JP2008209441A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】投写画像の白色むらを低減することが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】照明装置100と、照明装置100からの光を複数の色光に分離して被照明領域に導光する色分離光学系200と、色分離光学系200で分離された3つの色光のうち1つの色光を被照明領域に導光するリレーレンズ330を有するリレー光学系300と、3つの色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する3つの液晶装置400R,400G,400Bと、変調された各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、合成された画像光を投写する投写光学系600と、光源装置110からクロスダイクロイックプリズム500までの光路内に配置される光軸補正光学系700とを備えるプロジェクタ1000。光軸補正光学系700は、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、照明装置からの光を、例えば赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離光学系と、色分離光学系で分離された3つの色光のうち1つの色光(例えば青色光)を被照明領域に導光するリレーレンズを有するリレー光学系と、
色分離光学系及びリレー光学系により導光された3つの色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する3つの電気光学変調装置とを備えるプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来のプロジェクタによれば、リレー光学系を備えているため、各電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光をほぼ等しい大きさにすることが可能となる。
特開2002−214565号公報
しかしながら、従来のプロジェクタにおいては、リレー光学系を通過する色光の光束はリレーレンズで交差されることから、リレー光学系を通過した色光は、リレー光学系を通過していない他の2つの色光とは、面内輝度分布のパターンが上下左右反転した形で電気光学変調装置の画像形成領域に照射されることとなる。このとき、照明装置からの光の面内光強度分布が完全には均一なものとはならないことがあり、このような場合には、各電気光学変調装置からの変調光を合成する際に、面内輝度分布が反転した関係にある変調光が含まれていることに起因して、スクリーンに投写される画像光に色むらが発生してしまう。特に白色の画像を投写表示した場合、綺麗な白色を表示できない部分(いわゆる白色むら)が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、投写画像の白色むらを低減することが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明者は、上記した問題を解決するため、照明装置からの光の面内光強度分布が完全には均一なものとはならない原因について鋭意研究を重ねたところ、光源装置の光軸又は照明装置の光軸の傾きが原因の1つとして考えられるという知見を得た。
すなわち、従来のプロジェクタにおいては、ライトガイドの歪み等に起因して、光源装置の光軸又は照明装置の光軸が、設計されたシステム光軸に対して傾いてしまう場合がある。このため、照明装置からの光の面内光強度分布が完全には均一なものとはならず、結果として、スクリーンに投写される画像光に色むら、特に白色むらが発生するのである。
本発明者は、以上の知見に基づいて、光源装置から色合成光学系までの光路内に、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成された光軸補正光学系を配置すれば、設計されたシステム光軸に対して光源装置の光軸又は照明装置の光軸が傾いている場合であっても、照明装置からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することができ、結果として、白色むらを低減することが可能となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
本発明のプロジェクタは、照明光束を射出する光源装置を有する照明装置と、前記照明装置からの光を複数の色光に分離して被照明領域に導光する色分離光学系と、前記色分離光学系で分離された前記複数の色光のうち1つの色光を被照明領域に導光するリレーレンズを有するリレー光学系と、前記色分離光学系及び前記リレー光学系により導光された複数の色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する複数の電気光学変調装置と、前記複数の電気光学変調装置によって変調された各色光を合成する色合成光学系と、前記色合成光学系で合成された画像光を投写する投写光学系と、前記光源装置から前記色合成光学系までの光路内に配置される光軸補正光学系とを備え、前記光軸補正光学系は、前記光軸補正光学系に入射する光の光軸に対して前記光軸補正光学系から射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成されていることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタによれば、光源装置から色合成光学系までの光路内に、上記した構成を有する光軸補正光学系が配置されているため、設計されたシステム光軸に対して光源装置の光軸又は照明装置の光軸が傾いている場合であっても、光軸補正光学系から射出される照明光束の光軸をシステム光軸に揃えることが可能となり、照明装置からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することが可能となる。これにより、リレー光学系によって1つの色光の面内輝度分布のパターンが上下左右反転されたとしても、リレー光学系を通過する前の光の面内輝度分布のパターンとほぼ同じものとすることが可能となる。つまり、各電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光について、リレー光学系を通過した色光のものとリレー光学系を通過していない色光のものとがほぼ等しい面内輝度分布のパターンとなる。その結果、スクリーンに投写される画像光の色むら、特に白色むらを低減することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面の両面が平面で、かつ、両面が平行な関係にない板状部材からなることが好ましい。
