JP2007163722A - 液晶装置とその製造方法、位相差板、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度にパターン形成された特性の異なる複数の位相差層を備え、もって高機能化、高画質化を実現した液晶装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶装置200は、互いに対向して配置された素子基板(第1基板)10と対向基板(第2基板)20との間に液晶層50を挟持してなり、前記対向基板20の前記液晶層50側に、第1配向膜161と、該第1配向膜161上にパターン形成されて前記第1配向膜161と異なる方向の配向規制力を有する第2配向膜162とを積層してなる配向膜が設けられている構成を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶装置とその製造方法、位相差板、及び電子機器に関するものである。
携帯電話機をはじめとする電子機器の表示デバイスとして用いられる液晶装置は、これら電子機器の高速化、高機能化に伴いさらなる高性能化が求められている。例えば視野角の拡大や高画質化などが求められており、これらの要求を満たすため、液晶装置における偏光制御を行う位相差層の改良が検討されている。例えば特許文献1には、各色の画素毎に異なる位相差を有する位相差層を形成し、各色光毎に適切な光学補償を行えるようにする構成が記載されている。
特開2002−122866号公報
しかし、上記特許文献1に記載の液晶装置では、画素の色種毎に異なる位相差層を形成するために、位相差層のパターニングを3回繰り返して行うことが必要であり、製造工程の複雑化、高コスト化が避けられない。また、厚さが数μm程度もある位相差層を高精度にパターニングするのは困難であり、画素の高精細化に対応できなくなるおそれもある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、高精度にパターン形成された特性の異なる複数の位相差層を備え、もって高機能化、高画質化を実現した液晶装置、及びその製造方法を提供することを目的としている。また本発明は、基板上に高精度にパターン形成された特性の異なる複数の位相差層を備えた位相差板を提供することを目的としている。
本発明の液晶装置は、上記課題を解決するために、互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなり、少なくとも一方の前記基板の前記液晶層側に、第1配向膜と、該第1配向膜上にパターン形成されて前記第1配向膜と異なる方向の配向規制力を有する第2配向膜とを積層してなる配向膜が設けられていることを特徴とする。
このように第1配向膜上に第2配向膜をパターン形成してなる配向膜を具備していることで、前記液晶層に対して異なる配向規制力を作用させ、例えば画素の平面領域内、あるいは画素間で異なる液晶配向を呈する液晶装置を簡便に構成することができる。従来は、1画素内に配向状態の異なる液晶領域を形成する場合、配向膜に対してマスクラビング処理を施すことにより実現していたが、マスクラビングでは液晶領域の境界で液晶の配向乱れが生じやすく、またラビング布の劣化が生じやすいという問題があった。これに対して本発明では、第2配向膜をパターン形成するので、高精度に配向膜を形成することができ、配向膜境界での液晶の配向乱れも生じ難くなる。これにより、高機能化、高画質化を実現した液晶装置を実現することができる。
本発明の液晶装置では、前記第1配向膜が膜面の略垂直方向に液晶を配向させる垂直配向膜であり、前記第2配向膜が膜面の略水平方向に液晶を配向させる水平配向膜である構成とすることができる。あるいは、前記第1配向膜が膜面の略水平方向に液晶を配向させる水平配向膜であり、前記第2配向膜が膜面の略垂直方向に液晶を配向させる垂直配向膜である構成とすることもできる。
前記第1配向膜及び第2配向膜は、水平配向膜と垂直配向膜のいずれも用いることができる。
本発明の液晶装置では、前記配向膜が形成された少なくとも一方の前記基板上に、前記液晶層に電圧を印加する電極が形成され、該電極上に前記配向膜が形成されている構成とすることができる。かかる構成によれば、前記第1配向膜及び第2配向膜の配向規制力によりそれぞれ配向制御された液晶領域を有する液晶装置を簡便に構成することができる。
本発明の液晶装置では、当該液晶装置の1画素内に透過表示領域と反射表示領域とが区画形成されており、前記透過表示領域に対応して前記水平配向膜である第1配向膜が配置される一方、前記反射表示領域に対応して前記垂直配向膜である第2配向膜が配置されている構成とすることもできる。このような構成とすることで、透過表示領域と反射表示領域とで動作モードの異なる液晶領域を容易に形成することができる。
本発明の液晶装置では、前記透過表示領域の液晶層が動作時にベンド配向を呈するOCBモードの液晶層であり、前記反射表示領域の液晶層が前記第2配向膜側で垂直配向を呈し、他方の前記基板側で水平配向を呈するR−OCBモードの液晶層である構成とすることもできる。このような構成とすることで、OCBモードの半透過反射型液晶装置を容易に構成することができる。特に、OCBモードの液晶層では電圧を印加しない状態でスプレイ配向を呈し、動作初期に電圧印加によってベンド配向への配向転移動作を行う必要があるが、本構成では反射表示領域にベンド配向に近い液晶分子配列を有するハイブリッド配向の液晶領域が形成されているので、上記初期配向転移を円滑に行うことができる。
本発明の液晶装置では、前記液晶層が負の誘電率異方性を有する液晶を含む構成であってもよい。すなわち、本発明の液晶装置は、垂直配向モードの液晶層を備えた広視角の液晶装置とすることができる。
本発明の液晶装置では、前記第1基板又は第2基板上に、第1電極と、該第1電極との間に前記液晶層に印加する電界を生じさせる第2電極とが設けられている構成とすることもできる。この構成によれば、概略基板面方向の電界により液晶を駆動して表示を行う液晶装置とすることができる。
本発明の液晶装置では、前記反射表示領域に対応して、該反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚より薄くする液晶層厚調整層が形成されている構成とすることもできる。すなわち本発明の液晶装置は、いわゆるマルチギャップ構造を具備した半透過反射型の液晶装置であってもよい。
本発明の液晶装置では、前記配向膜上に、当該配向膜により配向制御された分子からなる光学異方性層が形成されている構成とすることもできる。このような構成とすることで、基板内面で別々の配向規制力により液晶性高分子を配向させることができる。
本発明の液晶装置では、前記光学異方性層が、液晶性高分子材料を含んでいる構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、前記液晶性高分子を配向膜の配向規制力によって配向制御することで、所望の光学異方特性を容易に得ることができる。
本発明の液晶装置では、当該液晶装置の1画素内に透過表示領域と反射表示領域とが区画形成されており、前記透過表示領域に対応して前記第1配向膜が配置される一方、前記反射表示領域に対応して前記第2配向膜が配置されている構成であってもよい。このような構成とすることで、透過表示領域と反射表示領域の各々で液晶パネル内を通過する光の位相差制御を行えるようになり、透過表示と反射表示の双方で高コントラストの表示を得られる半透過反射型の液晶装置とすることができる。
本発明の液晶装置では、当該液晶装置の1画素内に前記第1配向膜及び第2配向膜のいずれかが選択的に配置されている構成とすることができる。このような構成とすることで、画素毎に異なる光学異方性層を形成することができるので、例えば特定の画素についてのみ光学補償を行うといったことも容易に実現できる。
本発明の液晶装置では、2以上の異なる色種の色材層が当該液晶装置の各画素に対応して設けられており、前記第1配向膜及び第2配向膜が、前記色材層の色種に対応して配置されている構成とすることもできる。このような構成とすれば、例えば、特定の色種の色材層が設けられた画素についてのみ選択的に光学補償機能を付与することができる。
本発明の液晶装置の製造方法は、互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、少なくとも一方の前記基板上に第1配向膜を形成する工程と、前記第1配向膜上に、感光性の配向膜形成材料を塗布して塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜を露光、現像処理することで前記第1配向膜上に第2配向膜をパターン形成する工程と、前記第2配向膜の表面に配向処理を施す工程と、を有することを特徴とする。この製造方法によれば、前記基板上に第1配向膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて第2配向膜をパターン形成するので、極めて高精度に第1配向膜と第2配向膜の平面パターンを形成することができる。従って、第1配向膜と第2配向膜とを同一画素内に形成する場合にも容易に対応することができる。また、高精度に形成された第1配向膜と第2配向膜との境界領域においては、配向規制力の乱れや低下も生じないため、ディスクリネーションの発生によるコントラスト低下や開口率の低下を効果的に防止し得る高画質の液晶装置を製造することができる。
本発明の液晶装置の製造方法は、互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、少なくとも一方の前記基板上に第1配向膜を形成する工程と、前記第1配向膜の表面に配向処理を施す工程と、前記第1配向膜上に、感光性の配向膜形成材料を塗布して塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜を露光、現像処理することで前記第1配向膜上に第2配向膜をパターン形成する工程と、を有することを特徴とする。このような製造方法とすれば、極めて容易に第1配向膜の配向処理と第2配向膜の配向処理とを異ならせることができ、配向規制力の態様の異なる配向膜を高精度に基板上に形成することができる。
本発明の液晶装置の製造方法では、前記第1配向膜と第2配向膜を積層してなる配向膜を形成した後、前記配向膜上に液晶性高分子を含む光学異方性層形成材料を塗布し、前記第1配向膜及び第2配向膜の別々の配向規制力により前記液晶性高分子を配向させたこともできる。
本発明の位相差板は、基板上に光学異方性層を形成してなる位相差板であって、前記基板上に、第1配向膜と、該第1配向膜上にパターン形成されて前記第1配向膜と異なる方向の配向規制力を有する第2配向膜とを積層してなる配向膜が設けられており、前記配向膜上に、当該配向膜により配向状態を規制された分子からなる光学異方性層が形成されていることを特徴とする。このような構成とすることで、部位により異なる光学異方性を有する位相差板を容易に製造することができる。特に本発明によれば、第1配向膜と第2配向膜とを極めて高精度にパターン形成することができるので、その配向膜上に形成した光学異方性層の構造も高精度に制御することができ、光学特性に優れ、安価に製造可能な位相差板となる。
