JP2009031798A - 画像表示方法及び装置並びにプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】照明光を調光処理することによって、表示画像の輝度の調整を行う画像表示方法であって、単位時間あたりにおける表示画像輝度の変化が5%以内となるように調光処理する。前記表示画像輝度は、前記表示画像全体の平均輝度である。前記調光処理は、前記表示画像の輝度情報を含む映像信号に基づいて行われる。前記調光処理は、前記表示画像からの出射光の輝度に基づいて行われる。
【選択図】図2
Description
液晶プロジェクタは光変調器として液晶ライトバルブを用いたものであるが、プロジェクタには、液晶ライトバルブの他、デジタルミラーデバイスを光変調器としたものも実用化されている。ところが、この種の従来のプロジェクタは以下のような問題点を有している。
(2)各種の映像信号処理により表示画像の品質向上を図ろうとしても、ダイナミックレンジが固定されているために、充分な効果を発揮することができない。
このようなプロジェクタの問題点に対する解決策、つまりダイナミックレンジを拡張する方法としては、映像信号に応じて光変調器(ライトバルブ)に入射させる光の量を変化させることが考えられる。それを実現するのに最も簡便な方法は、ランプの光出力強度を変化させることである。プロジェクタにおいて、メタルハライドランプの出力光の制御を行う方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
さらに上記の問題点に加えて、現行のプロジェクタでは光源の明るさが固定されているため、例えば暗めの鑑賞環境においては表示画像が明るくなりすぎたり、また、投射距離や投射レンズのズーミングにより投射スクリーンサイズを変化させた際に、それに応じて表示画像の明るさが変化してしまうという問題点もあった。
「Stiles, W. S. : Color vision: the approach through increment threshold sensitivity. Proc. Natl. Acad. Sci. 45, 100-114 (1959)」(参考文献1)
によれば、人間の視覚特性は、背景光強度をM、背景からの違いを検出できる刺激光の閾値をNとした場合には、logN=logM+k、N/M=const(約0.01)が成り立つ。したがって、人間は、背景の100分の1の輝度変化を認識することができる。すなわち、背景の1%の輝度変化があった場合には、人間にはちらつきとして認識される。
また、「Kelly, D. H. : Visual responses to time-dependent stimuli. I.Amplitude sensitivity measurements. J. Opt. Soc. Am. 51, 422-429 (1961)」(参考文献2)
には、人間の時間的コントラスト感度が関数として示されている。この参考文献2は、所定の輝度差の光を所定の周波数で交替した際に、人間がその輝度差を認識できるか否かを示したものである。この文献によれば、光が低周波数(1〜5Hz程度)で交替される場合には、人間は、最大で約5%の輝度差を認識することができる。
したがって、本発明に係る画像処理方法及び装置のように、表示画像輝度の変化が5%以内となるように調光処理を行うことによって、表示画像のちらつきを防止することが可能となる。
なお、参考文献2には、10〜20Hzの周波数で光を交替した場合には、人間は最大で約1%の輝度差を認識することができることを示すデータが開示されている。このため、本発明に係る画像処理方法及び装置において、表示画像輝度の変化が5%以内となるように調光処理を行うことがより好ましい。
また、このように、表示画像輝度の変化を定めることによって、その範囲で、調光処理の速度を限界まで高めることができる。このため、表示画像にちらつきを生じさせずに、調光処理による効果を最大限まで引き出すことが可能となる。
なお、表示画像からの出射光に基づいて調光処理を行う場合には、本発明に係る画像表示装置は、表示画像からの出射光に基づいて前記表示画像輝度を検出する出射光検出手段を備える必要があり、この出射光検出手段の出力信号に基づいて調光素子を制御することで調光処理を行う。
本発明に係る画像表示装置によれば、表示画像輝度の変化が5%以内となるように調光処理を行うことによって、表示画像のちらつきを防止することができる。このため、本発明に係るプロジェクタは、高コントラストの表示画像を表示することが可能となる。
