JP2006116563A - 動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる動力伝達チェーンの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容易に組み立てを行うことができる動力伝達チェーンの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の動力伝達チェーンの製造方法によれば、ダミーピン6をピン孔2aに挿入しつつ複数のリンクプレート2を積層して配置することでチェーン1として仮組みした状態に保持できるので、積層されるリンクプレート2のピン孔2aを正確に一致させつつリンクプレート2を位置決めできる。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明の動力伝達チェーンの製造方法によれば、ダミーピン6をピン孔2aに挿入しつつ複数のリンクプレート2を積層して配置することでチェーン1として仮組みした状態に保持できるので、積層されるリンクプレート2のピン孔2aを正確に一致させつつリンクプレート2を位置決めできる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両などに採用されるチェーン式無段変速機などに用いられる動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる動力伝達チェーンの製造装置に関する。
従来、自動車のチェーン式無段変速機等に用いられる動力伝達チェーンとしては、2つのピン孔が所定のピッチを置いて形成された複数のリンクプレートと、これらを屈曲可能に連結する複数のピン部材とを備えたものがある。このような動力伝達チェーンは、リンクプレートをその厚み方向および長手方向に積層配置され、前記ピン孔にピン部材を圧入することで無端状に連結されている(例えば特許文献1参照)。
上記のような動力伝達チェーンにおいて、リンクプレートは積層されつつそれぞれのピン孔が一致するように配置されており、このピン孔に2本のピンからなるピン部材が圧入状態で当該チェーンを幅方向に貫通するように挿入されている。このような構造を持つチェーンはピン部材の軸回り方向以外の方向にはほとんど屈曲させることができず、またがたつきなどの遊びも非常に少ない。従って、前記動力伝達チェーンを組み立てる際にも、ピン部材の長手方向をリンクプレートの側面に対してほぼ垂直に維持し、隣接するピン部材同士間のピッチ間隔を所定の間隔に正確に保ち、ピン部材を正確に位置決めしてリンクプレートに圧入しなければ、ピン部材がピン孔に合わなかったり、ピン部材とピン孔でかじりが発生したりして、ピン孔に前記ピンを圧入することができなかった。
このため、前記ピン部材をリンクプレートに圧入する際には、これらの位置関係を当該チェーンとして組み立てられる状態に正確に保つ必要があり、この位置決めを行うことがチェーンの組み立て作業を困難なものにしていた。
このため、前記ピン部材をリンクプレートに圧入する際には、これらの位置関係を当該チェーンとして組み立てられる状態に正確に保つ必要があり、この位置決めを行うことがチェーンの組み立て作業を困難なものにしていた。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、リンクプレートを正確に位置決めし、容易に組み立てを行うことができる動力伝達チェーンの製造方法の提供をその目的とする。
本発明は、ピン孔を有するとともに厚み方向に積層して配置される複数のリンクプレートと、前記ピン孔内に挿入されて前記複数のリンクプレートを連結する複数のピン部材と、を備える動力伝達チェーンの製造方法であって、前記ピン孔に対して抜き挿し可能なダミーピンを前記ピン孔に挿入しつつ前記複数のリンクプレートを積層して配置することで当該動力伝達チェーンとして仮組みし、その後、前記ピン孔に挿入したダミーピンと挿し替えて前記ピン部材を前記ピン孔に挿入することを特徴としている。
上記のように構成された動力伝達チェーンの製造方法によれば、前記ダミーピンを前記ピン孔に挿入しつつ前記複数のリンクプレートを積層して配置することで当該動力伝達チェーンとして仮組みした状態に保持できるので、積層される前記リンクプレートのピン孔を正確に一致させつつ前記リンクプレートを位置決めできる。従って、前記ピン部材を前記リンクプレートのピン孔に確実に挿入できる。
