JP2009121758A - 熱交換器および冷熱システム - Google Patents

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寿守務 吉村
Hiroaki Nakamune
浩昭 中宗
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Sachihiko Satake
祥彦 佐竹
Taku Sekiya
卓 関谷
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Abstract

【課題】接合信頼性を向上する熱交換器および冷熱システムを得る。
【解決手段】本発明に係る熱交換器10は、第1冷媒が流れる第1冷媒流路を有する扁平状の第1扁平管1と、第2冷媒が流れる第2冷媒流路を有し、扁平面で前記第1扁平管1の扁平面と接合される扁平状の第2扁平管2と、第1扁平管1の両端に接続される1対の第1ヘッダー3と、第2扁平管の両端に接続される1対の第2ヘッダー4とを備え、第1扁平管1と第1ヘッダー3とを接続する第1ヘッダー接合部または第2扁平管2と第2ヘッダー4とを接続する第2ヘッダー接合部にろう材の滞留部23を有するものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、低温流体または高温流体である第1の冷媒と第2の冷媒との熱交換を行う熱交換器に関するものである。また、この熱交換器を用いた冷熱システムに関するものである。
従来の熱交換器には、冷媒の熱交換が行われる高圧帯板チューブ及び低圧帯板チューブと、高圧帯板チューブの両端部に接続される高圧ヘッダと、低圧帯板チューブの両端に接続される低圧ヘッダとを備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。この従来の熱交換器においては、高圧帯板チューブと低圧帯板チューブとの両平面が重なるように密着され、さらに積層されてこの平面間の結合面がろう付けされる。また、高圧ヘッダは、挿入溝に高圧帯板チューブの一端が嵌め込まれてろう付け接続され、低圧ヘッダは、挿入溝に低圧帯板チューブの一端が嵌め込まれてろう付け接続される。
特開2002−340485号公報(第4〜5頁、図1)
このような従来の熱交換器では、ろう付け加工の加熱の際に、溶融したろう材が扁平管(帯板チューブ)の端部とヘッダーの挿入溝との接合部全体に均一に流れ込まなかったり、接合部に滞留せずに他へ流出したりするので、接合部の気密性が確保できないなど、接合信頼性の低下を引き起こすという問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、接合信頼性を向上する熱交換器および冷熱システムを提供することを目的としている。
この発明に係る熱交換器は、第1冷媒が流れる第1冷媒流路を有する扁平状の第1扁平管と、第2冷媒が流れる第2冷媒流路を有し、扁平面で第1扁平管の扁平面と接合される扁平状の第2扁平管と、第1扁平管の両端に接続される1対の第1ヘッダーと、第2扁平管の両端に接続される1対の第2ヘッダーとを備え、第1扁平管と第1ヘッダーとを接続する第1ヘッダー接合部または第2扁平管と第2ヘッダーとを接続する第2ヘッダー接合部にろう材の滞留部を有するものである。
また、この発明に係る冷熱システムは、上記熱交換器を備えたものである。
この発明の熱交換器および冷熱システムによれば、接合信頼性を向上することが可能となる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す斜視図であり、図2は、この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す断面図である。図3は、この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す断面図であり、図3(a)は、図2に示す熱交換器のA−A断面図である。また、図3(b)および図3(c)は、この発明の実施の形態1による熱交換器の他の構成を示す断面図である。図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは、明細書の全文において共通することである。
図1、図2および図3(a)に示すように、熱交換器10は、第1冷媒が流れる第1冷媒流路を複数有する扁平状の第1扁平管1と、第2冷媒が流れる略長方形の第2冷媒流路を有する扁平状の第2扁平管2と、第1扁平管1の両端に接続された管状の第1ヘッダー3と、第2扁平管2の両端に接続された管状の第2ヘッダー4とを有する。
