JP2009512116A - メモリ・アレイの出力を検出する最適な時刻の決定 - Google Patents

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Abstract

最適な時刻に検出可能信号を生成するメモリ・ユニット内の追跡回路である。この追跡回路は、それぞれがメモリ・アレイ(120)内のセルの駆動強さと同じ駆動強さを有する或る数のダミー・セル(220,230,240)を含む拡張可能ドライバ・ブロックを含む。ダミー・セルをオンにすると、メモリ・アレイ内のメモリ・セルと同様に1つの列を駆動する。その結果、行の数が多い場合は、列(内の或る数の行)により生じる遅れを拡張可能ドライバ・ブロックが近似し、行の数が少ない場合は、逆制御論理が遅れをエミュレートする。逆制御論理と拡張可能ドライバ・ブロックのどちらかがパルスを与え、これを用いて検出動作をトリガする。

Description

本発明はメモリ・ユニットの設計に関するもので、より特定すると、種々の遅れを持つデータ出力を生成するメモリ・アレイの出力を検出する最適な時刻を決定する方法および方式に関するものである。
メモリ・アレイは一般に多数のセルを含み、各セルは一般にデータ・ビットを記憶する。セルは、この技術で周知のSRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)およびDRAM(ダイナミックRAM)などの技術を用いて実現することができる。一般にメモリ・アレイは、入力信号が指定するセル内に記憶されている値を表す出力信号を、対応する出力経路上に生成する。
一般に、出力信号を検出して対応するビット値を決定する。一般に、出力信号の強さを適当な時刻に調べ、その強さに基づいて対応するビット値を決定する。
検出を行う時刻は最適でなければならない。すなわち、余り早く検出すると誤った値を検出するかも知れないし、余り遅く検出すると処理量がそれだけ小さくなりかねない。したがって、従来技術では、出力信号を最適な時刻に検出する必要があると認識されている。
かかるメモリ・アレイ(特にSRAM)は、DSPやマイクロプロセッサや無線ベースバンド・プロセッサなどの汎用および特殊用途向け集積回路で用いることが多い。
メモリ・アレイが種々の遅れを持つ出力信号を生成するような場合は別の問題が起こる。例えば、メモリ・アレイは「コンパイラ技術」を用いて実現することが多い。すなわち、高レベルの設計者は、異なる構成のメモリ・アレイと共に動作する必要があるメモリ・ユニットの種々の構成要素(デコーダ、センスアンプなど)を設計する。
後の設計者は関心のある特定の環境に適した関心のある望ましい構成(メモリ・アレイの大きさ)を採用してよい。このように、コンパイラ技術を用いることにより、高レベルの設計者は種々のサイズのメモリ・アレイをサポートする広いフレームワークを提供し、特定の構成は後で複数の人々が選ぶ。
かかる環境における1つの問題は、メモリ・アレイ・サイズの構成によって、メモリ・アレイが生成する出力信号が異なる遅れを持つことである。遅れは、(製造)プロセスの変動や、実際の動作中の温度や電圧の変動などの他の要因に影響されることもある。したがって、出力信号を検出する最適な時刻は、後の設計者が選ぶ特定の構成によって変ることがある。
従来の1つの共通の方法は「追跡機構」を用いることである。この方式では、検出時刻を示す検出信号を生成する。一般に追跡機構は出力信号内に可変の遅れを生じる効果をエミュレートする構成要素を含むので、検出信号は最適な検出時刻を正確に指定することができる。
可変の遅れを持つデータ出力を生成する可能性があるメモリ・アレイ(上に述べたコンパイラ・メモリなど)の出力を検出するのに最適な時刻を示す追跡機構が一般に必要ある。
1. 概要
本発明の或る態様に係る追跡機構は、メモリ・アレイの出力を検出するのに最適な検出時刻を決定する拡張可能ドライバを含む。拡張可能ドライバを用いることにより、この追跡機構はメモリ・アレイ・サイズが変わったときの検出時刻を最適に決定することができる。
本発明の別の態様は(***)する逆追跡回路を用いる。