また、本発明は、ピン孔を有するとともに厚み方向に積層して配置される複数のリンクプレートと、前記ピン孔内に挿入されて前記複数のリンクプレートを連結する複数のピン部材と、を備える動力伝達チェーンの製造装置であって、前記ピン孔に対して抜き挿し可能な複数のダミーピンと、これら複数のダミーピンを当該動力伝達チェーンとして組み立てられた時の前記ピン部材の配列と同じ状態で抜き挿し可能に配列保持するダミーピン保持手段と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された動力伝達チェーンの製造装置によれば、上述した動力伝達チェーンの製造方法によって前記リンクプレートを仮組みできるので、積層される前記リンクプレートのピン孔を正確に一致させつつ前記リンクプレートを位置決めできる。さらに前記ダミーピンは、前記ダミーピン保持手段によって抜き挿し可能に保持されているので、仮組みした状態で前記ダミーピンと前記ピン部材とを差し替えることができる。従って、前記ピン部材を前記リンクプレートのピン孔に確実に挿入できる。
以上のように、本発明に係る動力伝達チェーンの製造方法は、リンクプレートを正確に位置決めした状態を保持し、ピン部材をリンクプレートのピン孔に確実に挿入することができるので、当該動力伝達チェーンの組み立てを容易にできる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明により製造される動力伝達チェーンの一例である、いわゆるチェーン式無段変速機用のチェーン(以下、単に「チェーン」ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。このチェーン1は、複数の金属(炭素鋼等)製のリンクプレート2と、このリンクプレート2を相互に連結するための複数の金属(軸受鋼等)製のピン部材Pとからなり、無端状とされている。なお図1では、チェーン1の幅方向中央部の記載を一部省略している。
リンクプレート2は、外形線がなだらかな曲線形状で、全て実質的に同一の外形となるように成形されており、第1のピン孔2a1と第2のピン孔2a2とが設けられている。なお、この第1のピン孔2a1および第2のピン孔2a2は総称してピン孔2aともいう。リンクプレート2は、図のように厚み方向に積層して配置されており、互いに隣接配置されるリンクプレート2においては、一方のリンクプレート2の第1のピン孔2aと、他方のリンクプレート2の第2のピン孔2aとの位置が一致するようにリンクプレート2の側面2bの一部が重なるようにチェーン長手方向にずらすとともに厚み方向に積層して配置されている。
このリンクプレート2を連結するピン部材Pは、ピン孔2aの内周面に沿う外周面3aを有する棒状体であるピン3と、ピン3よりも若干短く成形されかつピン孔2aの内周面に沿う外周面4aを有する棒状体であるストリップ4と、からなるものである。そしてこのピン3およびストリップ4が前記のように積層して配置されたリンクプレート2のピン孔2a内に圧入状態で挿入され、複数のリンクプレート2を屈曲可能に連結している。
このリンクプレート2を連結するピン部材Pは、ピン孔2aの内周面に沿う外周面3aを有する棒状体であるピン3と、ピン3よりも若干短く成形されかつピン孔2aの内周面に沿う外周面4aを有する棒状体であるストリップ4と、からなるものである。そしてこのピン3およびストリップ4が前記のように積層して配置されたリンクプレート2のピン孔2a内に圧入状態で挿入され、複数のリンクプレート2を屈曲可能に連結している。
次に、本発明である動力伝達チェーンの製造装置の一実施形態に係る上記チェーン1の製造装置について詳細に説明する。図2は、チェーン1の製造装置およびこれを用いたチェーン1の製造方法を示した模式図である。
このチェーン1の製造装置Sは、図2(a)に示すように、複数のピン3およびストリップ4に代えてピン孔2aに挿入しリンクプレート2をチェーン1として仮組みする複数のダミーピン6と、このダミーピン6を保持する組み立て型5と、組み立て型5の上方に配置されるとともに仮組みされるリンクプレート2を保持するための上型7とを備えている。