熱交換器10の第2扁平管2は、熱伝導性の良い材質、例えば、アルミ合金、銅及びステンレスなどで構成され、平板をロール成形などで曲げた後、この平板の両端部である継ぎ目を電縫(溶接)して形成したり、円筒をロール成形もしくはプレス成形したり、または、押し出し成形もしくは引き抜き成形したりすることによって製造される。
一方、熱交換器10の第1扁平管1は、熱伝導性の良い材質、例えば、アルミ合金、銅及びステンレスなどで構成され、押し出し成形または引き抜き成形することによって製造される。図2に示すように、第1ヘッダー3および第2ヘッダー4の円周側面には、それぞれ第1扁平管1または第2扁平管2の端部を差し込む矩形状の差込穴28が設けられており、第1扁平管1と第1ヘッダー3とを接続する第1ヘッダー接合部はアルミ−シリコン系などのろう材21を用いてろう付けされ、第2扁平管2と第2ヘッダー4とを接続する第2ヘッダー接合部はアルミ−シリコン系などのろう材21を用いてろう付けされる。なお、第1ヘッダー3および第2ヘッダー4は、後述する熱交換器10を搭載するヒートポンプ機器などの冷熱システムの冷媒回路に接続される。
図1、図2および図3(a)に示す熱交換器10は、上記のように形成された第1扁平管1の扁平面と第2扁平管2の扁平面との間である扁平管接合部をアルミ−シリコン系などのろう材21を用いてろう付けして製造される。
なお、第2扁平管2は、図3(a)に示した略長方形の形状に限らず、図3(b)または図3(c)に示すように、楕円形状や台形に近い形状であっても良い。すなわち、第2扁平管2は、第1扁平管1と対向する面が平面状であれば良く、概略に矩形状であれば良い。
図4は、この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図であり、図5は、この発明の実施の形態1による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図であり、図6は、この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
図4および図6に示すように、第2扁平管2は、端部を絞って外周を縮め、外周長が中央部よりも短い縮管部26を設けて、ろう材21の滞留部23としている。
この発明の実施の形態1においては、第2扁平管2の端部に縮管部26を備え、ろう材の滞留部23が設けられているので、図5に示す第2ヘッダー4の差込穴28に第2扁平管2を接続する際、図6に示すように、ろう材21が縮管部26に沿って流れ込み易く、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができる。したがって、ろう付け不良が起こりにくくなり接合信頼性を向上することができる。また、ろう材21が第2扁平管2および第2ヘッダー4の内部に侵入し難いので、流路抵抗の増大や閉塞等などを起こしにくくなり、信頼性を向上することができる。さらに、ろう付け間隙22の周囲には、ろう材21のフィレットが生成するために接合強度も向上できる。
図7は、この発明の実施の形態1に示す他の熱交換器を示す断面図である。
図7(a)〜図7(c)に示すように、この発明の実施の形態1の他の熱交換器10においては、第2扁平管2は、複数の矩形状の矩形管7から構成され、複数の矩形管7それぞれの扁平面と第1扁平管1の扁平面との間である扁平管接合部をろう材21を用いて同時にろう付けして接合する。具体的には、第1扁平管1の扁平面と複数の矩形管7それぞれの扁平面との間である扁平管接合部にろう材21を設け、第1扁平管1と複数の矩形管7とを冶具などを用いて固定して接合箇所にろう材21を設け、炉中に投入することで1回のろう付け作業で接合を行うことができる。第2扁平管2を複数の矩形状の矩形管7から構成することによって、第2扁平管2と第2冷媒との伝熱面積が増加し、伝熱性能を向上することができる。
図8は、この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
第2扁平管2を複数の矩形管7で構成し、隣り合う矩形管7を密着して配置する場合には、図8に示すように、それぞれに縮管部26を設けた矩形管7を第2ヘッダー4の差込穴28に接続すれば、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができ、図6に示す熱交換器10と同様の効果を得ることができる。差込穴28と矩形管7との間のろう材21の滞留するろう付け間隙22の幅は、好ましくは50μmから200μm、より好ましくは50μmから150μmとすれば、ろう材21が流れ込み易い。なお、特に矩形管7の外周部にアールや面取りがある場合には、隣り合う矩形管7と差込穴28との間に隙間が発生するが、この場合、差込穴28を矩形管7の外形に沿った形とするか、隙間に挿入部材等を挿入し、上記ろう付け間隙22を上記範囲に入るようにすれば、接合部に均一にろう材21が流れ込ませることができる。
