JP2006251498A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 離型性を向上させるためのワックスを内包するトナーを用いてトナー画像を形成するものとし、画像の光沢むらを低減して高光沢の良好な画像を得る。
【解決手段】 トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものを用いる。このトナーによるトナー像が転写された記録シートは、定着装置15で加熱・加圧して定着するものとなっている。トナー像定着後の記録シートは搬送ロール17によって搬送し、ワックス塗布装置16に送り込む。ワックス塗布装置は、塗布ロールと、対向する圧接ロールと、塗布ロールに溶融したワックスを供給する供給ロールとを有する。記録シート上のトナー像は、搬送ロールとの接触により光沢むらが生じても、塗布ロールと圧接ロールとの間に挟み込まれ、塗布ロールから一様に溶融したワックスが塗布される。その後、このワックスがほぼ均一に冷却されることにより光沢むらが解消される。
【選択図】 図1
【解決手段】 トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものを用いる。このトナーによるトナー像が転写された記録シートは、定着装置15で加熱・加圧して定着するものとなっている。トナー像定着後の記録シートは搬送ロール17によって搬送し、ワックス塗布装置16に送り込む。ワックス塗布装置は、塗布ロールと、対向する圧接ロールと、塗布ロールに溶融したワックスを供給する供給ロールとを有する。記録シート上のトナー像は、搬送ロールとの接触により光沢むらが生じても、塗布ロールと圧接ロールとの間に挟み込まれ、塗布ロールから一様に溶融したワックスが塗布される。その後、このワックスがほぼ均一に冷却されることにより光沢むらが解消される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、静電電位の差による潜像にトナーを選択的に付着させてトナー像を形成し、これを記録シートに転写した後、加熱及び加圧して定着画像とする画像形成装置に関するものである。
粉状のトナーを用いる画像形成装置は、高精細な画像を形成することができるようになり、写真に近い画像を出力することが可能となっている。このように高精細な画像では、光沢(グロス)についても要求が高くなり、高光沢の画像が要求されることが多い。このため、記録シートとして、表面に光沢剤の被覆層が形成されたいわゆるコート紙が使用され、これにトナー像を転写した後、定着装置でトナー像を充分に加熱して光沢の高いトナー像を形成することが行われている。
しかし、このように高光沢の画像を形成すると、光沢が不均等となる部分つまり光沢のむらが生じやすく、画像の品質を劣化させることがある。光沢むらの代表的なものとして、いわゆるロールマークがある。これは、図4に示すように、定着装置101で加熱及び加圧された記録シートP上のトナー像が、充分に冷却されていない状態で記録シートを搬送するためのロール対102に挟み込まれ、ロールの周面がトナー像に接触することによって生じるものである。このようにして生じるロールマーク103は、光沢を低下させるものが多い。
このようなロールマークを低減する技術は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1に記載の装置は、定着装置を通過した記録シートに冷却用エアを吹き付け、記録シートが定着装置の下流側に設けられた搬送ロールに接触するまでにトナー像の温度を低下させようとするものである。
特許文献1に記載の装置は、定着装置を通過した記録シートに冷却用エアを吹き付け、記録シートが定着装置の下流側に設けられた搬送ロールに接触するまでにトナー像の温度を低下させようとするものである。
また、特許文献2に記載の画像形成装置では、定着装置の下流側でトナーが柔らかい状態にある領域に、この定着済みのトナー画像に加圧接触して平滑にする均し手段が設けられている。これにより、記録シートを搬送するためのロールと接触してロールマークが形成されても、その後に均し手段でトナー像の表面を平滑にならし、ロールマークを消去しようとするものである。また、搬送ロールより上流側に均し手段を設け、トナー像の表面を平滑にするとともに、トナーのガラス転移温度以下に冷却された状態で搬送ロールと接触させて、ロールマークの発生を防ぐことも提案されている。
特開2003―21978号公報
特開2003―195663号公報
