JP2006267910A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高光沢のトナー画像の光沢ムラを低減し、良好な画像を得る。
【解決手段】 記録シート上に転写されたトナー像を定着装置15で加熱・加圧して定着する。トナー像が定着された記録シートはシート搬送装置19によって再加熱装置18に送り込み、少なくともトナー像の表面付近を加熱する。トナーが離型性を向上させるワックスを含む場合には、トナー像の表面がワックスの融点以上となるように加熱する。また、トナーのバインダ樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、トナーを十分に軟化させるのが望ましい。上記のように再加熱装置18で溶融したワックスは排紙トレイ36に排出され、ゆっくりと一様に冷却される。これにより、定着後に搬送ロール16と接触することによって生じたロールマークが解消される。また、バインダ樹脂も軟化した状態でロールに圧接され、表面が滑らかに均されて光沢むらが解消される。
【選択図】 図1
【解決手段】 記録シート上に転写されたトナー像を定着装置15で加熱・加圧して定着する。トナー像が定着された記録シートはシート搬送装置19によって再加熱装置18に送り込み、少なくともトナー像の表面付近を加熱する。トナーが離型性を向上させるワックスを含む場合には、トナー像の表面がワックスの融点以上となるように加熱する。また、トナーのバインダ樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、トナーを十分に軟化させるのが望ましい。上記のように再加熱装置18で溶融したワックスは排紙トレイ36に排出され、ゆっくりと一様に冷却される。これにより、定着後に搬送ロール16と接触することによって生じたロールマークが解消される。また、バインダ樹脂も軟化した状態でロールに圧接され、表面が滑らかに均されて光沢むらが解消される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、静電電位の差による潜像にトナーを選択的に付着させてトナー像を形成し、これを記録シートに転写した後、加熱及び加圧して定着画像とする画像形成装置に関するものである。
粉状のトナーを用いる画像形成装置は、高精細な画像を形成することができるようになり、写真に近い画像を出力することが可能となっている。このように高精細な画像では、光沢(グロス)についても要求が高くなり、高光沢の画像が要求されることが多い。このため、記録シートとして、表面に光沢剤の被覆層が形成されたいわゆるコート紙が使用され、これにトナー像を転写した後、定着装置でトナー像を充分に加熱して光沢の高いトナー像を形成することが行われている。
しかし、このように高光沢の画像を形成すると、光沢が不均等となる部分つまり光沢のむらが生じやすく、画像の品質を劣化させることがある。光沢むらの代表的なものとして、いわゆるロールマークがある。これは、図3に示すように、定着装置101で加熱及び加圧された記録シートP上のトナー像が、充分に冷却されていない状態で記録シートを搬送するためのロール対102に挟み込まれ、ロールの周面がトナー像に接触することによって生じるものである。このようにして生じるロールマーク103は、光沢を低下させるものが多い。つまり、ロールの接触により、トナー層の表面がロールの表面粗さに倣って粗面となり、光沢が低下するものと考えられる。
このようなロールマークを低減する技術は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1に記載の装置は、定着装置を通過した記録シートに冷却用エアを吹き付け、記録シートが定着装置の下流側に設けられた搬送ロールに接触するまでにトナー像の温度を低下させようとするものである。
特許文献1に記載の装置は、定着装置を通過した記録シートに冷却用エアを吹き付け、記録シートが定着装置の下流側に設けられた搬送ロールに接触するまでにトナー像の温度を低下させようとするものである。
また、特許文献2に記載の画像形成装置では、定着装置の下流側でトナーが柔らかい状態にある領域に、この定着済みのトナー画像に加圧接触して平滑にする均し手段が設けられている。これにより、排紙ロールと接触してロールマークが形成されても、その後に均し手段でトナー像の表面を平滑にならし、ロールマークを消去しようとするものである。また、排紙ロールより上流側に均し手段を設け、トナー像の表面を平滑にするとともに、トナーのガラス転移温度以下に冷却した状態で排紙ロールと接触させ、ロールマークの発生を防ぐことも提案されている。
特開2003―21978号公報
特開2003―195663号公報
