定を25個の磁性キャリアについて繰り返し、その平均値を算出する。Rx/Ry≦1.2となる粒子の割合は、該測定が25個に達するまでに要した断面加工した粒子を分母として、算出した。
Rx/Ry≦1.2となる粒子の割合=25/断面加工した粒子数×100(%)
図6に、本発明の磁性キャリア粒子断面における、0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域、及び0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域を、上記の方法により測定し、長さと個数(個数%)の分布の一例を示す。
磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部の面積比率の測定方法は、磁性キャリア粒子の加工断面領域を画像上であらかじめ指定し、磁性キャリア粒子の断面面積とする。多孔質磁性粒子部1が占める面積を磁性キャリア粒子の断面面積で除した値を、「多孔質磁性粒子部の面積比率(面積%)」とする。本発明においては、前述の25個の磁性キャリア粒子について同様の測定を行い、その平均値を用いる。
<磁性キャリア粒子の断面における磁性キャリア粒子の表面から多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した樹脂厚さの測定方法>
上記に示した、<磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の長さ、多孔質磁性粒子部以外の領域の長さの測定方法、及び多孔質磁性粒子部領域の面積比率の測定方法>と同様の操作を行い、解析方法を以下のように変更した。
上記に示した、<磁性キャリア粒子の断面における多孔質磁性粒子部領域の長さ、多孔質磁性粒子部以外の領域の長さの測定方法、及び多孔質磁性粒子部領域の面積比率の測定方法>と同様の操作を行い、解析方法を以下のように変更した。
図4(a)は、本発明の磁性キャリア粒子断面における磁性キャリア粒子の表面から多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した樹脂厚さの測定例を模式的に示した図である。その操作の手順としては、以下の通り。
1.磁性キャリア粒子の加工断面領域における最大径をRxとする。
2.Rxの中点を磁性キャリア粒子の断面の基準点とする。さらに、該中点においてRxと直行する方向の径をRyとする。
3.測定は、Rx/Ry≦1.2である磁性キャリア粒子を対象とする。磁性キャリア粒子の基準点Rxから磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線を、時計回りで直線に1から72までナンバーリングする。その結果を図4(b)に示す。その直線上において磁性キャリア粒子の表面から多孔質磁性粒子の表面までの距離を測定し、樹脂厚さとする。この操作を72回繰り返す。
4.樹脂厚さが0.0μm以上0.3μm以下となる全本数(72本)中の数A(本)と、樹脂厚さが1.5μm以上5.0μm以下となる個所の全本数(72本)中の数B(本)を算出する。
5.該測定を25個の磁性キャリアについて繰り返し、その平均値を算出する。その結果を図5に示す。
1.磁性キャリア粒子の加工断面領域における最大径をRxとする。
2.Rxの中点を磁性キャリア粒子の断面の基準点とする。さらに、該中点においてRxと直行する方向の径をRyとする。
3.測定は、Rx/Ry≦1.2である磁性キャリア粒子を対象とする。磁性キャリア粒子の基準点Rxから磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線を、時計回りで直線に1から72までナンバーリングする。その結果を図4(b)に示す。その直線上において磁性キャリア粒子の表面から多孔質磁性粒子の表面までの距離を測定し、樹脂厚さとする。この操作を72回繰り返す。
4.樹脂厚さが0.0μm以上0.3μm以下となる全本数(72本)中の数A(本)と、樹脂厚さが1.5μm以上5.0μm以下となる個所の全本数(72本)中の数B(本)を算出する。
5.該測定を25個の磁性キャリアについて繰り返し、その平均値を算出する。その結果を図5に示す。
<磁性キャリア粒子表面上の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積割合>
本発明の磁性キャリア粒子表面上の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明の磁性キャリア粒子表面上の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。多孔質磁性粒子に由来する部分の面積割合は、加速電圧2.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでキャリア粒子を一層になるように固定し、白金による蒸着は行わずに、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察した。フラッシング操作を行ってから観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た(図7)。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た(図7)。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
続いて、得られた反射電子による投影像を用いて、磁性キャリア粒子50個について金属酸化物に由来する部分の面積割合(面積%)を算出した。解析する磁性キャリア粒子50個の選択方法の詳細は後述する。金属酸化物に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用した。
まず、図7の画像下部の文字列は画像処理に不必要であり、不要な部分を削除し1280×895のサイズに切り出した(図8)。
次に、磁性キャリア粒子の部分を抽出し、抽出された磁性キャリア粒子部分のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析する磁性キャリア粒子を抽出するため、磁性キャリア粒子と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリア粒子の抽出を行った(図9)。カーボンテープ以外の方法で磁性キャリア粒子を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的に磁性キャリア粒子と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、磁性キャリア粒子と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置する粒子や他の粒子と重なっている粒子については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小300pixel、最大10000000pixelとした。また、フェレ径(平均)は、後述する磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定値の±25%径の範囲になるよう選別レンジを設定し、画像解析する磁性キャリア粒子を抽出した(図10)。抽出された粒子群から一粒子を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)を求めた。
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、キャリア粒子上の輝度の高い部分の抽出を行った(図11)。面積の選別レンジを最小10pixel、最大10000pixelとした。
そして、jaを求める際に選択した粒子について、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の大きさ(pixel数)(ma)を求めた。各磁性キャリア粒子においては、金属酸化物に由来の抽出部分は、ある大きさをもって点在することになるが、maはその総面積である。この点在する部分のそれぞれを本発明においては“ドメイン”と呼ぶ。
そして、本発明に係る面積割合S1は、(ma/ja)×100で求められる。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択される磁性キャリア粒子の数が50となるまで同様の処理を行った。一視野中の粒子の数が50に満たない場合には、別視野の磁性キャリア粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択される磁性キャリア粒子の数が50となるまで同様の処理を行った。一視野中の粒子の数が50に満たない場合には、別視野の磁性キャリア粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