また本発明の位相差板では、前記第2配向膜が平面視ストライプ状を成して前記第1配向膜上に形成されている構成とすることもできる。
本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。このような構成とすることで、高機能かつ高画質の表示部を具備した電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、以下で参照する各図においては、図面を見易くするために各部の大きさの比率等を適宜変更して表示している。
また、本明細書において、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と称し、その反対側を外側と称することとする。また、画像表示の最小単位を構成する表示要素を「サブ画素」と称し、各色カラーフィルタを備えた複数のサブ画素の集合を「画素」と称することとする。さらに、1つのサブ画素の形成領域の内部において、液晶装置の表示面側から入射する光を利用する表示領域を「反射表示領域」と称し、液晶装置の背面側(前記表示面と反対側)から入射する光を利用する表示領域を「透過表示領域」と称する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態である位相差板とその製造方法について、図1を参照して説明する。
本発明に係る位相差板150は、図1に示すように、ガラスやプラスチック等の透光性の基板本体150Aと、基板本体150A上に形成された平面ベタ状の第1配向膜151と、第1配向膜151上に積層形成された平面視略ストライプ状の第2配向膜152と、第1配向膜151及び第2配向膜152を覆って形成された位相差層155とを備えて構成されている。本実施形態の場合、下層側の第1配向膜151は液晶を膜面に対して略垂直方向に配向させる垂直配向膜であり、上層側の第2配向膜152は液晶を膜面に対して略水平方向に配向させる水平配向膜である。
なお、位相差層155を保護するために、アクリル樹脂等からなる保護層を位相差層155の表面にさらに形成してもよい。
位相差層155は、例えば液晶性高分子からなるものとされ、図1に示すように、基板本体150A上にストライプ状にパターン配置された第1配向膜151及び第2配向膜152の配向規制力によって、部位により異なる位相差を有する位相差層を構成している。すなわち、垂直配向膜である第1配向膜151が露出された領域に配された第1配向領域155aにおいては、位相差層を構成する液晶性高分子の配向方向156aは基板本体150Aの法線方向に平行であり、水平配向膜である第2配向膜152が露出された領域に配された第2配向領域155bにおいては、位相差層を構成する液晶性高分子の配向方向156bは第2配向膜152のラビング方向に沿った面内方向である。
上記構成を備えた本実施形態の位相差板150は、液晶性高分子が垂直配向してなる第1配向領域155aでは透過光に対してほとんど位相差を付与しない。その一方で、液晶性高分子が水平配向している第2配向領域155bでは、透過光の偏光状態に応じて所望の位相差を付与することができるものとなっている。本実施形態の位相差板150は、液晶装置を構成する基板として、あるいは3D表示や2画面表示が可能な液晶装置の位相差板として好適に用いることができるものである。
図2は、図1に示す位相差板150の製造方法を説明するための概略工程図である。
図2(a)に示すように、位相差板150を製造するには、ガラスやプラスチック等からなる基板本体150Aを用意し、その一面側に、第1配向膜151と第2配向膜152とを積層形成する。本実施形態の場合、第1配向膜151を形成するための液体材料(ポリイミド等の垂直配向膜形成材料)を、スピンコート法等によって基板本体150A表面に塗布し、かかる塗膜を加熱焼成して硬化させることで第1配向膜151を形成する。その後、第1配向膜151上に、第2配向膜152を形成するための液体材料(感光性ポリイミド等の水平配向膜形成材料)を塗布して塗膜を形成し、かかる塗膜を露光、現像、及び焼成処理することで、図2(b)に示すように平面視ストライプ状にパターニングされた第2配向膜152を得る。なお、第2配向膜152を形成するに際してのパターニング方法は、上記した感光性材料を用いる方法に限定されるものではない。
次に、図2(c)に示すように、基板本体150A上の第1配向膜151及び第2配向膜152の表面に対して、矢印156bで示す方向のラビング処理を施し、水平配向膜である第2配向膜152に、矢印156b方向(XY面方向)の配向規制力を付与する。このラビング工程では垂直配向膜である第1配向膜151と水平配向膜である第2配向膜152とを一括してラビング処理するが、水平配向膜と同一の条件で垂直配向膜をラビング処理しても、ほとんど効果はなく、垂直配向膜による配向方向が変化することはない。
次に、図2(d)に示すように、第1配向膜151及び第2配向膜152を覆うように、重合性液晶性高分子を含む位相差層形成材料を基板本体150A上に塗布する。すると、前記形成材料に含まれる液晶性高分子は第1配向膜151及び第2配向膜152の配向規制力により所定の方向に配向する。そして、位相差層形成材料の塗膜に対し露光、焼成処理を施すことで、図示のように第1配向膜151の形成領域に液晶性高分子が矢印156a方向に配向(垂直配向)した第1配向領域155aが形成され、第2配向膜152の形成領域には液晶性高分子が矢印156b方向に配向(水平配向)した第2配向領域155bが形成される。以上の工程により、図1に示した同一基板内に別々の光学特性を具備した位相差板150を製造することができる。
上記位相差層155は、液晶性高分子溶液をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する方法で形成することができる。ここで用いる液晶性高分子は、例えばPLC−7023(商品名、旭電化工業(株)製)の8%溶液であり、溶媒はシクロヘキサノンとメチルエチルケトンの混合液、アイソトロピック転移温度が170℃、屈折率異方性Δnが0.21のものである。形成した液晶性高分子層は、プレベイクを80℃で1分間行い、さらに液晶性高分子のアイソトロピック転移温度(170℃)以上となる180℃で30分間加熱した後、徐々に冷却することで配向膜によって液晶性高分子を配向させることができる。
あるいは、位相差層155は、液晶性モノマーであるUVキュアラブル液晶UCL−008−K1(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)の溶液を、スピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する方法で形成することもできる。ここで用いる液晶性モノマー溶液は、例えば、Nメチル−2ピロリジノンとγ−ブチロラクトンの混合溶媒に25%に希釈したものであり、アイソトロピック転移温度が69℃、屈折率異方性Δnが0.20である。配向膜上に塗布した液晶性モノマーは、60℃で5分間乾燥させ、アイソトロピック転移温度(69℃)以上となる90℃で5分間加熱した後、徐々に冷却することで配向させることができる。その後、露光処理(例えば露光強度が3000mJ/cm)を施すことで液晶性モノマーを光重合させることで、液晶性モノマー重合体からなる位相差層155を形成することができる。
なお、位相差層155上に保護層を形成する場合、例えば、アクリル系感光性樹脂NN−525(商品名、JSR(株)製)をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)で塗布する。その後、保護層のプレベイクを80℃で3分間行った後、露光処理を露光強度2000mJ/cm程度で行うことで保護層を形成することができる。なお、保護層は必ずしも感光性樹脂を用いて形成する必要はないが、感光性樹脂を用いることで保護層の選択的な形成が可能となり利便である。
以上説明したように、本実施形態の位相差板150では、基板本体150A上に配向規制方向の異なる領域を区画形成した配向膜上に液晶性高分子を含む位相差層形成材料を塗布することで、部位により異なる光学特性を有する位相差層155を形成しているので、液晶性高分子からなる位相差層をパターニングする方法に比して安定した特性の位相差層を簡便な工程で形成することができる。また、厚さ数μm程度もある位相差層を選択的に形成する場合のように基板表面に段差が生じることもなく、液晶装置等への適用が容易になるという利点もある。
液晶装置の分野においては、基板面内で液晶の配向方向を分割することで、視野角の改善、反射モードと透過モードでの表示品質の両立を可能とする、いわゆるマルチラビング技術が知られている。従来のマルチラビングの方法では、基板上に形成した配向膜上にレジスト等のマスク材をパターン形成し、かかるマスク材を介したマスクラビング法を用いるのが一般的であったが、この方法にはラビング方向の異なる領域の境界で液晶の配向乱れが大きくなるという問題や、ラビング布が劣化しやすいという問題があった。また、配向膜を基板上にパターン形成し、配向膜の有無により配向規制力に差異を設ける方法も知られているが、配向膜を設けない領域における配向制御ができないため、当該非形成領域にも配向規制力が生じていると、液晶が意図しない配向状態を呈するという問題がある。
これに対して本実施形態では、基板本体150A上に平面ベタ状に形成した第1配向膜151上に第2配向膜152をパターン形成する方法を用いて、基板表面に配向方向の異なる領域を形成しているので、マスクラビング法のようなラビング布の劣化や配向分割境界における配向乱れの発生を効果的に抑えることができる。また、位相差層155の全域で液晶が適切に配向制御されているので、透過光に対してほとんど位相差を生じさせない第1配向領域(垂直配向領域)155aについても、不要な位相差が生じるのを効果的に防止し、光学特性に優れた位相差板となっている。
なお、上記実施の形態では、垂直配向膜上に水平配向膜をパターン形成し、その後ラビング処理する工程により位相差板150を製造する場合について説明したが、本発明に係る位相差板としては、水平配向膜上に垂直配向膜がパターン形成されている構成であってもよく、この場合にも同等の光学特性を具備した位相差板を得ることができる。このように下層側に水平配向膜を配置する場合、基板本体150A上に水平配向膜と垂直配向膜を積層形成し、垂直配向膜をパターニングした後でラビング処理を施す製造方法のほか、基板本体150A上に水平配向膜を平面ベタ状に形成した後、当該水平配向膜にラビング処理を施し、その後に垂直配向膜をパターン形成する製造方法も採用できる。ラビング処理の目的物は水平配向膜であるため、垂直配向膜をパターン形成した後でラビング処理を施すよりも、垂直配向膜の形成前にラビング処理を施しておく方がラビング処理の均一性や歩留まりの点で有利である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態である液晶装置200について図3から図7を参照して説明する。
