JP2009138667A - 排ガス浄化用触媒装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化触媒の硫黄被毒を抑制し、酸化活性を向上させる。
【解決手段】セリア及びジルコニアの少なくとも一方を含み排ガス上流側に配置されたSOx 吸着材2と、SOx 吸着材2の排ガス下流側に配置された酸化触媒と、からなる。
SOx 吸着材2は 200℃付近でSOx を吸着するので、低温域における酸化触媒3のSOx 被毒が防止される。またSOx 吸着材2はリーン雰囲気において約 350℃以上でSOx を放出するが、その温度ではSOx は酸化触媒に捕捉されることがなくそのまま通過する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒装置に関し、詳しくはCO及びHCを効率よく酸化浄化できる排ガス浄化用触媒装置に関する。
自動車のリーンバーンエンジンからの排ガス中には、CO、HC、NOx が含まれ、これらを浄化するために種々の排ガス浄化用触媒が用いられている。その代表的なものとして、リーン雰囲気でCO及びHCを酸化するとともにNOx を吸蔵し、ストイキ又はリッチ雰囲気で放出されたNOx を還元して浄化するNOx 吸蔵還元触媒がある。
NOx 吸蔵還元触媒におけるNOx の浄化反応は、排ガス中のNOを酸化してNOx (x>1)とする第1ステップと、触媒上にNOx を吸蔵する第2ステップと、排ガス中に含まれるNOx あるいは触媒から放出されたNOx を触媒上で還元する第3ステップとからなることがわかっている。排ガス中のNOはそのままではNOx 吸蔵材に吸蔵されないので、NOを酸化してNOx とする第1ステップがNOx 浄化反応の律速段階となっている。
しかしながら従来のNOx 吸蔵還元触媒においては、第2ステップ及び第3ステップの反応性は比較的高いものの、第1ステップの反応性が低く、そのNOx 浄化性能には限度があった。そこで特開平09−299795号公報には、多孔質担体に少なくとも貴金属を担持してなる酸化触媒をNOx 吸蔵還元触媒の上流側に配置することが提案されている。すなわち酸化触媒では、CO及びHCが酸化されるとともにNOも酸化されるため、下流側に配置されたNOx 吸蔵還元触媒におけるNOx の吸蔵性能が向上し、NOx 浄化性能が向上する。
またディーゼルエンジンの排気系には、粒子状物質(PM)を捕集するフィルタ( DPF)が用いられている。そして近年では、 DPFに酸化触媒コート層あるいはNOx 吸蔵還元触媒コート層を形成したフィルタ触媒も用いられている。しかし、 DPFあるいはフィルタ触媒では、堆積したPMを燃焼させる再生処理を行う必要がある。この再生処理として、排ガスで DPFあるいはフィルタ触媒を加熱する方法が採用され、加熱促進のために DPFあるいはフィルタ触媒の上流側に酸化触媒を配置することが行われている。
そして酸化触媒のさらに上流側で排ガス中に軽油などを添加し、酸化触媒における酸化反応熱を利用して排ガス温度をさらに上昇させ、それによって DPFあるいはフィルタ触媒に堆積したPMを酸化燃焼させるシステムが実用化されている。
ところが排ガス中には硫黄酸化物(SOx )が含まれ、それが酸化触媒に捕捉されて酸化触媒の酸化活性が低下する(以下、この現象を硫黄被毒という)という問題があった。そのため従来は、排ガス温度を 300℃以上に昇温させ、捕捉されたSOx を放出させて、酸化触媒の酸化活性を回復させることが行われている。しかし酸化活性が復活した酸化触媒は、 200℃程度の低温域では再び硫黄被毒が生じて失活してしまう。
そこで、酸化触媒の排ガス上流側に、SOx を吸着するSOx 吸着材を配置することが考えられる。例えば特開2006−514198号公報には、NOx 吸着材の排ガス上流側にSOx 吸着材を配置した排ガス浄化用触媒装置が記載されている。この公報に記載されたSOx 吸着材は、アルカリ土類金属の酸化物にPtなどを担持してなり、 100℃〜 500℃でSOx を硫酸塩として捕捉する。したがってNOx 吸着材にSOx が流入するのが抑制され、NOx 吸着材の硫黄被毒を抑制することができる。
また特開2004−058054号公報には、Cuを含有するとともに、SiO2、Zr−SiO2、 Al2O3、TiO2−Al2O3 、ZrO2、 In2O3から選ばれる少なくとも一種を含むSOx 吸着材が記載されている。このSOx 吸着材は、リーン状態の下で 200℃〜 500℃の温度範囲においてSOx を吸着する。