図9は、この発明の実施の形態1による他の熱交換器を示す断面図である。また、図10は、この発明の実施の形態1による他の熱交換器を製造する際の断面図である。
図9に示すように、熱交換器10の第2扁平管2は、複数の矩形状の矩形管7から構成され、隣り合う矩形管7の間には、間隙9が設けられている。図10に示すように、くし状の冶具25を用いて複数の矩形管7を固定しろう付けすれば、矩形管7を均等に配置して熱交換器10を形成できる。
図11は、この発明の実施の形態1による他の熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図であり、図12は、この発明の実施の形態1による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図である。
第2扁平管2を複数の矩形管7で構成し、隣り合う矩形管7を間隙9を介して配置する場合には、図11および図12に示すように、第2ヘッダー4の側面に矩形管7それぞれに対応した差込穴28を設け、差込穴28のそれぞれに縮管部26を設けた矩形管7を接続すればよい。上記のように構成することによって、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができ、図6に示す熱交換器10と同様の効果を得ることができる。
なお、間隙9にろう材21を設けてろう付けしてもよい。間隙9にろう材21を設けてろう付けした場合は、伝熱経路が大きくなるので伝熱性能がより向上する。
また、この実施の形態1においては、矩形管7の形状が図7(a)の矩形管7の形状と同様の場合を示したが、矩形管7の形状が図7(b)の矩形管または図7(c)矩形管の形状と同様の場合でも同様の効果がある。
図13は、この発明の実施の形態1による他の熱交換器における断面図および矩形管の斜視図である。
図13に示すように、矩形管7は、断面が略円形の丸管から両端部以外をプレス加工などにより成形されている。このような構成にすれば、上記の効果に加え、第1扁平管1と矩形管7との接触面積が大きくとれるとともに、扁平流路のために流れの代表長さが小さくなり伝熱性能が高くなるので、熱交換性能が向上する。さらに、両端が丸管のままになっているため、矩形管7を挿入する第2ヘッダー4の差込穴28同士の間隔を大きくとれるので、ろう付け加工が容易となり、ろう付け信頼性が向上する。
なお、隣り合う矩形管7を間隙9を介して配置する場合には、次のような他の効果を奏する。第2扁平管2を複数の矩形状の矩形管7で構成しているので、冷媒流路の形状、数が自由に選べ、冷媒の圧力損失が小さく、かつ伝熱性能の高い好適な組み合わせが選べるなど設計自由度が増加する。特に、第1冷媒と第2冷媒のとの間に、比熱、密度などの熱物性値や流量、圧力条件などに差がある場合、例えば、第1冷媒に二酸化炭素やフロン系の冷媒を用いて、第2冷媒に水を用いる場合、第1扁平管と第2扁平管の最適な冷媒流路数が異なる場合が多く、有効である。さらに、第1扁平管1の扁平な伝熱面に対して複数の第2扁平管2が位置的に偏らずに均等に配置できるので、第1扁平管1の伝熱面の熱流束分布が偏らずに均等になって伝熱性能の向上が図れる。なお、万一、第2扁平管2に腐食などにより亀裂やピンホールなどが生じて第2冷媒が漏洩した場合、または第1扁平管1に腐食などにより亀裂やピンホールなどが生じて第1冷媒が漏洩してろう材21を貫通した場合であっても、間隙9があるので、漏洩した冷媒が間隙9を介して外部に流出し、亀裂などの発見が容易になる効果もある。
図14は、この発明の実施の形態1による他の熱交換器を示す断面図である。
図14(a)に示すように、第2扁平管2は、内部に冷媒の伝熱経路となる複数の流路壁6を設け、複数の冷媒流路を有している。第2扁平管の内部に複数の流路壁6を設けるので、伝熱面積が増加し、伝熱性能を向上することができる。
第2扁平管2は、第1扁平管と対向する面が平面状であればよく、第2扁平管の形状は、図14(a)〜図14(c)に示すいずれであってもよい。図14(a)〜図14(c)に示すいずれの第2扁平管も、押し出しまたは引き抜きで成形される。この場合でも、第2扁平管2は、端部を絞って縮管部26を設け、ろう材21の滞留部23を設けると、同様の効果を得ることができる。