本発明に係る平均割合Av1は、50粒子に関して測定したmaの合計値Ma、50粒子に関して測定したjaの合計値Jaを用いて、下式より算出できる。測定した際の平均値である。
Av1=(Ma/Ja)×100
<金属酸化物に由来する部分の総面積に対する面積分布>
金属酸化物に由来する部分の総面積に対する金属酸化物に由来する部分の面積分布は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と画像処理、続く統計処理により求めることができる。金属酸化物に由来する部分の面積%を求めるのと同様にして、磁性キャリア粒子50個について観察を行い、画像から磁性キャリア中の金属酸化物に由来する部分の抽出を行った。50個分について抽出された金属酸化物に由来する部分の各ドメインの大きさを求め、20pixel毎のチャンネルに振り分けた。尚、1pixelの面積は0.0278μm2である。各チャンネルの中心値を代表値とし、6.672μm2以上に分布する平均割合Av2(面積%)を算出した。
Av1=(Ma/Ja)×100
<金属酸化物に由来する部分の総面積に対する面積分布>
金属酸化物に由来する部分の総面積に対する金属酸化物に由来する部分の面積分布は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と画像処理、続く統計処理により求めることができる。金属酸化物に由来する部分の面積%を求めるのと同様にして、磁性キャリア粒子50個について観察を行い、画像から磁性キャリア中の金属酸化物に由来する部分の抽出を行った。50個分について抽出された金属酸化物に由来する部分の各ドメインの大きさを求め、20pixel毎のチャンネルに振り分けた。尚、1pixelの面積は0.0278μm2である。各チャンネルの中心値を代表値とし、6.672μm2以上に分布する平均割合Av2(面積%)を算出した。
<磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度の測定>
磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度は、図1に概略される測定装置を用いて測定される。
磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度は、図1に概略される測定装置を用いて測定される。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器1、下部電極(ステンレス製)2、支持台座(PTFE樹脂製)3、上部電極(ステンレス製)4から構成される。支持台座3上に円筒状のPTFE樹脂容器1を載せ、試料(磁性キャリア或いは多孔質磁性粒子)5を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極4を載せ、試料の厚みを測定する。図1(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図1(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の質量を適宜変えることが重要である。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の質量を適宜変えることが重要である。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度を求めることができる。測定には、エレクトロメーター6(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用にコンピュータ7を用いる。制御用コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いたソフトウエアにより行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(20V)、2V(21V)、4V(22V)、8V(23V)、16V(24V)、32V(25V)、64V(26V)、128V(27V)、256V(28V)、512V(29V)、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(例えば、1.00mmの試料厚みの場合は、電界強度としては、10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する。すると印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V(第1ステップ)、400V(第2ステップ)、600V(第3ステップ)、800V(第4ステップ)、1000V(第5ステップ)、1000V(第6ステップ)、800V(第7ステップ)、600V(第8ステップ)、400V(第9ステップ)、200V(第10ステップ)と最大印加電圧の1/5である200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加し、それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。
実施例1で用いられる磁性キャリアの場合には、スクリーニング時には、1V(20V)、2V(21V)、4V(22V)、8V(23V)、16V(24V)、32V(25V)、64V(26V)、128V(27V)、256V(28V)、512V(29V)の直流電圧を1秒間ずつ磁性キヤリアに印加し、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が256Vまでは、点灯し、512Vで「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が点滅した。次に直流電圧362V(28.5V)では点滅し、直流電圧294V(≒28.2V)で点滅、さらに、最大印加可能な電圧を収束させて、直流電圧274V(28.1V)で点灯し、その結果、最大印加電圧が274V(28.1V)となった。274Vの1/5の値の54.8V(第1ステップ)、274Vの2/5の値の109.6V(第2ステップ)、274Vの3/5の値の164.4V(第3ステップ)、274Vの4/5の値の219.2V(第4ステップ)、274Vの5/5の値の274V(第5ステップ)、5/5の値の274V(第6ステップ)、274Vの4/5の値の219.2V(第7ステップ)、274Vの3/5の値の164.4V(第8ステップ)、274Vの2/5の値の109.6V(第9ステップ)、274Vの1/5の値の54.8V(第10ステップ)の順で直流電圧を印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み1.04mmと、電極面積とから電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点をプロットする。なお、各ステップでの測定において、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅し、過電流が流れた場合には、測定上、抵抗値が0と表示される。この現象をブレークダウンすると定義する。この「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する現象をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。したがって、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅し、かつ、上述したプロファイルの最大電界強度のプロットされる点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。最大印加電圧がかかった場合に「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅した場合、抵抗値が0とならず、プロットができる場合には、その点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度とする。
尚、比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの円相当径0.6μm以上、2.0μm以下である粒子(小粒子)の割合及び平均円形度の測定>
上記トナーの円相当径0.6μm以上、2.0μm以下である粒子(小粒子)の割合及び平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