このチェーン1の製造装置Sは、図2(a)に示すように、複数のピン3およびストリップ4に代えてピン孔2aに挿入しリンクプレート2をチェーン1として仮組みする複数のダミーピン6と、このダミーピン6を保持する組み立て型5と、組み立て型5の上方に配置されるとともに仮組みされるリンクプレート2を保持するための上型7とを備えている。
ダミーピン6は炭素工具鋼や合金工具鋼などを用いて棒状に成形されており、組み立て型5の上面5bからチェーン1の幅方向寸法とほぼ同じ寸法だけ上面5bに対して垂直に突出するように、組み立て型5に形成された位置決め孔5aに挿入して抜き挿し可能に保持されている。
図3にダミーピン6外観の斜視図を示す。図に示すようにこのダミーピン6の外周面6aの形状は、ピン3およびストリップ4と同様にリンクプレート2のピン孔2aの内周面形状に沿う形状とされている。また、外周面6aの外周径寸法は、ピン3およびストリップ4がピン孔2aに圧入される時に成す外周径寸法に対して60μm〜100μm程度細く設定されていることが好ましく、本実施形態では約80μm細く設定した。このように設定することで、ダミーピン6をピン孔2aに対して容易に抜き挿し可能としつつピン孔2aに挿入されたときには確実に位置決めができる。
図3にダミーピン6外観の斜視図を示す。図に示すようにこのダミーピン6の外周面6aの形状は、ピン3およびストリップ4と同様にリンクプレート2のピン孔2aの内周面形状に沿う形状とされている。また、外周面6aの外周径寸法は、ピン3およびストリップ4がピン孔2aに圧入される時に成す外周径寸法に対して60μm〜100μm程度細く設定されていることが好ましく、本実施形態では約80μm細く設定した。このように設定することで、ダミーピン6をピン孔2aに対して容易に抜き挿し可能としつつピン孔2aに挿入されたときには確実に位置決めができる。
また、図に示すようにダミーピン6の端面6bには段差が設けられている。この段差は、後述するようにピン3とストリップ4とを圧入すべくこれらの先端をダミーピン6の端面6bに当接させた際に、その軸方向の長さ寸法に差のあるピン3とストリップ4との軸方向の位置関係がチェーン1として組み立てられた時と同じとなるように、ピン3およびストリップ4をピンの軸方向に対して位置決めすることができる。
また、ダミーピン6の端部には、面取り部6cが設けられている。この面取り部6cによって、リンクプレート2のピン孔2aへのダミーピン6の挿入を容易にし、リンクプレート2の仮組みを容易にする。
また、ダミーピン6の端部には、面取り部6cが設けられている。この面取り部6cによって、リンクプレート2のピン孔2aへのダミーピン6の挿入を容易にし、リンクプレート2の仮組みを容易にする。
組み立て型5は、図2(a)のように、炭素工具鋼や合金工具鋼などにより水平面である上面5bを有するように成形されている。この上面5bには、ダミーピン6が挿入された複数の位置決め孔5aが上面5bに対して垂直に形成されている。この複数の位置決め孔5aは、その隣接する位置決め孔5a同士のピッチ幅をチェーン1のピッチ幅と同じ間隔とし、組み立て型5の長手方向に沿ってチェーン1として必要な本数のピン部材Pと同数のダミーピン6を保持できるように一列に配設されている。この位置決め孔5aの内周面形状は、ダミーピン6の外周面形状に沿うように形成されており、ダミーピン6が挿入されたときの位置決め孔5aのクリアランスは、滑らかに抜き挿しできると同時にがたつきなどの遊びがない程度に設定されている。
また位置決め孔5aにはスプリング5dが配置されており、その一端はダミーピン6の下端面6dと当接し、他端は図示しない組み立て型5に固定されたスプリングシート等と当接している。これによってダミーピン6は、スプリング5dによって上方へ付勢され、上面5bから突出した状態で保持されている。そして、ダミーピン6の端面6bに下方への力が作用した場合には、ダミーピン6は、位置決め孔5a内に収納されるように構成されている。
このように構成された組み立て型5は、ダミーピン6をチェーン1として組み立てられた時のピン部材Pの配列と同じ状態で配列保持するダミーピン保持手段を構成している。
