JP2006073584A - 露光装置及び方法並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 投影光学系の非回転対称な収差が所望の状態で露光や計測などの各種動作を行うことができる露光装置等を提供する。
【解決手段】 主制御系20は、投影光学系PLに入射する露光光ILの分布と投影光学系PLに入射する露光光ILのエネルギーと投影光学系PLの非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を用いて投影光学系PLの非回転対称収差を算出する。この算出結果が予め設定された許容値以上である場合には、許容値以下になるまで露光動作を中断し、又は照明条件の切り替えを遅らせる。
【選択図】 図1
【解決手段】 主制御系20は、投影光学系PLに入射する露光光ILの分布と投影光学系PLに入射する露光光ILのエネルギーと投影光学系PLの非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を用いて投影光学系PLの非回転対称収差を算出する。この算出結果が予め設定された許容値以上である場合には、許容値以下になるまで露光動作を中断し、又は照明条件の切り替えを遅らせる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マスクのパターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置及び方法、並びに当該露光装置又は方法を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスを製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを基板としてのフォトレジストが塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写するために、ステッパ等の投影露光装置が使用されている。投影露光装置においては、露光光の照射量や周囲の気圧変化等によって、投影光学系の結像特性が次第に変化する。このため、結像特性を常に所望の状態に維持するために、投影露光装置には、例えば投影光学系を構成する一部の光学部材の位置又は姿勢を制御することによって、その結像特性を補正する結像特性補正機構が設けられている。従来の結像特性補正機構によって補正することができる結像特性は、歪曲収差や倍率等の回転対称の低い次数の成分である。
ところで、近年の露光装置においては、特定のパターンに対する解像度を高めるために、所謂輪帯照明又は4極照明(照明光学系の瞳面上の4箇所の領域を2次光源とする照明法)よりなる、照明光学系の瞳面上の光軸を含む領域を露光光が通過しない照明条件が用いられる機会が多くなっている。かかる照明条件を用いるときには、投影光学系中の瞳面付近の光学部材は、ほぼ中抜けの状態で露光光が照明されることになる。また、投影光学系を大型化することなく、転写できるパターンの面積を大きくするため、最近ではスキャニングステッパ等の走査露光型の投影露光装置も多用されている。走査露光型の場合、レチクルは走査方向を短辺方向とする長方形状の照明領域で照明されるため、投影光学系中のレチクル及びウェハに近い光学部材は、主に非回転対称な領域が露光光に照明されることになる。
このような露光装置においては、球面収差等の高次成分の変動や非回転対称の変動が生じる虞がある。そこで、これらの収差変動を抑えるようにした投影露光装置が以下の特許文献1、特許文献2等で提案されている。更に、レチクルやレチクルパターンに応じて照明条件を変更した場合にも、投影光学系の結像特性を厳密に制御するようにした投影露光装置が以下の特許文献3等で提案されている。
特開平10−64790号公報
特開平10−50585号公報
特開平6−45217号公報
ところで、最近においては、例えば所定のライン・アンド・スペースパターンを主に含むレチクルパターンを転写するような場合に、照明光学系の瞳面上の光軸を挟む2つの領域のみを2次光源とするダイポール照明(2極照明)が用いられることがある。このダイポール照明は4極照明に比べて光量分布が大きく非回転対称になっているため、投影像に非回転対称な収差成分である光軸上での非点収差(以下、「センターアス」という)が発生する。また、ダイポール照明によってセンターアス以外の非回転対称な収差変動も生じる。
更に、レチクル上の長方形状の照明領域の更に一方の端部の領域のみが露光光で照明される場合、投影光学系のレチクル側及びウェハ側の光学部材において露光光の光量分布が更に大きく非回転対称となるため、非回転対称な収差成分が多く発生する。同様に、レチクルのパターン密度が特定の領域で特に低いような場合にも、投影光学系のレチクル側及びウェハ側の光学部材において露光光の光量分布が大きく非回転対称となるため、非回転対称な収差成分が発生する。
このような非回転対称な収差成分は、前述した結像特性補正機構を用いても補正することはできない。従って、レチクルやレチクルパターンに応じて照明条件を変更したときに、新たな照明条件の下で結像特性補正機構を用いて投影光学系の結像特性を制御したとしても投影光学系の非回転対称な収差成分を補正することはできない。このため、従来の技術では非対称な収差成分が生ずる投影光学系の結像特性を厳密に制御することはできなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、投影光学系の結像特性が所望の状態で露光や計測等の各種動作を実行することができる露光装置及び方法、並びに当該露光装置又は方法を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、投影光学系の非回転対称な収差が所望の状態で露光や計測などの各種動作を行うことができる露光装置及び方法、並び当該露光装置又は方法を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
上記課題を解決するために、本発明の露光装置は、基板(W)上に露光光(IL)を照射することによって、前記基板を露光する露光装置において、前記基板上にパターンの像を投影する投影光学系(PL)と、前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止する制御システム(20)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、制御システムによって投影光学系PLの非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行が中止される。
ここで、前記所定動作は、前記基板に対する露光動作、又は、前記投影光学系の像面に対する共役面における前記露光光の分布と、前記投影光学系の瞳面若しくはその共役面における前記露光光の分布との少なくとも一方の変更を含むことを特徴としている。
また、本発明の露光装置は、前記制御システムが、前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光の分布と前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギーと前記投影光学系の非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を記憶する記憶部(37)と、前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギー又は当該エネルギーに相当する量を計測する計測装置の計測結果と前記記憶部に記憶された前記伝達関数とに基づいて前記投影光学系の非回転対称収差を算出する算出部(31)と、前記算出部により算出された前記投影光学系の非回転対称収差が前記所定の許容値以下であるか否かを判断する判断部(36)とを備えることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の露光方法は、照明光(IL)をマスク(R)に照射し、前記マスクのパターンを投影光学系(PL)を介して基板(W)上に転写する露光方法において、前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止することを特徴としている。
本発明のデバイス製造方法は、上記の露光装置、又は上記の露光方法を用いてデバイスのパターンを物体(W)上に転写する工程(S46)を含むことを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の露光装置は、基板(W)上に露光光(IL)を照射することによって、前記基板を露光する露光装置において、前記基板上にパターンの像を投影する投影光学系(PL)と、前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止する制御システム(20)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、制御システムによって投影光学系PLの非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行が中止される。
ここで、前記所定動作は、前記基板に対する露光動作、又は、前記投影光学系の像面に対する共役面における前記露光光の分布と、前記投影光学系の瞳面若しくはその共役面における前記露光光の分布との少なくとも一方の変更を含むことを特徴としている。
また、本発明の露光装置は、前記制御システムが、前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光の分布と前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギーと前記投影光学系の非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を記憶する記憶部(37)と、前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギー又は当該エネルギーに相当する量を計測する計測装置の計測結果と前記記憶部に記憶された前記伝達関数とに基づいて前記投影光学系の非回転対称収差を算出する算出部(31)と、前記算出部により算出された前記投影光学系の非回転対称収差が前記所定の許容値以下であるか否かを判断する判断部(36)とを備えることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の露光方法は、照明光(IL)をマスク(R)に照射し、前記マスクのパターンを投影光学系(PL)を介して基板(W)上に転写する露光方法において、前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止することを特徴としている。
本発明のデバイス製造方法は、上記の露光装置、又は上記の露光方法を用いてデバイスのパターンを物体(W)上に転写する工程(S46)を含むことを特徴としている。
本発明によれば、投影光学系の結像特性、特に非回転対称な収差が所望の状態で各種動作を実行することができる。
また、本発明によれば、微細なパターンを忠実に物体上に転写することができ、その結果として製造不良が低減されて高い歩留まりでデバイスを製造することができる。