この実施の形態1に示す第2扁平管2の矩形管7は、両者が互いに密着する構造が望ましい。したがって、矩形管7は、図7(c)に示す形状よりも図7(b)に示す形状の方が好ましく、図7(b)に示す形状よりも図7(a)に示す形状の方が好ましい。
なお、この実施の形態1においては、第2扁平管2または第2扁平管2である複数の矩形管7の端部に縮管部26を備え、ろう材21の滞留部23としたが、第1扁平管1を同様の構成とすることによって、同様の効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1に示す熱交換器10は、温熱や冷熱を利用するヒートポンプシステムに搭載される。温熱を利用する場合、冷媒回路からの高温の第1冷媒を一方の第1ヘッダー3を通じて第1扁平管1に供給し、他方の第1ヘッダー3を通じて冷媒回路に戻す。一方、第2冷媒を一方の第2ヘッダー4を通じて第2扁平管に供給し、他方の第2ヘッダー4を通じて利用側の例えば暖房や給湯に適用する。第1冷媒と第2冷媒とは、第1扁平管1と第2扁平管2とを対向流または平行流となるように流れて熱交換される。
図15は、この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた温熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。
図15に示すとおり、ヒートポンプシステムは、第1冷媒が流れる第1冷媒回路、第2冷媒が流れる第2冷媒回路および第1冷媒と第2冷媒との熱交換を行うこの発明の実施の形態1に示した熱交換器10を有する。この例では、第1冷媒としてR410A、第2冷媒として水を用いている。第1冷媒回路は、圧縮機31、膨張弁33、室外熱交換器34、ファン39を有し、第2冷媒回路は、利用側熱交換器35およびポンプ36を有する。第1冷媒回路においては、圧縮機31で高温高圧となった第1冷媒は、熱交換器10で第2冷媒と熱交換して凝縮される。さらに、第1冷媒は膨張弁33で減圧され、室外熱交換器34でファン39からの空気と熱交換して蒸発し、圧縮機31に戻る。第2冷媒回路においては、熱交換器10で加熱された第2冷媒は、ポンプ36で利用側熱交換器35に供給されて放熱する。利用側熱交換器35として例えばラジエーターや床暖房ヒーターなどを適用して暖房システムとして使用する。なお、本実施の形態のように、水を用いる場合は、第2扁平管2および第2ヘッダー4を耐食性材で形成するなど、熱交換器10の水の接液する部分は水に対する耐食性を有するように構成した方が望ましい。
なお、図3に示す熱交換器10では、冷媒流路面積は、第2扁平管2の方が第1扁平管1より大きくなっているが、必ずしも異なる必要はない。第1冷媒と第2冷媒との間に、比熱、密度などの熱物性値や流量、圧力条件、あるいは流体の性状度などに差がある場合には、冷媒流路面積を第1扁平管1と第2扁平管2とで異なるようにすれば良い。例えば、第1冷媒に二酸化炭素やフロン系の冷媒を用いて、第2冷媒に十分に水質管理されていない水道水などを用いる場合には、熱交換性能を向上するためや、冷媒流路内面へのスケール付着による圧力損失の増大を抑制するために、冷媒流路面積は、第2扁平管2の方が第1扁平管1より大きくした方が良い。
図16は、この発明の実施の形態1による熱交換器10を用いた温熱を利用するヒートポンプシステムの他の例を示す構成図である。
図16に示すヒートポンプシステムは、利用側熱交換器35をタンク38内に設置し、タンク内に給水される水を加熱して取水する給湯システムとして使用したものである。その他の構成および機能は、図15に示すヒートポンプシステムと同様である。
図15および図16に示すように、この発明の実施の形態1による熱交換器を用いたヒートポンプシステムを熱源として利用側熱交換器35で暖房または給湯することで、従来のボイラを熱源とした暖房または給湯システムに比べて省エネ効果がある。
図17は、この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた冷熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。
図17に示すヒートポンプシステムにおいても、第1冷媒としてR410A、第2冷媒として水を用いた。圧縮機31で高温高圧となった第1冷媒は、室外熱交換器34でファン39からの空気と熱交換して凝縮される。さらに、第1冷媒は膨張弁33で減圧され、熱交換器10で第2冷媒と熱交換して蒸発し、圧縮機31に戻る。熱交換器10で冷却された第2冷媒は、ポンプ36で利用側熱交換器35に供給される。利用側熱交換器35として例えば空気熱交換器などを適用して冷房システム、あるいは冷水パネルなどによる輻射冷房システムとして使用しても良い。