図3は、液晶装置200の等価回路図である。図4は、液晶装置200の任意の画素の平面構成を示す図である。図5は、図4のA−A’線に沿う断面構成図、図6は、図4のB−B’線に沿う断面構成図である。
液晶装置200は、図3に示すように、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下「TFD」という。)素子13を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置である。また図5に示すように、観察者側に配置された素子基板10と、光源側に配置された対向基板20と、素子基板10及び対向基板20に挟持された液晶層50と、対向基板20側に設けられ素子基板10側から入射した光を反射する反射層27と、反射層27の形成領域に対応する反射表示領域における液晶層50の厚さを、反射層27の外側の表示領域(透過表示領域)における液晶層50の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層24とを有する、半透過反射型の液晶装置である。
図3は、TFD素子を用いた液晶装置の等価回路図である。この液晶装置200には、第1駆動回路101により駆動される複数のデータ線9と、第2信号駆動回路104により駆動される複数の走査線8とが格子状に配置されている。走査線8とデータ線9との交点に対応してTFD素子13と液晶表示要素(液晶層)50とが配置されている。各TFD素子13及び各液晶層50は、各走査線8と各データ線9との間に直列接続されている。TFD素子13と液晶表示要素50とは入れ替えて配置することもできる。
図4に示す画素の平面構造は、液晶装置200を素子基板10側から観察した構成を示している。本実施形態の液晶装置200では、マトリクス状に配列された平面視矩形状の画素電極15の形成領域に対応してサブ画素が形成されている。各サブ画素には、図示Y軸方向に延びる帯状に形成されたR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ22R、22G、22Bのうち1つが配置されており、R,G,B各色のカラーフィルタをそれぞれ備えた3つのサブ画素が1つの画素を構成している。
各サブ画素に設けられた画素電極15にはTFD素子13が電気的に接続されており、TFD素子13と電気的に接続された走査線8がサブ画素の長辺端に沿ってY軸方向に延びている。また、画素電極15の一部と平面的に重なる位置に反射層29が形成されており、当該反射層29の形成領域がサブ画素における反射表示領域Rを構成している。そして、反射層29の外側の画素電極15の形成領域が当該サブ画素における透過表示領域Tを構成している。
図示X軸方向に配列された複数のサブ画素に跨って帯状の共通電極25が形成されており、共通電極25と平行に配置され、複数のサブ画素に跨るようにして第1配向膜161と第2配向膜162とが形成されている。本実施形態の場合、第1配向膜161は液晶を膜面に略水平に配向させる水平配向膜であり、第2配向膜162は液晶を膜面に垂直に配向させる垂直配向膜である。各サブ画素において、第1配向膜161は透過表示領域Tに配置されており、第2配向膜162は反射表示領域Rに配置されている。
なお、図4では第1配向膜161、第2配向膜162はいずれもX軸方向に延びる帯状であるように示されているが、実際には、図2(b)に示した配向膜151,152と同様に、基板上に平面ベタ状に第1配向膜161が形成されており、この第1配向膜161上に帯状の第2配向膜162が形成された構造である。
次に、図5及び図6に示す断面構造をみると、素子基板10と対向基板20との間に液晶層50が挟持されており、さらに対向基板20の外側には、光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(照明手段)60が設置されている。
素子基板10は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体11を備えている。基板本体11の内側(図示下側)には、走査線8と電気的に接続されたTFD素子13が形成されており、これらを覆ってシリコン酸化物、シリコン窒化物、樹脂材料等からなる層間絶縁膜12が形成されている。層間絶縁膜12上にITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる画素電極15が形成されており、画素電極15の一部が層間絶縁膜12に貫設されたコンタクトホール12a内に一部埋設されて、画素電極15とTFD素子13とを電気的に接続している。画素電極15を覆ってポリイミド等からなる配向膜19が形成されている。この配向膜19は液晶を膜面に対し略水平方向に配向させる水平配向膜である。
TFD素子13は、タンタル等からなる島状の第1導電膜30と、第1導電膜30の表面に形成されたタンタル酸化膜等からなる素子絶縁膜30aと、素子絶縁膜30aを介して第1導電膜30と対向するクロム等からなる第2導電膜31,32とを備えたMIM(Metal-Insulator-Metal)素子である。第2導電膜31は、図3に示したように走査線8を分岐してなるものである。このTFD素子13は、第1導電膜30に対して第2導電膜31,32がそれぞれ対向する位置に素子が形成されたBack-to-Back構造のTFD素子となっている。
一方、対向基板20は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体21を備えている。基板本体21の内側(図示上側)には、表面に凹凸が形成された樹脂膜27aが部分的に形成されており、樹脂膜27aの表面を覆うようにしてアルミニウムや銀等の光反射性の金属材料からなる反射層27が形成されている。反射層27は、樹脂膜27a表面の凹凸に倣う凹凸を表面に有し、液晶層50側から入射する光を散乱反射可能とされた散乱反射層となっている。
反射層27表面を含む基板本体21上には、異なる色光を透過する複数のカラーフィルタ22B,22G,22Rを備えたCF層22が形成されている。CF層22には、図6に示すように、素子基板10側の走査線8と対向する位置にブラックマトリクス22BMが形成されている。またCF層22は、素子基板10側に形成してもよい。
カラーフィルタ22R、22G、22Bは、サブ画素の領域内で色度の異なる2種類の領域に区画されている構成とすることが好ましい。具体例を挙げると、透過表示領域Tの平面領域に対応して第1の色材領域が設けられ、反射表示領域Rの平面領域に対応して第2の色材領域が設けられており、第1の色材領域の色度が、第2の色材領域の色度より大きいものとされている構成を採用できる。また、反射表示領域Rの一部に非着色領域を設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、カラーフィルタを表示光が1回のみ透過する透過表示領域Tと、2回透過する反射表示領域Rとの間で表示光の色度が異なるのを防止でき、反射表示と透過表示の見映えを揃えて表示品質を向上させることができる。
CF層22を覆って樹脂材料等からなる平坦化膜23が形成されており、平坦化膜23上には、樹脂材料等からなる液晶層厚調整層24が部分的に形成されている。そして、平坦化膜23と液晶層厚調整層24とに跨るようにして共通電極25が形成されている。共通電極25は、上述したデータ線として機能するものであり、前記素子基板10の走査線8と交差する方向に延在している。共通電極25を覆ってポリイミド等からなる第1配向膜161(水平配向膜)が形成されており、第1配向膜161上の領域のうち、液晶層厚調整層24上の領域にポリイミド等からなる第2配向膜162(垂直配向膜)が形成されている。
なお、対向基板20の共通電極25を走査線として機能させ、素子基板10の走査線8をデータ線として機能させてもよい。
素子基板10の配向膜19と、対向基板20の第1配向膜161とについては、液晶層50の厚さ方向の中央に対して液晶分子の配向が上下対称となるように、パララビング処理が施されている。そして、図5に示す素子基板10及び対向基板20の周縁部がシール材(不図示)によって貼り合わされ、そのシール材の内側に液晶層50が封入されている。本実施形態では、透過表示領域Tについては水平配向膜が形成されて液晶層50がOCBモードで動作し、反射表示領域Rについては水平配向膜と垂直配向膜とに挟持された液晶層50がR−OCBモードで動作するものとなっている。
反射層27の形成領域に対応するCF層22の表面に設けられた液晶層厚調整層24によりマルチギャップ構造が形成されている。半透過反射型の液晶装置では、反射表示領域Rへの入射光は液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tへの入射光は液晶層50を1回しか透過しないため、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで同一であると、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーションが異なることとなり、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られなくなる。そこで液晶層厚調整層24を設けることにより、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚(例えば2μm程度)を、透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚(例えば4μm程度)の半分程度に設定することができ、反射表示領域R及び透過表示領域Tにおける液晶層50のリタデーションが略同一に設定することができる。これにより、反射表示領域R及び透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができるようになっている。
なお、上記液晶層厚調整層24に起因して、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界領域に傾斜部17が形成されており、かかる傾斜部17では液晶層50の層厚が連続的に変化している。一般に傾斜部17では、液晶分子の配向状態が乱れやすく、表示品質が低下しやすい。本実施形態の液晶装置200では、反射表示を重視するべく傾斜部17を透過表示領域Tに配置し、反射表示の品質を確保することとしている。