また、本発明によれば、微細なパターンを忠実に物体上に転写することができ、その結果として製造不良が低減されて高い歩留まりでデバイスを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による露光装置及び方法並びにデバイス製造方法について詳細に説明する。
〔露光装置〕
図1は、本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。図1に示す露光装置は、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置である。
図1は、本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。図1に示す露光装置は、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置である。
尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1に示すXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウェハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウェハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及びウェハWを同期移動させる方向(走査方向)をY方向に設定している。
図1に示す露光装置は、露光光源1、照明光学系ILS、レチクルステージRST、投影光学系PL、ウェハステージWST、及び制御システムとしての主制御系20を含んで構成されている。露光光源1は、例えばKrFエキシマレーザ光源(波長247nm)である。尚、露光光源1としては、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)、F2レーザ光源(波長157nm)、Kr2レーザ光源(波長146nm)、Ar2レーザ光源(波長126nm)等の紫外レーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザ等)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)等も使用することができる。
露光時に露光光源1からパルス発光された露光光ILは、不図示のビーム整形光学系等を経て断面形状が所定形状に整形されて、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ2に入射して、照度分布が均一化される。第1フライアイレンズ2から射出された露光光ILは、不図示のリレーレンズ及び振動ミラー3を経てオプティカル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ4に入射して、照度分布が更に均一化される。振動ミラー3は、レーザ光である露光光ILのスペックルの低減、及びフライアイレンズによる干渉縞の低減のために使用される。尚、フライアイレンズ2,4の代わりに、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)又は内面反射型インテグレータ(ロッドレンズ等)等を使用することもできる。
第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面(照明光学系ILSの瞳面)には、露光光の光量分布(2次光源)を小さい円形(小σ照明)、通常の円形、複数の偏心領域(2極及び4極照明)、並びに輪帯状等のうちの何れかに設定して照明条件を決定するための照明系開口絞り部材5が、駆動モータ5cによって回転自在に配置されている。装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系20が、駆動モータ5cを介して照明系開口絞り部材5の回転角を制御することによって照明条件を設定する。
図1に示す状態では、照明系開口絞り部材5の複数の開口絞り(σ絞り)のうちの、光軸を中心として対称に2つの円形開口が形成された第1のダイポール照明(2極照明)用の開口絞り5a、及びこの開口絞り5aを90°回転した形状の第2のダイポール照明用の開口絞り5bが図示されている。そして、第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面には、第1のダイポール照明用の開口絞り5aが設置されている。尚、本例においては、照明系開口絞り部材5aを用いて照明光学系ILSの瞳面での光量分布の調整を行っているが、米国特許6,563,567に開示されているような他の光学部材を用いて照明光学系ILSの瞳面での光量分布の調整を行ってもよい。
照明系開口絞り部材5中の開口絞り5aを通過した露光光ILは、反射率の小さいビームスプリッタ6に入射し、ビームスプリッタ6で反射された露光光は、集光レンズ(不図示)を介してインテグレータセンサ7に受光される。インテグレータセンサ7の検出信号は主制御系20に供給されおり、この検出信号に基づいて主制御系20は、露光光源1の出力を制御すると共に、必要に応じて不図示の減光機構を用いて露光光ILのパルスエネルギーを段階的に制御する。
ビームスプリッタ6を透過した露光光ILは、不図示のリレーレンズを経て視野絞り9の開口上に入射する。視野絞り9は、実際には固定視野絞り(固定ブラインド)及び可動視野絞り(可動ブラインド)から構成されている。後者の可動視野絞りは、レチクルRのパターン面(レチクル面)とほぼ共役な面に配置され、前者の固定視野絞りは、そのレチクル面との共役面から僅かにデフォーカスした面に配置されている。固定視野絞りは、レチクルR上の照明領域の形状を規定するために使用される。尚、ここでは固定視野絞りがレチクル面との共役面から僅かにデフォーカスしている場合を例に挙げて説明するが、共役面に配置されていても良い。可動視野絞りは、露光対象の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光が行われないように、レチクルR(又は、ウェハ)と同期して動き、その照明領域を遮るために使用される。また、固定視野絞りは走査露光のときに動かないけれども、必要に応じて照明領域の走査方向及び非走査方向の中心及び幅を規定するためにも使用される。
視野絞り9の開口を通過した露光光ILは、不図示のコンデンサレンズ、光路折り曲げ用のミラー10、及びコンデンサレンズ11を経て、レチクルRのレチクル面の照明領域を均一な照度分布で照明する。視野絞り9(固定視野絞り)の開口の通常の形状は、縦横比が1:3から1:4程度の長方形である。従って、視野絞り9の開口とほぼ共役なレチクルR上の照明領域の通常の形状も長方形である。
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウェハW上の一つのショット領域上の露光領域に投影される。その露光領域は、投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域と共役な長方形の領域である。ウェハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。
露光光ILの一部はウェハWで反射され、その反射光は投影光学系PL、レチクルR、コンデンサレンズ11、ミラー10、及び視野絞り9を順次経てビームスプリッタ6に戻り、ビームスプリッタ6で更に反射された光が集光レンズ(不図示)を介して反射量センサ(反射率モニタ)8で受光される。反射量センサ8の検出信号は主制御系20に供給されている。また、投影光学系PLの外部(例えば、投影光学系PLの±X側及び±Y側の計4箇所)には、気圧及び温度を計測するための環境センサ12が配置されており、各環境センサ12で計測された計測データも主制御系20に供給されている。
露光光源1、フライアイレンズ2,4、ミラー3,9、照明系開口絞り部材5、視野絞り9、及びコンデンサレンズ11等から照明光学系ILSが構成されている。照明光学系ILSは更に気密室としての不図示のサブチャンバに覆われている。露光光ILに対する透過率を高く維持するために、そのサブチャンバ内及び投影光学系PLの鏡筒内には、不純物を高度に除去したドライエアー(露光光がArFエキシマレーザの場合には窒素ガス、ヘリウムガス等も使用される)が供給されている。
また、本実施形態の投影光学系PLは屈折系であり、投影光学系PLを構成する複数の光学部材は、光軸AXを中心として回転対称な石英(露光光がArFエキシマレーザの場合には蛍石等も使用される)よりなる複数のレンズ、及び石英よりなる平板状の収差補正板等を含んでいる。そして、投影光学系PLの瞳面PP(照明光学系ILSの瞳面と共役な面)には開口絞り13が配置され、その瞳面PPの近傍に所定の光学部材としてのレンズLが配置されている。このレンズLには、露光光ILとは異なる波長域の非回転対称の収差補正用の照明光が照射される(詳細後述)。また、投影光学系PLには、回転対称な収差を補正するための結像特性補正機構14が組み込まれており、主制御系20が、制御部15を介して結像特性補正機構14の動作を制御する。
図2は、結像特性補正機構14の一例を示す図である。図2において、投影光学系PLの鏡筒内で、複数の光学部材中から選択された例えば5枚のレンズL1,L2,L3,L4,L5がそれぞれ3個の光軸方向に独立に伸縮自在の駆動素子14a,14b,14c,14d,14eを介して保持されている。レンズL1〜L5の前後には固定された不図示のレンズや収差補正板も配置されている。この場合、3個の駆動素子14a(図2では2個のみを図示している)は、ほぼ正3角形の頂点となる位置関係で配置されており、同様に他の3個ずつの駆動素子14b〜14eもそれぞれほぼ正三角形の頂点となる位置関係で配置されている。伸縮自在の駆動素子14a〜14eとしては、例えばピエゾ素子のような圧電素子、磁歪素子、又は電動マイクロメータ等を使用することができる。制御部15が、主制御系20からの制御情報に基づいて3個ずつの駆動素子14a〜14eの伸縮量を独立に制御することによって、5枚のレンズL1〜L5のそれぞれの光軸方向の位置、及び光軸に垂直な直交する2軸の回りの傾斜角を独立に制御することができる。これによって、投影光学系PLの結像特性中の所定の回転対称な収差を補正することができる。
例えば、レチクル又はウェハに近い位置のレンズL1,L5の光軸方向の位置や傾斜角を制御することによって、例えば歪曲収差(倍率誤差を含む)等を補正することができる。また、例えば投影光学系PLの瞳面に近い位置のレンズL3の光軸方向の位置を制御することによって、球面収差等を補正することができる。尚、図2の駆動対象のレンズL3は、図1の投影光学系PL内の収差補正用の照明光が照射されるレンズLと同一であってもよい。このように投影光学系PL内のレンズ等を駆動する機構については、例えば特開平4−134813号公報にも開示されている。また、投影光学系PL内の光学部材の代わりに、又はその光学部材と共に、図1のレチクルRの光軸方向の位置を制御して、所定の回転対称な収差を補正してもよい。更に、図1の結像特性補正機構14としては、例えば特開昭60−78454号公報に開示されているように、投影光学系PL内の所定の2つのレンズ間の密閉された空間内の気体の圧力を制御する機構を用いてもよい。