近年、写真や印刷に近い高光沢のカラー画像を実現するために、ワックスを内包した溶融性の良好なトナーを用いることが提案されている。このワックスは、定着時にトナー像と圧接される加熱部材からの剥離性を良くするために用いられるものである。従来は剥離性を維持するために加熱ロール等の表面にオイルを塗布していたが、高光沢の画像を得るために高い温度まで加熱すると、良好な剥離性を維持するために多量のオイルを必要とする。このため、オイルの塗りむらによる筋が発生したり、オイルがトナー像の表面に残り、定着画像に触れたときに手についてしまう。また、画像の表面に鉛筆等で加筆できないという問題が生じる。ワックスを内包するトナーを用いると、これらの問題点を解消することができ、さらに、このようなトナーを用いた像をコート紙上に転写し、定着速度を遅くして充分に加熱した状態で定着を行うことによって高光沢の画像を得ることができる。そして、トナーが定着装置内で加熱ロール又は加熱ベルトと接触して高温となっている状態でも、ワックスによって加熱ロール等との離型性が確保される。
しかしながら、上記のように離型性を向上させるためにワックスを含むトナーを用いると、従来のトナーを用いた場合では生じない顕著な光沢むらが発生することがある。つまり、図4に示すように、定着装置によって加熱及び加圧されてトナー像が定着された記録シートが、充分に冷却されるまでに記録シートの搬送ロールと接触すると、接触した部分が高光沢となって光沢むらを生じる。この光沢むらは、特許文献1に記載されているような、通常のトナーを用いた画像で光沢が低下するロールマークとは、発生のメカニズムが異なるものであり、光沢が低下するロールマークより目立ち易く、顕著な光沢むらとなる。
この光沢むらも、トナー像及び記録シートが充分に冷却されるまで、搬送ロール等を接触させないようにすると生じないことは分かっているが、高光沢の画像を得るためにコート紙のような厚い記録シートを使用する場合には冷却速度が遅く、搬送ロールに接触するまでに充分に冷却するのが難しい場合が生じる。そして、トナー像及び記録シートをどの程度まで冷却すれば、ロール等と接触した部分が顕著に高光沢となる光沢むらを防止することができるのか明確ではなかった。例えば、特許文献2にはトナーのガラス転移温度にまで冷却した後にロール等と接触させることが記載されているが、ワックスを含むトナーを用いたときには、トナーのガラス転移温度を基準に冷却を行っても、光沢むらの発生との相関性は良好ではない。
さらに、特許文献2に記載されているような均し部材を用いてトナー像の表面を機械的に平滑にしても、ワックスを含むトナーを用いた場合には、安定して光沢むらを解消することができない。特に、ロールとの接触部分が顕著に高光沢となる光沢むらは解消できないことが多い。そして、均し部材がトナー像と繰り返し接触することによって均し部材が加熱され、これによって光沢むらを解消する機能が著しく変動することがある。
また、ワックスを含むトナーを用いたときに、ロールとの接触部分が顕著に高光沢となる光沢むらは、トナー像の表面における凹凸の状態がほとんど変わらなくても生じており、上記均し部材等によって機械的に平滑にすることは根本的な解決にはならない。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、離型性を向上させるためのワックスを内包するトナーを用いたトナー画像の光沢むらを低減し、高光沢の良好な画像を得ることである。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 静電電位の差による潜像に粉状のトナーを選択的に付着させてトナー像を形成する像形成手段と、 前記トナー像を直接に記録シートに、又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、 前記記録シート上に転写された前記トナー像を加圧及び加熱して該記録シート上に定着する定着装置とを有する画像形成装置であって、 前記トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものであり、 前記定着装置を通過した記録シートがシート排出口から送り出される前に、加熱されて溶融したワックスを前記記録シートの画像面に一様に塗布するワックス塗布装置を有する画像形成装置を提供する。
トナーに含まれるワックスは、溶融した状態から急冷されて融点以下にまで温度が下降するとワックスが結晶化して高光沢になることが、本願発明を完成する過程において明らかとなった。本発明は、この事実に基づいてなされたものであり、溶融したワックスを定着されたトナー像の上に塗布し、トナー像を被覆するように新たなワックス層を形成する。このワックス層に搬送ロール等の他の部材が接触しない状態で冷却されると、表面には光沢が均一なワックス層が形成される。したがって、定着後に搬送ロール等と接触して光沢むらが生じても、新たに形成されたワックス層によって被覆され、上記ワックスの急冷に起因する光沢むらは解消される。また、ワックスはトナーのバインダ樹脂に比べて溶融し易く、簡単な装置で表面を被覆するように塗布することが可能であり、装置を大型化することなく有効に光沢むらを解消することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、 前記ワックス塗布装置は、 前記記録シートの幅方向に一様な断面を有し、回転しながら前記記録シートの全幅と接触して溶融したワックスを画像面に塗布する塗布ロールと、 この塗布ロールに圧接され、前記記録シートを前記塗布ロールとの間に挟み込む圧接ロールとを有するものとする。