したがって、酸化触媒の排ガス上流側にこれらのSOx 吸着材を配置することで、酸化触媒にSOx が流入するのが抑制され、酸化触媒の硫黄被毒を抑制することができる。
特開平09−299795号公報 特開2006−514198号公報 特開2004−058054号公報
上記公報に記載のSOx 吸着材においては、SOx 吸着材からSOx を脱離させてSOx 吸着能を再生する工程が必要となる。そこで上記公報には、リッチ雰囲気とすることで 250℃〜 450℃の温度でSOx を脱離させることが記載されている。しかしこの場合には、燃費が悪化する。また上記した従来のSOx 吸着材はSOx の吸着力が強いために、リーン雰囲気でSOx を脱離するためにはきわめて高温に加熱しなければならず、そうすると酸化触媒に担持されている貴金属が粒成長劣化して酸化活性が低下してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸化触媒の使用温度範囲の全域において硫黄被毒を抑制するとともに、高温によるSOx 脱離処理を不要とすることで触媒金属の粒成長を抑制し、もって酸化活性を向上させることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒装置の特徴は、CeO2及びZrO2の少なくとも一方を含み排ガス上流側に配置されたSOx 吸着材と、SOx 吸着材の排ガス下流側に配置されCO及びHCを酸化する酸化触媒と、からなることにある。
酸化触媒は、 Al2O3、ゼオライト、TiO2及びSiO2から選ばれる少なくとも一種からなる担体と、担体に担持された触媒金属と、からなるものとすることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒装置は、ハニカム基材と、ハニカム基材の排ガス上流側にコートされたSOx 吸着材と、ハニカム基材の排ガス下流側にコートされた酸化触媒と、からなるものとすることが好ましい。この場合、SOx 吸着材はハニカム基材の1リットルあたり50g以上コートされていることが好ましく、ハニカム基材の1リットルあたり 100g以上コートされていることがさらに望ましい。またSOx 吸着材は、ハニカム基材の排ガス上流側端面からハニカム基材全長の1/10〜1/3の範囲にコートされていることが望ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒装置によれば、SOx 吸着材はリーン雰囲気において 200℃付近の低温域でSOx を吸着するので、低温域における酸化触媒のSOx 被毒が防止される。またSOx 吸着材はリーン雰囲気において約 350℃以上でSOx を放出するが、約 350℃以上ではSOx は酸化触媒に捕捉されることがなく、酸化触媒をそのまま通過する。したがって酸化触媒は、使用温度範囲の全域においてSOx による被毒を受けることがない。そしてSOx 吸着材からSOx を放出させるために高温とする必要が無いので、酸化触媒に担持されている貴金属の粒成長劣化も抑制される。
またハニカム基材と、ハニカム基材の排ガス上流側にコートされたSOx 吸着材と、ハニカム基材の排ガス下流側にコートされた酸化触媒と、からなる排ガス浄化用触媒装置とすれば、ハニカム基材を共用することができ安価となる。さらに、ハニカム基材の1リットルあたり50g以上のSOx 吸着材をコートすることで、SOx を十分に吸着することができ、排ガス上流側端面からハニカム基材全長の1/10〜1/3の範囲にコートすれば、コンパクトな形状で酸化触媒の活性の低下を抑制することができるので、従来の酸化触媒の搭載スペースにそのまま搭載することができる。
本発明の排ガス浄化用触媒装置は、排ガス上流側に配置されたSOx 吸着材と、SOx 吸着材の排ガス下流側に配置された酸化触媒と、から構成される。
SOx 吸着材は、CeO2、ZrO2、CeO2−ZrO2複合酸化物の中から選ばれる少なくとも一種からなる。少なくともCeO2を含むことが望ましい。またCeO2−ZrO2複合酸化物を用いる場合は、モル比CeO2/ZrO2が 0.5以上の複合酸化物を用いるのが好ましい。さらに、性能を損なわない範囲であれば、PrあるいはLaなどの希土類元素を含んでいてもよい。
PrあるいはLaなどの希土類元素を含む場合には、10モル%以下の範囲とすることが望ましい。この範囲を超えてPrあるいはLaなどの希土類元素を含んでも効果が飽和し、コストアップとなる。
