JP2010104249A - 栄養添加剤用の液体培養物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液体培養物は、魚骨を主要成分として含有する水産副産物が添加され、糖分と窒素分を富化されてなる混合培地を使用して、培地表層に存在する酵母とともに存在する乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢を培養し、培養液のpHを4.0以下に
せしめるとともに該魚骨を分解・溶解せしめて得られる栄養添加剤用の液体培養物である。本発明の栄養添加剤用の液体培養物は、飼料用添加剤として、あるいは肥料もしくは植物活力剤として使用されることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
許文献2)。
抑制され、腐敗臭の発生も抑えられることはこれまで知られていなかった。
ネラルの培養液中への溶解が効率的に進行することもこれまでは知られていなかった。
強い好酸性菌を含み、さらに高濃度の水素イオン(pH4.0以下)、アルコールや有機酸を
含む、保存性の高い特性を有し、肥料・飼料添加剤および植物活力剤として有用である液体培養物を提供することを課題とする。
に好ましい酵母は産膜酵母である。
栄養添加剤用の液体培養物の製造方法であって、魚骨を主要成分として含有する海産・水産副産物が添加され、糖分と窒素分を富化されてなる混合培地を使用して、培地表層に存在する酵母とともに存在する乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢(好ましくは培地表層を覆う酵母とともにその下に乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢)を培養し、培養液のpHを4.0以下にせしめるとともに、該魚骨を分解・溶解せしめ、最終的に固形物を除去して得られることを特徴としている。
養液として0.1〜40%の割合で添加されることが望ましい。
本発明において微生物培養の際、酵母共存下での乳酸菌または好酸性菌の培養であることが望ましい。酵母の増殖によって培養液中の溶存酸素濃度を低下させて嫌気性の乳酸菌や好酸性菌の増殖に適した環境を作り出すこと、エタノール生成によって腐敗菌の侵入を抑えることなどがその理由である。また、魚骨を含む海産・水産副産物を添加・発酵せしめる際に、酵母共存下での乳酸菌もしくは好酸性菌の培養系は、酵母が存在しない培養系に比べて、発酵中の“生臭さ”も抑えられ、快適な生産環境が確保できる。
[発明の詳細な説明]
本発明の栄養添加剤用の液体培養物は、魚骨を主要成分として含有する海産・水産副産物が添加され、糖分と窒素分を富化されてなる混合培地を使用して、培地表層に存在する酵母とともに存在する乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢を培養し、培養液のpHを4.0以下にせしめるとともに該魚骨を分解・溶解せしめて得られる液体培養物である。
液をpH4.0以下にせしめると同時に魚骨を主要成分とする海産・水産副産物由来のミネ
ラルや栄養成分を分解・溶解せしめることを特徴とする栄養添加剤用の液体培養物である。栄養添加剤として具体的には、好ましくは肥料・飼料添加剤および植物活力剤の形態で提供される。
類の魚骨の混合であってもかまわない。骨の種類、部位も問わない。
を含めるのがよい。さらに魚介類の内臓、ウロといった海産・水産副産物も含めてもよいが、この場合は腐敗防止、有害菌の増殖抑制のため、生鮮魚介類の解体時からできるだけ早めに使用することが望ましい。
に、中性〜アルカリ性に至適pHを持つ腐敗菌群や好気性のカビの進入は防がれ、酵母によるエタノールの生成、乳酸菌による乳酸などの有機酸の生成が進行し、液体でも保存性の高い培養液が得られる。酵母や乳酸菌は通性嫌気性菌のため、この際、緩やかに撹拌培養しても目的は達成できる。
属(Saccharomyces bayanusなど)、Torulopsis属(Torulaspora delbrueckiiなど), Pichia属(Pichia amomalaなど), Candida属, Zygosaccharomyces属, Schizosaccharomyces属,
Hansenula属などに属する産膜酵母である。これらを単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
コッカス・フェカリスなどがあげられる。また、発酵残渣中にみられるラクトバチルス・ファラギニスなども望ましい。さらに、Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Lactococcus属、Pediococcus属、Leuconostoc属、Streptococcus属などもあげられる。これらを単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。好酸性菌として、Thermoplasma属、Sulfolobus属などの菌が挙げられる。
ールおよび有機酸が生成し、pHが低下する。培養液への微生物の添加は酵母および乳酸菌および/または好酸性菌を含む微生物叢の前培養液を0.1〜40%、好ましくは5〜20%の
割合で添加する。必要に応じて、酵母や乳酸菌を同時に添加してもよい。酵母の場合、泥状状態で0.1%〜1.5%、好ましくは0.5%〜1%の割合で添加、乳酸菌の場合は、001%〜0.5%、好ましくは0.05%〜0.2%の割合で添加し、20〜40℃で約3日〜3週間保持する。前記微生物叢の前培養液は少なくとも酵母および乳酸菌を含むことが望ましい。菌体を培養液に添加する場合も同様である。酵母および乳酸菌の他に必要に応じて好酸性菌も適宜含める。
・発酵液を得ることができる。また、必要に応じて、培養の始めから培地のpHを4.0以
下にして培養を開始せしめることもできる。したがって酵母および乳酸菌もしくは好酸性菌の共存からは、「培養液のpHを4.0以下にせしめる」のが都合よいが、必要であれば