図18は、この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた温熱および冷熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。
図15および図17のヒートポンプシステムは、それぞれ温熱または冷熱を専用に利用する例を示した。図18に示すように、四方弁32を用いれば温熱と冷熱を切り替えて利用できる。また、図16の給湯システムにおいても上記と同様に冷媒回路を変更(図示せず)することや、四方弁(図示せず)を用いることで、給湯専用の利用のみならず、冷水専用、あるいは給湯と冷水とを切り替えて利用できる。
本実施の形態では第1扁平管1の冷媒としてR410A、第2扁平管2の冷媒として水を用いた。冷媒の種類はこれに限らず、第1冷媒として他のフロン系冷媒、または二酸化炭素、炭化水素などの自然冷媒としても良い。また、第2冷媒は、フロン系冷媒、もしくは二酸化炭素、炭化水素などの自然冷媒、または、水道水、蒸留水、ブラインなどの水を用いても良い。
実施の形態 2.
この実施の形態2に示す熱交換器においては、第2扁平管は、複数の矩形管から構成され、隣り合う矩形管の間に間隙が設けられており、複数の矩形管の間にスペーサを備え、ろう材の滞留部が設けられている。その他の構成および機能は、実施の形態1に示す熱交換器と同様である。
図19は、熱交換器10の第2扁平管の一方の端部を示す断面図である。また、図20(a)は、この発明の実施の形態2による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーの接続部を示す断面図であり、図20(b)は、この発明の実施の形態2による他の熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーの接続部を示す断面図である。
図19に示すように、第2扁平管2である複数の矩形管7の間にはろう付け間隙22が設けられ、矩形管7の端部であって、隣り合う矩形管7の間にはスペーサ30が設けられている。第2扁平管2である矩形管7は、第2ヘッダーとろう付けによって接合されるので、スペーサ30、矩形管7および第2ヘッダー4の間は、ろう材21が滞留する滞留部23(図中の破線丸印)となる。そのため、図5に示す第2ヘッダー4の差込穴28に第2扁平管2を接続する際、図20(a)に示すように、ろう材21が滞留部23の位置までしか拡がらず、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができる。したがって、ろう付け不良が起こりにくくなり、接合信頼性を向上することができる。また、ろう材21が第2扁平管2および第2ヘッダー4の内部に侵入し難いので、流路抵抗の増大や閉塞等などを起こしにくくなり、信頼性を向上することができる。さらに、ろう付け間隙22の周囲には、ろう材21のフィレットが生成するために接合強度も向上できる。スペーサ30の幅は、好ましくは50μmから200μm、より好ましくは50μmから150μmとすれば、ろう材21が流れ込み易い。
図19および図20(a)では、スペーサ30は略長方形状であるが、図20(b)に示すように、スペーサ30はろう材21の滞留部23であるろう付け間隙22の幅と、隣り合う矩形状管7の間隙9の幅が異なり、ろう付け間隙22の幅が隣り合う矩形状管7の間の幅よりも狭くなるような形状でも良い。例えば、隣り合う矩形状管7の間隙9の幅は約1mm、ろう付け間隙22の幅は約100μmとしも良い。こうすることで、ろう付け間隙22の部分には毛管現象によりろう材21が滞留部23に留まり、隣り合う矩形状管7の間の幅の広い部分は堰となってろう材21が滞留部23の位置までしか拡がらず、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができる。
なお、この実施の形態2においては、第2扁平管2である複数の矩形管7の間にろう付け間隙22を設け、矩形管7の端部であって隣り合う矩形管7の間にスペーサ30を設けたが、第1扁平管1を複数の矩形管で構成し、これら矩形管の間にろう付け間隙を設け、矩形管の端部であって隣り合う矩形管の間にスペーサを設けて、第1扁平管1と第1ヘッダー3とをろう付けすることによって、同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
この実施の形態3に示す熱交換器においては、第2扁平管は、複数の矩形管から構成され、隣り合う矩形管の間にろう付け間隙が設けられている点は実施の形態2に示す熱交換器と同一であるが、複数の矩形管の端部に中央部よりも外周長の長い拡管部が設けられ、この拡管部の間がろう材の滞留部となっている点が実施の形態2に示す熱交換器と異なる。その他の構成および機能は、実施の形態2に示す熱交換器と同様である。