SOx 吸着材は、CeO2、ZrO2、CeO2−ZrO2複合酸化物の中から選ばれる少なくとも一種を担体とし、それにPt、Pd、Rh、Fe、Agなどの触媒金属を担持した構成としてもよい。触媒金属を担持することで、CO及びHCの酸化活性が発現されるので、酸化反応による発熱によって排ガス温度が上昇し、下流側の酸化触媒の酸化活性が早期に発現される。したがって低温域における酸化触媒の浄化性能が向上する。触媒金属を担持する場合、その担持量は特に制限されないが、 0.1〜20質量%の範囲とすることができる。
酸化触媒は、多孔質酸化物からなる担体と、担体に担持された触媒金属と、からなるものである。多孔質酸化物からなる担体としては、アルミナ、ゼオライト、チタニア及びシリカから選ばれる少なくとも一種が例示される。これらから選ばれた単独酸化物でもよいし、複数の酸化物の混合物としてもよく、これらの複数種からなる複合酸化物を用いることもできる。
この担体に担持された触媒金属としては、Pt、Pd、Rh、Agなどの貴金属、あるいはFeなどの遷移金属を用いることができる。酸化活性の高いPtあるいはPdを用いることが望ましい。触媒金属の担持量は特に制限されないが、例えばPtの場合には、担体に対して 0.1〜20質量%の範囲が望ましい。これより多く担持しても、活性が飽和するとともに、担持密度が高くなる結果、粒成長による劣化が生じ易くなる。
SOx 吸着材と酸化触媒の形状は、それぞれペレット形状、フォーム形状、ハニカム形状などとすることができる。本発明の排ガス浄化用触媒装置は、SOx 吸着材と酸化触媒とをそれぞれ形成し、排ガス上流側にSOx 吸着材を配置し、その排ガス下流側に酸化触媒を配置して構成することができる。しかしこのようなタンデム形状とすると、製造工数が多大となるとともに搭載スペースが大きくなる。
そこで一つの担体基材を用い、その排ガス上流側にSOx 吸着材からなるコート層を形成し、その排ガス下流側に酸化触媒からなるコート層を形成することが望ましい。この場合の担体基材としてはハニカム基材が好適であり、コージェライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミックス製のハニカム基材、あるいはメタル製のハニカム基材を用いることができる。
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒装置は、ハニカム基材と、ハニカム基材の排ガス上流側にコートされたSOx 吸着材と、ハニカム基材の排ガス下流側にコートされた酸化触媒と、からなることが望ましい。このようにすることで、従来の酸化触媒の搭載スペースに収容することができ、スペース面の制約が無い。また製造も容易であって、工数の増大も僅かである。
この場合、SOx 吸着材はハニカム基材の1リットルあたり50g以上コートされていることが望ましく、ハニカム基材の1リットルあたり 100g以上コートされていることがさらに望ましい。SOx 吸着材のコート量がハニカム基材の1リットルあたり50g未満では、SOx 吸着量が少なく実用的でない。
酸化触媒のコート量は、ハニカム基材の1リットルあたり10〜 300gとすればよい。酸化触媒のコート量がこの範囲より少ないと、担持されている触媒金属の粒成長が生じ易くなり、この範囲より多くコートすると圧損が大きくなる。
一つのハニカム基材の排ガス上流側に形成されたSOx 吸着材と、排ガス下流側に形成された酸化触媒とからなる排ガス浄化用触媒装置において、SOx 吸着材はハニカム基材の排ガス上流側端面からハニカム基材全長の1/10〜1/3の範囲にコートされていることが望ましい。SOx 吸着材の形成範囲がハニカム基材の排ガス上流側端面からハニカム基材全長の1/10未満では、SOx 吸着量が少なく酸化触媒に被毒が生じてしまう。またハニカム基材全長の1/3を超えてSOx 吸着材をコートすると、酸化触媒のコート長が短くなり絶対量が不足するためにCO及びHCの浄化率が低下してしまう。
SOx 吸着材と酸化触媒とのコート範囲を上記範囲とすることで、従来の酸化触媒の搭載スペースに確実に収容することができる。そして低温域において十分な量でSOx を吸着することができ、かつ酸化触媒による酸化活性も十分に発現する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例に係る触媒装置を示す。この触媒装置は、ハニカム基材1と、その排ガス上流側端面からハニカム基材1の全長の1/5の範囲のセル隔壁10表面にコートされたSOx 吸着材コート層2と、SOx 吸着材コート層2の下流側でハニカム基材1の全長の4/5の範囲のセル隔壁10表面にコートされた酸化触媒コート層3と、から構成されている。以下、この触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