本発明のいくつかの態様について、例を参照して以下に説明する。本発明を完全に理解していだくために多数の特定の詳細、関係、および方法を示すことを理解していただきたい。しかし当業者が容易に認識するように、特定の詳細の1つ以上を用いずに、または他の方法を用いて、本発明を実施することができる。また、本発明の特徴が不明瞭にならないようにするために、周知の構造または動作については詳細には示さない。
2. 装置の例
図1は本発明の種々の態様を実現することができる装置の一例のブロック図である。図の装置100は、アドレス・デコーダ110、メモリ・アレイ120、センスアンプ・ブロック130、出力(O/P)バッファ140、および外部システム190を含む。外部システム190を除く全ての構成要素はメモリ・ユニット内に含まれると考えてよい。各ブロックの詳細について以下に説明する。
メモリ・アレイ120は、図2に示すように行と列に編成されたセルを含む。図2に示すように、セル230,240、および220を1つの行の中に配置し(行の中の他のセルは示さない)、またセル220および230を1つの列の中に配置する(列の中の他のセルは示さない)。1つの列の中の全てのセルは1つの列線上で接続する(使用可能になるとその出力を出す)。例えば、図2のセル220および230はその出力を列線280−Mに出す。1つの行の中のセルは、行線290−1から290−N(経路112内に含まれる)上の対応する行可能信号により使用可能になる。使用可能な行のセル内に記憶されているビットは列線280−1から280−M(経路123内に含まれる)に出される。
更に図1において、外部システム190はメモリ・アレイ120内で読み取る必要のある関心のある語のアドレス(行アドレス)を経路191で(アドレス・デコーダ110に)送り、また指定された語内に記憶されている値を経路149で受ける。外部システム190は、アドレスを生成する種々のプロセッサ(図示せず)を含んでよい。
アドレス・デコーダ110はアドレスを復号し(特定の行を決定し)、受けたアドレスに対応する行可能信号を使用可能にする。これにより、使用可能な行の中のメモリ・セルは記憶しているビットの値を経路125(特定すると、列線280−1から280−M)に出力する。
出力バッファ140はセンスアンプ・ブロック130の出力ビット(経路134で受けた)の強さを高めて(すなわち、緩衝して)、対応する信号を経路149で外部システム190に与える。
センスアンプ・ブロック130はメモリ・セル出力が生成する出力信号を検出して、信頼して使用できるレベルまで増幅する。その結果生成されたビット値は経路134に出力される。センスアンプ・ブロック130は1語(すなわち、行)内のメモリ・セル毎に1個のセンスアンプ・ユニットを含む(後で図3を参照して更に詳細に示す)。各センスアンプ・ユニットは対応する列線(メモリ・アレイ120から受ける)に接続して、対応する列の中のセルの出力を受ける。
上に背景技術のところで述べたように、一般に、各センスアンプ・ユニットは対応する出力信号(メモリ・アレイ120から受ける)を最適な時刻に検出する必要がある。かかる最適な時刻を決定する際にコンパイラ・メモリ・タイプの環境で起こるいくつかの問題を、以下に図3および図4を参照して更に詳細に示す。
3. 最適な時刻に検出する際の問題
図3は、1つの実施の形態において最適な検出時刻を決定する際に考慮に入れる必要のあるいくつかの問題の例を示す、メモリ・ユニットの一部のブロック図である。詳しく述べると、メモリ・アレイの行線および列線の中の種々の寄生静電容量が最適な検出時刻に影響を与える様子を示す。
このブロック図は、アドレス・デコーダ110、センスアンプ・ブロック130、および行線290−1から290−Nと列線280−1から280−Mとを含む(メモリ・アレイ120のセルの編成を表す)。各構成要素について以下に詳細に説明する。
図のセンスアンプ・ブロック130はセンスアンプ・ユニット330−1から330−Mを含み、各センスアンプは対応する列線で受ける出力信号を検出する。各センスアンプ・ユニットは対応する列線を適切な時刻に検出する必要があるが、種々の寄生静電容量のために種々の問題が起こる。これについて以下に詳細に説明する。
