JP2006071057A - 車輪支持用軸受ユニットとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 取付フランジ17の取付面26の仕上加工を、乾式で、且つ、加工に伴って切粉を発生せずに行なえて、しかも加工後の回転バランスを良好にできる製造方法を実現する。
【解決手段】 車輪支持用軸受ユニットを組み立てた状態で、外輪6を固定し、ハブ8を回転させる。これと共に、上記取付フランジ17の反取付面31の一部にバックアップローラ30の外周面を当接させて、当該部分を支持する。そして、この状態で、上記取付面26のうち、上記バックアップローラ30と上記反取付面31との接触部に整合する部分に、成形用ローラ32の外周面を押し付ける。これにより、この押し付けた部分を塑性変形させる事に基づいて、上記取付面26の仕上加工を行なう。この様な仕上加工方法を採用する事により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車の車輪及び制動用回転部材を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用軸受ユニットとその製造方法とに関する。
自動車の車輪を構成するホイール1及び制動装置であるディスクブレーキを構成するディスク2は、例えば図4に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支持している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪支持用軸受ユニット5を構成する、静止輪である外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、上記車輪支持用軸受ユニット5を構成するハブ8に、上記ホイール1及びディスク2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。
上記外輪6の内周面には複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。この為に図示の例では、上記各ボルト7を、上記ナックル3の円周方向複数個所に形成した通孔13内に挿通すると共に、これら各ボルト7の先端部を、上記結合フランジ12の円周方向複数個所に形成したねじ孔14に螺合し、更に緊締している。
又、上記ハブ8は、ハブ本体15と内輪16とを組み合わせて成る。このうちのハブ本体15の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図3を除く各図の左側。反対に、自動車への組み付け状態で幅方向内側となる、図3を除く各図の右側を、軸方向に関して内と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)から突出した部分には、取付フランジ17を形成している。上記ホイール1及びディスク2は、この取付フランジ17の取付面26(図示の例では、外側面)に、上記各スタッド9とナット10とにより結合固定している。又、上記ハブ本体15の中間部外周面で、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分には、内輪軌道18aを直接形成している。更に、上記ハブ本体15の内端部に形成した小径段部19に、上記内輪16を外嵌固定している。そして、この内輪16の外周面に形成した内輪軌道18bを、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向させている。
又、上記各外輪軌道11a、11bと上記各内輪軌道18a、18bとの間には、それぞれが転動体である玉20、20を複数個ずつ、転動自在に設けている。尚、重量が嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、上記転動体として円すいころを使用する場合もある。更に、図示の例は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全輪)用の車輪支持用軸受ユニット5である為、上記ハブ本体15の中心部に、スプライン孔21を形成している。そして、このスプライン孔21に、等速ジョイント22のスプライン軸23を挿入している。
上述の様な車輪支持用軸受ユニット5の使用時には、図4に示す様に、外輪6をナックル3に固定すると共に、ハブ8の取付フランジ17に、ホイール1及びディスク2を固定する。又、このうちのディスク2と、上記ナックル3に固定した、図示しないサポート及びキャリパとを組み合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時には、上記ディスク2を挟んで設けた1対のパッドを、このディスク2の径方向外半部の両側面に設けた1対の制動用摩擦面24、24に押し付ける。
次に、図5は、従来から知られている車輪支持用軸受ユニットの第2例として、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用のものを示している。このディスク付車輪支持用軸受ユニットを構成する車輪支持用軸受ユニット5aは、従動輪用である為、ハブ8aを構成するハブ本体15aの中心部には、駆動軸であるスプライン軸を挿入する為のスプライン孔を設けていない。又、図示の例の場合、上記ハブ本体15aの小径段部19に外嵌した内輪16の内端面を、このハブ本体15aの内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部25により抑え付けている。その他の部分の構造及び作用は、上述の図5に示した第1例の場合と同様である。