近年、写真や印刷に近い高光沢のカラー画像を実現するために、ワックスを内包した溶融性の良好なトナーを用いることが提案されている。例えば、このようなトナーをコート紙上に転写し、定着速度を遅くして充分に加熱した状態で定着を行うことによって高光沢の画像を得ることができる。そして、トナーが定着装置内で加熱ロール又は加熱ベルトと接触して高温となっている状態でも、ワックスによって加熱ロール等との離型性が確保される。
しかしながら、上記のように離型性を向上させるためにワックスを含むトナーを用いると、従来のトナーを用いた場合では生じない顕著な光沢むらが発生することがある。つまり、定着装置によって加熱及び加圧されてトナー像が定着された記録シートが、充分に冷却されるまでに記録シートの搬送ロールと接触すると、接触した部分が高光沢となって光沢むらを生じる。この光沢むらは、特許文献1に記載されているような、通常のトナーを用いた画像で光沢が低下するロールマークとは、発生のメカニズムが異なるものであり、光沢が低下するロールマークより目立ち易く、顕著な光沢むらとなる。
一方、上記のような、ロールとの接触部分が顕著に高光沢となるロールマークが温度条件等によって生じない場合には、ロールとの接触部分が低下するロールマークが目立つことになる。このように高光沢の画像を形成する場合には、発生のメカニズムが異なる複数のロールマークが内在していることが多く、これらのいずれに対しても有効な対策が求められる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、高光沢のトナー画像の光沢むらを有効に低減し、良好な画像を得ることを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 静電電位の差による潜像に粉状のトナーを選択的に付着させてトナー像を形成する像形成手段と、 前記トナー像を直接に記録シートに、又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、 前記記録シート上に転写された前記トナー像を加熱及び加圧して該記録シート上に定着する定着装置と、 前記トナー像が定着された記録シートを排紙トレイへ搬送するシート搬送装置とを有する画像形成装置であって、 前記シート搬送装置から排紙トレイへ記録シートを送り出す直前に、トナー像が定着された記録シートに無端状の周面を備える加熱部材を圧接し、少なくともトナー層の表面付近を加熱する再加熱装置を有する画像形成装置を提供する。
ワックスを含むトナーを用いた場合、ワックスは溶融した状態から急冷されて融点以下にまで温度が下降するとワックスが結晶化して高光沢になることが、本発明を完成する過程において明らかとなった。つまり、搬送ロール等と接触するとその部分はロール等に熱が奪われ、急冷されることによって顕著に高光沢となる。本発明の画像形成装置では、搬送ロール等と接触してロールマークが生じてしまったトナー像を再加熱装置に送り込み、少なくともトナー像の表面付近のワックスを再度溶融する。そして、上記再加熱装置はトナー搬送装置が記録シートを排紙トレイへ送り出す直前に設けられているので、他の部材に接触することなく排出することができ、ゆっくりと一様に冷却される。したがって、ロールマークが解消され、光沢むらのない良好な画像とすることができる。
また、ワックスを含まないトナーを用いた場合、ワックスを含むトナーを用いても高光沢となるロールマークが目立たないときには、ロールとの接触部分の光沢が低下するロールマークが、目立つことになる。このようなトナー像は、再加熱装置によって表面に加熱された部材を圧接し、トナーのバインダ樹脂の温度が上昇することによって、粗くなった表面が滑らかにすることができる。そして、他の部材に接触させることなく、排紙トレイに排出する。
このように上記再加熱装置でトナー像の表面を再加熱し、その後は他の部材等と接触させることなく排出することにより、いずれの原因による光沢むらも解消することができ、光沢むらのない良好な画像を得ることができる。
このように上記再加熱装置でトナー像の表面を再加熱し、その後は他の部材等と接触させることなく排出することにより、いずれの原因による光沢むらも解消することができ、光沢むらのない良好な画像を得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、 前記トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものであり、 前記再加熱装置は、トナー層の表面付近を、前記ワックスの融点以上の温度まで加熱するものとする。
この画像形成装置では、定着されたトナー像の表面付近にワックスの層が形成されており、再加熱装置で加熱部材を押し付けることにより、上記ワックスが容易に溶融する。そして、他の部材に接触することなく排出することができ、ゆっくりと一様に冷却されて、一部が顕著に高光沢となる光沢むらが解消される。