要素320−340は行290−1に関連する分散静電容量を表し、要素350−360は列線(すなわち、ビット線)280−Mに関連する分散静電容量を表す。例として要素320、330、340、350、および360だけを離散的要素として示しているが、静電容量は一般にメモリ・アレイの種々の部分に分散されている。また、図示していないが、メモリ・アレイ120の全ての行線および列線は同様の関連する静電容量を有する。
また、集合体静電容量(例えば、列線280−Mの350、260などの静電容量の値の合計)などの要素は、メモリ・アレイ120内の行の数に従って異なる速度で信号の強さを高める。一般に行の数が多くなるに従って、高まる速度は低くなる。
望ましい強さに達した後に出力信号を検出することが望ましく(信頼性のために)、「遅れ」は行の数と正相関を有すると考えてよいので、最適な検出時刻はかかる遅れも考慮に入れて設計する必要がある。また、アドレス・デコーダ110が対応する行を使用可能にする前の遅れの大きさも、メモリ・アレイ120内の行の数に従って変わることがある。
メモリ・セルが有する内部負荷により別の問題が起こることがある。後で説明する実施の形態では、出力信号を差動形式で出すように各(メモリ)セルを設計する。したがって、メモリ・セルの差動方式についての説明を、図4を参照して以下に行う。
4. 差動入力を与えるセル
図4は、1つの実施の形態におけるメモリ・セルの内部構造と、対応するセンスアンプ・ユニットの動作とを詳細に示す。この図は、インバータ480および490、トランジスタ430および440、およびセンスアンプ・ユニット410を含む。各構成要素について以下に詳細に説明する。
インバータ480および490は背面接続である。インバータ480および490の出力は相補的である。インバータ480および490の出力は、メモリ・セル420内に記憶されているビットの値を表す差動電圧出力を構成する。
行可能290−1がオンになると、各トランジスタ430および440は対応するインバータ480および490の出力とビット線450および460とをそれぞれ接続する。これにより、インバータ480および490の出力は線450および460(列線280−Mの中に含まれる)にそれぞれ出る。
認識されるように、各トランジスタ430/440もメモリ・セル420の出力(の信号の強さの上昇)をいくらか遅らせる(関連する抵抗および静電容量のために)。
センスアンプ410は、オンになる(トリガする)とビット線450と460の強さの差を増幅し、増幅された信号としきい値とを比較して、ビット線450/460上の信号が1と0のどちらを表すかを決定する。メモリ・ユニットを高速かつ低電力消費で実現できるようにするため、センスアンプは低い強さの入力信号を用いてこの決定を行うことが好ましい。
線450および線460上の差動電圧は、メモリ・セル内に記憶されているビット値を高い信頼性度で決定するのに必要なレベルに向かって上昇を開始する。
上に述べた分散静電容量により生じる遅れの影響のために、差動電圧の上昇は、他の要因の中でも特にメモリ・アレイ内の行および列の数に従って、異なる速度で起こる。
コンパイラ・メモリ・タイプの構成要素では、センスアンプは異なる大きさのメモリ・アレイと共に動作するのが望ましい。少なくともかかるシナリオでは、メモリ・アレイの大きさに関係なく、メモリ・アレイ内に記憶されている情報を高い信頼度で決定できるように、センスアンプを最適な時刻にトリガする必要がある。このため、以下に説明する追跡機構を用いる。
5. 従来技術の追跡機構
図5は1つの実施の形態における追跡機構を示す従来技術のメモリ・ユニットのブロック図である。図のメモリ・ユニット500は、クロック発生器510、制御ブロック520、アドレス・デコーダ110、メモリ・アレイ120(メモリ・セル420を含む)、パス・ゲート580、列追跡相互接続590、センスアンプ130、および出力バッファ140を含む。
アドレス・デコーダ110、メモリ・アレイ120、および出力バッファ140は上に図1を参照して説明したように動作するので、簡単のために説明を繰り返さない。各センスアンプ・ユニット330−1から330−M(センスアンプ130内に含まれる)は列線280−1から280−M上の出力信号を、検出可能信号526が指定する時刻に検出する。
