JP2006145111A - 空気調和機の除湿運転制御方法 - Google Patents

空気調和機の除湿運転制御方法 Download PDF

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宏司 前川
Satoshi Tokura
聡 十倉
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宜正 石川
Yusuke Kono
裕介 河野
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Abstract

【課題】室内の除湿を行う除湿運転モードを持つ空気調和機において、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダウンによる信頼性の低下を防ぎ、かつ居住者の快適性を向上させる除湿運転制御を提供する。
【解決手段】除湿運転時に、リモコン設定温度Tsと室内温度Tの差を演算し、その差毎に圧縮機の回転数、室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることを特徴としたものであり、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダウンによる信頼性の低下を防ぐことがき、居住者の快適性を上げることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内の除湿を行う除湿運転モードを持つ空気調和機において、特に冷房運転から除湿運転に移行する時の除湿運転制御方法に関するものである。
現在の空気調和機の除湿運転には、一般的に弱冷房式、ヒータ過熱式、冷凍サイクル再熱式の3つの方式がある。それぞれの方式についての概要を記すと、まず弱冷房式は、室温安定時に圧縮機回転数や室内風量、膨張弁の絞り度を調整することにより、潜熱能力を確保して除湿作用を得ながらも、室内風量を小さくし冷房能力を抑えているため室内温度をあまり低下させずに除湿できる。ヒータ過熱式は冷房運転中に電気ヒータ等の手段によって冷却および除湿した室内空気を再加熱して室温を下げずに除湿できる。そして冷凍サイクル再熱式は、室内熱交換器を二分して両熱交換器の間に膨張弁を介在させることにより、一方の熱交換器を蒸発器、もう一方の熱交換器を室外熱交換器と同じく凝縮器として機能させ、蒸発器側で冷却および除湿した空気を凝縮器側で暖めているため室温を下げずに除湿できる。
以上のように除湿運転においては、除湿作用を得るために色々な工夫がなされており、近年はヒータ過熱式や冷凍サイクル再熱式のものが増えてきているが、それら方式は電気ヒータや膨張弁の追加が必要でありコストがかかるばかりか、ヒータや冷凍サイクルの信頼性設計的も複雑になる。そのため、現在でも、簡易的に出来る弱冷房式の除湿運転が広く使われている。
弱冷房式の除湿運転制御方法としては、まず立ち上げ時には冷房運転を行い、室温が設定温度付近まで到達した時点で除湿運転モードに移行し、圧縮機回転数や室内風量、そして膨張弁弁開度などを制御することにより潜熱および顕熱能力を調整して除湿作用を得ている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−21196号公報
しかしながら、前記従来の構成では、冷房運転から除湿運転モード移行時に、特に能力ランクの大きいクラスでは、使用する室内風量や膨張弁弁開度を即時に変更させるために、蒸発圧力が急激に低下してしまい熱交換器の凍結や吹き出し風低下による送風路内の結露が発生するばかりか、吹出し風が一気に低下して居住者への快適性を悪化させてしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダウンによる信頼性の低下を防ぎ、快適性を確保できる空気調和機の除湿運転制御方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機の除湿運転制御方法は、弱冷房式の除湿機能を有する空気調和機において、除湿運転時に、リモコンからの設定温度と室内温度センサの差を演算し、その差毎に圧縮機の回転数、室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることを特徴としたものである。
上記手段を用いることにより、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダ
ウンによる信頼性の低下を防ぐことがき、居住者の快適性を上げることができる。
さらに、本発明の空気調和機の除湿運転制御方法は、圧縮機回転数、室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度において、最大値と最小値を設定したことを特徴としたものである。
上記手段を用いることにより、より信頼性および快適性を向上させることができる。
さらに、本発明の空気調和機の除湿運転制御方法は、リモコンに複数の除湿モードを選択する手段を持ち、モード毎に圧縮機の回転数、室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることを特徴としたものである。
上記手段を用いることにより、信頼性および快適性を維持しつつ、ユーザの意向に合った除湿運転を提供することができる。
本発明の空気調和機の除湿運転制御方法は、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダウンによる信頼性の低下を防ぎ、かつ居住者の快適性を向上させることができる。
第1の発明は、除湿運転時に、リモコンからの設定温度と前記室内温度センサの差を演算する演算部と、前記演算部からの出力値により前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および前記電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させる制御値決定出力手段を備えることにより、冷房運転から除湿運転モード移行時に冷房能力のプルダウンを起こさずに、スムーズに制御の移行ができるため、信頼性の低下を防ぐことがき、居住者の快適性を上げることができる。
第2〜4の発明は、前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および前記電子膨張弁の弁開度において、最大値と最小値を設定することにより、最小限の変動幅に制御でできるため、能力ランクや空調負荷の変動に対しても充分に対応でき、より信頼性および快適性を向上させることができる。