液晶層厚調整層24の構成材料として、アクリル樹脂等の電気絶縁性及び感光性を有する材料を採用することが望ましい。感光性材料を採用することにより、フォトリソグラフィを用いたパターニングが可能になり、液晶層厚調整層24を精度よく形成することができる。液晶層厚調整層24は、素子基板10に設けてもよく、また素子基板10及び対向基板20の両方に設けてもよい。
図5に符号51を付して液晶分子を示すように、液晶装置200の液晶層50は、透過表示領域Tにおいて動作時に液晶分子51が弓なりに曲がった状態に配向するベンド配向を呈する。かかるベンド配向を呈する領域は、液晶層50に作用する電界が所定値以下であるときには液晶分子51がスプレイ状に開いたスプレイ配向状態となっており、動作初期の電圧印加によりベンド配向に移行させ、ベンド配向の曲がりの度合いで透過率を変調することにより、表示動作の高速応答性を実現しうるようになっている。
一方、反射表示領域Rでは、素子基板10と対向基板との間で液晶分子51の配向状態が水平配向から連続的に垂直配向に変化するハイブリッド配向(Hybrid-Aligned Nematic;HAN)となっている。これにより、反射表示領域Rの液晶層50はR−OCBモードで動作する。R−OCBモードの配向状態は、OCBモードにおけるベンド配向の上半部に相当するので、ベンド配向の曲がりの度合いで透過率を変調することにより、表示動作の高速応答性を実現することができる。しかもOCBモードとは異なり、初期転移動作を経ることなく表示動作に入ることができる。
一対の基板10,20の外側には、それぞれ偏光板36,37が設けられている。これらの偏光板36,37は、特定方向に振動する直線偏光のみを透過させるものである。偏光板36の透過軸及び偏光板37の透過軸は、相互に略直交するように配置されるとともに、配向膜19,29のラビング方向と平面視で略45°で交差するように配置されている。
なお、偏光板36及び偏光板37の内側に、必要に応じて位相差板を配置してもよい。かかる位相差板として、可視光の波長に対して略1/4波長の位相差を持つλ/4板を使用すれば、偏光板36,37とともに円偏光板を構成することができる。またλ/2板及びλ/4板を組み合わせて使用すれば、広帯域円偏光板を構成することができる。
さらに、偏光板36及び/又は偏光板37の内側に、必要に応じて光学補償フィルムを配置してもよい。光学補償フィルムを配置することにより、液晶装置を正面視ないし斜視した場合の液晶層の位相差を補償することが可能になり、光漏れを減少させてコントラストを増加させることができる。光学補償フィルムとして、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させてなる負の一軸性媒体(例えば、富士写真フィルム製のWVフィルム)を使用することが可能である。また、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させてなる正の一軸性媒体(例えば、日本石油製のNHフィルム)を使用することも可能である。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせて使用することも可能である。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のCプレート等を使用してもよい。
上記構成を備えた本実施形態の液晶装置200では、対向基板20の内側の配向膜に、先の第1実施形態に係る配向膜と同様の積層構造を採用することでサブ画素内に配向状態の異なる液晶領域を形成している。このように反射表示領域Rに、ベンド配向に類似する配向のハイブリッド配向の液晶領域を形成しておくことで、透過表示領域Tにおけるスプレイ配向からベンド配向への初期配向転移を円滑に行わせることができ、サブ画素内の液晶配向を均一化して表示の均一性を高めることができる。このような構成を実現するためには、狭小なサブ画素領域内に正確に配向膜を形成する必要があるが、従来のマスクラビング法ではラビング方向の異なる領域の境界で配向制御が不十分になり、境界領域に大きなディスクリネーションが発生してコントラストないし表示輝度の低下、及びマスクの段差に起因するラビング布の劣化が問題となっていたが、本発明に係る配向膜の形成工程を採用することで、境界領域においても良好な配向制御性が得られ、またラビング布への負荷も小さくなるため、高画質の液晶装置を歩留まりよく製造可能になる。
液晶装置200を製造するには、特に対向基板20の製造工程で、図2に示した配向膜形成工程を適用する。すなわち、基板本体21上に反射層27、CF層22、平坦化膜23、液晶層厚調整層24を順次形成した後、例えばポリイミドを用いて水平配向膜である第1配向膜161を基板本体21上に平面ベタ状に形成する。その後、例えば感光性ポリイミドを第1配向膜161上に塗布し、この塗膜を露光、現像処理することで、垂直配向膜である第2配向膜162を反射層27の形成領域に選択的に形成する。その後、第1配向膜161と第2配向膜162に一括してラビング処理を施すことで、水平配向膜である第1配向膜161に対して所定の平面方向の配向規制力を付与する。このようにして作製した対向基板20を、別途作製した素子基板10とシール材を介して貼り合わせることで、液晶装置200が得られる。
上記した製造方法では、第1配向膜161と第2配向膜162とを形成した後にラビング処理を施すこととしているが、水平配向膜が下層側に配される本実施形態の配向膜の構成では、基板本体21上に平面ベタ状に形成した第1配向膜161にラビング処理を施した後、かかる第1配向膜161上に感光性ポリイミドを塗布して第2配向膜162を形成してもよい。このような製造方法とすれば、第1配向膜161と第2配向膜162との境界段差がない状態でラビング処理を行うので、第1配向膜161と第2配向膜162との境界でラビング不良が生じ難くなる。
なお、上記実施形態では、透過表示領域TにおいてOCBモードで動作し、反射表示領域RにおいてR−OCBモードで動作する液晶層50を備えた液晶装置200について説明したが、本発明の技術範囲はかかる構成に限定されるものではない。すなわち、透過表示領域Tにおける液晶層の動作モードはOCBモードに限られず、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード等であってもよい。
また例えば、サブ画素の全域に水平配向膜からなる第1配向膜を形成してOCBモードで動作する液晶層とし、表示領域の外側に垂直配向膜からなる第2配向膜を選択的に形成した構成とすることもできる。この場合、表示領域の外側に液晶分子が垂直配向した液晶領域が形成されることとなる。そして、このような垂直配向の液晶分子は、ベンド配向における液晶層の層厚方向中央部に配置された液晶分子と類似の配向状態であるため、OCBモードの液晶層における初期配向転移に際して、表示領域外で垂直配向した液晶分子が初期配向転移のきっかけとなり、スプレイ配向からベンド配向への配向転移が円滑にかつ迅速に、さらにはサブ画素全域で均一に行われるようになる。また、このようにサブ画素の表示領域内外で性状の異なる配向膜を形成する技術は、VAN(Vertical Aligned Nematic)モード、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶装置にも適用できるのは勿論である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態である液晶装置300について、図7から図10を参照しつつ説明する。図7は、本実施形態の液晶装置の等価回路図である。図8は、液晶装置300における1画素の平面構成図である。図9は、図8のD−D’線に沿う断面構成図である。図10は、図8のE−E’線に沿う断面構成図である。
本実施形態の液晶装置300は、液晶に対し略基板面方向の電界を印加して配向を制御することにより画像表示を行う方式のうち、FFS(Fringe Field Switching)方式と呼ばれる方式を採用した液晶装置である。また、基板上にカラーフィルタを具備したカラー液晶装置であり、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を出力する3個のサブ画素で1個の画素を構成するものとなっている。
図7に示すように、液晶装置300の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数のサブ画素領域には、それぞれ画素電極89と画素電極89をスイッチング制御するためのTFT80とが形成されており、図示左右方向に延びるデータ線6aがTFT80のソースと電気的に接続されている。データ線6aからは画像信号S1、S2、…、Snが各画素に供給される。画像信号S1〜Snはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。TFT80のゲートには、図示上下方向に延びる走査線3aが電気的に接続されており、走査線3aは所定のタイミングでにパルス的に供給される走査信号G1、G2、…、Gmを線順次でTFT80のゲートに供給するようになっている。画素電極89は、TFT80のドレインに電気的に接続されている。そして、スイッチング素子であるTFT80が走査信号G1、G2、…、Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで画素電極89に書き込まれるようになっている。
画素電極89を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極89と液晶を介して対向する共通電極との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極89と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付与されている。蓄積容量70はTFT80のドレインと容量線3bとの間に介挿されている。
次に、図8から図10を参照して液晶装置300の詳細な構成について説明する。液晶装置300は、図9に示すように素子基板(第1基板)10と対向基板(第2基板)20との間に液晶層50を挟持した構成を備えており、液晶層50は、素子基板10と対向基板20とが対向する領域の縁端に沿って設けられた図示略のシール材によって基板10,20間に封止されている。素子基板10の外面側、及び対向基板20の外面側には、それぞれ偏光板36,37が設けられている。対向基板20の外面側には、偏光板37のほか、位相差板その他の光学素子を設けることもできる。素子基板10の背面側(図示下面側)には、バックライト(照明装置)60が配設されている。