なお、溶融させるワックスは表面付近のみでよい。また、ワックスは一般にトナーのバインダ樹脂等より融点が低く、容易に溶融させることができる。したがって、加熱は表面付近のワックスを溶融させるのに十分なものでよく、加熱部材の温度はワックスの融点より高い温度で、せいぜい融点より20℃程度高い温度までの範囲に設定すればよい。また、表面付近にあるワックスが溶融すればよいので、記録シートの搬送を高速で行うこともできる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、 前記再加熱装置は、トナー層の表面付近を、前記トナーに含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度以上の温度まで加熱するものとする。
この画像形成装置では、一旦定着されてロールマークが生じたトナー像に加熱部材が圧接され、少なくともトナー層の表面付近のバインダ樹脂がガラス転移温度以上に加熱される。これによりバインダ樹脂は、柔軟に変形可能な状態となり、加熱部材の圧接によってトナー像の表面が滑らかにならされて、ロールマークが解消される。そして、記録シートは他の部材に接触することなく排紙トレイに排出されることとにより、新たに光沢むらを生じることなく、良好な画像が得られる。
なお、画像形成装置における再加熱装置は、トナー層の表面付近をガラス転移温度以上に加熱することができればよく、加熱部材はガラス転移温度より10℃から20℃程度高い温度に設定すればよい。また、トナー層全体を加熱する必要はなく、高速で搬送しながら加熱することもできる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、 前記シート搬送装置は、記録シートを前記再加熱装置を経ずに排出する一次排出経路と、記録シートを前記再加熱装置を通過させて排出する二次排出経路と、前記一次排出経路と前記二次排出経路とのいずれかを選択して記録シートを送り込む搬送切り換え装置とを有するものとする。
この画像形成装置では、光沢むらが問題とならない画像、つまり普通紙にトナー像を形成した場合等、高光沢でない画像を形成した記録シートは、再加熱装置を経ることなく排紙トレイ等に排出することができる。そして、光沢むらの発生を防止する必要がある高光沢の画像は、再加熱装置を通過させることにより、光沢むらのない画像とすることができる。したがって、高光沢の画像では光沢むらのない高画質が得られるとともに、通常の画像は効率よく形成することが可能となる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、 前記シート搬送装置の一部と前記再加熱装置とが、前記像形成手段、転写手段及び定着装置を収容した装置本体部に対して着脱が可能となった追加ユニット内に収容されているものとする。
この画像形成装置では、再加熱装置が追加ユニットに収容され、この追加ユニットが画像形成装置の本体部と着脱が可能となっているので、画像形成装置の使用状態に応じて再加熱装置の装着又は不使用を選択することができる。したがって、光沢むらが問題とならない画像のみの形成に使用する場合には、追加ユニットを装着せず、装置のコストを低減することができる。
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置では、トナー像を加熱及び加圧して定着画像とした後、搬送ロール等が接触することによってロールマーク等の光沢むらが生じても、再加熱装置によってトナー像の表面を再加熱し、その後は他の部材に接触すことなく排出することができる。したがって、光沢むらが有効に解消される。また、光沢むらが問題とならない画像を形成するときには、再加熱装置を経ることなく記録シートを排出することによって画像形成の効率を向上させることができる。さらに、再加熱装置を着脱が可能な追加ユニットに収容することにより、光沢むらの解消が必要な装置を選択して装備することができ、装置の有効な活用が可能となる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dを備えており、これらの画像形成ユニット10のそれぞれと対向するように無端ベルト状の中間転写体11が支持され、周面が周回駆動されるものとなっている。画像形成ユニットが中間転写体11と対向する位置の下流側には、転写ロール12が中間転写体11と対向するように配置されており、この2次転写部にはシートトレイ13から搬送路14を経て記録シートが送り込まれる。記録シートの搬送経路における2次転写部の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録シート上にトナー像を圧着する定着装置15が設けられ、さらに下流側には、トナー像が定着された記録シートを搬送する搬送ロール16が設けられている。そして、この画像形成装置本体の外部に、トナー像が定着された記録シートを再加熱する再加熱装置18と、この再加熱装置18にトナー像が定着された記録シートを搬送するシート搬送装置19とを収容する追加ユニット20が装着されている。