クロック発生器510はクロック信号を経路506で受け(図示していない外部信号源から)、経路506でクロック信号を受けた時刻に負のクロック・パルスを生成する。クロック・パルスの負の(1から0への)遷移と正の(0から1への)遷移は、メモリ・アレイ120から語を読み取るのに必要な動作の開始と終了をそれぞれ表す。またクロック発生器510は、内部で生成した負のクロック・パルスを制御ブロック520に送る。
制御ブロック520、相互接続要素528および529、パス・ゲート580、および列追跡相互接続590は検出可能信号526を生成する。これらについて次に詳細に説明する。
要素529および528は電気的相互接続要素であって、制御ブロック520が生成した追跡パルスの進み経路および戻り経路をそれぞれ形成する。これらの相互接続要素は関連する分散静電容量を有し、メモリ・アレイ120内の列線上の分散静電容量(例えば、350および360)により生じる遅れをエミュレートするよう設計する。
パス・ゲート580は、メモリ・アレイ120内のメモリ・セル内の直列のNMOSトランジスタ(図4に430および440で示す)により生じる遅れをエミュレートするよう設計する。
列追跡相互接続590は電気的相互接続要素であって、メモリ・アレイ120内の行の分散静電容量(例えば、320、330、および340)により生じる遅れをエミュレートするよう設計する。
制御ブロック520は経路505で(外部システムから)受けたアドレスをアドレス・デコーダ110に送る。また、制御ブロック520はクロック発生器510からクロック・パルスの負の遷移を受けると追跡パルスを(相互接続経路529上に)生成する。制御ブロック520は、追跡パルスを相互接続経路528上に受けると、センスアンプ・ブロック130のセンスアンプのためのトリガ(検出可能)信号を生成する。
追跡パルスが種々の構成要素を通して伝播するときに起こる遅れ(制御ブロック520が受けるまで)は、検出可能信号を生成する際に用いる遅れの測度を表す。なぜなら、相互接続要素528/529は列線に関連する静電容量による遅れをエミュレートし、列追跡相互接続590は行に関連する静電容量による遅れをエミュレートし、またパス・ゲート580はメモリ・セル内の直列のN−MOSトランジスタ(430/440)に関連する遅れをエミュレートするからである。
このように、トリガ・パルスが相互接続要素528で制御ブロック520に戻ると、制御ブロック520はセンスアンプ・ユニットをオンに(使用可能に)する使用可能(トリガ)信号を生成する。その後、内部クロック生成ユニット510が生成したクロック・パルスが0から1に遷移すると、制御ブロック520はセンスアンプをリセットして(追跡パルスを無効状態にして)使用不能にする(オフにする)。経路506で立上がりエッジを受けると読取り動作を再び開始する。
上に述べた追跡機構の方式はいくつかの欠点を有する。その一部を以下に説明する。
前に述べたように、要素529および528は、メモリ・アレイ120内の列線上の分散静電容量により生じる遅れをできるだけ正確にエミュレートするよう設計する。これらの要素のパラメータ(例えば、長さ、幅、および厚さ)は実際のメモリ・アレイのシミュレーション・モデルに基づいて選ぶ。シミュレーション・モデルに不正確さまたは変化があれば、これらの要素のパラメータとして選んだ値は最適でなくなる。
また、直列のトランジスタと、これがエミュレートするメモリ・セル構造内のパス・ゲート580との間にしばしば不整合がある。
更に、この方法では、より大きな構成(より多くの数の行)の場合は追跡パルスの歪が大きく(立上がりおよび立下がり時間が大きく)なり、したがって、特に大きな構成のメモリ・アレイの場合はセンスアンプの動作が信頼できなくなる。
上に述べた要因のために、センスアンプへの使用可能(トリガ)信号のタイミングは最適でなくなる。本発明の種々の態様は、以下に詳細に説明するように、かかる欠点の少なくとも一部をなくす。
6. 改善された追跡機構
図6は、本発明の或る態様に係る追跡機構を示すメモリ・ユニットのブロック図である。図のメモリ・ユニット600は、クロック発生器610、制御ブロック620、アドレス・デコーダ110、メモリ・アレイ120(メモリ・セル650を含む)、追跡信号ドライバ695、列追跡負荷696、拡張可能ドライバ・ブロック680、逆制御論理690、センスアンプ・ブロック130、および出力バッファ140を含む。