図1に戻り、レチクルRはレチクルステージRST上に吸着保持され、レチクルステージRSTは不図示のレチクルベース上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置及び回転角は、この上に設けられた移動鏡(不図示)及びレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値が主制御系20に供給されている。
投影光学系PLの上部側面には、レチクルRのパターン面(レチクル面)に斜めにスリット像を投影し、そのレチクル面からの反射光を受光してそのスリット像を再結像し、そのスリット像の横ずれ量からレチクル面のZ方向への変位を検出する斜入射方式のオートフォーカスセンサ(以下、「レチクル側AFセンサ」と言う)16が配置されている。レチクル側AFセンサ16による検出情報は、主制御系20に供給されている。また、レチクルRの周辺部の上方には、レチクルアライメント用のレチクルアライメント顕微鏡(不図示)が配置されている。
一方、ウェハWは、ウェハホルダ(不図示)を介してZチルトステージ17上に吸着保持され、Zチルトステージ17はウェハステージWST上に固定され、ウェハステージWSTは不図示のウェハベース上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動する。また、Zチルトステージ17は、ウェハWのZ方向の位置、及びX軸、Y軸の回りの傾斜角を制御する。ウェハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び回転角は、レーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値が主制御系20に供給されている。主制御系20は、その計測値及び各種制御情報に基づいてウェハステージWSTの位置及び速度を制御する。
投影光学系PLの下部側面には、ウェハWの表面(ウェハ面)に斜めに複数のスリット像を投影し、そのウェハ面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像し、それらのスリット像の横ずれ量からウェハ面のZ方向への変位(デフォーカス量)及び傾斜角を検出する斜入射方式のオートフォーカスセンサ(以下、「ウェハ側AFセンサ」と言う)18が配置されている。ウェハ側AFセンサ18による検出情報は、主制御系20に供給されており、主制御系20は、レチクル側AFセンサ16及びウェハ側AFセンサ18の検出情報に基づいて、常時ウェハ面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、オートフォーカス方式でZチルトステージ17を駆動する。
また、Zチルトステージ17上のウェハWの近くには、露光光ILの露光領域の全体を覆う受光面を備えた光電センサよりなる照射量センサ19が固定され、照射量センサ19の検出信号が主制御系20に供給されている。露光開始前又は定期的に、照射量センサ19の受光面を投影光学系PLの露光領域に移動した状態で露光光ILを照射して、照射量センサ19の検出信号をインテグレータセンサ7の検出信号で除算することによって、主制御系20は、ビームスプリッタ6から照射量センサ19(ウェハW)までの光学系の透過率を算出して記憶する。また、Zチルトステージ17上には、投影光学系PLの収差を測定する収差測定装置21が設けられている。収差測定装置21は、例えば特開2002―14005号公報(対応米国特許公開2002/0041377号)に開示されているような空間像センサを用いることができる。この収差測定装置21の測定結果は、主制御系20に供給されている。
更に、ウェハステージWSTの上方には、ウェハアライメント用のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ(不図示)が配置されており、上記のレチクルアライメント顕微鏡及びそのアライメントセンサの検出結果に基づいて、主制御系20はレチクルRのアライメント及びウェハWのアライメントを行う。露光時には、レチクルR上の照明領域に露光光ILを照射した状態で、レチクルステージRST及びウェハステージWSTを駆動して、レチクルRとウェハW上の一つのショット領域とをY方向に同期走査する動作と、ウェハステージWSTを駆動してウェハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。この動作によって、ステップ・アンド・スキャン方式でウェハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
〔主制御系の内部構成〕
図3は、主制御系20の内部構成、及び主制御系20と各種信号の授受を行う装置を示すブロック図である。図3に示す通り主制御系20は、結像特性演算部31、結像特性制御部32、露光量制御部33、ステージ制御部34、Zチルトステージ制御部35、コントローラ36、及びメモリ37を含んで構成される。
図3は、主制御系20の内部構成、及び主制御系20と各種信号の授受を行う装置を示すブロック図である。図3に示す通り主制御系20は、結像特性演算部31、結像特性制御部32、露光量制御部33、ステージ制御部34、Zチルトステージ制御部35、コントローラ36、及びメモリ37を含んで構成される。
結像特性演算部31は、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8の検出信号を用いて、レチクルRから投影光学系PLに入射する露光光ILの積算エネルギー、及びウェハWで反射されて投影光学系PLに戻る露光光ILの積算エネルギーを算出する。この結像特性演算部31には、コントローラ36から露光中の照明条件の情報も供給されている。また、結像特性演算部31は、照明条件、露光光ILの積算エネルギー、及び環境センサ12から供給される周囲の気圧、温度等の情報を用いて、投影光学系PLの結像特性中の回転対称な収差成分及び非回転対称な収差成分の変動量を算出する。
ここで、結像特性演算部31が投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量を算出する場合には、コントローラ36によってメモリ37から読み出された伝達関数(詳細は後述する)を用いて算出する。更に、収差測定装置21から測定結果が出力された場合には、その測定結果から投影光学系PLの結像特性中の回転対称な収差成分及び非回転対称な収差成分の変動量を算出する。
結像特性制御部32は、結像特性演算部31で算出された投影光学系PLの収差成分の変動量に基づいて、制御部15を介して結像特性補正機構14の動作を制御し、又は後述する非露光光照射機構40の動作を制御し、常に所望の結像特性が得られるように投影光学系PLの結像特性の変動量を抑制する。結像特性補正機構14により投影光学系PLの結像特性を補正する場合には、主制御系20内の結像特性制御部32からの制御情報に基づいて、制御部15が3個ずつの駆動素子14a〜14eの伸縮量を独立に制御することによって、5枚のレンズL1〜L5のそれぞれの光軸方向の位置、及び光軸に垂直な直交する2軸の回りの傾斜角を独立に制御し、これによって、投影光学系PLの結像特性中の所定の回転対称な収差が補正される。尚、非露光光照射機構40による投影光学系PLの結像特性の補正方法についての詳細は後述する。
露光量制御部33は、インテグレータセンサ7の検出信号と予め計測されているビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率とを用いてウェハW上での露光エネルギーを間接的に算出する。ここで、ビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率は、露光開始前又は定期的に、照射量センサ19の受光面を投影光学系PLの露光領域に移動した状態で露光光ILを照射して、照射量センサ19の検出信号をインテグレータセンサ7の検出信号で除算することによって求める。また、露光量制御部33は、ウェハW上での積算露光エネルギーが目標範囲内に収まるように、露光光源1の出力を制御すると共に、必要に応じて不図示の減光機構を用いて露光光ILのパルスエネルギーを段階的に制御する。
ステージ制御部34は、レチクルステージRST上に設けられた不図示のレーザ干渉計の計測値と各種制御情報とに基づいて、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。また、ウェハステージWST上に設けられた不図示のレーザ干渉計の計測値と各種制御情報とに基づいて、ウェハステージWSTの位置及び速度を制御する。また、Zチルトステージ制御部35は、レチクル側AFセンサ16及びウェハ側AFセンサ18の検出情報に基づいて、常時ウェハ面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、オートフォーカス方式でZチルトステージ17を駆動する。
コントローラ36は、結像特性演算部31、結像特性制御部32、露光量制御部33、ステージ制御部34、及びZチルトステージ制御部35を制御することで、露光装置の全体的な動作を制御する。詳細は後述するが、コントローラ36は、結像特性演算部31で算出される投影光学系PLの非回転対称収差が予め設定された許容値以下になるまで、所定の動作の実行を中止する制御を行う。
例えば、投影光学系PLの非回転対称収差が予め設定された許容値以下になるまでウェハWに対する露光動作を中断し、又は投影光学系PLの非回転対称収差が予め設定された許容値以下になるまで照明条件等の変更を遅らせる制御を行う。ここにいう、照明条件等の変更とは、投影光学系PLの像面に対する共役面(視野絞り9が配置されている面又はレチクル面等)における露光光ILの分布の変更、及び投影光学系PLの瞳面PP又はその共役面(照明系開口絞り部材5が配置されている位置等)における露光光ILの分布の変更を含む。
メモリ37は、投影光学系PLの少なくとも一部に入射する光の分布と投影光学系PLの少なくとも一部に入射する光のエネルギーと投影光学系PLの非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を記憶する。また、メモリ37は上記のウェハWに対する露光動作を中断するか否か、又は照明条件等の切り換えを行うか否かを判断するための許容値を記憶する。尚、ここでは投影光学系PLの非回転対称収差に関する伝達関数を主として説明するが、投影光学系PLの回転対称収差に関する伝達関数もメモリ37に記憶されていても良い。
メモリ37に記憶される伝達関数の一般式は、例えば以下の(1)式で表される。
但し、
F :露光光吸収によるフォーカス変化量
Δt:露光光吸収によるフォーカス変化量の計算間隔
Tk :露光光吸収によるフォーカス変化時定数
Fk :露光光吸収による時刻Δt前のフォーカス変化時定数
Ck :露光光吸収に対するフォーカス変化率の時定数
Rw :ウェハ反射率
α :ウェハ反射率依存性
Q :露光光の入射エネルギー
F :露光光吸収によるフォーカス変化量
Δt:露光光吸収によるフォーカス変化量の計算間隔
Tk :露光光吸収によるフォーカス変化時定数
Fk :露光光吸収による時刻Δt前のフォーカス変化時定数
Ck :露光光吸収に対するフォーカス変化率の時定数