図8に示すように、液晶装置300における各サブ画素の平面領域には、平面視略梯子状を成すY軸方向に長手の画素電極(第1電極)89と、画素電極89と平面的に重なって配置された平面略ベタ状の共通電極(第2電極)99とが設けられている。サブ画素領域の図示左上の角部には、素子基板10と対向基板20とを所定間隔で離間した状態に保持するための柱状スペーサ90が立設されている。
画素電極89は、概略X軸方向に延びる複数本(図示では15本)の帯状電極89cと、これらの帯状電極89cの両端部と接続された平面視略矩形枠状の枠体部89aとを備えて構成されており、前記複数の帯状電極89cは、互いに平行に均等な間隔でY軸方向に配列されている。
共通電極99は、図8に示す画素の領域内で平面ベタ状であり、この共通電極99とサブ画素内で一部平面的に重なる位置に、X軸方向に延びる帯状の反射層79が形成されている。本実施形態の液晶装置300は、図8に示す1つのサブ画素領域のうち、反射層79の形成領域と画素電極89を内包する平面領域とが重なる領域が、対向基板20の外側から入射して液晶層50を透過する光を反射、変調して表示を行う反射表示領域Rとなっている。また、反射層79が形成されない領域であって、共通電極99の形成領域と画素電極89を内包する領域とが重なる領域が、バックライト60から入射して液晶層50を透過する光を変調して表示を行う透過表示領域Tとなっている。
本実施形態の場合、共通電極99はITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる導電膜であり、反射層79は、アルミニウムや銀等の光反射性の金属膜からなる反射層である。また、上記反射層79は、多数のサブ画素を平面視マトリクス状に配列した画像表示領域全体では、X軸方向に延びる帯状であり、Y軸方向に関しては、反射層79の形成領域と非形成領域とが交互に配列された構成となっている。
図8に示すサブ画素領域には、X軸方向に延びるデータ線6aと、Y軸方向に延びる走査線3aと、走査線3aに隣接して走査線3aと平行に延びる容量線3bとが形成されている。データ線6aと走査線3aとの交差部の近傍にTFT80が設けられている。TFT80は走査線3aの平面領域内に部分的に形成されたアモルファスシリコンからなる半導体層85と、半導体層85と一部平面的に重なって形成されたソース電極6b、及びドレイン電極82とを備えている。走査線3aは半導体層85と平面的に重なる位置でTFT80のゲート電極として機能する。
TFT80のソース電極6bは、データ線6aから分岐されて半導体層85に延びる平面視略逆L形に形成されており、ドレイン電極82は、−Y側に延びる端部にて平面視略矩形状の容量電極81と電気的に接続されている。容量電極81上には、画素電極89がサブ画素の中央部側から延びて配置されており、両者が平面的に重なる位置には画素コンタクトホール95が設けられている。そして前記画素コンタクトホール95を介して容量電極81と画素電極89とが電気的に接続されている。
また容量電極81は、容量線3bの平面領域内に配置されており、厚さ方向で対向する容量電極81と容量線3bとを電極とする蓄積容量70が形成されている。
図9に示す断面構造をみると、互いに対向して配置された素子基板10と対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。素子基板10は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性の基板本体10Aを基体としてなり、基板本体10Aの内面側(液晶層50側)には、走査線3a及び容量線3bが形成されており、走査線3a及び容量線3bを覆って、酸化シリコン等の透明絶縁膜からなるゲート絶縁膜71が形成されている。
ゲート絶縁膜71上に、アモルファスシリコンの半導体層85が形成されており、半導体層85に一部乗り上げるようにしてソース電極6bと、ドレイン電極82とが設けられている。またドレイン電極82の画素コンタクトホール95側には容量電極81が一体に形成されている。半導体層85は、ゲート絶縁膜71を介して走査線3aと対向しており、当該対向領域で走査線3aがTFT80のゲート電極を構成している。容量電極81は、ゲート絶縁膜71を介して容量線3bと対向しており、容量電極81と容量線3bとが対向する領域に、ゲート絶縁膜71をその誘電体膜とする蓄積容量70が形成されている。
半導体層85、ソース電極6b、ドレイン電極82、及び容量電極81を覆って、酸化シリコン等からなる第1層間絶縁膜72が形成されている。第1層間絶縁膜72上には、アクリル樹脂等の樹脂材料からなる散乱性付与層79aが部分的に形成されており、この散乱性付与層79aの凹凸形状が形成された表面にアルミニウム等の光反射性を有する金属膜からなる反射層79が形成されている。そして、反射層79の表面を含む第1層間絶縁膜72上の領域に、ITO等の透明導電材料からなる平面ベタ状の共通電極99が形成されている。このように反射層79を覆って共通電極99が形成された構成とすることで反射層79をエッチング液等から保護することができ、また画素電極89が共通電極99のみと対向することとなるので、画素電極89と共通電極99との間に生じる電界をサブ画素内で均一化することができる。
共通電極99を覆って、酸化シリコン等からなる第2層間絶縁膜73が形成されており、第2層間絶縁膜73上にITO等の透明導電材料からなる画素電極89がパターン形成されている。第1層間絶縁膜72及び第2層間絶縁膜73を貫通して容量電極38に達する画素コンタクトホール95が形成されており、この画素コンタクトホール95内に画素電極89の一部が埋設されて、画素電極89と容量電極81とが電気的に接続されている。なお、上記画素コンタクトホール95の形成領域に対応して共通電極99にも開口部が設けられており、共通電極99と画素電極89とが接触しないようになっている。画素電極89を覆う第2層間絶縁膜73上の領域には、ポリイミド等からなる垂直配向膜の第1配向膜171が形成されている。
第1配向膜171上には、ポリイミド等からなる水平配向膜の第2配向膜172が部分的に形成されている。第2配向膜172は、図8に示したように反射層79と平面的に重なる領域に帯状を成して形成されている。そして、第1配向膜171及び第2配向膜172を覆うようにして位相差層180が形成されている。位相差層180は、液晶性高分子を配向させてなる光学異方性層であり、部位により異なる光学異方性を有するものである。従って、本実施形態の液晶装置300は、先の第1実施形態の位相差板150と同様、基板上に配向規制力の異なる配向膜をパターン形成し、かかる配向膜の配向規制力の差異を利用して位相差層の光学異方性を部位により異ならせた構成を具備したものとなっている。
本実施形態の場合、第1配向膜171上に位置する第1配向領域181では、垂直配向膜である第1配向膜171の配向規制力により液晶性高分子が膜面に垂直に配向しており、第2配向膜172上に位置する第2配向領域182では、水平配向膜である第2配向膜172の配向規制力により液晶性高分子が膜面に略水平に配向している。このような液晶性高分子の配向状態の差異により、位相差層180は、透過表示領域Tに対応して配置された第1配向領域181では透過光に対してほとんど位相差を付与せず、その一方で反射表示領域Rに配置された第2配向領域182では透過光に対して所定の位相差(透過光の1/4波長)を付与する光学異方性層として機能するものとなっている。
位相差層180を覆って、ポリイミド等からなる配向膜19が形成されている。
一方、対向基板20の基体である基板本体20Aの内面側(液晶層50側)には、CF層22と、配向膜28とが積層されている。CF層22は、先の第1実施形態と同様の構成であり、配向膜28は液晶分子を膜面の略水平方向に配向させる水平配向膜である。液晶層50を挟持して配された配向膜19,28は平面視で同一方向にラビング処理されており、配向膜19,28間で液晶分子を水平配向させる機能を奏する。なお、配向膜19,28のラビング方向は、いずれも図8X軸方向であり、帯状電極89cの延在方向に対して10°〜30°程度の角度を成す方向となっている。
液晶装置300は、FFS方式の液晶装置であり、TFT80を介して画素電極89に画像信号(電圧)を印加することで、画素電極89と共通電極99との間に基板面方向の電界(斜め電界)を生じさせ、かかる電界によって液晶を駆動し、各サブ画素ごとの透過率/反射率を変化させることで画像表示を行うものとなっている。液晶装置300の動作時に共通電極99は、画素電極89との間で所定範囲の電位差を生じさせるべく定電圧に保持されていればよいが、走査線3aに入力する走査パルスと同期したパルス信号を入力してもよい。
上記構成を具備した本実施形態の液晶装置300では、画素電極89上に第1配向膜171と第2配向膜172とを形成し、これらの配向膜の配向規制力の差異を利用して位相差層180の光学異方性を部位により異ならせている。これにより、従来円偏光を用いた半透過反射型の構成の採用が難しいとされていたFFS方式の液晶装置において広視角、高コントラストの半透過表示を実現している。
FFS方式やIPS(In-Plane Switching)方式の横電界モードの液晶装置では、電界応答により正面位相差がほとんど変化しないため、従来は、透過表示と反射表示とで液晶層の位相差を異ならせるために、反射表示領域に選択的に位相差層を設けることが検討されていた。しかしこの方法では、厚さ数μm程度の位相差層を直接パターニングする必要があり、狭小なサブ画素内に正確に位相差層を形成するのが困難であるという問題があり、また位相差層の形成領域と非形成領域との間で段差が生じてしまい、両領域で閾値電圧が異なってしまうという問題があった。
これに対して本実施形態では、50nm程度の厚さの第2配向膜172をパターン形成するため、第2配向膜172を高精度にパターニングすることが可能であり、第1配向膜171と第2配向膜172との配向規制力のコントラストを高くすることができる。また、非常に薄い配向膜171,172を覆うようにして位相差層180を形成しているため、位相差層180が配向膜171,172間の段差を解消して基板表面を平坦化することができ、液晶層50の層厚を均一化することができる。このことは、液晶層50の層厚に依存して閾値電圧が変動する横電界モードの液晶装置300において特に有効に作用する。
また、横電界モードの液晶装置で半透過反射型の構成を実現するために、基板内面に平面ベタ状に位相差層を形成し、基板外面に位相差板を設けた構成も知られている。かかる構成では、内面側に設けた位相差層を反射表示領域のみで機能させるために、透過表示領域における位相差層の位相差を外面側に設けた位相差板で相殺するようになっている。しかしながら、かかる構成では透過表示領域に実質的に機能しない2枚の位相差板が存在することとなり、透過表示において位相差板の配設によって視角特性が低下するという問題がある。