アドレス・デコーダ110、メモリ・アレイ120、および出力バッファ140は上に説明したように動作するので、簡単のために説明を繰り返さない。各センスアンプ・ユニット330−1から330−M(センスアンプ130内に含まれる)は列線280−1から280−M上の出力信号を、検出可能信号626が指定する時刻に検出する。
制御ブロック620、列追跡負荷696、追跡信号ドライバ695、拡張可能ドライバ・ブロック680、および逆制御論理690は検出可能信号626を生成する(したがって、追跡回路として動作する)。これらについて次に詳細に説明する。
列追跡負荷696は電気的相互接続要素として実現してよく、メモリ・アレイ120内の行の分散静電容量により生じる遅れをエミュレートするよう設計してよい。列追跡負荷696は列追跡相互接続590と同様にして実現してよい。
クロック発生器610はクロック信号を経路606で受け(図示しない外部信号源から)、経路606でクロック信号を受けた時刻に負のクロック・パルスを生成する。クロック・パルスの負の(1から0への)遷移と正の(0から1への)遷移は、メモリ・アレイ120から語を読み取るのに必要な動作の開始と終了をそれぞれ表す。またクロック発生器610は、内部で生成した負のクロック・パルスを制御ブロック620に送る。
追跡信号ドライバ695は開始パルスを制御ブロック620から受けて、拡張可能ドライバ・ブロック680および逆制御論理690を共に正のパルスで駆動する(それぞれ経路698および699で)。追跡信号ドライバ695はバッファとして実現され、その駆動強さは経路116の行線の行可能信号を駆動するドライバの強さと等しくなるように設計する。
拡張可能ドライバ・ブロック680は多数の(ダミー)セルを含む。これらは単一の列として編成され、列線により生じる(容量)遅れを実質的に複製するよう設計されたダミー列線(正のパルスを制御ブロック620まで伝播させる)に接続する。かかるセルを用いることにより、拡張可能ドライバ・ブロック680は(メモリ・アレイ内の)行の数が多い場合に生じる遅れを容易に正確にエミュレートすることができる。1つの実施の形態における拡張可能ドライバ・ブロック680の実現については、図7および図8を参照して後で詳細に説明する。
しかし行の数が少ない場合は、拡張可能ドライバ・ブロック680だけではメモリ・アレイ120の列線内に生じる遅れを容易に正確にエミュレートできないことがある(後で説明する理由から)。逆制御論理690は(制御ブロック620に接続することに加えて)かかる状態を訂正するように働く。詳細は後で図7を参照して説明する。
逆制御論理690は、行の数が少ない場合にメモリ・アレイ120の遅れをエミュレートするよう設計されるので、かかるシナリオで正のパルスは迅速に伝播する(拡張可能ドライバ・ブロック680より先に)。しかしセルの数が多い場合は、正のパルスは拡張可能ドライバ・ブロック680ほど速くは伝播しない。或る実施の形態では、逆制御論理690は1対のインバータと1個のNMOSトランジスタとを直列に接続して実現する。これについては後で図7に関して説明する。
制御ブロック620は経路605で(外部システムから)受けたアドレスをアドレス・デコーダ110に送る。また、制御ブロック620はクロック・パルスの負の遷移をクロック発生器610から受けると開始パルスを生成する。開始パルスは、アドレス・デコーダ110内で行のアドレスを復号するときに生じる遅れに等しい遅れで生成する。或る実施の形態では、遅れは固定であって、メモリ・ユニットの設計者が決定する。
制御ブロック620は、逆制御論理690または拡張可能ドライバ・ブロック680から戻りパルスを受けると検出可能信号626を表明する。以上の説明(および図7に関する以下の説明)から認識されるように、拡張可能ドライバ・ブロック680から受ける戻りパルスは行の数が多い場合の検出時刻を正確に反映する。他方で、行の数が少ない場合は、逆制御論理690が検出時刻を加速させる(すなわち、検出可能信号626を生成する)。