Rw :ウェハ反射率
α :ウェハ反射率依存性
Q :露光光の入射エネルギー
上記(1)に示す伝達関数は、投影光学系PLに露光光ILを照射したときのフォーカス変動量を示す伝達関数である。照明条件(投影光学系PLに対する露光光ILの入射条件)に応じて上記(1)式中の変数Qを変えることにより、投影光学系PLの非回転対称収差の変動量を求めることができる。詳細は後述するが、ダイポール照明を行う場合には、投影光学系PLの瞳面においてX方向の異なる2箇所又はY方向の異なる2箇所に集中的に露光光ILが照明されるため、投影光学系PLの瞳面近傍に設けられたレンズLのX方向における曲率及びY方向における曲率が変化する。よって、照明条件に応じてX方向のフォーカス変動量とY方向のフォーカス変動量とを求めることによりセンターアスが求められることになる。
〔非回転対称な収差成分の説明〕
以上、本発明の露光装置の概略構成について説明したが、次にダイポール照明を行った際に投影光学系で生ずる非回転対称な収差成分について説明する。図4及び図5は、ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。まず、X方向に対応する方向に離れた2つの開口を持つ開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置される場合には、レチクルRに形成されている主な転写用のパターンは、一例として図4(a)に拡大して示す通り、Y方向に細長いラインパターンをX方向(非走査方向)にほぼ投影光学系PLの解像限界に近いピッチで配列してなるX方向のライン・アンド・スペースパターン(以下、「L&Sパターン」と言う)PVである。この際に、レチクルR上には通常、L&SパターンPVよりも大きい配列ピッチで配列方向がX方向及びY方向(走査方向)の別の複数のL&Sパターン等も形成されている。
以上、本発明の露光装置の概略構成について説明したが、次にダイポール照明を行った際に投影光学系で生ずる非回転対称な収差成分について説明する。図4及び図5は、ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。まず、X方向に対応する方向に離れた2つの開口を持つ開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置される場合には、レチクルRに形成されている主な転写用のパターンは、一例として図4(a)に拡大して示す通り、Y方向に細長いラインパターンをX方向(非走査方向)にほぼ投影光学系PLの解像限界に近いピッチで配列してなるX方向のライン・アンド・スペースパターン(以下、「L&Sパターン」と言う)PVである。この際に、レチクルR上には通常、L&SパターンPVよりも大きい配列ピッチで配列方向がX方向及びY方向(走査方向)の別の複数のL&Sパターン等も形成されている。
開口絞り5aを用いるX方向のダイポール照明では、レチクルが無いものとすると、図4(b)に示す通り、投影光学系PLの瞳面PPにおいて、光軸AXを挟んでX方向に対称な2つの円形領域IRxを露光光ILが照明する。また、露光光ILの光路に種々のレチクルパターンが配置された場合にも、通常は0次光の光量が回折光の光量に比べてかなり大きいと共に、回折角も小さいため、露光光IL(結像光束)の大部分は円形領域IRx又はその近傍を通過する。従って、露光を継続すると、その瞳面PP近傍のレンズLの温度分布は、光軸をX方向に挟む2つの円形領域IRxで最も高くなり、その周辺の領域に向かって次第に低くなる分布となり、この温度分布に応じてレンズLは熱膨張(熱変形)する。
この場合、レンズLをY方向及びX方向に見て変化を誇張した側面図はそれぞれ図4(c),(d)のようになる。これらの図において、露光光吸収前のレンズLの面形状を面Aとすると、露光光吸収後の熱膨張した面Bは、X軸に沿った方向(図4(c))では、広い範囲に亘って光軸を挟む2つの凸部ができるために屈折力が低下し、Y軸に沿った方向(図4(d))では局所的に中央部に1つの凸部ができるため屈折力が増加する。このように、X方向とY方向との屈折力に差が生ずるとセンターアスが生ずる。図6は、ダイポール照明により生ずるセンターアスを示す図である。図6に示す通り、投影光学系PLの像面は、X方向に開いた光束に対しては屈折力が低下するために下方(−Z方向)の像面IVとなり、Y方向に開いた光束に対しては屈折力が増加するために上方(+Z方向)の像面IHとなる。従って、光軸上での非点収差であるセンターアスΔZが発生する。尚、このセンターアスΔZは、上記の(1)式に示す伝達関数を用いて算出することができる。
センターアスが生じている状態で、仮にレチクルR上にX方向のL&SパターンPVの他に、Y方向に所定ピッチ(このピッチは通常はL&SパターンPVのピッチよりも大きい)で配列されたY方向のL&Sパターン(図示省略)が形成されているものとすると、X方向のL&SパターンPVを通過した露光光はX方向に拡がり、Y方向のL&Sパターンを通過した露光光はY方向に拡がる。従って、X方向のL&SパターンPVの像は図6の下方の像面IVに形成され、Y方向のL&Sパターンの像は図6の上方の像面IHに形成されるため、仮にウェハ面を像面IVに合わせ込むと、X方向のL&SパターンPVの像は高解像度で転写されるが、Y方向のL&Sパターンの像にはデフォーカスによるぼけが発生してしまう。
一方、図5(a)に拡大して示す通り、レチクルR上に主にX方向に細長いラインパターンをY方向(走査方向)にほぼ投影光学系PLの解像限界に近いピッチで配列してなるY方向のL&SパターンPHが形成されているものとする。この場合には、図1の照明光学系ILSの瞳面には開口絞り5aを90°回転した形状の開口絞り5bが設定される。この開口絞り5bを用いるY方向のダイポール照明では、レチクルが無いものとすると、図5(b)に示す通り、投影光学系PLの瞳面PPにおいて、光軸AXを挟んでY方向に対称な2つの円形領域IRyを露光光ILが照明する。この際に、露光光ILの光路に種々のレチクルパターンが配置されても、通常は大部分の露光光IL(結像光束)は円形領域IRy及びその近傍を通過する。そして、露光光ILの光路中に図5(a)のレチクルRが配置されると、解像限界に近いピッチのL&SパターンPHからの±1次回折光もほぼ円形領域IRy又はその近傍を通過するため、そのL&SパターンPHの像は高解像度でウェハW上に投影される。
この場合、図1の投影光学系PLの瞳面PPの近傍のレンズLに入射する露光光ILの光量分布もほぼ図5(b)の光量分布になる。従って、露光を継続すると、その瞳面PP近傍のレンズLの温度分布は、光軸をY方向に挟む2つの円形領域IRyで最も高くなり、その周辺の領域に向かって次第に低くなる分布となり、その分布に応じてレンズLは熱膨張する。そのため、投影光学系PLの像面は、図4の場合とはほぼ逆に、X方向に開いた光束に対しては屈折力が増加するために上方の像面IHの近傍となり、Y方向に開いた光束に対しては屈折力が低下するために下方の像面IVの近傍となり、図6の場合と逆符号でほぼ同じ大きさのセンターアスが発生する。尚、レチクルRがX方向(非走査方向)を長手方向とする長方形の照明領域で照明されているため、その照明領域に起因するセンターアスも図6のセンターアスと同じ符号で常に僅かに発生している。これに対して、図5(b)のダイポール照明で発生するセンターアスは、その長方形の照明領域に起因するセンターアスとは符号が逆になり、全体としてのセンターアスは図4(b)のダイポール照明を用いる場合よりも僅かに小さくなる。
これらのセンターアスは、非回転対称な収差であると共に、ダイポール照明によって他の非回転対称な収差(X方向とY方向との投影倍率差等)も発生するが、これらの非回転対称な収差は、図1の結像特性補正機構14では実質的に補正できない。また、他の非回転対称な照明条件を用いた場合にも、非回転対称な収差が発生する。更に、投影光学系PLの開口数と照明光学系ILSの開口数との比を表す照明σの値を、例えば0.4以下にする小σ照明を行う場合のように、照明光学系の瞳面(投影光学系PLの瞳面)での露光光ILの光量分布が半径方向に大きく変化する場合には、結像特性補正機構14では良好に補正しきれない高次の球面収差等の高次の回転対称な収差が発生する虞もある。そこで、本実施形態の露光装置では、その非回転対称な収差又は高次の回転対称な収差を補正するために、図1において、投影光学系PLの瞳面PP付近のレンズLに露光光ILとは異なる波長域の収差補正用の照明光(以下、「非露光光」と言う)LBを照射する非露光光照射機構40を備えている。以下、その非露光光LBをレンズLに照射するための非露光光照射機構40の構成、及びその収差の補正動作について詳細に説明する。
〔非露光光照射機構〕
本実施形態では、非露光光LBとして、ウェハWに塗布されたフォトレジストを殆ど感光しない波長域の光を使用する。このため、非露光光LBとして、一例として炭酸ガスレーザ(CO2レーザ)からパルス発光される例えば波長10.6μmの赤外光を使用する。尚、CO2レーザとして連続光を用いてもよい。この波長10.6μmの赤外光は、石英の吸収性が高く、投影光学系PL中の1枚のレンズによってほぼ全て(望ましくは90%以上)吸収されるため、他のレンズに対して影響を与えることなく収差を制御するために使用し易いという利点がある。また、本実施形態のレンズLに照射された非露光光LBは、90%以上が吸収されるように設定されている。尚、非露光光LBとしては、上記の赤外光以外にYAGレーザ等の固体レーザ光から射出される波長1μm程度の近赤外光、又は半導体レーザから射出される波長数μm程度の赤外光等も使用することができる。即ち、非露光光LBを発生する光源は、非露光光LBが照射される光学部材(レンズ等)の材料などに応じて最適なものを採用することができる。尚、図1等において、レンズLは凸レンズのように描かれているが、凹レンズであってもよい。
本実施形態では、非露光光LBとして、ウェハWに塗布されたフォトレジストを殆ど感光しない波長域の光を使用する。このため、非露光光LBとして、一例として炭酸ガスレーザ(CO2レーザ)からパルス発光される例えば波長10.6μmの赤外光を使用する。尚、CO2レーザとして連続光を用いてもよい。この波長10.6μmの赤外光は、石英の吸収性が高く、投影光学系PL中の1枚のレンズによってほぼ全て(望ましくは90%以上)吸収されるため、他のレンズに対して影響を与えることなく収差を制御するために使用し易いという利点がある。また、本実施形態のレンズLに照射された非露光光LBは、90%以上が吸収されるように設定されている。尚、非露光光LBとしては、上記の赤外光以外にYAGレーザ等の固体レーザ光から射出される波長1μm程度の近赤外光、又は半導体レーザから射出される波長数μm程度の赤外光等も使用することができる。即ち、非露光光LBを発生する光源は、非露光光LBが照射される光学部材(レンズ等)の材料などに応じて最適なものを採用することができる。尚、図1等において、レンズLは凸レンズのように描かれているが、凹レンズであってもよい。
図1の非露光光照射機構40において、光源系41から射出された非露光光LBは、ミラー光学系42によって複数(本実施形態では8個)の光路及び光電センサ43に向かう一つの光路に分岐される。光電センサ43で検出される非露光光LBの光量に対応する検出信号は、光源系41にフィードバックされている。また、その複数の光路の内の2つの光路の非露光光LBが、投影光学系PLをX方向に挟むように配置された2つの照射機構44a,44bを介してそれぞれ非露光光LBa,LBbとしてレンズLに照射される。