これに対して本実施形態では、透過表示領域Tに対応する第1配向領域181では、位相差層180は透過光にほとんど位相差を付与しないため、基板外面の位相差板が不要であり、従って位相差板の配設による視角特性の低下は生じない。また、位相差板が不要であることから、液晶装置の製造コスト、薄型化の点でも有利である。
なお、上記実施形態では、FFS方式の半透過反射型液晶装置を例示して説明したが、本発明の技術範囲はかかる構成に限定されるものではなく、例えば液晶層50がTNモード、ECBモード、OCBモード、VAモードのものであっても同様に半透過反射型の液晶装置を構成することができ、いずれの液晶装置においても広視角、高コントラストの表示を実現することができる。
また、本実施形態では、サブ画素を区画する透過表示領域Tと反射表示領域Rとに対応させて第1配向領域181と第2配向領域182とを形成した場合について説明したが、位相差層の第1配向領域と第2配向領域とを、それぞれ各サブ画素に対応させて形成した液晶装置を構成することもできる。具体的には、カラー液晶装置では各サブ画素に対応して3色のカラーフィルタが設けられるが、カラーフィルタの色種に対応して選択的に第1配向領域と第2配向領域とを設けるようにすれば、特定の色種のサブ画素について選択的に光学補償条件を設定することが可能になり、視角特性の改善や中間階調での色変化防止といった効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、図11から図18を参照して第1実施形態に係る位相差板を好適に用いることができる液晶装置について説明する。図11は、本発明の第1実施形態による位相差板を具備した液晶装置400の分解斜視図である。図12は、図11に示した本実施形態の液晶装置400の表示面を観察している状態を観察者とともに示した図である。図13は、本実施形態の液晶装置に備えられた偏光制御液晶パネルの部分平面図である。図14は、図11に示した本実施形態の液晶装置400の表示面を観察している状態を観察者とともに示した図である。図15は、図11に示した本実施形態の液晶装置の動作説明図である。
まず、図11〜図14を参照して、液晶装置400の構成について説明する。液晶装置400は、図11及び図12に示すように、画像を表示するための表示パネル402と、表示パネル402を挟み込むように配置される偏光板403及び404と、表示パネル402に光を照射するためのバックライト(照明装置)405と、バックライト405の観察者410及び420側に配置された偏光板406とを備えている。また、表示パネル402を挟み込むように配置された偏光板403及び404は、互いの偏光軸が直交するように配置されている。偏光板406は、バックライト405から照射された光のうち、第1の偏光軸を有する光を透過するように構成されており、偏光板404は、偏光板406を透過する前記第1の偏光軸を有する光を透過させるとともに、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有する光を吸収する機能を有している。一方、偏光板403は、前記第2の偏光軸を有する光を透過させるとともに、前記第1の偏光軸を有する光を吸収するものとなっている。
偏光板406の観察者410及び420側には、偏光制御液晶パネル407が配置されている。偏光制御液晶パネル407は、バックライト405から偏光板406を介して照射された第1の偏光軸を有する光を透過させるための偏光制御領域407aと、第1の偏光軸を有する光を第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有する光に変化させるための偏光制御領域407bとを有している。
偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bは、図11に示すように、Y軸方向に延びる帯状領域であって、偏光制御液晶パネル407においてX軸方向に交互に配列されている。前記Y軸方向は、観察者410(420)の左目410a(420a)及び右目410b(420b)を結んだ線分に対して実質的に直交する方向(すなわちパネルを正面視したときの垂直方向)である。
図13に示すように、偏光制御領域407a及び407bは、偏光制御液晶パネル407の複数本(例えば4本)の単位領域407cにより構成されており、これら単位領域407cには、それぞれ、電極407dが設けられている。そして、後述する2画面表示時には、偏光制御領域407aを構成する4つの単位領域407cに対応する4本の電極407dに電圧が印加されるとともに、偏光制御領域407bを構成する4つの単位領域407cに対応する4本の電極407dには電圧が印加されないように制御する。本実施形態の液晶装置では、単位領域407cに設けられる電極407dに対する電圧の印加の有無を制御することにより、偏光制御領域407a及び407bの幅を任意に変化させることが可能である。例えば、後述する立体画像の表示時及び平面画像の表示時には、偏光制御領域407a及び407bをそれぞれ2つの単位領域407cにより構成するとともに、偏光制御領域407aを構成する2つの単位領域407cに対応する2本の電極407dに電圧を印加し、かつ、偏光制御領域407bを構成する2つの単位領域407cに対応する2本の電極407dに電圧を印加しないようにすることによって、偏光制御領域407a及び407bを、それぞれ、2つの単位領域407c分の幅にすることが可能である。これにより、偏光制御液晶パネル407の電極407dの印加の有無を制御することにより、容易に、2画面表示モードと立体画像表示モードと平面画像表示モードとに切り換えることが可能となる。このように偏光制御液晶パネル407は、液晶装置400における偏光軸制御手段として機能する。
前記偏光制御液晶パネル407の観察者410及び420側には、レンチキュラーレンズ408が配置されている。このレンチキュラーレンズ408には、実質的に半円柱状のレンズ部408aが、図11のY軸方向に延びる向きでX軸方向に関して複数配列されて形成されている。複数のレンズ部408aを含むレンチキュラーレンズ408は、偏光制御液晶パネル407により異なる偏光軸を有するように分離された光を、図12に示すように観察者410及び420の方向に進行させる機能を有している。
レンチキュラーレンズ408と表示パネル402に取り付けられた偏光板404との間に、位相差板409が配置されている。位相差板409は、先に記載の第1実施形態に係る位相差板150と同等の構成を具備したものであり、偏光板406を透過する第1の偏光軸を有する光を透過させる透過領域409aと、第1の偏光軸を有する光を第2の偏光軸を有する光に変換する偏光領域409bとを備えている。第1実施形態に係る位相差板150と比較すると、上記透過領域409aは位相差層155における第1配向領域155aに相当し、偏光領域409bは位相差層155における第2配向領域155bに相当する。すなわち、透過領域409aは、基板本体上にパターン形成された垂直配向膜によって液晶性高分子を垂直配向させてなる位相差層であり、偏光領域409bは、上記垂直配向膜とともにパターン形成された水平配向膜によって液晶性高分子を所定方向に水平配向させてなる位相差層である。
上記透過領域409a及び偏光領域409bは、図11及び図15に示すように、位相差板409においてX軸方向に延びる帯状領域であり、Y軸方向に関して交互に配列されている。
図14及び図15に示すように、表示パネル402は、画素列402a及び402bを備えている。
画素列402a、402bは、表示パネル402においてX軸方向に延びる帯状であり、Y軸方向関して交互に配列されている。表示パネル402の画素列402a及び402bは、位相差板409のX軸方向に延びる透過領域409a及び偏光領域409bに対応して設けられている。また、偏光板406、偏光制御液晶パネル407、レンチキュラーレンズ408、位相差板409及び偏光板404は、図11及び図12に示すように、表示パネル402とバックライト405との間に配置されている。
以上の構成を備えた本実施形態の液晶装置400は、偏光制御液晶パネル407の作動状態を変更することにより、2画面表示モード、立体画像表示モード、及び平面画像表示モードを切り替えつつ動作させることができる液晶装置となっている。以下、本実施形態の液晶装置400において特徴的な2画面表示モード及び立体画像表示モードについて説明する。
[2画面表示モード]
まず、液晶装置400の2画面表示モードにおける動作について説明する。図16は、図11に示した液晶装置400の2画面表示モードにおいて観察者が視認する表示パネルの領域を説明するための図である。
まず、図12及び図15を参照して、異なる観察位置に位置する観察者410及び420に異なる画像を提供するための偏光制御液晶パネル407及び表示パネル402の構成について説明する。本実施形態の液晶装置400は2画面表示モードにおいて、図12に示すように、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bからなる組が、レンチキュラーレンズ408の各々のレンズ部408aに1組ずつ対応している。つまり、2画面表示モードでは、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a、407bには、それぞれ隣接する4本の電極407d(4つの単位領域407c)が割り当てられ、かかる偏光制御領域407a、407bがそれぞれ1本のレンズ部408aに対応している。また、図15に示すように、表示パネル402の画素列402aには、観察者410が見るための画像L2(例えば、テレビ用画像)が表示されており、画素列402bには、観察者420が見るための画像R2(例えば、カーナビゲーション用画像)が表示されている。
上記構成において、バックライト405から照射された光は、バックライト405の観察者410及び420側に配置された偏光板406により、第1の偏光軸を有する光に変換されて、偏光制御液晶パネル407に入射する。この第1の偏光軸を有する光は、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bを透過するが、その際、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407aに入射した光は、偏光軸が変化されることなく透過する一方、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°回転して第2の偏光軸を有する光に変換されて射出される。すなわち、偏光制御液晶パネル407においては、偏光制御領域407a及び偏光制御領域407bに対応する帯状の各領域からそれぞれ第1の偏光軸を有する光と、第2の偏光軸を有する光とが射出される。