上記から認識されるように、制御ブロック620はアドレス・デコーダ110の遅れを含む遅れを持つ開始パルスを生成し、列追跡負荷696は行の静電容量により生じる遅れに等しい遅れを生じ、追跡信号ドライバ695と拡張可能ドライバ680と逆制御論理690との組合せは列線の静電容量により生じる遅れに等しい遅れを生じる。各構成要素は対応する遅れを(実質的に)正確にエミュレートするので、検出時刻を正確に決定することができる。
しかし、上に述べたように、逆制御論理690は行の数が少ない場合に戻りパルスを与え、拡張可能ドライバ680はそうでない場合に戻りパルスを与える。列線内の静電容量により生じる遅れを追跡するための逆制御論理690および拡張可能ドライバ680の実施例について以下に説明する。
7. 逆制御論理および拡張可能ドライバ
図7は、1つの実施の形態において列線内の静電容量により生じる遅れをエミュレートするための、逆制御論理690および拡張可能ドライバ680の詳細を示す。図の拡張可能ドライバ680はブロック710−1から710−4および720−1から720−4を含む。図の逆制御論理690はインバータ740および755とNMOSトランジスタ756とを含む。
各ブロック710−1から710−4および720−1から720−4はダミー列線760に接続するダミー・セルを表す。各ダミー・セルは、メモリ・アレイ120内に用いられるメモリ・セルの駆動強さに等しい駆動強さを有する。1つの実施の形態では、拡張可能ドライバ・ブロック680はメモリ・アレイ120内の8行毎に710−1から710−4および720−1から720−4で示すブロックの1つを含み、図8に示す構造を有する。ブロック710−1および720−1は恒久的に使用不能であり(回路接地に接続するので)、したがって信号をダミー列線760に出力しない。他方で、ブロック710−2から710−4および720−2から720−4は、使用可能になると論理0信号を列線760に出力する。このように、ブロック710−1および720−1はダミー列線760の負荷になる。
図8に関して述べると、PMOSトランジスタ850およびNMOSトランジスタ840はCMOSスイッチを形成し、その入力は電源860に接続する。CMOSスイッチの出力(経路837)は論理0である。追跡信号ドライバ695が経路698を駆動して1にするとトランジスタ830はオンになる。したがって、CMOSスイッチは列線760を駆動して0にする。CMOSスイッチを形成するトランジスタおよびトランジスタ830は、メモリ・アレイ/セル内の対応する要素と同一に作る。
引き続き図7を参照して、オンになったときの各ブロック710−2から710−4および720−2から720−4の駆動強さは、メモリ・アレイ120内のメモリ・セルが生成する駆動強さと同じである。列線760の静電容量もメモリ・アレイの列線の静電容量と実質的に等しいので、経路760での戻りパルスの伝播の遅れはメモリ・アレイ内の列線の遅れと実質的に等しい。
4つのブロック710−1から710−4のグループの中で、3つのブロック710−2、710−3、および710−4は信号をダミー列線760にそれぞれ出力する(駆動する)が、1つのブロック710−1は負荷として作用する。メモリ・アレイ120内の8行毎にブロック710−1から710−4の1グループを用いるので、構成がより大きい(行の数がより多い)場合は多数のドライバ(ブロック710−2から710−4と同様の)があると認識してよい。したがって、拡張可能ドライバ680は逆制御論理690と同じ速さで正のパルス698を(戻りパルスとして経路760に)伝播する。
しかし構成がより小さい(行の数がより少ない)場合は、ブロック710−2から710−4の数はこれに比例して少ないので、駆動しないブロック(710−1と同様の)によるダミー列760の負荷および増加した静電容量に比べてドライバの数(ブロック710−2から710−4と同様の)が不釣合なほど少ない。
したがって、構成がより小さい場合は、拡張可能ドライバ680が伝播する正のパルス698は(戻りパルスとして経路760で)必要以上に遅くなる。これを逆制御論理690で訂正する。次に説明するように、行の数が少ない場合は、逆制御論理690は正のパルスを(戻りパルスとして経路760で)より速く伝播する。