本実施形態のプロジェクタは、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブを備えた3板式の投射型カラー液晶表示装置である。図1はこのプロジェクタを示す概略構成図であって、図中、符号1は照明装置、10は光源、21,22はフライアイレンズ(均一照明手段)、32は遮光体(調光手段30)、41,42はダイクロイックミラー、43,44,45は反射ミラー、51,52,53は液晶ライトバルブ(光変調手段)、60はクロスダイクロイックプリズム、70は投射レンズ(投射手段)を示している。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの光束のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射させるものである。ダイクロイックミラー41を透過した赤色光LRは反射ミラー45で反射されて赤色光用液晶ライトバルブ51に入射される。一方、ダイクロイックミラー41で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー42によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ52に入射される。一方、青色光LBはダイクロイックミラー42も透過し、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48からなるリレー系49を経て青色光用液晶ライトバルブ53に入射される。
図2は本実施形態のプロジェクタの駆動回路の構成を示すブロック図である。調光機能を持たない従来のプロジェクタの場合、入力された映像信号は適当な補正処理を経て、そのまま液晶パネルドライバに供給されるが、調光機能を有し、かつそれを映像信号に基づいて制御する本実施形態の場合、基本的な構成として、以下に説明するようにデジタル信号処理ブロックであるDSP(1)〜DSP(3)などの回路(制御手段)が必要となる。
表示映像適型の制御、すなわち明るい映像シーンでは光量が多くなり、暗いシーンでは光量が少なくなるような表示映像に適応した輝度制御を行う場合について考える。この場合、上記で説明したように、DSP(1)82で映像信号に基づいて輝度制御信号が決定されるが、その方法には例えば次の3通りが考えられる。
例えば0〜255の256ステップの階調数を含む映像信号を想定する。連続した映像を構成する任意の1フレームに着目した場合、そのフレームに含まれる画素データの階調数毎の出現数分布(ヒストグラム)が、図3(a)のようになったとする。この図の場合、ヒストグラムに含まれる最も明るい階調数が190であるので、この階調数190を輝度制御信号とする。この方法は、入力される映像信号に対し、最も忠実に明るさを表現できる方法である。
例えば映像信号の出現数分布が図4のようであった場合、ヒストグラムより明るい側から10%の領域をとる。10%に相当するところの階調数が230であったとすると、この階調数230を輝度制御信号とする。図7に示したヒストグラムのように、階調数255の近傍に突発的なピークがあった場合、上記(a)の方法を採用すれば、階調数255が輝度制御信号となる。しかしながら、この突発的なピーク部分は画面全体における情報としてはあまり意味をなしていない。これに対して、階調数230を輝度制御信号とする本方法は、画面全体の中で情報として意味を持つ領域によって判定する方法と言うことができる。なお、上記の割合は2〜50%程度の範囲で変化させてもよい。
例えば図5に示すように、画面をm×n個のブロックに分割し、それぞれのブロックA11,…,Amn毎の輝度(階調数)の平均値を算出し、そのうちで最大のものを輝度制御信号とする。なお、画面の分割数は6〜200程度とすることが望ましい。この方法は、画面全体の雰囲気を損なうことなく、明るさを制御できる方法である。
上記(a)〜(c)の方法について、輝度制御信号の判定を、表示領域全体に対して行う他に、例えば表示領域の中央部分など、特定の部分だけに上記方法を適用することもできる。この場合、視聴者が注目している部分から明るさを決定するような制御の仕方が可能となる。
図6に示すようなガンマカーブによって得られる出力強度に対応するように、調光ステップと輝度制御信号(入力階調)の関係をLUTとして用意しておく。DSP(2)83では、DSP(1)82から出力された輝度制御信号をLUTと照らし合わせることによって、指定された輝度変化となる調光ステップを導出し、所定のタイミングで調光素子ドライバ84に出力する。例えば、図6では、1入力階調あたりの輝度変化率が1%以内となっている。
人間の視覚特性によれば輝度変化率が1%以内の場合には、その輝度変化を認識することがほぼできないため、単位時間(例えば、1/30秒)に1階調分だけ調光素子30を駆動することによって、ちらつきのない調光を実現できる。
なお、ここでは、確実にちらつきのない調光を実現するために、1入力階調あたりの輝度変化率1%以内とした。しかしながら、人間の視覚特性は、例えば、表示画像の移り変わりが速い映画等の場合には、認識できる輝度変化率が5%程度となる。このため、例えば、映画等を表示するプロジェクタにおいては、1入力階調あたりの輝度変化率が5%以内となるようなLUTを用いて調光素子30を制御しても良い。また、どのような表示画像であっても、1入力階調あたりの輝度変化率が5%以内となるようなLUTを用いて調光素子30を制御することによって、表示画像のちらつきを抑止することが可能となる。