このように構成することにより、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けることが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記板状部材には、色補正用のダイクロイックフィルタが配置されていることが好ましい。
ところで、近年、家庭での映画鑑賞等の用途にプロジェクタを使用する機会が増えてきており、映画鑑賞等に適した色調の画面が表示されるように、シネマフィルタと呼ばれる色補正用のダイクロイックフィルタ(色域を広げるとともに黒浮きレベルを低減するためのフィルタ)を備えるプロジェクタも増えてきている。このような色補正用のダイクロイックフィルタを備えるプロジェクタにおいては、ダイクロイックフィルタを用いることによって投写画像の明るさが低減するため、上述した投写画像の白色むらがより目立ちやすい。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、光軸補正光学系としての板状部材に色補正用のダイクロイックフィルタが配置されているため、映画鑑賞等の用途に用いる場合であっても投写画像の白色むらを低減することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面のうち一方の面が曲率を有するレンズ面で、他方の面が平面であり、前記レンズ面の光軸が前記平面の垂線に対して傾いていることが好ましい。
このように構成することによっても、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けることが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面の両面が曲率を有するレンズ面であり、前記光入射面のレンズ面の光軸が前記光射出面のレンズ面の光軸に対して傾いていることが好ましい。
このように構成することによっても、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けることが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光軸補正光学系は、前記色分離光学系よりも前段の光路内に配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、色分離光学系よりも前段に配置された1つの光軸補正光学系によってすべての光路における面内輝度分布を一括して均一にすることが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光軸補正光学系の姿勢を調整することが可能な姿勢調整装置をさらに備えることが好ましい。
このように構成することにより、光軸補正光学系の姿勢(配置角度等)を微調整して、照明装置からの光の面内光強度分布が不均一になるのをさらに抑制することが可能となる。
以下、本発明のプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、設計されたシステム光軸に対して光源装置の光軸が傾いている場合を例示して説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ1000の光学系を示す図である。図2は、光軸補正光学系700を説明するために示す図である。なお、図2においては、本発明の効果の理解を容易にするために、設計されたシステム光軸OCに対する光源装置の光軸110axの傾きを誇張して示している。
以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸方向(図1におけるシステム光軸OC方向)、x軸方向(図1における紙面に平行かつz軸に直交する方向)及びy軸方向(図1における紙面に垂直かつz軸に直交する方向)とする。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、図1に示すように、照明装置100と、照明装置100からの照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離光学系200と、色分離光学系200で分離された3つの色光のうち青色光を被照明領域に導光するリレー光学系300と、色分離光学系200及びリレー光学系300により導光された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する電気光学変調装置としての3つの液晶装置400R,400G,400Bと、3つの液晶装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成する色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600と、照明装置100内に配置される光軸補正光学系700と、光軸補正光学系700の姿勢を調整することが可能な姿勢調整装置702とを備えたプロジェクタである。
照明装置100は、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110と、光源装置110の被照明領域側に配置される凹レンズ118と、凹レンズ118から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する第1レンズアレイ120と、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130と、第2レンズアレイ130からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズ150とを有する。
光源装置110は、楕円面リフレクタ114と、楕円面リフレクタ114の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112と、発光管112から被照明領域側に向けて射出される光を発光管112に向けて反射する副鏡116とを有する。光源装置110は、光源装置の光軸110axを中心軸とする光束を射出する。なお、光源装置の光軸110axは、設計されたシステム光軸OCに対してx(−)方向に傾いている(図2参照。)。
発光管112は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有する。管球部は、球状に形成された石英ガラス製であって、この管球部内に配置された一対の電極と、管球部内に封入された水銀、希ガス及び少量のハロゲンとを有する。発光管112としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
楕円面リフレクタ114は、発光管112の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有する。
副鏡116は、発光管112の管球部の略半分を覆い、楕円面リフレクタ114の反射凹面と対向して配置される反射手段である。副鏡116は、発光管112の他方の封止部に挿通・固着されている。副鏡116は、発光管112から放射された光のうち楕円面リフレクタ114に向かわない光を発光管112に戻し楕円面リフレクタ114に入射させる。