その後、図12に示すように、第1の偏光軸を有した状態で偏光制御領域407aを出射した光は、レンチキュラーレンズ408により、観察者410に向かって進行するように集光される。また、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有した状態で偏光制御領域407bを出射した光は、レンチキュラーレンズ408により、観察者420に向かって進行するように集光される。
そして、図15に示すように、第1の偏光軸を有した状態で、観察者410に向かって進行する光411は、透過領域409a及び偏光領域409bを有する位相差板409に入射する。そして、第1の偏光軸を有する光411のうち、位相差板409の透過領域409aに入射した光は、偏光軸が変化することなくそのままの偏光状態を維持して透過する。一方、偏光領域409bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°回転し、第2の偏光軸を有する光に変換されて射出される。
その後、第1の偏光軸を有した状態で位相差板409の透過領域409aから射出された観察者410に向かう光411は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射してこれを透過し、表示パネル402の画素列402aに入射する。
これに対して、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有した状態で位相差板409の偏光領域409bから射出された観察者410に向かう光411は、表示パネル402と位相差板409との間に配置された偏光板404に入射して吸収される。このため、観察者410には、観察者420が見るための画像R2が表示されている表示パネル402の画素列402bを通過する光が到達しないので、観察者410は、表示パネル402の画素列402bに表示される観察者420が見るための画像R2を見ることができない。これにより、観察者410は、図16に示すように、表示パネル402の画素列402aに表示される観察者410が見るための画像L2のみを視認する。
また、第2の偏光軸を有した状態で、観察者420に向かって進行する光412は、図15に示すように、透過領域409a及び偏光領域409bを有する位相差板409に入射する。そして、第2の偏光軸を有する光412のうち、位相差板409の透過領域409aに入射した光は、偏光軸が変化することなくそのままの偏光状態を維持して透過する。一方、偏光領域409bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°回転し、第1の偏光軸を有する光に変換されて射出される。
その後、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有した状態で位相差板409の透過領域409aから射出されて観察者420に向かう光412は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射して吸収される。このため、観察者420には、観察者410が見るための画像L2が表示されている表示パネル402の画素列402aを通過する光が到達しないので、観察者420は、表示パネル402の画素列402aに表示される観察者410が見るための画像L2を見ることができない。これに対して、第1の偏光軸を有した状態で位相差板409の偏光領域409bから出射されて観察者420に向かう光412は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射してこれを透過し、表示パネル402の画素列402bに入射する。これにより、観察者420は、図16に示すように、表示パネル402の画素列402bに表示される観察者420が見るための画像R2のみを視認する。
(立体画像表示モード)
次に、次に、図17〜図19を参照して、本実施形態の液晶装置400における立体画像表示方法について説明する。
図17は、立体画像表示モードの液晶装置400を表示面側から観察した状態を示す図である。図18は、図11に示した液晶装置400における立体画像表示モードの動作原理を説明するための分解斜視図である。図19は、図11に示した液晶装置400の立体画像表示モードにおいて観察者が観察する表示パネルの領域を説明するための図である。
まず、異なる観察位置に位置する観察者410及び420に立体画像を提供するための偏光制御液晶パネル407及び表示パネル402の構成について説明する。この偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bからなる組は、図17に示すように、レンチキュラーレンズ408の各々レンズ部408aに対応して2組ずつ設けられている。つまり、立体画像表示時には、上述したように、偏光制御液晶パネル407の2本の電極407d毎に電圧の印加の有無が変化するように制御することによって、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bを、それぞれ、2つの単位領域407c(図13参照)により構成して、2画面表示モードから立体画像表示モードに切り換える。また、図18に示すように、表示パネル402の画素列402aには、観察者410及び420の左目410a及び420aに入射させるための左目用画像L3が表示され、画素列402bには、観察者410及び420の右目410b及び420bに入射させるための右目用画像R3が表示されている。
上記構成において、バックライト405から射出された光は、バックライト405の観察者410及び420側に配置された偏光板406により、第1の偏光軸を有する光のみを透過して、偏光制御液晶パネル407に向かって進行する。そして、第1の偏光軸を有する光が、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407a及び407bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407aに入射した光は、偏光軸が変化されることなく透過する一方、偏光制御液晶パネル407の偏光制御領域407bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°変化されて(第2の偏光軸を有した状態で)射出される。その後、第1の偏光軸を有した状態で偏光制御領域407aを出射した光は、レンチキュラーレンズ408により、観察者410及び420の左目410a及び420aに向かって進行するように集光される。また、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有した状態で偏光制御領域407bを出射した光は、レンチキュラーレンズ408により、観察者410及び420の右目410b及び420bに向かって進行するように集光される。
そして、図18に示すように、第1の偏光軸を有した状態で、観察者410及び420の左目410a及び420aに向かって進行する光421は、透過領域409a及び偏光領域409bを有する位相差板409に入射する。そして、この第1の偏光軸を有する光421が、位相差板409の透過領域409a及び偏光領域409bを透過する。この際、位相差板409の透過領域409aを透過した光は、偏光軸が変化されることなく透過するととともに、偏光領域409bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°変化されて(第2の偏光軸を有した状態で)出射される。その後、第1の偏光軸を有した状態で位相差板409の透過領域409aから出射されて観察者410及び420の左目410a及び420aに向かう光は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射されるととともに、そのまま偏光板404を透過して表示パネル402の画素列402aに入射する。これに対して、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有した状態で位相差板409の偏光領域409bから出射されて観察者410及び420の左目410a及び420aに向かう光は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射されて吸収される。このため、観察者410及び420の左目410a及び420aには、右目用画像R3が表示されている表示パネル402の画素列402bを通過する光が到達しないので、観察者410及び420の左目410a及び420aは、表示パネル402の画素列402bに表示される右目用画像R3を見ることができない。これにより、観察者410及び420の左目410a及び420aには、図19に示すように、表示パネル402の画素列402aに表示される左目用画像L3が入射される。
また、第2の偏光軸を有した状態で、観察者410及び420の右目410b及び420bに向かって進行する光422は、図18に示すように、透過領域409a及び偏光領域409bを有する位相差板409に入射する。そして、この第2の偏光軸を有する光422が、位相差板409の透過領域409a及び偏光領域409bを透過する。この際、位相差板409の透過領域409aを透過した光は、偏光軸が変化されることなく透過するととともに、偏光領域409bに入射した光は、偏光軸が実質的に90°変化された状態(第1の偏光軸を有した状態)で出射される。その後、第2の偏光軸を有した状態で位相差板409の透過領域409aから出射されて観察者410及び420の右目410b及び420bに向かう光は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射されて吸収される。このため、観察者410及び420の右目410b及び420bには、左目用画像L3が表示されている表示パネル402の画素列402aを通過する光が到達しないので、観察者410及び420の右目410b及び420bは、表示パネル402の画素列402aに表示される左目用画像L3を見ることができない。これに対して、第1の偏光軸を有した状態で位相差板409の偏光領域409bから出射されて観察者410及び420の右目410b及び420bに向かう光は、表示パネル402と位相差板409との間に配置される偏光板404に入射されるととともに、そのまま偏光板404を透過して表示パネル402の画素列402bに入射する。これにより、観察者410及び420の右目410b及び420bには、図19に示すように、表示パネル402の画素列402bに表示される右目用画像R3が入射される。上記したように、観察者410及び420の左目及び右目に、それぞれ、両眼視差を有する左目用画像L3及び右目用画像R3が入射されることにより、観察者410及び420は、立体画像を見ることが可能となる。