インバータ740と755とは直列に接続して、経路698で受けた信号を伝播する。インバータ755の出力(経路756の)が論理1のとき、NMOSトランジスタ757は経路760を引き下げる。したがって、インバータ740および755とNMOSトランジスタ757の駆動強さを設計することにより、経路760でハイからローへの遷移を行わせるときの最大時間遅れを制御することができる。拡張可能ドライバ・ブロック680がかかる遷移をより速く行わせる場合は、希望するように、逆制御論理690は経路760の信号レベルに影響を与えない。
上記から、上に述べた方式を用いて検出時刻をより正確に決定できることが認識される。次にタイミング図に関して説明する。
8. タイミング図
図9は、本発明の種々の態様に係る実施の形態におけるメモリ・ユニットの動作を示すタイミング図である。読取り動作は時刻t0にクロック606の立上がりエッジで開始する。クロック発生器610は、時刻t0での立上がりエッジに続くパルスを有する内部信号905を生成する。メモリ・アドレスは、図に示すように、時刻t1(t0に近い)に外部システムから与えられる。
アドレス・デコーダ110は時刻t2に行可能信号116を生成する。行可能は時刻t3に関心のあるセルに到着する。このとき、メモリ・セルの出力電圧908は記憶されているビットを表す値に向かって上昇を開始する。制御ブロック620は時刻t2に開始パルス629を生成する。このパルスは時刻t3に追跡信号ドライバ695に到着する。
追跡信号ドライバ695は時刻t3に正のパルス698を生成する。戻りパルス(経路760の)は時刻t3に論理0への遷移を開始して、時刻t10に論理0に到達する。
制御ブロック620は時刻t4に検出可能信号910を生成する。メモリ・アレイ出力は時刻t4に経路149で外部システムに利用可能になる。時刻t5に、クロック信号606は0に戻り、読取りサイクルの終わりを示す。図に示すように、クロック・パルス905はt5に論理1に戻る。
外部システムは時刻t6に経路605のアドレスを取り除く。行可能信号116は時刻t7に0に戻る。メモリ出力電圧908は時刻t6にゼロへの戻りを開始する。開始パルス629は時刻t5にゼロへの戻りを開始し、t8に論理0に到達する。正のパルス698はt8に0に戻る。戻りパルス(経路760の)はt8に論理1への戻りを開始する。検出可能910はt9に論理0に遷移する。経路149のバッファ出力はt4の後に出力ビット値を含み、t9の後に3状態論理に遷移する。
継続時間t1−t2はアドレス・デコーダ110内の遅れを表し、制御ブロック620は開始パルス629に遅れを加える(そして、図に示すようにt2の頃に正の遷移を生成する)ことによりエミュレートする。継続時間t2−t3は行の静電容量により生じる遅れを表し、列追跡負荷696によりエミュレートする。継続時間t3−t10は列線の静電容量により生じる遅れを表し、上に説明したように、拡張可能ドライバ・ブロック680および逆制御論理690によりエミュレートする。
このように、本発明の種々の態様に従って用いられるメモリ・ユニットは検出可能信号を最適な時刻に生成する。
9. 結論
本発明の種々の実施の形態について上に説明したが、理解されるように、これらは単なる例として示したものであって、制限するものではない。また、上に述べた本発明の種々の態様、特徴、構成要素、および/または実施の形態は、データベース・システムおよびデータ・ウエアハウス・システムなどのデータ記憶装置内に単独でまたは任意の組合せで実現してよい。本発明が関係する当業者が認識するように、ここに述べた実施の形態の種々の変更や多くの他の実施の形態は本発明のクレームの範囲内にある。
以下に簡単に説明する添付の図面を参照して本発明を説明する。
本発明の種々の態様を実現することができる例示の装置のブロック図である。 1つの実施の形態におけるメモリ・アレイの内部編成を示す。 メモリ・アレイの出力に遅れ効果を生じる分散静電容量を示す。 1つの実施の形態におけるメモリ・セルの内部構造を示す。 メモリ・ユニット内で検出可能信号を生成する従来技術の追跡機構の或る実施の形態を示す。 本発明の種々の態様に係る追跡機構を示すメモリのブロック図である。 本発明の或る実施の形態の追跡機構内に含まれる拡張可能ドライバおよび逆制御論理の詳細を示す。 本発明の或る実施の形態の追跡機構内で用いられるダミー・セルの詳細を示す回路図である。 1つの実施の形態におけるメモリ・ユニットの種々の構成要素の動作のタイミング関係を示すタイミング図である。