凹レンズ118は、楕円面リフレクタ114からの集束光を略平行光として射出する平行化レンズとしての機能を有し、楕円面リフレクタ114からの光を第1レンズアレイ120に向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120は、凹レンズ118からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ122がシステム光軸OCと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120と略同様な構成を有し、複数の第2小レンズ132がシステム光軸OCに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、光源装置110からの照明光束のうち一方の偏光成分(例えばP偏光成分)を有する光を透過し他方の偏光成分(例えばS偏光成分)を有する光をシステム光軸OCに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光をシステム光軸OCに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板とを有する。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換素子140を経た複数の部分光束を集光して液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ150の光軸とシステム光軸OCとが略一致するように、重畳レンズ150が配置されている。なお、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230とを有する。色分離光学系200は、重畳レンズ150から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、赤色光及び緑色光については液晶装置400R,400Gに、青色光についてはリレー光学系300に導く機能を有する。
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分の光を反射し、その他の色光成分の光を透過させるミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、青色光成分の光を透過し、緑色光成分の光を反射するミラーである。
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分の光は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ430Rを介して赤色光用の液晶装置400Rの画像形成領域に入射する。集光レンズ430Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。なお、他の集光レンズ430G,430Bも、集光レンズ430Rと同様に構成されている。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分の光のうち緑色光成分の光は、ダイクロイックミラー220で反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶装置400Gの画像形成領域に入射する。一方、青色光成分の光は、ダイクロイックミラー220を透過してリレー光学系300に入射する。
リレー光学系300は、入射側レンズ310と、入射側の反射ミラー320と、リレーレンズ330と、射出側の反射ミラー340とを有し、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分の光を液晶装置400Bまで導く機能を有する。リレー光学系300に入射した青色光成分の光は、入射側レンズ310を通過して反射ミラー320で曲折され、リレーレンズ330により面内輝度分布のパターンが上下左右反転された後、反射ミラー340で曲折されて集光レンズ430Bを通過して、青色光用の液晶装置400Bの画像形成領域に入射する。
なお、青色光の光路にこのようなリレー光学系300が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、リレー光学系300を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
液晶装置400R,400G,400Bは、画像情報に応じて照明光束を変調するものであり、照明装置100の照明対象となる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に従って、後述する入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
なお、ここでは図示を省略したが、集光レンズ430R,430G,430Bと各液晶装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が介在配置され、各液晶装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が介在配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって入射する各色光の光変調が行われる。
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
光軸補正光学系700は、凹レンズ118と第1レンズアレイ120との間に配置されている。光軸補正光学系700は、光入射面700i及び光射出面700oの両面が平面で、かつ、両面が平行な関係にない板状のガラス部材からなる。光軸補正光学系700は、光入射面700iがシステム光軸OCに直交する仮想平面に対して略平行となり、光射出面700oが当該仮想平面対して所定角度傾いた状態で配置されている。光軸補正光学系700は、図2に示すように、入射する光L1の光軸に対して射出される光L2の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成されている。これにより、x(−)方向に傾いていた照明光束の光軸を、システム光軸OCに揃えることが可能となる。
姿勢調整装置702は、光軸補正光学系700の姿勢(配置角度や回転角度など)を微調整するための調整装置である。