図7は、非露光光照射機構40の詳細な構成例を示す上面図である。図7において、図1の光源系41は、光源41a及び制御部41bから構成されている。光源41aから射出された非露光光LBは、それぞれ非露光光LBの光路を90°折り曲げる状態(閉じた状態)と非露光光LBをそのまま通過させる状態(開いた状態)との何れかに高速に切り換えることができる可動ミラーとしてのガルバノミラー45g,45c,45e,45a,45h,45d,45f,45bを経て光電センサ43に入射し、光電センサ43の検出信号が制御部41bに供給されている。ガルバノミラー45a〜45hが図1のミラー光学系42に対応する。制御部41bは、主制御系20からの制御情報に応じて光源41aの発光のタイミング、出力、及びガルバノミラー45a〜45hの開閉を制御する。
また、8個のガルバノミラー45a〜45hで順次光路が折り曲げられた非露光光LBは、それぞれ光ファイバー束46a〜46h(又は金属管等も使用できる)を介して照射機構44a〜44hに導かれている。8個の照射機構44a〜44hは同一構成であり、その内の照射機構44a,44bは、集光レンズ47と、所定の低い反射率を有するビームスプリッタ48と、光ファイバー束又はリレーレンズ系等からなる光ガイド部49と、集光レンズ51と、集光レンズ47及び光ガイド部49をビームスプリッタ48に固定する保持枠50とを備えている。
非露光光LBは、照射機構44a,44bからそれぞれ非露光光LBa,LBbとして投影光学系PL内のレンズLに照射される。この場合、第1の一対の照射機構44a,44bと、第2の一対の照射機構44c,44dとは、それぞれ投影光学系PLをX方向及びY方向に挟むように対向して配置されている。そして、第3の一対の照射機構44e,44fと、第4の一対の照射機構44g,44hとは、それぞれ照射機構44a,44bと照射機構44c,44dとを投影光学系PLの光軸を中心として時計回りに45°回転した角度で配置されている。そして、非露光光LBは、照射機構44c〜44hからそれぞれ非露光光LBc〜LBhとして投影光学系PL内のレンズLに照射される。
一対の非露光光LBa,LBbがレンズL上に照射される領域は、ほぼ図4(b)の光軸AXをX方向に挟む対称な円形領域IRxであり、一対の非露光光LBc,LBdがレンズL上に照射される領域は、ほぼ図5(b)の光軸AXをY方向に挟む対称な円形領域IRyである。また、非露光光LBe,LBf、及び非露光光LBg,LGhがレンズL上で照射される領域は、それぞれ図4(b)の対称な円形領域IRx、及び図5(b)の対称な円形領域IRyを光軸AXを中心として時計回りに45°回転した領域である。尚、非露光光LBa〜LBhが照射される光学部材、並びにその光学部材上での非露光光LBa〜LBhの照射領域の形状及びサイズは、実験やシミュレーションによりできるだけ非回転対称な収差が低減されるように決定される。
また、照射機構44a〜44hの各ビームスプリッタ48で反射された一部の非露光光をそれぞれ受光する光電センサ52a〜52hが設けられており、8個の光電センサ52a〜52hの検出信号も制御部41bに供給されている。制御部41bは、光電センサ52a〜52hの検出信号によって、照射機構44a〜44hから投影光学系PL内のレンズLに照射される直前の非露光光LBa〜LBhの光量を正確にモニタすることができ、このモニタ結果に基づいて非露光光LBa〜LBhの照射量の各々が例えば主制御系20によって指示された値になるようにする。投影光学系PLの直前で、光電センサ52a〜52hによって非露光光LBの照射量を計測することによって、光ファイバー束46a〜46hの長さ(光路長)が様々であっても、更に光学系等の経時変化の影響を受けることなく、レンズLに照射される非露光光LBa〜LBhの照射量を正確にモニタできる。
図8は、投影光学系PLの一部を断面とした正面図である。図8(a)に示す通り、照射機構44a,44bは、それぞれ投影光学系PLの鏡筒のフランジ部F内に設けられた開口Fa,Fb内に、レンズLに向かって僅かに斜め下方に傾斜するように配置されている。そして、照射機構44a,44bから射出される非露光光LBa,LBbは、露光光ILの光路に斜めに交差する方向にレンズLに入射する。図7の他の照射機構44c〜44hも同様に、図8(a)のフランジ部F内の開口に同じ傾斜角で配置されており、それらからの非露光光LBc〜LBhも露光光ILの光路に斜めに交差する方向にレンズLに入射する。これによって、非露光光LBa〜LBhのレンズL内での光路が長くなり、非露光光LBa〜LBhはレンズL内で殆どが吸収されると共に、投影光学系PLから殆ど射出されなくなる。尚、投影光学系PLの一部の光学部材(レンズL)のレンズ面、即ち露光光ILが入射(或いは射出)し得る領域に、投影光学系PLの他の光学部材を介さずに非露光光LBを照射しているので、レンズLの温度分布を、更には投影光学系PLの結像特性(非回転対称な収差)をより効果的に調整することが可能である。
尚、図8(b)は図8(a)の変形例であり、この図8(b)に示す通り、照射機構44a,44b(他の照射機構44c〜44hも同様)を、それぞれ投影光学系PLの鏡筒のフランジ部F内に設けられた開口Fc,Fd内に、レンズLに向かって僅かに斜め上方に傾斜するように配置して、非露光光LBa,LBbでレンズLの底面側を照明してもよい。この場合には、非露光光LBa〜LBhの投影光学系PLのウェハW側から漏れ出る量を更に低減することができる。
図7に戻り、光源系41a、制御部41b、ガルバノミラー45a〜45h、光ファイバー束46a〜46h、照射機構44a〜44h、及び光電センサ52a〜52hから非露光光照射機構40が構成されている。そして、例えば2つのX方向の非露光光LBa,LBbのみをレンズLに照射する場合には、ガルバノミラー45a〜45hを全部開いた状態(非露光光LBを通過させる状態)から、ガルバノミラー45aを所定時間だけ閉じる動作(非露光光LBを反射する状態)とガルバノミラー45bを所定時間だけ閉じる動作とを交互に繰り返せばよい。収差への影響が無い十分短い時間(例えば1msec)でガルバノミラーを切り換えることにより、収差への影響を無くすことができる。また、非露光光LBはパルス光であるため、ガルバノミラー45a〜45hの開閉動作は所定パルス数を単位として行ってもよい。同様に、2つのY方向の非露光光LBc,LBdのみをレンズLに照射する場合には、ガルバノミラー45cを所定時間だけ閉じる動作とガルバノミラー45dを所定時間だけ閉じる動作とを交互に繰り返せばよい。このようにガルバノミラー45a〜45hを用いることによって、非露光光LBの光量損失が殆ど無い状態でレンズLに効率的に照射することができる。
尚、図7の構成例では、レンズL上の8箇所の領域を非露光光LBで照明できるようにしているが、例えばレンズL上のX方向及びY方向の4箇所の領域のみを非露光光LBで照明できるようにしても、通常の用途で発生する殆どの収差を補正することができる。また、ガルバノミラー45a〜45hを用いる代わりに、例えば固定のミラー及びビームスプリッタを組み合わせて非露光光LBを8個の光束に分岐し、これらの光束をシャッタを用いて開閉してもよい。この構成では、複数箇所を同時に非露光光LBで照射することができる。更に、光源として例えば炭酸ガスレーザ又は半導体レーザを用いる場合には、レンズL上で必要な照射領域の個数(図7では8個)だけその光源を用意し、それらの光源の発光のオン・オフ若しくはシャッタによってレンズL上の照射領域を直接制御してもよい。
次に、上記構成における非露光光照射機構40を用いて投影光学系の非回転対称な収差を補正する方法について説明する。尚、ここでは、ダイポール照明の場合に生ずるセンターアスを補正する場合を例に挙げて説明する。図9は、非露光光照射機構を用いた投影光学系の非回転対称な収差の補正方法の一例を説明するための図である。図4(b)に示す通り、投影光学系PLの瞳面PP上で光軸AXをX方向に対称に挟む2つの円形領域IRxに露光光ILが照射される場合には、レンズL上の光軸AXをX方向に対称に挟む領域IRx及びその近傍の領域に露光光ILが照射される。図9(a)に示す通り、本実施形態では、ほぼその領域IRxを光軸AXの回りに90°回転した領域である、レンズL上でほぼ光軸AXをY方向に対称に挟む円形領域LRc,LRdにそれぞれ図7に示した非露光光LBc,LBdをそれぞれ照射する。尚、その非露光光LBc,LBd(他の非露光光も同様)の照射領域の形状やサイズは、例えば、図7において照射機構44c,44d内でのレンズ51の位置を光軸方向に可動とすることによって変えることも可能である。
露光光ILの照射領域を90°回転した領域を非露光光LBc,LBdで照射することにより、レンズLの温度分布は領域IRx及び領域LRc,LRdで高くなり、それから離れるに従って次第に低くなる分布となる。図9において、X軸及びY軸の原点を光軸AXとすると、レンズLの光軸AX及びX軸を含む面内の非走査方向に沿った断面図、及び光軸AX及びY軸を含む面内の走査方向に沿った断面図は共に図9(b)に誇張して示す通りになる。図9(b)に示す通り、レンズLの熱膨張の様子は、非走査方向及び走査方向共にその断面形状がほぼ中央部及びその左右で膨張した形状に近くなり、屈折率分布も中央部及びその左右でそれ以外の領域よりも大きく変化する。この結果、露光光ILのみを照明した場合の図4(c),(d)の変形と比べて、露光光IL及び非露光光LBc,LBdを照射したレンズLの変形の状態は、非走査方向及び走査方向で似た状態となるため、X方向及びY方向に開いた光束に対するフォーカス位置は互いにほぼ等しくなり、センターアスは殆ど発生しなくなる。つまり、非回転対称な収差が回転対称な収差に変更されることになる。回転対称な収差は、図2に示す結像特性補正機構14で補正することができるため、投影光学系PLの結像特性を厳密に制御することができる。
尚、非露光光を照射するレンズは、レンズLのように照明光学系ILSの瞳面と共役な投影光学系PLの瞳面の近傍のレンズとすると、センターアスの補正効果が大きくなる。このとき、瞳面近傍の複数のレンズに非露光光を照射してもよい。更に、照射対象の光学部材上で、露光光及び非露光光を合わせた照射領域ができるだけ回転対称に近い方が効果的である。但し、投影光学系PL中のどの位置の光学部材(レンズ等)に非露光光を照射しても、その照射量を制御することによって、ほぼ所望の範囲でセンターアスの補正効果を得ることができる。また、露光光と共に非露光光を照射することによって、センターアス以外の非回転対称な収差も減少する。
以上、ダイポール照明を行ったときに生じる非回転対称な収差を補正する方法について述べたが、ダイポール照明に限らず、照明系開口絞り部材5aや視野絞り9の設定を変更して、他の照明条件でレチクルRを照明する場合や、パターン分布が偏ったレチクルRを使用する場合にも非回転対称な収差が発生する可能性がある。また非回転対称な収差は、センターアスに限らず、照明条件やレチクルRのパターン特性などに応じて、X方向とY方向の投影倍率差や像シフトなどの非回転対称な収差が発生する可能性もある。また、以上の説明においては、非露光光照射機構40は、投影光学系PLの結像特性のうちのセンターアスを補正するように、投影光学系PLの瞳面付近のレンズLに非露光光LBを照射するようにしているが、非露光光LBを照射する光学部材、及びその光学部材上における非露光光LBの照射位置、形状、及びサイズは、照明条件や収差の種類などに応じて適宜変更することができる。