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dを備えており、これらの画像形成ユニット10のそれぞれと対向するように無端ベルト状の中間転写体11が支持され、周面が周回駆動されるものとなっている。画像形成ユニットが中間転写体11と対向する位置の下流側には、転写ロール12が中間転写体11と対向するように配置されており、この2次転写部にはシートトレイ13から搬送路14を経て記録シートが送り込まれる。記録シートの搬送経路における2次転写部の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録シート上にトナー像を圧着する定着装置15が設けられ、さらに下流側には、トナー像が定着された記録シートを搬送する搬送ロール16が設けられている。そして、この画像形成装置本体の外部に、トナー像が定着された記録シートを再加熱する再加熱装置18と、この再加熱装置18にトナー像が定着された記録シートを搬送するシート搬送装置19とを収容する追加ユニット20が装着されている。
上記画像形成ユニット10a、10b、10c、10dのそれぞれは、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム1(像担持体)を有しており、各感光体ドラム1の周囲に、該感光体ドラムの表面をほぼ一様に帯電する帯電装置2と、感光体ドラム上に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置3と、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写体11上に一次転写する転写装置4と、転写後の感光体ドラム1に残留したトナーを回収するクリーニング装置5とを備えている。そして、一様に帯電された感光体ドラム1のそれぞれに、画像信号に基づく像光を照射して静電潜像を書き込む露光装置6が設けられている。
感光体ドラム1は、金属からなる円筒状部材の周面に有機感光体層を形成したものであり、金属部分は電気的に設置されている。
上記帯電装置2は、ステンレス製の円筒状芯金に中抵抗のゴムを被覆したロール状の部材を備えており、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して感光体ドラム1の表面を所望の電圧に帯電するものである。この帯電装置2に印加される電圧の直流成分Vhは、例えば−600[V]とし、重畳する交流のピークツーピーク値Vbppは1400[V]とすることができる。
上記露光装置6は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによってそれぞれの感光体ドラム1の主走査方向(軸線方向)にスキャンするものである。これによりそれぞれの感光体ドラム1の表面に各色の画像に相当する静電潜像が形成される。
現像装置4には現像剤としてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が使用されており、現像ロール4aに磁気的に吸着されて搬送される。そして、現像ロール上で規制ブレードにより適切な厚さの層とされ、感光体ドラム1との対向位置へと供給される。現像ロールにはトナーを感光体ドラム1上の静電潜像に転移させるために現像バイアス電圧Vdが印加されており、この現像バイアス電圧Vdは、例えば−500[V]とすることができる。
トナーは主に磁性キャリアとの摩擦により負極性に帯電されるものであり、色材とバインダ樹脂とパラフィンワックスとを含むものである。バインダ樹脂の融点は約250℃、ガラス転移温度は約100℃となっており、パラフィンワックスの融点は約90℃となっている。
上記画像形成ユニット10a、10b、10c、10dと対向するように配置される中間転写体11は、厚さが10〜300μm程度の樹脂フイルムからなるものであり、ポリイミドフィルム等が用いられる。また、トナー像を感光体ドラム1から中間転写体11へ静電的に転写するときに、画像の乱れが生じないように上記樹脂フィルムにはカーボンブラック等の導電性材料の粉体を混入し、体積抵抗率を1010Ωcm程度に調整している。
上記中間転写体11の内側には、駆動ロール22と、対向ロール23と、支持ロール24が配置され、中間転写体11はこれらに張架されて図中に示す矢印Aの方向に周回移動するものとなっている。
上記転写ロール12は、上記対向ロール22と対向する位置に設けられ、中間転写体11を介して対向ロール22に押圧されている。この転写ロール12は、金属の芯材に導電性のゴム材で外周部を形成してロール状としたものであり、対向ロール23との間に転写用のバイアス電圧が印加されるものである。