また位置決め孔5aにはスプリング5dが配置されており、その一端はダミーピン6の下端面6dと当接し、他端は図示しない組み立て型5に固定されたスプリングシート等と当接している。これによってダミーピン6は、スプリング5dによって上方へ付勢され、上面5bから突出した状態で保持されている。そして、ダミーピン6の端面6bに下方への力が作用した場合には、ダミーピン6は、位置決め孔5a内に収納されるように構成されている。
このように構成された組み立て型5は、ダミーピン6をチェーン1として組み立てられた時のピン部材Pの配列と同じ状態で配列保持するダミーピン保持手段を構成している。
上型7は、炭素工具鋼や合金工具鋼などを用いて直方体状に成形されており、ピン孔2aから突出するダミーピン6やピン3およびストリップ4が挿入可能な複数の貫通孔7bが組み立て型5の位置決め孔5aに対応して形成されている。この貫通孔7bの内周面形状は、ダミーピン6とピン3およびストリップ4が挿入可能であればよいが、本実施形態ではピン3とストリップ4とが組み合わされてチェーン1として組み立てられた時に成す外周面形状に沿うような形状でかつ、その形状がチェーン1として配置された際のリンクプレート2のピン孔2aの内周面形状と一致するように形成されている。このようにすることで、貫通孔7aに挿入されるピン3とストリップ4とが成す外周面形状をピン孔2aの内周面形状に一致させて位置決めすることができ、後述する貫通孔7bに挿入されたピン3およびストリップ4のピン孔2aへの圧入を容易にできる。
また上型7は、組み立て型5とともに図示しないプレス機等に取り付けられている。そして、これらの金型は、プレス機を操作することによって互いに平行を維持しつつそれぞれ上下方向にストローク可能な範囲の中で任意の範囲を往復動させることができるとともに前記範囲の中で任意の位置に固定できるようにされている。
また上型7は、組み立て型5とともに図示しないプレス機等に取り付けられている。そして、これらの金型は、プレス機を操作することによって互いに平行を維持しつつそれぞれ上下方向にストローク可能な範囲の中で任意の範囲を往復動させることができるとともに前記範囲の中で任意の位置に固定できるようにされている。
次に、このチェーン1の製造装置Sを用いたチェーン1の製造方法について説明する。
チェーン1を組み立てるにはまず、図2(a)に示すような組み立て型5の上面5bから突出しているダミーピン6をリンクプレート2のピン孔2aに挿入することによって、複数のリンクプレート2を組み立て型5の上面5bに順次配置する。
そして図2(b)に示すように、ダミーピン6をピン孔2aに挿入しつつリンクプレート2をチェーン1としての所定の配列に従ってその長手方向および幅方向に積層し組み立て型5の上面5bに配置することで、複数のリンクプレート2をチェーン1の完成状態と同じ状態で配置する。すなわち、これらのリンクプレート2を、ピン3とストリップ4とを圧入するのみでチェーン1として完成状態となるように、組み立て型5の上面5bに仮組みした状態で保持する。
チェーン1を組み立てるにはまず、図2(a)に示すような組み立て型5の上面5bから突出しているダミーピン6をリンクプレート2のピン孔2aに挿入することによって、複数のリンクプレート2を組み立て型5の上面5bに順次配置する。
そして図2(b)に示すように、ダミーピン6をピン孔2aに挿入しつつリンクプレート2をチェーン1としての所定の配列に従ってその長手方向および幅方向に積層し組み立て型5の上面5bに配置することで、複数のリンクプレート2をチェーン1の完成状態と同じ状態で配置する。すなわち、これらのリンクプレート2を、ピン3とストリップ4とを圧入するのみでチェーン1として完成状態となるように、組み立て型5の上面5bに仮組みした状態で保持する。
次に、図2(c)のように、組み立て型5の上方に配置された上型7を下方に下げ、貫通孔7bにダミーピン6の端部を挿入しつつ下面7aを仮組みされたリンクプレート2に当接させて固定する。これによって、配列した各ダミーピン6を確実に位置決めするとともに、積層された複数のリンクプレート2を組み立て型5とで挟持して確実に固定する。