CeO2−ZrO2複合酸化物粉末(モル比CeO2/ZrO2=1/1)90質量部と、バインダとしてのアルミナゾル( Al2O3:10質量%)10質量部と、蒸留水とを混合してスラリーAを調製した。これにコージェライト製ハニカム基材1(直径30mm、全長50mm)の排ガス上流側端面から全長の1/5(10mm)の範囲を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成してSOx 吸着材コート層2を形成した。SOx 吸着材コート層2は、ハニカム基材1の1L当たり 100g形成された。
次に、 Al2O3粉末に予めPtが 2.2質量%担持されてなるPt/Al2O3 粉末45質量部と、ゼオライト45質量部と、バインダとしてのアルミナゾル( Al2O3:10質量%)10質量部と、蒸留水とを混合してスラリーBを調製した。これに上記したSOx 吸着材コート層2をもつハニカム基材1の排ガス下流側端面から全長の4/5(40mm)の範囲を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成して酸化触媒コート層3を形成した。酸化触媒コート層3は、ハニカム基材1の1L当たり 100g形成された。Ptは、ハニカム基材1の1L当たり1g担持されている。
(比較例1)
実施例1と同様のハニカム基材1を用い、実施例1と同様のスラリーBを用いてハニカム基材1の全長に酸化触媒コート層3を形成した。酸化触媒コート層3は、ハニカム基材1の1L当たり 100g形成され、Ptはハニカム基材1の1L当たり1g担持されている。SOx 吸着材コート層2は形成されていない。
<試験例1>
実施例1及び比較例1の触媒装置について、電気炉にて 700℃で50時間加熱する耐久試験を行った。耐久試験後の各触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示すリーンモデルガスを50L/分の流量で流通させながら、50℃から 250℃まで10℃/分の速度で昇温した時のHCとCOの浄化率を連続的に測定した。そしてHC及びCOの50%を浄化できる温度(50%浄化温度)を算出し、結果を耐久後として図2及び図3に示す。
Figure 2009138667
<試験例2>
上記した耐久試験後の実施例1及び比較例1の触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表2に示すリーン雰囲気でSOx を含む被毒ガスを50L/分の流量で流通させ、 250℃定常にて、ハニカム基材の1リットルあたり 2.0gの硫黄に相当するSOx を吸着させた。
Figure 2009138667
この硫黄被毒後の実施例1及び比較例1の触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示したリーンモデルガスを50L/分の流量で流通させながら、試験例1と同様にしてHC及びCOの50%浄化温度を測定した。結果をS被毒後として図2及び図3に示す。
<試験例3>
試験例2と同様にして硫黄被毒させた実施例1及び比較例1の触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示したリーンガスを50L/分の流量にて 350℃で15分間流通させ、SOx を脱離させた。
この硫黄脱離後の実施例1及び比較例1の触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示したリーンモデルガスを50L/分の流量で流通させながら、試験例1と同様にしてHC及びCOの50%浄化温度を測定した。結果をS脱離後として図2及び図3に示す。
<評価>
図2及び図3から、耐久試験後及び硫黄脱離後のHC及びCOの酸化活性は、実施例1及び比較例1の触媒装置はほぼ同等である。しかし硫黄被毒後においては、比較例1の触媒装置は耐久試験後及び硫黄脱離後に比べて酸化活性が大きく低下しているのに対し、実施例1の触媒装置は耐久試験後及び硫黄脱離後と同等の酸化活性を維持している。
すなわち実施例1の触媒装置においては、被毒ガス流通時に排ガス上流側のSOx 吸着材コート層2がSOx を吸着したことにより、下流側の酸化触媒コート層3の硫黄被毒が抑制され、その結果、高い酸化活性が維持されたと考えられる。
<試験例4>