図21は、この発明の実施の形態3による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図であり、図22は、この発明の実施の形態3による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
図21および図22に示すように、第2扁平管2である矩形管7は、端部を拡げて外周を拡げ、中央部よりも外周長の長い拡管部29を備え、隣り合う拡管部29のろう付け間隙22がろう21材の滞留部23となっている。
この発明の実施の形態3においては、複数の矩形管7の端部に拡管部29を備え、ろう材21の滞留部23が設けられているので、図5に示す第2ヘッダー4の差込穴28に第2扁平管2である矩形管7を接続する際、毛管現象により、図22に示すようにろう材21が滞留部23以外には拡がらず、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができる。したがって、スペーサ30を用いなくてもろう付け不良が起こりにくくなり接合信頼性が増す。また、ろう材21が第2扁平管2である矩形管7および第2ヘッダー4の内部に侵入し難いので、流路抵抗の増大や閉塞等などを起こしにくくなり、信頼性を向上することができる。さらに、ろう付け間隙22の周囲には、ろう材21のフィレットが生成するために接合強度も向上できる。隣り合う拡管部29のろう付け間隙22は好ましくは50μmから200μm、より好ましくは50μmから150μmとすればろう材21が流れ込み易い。
なお、この実施の形態3においては、第2扁平管2である複数の矩形管7の端部に拡管部29を備え、ろう材の滞留部23としたが、図3に示すように、第2扁平管2を1つの扁平管で構成し、第2扁平管2の端部に拡管部を備え、ろう材の滞留部とし、第2扁平管2と第2ヘッダー4をろう付けすることによって、同様の効果を得ることができる。
なお、この実施の形態3においては、第2扁平管2または第2扁平管2である複数の矩形管7の端部に拡管部29を備え、ろう材の滞留部23としたが、第1扁平管1を同様の構成とすることによって、同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態1に示す熱交換器においては、第2扁平管の端部に中央部よりも外周長の短い縮管部が設けられ、この縮管部と第2ヘッダーとの間がろう材の滞留部となっている。この実施の形態4に示す熱交換器においては、第2扁平管の端部に内側に凹んだ溝部が設けられ、この溝部がろう材の滞留部となっている点が実施の形態1に示す熱交換器と異なる。その他の構成および機能は、実施の形態1に示す熱交換器と同様である。
図23は、この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図であり、図24は、この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
図23および図24に示すように、第2扁平管2は、端部に内側に凹んだ溝部27を備え、ろう材21の滞留部23としている。
この発明の実施の形態4においては、第2扁平管2は、端部に溝部27を備え、この溝部27をろう材の滞留部23としているので、図5に示す第2ヘッダー4の差込穴28に第2扁平管2を接続する際、図24に示すように、ろう材21が溝部27以外に拡がらず、接合に必要な量のろう材21を必要な部位にのみ留めることができる。したがって、ろう付け不良が起こりにくくなり接合信頼性を向上することができる。また、ろう材21が第2扁平管2および第2ヘッダー4の内部に侵入し難いので、流路抵抗の増大や閉塞等などを起こしにくくなり、信頼性を向上することができる。さらに、ろう材21のフィレットが生成するために接合強度も向上できる。また、差込穴28の内周部と第2扁平管2の外周部を接触させることができるため位置決めが容易である。
図25は、この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部の他の例を示す断面図である。
図9に示したように、第2扁平管2を複数の矩形管7で構成し、隣り合う矩形管7の間に間隙9を設ける場合には、図12に示すように、第2ヘッダー4の側面に矩形管7それぞれに対応した差込穴28を設ければよい。図25に示すように、第2ヘッダー4の差込穴28のそれぞれに、溝部27を設けた矩形管7を接続すればよい。