この画像形成装置では、表面に溶融したワックスを担持した塗布ロールが、定着されたトナー像を担持する記録シートの全面に押し付けられる。したがって、記録シート上には、溶融したワックスの薄い層が均一に形成される。そして、このような薄いワックス層は、定着後の温度が低下しているトナー像と接触して均一に冷却され、ワックスの塗布後に光沢むらを生じることもない。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、 前記塗布ロールに当接され、溶融したワックスを該塗布ロールの周面上に連続して供給する供給装置を有するものとする。
塗布ロールの周面上に連続して溶融したワックスが供給されることにより、塗布ロールは、その周長より長い記録シート上に均一な薄いワックス層を塗布することができる。また、次々に搬送されて来る記録シートのそれぞれに、均一なワックス層を安定して形成することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、 前記供給装置は、溶融したワックスが含浸されるワックス含浸層を周面付近に備えた供給ロールと、含浸されているワックスを溶融した状態に維持する加熱手段とを有し、前記供給ロールが前記塗布ロールと平行に配置され、該塗布ロールの周面に当接されているものとする。
この画像形成装置では、供給ロールのワックス含浸層には、溶融した状態のワックスが含浸されており、塗布ロールの回転にともない、その周面には供給ロールから溶融したワックスが安定して供給される。したがって、塗布ロールが当接される記録シートには、薄いワックス層が均一に形成される。
また、供給ロールが加熱手段を有するので、ワックス含浸層に含まれるワックスは溶融した状態が維持され、塗布ロールの周面に薄く供給することができ、記録シート上に薄いワックス層を安定して形成することができる。
また、供給ロールが加熱手段を有するので、ワックス含浸層に含まれるワックスは溶融した状態が維持され、塗布ロールの周面に薄く供給することができ、記録シート上に薄いワックス層を安定して形成することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、 前記ワックス含浸層は、溶解度パラメータ(SP値)が、ワックスの溶解度パラメータとほぼ同じ値となる材料で形成されているものとする。
上記ワックス含浸層を形成する材料のSP値が、ワックスのSP値とほぼ同じ値とすることによって、ワックス含浸層はワックスが含浸されて膨潤した状態となる。したがって、ワックス含浸層が多量のワックスを溶融した状態で保持することになり、接触する塗布ロールの表面に溶融したワックスを安定して供給することが可能となる。
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、 前記塗布ロールは、少なくとも表面付近に柔軟に変形する弾性層を有するものとする。
塗布ロールが弾性層を有することにより、記録シートに圧接された時に、塗布ロールがその軸線方向に記録シートと均等に密接し、ワックスの塗布むらをなくして均一なワックスの層を形成することができる。
以上説明したように、本願発明に係る画像形成装置では、トナー像は定着装置によって加熱・加圧された後、搬送ロール等と接触してロールマーク等の光沢むらを生じても、溶融したワックスがトナー像の上に均一に塗布される。このワックス層は、均一に冷却されて表面を均一な光沢にする。したがって、トナー像が定着された記録シートの表面の光沢むらが解消され、高光沢で光沢むらのない良好な画像を形成することが可能となる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dを備えており、これらの画像形成ユニット10と対向するように無端ベルト状の中間転写体11が支持され、周面が周回駆動されるものとなっている。画像形成ユニット10が中間転写体11と対向する位置の下流側には、転写ロール12が中間転写体11と対向するように配置されており、この2次転写部にはシートトレイ13から搬送路14を経て記録シートが送り込まれる。記録シートの搬送経路における2次転写部の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録シート上にトナー像を圧着する定着装置15が設けられている。そして、記録シートをシート排出口19から装置外に設けられた排紙トレイ18に送り出す直前には、図2に示すように、記録シートの表面に溶融したワックスを塗布するワックス塗布装置16が設けられており、定着装置15から送り出された記録シートは搬送ロール17によって、上記ワックス塗布装置16に送り込まれるようになっている。