JP2006509704A - 超乾燥炭酸カルシウム - Google Patents
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Abstract
本発明は、超乾燥炭酸カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子の乾燥方法、および前記炭酸カルシウムの使用に関する。本発明によれば、炭酸カルシウム粒子は、マイクロ波によって乾燥される。乾燥工程は、連続的なバンド式装置、箱型装置、または回転管装置中で実施することができる。炭酸カルシウム粒子は、0〜0.1%のH2Oの乾燥度で製造することができる。
Description
本発明は、超乾燥炭酸カルシウムに関する。炭酸カルシウムは、水酸化カルシウム−水性懸濁液とCO2または二酸化炭素含有ガスとの反応によってか、あるいは、天然の炭酸カルシウムの強力な粉砕によって製造される。この生成物は公知方法で脱水され、かつ乾燥される。
炭酸カルシウムは、たとえば紙、繊維、充填材料、接着剤、ポリマー、印刷インキ、ゴム等の製造の際の使用が見出されている。顔料特性を有する機能性充填剤として使用されている。
その良好な適用特性から、常に炭酸カルシウムの多様な使用が拡大している。したがって、炭酸カルシウムを製造するための工程技術は改良され、使用目的に応じて性質の異なる炭酸カルシウムが製造可能になった。これにより、たとえば粒子構造を変更することができる。同様に、湿性残分の乾燥条件を変更することによって、最終生成物に作用するが可能である。
通常は、最初に濾過または遠心分離によって脱水をおこない、その後にたとえばバンド乾燥器、旋回層乾燥器、粉砕乾燥器等を用いて乾燥させる。これら方法の欠点は、炭酸カルシウムを最初に十分に乾燥させるが、しかしながら、冷却の間に周囲空気からさらに湿分を吸収することである。その微細性に応じて、あるいは、より正確にいえば比表面積にしたがって、これらの湿分量は3質量%までであってもよい。
本発明の課題は、通常の方法で製造された炭酸カルシウムを、マイクロ波を用いての後処理により徹底的に乾燥させることにより、使用に適応させることである。
本発明によれば、沈殿され、かつ、たとえばバンド乾燥器によって乾燥された、0.1〜3%の残湿分量を有し、特別な場合には80%までの残湿分量を有する炭酸カルシウムは、マイクロ波を用いて後乾燥させる。
マイクロ波は、種々の周波数を有する電磁波である。通常の周波数は915MHzおよび2.45Ghzである。マイクロ波処理の際には、電磁波エネルギーから分子の動力エネルギーへの直接変換による熱を、たとえば湿性物自体中で生じさせる。
電磁波エネルギーから熱エネルギーへの変換は、加熱されるべき材料の電磁気性に基づいて生じる。マイクロ波で加熱または乾燥させることができるか、ならびに、どの程度までマイクロ波で加熱または乾燥させることができるかについては、その分子構造に依存するものである。極性分子、たとえば種々の電荷を有する分子、たとえば水は、マイクロ波を用いて良好に加熱させることができる。この極性分子は、マイクロ波の高周波数の交番電界によって周期的にシフトされ、その際、電磁波エネルギーは熱に変換される。したがって、それぞれの分子は熱に変換され、かつマイクロ波は、材料に応じて深く浸透することができ、その全体積に亘って加熱する。これは、物体において、熱が材料表面のみに浸透する、通常の加熱または乾燥よりも、本質的に有利である。
完全吸収の際に変換されるマイクロ波エネルギーは、
マイクロ波熱の加熱経過は、通常の加熱と逆である。マイクロ波乾燥の場合には、これらの逆の温度プロフィールは有利であり、それというのも、材料の内部において高い圧力が生じることにより表面における水が押出されるためである。表面においてこれらの水が蒸発するため、内部から水がほぼ完全に除去されるまで、これらは常に湿分を保持している。この後に初めて、表面の乾燥が始まる。
水は、その極性により、大部分ではないにしても、多くの部分のマイクロ波エネルギーを収容することから、すでに乾燥した範囲で少ないエネルギー変換が生じ、その結果、マイクロ波を材料に深く浸透させることができる。したがって、材料中の残湿分量を顕著に減少させ、超乾燥生成物を製造することが可能である。
0.1〜3%のH2Oの残湿分量を示す炭酸カルシウム粒子であっても、マイクロ波を用いてさらに乾燥させることができることが見出された。しかしながら、さらに、80%を上廻るか、あるいは、30%を上廻る残湿分量を有する、沈殿または湿式粉砕により得られた懸濁液またはそれから得られた濾過ケークを乾燥させることができる。この処理は、それぞれの初期湿分で実施することができる。これにより0〜0.1%の乾燥度を達成する。