また、人間はある一定時間の光を時間的に積分して知覚することが知られている。人間の視覚系における光の時間的足し合わせ機能に関する法則であるブロックの法則によれば、明るい光は約30ms、暗い光は約100msにわたって積分した光を人間は知覚する。したがって、輝度変化の単位時間を1/30秒〜1/10秒とすることで、視覚系の時間特性を有効活用することが可能となる。
例えば、DSP(2)86において、輝度制御信号とは別に、DSP(1)82から調光スピード制御信号を受け取る。これは、例えば、映像のAPL(平均階調レベル)や上記ヒストグラムの最頻値など、画面の平均輝度に近い値が好ましい。DSP(2)86では、この調光スピード制御信号の指定された割合(例えば1%)を調光スピードとして決定する。これを予め用意されたLUTによって調光ステップに換算し、所定のタイミングで調光素子ドライバ84に出力する。この場合には、単位時間毎に映像信号から調光スピード制御信号を抽出し、指定された割合だけ輝度が変化するように調光素子30を駆動する。
なお、DSP(2)83が、調光スピード制御信号(専用の制御信号)を受け取る場合には、DSP(1)82から輝度制御信号に加え、調光スピード制御信号もDSP(3)86に送られる。そして、DSP(3)86では、目標値である輝度制御信号に映像信号の伸張処理が到達するまでの間、単位時間あたりの輝度変化が調光スピード制御信号の指定された割合(例えば1%)となるように伸張処理を繰り返す。
本実施形態では、均一照明手段を構成する2枚のフライアイレンズの間に遮光板を装入した照明装置の例を示す。図7は本遮光体の概略構成を示す図であり、(a),(b),(c)はそれぞれその上面視図,C−C′矢視図,D−D′矢視図である。また、図8は本照明装置の概略構成を示す側面図、及び遮光体を第2フライアイレンズと共に光軸方向から見た状態を示す正面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ減光率0%,30%,60%の状態を示している。
例えば、上記実施形態では遮光体32を光軸を挟む位置に2つ配置したが、このような遮光体は1つでも構わない。逆に、遮光体を、光軸を囲む位置に3つ或いは4つ以上配置することも可能である。この場合、各遮光体の形状及び配置を光軸Yを中心として軸対称とすることが好ましい。これにより、被照明領域における光の照度分布がその中心軸に対して軸対称となり、映像の見栄えが一層よくなる。
勿論、遮光体は、光の透過率が全体的に均一なもの(例えば、均一な透過率分布を有する半透明な部材)であってもよい。この場合、製造の容易さ等の利点がある。
Claims (7)
- 照明光を調光処理することによって、表示画像の輝度の調整を行う画像表示方法であって、
単位時間あたりにおける表示画像輝度の変化が5%以内となるように調光処理することを特徴とする画像表示方法。 - 前記表示画像輝度は、前記表示画像全体の平均輝度であることを特徴とする請求項1記載の画像表示方法。
- 前記調光処理は、前記表示画像の輝度情報を含む映像信号に基づいて行われることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示方法。
- 前記調光処理は、前記表示画像からの出射光の輝度に基づいて行われることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示方法。
- 照明光を出射する光源と、前記照明光を調光処理する調光素子と、前記調光素子を制御する制御手段とを備える画像表示装置であって、
前記制御手段は、単位時間あたりにおける表示画像輝度の変化が5%以内となるように前記調光素子を制御することを特徴とする画像表示装置。 - 前記表示画像からの出射光に基づいて前記表示画像輝度を検出する出射光検出手段を備え、
前記制御手段は、前記出射光検出手段の出力信号に基づいて前記調光素子を制御することを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。 - 請求項5または6記載の画像表示装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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JP2014187460A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Seiko Epson Corp | 画像処理装置、プロジェクター及び画像処理方法 |
KR101591830B1 (ko) | 2009-09-14 | 2016-02-04 | 엘지전자 주식회사 | 레이저 디스플레이 시스템 및 그의 구동방법 |
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WO2003032080A1 (fr) * | 2001-10-09 | 2003-04-17 | Seiko Epson Corporation | Dispositif d'eclairage, ecran de projection et son procede de regulation |
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