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dを備えており、これらの画像形成ユニット10と対向するように無端ベルト状の中間転写体11が支持され、周面が周回駆動されるものとなっている。画像形成ユニット10が中間転写体11と対向する位置の下流側には、転写ロール12が中間転写体11と対向するように配置されており、この2次転写部にはシートトレイ13から搬送路14を経て記録シートが送り込まれる。記録シートの搬送経路における2次転写部の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録シート上にトナー像を圧着する定着装置15が設けられている。そして、記録シートをシート排出口19から装置外に設けられた排紙トレイ18に送り出す直前には、図2に示すように、記録シートの表面に溶融したワックスを塗布するワックス塗布装置16が設けられており、定着装置15から送り出された記録シートは搬送ロール17によって、上記ワックス塗布装置16に送り込まれるようになっている。
上記画像形成ユニット10a、10b、10c、10dのそれぞれは、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム1(像担持体)を有しており、各感光体ドラム1の周囲に、該感光体ドラムの表面をほぼ一様に帯電する帯電装置2と、感光体ドラム上に形成された潜像にトナーを転移させてトナー像を形成する現像装置3と、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写体11上に一次転写する転写装置4と、転写後の感光体ドラム1に残留したトナーを回収するクリーニング装置5とを備えている。そして、一様に帯電された感光体ドラム1のそれぞれに、画像信号に基づく像光を照射して静電潜像を書き込む露光装置6が設けられている。
感光体ドラム1は、金属からなる円筒状部材の周面に有機感光体層を形成したものであり、金属部分は電気的に接地されている。
上記帯電装置2は、ステンレス製の円筒状芯金に中抵抗のゴムを被覆したロール状の部材を備えており、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して感光体ドラム1の表面を所望の電圧に帯電するものである。この帯電装置2に印加される電圧の直流成分Vhは−600[V]とし、重畳する交流のピークツーピーク値Vbppは1400[V]となっている。
上記露光装置6は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによってそれぞれの感光体ドラム1の主走査方向(軸線方向)にスキャンするものである。これによりそれぞれの感光体ドラム1の表面に各色の画像に相当する静電潜像が形成される。
現像装置3には現像剤としてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が使用されており、現像ロール3aに磁気的に吸着されて搬送される。そして、現像ロール3a上で規制ブレードにより適切な厚さの層とされ、感光体ドラム1との対向位置へと供給される。現像ロール3aにはトナーを感光体ドラム1上の静電潜像に転移させるために現像用バイアス電圧Vd=−500[V]が印加されている。
トナーは主に磁性キャリアとの摩擦により負極性に帯電されるものであり、色材とバインダ樹脂とパラフィンワックスとを含むものである。バインダ樹脂の融点は約250℃、ガラス転移温度は約100℃となっており、パラフィンワックスの融点は約90℃となっている。
トナーは主に磁性キャリアとの摩擦により負極性に帯電されるものであり、色材とバインダ樹脂とパラフィンワックスとを含むものである。バインダ樹脂の融点は約250℃、ガラス転移温度は約100℃となっており、パラフィンワックスの融点は約90℃となっている。
上記画像形成ユニット10a、10b、10c、10dと対向するように配置される中間転写体11は、厚さが10〜300μm程度の樹脂フイルムからなるものであり、ポリイミドフィルム等が用いられる。また、トナー像を感光体ドラム1から中間転写体11へ静電的に転写するときに、画像の乱れが生じないように上記樹脂フィルムにはカーボンブラック等の導電性材料の粉体を混入し、体積抵抗率を1010Ωcm程度に調整している。
上記中間転写体11の内側には、駆動ロール21と、対向ロール22とが配置され、中間転写体11はこれらに張架されて図中に示す矢印Aの方向に周回移動するものとなっている。
上記転写ロール12は、上記対向ロール22と対向する位置に設けられ、中間転写体11を介して対向ロール22に押圧されている。この転写ロール12は、金属の芯材に導電性のゴム材で外周部を形成してロール状としたものであり、対向ロール22との間に転写用のバイアス電圧が印加されるものである。