上記定着装置15は、加熱源を内蔵した加熱ロール15aと、この加熱ロール15aに圧接される加圧ロール15bとを備えており、これらが平行に配置されて互いに圧接されるニップ部を形成している。トナー像が転写された記録シートは、上記ニップ部に送り込まれ、回転駆動される加熱ロール15aと加圧ロール15bとの間で加熱されるとともに加圧され、溶融したトナーが記録シート上に圧着されるものとなっている。
上記加熱ロール15aは、金属製の芯金の周面上に耐熱性ゴム等の弾性体層が形成され、その表面に離型層が形成されたものであり、加熱源としてハロゲンヒーターを内蔵している。この加熱ロール15aは、トナー像の定着時には周面が約170℃に加熱制御される。加圧ロール15bは、金属製の芯金に表面離型層を被覆したものである。
上記定着装置15の下流側に設けられた搬送ロール16は、記録シートの搬送路の両側に対向するように設けられた一対のロール部材からなり、それぞれは金属製のシャフトに幅の小さい合成樹脂製の円筒体が間隔をあけて複数が固着されたものである。これらのロール部材は、平行に配置されて互いに周面が圧接されており、一方が回転駆動されることによって記録シートを挟み込み、搬送するものとなっている。
上記追加ユニット20は、画像形成装置本体のハウジング17の上部から側部に装着されており、ハウジング17の上方部分にはシート搬送装置19が収容され、画像形成装置本体の搬送ロール16によって送り出された記録シートを、画像形成装置本体の側方部に設けられた再加熱装置18に搬送するものとなっている。シート搬送装置19は、記録シートの搬送経路を切り換える分岐ゲート(搬送切り換え装置)31を備えており、搬送ロール16によって送り込まれた記録シートを、第1の排出経路32と第2の排出経路33とのいずれか選択された経路へを送り込むものである。上記第1の排出経路32は、排紙ロール34を経て、追加ユニット20の上部に設けられた第1の排紙トレイ35に記録シートを排出するものである。第2の排出経路33は、再加熱装置18に記録シートを搬送するものであり、再加熱装置18においてトナー像の表面を再加熱した後、他の部材に接触することなく第2の排紙トレイ36に排出するものとなっている。
上記再加熱装置18は、加熱源を内蔵した第1のロール41と、これと平行に配置されて上記第1のロール41に圧接される第2のロール42とを有しており、これらの間にトナー像が定着された記録シートを送り込むようになっている。
上記第1のロール41は、定着装置15が有する加熱ロール15aとほぼ同じ構成を備えるものであり、図2に示すように金属製の芯金41aの周面上に耐熱性ゴム等の弾性体層41bが形成され、その表面に離型層41cが形成されている。そして、芯金41aの内側には、加熱源としてハロゲンヒーター43が内蔵されている。一方、第2のロール42は、金属製の芯金42aに表面離型層42bを被覆したものであり、第1のロール41に圧接され、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動されるものとなっている。
上記第1のロール41は、定着装置15が有する加熱ロール15aとほぼ同じ構成を備えるものであり、図2に示すように金属製の芯金41aの周面上に耐熱性ゴム等の弾性体層41bが形成され、その表面に離型層41cが形成されている。そして、芯金41aの内側には、加熱源としてハロゲンヒーター43が内蔵されている。一方、第2のロール42は、金属製の芯金42aに表面離型層42bを被覆したものであり、第1のロール41に圧接され、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動されるものとなっている。
上記第1のロール41は、トナー像が定着された記録シートが送り込まれるときに、ほぼ120℃程度に加熱されている。この温度は、トナーのバインダ樹脂のガラス転移温度(約100℃)及びトナーに含まれるパラフィンワックスの融点(約90℃)よりやや高い温度となっている。
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
中間転写体11に対向して設けられた4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dで、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が形成される。トナー像の形成は次のような工程により行われる。
感光体ドラム1がそれぞれ帯電装置2によりほぼ一様に帯電され、露光装置6から画像信号に応じてオンオフされるレーザー光が照射される。これにより光照射された部分の電荷が減衰し、感光体ドラム1上に静電電位の差による潜像が形成される。各感光体ドラム1上の静電潜像は、現像装置3との対向位置においてトナーの転移によって現像され、トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