上記トナーの円相当径0.6μm以上、2.0μm以下である粒子(小粒子)の割合及び平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.2以上、1.0以下の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。円相当径0.60μm以上、2.00μm以下である粒子(小粒子)の割合は、円相当径の解析粒子径範囲を、0.60μm以上、2.00μm以下とし、その範囲に含まれる粒子の個数割合(%)を算出した。トナーの平均円形度は、円相当径2.00μm以上、200.00μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<多孔質磁性粒子1の製造例>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 58.7質量%
MnCO3 34.9質量%
Mg(OH)2 5.2質量%
SrCO3 1.2質量%
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径10mmのジルコニアのボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 58.7質量%
MnCO3 34.9質量%
Mg(OH)2 5.2質量%
SrCO3 1.2質量%
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径10mmのジルコニアのボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中、温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.395、b=0.116、c=0.011、d=0.478
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径10mmのステンレスのボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1.0mmのジルコニアのビーズを用いた湿式ビーズミルで1時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。得られた仮焼フェライトの微粉砕品は、体積分布基準の50%粒径(D50)2.0μm、体積分布基準の90%粒径(D90)6.4μm、D90/D50=3.2であった。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中、温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.395、b=0.116、c=0.011、d=0.478
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径10mmのステンレスのボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1.0mmのジルコニアのビーズを用いた湿式ビーズミルで1時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。得られた仮焼フェライトの微粉砕品は、体積分布基準の50%粒径(D50)2.0μm、体積分布基準の90%粒径(D90)6.4μm、D90/D50=3.2であった。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。
工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、室温から温度1150℃まで3時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、8時間をかけて、温度80℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、室温から温度1150℃まで3時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、8時間をかけて、温度80℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)36.0μmの多孔質磁性粒子1を得た。得られた物性を表1に示す。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)36.0μmの多孔質磁性粒子1を得た。得られた物性を表1に示す。
<多孔質磁性粒子2乃至15の製造例>
多孔質磁性粒子1製造例のうち、表2に示したように変更する以外、同様にして多孔質磁性粒子2乃至15を作製した。得られた物性を表1に示す。
多孔質磁性粒子1製造例のうち、表2に示したように変更する以外、同様にして多孔質磁性粒子2乃至15を作製した。得られた物性を表1に示す。
<樹脂液1の調製>
シリコーンワニス(KR271、信越化学社製)を固形分換算で20.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4質量部、トルエン179.6質量部を1時間混合し、樹脂液1を得た。
シリコーンワニス(KR271、信越化学社製)を固形分換算で20.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4質量部、トルエン179.6質量部を1時間混合し、樹脂液1を得た。
<樹脂液2の調製>
シリコーンワニス(SR2410、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で60.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.2質量部、トルエン138.8質量部を2時間混合し、樹脂液2を得た。
シリコーンワニス(SR2410、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で60.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.2質量部、トルエン138.8質量部を2時間混合し、樹脂液2を得た。
<樹脂液3の調製>
シリコーンワニス(SR2411、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で20.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4質量部、導電性カーボン(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製のケッチェンブラックEC)0.4質量部をトルエン179.2質量部を1時間混合し、樹脂液3を得た。
シリコーンワニス(SR2411、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で20.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4質量部、導電性カーボン(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製のケッチェンブラックEC)0.4質量部をトルエン179.2質量部を1時間混合し、樹脂液3を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
工程1(樹脂充填工程1):
多孔質磁性粒子1の100.0質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、30℃に温度を保ちながら、減圧しながら窒素を導入し、樹脂液1を多孔質磁性粒子1に対し樹脂成分として8.0質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性粒子1の孔に樹脂液1から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した後、開口70μmの篩で分級して磁性キャリア1aを得た。
工程1(樹脂充填工程1):
多孔質磁性粒子1の100.0質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、30℃に温度を保ちながら、減圧しながら窒素を導入し、樹脂液1を多孔質磁性粒子1に対し樹脂成分として8.0質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性粒子1の孔に樹脂液1から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した後、開口70μmの篩で分級して磁性キャリア1aを得た。
工程2(樹脂被覆工程1):