〔露光方法〕
次に、本発明の露光方法について説明する。主制御系20は、前述の非露光光照射機構40を使用するモードと使用しないモードとを選択することができるが、ここではまず、非露光光照射機構40による収差補正は行わない場合の露光方法について説明する。図10は、本発明の露光方法の一例を示すフローチャートである。尚、図10に示すフローチャートは、1枚のウェハWに対する露光処理を示すものであって、複数枚のウェハWに対して露光処理が継続される場合には、図10に示す処理が繰り返し行われる。
次に、本発明の露光方法について説明する。主制御系20は、前述の非露光光照射機構40を使用するモードと使用しないモードとを選択することができるが、ここではまず、非露光光照射機構40による収差補正は行わない場合の露光方法について説明する。図10は、本発明の露光方法の一例を示すフローチャートである。尚、図10に示すフローチャートは、1枚のウェハWに対する露光処理を示すものであって、複数枚のウェハWに対して露光処理が継続される場合には、図10に示す処理が繰り返し行われる。
露光動作が開始されると、まず主制御系20内の露光量制御部33(図3参照)が、コントローラ36の制御の下で、照射量センサ19の受光面が投影光学系PLの露光領域に配置されている状態で露光光源1に制御信号を出力して露光光ILを射出させ、照射量センサ19の検出信号とインテグレータセンサ7の検出信号を得て、これらの検出信号からビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率を求める。次いで、所定のレチクルRをレチクルステージRST上に搬送して保持するとともに、ウェハWをウェハステージWST上に搬送して保持する。
次に、主制御系20内のステージ制御部34がコントローラ36の制御の下でレチクルステージRST及びウェハステージWSTの各々に制御信号を出力して、レチクルRを移動開始位置に配置するとともに、ウェハWの最初に露光すべきショット領域を移動開始位置に移動する。尚、ここでは、X方向に対応する方向に離れた2つの開口を持つ開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置されており、投影光学系PLの瞳面PPにおいて、光軸AXを挟んでX方向に対称な2つの円形領域IRxに露光光ILが照明されるものとする。
以上の初期処理が終了すると、ステージ制御部34がレチクルステージRST及びウェハステージWSTの各々に制御信号を出力し、例えばレチクルステージRSTの+Y方向への加速を開始するとともに、ウェハステージWSTの−Y方向への加速を開始する。レチクルステージRST及びウェハステージWSTの加速を開始してから所定時間経過し、これらのステージの各々が一定速度になると、コントローラ36が露光量制御部33を制御して露光光源1から露光光ILを射出させる。
露光光源1から射出された露光光は、第1フライアイレンズ2、振動ミラー3、及び第2フライアイレンズ4等を順次介した後で照明系開口絞り部材5に形成された開口絞り5aを透過する。開口絞り5aを透過した露光光ILは、ビームスプリッタ6を介して視野絞り9でスリット状に整形され、ミラー10によって−Z方向に偏向された後、コンデンサレンズ11を介してレチクルR上に照射される。露光光ILは開口絞り5aによって整形されており、レチクルR上の照射領域はX方向に長いスリット状になる。
レチクルRを透過した露光光は、投影光学系PLを介してウェハW上の最初に露光すべきショット領域に照射され、これによってレチクルRに形成されたパターンの一部がウェハWの最初に露光処理すべきショット領域内の一部に転写される。露光光ILが照射されている間においては、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8から検出信号が出力されており、結像特性演算部31は、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8の検出信号を用いて、レチクルRから投影光学系PLに入射する露光光ILの積算エネルギー、及びウェハWで反射されて投影光学系PLに戻る露光光ILの積算エネルギーを算出する。
この、結像特性演算部31には、コントローラ36から露光中の照明条件(照明系開口絞り部材5や視野絞り9の設定状態等)の情報が供給されているとともに、メモリ37に記憶された伝達関数が読み出されて供給されており、結像特性演算部31は、照明条件、露光光ILの積算エネルギー、及び環境センサ12から供給される周囲の気圧、温度等の情報と伝達関数とを用いて、投影光学系PLの結像特性中の回転対称な収差成分及び非回転対称な収差成分の変動量を算出する。尚、投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量は、前述した(1)式を用いて算出する(ステップS10)。ここの算出された算出結果は、結像特性演算部31からコントローラ36へ出力される。
次に、コントローラ36は、メモリ37に記憶されている許容値を読み出し、ステップS10で算出された投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量が許容値を超えたか否かを判断する(ステップS11)。尚、この許容値は、照明条件及びレチクルRのパターン特性や要求されるパターンの転写精度等によって決められている。非回転対称な収差成分の変動量が許容値を超えていない場合(判断結果が「NO」の場合)には、レチクルステージRST及びウェハステージWSTを走査しつつ、ショット領域に対する露光処理を継続する(ステップS12)。次に、コントローラ36は、1つのショット領域(ここでは最初に露光すべきショット領域)に対する露光処理を終えたか否かを判断する(ステップS13)。この判断結果が「NO」の場合にはステップS10の処理に戻り、そのショット領域に対する露光処理を継続する。
ステップS13の判断結果が「YES」の場合には、コントローラ36は他に露光すべきショット領域が有るか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合には、コントローラ36はステージ制御部34を制御してウェハステージWSTを移動させ、次に露光すべきショット領域を露光開始位置に移動して、ステップS10の処理に戻る。つまり、ステップS11における判断結果が「NO」である場合、つまりステップS10で算出された投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量が許容値を超えていない場合には、ウェハW上に設定された複数のショット領域に対する露光処理が完了するまで、ステップS10〜S13、或いはステップS10〜S14の処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS10で算出された投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量が許容値を超えてステップS11の判断結果が「YES」になると、コントローラ36は、ショット領域の露光処理が終了したか否かを判断する(ステップS15)。この判断結果が「NO」の場合には、処理はステップS12に進み、そのショット領域に対する露光処理が継続される。つまり、投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量が許容値を超えた場合であっても、露光光ILがレチクルR及びウェハW上に照射されてパターンの転写が行われている最中は露光処理が継続される。
ショット領域に対する露光処理が終了し、ステップS15における判断結果が「YES」になると、コントローラ36は露光動作を中断する(ステップS16)。露光動作が中断されている間は、投影光学系PLに露光光ILが照射されないため、露光光ILの照射により変動した投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差が自然にもとに戻ることになる。コントローラ36が露光動作を中断している間、結像特性演算部31は前述した(1)式を用いて一定の計算間隔で投影光学系PLの非回転対称収差を算出しており(ステップS17)、コントローラ36はこの算出結果がメモリ37から読み出した許容値以下であるか否かを判断する(ステップS18)。尚、その計算間隔は、実験やシミュレーションに基づいて非回転対称な収差の時間変化(低下率)を考慮して設定してやればよく、照明条件などに応じて変更してもよい。
この判断結果が「NO」である場合には処理はステップS17に戻る。一方、ステップS18の判断結果が「YES」である場合には、コントローラ36はステージ制御部34、露光量制御部33等に制御信号を出力して露光動作を再開する(ステップS19)。露光動作が再開されると、コントローラ36は、まず他に露光すべきショット領域が有るか否かを判断し(ステップS14)、この判断結果が「YES」の場合は、処理はステップS10に戻り、判断結果が「NO」の場合にはそのウェハW上に設定されたショット領域の全てに対して露光処理が終えたため処理は終了する。
図11は、図10に示すフローチャートに従って露光処理を行った際の投影光学系の非回転対称収差の変動例を示す図である。図11において、符号AV0を付した曲線は従来の露光方法を行ったときの非回転対称収差の変動例を示しており、符号AV1を付した曲線は図10に示すフローチャートに従って露光処理を行った際の投影光学系の非回転対称収差の変動例を示している。
図11に示す通り、伝達関数を用いて投影光学系PLの非回転対称収差が許容値Thを超えたか否かを判断し、露光動作を中断しない場合には、時間が経つにつれて投影光学系PLの非回転対称収差が曲線AV0のように増大することが分かる。これに対し、図10に示すフローチャートに従って露光処理を行うと、投影光学系PLの非回転対称収差は曲線AV1に示すように許容値Thの近傍の値となり、許容値Thから大幅に大きく変動することはない。このため、投影光学系PLに生ずる非回転対称な収差成分を効率的に制御することができ、その非回転対称な収差が所定の許容値よりも小さい所望状態で露光動作を行うことができる。
尚、以上の説明においては、照明系開口絞り部材5に形成された開口絞り5aを用いて図4(b)に示すダイポール照明を行った場合について説明したが、他の照明条件のときに投影光学系PLで生ずる非回転対称な収差成分についても同様の方法で制御することができる。また、主制御系20は、図7に示す非露光光照射機構40を用いるモードを選択することもできる。非露光光照射機構40を用いる場合には、投影光学系PLの非回転対称な収差の変動をなくす、或いは収差の変動を小さくすることができる。