以上のように構成された実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、光源装置110からクロスダイクロイックプリズム500までの光路内(凹レンズ118と第1レンズアレイ120との間)に、上記した構成を有する光軸補正光学系700が配置されているため、設計されたシステム光軸OCに対して光源装置の光軸110axが傾いている場合であっても、光軸補正光学系700から射出される照明光束の光軸をシステム光軸OCに揃えることが可能となり、照明装置100からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することが可能となる。これにより、リレー光学系300によって1つの色光の面内輝度分布のパターンが上下左右反転されたとしても、リレー光学系300を通過する前の光の面内輝度分布のパターンとほぼ同じものとすることが可能となる。つまり、各液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域に照射される光について、リレー光学系300を通過した色光(青色光)のものとリレー光学系300を通過していない色光(赤色光及び緑色光)のものとがほぼ等しい面内輝度分布のパターンとなる。その結果、スクリーンSCRに投写される画像光の色むら、特に白色むらを低減することが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、光軸補正光学系700は、光入射面700i及び光射出面700oの両面が平面で、かつ、両面が平行な関係にない板状部材からなるため、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けることが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、光軸補正光学系700は、色分離光学系200よりも前段の光路内に配置されているため、色分離光学系200よりも前段に配置された1つの光軸補正光学系700によってすべての光路における面内輝度分布を一括して均一にすることが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、光軸補正光学系700の姿勢を調整することが可能な姿勢調整装置702をさらに備えるため、光軸補正光学系700の姿勢(配置角度等)を微調整して、照明装置100からの光の面内光強度分布が不均一になるのをさらに抑制することが可能となる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係るプロジェクタ1002の光学系を示す図である。なお、図3において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有するが、色補正用のダイクロイックフィルタをさらに備える点で、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは異なる。
すなわち、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、図3に示すように、光軸補正光学系700の光入射面700iに、色補正用のダイクロイックフィルタ704が配置されている。色補正用のダイクロイックフィルタ704は、映画鑑賞等に適した色調の画面が表示されるように、色域を広げるとともに黒浮きレベルを低減するためのフィルタである。
このように、実施形態2に係るプロジェクタ1002は、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、色補正用のダイクロイックフィルタをさらに備える点で異なるが、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様に、光軸補正光学系700を備えるため、設計されたシステム光軸OCに対する光源装置の光軸110axが傾いている場合であっても、光軸補正光学系700から射出される照明光束の光軸をシステム光軸OCに揃えることが可能となり、照明装置102からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することが可能となる。その結果、スクリーンSCRに投写される画像光の色むら、特に白色むらを低減することが可能となる。
また、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、光軸補正光学系700に色補正用のダイクロイックフィルタ704が配置されているため、映画鑑賞等の用途に用いる場合であっても投写画像の白色むらを低減することが可能となる。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、色補正用のダイクロイックフィルタをさらに備える点以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロジェクタ1000が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係るプロジェクタ1004の光学系を示す図である。なお、図4において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係るプロジェクタ1004は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有するが、光軸補正光学系の構成が、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは異なる。
すなわち、実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、図4に示すように、実施形態1で説明した凹レンズ118と光軸補正光学系700とが一体化されてなる光軸補正光学系710を備える。
光軸補正光学系710は、光入射面710iが曲率を有するレンズ面で、光射出面710oが平面であるガラス部材からなる。レンズ面である光入射面710iの光軸が平面である光射出面710oの垂線に対して傾いていることにより、光入射面710iに入射する光の光軸に対して光射出面710oから射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出することが可能となる。光軸補正光学系710の光入射面710iは、実施形態1で説明した凹レンズ118のレンズ面と同様に、楕円面リフレクタ114からの集束光を略平行光として射出する機能を有する(光入射面710iの光軸と光源装置の光軸110axとは略一致している。)。光軸補正光学系710は、光射出面710oがシステム光軸OCに直交する仮想平面に対して所定角度傾いた状態で配置されている。光軸補正光学系710は、実施形態1で説明した光軸補正光学系700の場合と同様に、光射出面710oから射出される光の光軸をシステム光軸OCに揃えるように、入射する光の光軸(光源装置の光軸110ax)に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成されている。
また、光軸補正光学系710には、光軸補正光学系710の姿勢(回転角度など)を微調整するための姿勢調整装置712が配置されている。