磁性キャリア1aの100.0質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。樹脂液1を磁性キャリアに対して樹脂成分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア100質量部に対して、被覆量は、2.0質量部であった。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面の樹脂の厚さ状態をコントロールした。得られた磁性キャリアを開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、微粒子側及び粗粒子側をカットして磁性キャリア1を得た。得られた物性を表3に示す。
磁性キャリア1aの100.0質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。樹脂液1を磁性キャリアに対して樹脂成分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア100質量部に対して、被覆量は、2.0質量部であった。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面の樹脂の厚さ状態をコントロールした。得られた磁性キャリアを開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、微粒子側及び粗粒子側をカットして磁性キャリア1を得た。得られた物性を表3に示す。
<磁性キャリア2乃至8、11乃至14、17の製造例>
磁性キャリア1製造例のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア2乃至8、11乃至14、17を作製した。得られた物性を表3に示す。
磁性キャリア1製造例のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア2乃至8、11乃至14、17を作製した。得られた物性を表3に示す。
<磁性キャリア9の製造例>
磁性キャリア1の製造例における工程1の樹脂充填工程は行わず、次に示す樹脂被覆工程2を行った。
磁性キャリア1の製造例における工程1の樹脂充填工程は行わず、次に示す樹脂被覆工程2を行った。
工程2(樹脂被覆工程2):
多孔質磁性粒子8の100.0質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度100℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂液2を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。多孔質磁性粒子8の100.0質量部に対して被覆樹脂量が3.0質量部となるまで被覆を行い、磁性キャリア9を得た。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に20回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面の樹脂の厚さ状態をコントロールした。得られた磁性キャリアを開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、粗粒子側をカットして磁性キャリア9を得た。
多孔質磁性粒子8の100.0質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度100℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂液2を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。多孔質磁性粒子8の100.0質量部に対して被覆樹脂量が3.0質量部となるまで被覆を行い、磁性キャリア9を得た。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に20回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面の樹脂の厚さ状態をコントロールした。得られた磁性キャリアを開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、粗粒子側をカットして磁性キャリア9を得た。
<磁性キャリア10、15、16の製造例>
磁性キャリア9製造例のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア10、15、16を作製した。得られた物性を表3に示す。
磁性キャリア9製造例のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア10、15、16を作製した。得られた物性を表3に示す。
<磁性キャリア18の製造例>
工程1(樹脂充填工程2):
多孔質磁性粒子14の100.0質量部を一軸式間接加熱型乾燥機(トーラスディスクTD型、ホソカワミクロン社製)に入れ、窒素を導入しながら温度75℃に保ちながら、樹脂液1を多孔質磁性粒子14に対し樹脂成分として13.0質量部となるように滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、200℃まで温度を上げ、減圧下に溶剤を除去した。その後、スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を1分あたり10回から1.5回に変え、200℃で2時間加熱を行い、冷却後、開口70μmの篩で分級し、磁性キャリア18aを得た。
工程1(樹脂充填工程2):
多孔質磁性粒子14の100.0質量部を一軸式間接加熱型乾燥機(トーラスディスクTD型、ホソカワミクロン社製)に入れ、窒素を導入しながら温度75℃に保ちながら、樹脂液1を多孔質磁性粒子14に対し樹脂成分として13.0質量部となるように滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、200℃まで温度を上げ、減圧下に溶剤を除去した。その後、スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を1分あたり10回から1.5回に変え、200℃で2時間加熱を行い、冷却後、開口70μmの篩で分級し、磁性キャリア18aを得た。
工程2(樹脂被覆工程3):
磁性キャリア18aの100.0質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度70℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂液3を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。多孔質磁性粒子8の100.0質量部に対して被覆樹脂量が2.0質量部となるまで被覆を行い、磁性キャリア18を得た。さらに、被覆後の熱処理を真空乾燥機に代え、窒素を流量0.01m3/minでフローさせつつ、減圧下(約0.01MPa)において温度220℃で2時間処理して、磁性キャリア18を得た。
磁性キャリア18aの100.0質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度70℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂液3を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。多孔質磁性粒子8の100.0質量部に対して被覆樹脂量が2.0質量部となるまで被覆を行い、磁性キャリア18を得た。さらに、被覆後の熱処理を真空乾燥機に代え、窒素を流量0.01m3/minでフローさせつつ、減圧下(約0.01MPa)において温度220℃で2時間処理して、磁性キャリア18を得た。
<磁性キャリア19の製造例>
磁性キャリア18のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア19を作製した。得られた物性を表3に示す。
磁性キャリア18のうち、表4に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア19を作製した。得られた物性を表3に示す。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液1の製造例>
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%からなる酸成分と、エチレングリコールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、重量平均分子量(Mw)が9700である結晶性ポリエステル樹脂1を合成した。
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%からなる酸成分と、エチレングリコールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、重量平均分子量(Mw)が9700である結晶性ポリエステル樹脂1を合成した。