図26は、この発明の実施の形態12による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部のさらに他の例を示す断面図である。
図7に示したように、第2扁平管2を複数の矩形管7で構成し、隣り合う矩形管7を密着して配置する場合では、図26に示すように、それぞれに溝部27を設けた矩形管7を図5に示す第2ヘッダー4の差込穴28に接続すればよい。
なお、この実施の形態4においては、第2扁平管2である複数の矩形管7の端部に溝部27を備え、ろう材21の滞留部23としたが、図3に示すように、第2扁平管2を1つの扁平管で構成し、第2扁平管2の端部に溝部を備え、ろう材の滞留部とし、第2扁平管2と第2ヘッダー4をろう付けすることによって、同様の効果を得ることができる。また、図14に示した第2扁平管2の内部に複数の流路壁6を設けた場合でも、本実施の形態を適用することによって、同様の効果を得ることができる。
なお、この実施の形態4においては、第2扁平管2または第2扁平管2である複数の矩形管7の端部に溝部27を備え、ろう材21の滞留部23としたが、第1扁平管1を同様の構成とすることによって、同様の効果を得ることができる。
実施の形態 5.
この実施の形態5による熱交換器は、図2に示す第1扁平管1の両端に第1ヘッダー3を、第2扁平管2の両端に第2ヘッダー4を備えた熱交換器10であって、第2ヘッダーの差込穴28にテーパー部12を備え、このテーパー部12をろう材21の滞留部23としたものである。その他の構成は、実施の形態1に示す熱交換器と同様である。
図27は、この発明の実施の形態5による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図であり、図28は、この発明の実施の形態13による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
図27および図28に示すように、第2ヘッダー4は、差込穴28にテーパー部12を備え、このテーパー部12をろう材21の滞留部23としたものである。第2扁平管2と第2ヘッダー4とをろう付け接合する場合、ろう21材がテーパー部12に流れ込み易く、ろう付け不良が起こりにくくなって接合信頼性を向上することができる。また、ろう材21が第2扁平管2および第2ヘッダー4の内部に侵入し難いので、流路抵抗の増大や閉塞等などを起こしにくくなり、信頼性を向上することができる。さらに、テーパー部12の周囲にろう材21のフィレットが生成されるため、接合強度を向上することができる。
図28(a)に示すように、差込穴28の面積が最小となっている部分の大きさを第2扁平管2よりも大きく形成してもよい。また、図28(b)のように、第2扁平管2と第2ヘッダー4との間のクリアランスをなくす構成にしても良い。第2扁平管2と第2ヘッダー4との間のクリアランスをなくすことによって、ろう材21の第2ヘッダー4内への過度の流れ込みを抑制して接合信頼性を向上することができる。
なお、この実施の形態5においては、第2扁平管2を1つの扁平管で構成したが、第2扁平管2を複数の矩形管7で構成する場合も、同様の効果を得ることができる。また、図14に示した第2扁平管2の内部に複数の流路壁6を設けた場合でも、同様の効果を得ることができる。
なお、この実施の形態5においては、第2ヘッダー4の差込穴28にテーパー部12を設けたが、第1ヘッダー3の差込穴28にテーパー部を設け、第1ヘッダー3と第1扁平管1とをろう付けした場合も同様の効果がある。
この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に示す熱交換器を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を製造する際の断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器の断面図及び矩形管の斜視図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた温熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた温熱を利用するヒートポンプシステムの他の例を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた冷熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による熱交換器を用いた温熱および冷熱を利用するヒートポンプシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態2による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図である。 