このように、実施形態3に係るプロジェクタ1004は、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、光軸補正光学系の構成が異なるが、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様に、入射する光の光軸に対して射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成された光軸補正光学系710を備えるため、設計されたシステム光軸OCに対する光源装置の光軸110axが傾いている場合であっても、光軸補正光学系710から射出される照明光束の光軸をシステム光軸OCに揃えることが可能となり、照明装置104からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することが可能となる。その結果、スクリーンSCRに投写される画像光の色むら、特に白色むらを低減することが可能となる。
実施形態3に係るプロジェクタ1004は、光軸補正光学系の構成が異なる点以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロジェクタ1000が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明のプロジェクタを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、設計されたシステム光軸OCに対して光源装置の光軸110axがx(−)方向に傾いている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光源装置の光軸110axが、例えば、x(+)方向に傾いている場合にも、y(+)方向又はy(−)方向に傾いている場合にも、さらにはx方向及びy方向の両方向に傾いている場合にも、当該傾きに応じた光軸補正光学系を用いることにより、光軸補正光学系から射出される照明光束の光軸をシステム光軸OCに揃えることが可能となり、照明装置からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制することが可能となる。
(2)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、設計されたシステム光軸OCに対して光源装置の光軸110axが傾いている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設計されたシステム光軸OCに対して照明装置の光軸が傾いている場合にも、本発明を適用することが可能である。
(3)上記実施形態1及び2に係るプロジェクタ1000,1002においては、光軸補正光学系として、光入射面及び光射出面の両面が平面で、かつ、両面が平行な関係にない板状部材からなる光軸補正光学系700を例示し、上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、光入射面が曲率を有するレンズ面で、光射出面が平面であり、レンズ面である光入射面の光軸が平面である光射出面の垂線に対して傾いている光軸補正光学系710を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光軸補正光学系として、光入射面及び光射出面の両面が曲率を有するレンズ面であり、光入射面のレンズ面の光軸が光射出面のレンズ面の光軸に対して傾いている光軸補正光学系を用いてもよい。
(4)上記実施形態1及び2に係るプロジェクタ1000,1002においては、光軸補正光学系700を、光入射面700iが照明装置の光軸に直交する仮想平面に対して略平行となり、光射出面700oが当該仮想平面対して所定角度傾いた状態となるように配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光射出面700oが照明装置の光軸に直交する仮想平面に対して略平行となり、光入射面700iが当該仮想平面に対して所定角度傾いた状態となるように配置してもよいし、光入射面700i及び光射出面700oの両面が当該仮想平面対して所定角度傾いた状態となるように配置してもよい。
(5)上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、光軸補正光学系710は、平面側に光軸補正機能(光入射面に入射する光の光軸に対して光射出面から射出される光の光軸を所定方向に傾ける機能)を持たせていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンズ面側に当該光軸補正機能を持たせてもよい。
(6)上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、凹レンズ118の光射出面(レンズ面ではない方の面)に光軸補正機能を持たせた光軸補正光学系710を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、重畳レンズの片面又は両面に光軸補正機能を持たせてもよいし、第1レンズアレイ又は第2レンズアレイの片面に光軸補正機能を持たせてもよいし、光源装置がフロントガラスを有する場合には、当該フロントガラスの片面又は両面に光軸補正機能を持たせてもよい。
(7)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、1つの光軸補正光学系を用いた場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つ以上の光軸補正光学系を用いて、照明装置からの光の面内光強度分布が不均一になるのを抑制してもよい。
(8)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、光軸補正光学系700,710は、照明装置100〜104内における光源装置110と第1レンズアレイ120との間に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、照明装置100〜104内における他の位置に配置されていてもよいし、色分離光学系200内やリレー光学系300内に配置されていてもよい。色分離光学系200内に配置する場合には、例えば、ダイクロイックミラー210と反射ミラー230との間に光軸補正光学系を配置するとともに、ダイクロイックミラー210とダイクロイックミラー220との間に光軸補正光学系を配置して、各液晶装置の画像形成領域に照射される光について、面内輝度分布のパターンを揃えることとしてもよい。
(9)上記実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、凹レンズ118と光軸補正光学系700とは離隔して配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹レンズ118と光軸補正光学系700とが接着剤を介して接着されていてもよい。