次に、図2(d)に示すように、上型7の貫通孔7bにピン部材Pとしてのピン3およびストリップ4を挿入し、そのままピン3およびストリップ4を下方に挿入していくことで、ピン孔2aにピン3およびストリップ4が圧入される。このとき、ダミーピン6はピン3とストリップ4とにより下方に押し出され、組み立て型5の位置決め孔5a内に収納されていく。
図2(d)中、状態X,Y,Zは、ピン孔2aにピン3およびストリップ4を圧入する際のピン3およびストリップ4とダミーピン6との位置関係の変化を経時的に順次示している。この図2(d)では、前記の経時的な位置関係を説明するために便宜上、状態X,Y,Zを同一図面上に併記している。
図2(d)中、状態X,Y,Zは、ピン孔2aにピン3およびストリップ4を圧入する際のピン3およびストリップ4とダミーピン6との位置関係の変化を経時的に順次示している。この図2(d)では、前記の経時的な位置関係を説明するために便宜上、状態X,Y,Zを同一図面上に併記している。
まず、状態Xに示すように、ピン3およびストリップ4を図示しない治具等を用いて上型7の貫通孔7aに挿入し、ダミーピン6の端面6bにピン3およびストリップ4の端面を当接させる。このとき上述したように貫通孔7aによって、ピン3およびストリップ4の外周面形状はピン孔2aの内周面形状と一致するように位置決めされる。
また同時にダミーピン6の端面6bに設けられた段差によって、その軸方向の長さ寸法に差のあるピン3とストリップ4との軸方向の位置関係がチェーン1として組み立てられた時と同じとなるように、ピン3およびストリップ4を軸方向に対して位置決めされる。
また同時にダミーピン6の端面6bに設けられた段差によって、その軸方向の長さ寸法に差のあるピン3とストリップ4との軸方向の位置関係がチェーン1として組み立てられた時と同じとなるように、ピン3およびストリップ4を軸方向に対して位置決めされる。
次に、状態Yに示すように、貫通孔7aに挿入したピン3およびストリップ4を図示しないプレス機に取り付けられた圧入用の金型等を用いて積層されたリンクプレート2のピン孔2aに上方から序々に圧入していく。同時にダミーピン6は、ピン3およびストリップ4の端面により下方に押し出されていく。そして状態Zのように、ピン3およびストリップ4が積層配置されたリンクプレート2に対して所定の位置まで圧入される。
なお、本実施形態では、ピン3およびストリップ4を貫通孔7aに挿入するのに治具等を用いたが、作業者が手で挿入してもよい。また、ピン3およびストリップ4のピン孔2aへの圧入には、圧入用の金型等を用いたが、作業者が治具等を用いて圧入してもよい。
なお、本実施形態では、ピン3およびストリップ4を貫通孔7aに挿入するのに治具等を用いたが、作業者が手で挿入してもよい。また、ピン3およびストリップ4のピン孔2aへの圧入には、圧入用の金型等を用いたが、作業者が治具等を用いて圧入してもよい。
以上のようにしてチェーン1は、組み立て型5の上面5bに仮組みされたリンクプレート2のピン孔2aに挿入されたダミーピン6を、ピン3およびストリップ4に挿し替えるように圧入していくことで、一本の有端状のチェーン1として組み立てられる。そして、この組み立てられた有端状のチェーン1の両端を連結することで無端状のチェーン1を得ることができる。
上記のような本実施形態に係るチェーン1の製造方法によれば、ダミーピン6をピン孔2aに挿入しつつリンクプレート2を積層して配置することでチェーン1として仮組みした状態に保持できるので、積層されるリンクプレート2のピン孔2aを正確に一致させつつリンクプレート2を位置決めできる。従って、リンクプレート2のピン孔2aにピン3およびストリップ4を確実に圧入でき、チェーン1の組み立てを容易にできる。
また、本実施形態に係るチェーン1の製造装置Sは、上述した方法によってリンクプレート2を仮組みすることでリンクプレート2を位置決めするとともに、ダミーピン6は組み立て型5によって抜き挿し可能に保持されているので、仮組みした状態でダミーピン6とピン3およびストリップ4とを差し替えることができる。従って、リンクプレート2のピン孔2aにピン3およびストリップ4を確実に圧入でき、チェーン1の組み立てを容易にできる。