上記定着装置15は、加熱源を内蔵した加熱ロール15aと、この加熱ロール15aに圧接される加圧ロール15bとを備えており、これらが平行に配置されて互いに圧接されるニップ部を形成している。トナー像が転写された記録シートは、上記ニップ部に送り込まれ、回転駆動される加熱ロール15aと加圧ロール15bとの間で加熱されるとともに加圧され、軟化したトナーが記録シート上に圧着されるものとなっている。
上記加熱ロール15aは、金属製の芯金の周面上に耐熱性ゴム等の弾性体層が形成され、その表面に離型層が形成されたものであり、加熱源としてハロゲンヒーターを内蔵している。加圧ロール15bは、金属製の芯金に表面離型層を被覆したものである。
上記定着装置15とワックス塗布装置16との間に設けられた搬送ロール17は、記録シートの搬送路の両側に対向するように設けられた一対のロール部材からなるものである。これらのロール部材が平行に配置されて互いに周面が圧接されており、一方が回転駆動されることによって記録シートを挟み込み、搬送するものとなっている。上記ロール部材は、図2に示すように、幅の小さいロールが軸線方向に複数配置されており、記録シートにはロールと接触する部分と接触しない部分とが生じる。
上記ワックス塗布装置16は、図3に示すように、トナー像が定着された記録シートの表面に当接される塗布ロール31と、この塗布ロール31と平行に配置された圧接ロール32と、上記塗布ロール31に接触して溶融したワックスを供給する供給ロール33と、ワックスを溶融した状態で収容する貯留槽34と、上記貯留槽から供給ロールに溶融したワックスを補給する浸潤部材35とを有している。
上記塗布ロール31は、金属の芯金31aの表面に、弾性層31b及び表面層31cを積層したものであり、記録シートと当接する範囲が均等な断面を有するものである。そして、弾性層31bの硬度(JIS A6301)は、約50度以下に調整されている。この弾性層により、塗布ロールの表面が記録シート上のトナー像と密着し、溶融したワックスを均一に塗布できるものとなっている。
上記圧接ロール32は、金属製のロール32aに表面層32bを形成したものであり、塗布ロール31の周面に圧接されており、塗布ロール31と同様に記録シートPの全幅にわたって均等な断面を有するものとなっている。この圧接ロール32が回転駆動されることにより、塗布ロール31との間に記録シートPを挟み込んだ状態で搬送する。また、これにともない塗布ロール31が従動回転し、この塗布ロール31の表面から記録シートPに溶融したワックスが塗布されるものとなっている。
上記圧接ロール32は塗布ロール31と圧接される位置から後退可能に支持されており、操作者の選択により、又は選択された記録シートの種類と連動して、塗布ロール31から後退して離隔されるように設定されている。圧接ロール32が塗布ロール31と圧接される位置から後退したときには、搬送されて来る記録シートは、塗布ロール31に接触することなく搬送され、排紙トレイ18に送り出されるものとなっている。
上記供給ロール33は、金属製の芯金33aと、これを被覆するように形成されたワックス含浸層33bと、芯金に内蔵されたヒータ33cとを有するものである。上記ヒータ33cは、ワックス含浸層33bに含まれるワックスを加熱し、溶融温度以上に維持するものである。ワックス含浸層33bは、EPDMの発泡材からなるものであり、溶融したワックスが含浸し易くなるように、気泡は独立したものではなく、互いに連続しているものである。このEPDMの溶解度パラメータ(SP値)は約8.0となっており、ワックスの溶解度パラメータの値とほぼ同じとなっている。したがって、溶融したワックスが浸透し、膨潤した状態となるものである。
なお、このワックス含浸層33bは、EPDM以外の材料を用いても良いが、ワックスと溶解度パラメータの値の差が約2.0以内となる材料を選択するのが望ましい。
なお、このワックス含浸層33bは、EPDM以外の材料を用いても良いが、ワックスと溶解度パラメータの値の差が約2.0以内となる材料を選択するのが望ましい。
上記貯留槽34は、溶融して液状となったワックスを収容する容器であり、底部には、ワックスをこの貯留槽34内で溶融した状態に維持するヒータ34aが設けられている。
上記浸潤部材35は、フェルト又は不織布等の繊維質からなるものであり、一方の端部は貯留槽内の溶融したワックス内に漬け込まれており、他端は供給ロール33に当接されている。この浸潤部材35には毛細管現象によって貯留槽34から溶融したワックスが浸透し、供給ロール33との接触部分から、この供給ロール33にワックスを補充するものとなっている。
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
中間転写体11に対向して設けられた4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dで、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が形成される。トナー像の形成は次のような工程により行われる。