以上、詳細に説明したように、液晶装置400では、バックライト405と表示パネル402との間に、バックライト405から偏光板406を介して照射された光を、第1の偏光軸を有する光と、第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有する光とに分離するための偏光制御液晶パネル407と、偏光制御液晶パネル407により異なる偏光軸を有するように分離された光を、それぞれ所定の方向に進行させるレンチキュラーレンズ408と、各偏光軸を有する光を表示パネル402の特定位置に入射させるべくフィルタする、位相差板409と偏光板404とを設けたことで、観察位置の異なる観察者410,420に対してそれぞれ異なる画像ないし立体画像を提供することができるようになっている。
本実施形態の液晶装置400では、位相差板409について本発明に係る位相差板が用いられているので、位相差板409の透過領域409a及び偏光領域409bが高精度に形成され、透過領域409aにあっては不要な位相差を生じさせず、偏光領域409bにあっては均一に位相差を生じさせるものとなっている。また、前記各領域409a、409bの境界においても、位相差層を構成する液晶性高分子の配向乱れが生じ難くなっている。従って本実施形態に係る液晶装置400によれば、上記位相差板409を具備したことで、高精細の表示パネル402にも十分に対応することができ、各観察者に対して高精細表示を提供することができる。
また、液晶装置400では、偏光制御液晶パネル407に、第1の偏光軸を有する光を透過する偏光制御領域407aと、第1の偏光軸を有する光を第1の偏光軸と実質的に直交する第2の偏光軸を有する光に変換する偏光制御領域407bとが図11のY軸方向に延びる帯状を成してX軸方向に関して交互に配列されている構成を備えている。そして、前記各偏光制御領域407a、407bの幅を、複数本の電極407dの駆動を制御して、バックライト405から照射される光の到達領域を制御するができる。これにより、電極407dの駆動状態を変更するのみで極めて容易に2画面表示モード、立体画像表示モード、及び平面画像表示モードを切り替えることができる。
(電子機器)
図20は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図20に示す携帯電話1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。本実施形態の電子機器では、本発明に係る液晶装置を具備した表示部により高品質の表示を得ることができる。
上記各実施の形態の液晶装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストの表示が可能になっている。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
第1実施形態に係る位相差板の斜視構成図。 同、製造方法を示す概略工程図。 第2実施形態に係る液晶装置の等価回路図。 同、1画素の平面構成図。 図4のA−A’線に沿う断面構成図。 図4のB−B’線に沿う断面構成図。 第3実施形態に係る液晶装置の等価回路図。 同、1画素の平面構成図。 図8のD−D’線に沿う断面構成図。 図8のE−E’線に沿う断面構成図。 第4実施形態に係る液晶装置の分解斜視図。 同、表示面を観察している状態を示す図。 同、偏光制御液晶パネルの部分平面構成図。 同、表示面を観察している状態を示す図。 同、2画面表示モードの動作説明図。 同、2画面表示モードの動作説明図。 同、立体画像表示モードにおける観察状態を示す図。 同、立体画像表示モードの動作説明図。 同、立体画像表示モードの動作説明図。 電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
100,200,300,400 液晶装置、10 素子基板(第1基板)、20 対向基板(第2基板)、50 液晶層、15 画素電極、25 共通電極、22R,22G,22B カラーフィルタ(色材層)、89 画素電極(第1電極)、99 共通電極(第2電極)、151,161,171 第1配向膜、152,162,172 第2配向膜、155 位相差層(光学異方性層)、155a 第1配向領域、155b 第2配向領域、180 位相差層(光学異方性層)、R 反射表示領域、T 透過表示領域。

Claims (20)

  1. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなり、
    少なくとも一方の前記基板の前記液晶層側に、第1配向膜と、該第1配向膜上にパターン形成されて前記第1配向膜と異なる方向の配向規制力を有する第2配向膜とを積層してなる配向膜が設けられていることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記第1配向膜が膜面の略垂直方向に液晶を配向させる垂直配向膜であり、前記第2配向膜が膜面の略水平方向に液晶を配向させる水平配向膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第1配向膜が膜面の略水平方向に液晶を配向させる水平配向膜であり、前記第2配向膜が膜面の略垂直方向に液晶を配向させる垂直配向膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  4. 前記配向膜が形成された少なくとも一方の前記基板上に、前記液晶層に電圧を印加する電極が形成され、該電極上に前記配向膜が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶装置。
  5. 当該液晶装置の1画素内に透過表示領域と反射表示領域とが区画形成されており、
    前記透過表示領域に対応して前記水平配向膜である第1配向膜が配置される一方、前記反射表示領域に対応して前記垂直配向膜である第2配向膜が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
  6. 前記透過表示領域の液晶層が動作時にベンド配向を呈するOCBモードの液晶層であり、前記反射表示領域の液晶層が前記第2配向膜側で垂直配向を呈し、他方の前記基板側で水平配向を呈するR−OCBモードの液晶層であることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  7. 前記液晶層が負の誘電率異方性を有する液晶を含むことを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  8. 前記第1基板又は第2基板上に、第1電極と、該第1電極との間に前記液晶層に印加する電界を生じさせる第2電極とが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  9. 前記反射表示領域に対応して、該反射表示領域の液晶層厚を前記透過表示領域の液晶層厚より薄くする液晶層厚調整層が形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の液晶装置。
  10. 前記配向膜上に、当該配向膜により配向制御された分子からなる光学異方性層が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶装置。
  11. 前記光学異方性層が、液晶性高分子材料を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の液晶装置。
  12. 当該液晶装置の1画素内に透過表示領域と反射表示領域とが区画形成されており、
    前記透過表示領域に対応して前記第1配向膜が配置される一方、前記反射表示領域に対応して前記第2配向膜が配置されていることを特徴とする請求項10又は11のいずれか1項に記載の液晶装置。
  13. 当該液晶装置の1画素内に前記第1配向膜及び第2配向膜のいずれかが選択的に配置されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の液晶装置。
  14. 2以上の異なる色種の色材層が当該液晶装置の各画素に対応して設けられており、
    前記第1配向膜及び第2配向膜が、前記色材層の色種に対応して配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液晶装置。
  15. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
    少なくとも一方の前記基板上に第1配向膜を形成する工程と、
    前記第1配向膜上に、感光性の配向膜形成材料を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を露光、現像処理することで前記第1配向膜上に第2配向膜をパターン形成する工程と、
    前記第2配向膜の表面に配向処理を施す工程と、
    を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  16. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
    少なくとも一方の前記基板上に第1配向膜を形成する工程と、
    前記第1配向膜の表面に配向処理を施す工程と、
    前記第1配向膜上に、感光性の配向膜形成材料を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を露光、現像処理することで前記第1配向膜上に第2配向膜をパターン形成する工程と、
    を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  17. 前記第1配向膜と第2配向膜を積層してなる配向膜を形成した後、
    前記配向膜上に液晶性高分子を含む光学異方性層形成材料を塗布し、前記第1配向膜及び第2配向膜で別々の配向規制力により前記液晶性高分子を配向させたことを特徴とする請求項15又は16に記載の液晶装置の製造方法。
  18. 基板上に光学異方性層を形成してなる位相差板であって、
    前記基板上に、第1配向膜と、該第1配向膜上にパターン形成されて前記第1配向膜と異なる方向の配向規制力を有する第2配向膜とを積層してなる配向膜が設けられており、
    前記配向膜上に、当該配向膜により配向状態を規制された分子からなる光学異方性層が形成されていることを特徴とする位相差板。
  19. 前記第2配向膜が平面視ストライプ状を成して前記第1配向膜上に形成されていることを特徴とする請求項18に記載の位相差板。
  20. 請求項1から14のいずれか1項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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