中間転写体11に対向して設けられた4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10dで、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が形成される。トナー像の形成は次のような工程により行われる。
感光体ドラム1がそれぞれ帯電装置2によりほぼ一様に帯電され、露光装置6から画像信号に応じてオンオフされるレーザー光が照射される。これにより光照射された部分の電荷が減衰し、感光体ドラム1上に静電電位の差による潜像が形成される。各感光体ドラム1上の静電潜像は、現像装置3との対向位置においてトナーの転移によって現像され、トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
形成された各色トナー像は、転写装置4により中間転写体11上へ重ね合わせて転写される。これにより、中間転写体11上に複数色のトナー像が重ね合わされたカラー画像が形成される。中間転写体11上に形成された複数色のトナー像は、中間転写体11が転写ロール12と対向する位置で、シートトレイ13から搬送された記録シートP上に転写され、定着装置15へ送られる。定着装置の加熱ロール15aは、トナー像を溶融するのに充分な温度に加熱されており、この加熱ロール15aと加圧ロール15bとの間に記録シートが挟み込まれ、トナー像は溶融されて記録シート上に圧着される。
定着装置15を通過した記録シートは、下流側の搬送ロール16に挟み込まれて搬送され、追加ユニット20のシート搬送装置19に送り込まれる。追加ユニット20に設けられた分岐ゲート31は、予め設定されている画像形成モードが、高光沢モードか標準モードかによって作動する。つまり、標準モードが選択されているときには第1の排出経路32に記録シートを送り込み、高光沢モードが選択されているときには第2の排出経路33に記録シートを送り込むように動作する。
第1の排出経路32に送り込まれた記録シートは、排紙ロール37によって追加ユニット20の上部に形成された第1の排紙トレイ35に排出され、画像形成動作を終了する。一方、第2の排出経路33に送り込まれた記録シートは再加熱装置18に送り込まれ、第1のロール41と第2のロール42との間に挟み込まれ、加熱及び加圧される。
第1の排出経路32に送り込まれた記録シートは、排紙ロール37によって追加ユニット20の上部に形成された第1の排紙トレイ35に排出され、画像形成動作を終了する。一方、第2の排出経路33に送り込まれた記録シートは再加熱装置18に送り込まれ、第1のロール41と第2のロール42との間に挟み込まれ、加熱及び加圧される。
上記再加熱装置18に送り込まれる前の記録シート上では、定着されたトナー像にいわゆるロールマークと称される光沢むらが生じている。これは、定着後に搬送ロール16と接触することによって、トナーに含まれるワックスが急冷され、搬送ロールと接触した部分が他の部分より顕著に高光沢となっている。また、このような光沢むらが生じていると目立たないが、トナー層を形成するバインダ樹脂の表面が、接触したロールの表面粗さに倣って粗くなっている。
このようなトナー像を担持する記録シートPが上記再加熱装置18に送り込まれると、トナー像の表面近くに形成されているワックス層が溶融する。また、バインダ樹脂は、表面付近がガラス転移温度より高温となって軟化し、第1のロール41が圧接されることによって表面が滑らかに均される。このような状態で再加熱装置18から送り出され、そのまま第2の排紙トレイ36に排出されると、記録シート上のトナー層はゆっくりと冷却され、トナー層の表面は滑らかなまま硬化する。また、ワックス層もゆっくりと一様に冷却されて硬化する。したがって、トナー層に光沢むらを生じることはなく、高光沢の良好な画像となる。
なお、上記画像形成装置では、再加熱装置18においてトナー層の表面付近をワックスの融点以上で、バインダ樹脂のガラス転移温度以上に加熱しているが、使用するトナーの種類によっては、ワックスの融点以上まで加熱し、バインダ樹脂が十分に軟化する温度まで加熱しないように設定してもよい。表面付近のワックスを溶融することによって、ロールとの接触部分が顕著に高光沢となる光沢むらを解消することができ、画像は顕著に改善される。
また、離型性を有するワックスを含まないトナーを用いる場合も、上記再加熱装置によって、トナー像の表面付近をガラス転移温度以上でバインダ樹脂が十分に軟化する温度まで加熱することにより、ロールとの接触部分の光沢が低下した光沢むらを顕著に改善することができる。
1:感光体ドラム、 2:帯電装置、 3:現像装置、 4:転写装置、 5:クリーニング装置、 6:露光装置、 10:画像形成ユニット、 11:中間転写体、 12:転写ロール、 13:シートトレイ、 14:記録シートの搬送路、 15:定着装置、 16:搬送ロール、 17:画像形成装置のハウジング、 18:再加熱装置、 19:シート搬送装置、 20:追加ユニット、 22:駆動ロール、 23:転写対向ロール、 支持ロール、