また、本実施形態で示した、ピン3およびストリップ4をリンクプレート2のピン孔2aに圧入状態で挿入するようなチェーン1では、ピンを挿入して圧入するために特に大きな力を要し、これらの位置決め精度が高度に要求される。このため、上記の本実施形態に係るチェーン1の製造方法によってチェーンを組み立てることで、チェーンの組み立て不良を低減する効果が特に高いものとでき、チェーンの組み立て作業のサイクルタイムを短縮できる。
また、本実施形態で示した、ピン3およびストリップ4をリンクプレート2のピン孔2aに圧入状態で挿入するようなチェーン1では、ピンを挿入して圧入するために特に大きな力を要し、これらの位置決め精度が高度に要求される。このため、上記の本実施形態に係るチェーン1の製造方法によってチェーンを組み立てることで、チェーンの組み立て不良を低減する効果が特に高いものとでき、チェーンの組み立て作業のサイクルタイムを短縮できる。
なお、上記実施形態では、組み立て型5の上面5bに有端状のチェーン1として組み立てた後、その両端を連結したが、リンクプレート2を無端状のチェーン1として仮組みできるように構成された組み立て型を用いて、無端状のチェーン1として組み立てるようにしてもよい。また本実施形態では、ピン3およびストリップ4を一組ずつピン孔2aに圧入したが、複数組あるいは全数組のピン3およびストリップ4を同時に圧入してもよい。
また、本発明の動力伝達チェーンの製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、製造されるチェーンの構成やリンクプレートの形状、配置、組み立て型および上型の構成、形状等は、本発明の趣旨に基づいて適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態では、ピン3およびストリップ4をピン孔2aに圧入状態で挿入するチェーンを示したが、これらを圧入しないで挿入する所謂ルーズタイプチェーンについても本発明は適用できる。また、上記実施形態によって製造されるチェーン1のリンクプレート2には、二つのピン孔(第一および第二のピン孔2a)が形成されているが、例えば、これら二つのピン孔をつなげたような形状のピン孔が一つ形成され、この一つのピン孔が実質的に第一および第二のピン孔2aとして機能するリンクプレートの場合にも本発明は適用できる。
例えば、上記実施形態では、ピン3およびストリップ4をピン孔2aに圧入状態で挿入するチェーンを示したが、これらを圧入しないで挿入する所謂ルーズタイプチェーンについても本発明は適用できる。また、上記実施形態によって製造されるチェーン1のリンクプレート2には、二つのピン孔(第一および第二のピン孔2a)が形成されているが、例えば、これら二つのピン孔をつなげたような形状のピン孔が一つ形成され、この一つのピン孔が実質的に第一および第二のピン孔2aとして機能するリンクプレートの場合にも本発明は適用できる。
1 動力伝達チェーン
2 リンクプレート
2a ピン孔
5 組み立て型
6 ダミーピン
7 上型
P ピン部材
S 製造装置
2 リンクプレート
2a ピン孔
5 組み立て型
6 ダミーピン
7 上型
P ピン部材
S 製造装置
Claims (2)
- ピン孔を有するとともに厚み方向に積層して配置される複数のリンクプレートと、前記ピン孔内に挿入されて前記複数のリンクプレートを連結する複数のピン部材と、を備える動力伝達チェーンの製造方法であって、
前記ピン孔に対して抜き挿し可能なダミーピンを前記ピン孔に挿入しつつ前記複数のリンクプレートを積層して配置することで当該動力伝達チェーンとして仮組みし、その後、前記ピン孔に挿入したダミーピンと挿し替えて前記ピン部材を前記ピン孔に挿入することを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。 - ピン孔を有するとともに厚み方向に積層して配置される複数のリンクプレートと、前記ピン孔内に挿入されて前記複数のリンクプレートを連結する複数のピン部材と、を備える動力伝達チェーンの製造装置であって、
前記ピン孔に対して抜き挿し可能な複数のダミーピンと、これら複数のダミーピンを当該動力伝達チェーンとして組み立てられた時の前記ピン部材の配列と同じ状態で抜き挿し可能に配列保持するダミーピン保持手段と、を備えていることを特徴とする動力伝達チェーンの製造装置。
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