・結晶性ポリエステル樹脂1:90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行った。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径200nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行った。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径200nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液2の製造例>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸90.5mol%、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%及び5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%からなる酸成分と、1,9−ノナンジオールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた。その後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、重量平均分子量(Mw)が28000である結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸90.5mol%、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%及び5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%からなる酸成分と、1,9−ノナンジオールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた。その後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、重量平均分子量(Mw)が28000である結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。
・結晶性ポリエステル樹脂2:90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを13.0に調整し96℃で8時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径300nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液2を得た。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを13.0に調整し96℃で8時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径300nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液2を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液1の製造例>
テレフタル酸30mol%及びフマル酸70mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で、攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した。その後、前記混合物100部に対しジブチル錫オキサイド1.2部を投入し、さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続して、重量平均分子量(Mw)が9700である非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
テレフタル酸30mol%及びフマル酸70mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で、攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した。その後、前記混合物100部に対しジブチル錫オキサイド1.2部を投入し、さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続して、重量平均分子量(Mw)が9700である非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
次いで、得られた非晶性ポリエステル樹脂1を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記非晶性ポリエステル樹脂1溶融体と同時にキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを13.0に調整し96℃で8時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径160nm、固形分量が30%の非晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液2の製造例>
テレフタル酸60mol%、無水トリメリット酸10mol%及びドデセニルコハク酸30mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物50mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で仕込み、前記非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして、重量平均分子量(Mw)が16000である非晶性ポリエステル樹脂2を得た。
テレフタル酸60mol%、無水トリメリット酸10mol%及びドデセニルコハク酸30mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物50mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で仕込み、前記非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして、重量平均分子量(Mw)が16000である非晶性ポリエステル樹脂2を得た。
次いで、得られた非晶性ポリエステル樹脂2を用いて前記非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、体積平均粒径が150nm、固形分量が30%の非晶性ポリエステル樹脂分散液2を得た。
<スチレン・アクリル樹脂分散液1の製造例>
・スチレン:370部
・nブチルアクリレート:30部
・アクリル酸:8部
・ドデカンチオール:24部
・四臭化炭素:4部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加えて分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が155nm、重量平均分子量(Mw)が12,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液1を得た。
・スチレン:370部
・nブチルアクリレート:30部
・アクリル酸:8部
・ドデカンチオール:24部
・四臭化炭素:4部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加えて分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が155nm、重量平均分子量(Mw)が12,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液1を得た。
<スチレン・アクリル樹脂分散液2の製造例>
・スチレン:280部
・nブチルアクリレート:120部
・アクリル酸:8部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)12部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加え分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が105nm、重量平均分子量(Mw)が550,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液2を得た。
・スチレン:280部
・nブチルアクリレート:120部