31:分岐ゲート(搬送切り換え装置)、 32:第1の搬送経路、 33:第2の搬送経路、 35:第1の排紙トレイ、 36:第2の排紙トレイ、
41:再加熱装置の第1のロール、 42:再加熱装置の第2のロール、 43:ハロゲンヒーター
31:分岐ゲート(搬送切り換え装置)、 32:第1の搬送経路、 33:第2の搬送経路、 35:第1の排紙トレイ、 36:第2の排紙トレイ、
41:再加熱装置の第1のロール、 42:再加熱装置の第2のロール、 43:ハロゲンヒーター
Claims (5)
- 静電電位の差による潜像に粉状のトナーを選択的に付着させてトナー像を形成する像形成手段と、
前記トナー像を直接に記録シートに、又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、
前記記録シート上に転写された前記トナー像を加熱及び加圧して該記録シート上に定着する定着装置と、
前記トナー像が定着された記録シートを排紙トレイへ搬送するシート搬送装置とを有する画像形成装置であって、
前記シート搬送装置から排紙トレイへ記録シートを送り出す直前に、トナー像が定着された記録シートに無端状の周面を備える加熱部材を圧接し、少なくともトナー層の表面付近を加熱する再加熱装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナーは、樹脂バインダーと、色材と、離型性を向上させるワックスとを含むものであり、
前記再加熱装置は、トナー層の表面付近を、前記ワックスの融点以上の温度まで加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記再加熱装置は、トナー層の表面付近を、前記トナーに含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度以上の温度まで加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記シート搬送装置は、記録シートを前記再加熱装置を経ずに排出する一次排出経路と、記録シートを前記再加熱装置を通過させて排出する二次排出経路と、前記一次排出経路と前記二次排出経路とのいずれかを選択して記録シートを送り込む搬送切り換え装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記シート搬送装置の一部と前記再加熱装置とが、前記像形成手段、前記転写手段及び前記定着装置を収容した装置本体部に対して着脱が可能となった追加ユニット内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005089379A JP2006267910A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005089379A JP2006267910A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006267910A true JP2006267910A (ja) | 2006-10-05 |
Family
ID=37203915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005089379A Withdrawn JP2006267910A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006267910A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010101113A1 (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-10 | ダイニック株式会社 | 印刷物表面加工方法および装置 |
JP2014119564A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Canon Inc | 画像形成装置 |
-
2005
- 2005-03-25 JP JP2005089379A patent/JP2006267910A/ja not_active Withdrawn
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WO2010101113A1 (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-10 | ダイニック株式会社 | 印刷物表面加工方法および装置 |
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