SOx 吸着材コート層2の形成長さを、排ガス上流側端面からハニカム基材全長のゼロ、1/30、1/15、1/10、1/5、1/3、2/5、7/15の範囲とし、残りの範囲を酸化触媒コート層3として、その他は実施例1と同様にして各々の触媒装置を作製した。SOx 吸着材コート層2のコート量は、表3に示すように、ハニカム基材1の1リットルあたりの絶対量が同一となるようにした。酸化触媒コート層3のコート量は、それぞれ 100g/Lであり、Ptの担持量はそれぞれ1g/Lである。SOx 吸着材コート層2がゼロのものは、上記した比較例1の触媒装置に相当する。
Figure 2009138667
これらの触媒装置について、電気炉にて 700℃で50時間加熱する耐久試験を行い、さらに試験例2と同様にして硫黄被毒させた。硫黄被毒したそれぞれの触媒装置をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示したリーンモデルガスを50L/分の流量で流通させながら、試験例1と同様にしてHC及びCOの50%浄化温度を測定した。結果を図4及び図5に示す。
図4及び図5から、SOx 吸着材コート層2の形成長さは、排ガス上流側端面からハニカム基材全長の1/10〜1/3の範囲であることが望ましいことが明らかである。SOx 吸着材コート層2の形成長さがハニカム基材全長の1/10未満では、SOx 吸着材コート層2が十分にSOx を吸着できず、酸化触媒コート層3が硫黄被毒したため酸化活性が低下する。またSOx 吸着材コート層2の形成長さがハニカム基材全長の1/3を超えると、酸化触媒コート層3の絶対量が不足するため酸化活性が低下する。
なお上記実施例では、一つのハニカム基材1に二種類のコート層を形成したが、図6に示すように、ハニカム基材にSOx 吸着材コート層のみを形成したSOx 吸着材4と、別のハニカム基材に酸化触媒コート層のみを形成した酸化触媒5と、からなり、SOx 吸着材4を排ガス上流側に配置し、その下流側に酸化触媒5を配置した触媒装置としても、上記実施例と同等の効果が奏されることは云うまでもない。
本発明の排ガス浄化用触媒装置は、そのままで用いてもよいし、NOx 吸蔵還元触媒の排ガス上流側に配置して用いることもできる。また排ガス中に燃料を噴射し、その燃焼熱でディーゼルフィルタ又はフィルタ触媒を再生するシステムに用いるのも好ましい。
本発明の一実施例に係る触媒装置を示す模式的な説明図である。○内に内部の要部断面を拡大して示している。 HC50%浄化温度を示すグラフである。 CO50%浄化温度を示すグラフである。 SOx 吸着材コート層の形成範囲とHC50%浄化温度との関係を示すグラフである。 SOx 吸着材コート層の形成範囲とCO50%浄化温度との関係を示すグラフである。 実施例の他の態様に係る触媒装置の模式的な説明図である。
符号の説明
1:ハニカム基材 2:SOx 吸着材コート層
3:酸化触媒コート層 4:SOx 吸着材
5:酸化触媒 10:セル隔壁

Claims (6)

  1. セリア及びジルコニアの少なくとも一方を含み排ガス上流側に配置されたSOx 吸着材と、該SOx 吸着材の排ガス下流側に配置されCO及びHCを酸化する酸化触媒と、からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒装置。
  2. 前記酸化触媒は、アルミナ、ゼオライト、チタニア及びシリカから選ばれる少なくとも一種からなる担体と、該担体に担持された触媒金属と、からなる請求項1に記載の排ガス浄化用触媒装置。
  3. ハニカム基材と、該ハニカム基材の排ガス上流側にコートされた前記SOx 吸着材と、該ハニカム基材の排ガス下流側にコートされた前記酸化触媒と、からなる請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒装置。
  4. 前記SOx 吸着材は前記ハニカム基材の1リットルあたり50g以上コートされている請求項3に記載の排ガス浄化用触媒装置。
  5. 前記SOx 吸着材は前記ハニカム基材の1リットルあたり 100g以上コートされている請求項4に記載の排ガス浄化用触媒装置。
  6. 前記SOx 吸着材は前記ハニカム基材の排ガス上流側端面から前記ハニカム基材全長の1/10〜1/3の範囲にコートされている請求項3〜5のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒装置。
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