・アクリル酸:8部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)12部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加え分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が105nm、重量平均分子量(Mw)が550,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液2を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂3>
・テレフタル酸:299質量部
・無水トリメリット酸:19質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:747質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート):1質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、温度200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し1時間反応させ、重量平均分子量(Mw)6000である非晶性ポリエステル樹脂3を得た。
・テレフタル酸:299質量部
・無水トリメリット酸:19質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:747質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート):1質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、温度200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し1時間反応させ、重量平均分子量(Mw)6000である非晶性ポリエステル樹脂3を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂4>
・テレフタル酸:332質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:996質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート):1質量部
その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸96質量部を加え、温度180℃に加熱し、2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)84000である非晶性ポリエステル樹脂4を得た。
・テレフタル酸:332質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:996質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート):1質量部
その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸96質量部を加え、温度180℃に加熱し、2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)84000である非晶性ポリエステル樹脂4を得た。
<着色剤分散液の調製>
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):45部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が23.0%の着色剤分散液を得た。
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):45部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が23.0%の着色剤分散液を得た。
<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が190nm、固形分量が20%の離型剤分散液を得た。
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が190nm、固形分量が20%の離型剤分散液を得た。
<トナー1の製造例>
−トナー粒子1の製造例−
・非晶性ポリエステル樹脂分散液1:95.0部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液2:95.0部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液2:18.0部
・着色剤分散液:22.0部
・離型剤分散液:50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、硝酸水溶液にてpHを2.5に調整し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.35部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、48℃で60分保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂分散液1及び非晶性ポリエステル樹脂分散液2を緩やかに33.3部ずつ追加した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを7.8にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら89℃まで加熱し、3時間保持した。
−トナー粒子1の製造例−
・非晶性ポリエステル樹脂分散液1:95.0部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液2:95.0部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液2:18.0部
・着色剤分散液:22.0部
・離型剤分散液:50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、硝酸水溶液にてpHを2.5に調整し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.35部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、48℃で60分保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂分散液1及び非晶性ポリエステル樹脂分散液2を緩やかに33.3部ずつ追加した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを7.8にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら89℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、300rpmで15分間攪拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmtとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。分離物を12時間真空乾燥した後、棚段乾燥で、トナー厚みを5mm乃至1cmにバットにならして、通風しながら雰囲気温度48℃で24時間乾燥し、篩分してトナー粒子1を得た。
次いで、上記トナー粒子1100部に、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径:20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1.0部、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径:40nm、シリコーンオイル処理)2.0部、シリカ(ゾルゲル法により作製、体積平均粒径:140nm、シリコーンオイル処理)2.0部を加え、5リットルヘンシェルミキサを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。
得られたトナー1の重量平均粒径(D4)は6.0μm、平均円形度は0.963、2μm以下の小粒子の割合が8.5個数%であった。
<トナー2の製造例>
・スチレン・アクリル樹脂分散液1:120部
・スチレン・アクリル樹脂分散液2:80部
・着色剤分散液:30部
・離型剤分散液:40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.3部