第5の発明は、前記リモコンに複数の除湿モードを選択する手段を持ち、前記リモコンからの信号を読み取り出力する除湿モード読取出力手段を設け、前記除湿モード読取出力手段からの信号により、モード毎に前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることさせることにより、信頼性および快適性を維持しつつ、リモコン操作ひとつでユーザの意向に合わせて除湿作用の強弱の調整ができる除湿運転を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1には本実施の形態1〜3の空気調和機の除湿運転制御におけるブロック図を示し、図2に制御のフローチャートを示す。
図1において、本実施の形態1の空気調和機は入力部11とマイコン12と出力部13とで構成されている。図1、図2において、まずリモコン操作(S201)により運転がスタートし、冷房運転から動作する(S202)。そして室内温度センサからの信号を検
出しながら運転し(S203)、リモコンで設定された温度になるように冷房される。マイコン12内の演算部では、これら入力部11からの信号を基に室内温度Tとリモコン設定温度Tsとの差分(T−Ts)を演算し、その差が3℃以下になったら(S205)除湿運転に切り替える。そして差分が1℃を越え3℃以下の間ではテーブルbを選択し(S209)、テーブルb用の制御値を決定し(S217)、出力部13の圧縮機回転数、室内ファン速および膨張弁弁開度を制御する(S218)。そして室温が更に設定温度に近づき、室内温度Tと設定温度Tsとの差分が1℃以下になったら(S207)、テーブルaを選択し、テーブルbの値に対しいずれの値も小さな値を持つテーブルa用の制御値を決定し(S217)、出力部13を制御する(S218)。
なお、テーブルaの値は、本来の除湿作用に必要な圧縮機回転数、室内ファン速および膨張弁弁開度に設定するようにする。
以上のように、本実施の形態においては、設定温度到達までに、2段階で圧縮機の回転数、室内ファン速および膨張弁弁開度を調整できるので、冷房運転から除湿運転モード移行時に冷房能力のプルダウンを小さくでき、スムーズに制御の移行ができるため、信頼性の低下を防ぐことがき、居住者の快適性を上げることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を上記実施の形態1と同様に図1、図2をもって説明する。なお上記実施の形態1と同じ動作は省略する。
本実施の形態の制御は、テーブルaまたはテーブルbを選択した時点で、除湿運転中の制御範囲について最大値と最小値を各テーブル毎に設定した(S216)上で、制御値を決定(S217)するものである。なおテーブルaよりもテーブルbの値は小さく設定されるものであり、テーブルaの値は、本来の除湿作用に必要な圧縮機回転数、室内ファン速および膨張弁弁開度の最大値および最小値に設定するようにする。
以上のように、本実施の形態においては、圧縮機の回転数、室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度において、最大値と最小値を設定することにより、最小限の変動幅に制御でできるため、能力ランクや空調負荷の変動に対しても充分に対応でき、より信頼性および快適性を向上させることができる。
(実施の形態3)
本発明実施の形態3を上記実施の形態1、2と同様に図1、図2をもって説明する。なお上記実施の形態1および2と同じ動作は省略する。
本実施の形態の制御は、除湿モードを複数搭載しているものについて、ユーザがリモコンにて複数ある除湿モードのいずれかを選択して送信する(S201)。マイコン12内の除湿モード読取出力手段は、リモコンからの除湿モードを検出(S203)し、除湿モードAおよび除湿モードBのいずれかを選択する(S204、S210)。そして、除湿モード毎のテーブルを選択し(S208,S209,S214,S215)、それぞれの最大値、最小値および出力部13の制御値を最適に決定する。
以上のように、本実施の形態においては、リモコンに複数の除湿モードを選択する手段を持ち、リモコンからの信号を読み取り出力する除湿モード読取出力手段を設け、除湿モード読取出力手段からの信号により、モード毎に前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることさせることにより、信頼性および快適性を維持しつつ、リモコン操作ひとつでユーザの意向に合わせて除湿作用の強弱の調整ができる除湿運転を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる空気調和機の除湿運転制御方法は、冷房運転から除湿運転モード移行時の冷房能力のプルダウンによる信頼性の低下を防ぎ、かつ居住者の快適性を向上させることができるので、室内の除湿を行う除湿運転モードを持つ空気調和機等の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1〜3における空気調和機の除湿運転制御方法を示すブロック図 本発明の実施の形態1〜3における空気調和機の除湿運転制御方法の動作を示すフローチャート
符号の説明
11 入力部
12 マイコン
13 出力部
Ts リモコン設定温度
T 室内温度

Claims (5)

  1. 回転数が可変できる圧縮機と、室内温度センサと室内熱交換器と回転数が可変できる室内送風装置と室内風向装置からなる室内機と、室外熱交換器と室外送風装置からなる室外機と、電子膨張弁とで冷凍サイクルを構成する空気調和機において、除湿運転時に、リモコンからの設定温度と前記室内温度センサの差を演算する演算部と、前記演算部からの出力値により前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および前記電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させるための制御値決定出力手段を備えたことを特徴とする空気調和機の除湿運転制御方法。
  2. 前記圧縮機の回転数の制御範囲において、最大値と最小値を設定したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の除湿運転制御方法。
  3. 前記室内送風装置の回転数の制御範囲において、最大値と最小値を設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機の除湿運転制御方法。
  4. 前記電子膨張弁の弁開度の制御範囲において、最大値と最小値を設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機の除湿運転制御方法。
  5. 前記リモコンに複数の除湿モードを選択する手段を持ち、前記リモコンからの信号を読み取り出力する除湿モード読取出力手段を設け、前記除湿モード読取出力手段からの信号により、モード毎に前記圧縮機の回転数、前記室内送風装置の回転数および前記電子膨張弁の弁開度を段階的に制御させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機の除湿運転制御方法。
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