感光体ドラム1の表面がそれぞれ帯電装置2によりほぼ一様に帯電され、露光装置6から画像信号に応じてオンオフされるレーザー光が照射される。これにより光照射された位置の電荷が減衰し、感光体ドラム1上に静電電位の差による潜像が形成される。各感光体ドラム1上の静電潜像は、現像装置3との対向位置においてトナーの転移によって現像され、トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
中間転写体11に対向して設けられた4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dで、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が形成される。トナー像の形成は次のような工程により行われる。
感光体ドラム1の表面がそれぞれ帯電装置2によりほぼ一様に帯電され、露光装置6から画像信号に応じてオンオフされるレーザー光が照射される。これにより光照射された位置の電荷が減衰し、感光体ドラム1上に静電電位の差による潜像が形成される。各感光体ドラム1上の静電潜像は、現像装置3との対向位置においてトナーの転移によって現像され、トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
形成された各色トナー像は、転写装置4により中間転写体11上へ重ね合わせて転写される。これにより、中間転写体11上に複数色のトナー像が重ね合わされたカラー画像が形成される。中間転写体11上に形成された複数色のトナー像は、中間転写体11が転写ロール12と対向する位置で、シートトレイ13から搬送された記録シート上に転写され、定着装置15へ送られる。定着装置の加熱ロール15aは、トナーを軟化するのに充分な温度に加熱されており、この加熱ロール15aと加圧ロール15bとの間に記録シートが挟み込まれ、トナー像は軟化されて記録シート上に圧着される。
定着装置15を通過した記録シートPは、下流側に設けられた搬送ロール17に挟み込まれて搬送される。このとき、トナー像は搬送ロール17との接触によってトナーに含まれているワックスが急冷され、図2に示すようにロールとの接触部分が顕著に高光沢となって光沢むらが発生している。
その後、記録シートは搬送ロール17によってワックス塗布装置16に送り込まれる。ワックス塗布装置16では、トナー像を担持する記録シートが、互いに圧接される塗布ロール31と圧接ロール32との間に送り込まれ、これらの回転によって搬送される。そして、塗布ロール31には、接触する供給ロール33から表面にほぼ一様に溶融したワックスが供給されており、このワックスはトナー像が形成された記録シートの表面にほぼ一様に薄く塗布される。この塗布ロール31に供給されるワックスは、貯留槽34で加熱されて溶融したワックスが浸潤部材35を介して供給ロール33に補給されたものであり、供給ロール33は溶融したワックスが含浸されて表面が膨潤した状態となっている。したがって、この供給ロール33が塗布ロール31の周面と接触して双方が回転することにより、塗布ロー31ルの周面には供給ロール33からほぼ一様にワックスが供給される。
このようにして、塗布ロール31上の溶融したワックスが記録シート上に押し付けられてトナー像が形成された表面には一様な薄いワックス層が形成される。そして、記録シートPはシート排出口19から装置のハウジング20の外部に設けられた排紙トレイ18へ排出される。これにより、光沢むらが生じているトナー像の表面はさらにワックス層で被覆され、このワックス層が均一に冷却されて一様な光沢となる。したがって、トナー像が形成された記録シートPの表面は光沢むらが解消され、一様に高光沢の良好な画像となる。
なお、上記画像形成装置で、コート紙を用いない場合等、高光沢の画像が要求されない場合、又は光沢むらの発生が問題とならない画像を形成する場合等には、上記ワックス塗布装置16の圧接ロール32が塗布ロール31から後退し、離隔した状態となるように制御することができる。このように圧接ロール32が後退したときには、トナー像を担持した記録シートは塗布ロール31に接触することなく、ワックスは塗布されない。したがって、定着された状態のまま排紙トレイ18に送り出される。このように制御することにより、画像形成の効率向上及び電力使用の効率化を図ることができる。
また、圧接ロール32を塗布ロール31に接触させて、記録シート上に溶融したワックスを塗布するときには、画像が転写される記録シートを一枚搬送する毎に、その後に画像が転写されないシートをシートトレイから搬送し、排紙トレイ18に重ねて排出してもよい。このように制御するときには、装置にシートトレイが複数設けられるものとし、画像が転写されないシートは、加熱されたワックスと接触しても光沢に影響しないシートを選択し、画像が転写されるシートとは別のシートトレイから引き出して使用するのがよい。このように制御することにより、ワックスが塗布された記録シート間に、画像が形成されていないシートを挟み込み、画像面を保護することができる。