(10)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、発光管に配設される反射手段として副鏡を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射手段として反射膜を用いることも好ましい。また、上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、発光管に反射手段としての副鏡が配設されたプロジェクタを例示して説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、副鏡が配設されていないプロジェクタに本発明を適用することも可能である。
(11)上記実施形態1及び2に係るプロジェクタ1000,1002においては、光源装置として、楕円面リフレクタからなる光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放物面リフレクタからなる光源装置を用いることも好ましい。この場合には、凹レンズは備えていなくともよい。
(12)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、光均一化光学系として、レンズアレイからなるレンズインテグレータ光学系を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロッド部材からなるロッドインテグレータ光学系をも好ましく用いることができる。
(13)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004は透過型のプロジェクタであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は反射型のプロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。
(14)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、3つの液晶装置400R,400G,400Bを用いたプロジェクタを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
(15)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、電気光学変調装置として液晶装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。電気光学変調装置としては、一般に、画像情報に応じて入射光を変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置などを利用してもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
(16)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタに適用する場合にも可能である。
実施形態1に係るプロジェクタ1000の光学系を示す図。 光軸補正光学系700を説明するために示す図。 実施形態2に係るプロジェクタ1002の光学系を示す図。 実施形態3に係るプロジェクタ1004の光学系を示す図。
符号の説明
100,102,104…照明装置、110ax…光源装置の光軸、110…光源装置、112…発光管、114…楕円面リフレクタ、116…副鏡、118…凹レンズ、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換素子、150…重畳レンズ、200…色分離光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,320,340…反射ミラー、300…リレー光学系、310…入射側レンズ、330…リレーレンズ、400R,400G,400B…液晶装置、430R,430G,430B…集光レンズ、500…クロスダイクロイックプリズム、600…投写光学系、700,710…光軸補正光学系、700i,710i…(光軸補正光学系の)光入射面、700o,710o…(光軸補正光学系の)光射出面、702,712…姿勢調整装置、704…(色補正用の)ダイクロイックフィルタ、1000,1002,1004…プロジェクタ、L1,L2…光、OC…システム光軸、SCR…スクリーン

Claims (7)

  1. 照明光束を射出する光源装置を有する照明装置と、
    前記照明装置からの光を複数の色光に分離して被照明領域に導光する色分離光学系と、
    前記色分離光学系で分離された前記複数の色光のうち1つの色光を被照明領域に導光するリレーレンズを有するリレー光学系と、
    前記色分離光学系及び前記リレー光学系により導光された複数の色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する複数の電気光学変調装置と、
    前記複数の電気光学変調装置によって変調された各色光を合成する色合成光学系と、
    前記色合成光学系で合成された画像光を投写する投写光学系と、
    前記光源装置から前記色合成光学系までの光路内に配置される光軸補正光学系とを備え、
    前記光軸補正光学系は、前記光軸補正光学系に入射する光の光軸に対して前記光軸補正光学系から射出される光の光軸を所定方向に傾けて射出するように構成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面の両面が平面で、かつ、両面が平行な関係にない板状部材からなることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記板状部材には、色補正用のダイクロイックフィルタが配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面のうち一方の面が曲率を有するレンズ面で、他方の面が平面であり、前記レンズ面の光軸が前記平面の垂線に対して傾いていることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光軸補正光学系は、光入射面及び光射出面の両面が曲率を有するレンズ面であり、前記光入射面のレンズ面の光軸が前記光射出面のレンズ面の光軸に対して傾いていることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光軸補正光学系は、前記色分離光学系よりも前段の光路内に配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光軸補正光学系の姿勢を調整することが可能な姿勢調整装置をさらに備えることを特徴とするプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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