Claims (9)

  1. メモリ装置であって、
    メモリ・アレイであって、複数の行および複数の列として編成された複数のメモリ・セルを含み、前記複数のメモリ・セルは対応するビット値をそれぞれ記憶する、メモリ・アレイと、
    複数の列線であって、各列線は前記複数の列の対応する列の中のセルの出力のための共通経路を形成する、複数の列線と、
    複数の行線であって、各行可能信号は前記複数の行の対応する行の中のセルを使用可能にし、これにより前記セルは対応するビット値を前記複数の列線に出す、複数の行線と、
    行アドレスを受け、前記行アドレスに従って前記複数の行可能信号の1つを使用可能にするデコーダと、
    複数のセンスアンプ・ユニットであって、前記複数のセンスアンプ・ユニットはそれぞれ前記複数の列の対応する列の対応するビット値を受けるように接続し、検出可能信号に従って前記複数の列を検出する、複数のセンスアンプ・ユニットと、
    前記検出可能信号を最適な時刻に生成する追跡回路であって、
    拡張可能ドライバ・ブロックであって、ダミー列により接続する複数のダミー・セルを含み、前記各ダミー・セルは前記複数のセルと同じ駆動強さを有し、前記拡張可能ドライバ・ブロックは第1のパルスを受けて、前記ビット値が対応する列を伝播するときの遅れと実質的に等しい遅れを持つ第1の遷移を生成する、拡張可能ドライバ・ブロックと、
    前記第1の遷移を受け、これに応じて前記検出可能信号を生成する制御ブロックと、
    を備える追跡回路と、
    を備えるメモリ装置。
  2. 前記拡張可能ドライバ・ブロックは前記メモリ・アレイの各列内の或る数のメモリ・セルの端数である或る数のダミー・セルを含む、請求項1記載のメモリ装置。
  3. 前記追跡回路は第2の遷移を生成する逆制御論理ブロックを更に備え、前記制御ブロックは前記第1の遷移または前記第2の遷移を受けると前記検出可能信号を生成し、前記メモリ・ユニット内の行の数が少ない場合は前記逆制御論理ブロックは前記拡張可能ドライバが前記第1の遷移を生成するより速く前記第2の遷移を生成する、請求項1記載のメモリ装置。
  4. 前記制御論理は共通経路上に遷移を受けると前記検出可能信号を生成し、また前記拡張可能ドライバ・ブロックおよび前記追跡回路は結合して前記第1の遷移および前記第2の遷移を前記共通経路に与える、請求項3記載のメモリ装置。
  5. 前記逆制御論理は、
    直列に接続して、前記第1のパルスを伝播する複数のインバータと、
    前記第1のパルスを受けると前記第2の遷移を前記制御ブロックに与えるゲートと、
    を備える、請求項3記載のメモリ装置。
  6. 前記追跡回路は更に、
    前記複数の行のそれぞれが有する負荷を表す列追跡負荷と、
    前記第1のパルスを生成する追跡信号ドライバであって、前記制御ブロックからの開始パルスを前記列追跡負荷に接続する経路に受け、前記開始パルスは追跡動作の開始を表す、追跡信号ドライバと、
    を備える、請求項5記載のメモリ装置。
  7. メモリ読取り動作の開始を示すクロック発生器を更に備え、
    前記制御ブロックは、前記データコーダが前記行アドレスから前記行可能信号を生成するのに要する時間に等しい遅れを持つ前記開始パルスを生成する、
    請求項6記載のメモリ装置。
  8. 前記追跡信号ドライバは、前記行可能信号を駆動するドライバと同じ駆動強さを有するバッファを備える、請求項7記載のメモリ装置。
  9. アクセス・アドレスを与える外部システムと、
    前記アクセス・アドレスを受けるメモリ・ユニットであって、メモリ・アレイ、列線、行可能信号、デコーダ、センスアンプ・ユニット、追跡回路、拡張可能ドライバ・ブロック、および制御ブロックを備える、メモリ・ユニットと、
    を更に備える、請求項1−8のいずれか一項記載のメモリ装置。
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