以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中で混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、コールターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)で粒子サイズを測定したところ、重量平均粒径(D4)が約5.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。さらにここに、スチレン・アクリル樹脂分散液1及び2を緩やかに30部ずつ追加し、加熱用オイルバスの温度を上げて65℃で1時間保持した。粒子サイズを測定したところ、重量平均粒径(D4)が約5.8μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
・スチレン・アクリル樹脂分散液1:120部
・スチレン・アクリル樹脂分散液2:80部
・着色剤分散液:30部
・離型剤分散液:40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.3部
以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中で混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、コールターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)で粒子サイズを測定したところ、重量平均粒径(D4)が約5.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。さらにここに、スチレン・アクリル樹脂分散液1及び2を緩やかに30部ずつ追加し、加熱用オイルバスの温度を上げて65℃で1時間保持した。粒子サイズを測定したところ、重量平均粒径(D4)が約5.8μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
その後、この凝集粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、前記同様に粒径を測定したところ、重量平均粒径(D4)が5.9μmであることが確認された。トナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別し、pH10.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、イオン交換水による洗浄を3回実施した。その後、トナー粒子を6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実施し、次いで棚段乾燥で、トナー厚みを5mmから1cmにバットにならして通風しながら、雰囲気温度48℃で24時間乾燥し、篩分してトナー粒子2を得た。
得られたトナー粒子2を用いて、トナー1の製造例と同様にしてトナー2を得た。得られたトナー2の重量平均粒径(D4)は6.1μm、平均円形度は0.965、小粒子の割合が9.3個数%であった。
<トナー3の製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂3:50.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂4:50.0質量部
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃):5部
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):5部
上記材料をヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
・非晶性ポリエステル樹脂3:50.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂4:50.0質量部
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃):5部
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):5部
上記材料をヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を、得られた微粉砕物を熱球形化処理により表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度は2.0kg/hr、熱風の吐出温度は220℃で表面改質を行った。次に、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級しで微粉及び粗粉を同時に分級除去し、さらに機械的表面改質装置(ファカルティ F−100、ホソカワミクロン(株)社製)を用いて、処理を3開繰り返し、トナー粒子3を得た。
得られたトナー粒子3を用いて、トナー1の製造例と同様にしてトナー3を得た。得られたトナー3の重量平均粒径(D4)は6.0μm、平均円形度は0.957、小粒子の割合が12.8個数%であった。
トナー1乃至3の物性を表5に示す。
<二成分系現像剤の調製>
次に、このように作製した磁性キャリアとトナーを表6の組み合わせで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92.0質量%、トナー8.0質量%の配合割合とし、V型混合機で5分間混合した。
次に、このように作製した磁性キャリアとトナーを表6の組み合わせで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92.0質量%、トナー8.0質量%の配合割合とし、V型混合機で5分間混合した。
<実施例1>
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C1改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、画像形成し評価を行った。尚、改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外し、現像剤担持体には周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。直流電圧VDCはFFh画像(ベタ画像)のトナーの紙上への載り量が0.6mg/cm2となるように調整した。FFh画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00hを256階調の1階調目(白地部)、FFhを256階調の256階調目(ベタ部)とする。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C1改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、画像形成し評価を行った。尚、改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外し、現像剤担持体には周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。直流電圧VDCはFFh画像(ベタ画像)のトナーの紙上への載り量が0.6mg/cm2となるように調整した。FFh画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00hを256階調の1階調目(白地部)、FFhを256階調の256階調目(ベタ部)とする。
上記条件で、画像比率5%、FFh画像のオリジナル原稿(A4)を用いて、100,000枚耐久試験を行い、以下の評価を行った。
印刷環境 常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH(以下「N/N」)
低温常湿環境:温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L」)
高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表7〜9に示す。
印刷環境 常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH(以下「N/N」)
低温常湿環境:温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L」)
高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表7〜9に示す。
1.キャリア付着