この発明の実施の形態2による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーの接続部を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管の一方の端部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部の他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部のさらに他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態5による熱交換器の第2ヘッダーの差込穴を示す断面図である。 この発明の実施の形態5による熱交換器の第2扁平管と第2ヘッダーとの接合部を示す断面図である。
符号の説明
1 第1扁平管、2 第2扁平管、3 第1ヘッダー、4 第2ヘッダー、5 伝熱経路、6 流路壁、7 矩形管、8 外周管、9 間隙、10 熱交換器、12 テーパー部、21 ろう材、22 ろう付け間隙、23 滞留部、25 冶具、26 縮管部、27 溝部、28 差込穴、29 拡管部、30 スペーサ、31 圧縮機、32 四方弁、33 膨張弁、34 室外熱交換器、35 利用側熱交換器、36 ポンプ、38 タンク、39 ファン、40 平板、41 継ぎ目、42 平面部、43 円筒。

Claims (10)

  1. 第1冷媒が流れる第1冷媒流路を有する扁平状の第1扁平管と、
    第2冷媒が流れる第2冷媒流路を有し、扁平面で前記第1扁平管の扁平面と接合される扁平状の第2扁平管と、
    前記第1扁平管の両端に接続される1対の第1ヘッダーと、
    前記第2扁平管の両端に接続される1対の第2ヘッダーとを備え、
    前記第1扁平管と前記第1ヘッダーとを接続する第1ヘッダー接合部または前記第2扁平管と前記第2ヘッダーとを接続する第2ヘッダー接合部にろう材の滞留部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  2. 前記第1扁平管または前記第2扁平管は、複数の矩形状の矩形管を有し、前記ろう材の滞留部は、隣り合う矩形管の間にスペーサを設けることによって形成されることを特徴とする熱交換器。
  3. 前記ろう材の滞留部は、前記第1扁平管の端部または前記第2扁平管の端部に設けられ、外周長が中央部よりも長い拡管部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記第1扁平管または前記第2扁平管は、複数の矩形状の矩形管を有し、
    前記ろう材の滞留部は、前記矩形管の端部に設けられ、外周長が中央部よりも長い拡管部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記ろう材の滞留部は、前記第1扁平管の端部または前記第2扁平管の端部に設けられ、外周長が中央部よりも短い縮管部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  6. 前記第1扁平管または前記第2扁平管は、複数の矩形状の矩形管を有し、
    前記ろう材の滞留部は、前記矩形管の端部に設けられ、外周長が中央部よりも短い縮管部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  7. 前記ろう材の滞留部は、前記第1扁平管の端部または前記第2扁平管の端部に設けられ、内側に窪んだ溝部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  8. 前記第1扁平管または前記第2扁平管は、複数の矩形状の矩形管を有し、
    前記ろう材の滞留部は、前記矩形管の端部に設けられ、内側に窪んだ溝部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  9. 前記第1ヘッダーの差込穴または前記第2ヘッダーの差込穴にテーパ部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱交換器。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱交換器を有することを特徴とする冷熱システム。
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