また、上述の実施形態においては、露光動作の中断を非回転対称な収差に基づいて判断しているが、回転対称な収差に基づく判断を併用してもよい。かかる場合には、回転対称な収差に対する許容値を設定するとともに、所定の伝達関数を用いた投影光学系PLの回転対称な収差の計算とそれに基づく結像特性補正機構14の補正動作を繰り返し行い、結像特性補正機構14の補正動作を実行しても回転対称な収差が所定の許容値以下にすることができない場合に露光動作を中断するのが望ましい。特に、非露光光照射機構40を用いる場合には、非回転対称な収差が回転対称な収差に変更され、回転対称な収差の変動が大きくなる場合があるため、露光動作中断の判断に、回転対称な収差の変動を併せて考慮することが望ましい。このようにすることで、投影光学系PLの結像特性を所望の状態にして露光動作を行うことができる。
また、露光動作を中断しているときは、非露光光照射機構40からの非露光光LBの照射は行ってもよいし、行わなくてもよい。例えば、非回転対称な収差が所定の許容値を超えたために露光動作を中断した場合には、非回転対称な収差をより短時間で小さくするために非露光光照射機構40から非露光光LBを投影光学系PLの一部の光学部材(例えばレンズL)に照射することができる。或いは回転対称な収差が所定の許容値を超えたために露光動作を中断した場合には、非露光光照射機構40からの非露光光LBの照射を行わずに、投影光学系PLの光学部材の温度が低下して、回転対称な収差が所定の許容値以下となるまで待つことができる。
尚、上記実施形態では、ウェハW上に設定された1つのショット領域に対する露光処理を終えて次のショット領域に対する露光処理を開始するまでの間に露光動作を中断する場合について説明した。しかしながら、1枚のウェハWに対する露光処理を終えてから次のウェハWに対する露光処理を開始するまでの間に露光処理を中断するようにしても良い。要は、上述の収差の許容値と露光不良(転写不良)となる収差と各ショットの露光に要する時間との関係に基づいて、露光動作の中断時期を決めればよい。例えば、上述の収差の許容値と露光不良となる収差との差が大きく、各ショットの露光時間が短ければ、先に述べたように、1枚のウェハWに対する露光処理を終えてから露光動作を中断し、次のウェハWに対する露光処理の開始を遅らせることができる。
〔他の露光方法〕
図12は、本発明の他の例を示すフローチャートである。図12のフローチャートは、1つのロットの露光終了後に照明条件を切り換えて次のロットのウェハを露光する場合の動作を説明するものである。図10を用いて説明した場合と同様に、ビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率が求められるとともに、レチクルR及びウェハWが搬送されてレチクルステージRST及びウェハステージWST上にそれぞれ保持され、例えばダイポール照明用の開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置される。以上の初期処理が終了すると、レチクルステージRST及びウェハステージWSTを走査して、レチクルRに形成されたパターンを、投影光学系PLを介してロット先頭のウェハW上の各ショット領域に転写する処理が行われる。
図12は、本発明の他の例を示すフローチャートである。図12のフローチャートは、1つのロットの露光終了後に照明条件を切り換えて次のロットのウェハを露光する場合の動作を説明するものである。図10を用いて説明した場合と同様に、ビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率が求められるとともに、レチクルR及びウェハWが搬送されてレチクルステージRST及びウェハステージWST上にそれぞれ保持され、例えばダイポール照明用の開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置される。以上の初期処理が終了すると、レチクルステージRST及びウェハステージWSTを走査して、レチクルRに形成されたパターンを、投影光学系PLを介してロット先頭のウェハW上の各ショット領域に転写する処理が行われる。
1枚のウェハWに対する露光処理が処理(ステップS20)が終了すると、コントローラ36は、そのロットに含まれるウェハWの全てに対して露光処理を終えたか否かを判断し(ステップS21)、この判断結果が「NO」の場合には、処理はステップS20に戻る。現在露光処理を行っているロットに含まれる全てのウェハWに対する露光処理を終えるまでステップS20,S21の処理が繰り返される。尚、この処理を行っている間にも前述した(1)式に示す伝達関数を用いて投影光学系PLの非回転対称収差を算出してショット領域毎又はウェハW毎に露光動作を中断するようにしても良い。
ステップS21の判断結果が「YES」になると、次に、主制御系20は、次のロットがあるか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22の判断結果が「NO」の場合には一連の露光処理が終了する。ステップS22の判断が「YES」になると、主制御系20は、次のロットのウェハを露光するために照明条件の切り換えが必要か否かを判断する(ステップS23)。ステップS23の判断結果が「NO」になると、ステップS20に戻り、次のロットの露光処理を開始する。ステップS23での判断結果が「YES」になると、主制御系20は、投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分(更に、必要であれば回転対称な収差成分)を算出する(ステップS24)。
次に、コントローラ36は、メモリ37に記憶されている照明条件切り換え用の切り換え許容値を読み出し、ステップS24で算出された投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差が切り換え許容値よりも大きいか否かを判断する(ステップS25)。ステップS25での判断結果が「NO」の場合には、次のロットのウェハを露光するための照明条件の切り換えを実行した(ステップS26)後、ステップS20に戻り、次のロットの露光処理を開始する。ステップS25での判断結果が「YES」になると、照明条件の切り換え動作をせずに、所定時間待機する(ステップ27)。その所定時間が経過すると、ステップS24に戻って非回転対称な収差成分の変動量が切り換え許容値よりも小さくなるまで、一定の計算間隔で非回転対称な収差の計算が繰り返される。尚、この計算間隔は、先の実施形態と同様に、実験やシミュレーションに基づいて非回転対称な収差の時間変化(低下率)を考慮して設定してやればよく、切り換え前の照明条件(第1照明条件)などに応じて変更してもよい。
図13は、図12に示すフローチャートに従って処理を行った際の投影光学系の非回転対称収差の変動例を示す図である。図13において、符号AV10を付した曲線が図13に示すフローチャートに従って露光処理を行った際の投影光学系の非回転対称収差の変動例を示している。まず、例えば開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置されて照明条件がダイポール照明(第1照明条件)に設定され、時刻t0から露光処理が開始される。
時刻t0〜t1の露光処理の最中においては、投影光学系PLの非回転対称収差は曲線AV10に示す通り徐々に大きくなるが、1つのロットに対する露光処理が終えた時点t1で投影光学系PLに対する露光光ILの照射が停止されるため、投影光学系PLの非回転対称収差は曲線AV10に示す通り徐々に小さくなる。但し、時刻t1では投影光学系PLの非回転対称収差は、切り換え閾値Th1よりも大きいため、ロットに対する露光処理を終えてから直ちに第1照明条件から第2照明条件への照明条件の切替を行うのではなく、投影光学系PLの非回転対称収差が切り換え閾値Th1以下になるまで(時刻t3になるまで)照明条件の切り換えが遅らされる。かかる制御を行うことで、投影光学系PLの非回転対称な収差が所定の許容値より小さくなった後に照明条件を切り換えるようにしているので、新たな照明条件の下で、次のロットのウェハに対する露光処理を直ちに開始することができる。また、照明条件毎に厳密に制御することができ、その結果としてロット不良を抑えることができる。
尚、上述の切り換え許容値(閾値)は、次の照明条件(第2の照明条件)がどのように設定されても、照明条件の切り換え動作後に直ちに露光処理を開始できるように設定されている。投影光学系PLの収差(特に、非回転対称な収差)の許容値は、照明条件に応じて異なる場合がある。例えば、主として図4(a)に示すL&SパターンPVからなるパターンを高解像度で転写する場合に設定される照明条件と、図4(a)に示すL&SパターンPVと図5(a)に示すL&SパターンPHとが混在するパターンを高解像度で転写する場合に設定される照明条件とでは、許容値が異なる。
しかしながら、本実施形態においては、いずれの許容値よりも照明条件の切り換え許容値を小さく設定しているので、照明条件の切り換え動作後に直ちに次のロットの露光処理を開始することができる。もちろん、第2の照明条件での投影光学系PLの収差の許容値に合わせて切り換え許容値を設定することもできる。この場合には、第2照明条件での収差の許容値が、第1照明条件での収差の許容値よりも大きい(緩い)場合に、切り換え動作の待ち時間を短くすることができる。
また、図12のフローチャートにおいては、照明条件の切り換え動作(照明系開口絞り部材5や視野絞り9の設定切り換え)を、非回転対称な収差が所定の許容値よりも小さくなるまで行わないようにしているが、照明条件の切り換えだけを先に行って、切り換え後の照明条件(第2照明条件)での露光動作を非回転対称な収差が所定の切り換え許容値よりも小さくなるまで行わない、すなわち中止するようにしてもよい。
尚、図12,13の実施形態においても、図7に示す非露光光照射機構40を用いて投影光学系PLの非回転対称な収差を効率的に補正することができる。また、図12のフローチャートにおいて、ステップS24で算出された非回転対称な収差が切り換え許容値よりも大きいと判断された場合に、非回転対称な収差が小さくなるように、非露光光照射機構40から非露光光LBを、投影光学系PLの一部の光学部材に照射してもよい。また、図12、13を用いて説明した実施形態において、回転対称の収差に関する照明条件の切り換え許容値を設定してもよい。
尚、以上説明した実施形態では、伝達関数を用いて投影光学系PLの非回転対称収差を算出する場合について説明したが、図1に示す収差測定装置21を用いて投影光学系のPLの非回転対称収差を実測するようにしても良い。収差測定装置21の測定結果を用いて露光動作の中断を行う場合には、ウエハWの交換毎や所定時間毎などに投影光学系のPLの収差(非回転対称な収差)の測定が行われる。
以上、本発明の実施形態による露光装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、伝達関数から投影光学系PLの収差を求め、又は収差測定装置21を用いて投影光学系PLの収差を測定し、これらの収差に対して許容値を設けていた。しかしながら、温度に対して許容値を設定しても良い。この場合、温度センサや赤外線センタなどを使って、投影光学系PLの少なくとも一部の光学部材の温度(温度分布)を計測することができる。