耐久後のキャリア付着を評価した。00h画像を印刷し、静電潜像担持体(感光ドラム)上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出した。
A:3個以下
B:4個以上10個以下
C:11個以上20個以下
D:21個以上
2.リーク試験(白ポチ)
耐久後のリークを評価した。A4普通紙上にベタ(FFH)画像を5枚連続して出力して、画像に直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントして、5枚中のその合計個数から評価を行う。
A:0個
B:1個以上10個未満
C:10個以上20個未満
D:20個以上
3.濃度ムラ
耐久後の濃度ムラを評価した。A4紙全面に90h画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値との差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
A:0.04未満
B:0.04以上0.08未満
C:0.08以上0.12未満
D:0.12以上
4.耐久前後の濃度変動
耐久試験前に、紙上のFFh画像で画像濃度が1.5となるトナー載り量となるようにコントラスト電位を調整した。ベタ画像(3cm×3cm)を400線で出力し、定着画像を得た。次いで、10万枚の耐久画像出力試験後に、耐久試験前と同じ現像電圧で、同様定着FFh画像を出力した。耐久前後の画像濃度の差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
A:0.10未満
B:0.10以上0.15未満
C:0.15以上0.20未満
D:0.20以上
5.カブリ
耐久後のカブリを評価した。耐久後、FFh画像を10枚出力し、次に00h画像を1枚出力し、紙上の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、画像を出力していない紙上の反射率Ds(%)を測定し、カブリ(%)は下記式から算出した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上2.0%未満
D:2.0%以上。
耐久後のキャリア付着を評価した。00h画像を印刷し、静電潜像担持体(感光ドラム)上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出した。
A:3個以下
B:4個以上10個以下
C:11個以上20個以下
D:21個以上
2.リーク試験(白ポチ)
耐久後のリークを評価した。A4普通紙上にベタ(FFH)画像を5枚連続して出力して、画像に直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントして、5枚中のその合計個数から評価を行う。
A:0個
B:1個以上10個未満
C:10個以上20個未満
D:20個以上
3.濃度ムラ
耐久後の濃度ムラを評価した。A4紙全面に90h画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値との差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
A:0.04未満
B:0.04以上0.08未満
C:0.08以上0.12未満
D:0.12以上
4.耐久前後の濃度変動
耐久試験前に、紙上のFFh画像で画像濃度が1.5となるトナー載り量となるようにコントラスト電位を調整した。ベタ画像(3cm×3cm)を400線で出力し、定着画像を得た。次いで、10万枚の耐久画像出力試験後に、耐久試験前と同じ現像電圧で、同様定着FFh画像を出力した。耐久前後の画像濃度の差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
A:0.10未満
B:0.10以上0.15未満
C:0.15以上0.20未満
D:0.20以上
5.カブリ
耐久後のカブリを評価した。耐久後、FFh画像を10枚出力し、次に00h画像を1枚出力し、紙上の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、画像を出力していない紙上の反射率Ds(%)を測定し、カブリ(%)は下記式から算出した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上2.0%未満
D:2.0%以上。
<実施例2乃至15、および比較例1乃至5>
用いる現像剤を二成分系現像剤2〜15、比較用二成分系現像剤1〜5に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7〜9に示す。
用いる現像剤を二成分系現像剤2〜15、比較用二成分系現像剤1〜5に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7〜9に示す。
1 樹脂容器
2 下部電極
3 支持台座
4 上部電極
5 試料
6 エレクトロンメーター
7 処理コンピュータ
A 抵抗測定セル
d サンプル高さ
d1 サンプルがない状態の高さ
d2 サンプルが入った状態の高さ
10 磁性キャリアの加工断面
11 多孔質磁性粒子部
12 樹脂部
13 磁性キャリア表面
2 下部電極
3 支持台座
4 上部電極
5 試料
6 エレクトロンメーター
7 処理コンピュータ
A 抵抗測定セル
d サンプル高さ
d1 サンプルがない状態の高さ
d2 サンプルが入った状態の高さ
10 磁性キャリアの加工断面
11 多孔質磁性粒子部
12 樹脂部
13 磁性キャリア表面
Claims (5)
- 多孔質磁性粒子の孔に樹脂が充填された磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
該磁性キャリア粒子は粒子表面に樹脂部が存在しており、
i)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点から該磁性キャリア粒子の表面に向かって5°おきに72等分割する直線(半径)を引いたとき、
1)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが0.3μm以下である直線(半径)の本数Aが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上50本以下であり、
2)該直線(半径)上における該磁性キャリア粒子の表面から該多孔質磁性粒子の表面までの距離から測定した該樹脂の厚さが1.5μm以上5.0μm以下である直線(半径)の本数Bが、全直線(半径)本数72本に対して7本以上35本以下であり、
ii)走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の断面の基準点を通り、該磁性キャリア粒子の表面から表面に向かって5°おきに36等分割する直線(直径)を引いたとき、
1)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の全個数に対する、6.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部領域の個数が、3.0個数%以上35.0個数%以下であり、
2)該直線(直径)上における0.1μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の全個数に対する、4.0μm以上の長さを有する多孔質磁性粒子部以外の領域の個数が、1.0個数%以上15.0個数%以下であることを特徴とする磁性キャリア。 - 該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性粒子の孔に樹脂が充填されている粒子の表面をさらに樹脂で被覆した粒子であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
- 該磁性キャリアは、走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、
磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
Av2=(磁性キャリア粒子上の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2) - 該磁性キャリアは、ブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。
- 磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤であって、
該磁性キャリアが、請求項1乃至4のいずれか一項に記載された磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
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