1:感光体ドラム、 2:帯電装置、 3:現像装置、 4:転写装置、 5:クリーニング装置、 6:露光装置、 10:画像形成ユニット、 11:中間転写体、 12:転写ロール、 13:シートトレイ、 14:記録シートの搬送路、 15:定着装置、 15a:加熱ロール、 15b:加圧ロール、 16:ワックス塗布装置、 17:搬送ロール、 18:排紙トレイ、 19:シート排出口、 20:画像形成装置のハウジング、
21:駆動ロール、 22:対向ロール、
31:塗布ロール、 31a:芯金、 31b:弾性層、 31c:表面層、 32:圧接ロール、 32a:ロール、 32b:表面層、 33:供給ロール、 33a:芯金、 33b:ワックス含浸層、 33c:ヒータ、 34:貯留槽、 34a:ヒータ、 35:浸潤部材、
21:駆動ロール、 22:対向ロール、
31:塗布ロール、 31a:芯金、 31b:弾性層、 31c:表面層、 32:圧接ロール、 32a:ロール、 32b:表面層、 33:供給ロール、 33a:芯金、 33b:ワックス含浸層、 33c:ヒータ、 34:貯留槽、 34a:ヒータ、 35:浸潤部材、
Claims (6)
- 静電電位の差による潜像に粉状のトナーを選択的に付着させてトナー像を形成する像形成手段と、
前記トナー像を直接に記録シートに、又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、
前記記録シート上に転写された前記トナー像を加圧及び加熱して該記録シート上に定着する定着装置とを有する画像形成装置であって、
前記トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものであり、
前記定着装置を通過した記録シートがシート排出口から送り出される前に、加熱されて溶融したワックスを前記記録シートの画像面に一様に塗布するワックス塗布装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ワックス塗布装置は、
前記記録シートの幅方向に一様な断面を有し、回転しながら前記記録シートの全幅と接触して溶融したワックスを画像面に塗布する塗布ロールと、
この塗布ロールに圧接され、前記記録シートを前記塗布ロールとの間に挟み込む圧接ロールとを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記塗布ロールに当接され、溶融したワックスを該塗布ロールの周面上に連続して供給する供給装置を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記供給装置は、溶融したワックスが含浸されるワックス含浸層を周面付近に備えた供給ロールと、含浸されているワックスを溶融した状態に維持する加熱手段とを有し、前記供給ロールが前記塗布ロールと平行に配置され、該塗布ロールの周面に当接されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記ワックス含浸層は、溶解度パラメータ(SP値)が、ワックスの溶解度パラメータとほぼ同じ値となる材料で形成されていること特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記塗布ロールは、少なくとも表面付近に柔軟に変形する弾性層を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005069305A JP2006251498A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 画像形成装置 |
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JP2005069305A Withdrawn JP2006251498A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009204651A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成方法及び光沢度合い対応の静電荷像現像用トナー |
-
2005
- 2005-03-11 JP JP2005069305A patent/JP2006251498A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009204651A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成方法及び光沢度合い対応の静電荷像現像用トナー |
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