マイクロ波乾燥装置の種々の構成デザインが知られている。大きくかつ塊状の材料に関しては、バンド式装置であるか、あるいは非連続的に運転される箱型装置を使用する。
粉末または粒子は、好ましくはマイクロ波−回転管装置中で乾燥させる。その際、回転管中の材料は加熱帯域に導かれ、かつそこでマイクロ波によって加熱または乾燥させる。
装置は、減圧下で、保護ガス下または空気雰囲気下で運転することができる。シュート高は装置の構造に依存して20cmまでである。炭酸カルシウムに関しては、シュート高は最大10cmであることが有利である。これらの装置を用いて、残湿分量のみを除去することが可能であることから、あまり高い性能は必要とされない。わずかなkWで十分であるが、しかしながら25kWから100kWを上廻るまでを適用可能である。
本発明によって乾燥された炭酸カルシウムは、レオロジー調整助剤として、たとえば、充填材料または接着剤中で使用される。超乾燥炭酸カルシウムは、たとえば1−成分または2−成分−ポリウレタン充填材料、シリコン充填材料または改質化されたシリコン充填材料、特にMS−ポリマー充填材料中で助剤として使用する。
マイクロ波乾燥の利点は以下のとおりである:
1.バンド乾燥は静置乾燥であることから、生成物は機械的応力の作用を受けることはないこと。
2.表面に対しての均一な温度勾配、すなわち、表面よりも内部で温度が高く、それに伴って高い部分圧を生じることにより、蒸発すべき液体が表面に運搬されること。
3.表面層が乾燥することなく、すなわち透過性が維持されること。
4.内部での蒸発の場合には、液体は孔構造により排出されること。これは、結果として高い乾燥速度を示すこと。
5.マイクロ波によって核に生じた部分圧が、拡散プロセスを早めること。
6.低い熱伝導率を有する湿性生成物の急速乾燥であること。
7.短い乾燥時間であること。
1.バンド乾燥は静置乾燥であることから、生成物は機械的応力の作用を受けることはないこと。
2.表面に対しての均一な温度勾配、すなわち、表面よりも内部で温度が高く、それに伴って高い部分圧を生じることにより、蒸発すべき液体が表面に運搬されること。
3.表面層が乾燥することなく、すなわち透過性が維持されること。
4.内部での蒸発の場合には、液体は孔構造により排出されること。これは、結果として高い乾燥速度を示すこと。
5.マイクロ波によって核に生じた部分圧が、拡散プロセスを早めること。
6.低い熱伝導率を有する湿性生成物の急速乾燥であること。
7.短い乾燥時間であること。
本発明は以下の実施例によりさらに説明されるが、これに制限されることはない。
実施例
例:
予め乾燥させたCaCO3を、バンド式乾燥器上で、活性の長さ2mを有するマイクロ波管中で乾燥させた(最大出力:6kW/2450MHz)。
例1〜10:
バンド位置 15mm高さ
0.37%H2Oの残湿分量を有するCaCO3を使用する。
実施例
例:
予め乾燥させたCaCO3を、バンド式乾燥器上で、活性の長さ2mを有するマイクロ波管中で乾燥させた(最大出力:6kW/2450MHz)。
例1〜10:
バンド位置 15mm高さ
0.37%H2Oの残湿分量を有するCaCO3を使用する。
第1表および第2表は、以下の条件での乾燥結果を示す。
Claims (10)
- 0〜0.1%H2Oの乾燥度を有する超乾燥炭酸カルシウム。
- 炭酸カルシウム粒子を乾燥させるためにマイクロ波を使用する、超乾燥炭酸カルシウム粒子の製造方法。
- 0.1〜3%H2Oの残湿分量を有する炭酸カルシウム粒子を、マイクロ波と接触させる、請求項2に記載の超乾燥炭酸カルシウム粒子の製造方法。
- 沈殿または湿式粉砕によって得られた炭酸カルシウム−懸濁液またはこれにより得られた>80%H2Oまでの残湿分量を有する濾過ケークを、マイクロ波を用いて乾燥させる、請求項2に記載の超乾燥炭酸カルシウム粒子の製造方法。
- バンド式装置、箱型装置または回転管装置によって、マイクロ波−乾燥を実施する、請求項2に記載の超乾燥炭酸カルシウム粒子の製造方法。
- 減圧下または保護ガス下で、マイクロ波−乾燥を実施する、請求項2に記載の超乾燥炭酸カルシウム粒子の製造方法。
- 充填材料および接着剤中でのレオロジー調整助剤としての、請求項2から6までのいずれか1項に記載の方法によって製造された、超乾燥炭酸カルシウムの使用。
- ポリウレタン充填材料、特に1−および2−成分系充填材料中での、請求項7に記載の超乾燥炭酸カルシウムの使用。
- シリコン充填材料中での、請求項7に記載の超乾燥炭酸カルシウムの使用。
- 改質化されたシリコン充填材料、特にMS−ポリマー充填材料中での、請求項7に記載の超乾燥炭酸カルシウムの使用。
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