また、上述の実施形態においては、露光動作の中断や照明条件の切り換え動作の待機について主に説明したが、非回転対称な収差に基づく動作の中断や待機は、これらに限られず、例えば投影光学系PLを使って行われる各種の計測動作を非回転対称な収差に基づいて中断、待機するようにしてもよい。また、上述の実施形態においては、投影光学系PLの一部の光学部材に非露光光LBを照射して、投影光学系PLの非回転対称な収差を調整するようにしているが、調整方法はこれに限られず、特開平8−8178号に開示されている方法を、適宜選択して、あるいは適宜組み合わせて適用することができる。また、投影光学系PLを、屈折素子と反射素子とを含む構成としたり、反射素子のみからなる構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、本発明をステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、レチクルのパターンを一括して転写するステップ・アンド・リピート方式の露光装置(所謂、ステッパ)にも本発明を適用することができる。また、国際公開第99/49504号公報に開示されているような液浸法を用いる露光装置にも本発明を適用することができる。また、本発明の露光装置は、半導体素子の製造に用いられてデバイスパターンを半導体基板上へ転写する露光装置、液晶表示素子の製造に用いられて回路パターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも適用することができる。
〔デバイス製造方法〕
次に、本発明の実施形態による露光装置を半導体素子を製造する露光装置に適用し、この露光装置を用いて半導体素子を製造する方法について説明する。図14は、マイクロデバイスとしての半導体素子を製造する製造工程の一部を示すフローチャートである。図14に示す通り、まず、ステップS30(設計ステップ)において、半導体素子の機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS31(マスク製作ステップ)において、設計したパターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS32(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、本発明の実施形態による露光装置を半導体素子を製造する露光装置に適用し、この露光装置を用いて半導体素子を製造する方法について説明する。図14は、マイクロデバイスとしての半導体素子を製造する製造工程の一部を示すフローチャートである。図14に示す通り、まず、ステップS30(設計ステップ)において、半導体素子の機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS31(マスク製作ステップ)において、設計したパターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS32(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS33(ウェハ処理ステップ)において、ステップS30〜ステップS32で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS34(デバイス組立ステップ)において、ステップS33で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS34には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS35(検査ステップ)において、ステップS34で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図15は、図14のステップS33の詳細なフローの一例を示す図である。図15において、ステップS41(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS42(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS43(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS44(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS41〜ステップS44のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS45(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS46(露光工程)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクのパターンをウェハに転写する。次に、ステップS47(現像工程)においては露光されたウェハを現像し、ステップS48(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS49(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重にパターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS46)において上記の露光装置が備える投影光学系PLの非回転対称収差の制御が行われつつ、レチクルに形成されたパターンがウェハW上に転写される。このため、照明条件に応じて非回転対称収差又は回転対称収差が制御されるため、微細なパターンを忠実にウェハ上に転写することができ、その結果として製造不良が低減されて高い歩留まりでデバイスを製造することができる。
尚、本発明は、投影光学系PLとウェハWとの間を局所的に液体で満たす液浸露光装置、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置の何れの露光装置にも適用可能である。
5 照明系開口絞り部材(変更部材)
9 視野絞り(変更部材)
14 結像特性補正機構(結像特性制御手段、補正機構)
20 主制御系(制御システム)
21 収差測定装置
31 結像特性演算部(算出部)
36 コントローラ(判断部)
37 メモリ(記憶部)
40 非露光光照射機構(結像特性制御手段)
IL 露光光(照明光)
ILS 照明光学系(照明系)
PL 投影光学系
W ウェハ(基板、物体)
9 視野絞り(変更部材)
14 結像特性補正機構(結像特性制御手段、補正機構)
20 主制御系(制御システム)
21 収差測定装置
31 結像特性演算部(算出部)
36 コントローラ(判断部)
37 メモリ(記憶部)
40 非露光光照射機構(結像特性制御手段)
IL 露光光(照明光)
ILS 照明光学系(照明系)
PL 投影光学系
W ウェハ(基板、物体)
Claims (14)
- 基板上に露光光を照射することによって、前記基板を露光する露光装置において、
前記基板上にパターンの像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止する制御システムと
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記所定動作は、前記基板に対する露光動作を含むことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記制御システムは、前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光の分布と前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギーと前記投影光学系の非回転対称収差の変動量との関係を示す伝達関数を記憶する記憶部と、
前記投影光学系の少なくとも一部に入射する光のエネルギー又は当該エネルギーに相当する量を計測する計測装置の計測結果と前記記憶部に記憶された前記伝達関数とに基づいて前記投影光学系の非回転対称収差を算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記投影光学系の非回転対称収差が前記所定の許容値以下であるか否かを判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の露光装置。 - 前記制御システムは、前記投影光学系の非回転対称収差が前記所定の許容値よりも大きい場合に、前記基板の交換時及び前記基板上に設定された複数の区画領域の各々に対する露光処理の終了時の少なくとも一方の時点で前記所定動作を中断することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
- 前記所定動作は、前記投影光学系の像面に対する共役面における前記露光光の分布と、前記投影光学系の瞳面若しくはその共役面における前記露光光の分布との少なくとも一方の変更を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の露光装置。
- 前記パターンを照明するための照明系を更に備え、
該照明系は、前記投影光学系の瞳面と共役な面における露光光の分布、及び前記投影光学系の像面と共役な面における露光光の分布の少なくとも一方を変更する変更部材を含むことを特徴とする請求項5記載の露光装置。 - 前記投影光学系の収差を測定する収差測定装置を備えており、
前記制御システムは、前記収差測定装置の測定結果に基づいて前記投影光学系の非回転対称収差が前記所定の許容値以下であるか否かを判断する判断部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の露光装置。 - 前記投影光学系の結像特性を制御する結像特性制御手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の露光装置。
- 前記結像特性制御手段は、前記投影光学系の少なくとも一部に前記露光光の波長とは異なる波長の光ビームを照射して、前記投影光学系の結像特性を制御することを特徴とする請求項8記載の露光装置。
- 前記結像特性制御手段は、前記投影光学系の回転対称収差を補正する補正機構を有し、
前記露光光の波長と異なる波長の光ビームを照射して前記投影光学系の非回転対称収差を回転対称収差に変更して、前記補正機構で補正することを特徴とする請求項9記載の露光装置。 - 照明光をマスクに照射し、前記マスクのパターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光方法において、
前記投影光学系の非回転対称収差が所定の許容値以下になるまで所定動作の実行を中止することを特徴とする露光方法。 - 前記所定動作は、前記基板に対する露光動作を含むことを特徴とする請求項11記載の露光装置。
- 前記所定動作は、前記投影光学系の像面に対する共役面における前記露光光の分布と、前記投影光学系の瞳面若しくはその共役面における前記露光光の分布との少なくとも一方の変更を含むことを特徴とする請求項11又は請求項12記載の露光方法。
- 請求項1から請求項10の何れか一項に記載の露光装置、又は請求項11から請求項13の何れか一項に記載の露光方法を用いてデバイスのパターンを物体上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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