特にpHを3.5以下にしてもよい。
より小片化してもよいが、そのままの形態で投入してもよい。室温で保持し、目視によって、固形物が無くなった時期がほぼ分解・発酵の完了時期と考えると、通常、魚骨を主要成分とする水産副産物の添加後、通常は約3日〜3週間後には、分解・発酵が完了するが、魚骨や水産副産物の種類と量によってこの期間は変動する。培養液のpHが低下することにより、培養液中の魚骨などは容易に軟化し、含まれるミネラル成分が培養液中に溶解するとともに、いずれ魚骨は発酵の進捗に従い分解されて消滅する。このように本発明ではミネラル原料である魚骨を別個に溶解する必要がないという利点は大きい。また、魚骨などを含む水産副産物をこのように簡単に液化する技術は知られていなかったため、その意義は大きい。
分の原料とともに、培養開始時に添加してもよいし、必要に応じて、糖質や窒素成分を原料とした培養を先行させて、ある程度、培養・発酵が進行した時期に添加してもよい。
更可能である。なお希釈はpHを調整する目的を兼ねてもよく、pH調整用希釈液で弱酸性〜中性pH(例えばpH5.0〜7.0)に調整してもよい。
く、室温下で長期間置いておいても、腐ることなく品質が保持される。
性菌を含む微生物叢を糖質および窒素成分を含む培養液で培養したpH4.0以下の培養液
を含む混合・発酵液タンクを、水揚げ漁港あるいは養魚場、蛎・貝類・コンブなどの養殖場などの近傍に設置して、魚類、水産物の加工処理の工程で得られる魚骨あるいは水産副産物もしくは廃棄物を順次、混合・発酵タンクに投入して分解・溶解せしめ、必要に応じて混合・培養液を抜き取り、養鶏場、養豚場、果樹園、グリーンハウス、畑、植物栽培場などで肥料・飼料添加剤あるいは植物活力剤として使用する資源有効利用システムを構築してもよい。
[実施例]
ethanolica: NRRRL Y-12615)および乳酸菌(Lactobacillus farraginis: NRIC 0676)を含む微生物叢を添加後、30度℃前後で静置培養した際のpHと香りの変化を評価した。その結果を表2に示す。培養開始後、6日、pH3.43以下で原料臭は消滅し、発酵臭になった。なお、魚骨は16日培養後には消滅していた。
植物活力剤としての栄養添加剤用の液体培養物)を100倍に希釈して散布し、49日間、その生育に及ぼす効果をみた。
菜に散布したものを試験区とした。いずれも33日目に、たっぷりと散水した後、2日間、水を与えることなく室内に放置して、その様子を観察した。その結果、コントロールは、しおれてしまったが、試験区の白菜はしおれることなく、保水性を示した(図1)。この結果から本発明品は、植物の乾燥条件に対する耐性も向上させることが知られた。
培養液で培養したpH4.0以下の培養液を製造するための混合・発酵液タンクを、水揚げ
漁港あるいは養魚場、蛎・貝類・コンブなどの養殖場などの近傍に設置して、魚類、水産物の加工処理工程で副生する魚骨等の水産副産物を順次その混合・発酵タンクに投入して分解・溶解せしめ、必要に応じて混合・発酵タンクから培養液を抜き取り、これを養鶏場、養豚場、果樹園、グリーンハウス、畑、植物栽培場などにおいて肥料・飼料添加剤あるいは植物活力剤として使用されるシステムが構築できる。
Claims (9)
- 魚骨を主要成分として含有する海産・水産副産物が添加され、糖分と窒素分を富化されてなる混合培地を使用して、培地表層に存在する酵母とともに存在する乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢を培養し、培養液のpHを4.0以下にせしめるとともに該魚骨を分解・溶解せしめて得られる栄養添加剤用の液体培養物。
- 前記海産・水産副産物が、魚骨とともに、タコ、イカ、コンブ、緑藻類、紅藻類、ラン藻類、貝類、および/または蛎に由来する副産物を含むことを特徴とする、請求項1に記
載の液体培養物。 - 前記魚骨が、あじ、さば、さんま、いわし、ぶり、ふぐ、あゆ、かつお、まぐろ、あまだい、たい、かれい、うなぎ、はまち、あこう、しろぎす、ひらめ、あなご、たちうお、さけ類、グレ、すずき、とらふぐ、ほっけ、かんぱち、まんぼう、しまあじ、いさき、鯛、かさご、かわはぎ、めんめ、こい、ブラックタイガー、およびふなの魚類から選ばれる少なくとも1種の魚の骨であることを特徴とする、請求項1または2に記載の液体培養物。
- 前記酵母がSaccharomyces属、Candida属、Torulopsis属、Zygosaccharomy属、 Schizosaccharomyces属、Pichia属、またはHansenula属であり、前記乳酸菌がLactobacillus属、Bifidobacterium属、Lactococcus属、Pediococcus属、Leuconostoc属、またはStreptococcus属であり、前記好酸性菌がThermoplasma属、Sulfolobus属であることを特徴とする、
請求項1〜3いずれかに記載の液体培養物。 - 前記酵母が産膜酵母であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液体培養物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の液体培養物を含有する飼料用添加剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の液体培養物を含有する肥料もしくは植物活力剤。
- 栄養添加剤用の液体培養物の製造方法であって、魚骨を主要成分として含有する海産・水産副産物が添加され、糖分と窒素分を富化されてなる混合培地を使用して、培地表層に存在する酵母とともに存在する乳酸菌または好酸性菌からなる微生物叢を培養し、培養液のpHを4.0以下にせしめるとともに、該魚骨を分解・溶解せしめ、最終的に固形物を除去して得られることを特徴とする製造方法。
- 前記混合培地は、酵母培養用または乳酸菌培養用の天然培地である、請求項8に記載の製造方法。
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