次に、図6は、従来から知られている車輪支持用軸受ユニットの第3例として、やはり従動輪用のものを示している。この第3例の車輪支持用軸受ユニット5bは、外周面の外端寄り部分に取付フランジ17を有するハブ8bを、円筒状に構成している。これと共に、このハブ8bの内周面の中間部乃至内端部に、複列の外輪軌道11a、11bを形成している。又、このハブ8bの径方向内側に、それぞれが静止輪である1対の内輪16a、16bを設けている。そして、これら各内輪16a、16bの外周面に形成した各内輪軌道18a、18bと、上記各外輪軌道11a、11bとの間に玉20、20を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けている。
この様に構成する第3例の車輪支持用軸受ユニット5bを自動車に組み付ける場合には、懸架装置を構成する、使用時にも回転しない支持軸(図示せず)に、上記各内輪16a、16bを外嵌固定する。これと共に、これら各内輪16a、16bを、上記支持軸の中間部外周面に形成した段差面とこの支持軸の先端部に螺合したナットとの間で軸方向に挟持する事により、上記両内輪16a、16bの端面同士を当接させる事で、上記各玉20、20に予圧を付与する。又、上記取付フランジ17の取付面26に、ホイール1及びディスク2(図4参照)を固定する。
ところで、上述した様な各種構造の車輪支持用軸受ユニットの場合には、上記取付フランジ15の取付面26の回転振れ精度(回転に伴う軸方向の振れに関する精度)及び平面度が良好になっていないと、上記ディスク2を構成する1対の制動用摩擦面24、24の回転振れ精度を良好にする事が難しくなる。これら各制動用摩擦面24、24の回転振れ精度を良好にする事ができないと、制動時にジャダーと呼ばれる振動を伴った異音が発生する様になる為、好ましくない。そこで、この様な不都合が発生するのを防止する為に従来から、車輪支持用軸受ユニットを組み立てた後、静止輪を固定し、ハブを回転させた状態で、上記取付面26に旋削加工や研削加工を施す事により、この取付面26の回転振れ精度及び平面度を良好にする事が行なわれている(例えば、特許文献1〜2参照)。
ところが、この様な従来技術を実施すると、切削油や研削油、更には加工に伴って発生した切粉や砥石粉等の異物が、前記各玉20、20を設置した空間内に侵入する可能性がある。そして、侵入した場合には、この空間内に封入した潤滑グリースが早期に劣化したり、或は上記各玉20、20や前記各軌道11a、11b、18a、18bの表面が傷付いて、車輪支持用軸受ユニットの耐久性が低下する可能性がある為、好ましくない。従って、この様な不都合が発生しない様にすべく、上記従来技術を実施する場合には、上記異物が上記空間内に侵入するのを防止する為の設備を用意する必要がある。この結果、上記従来技術の場合には、この様な設備を用意する必要がある分、実施コストが嵩む。又、上記従来技術の場合には、上記取付面26の回転振れ精度及び平面度を良好にする為に、この取付面26を削る為、削った後の取付フランジ17の厚さ寸法が不均一になり、車輪支持用軸受ユニットの回転バランスが悪化する可能性がある。
米国特許第6,415,508号明細書 米国特許第6,071,180号明細書
本発明の車輪支持用軸受ユニットとその製造方法は、上述した様な事情に鑑み、車輪支持用軸受ユニットの耐久性や回転バランスを低下若しくは悪化させる事なく、取付フランジの取付面の回転振れ精度及び平面度を低コストで良好にできる様にすべく発明したものである。
本発明の対象となる車輪支持用軸受ユニットは、静止側周面に複列の静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に複列の回転側軌道を、外周面に車輪及び制動用回転部材を取り付ける為の取付フランジを、それぞれ有し、使用時に回転するハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備える。
本発明のうち、請求項1に記載した車輪支持用軸受ユニットの製造方法は、上記静止輪と上記ハブと上記各転動体とを互いに組み立てた後、この静止輪を固定し、このハブを回転させつつ、上記取付フランジの両側面のうち上記制動用回転部材を接触させない側面である反取付面の一部に、自身の中心軸周りに回転自在なバックアップローラの外周面を接触させて当該部分を支持する。これと共に、上記取付フランジの両側面のうち、上記制動用回転部材を接触させる側面である取付面の一部で、上記バックアップローラの外周面と上記反取付面との接触部に整合する部分に、自身の中心軸周りに回転自在な成形用ローラの外周面又は外周縁を押し付けて、当該部分を塑性変形させる。これにより、上記取付面の回転振れ精度及び平面度を良好にする。
又、本発明のうち、請求項6に記載した車輪支持用軸受ユニットに於いては、この車輪支持用軸受ユニットに設けた取付フランジの両側面のうちで、上記取付面を、上述した請求項1(或は後述する請求項2〜5の何れか)に記載した製造方法により加工している。
上述した様に、本発明の車輪支持用軸受ユニットとその製造方法の場合には、静止輪とハブと各転動体とを互いに組み立てた後、この静止輪を固定し、このハブを回転させつつ、取付面の加工を行なう。この為、前述した従来技術の場合と同様、この取付面の回転振れ精度及び平面度を良好にできる。特に、本発明の場合、上記取付面の加工は、この取付面の一部に成形用ローラの外周面を押し付けて、当該部分を塑性変形させる事により行なう。この様な取付面の加工は、乾式で(加工個所に油を供給する事なく)行なえるだけでなく、切粉や砥石粉を生じさせる事なく行なえる。この為、本発明の場合には、取付面の加工時に、複数個の転動体を設置した空間内に油や切粉等の異物が侵入する可能性をなくす事ができる。従って、本発明の場合には、この異物が侵入する事を防止する為の設備を用いる必要がなく、上記取付面の加工を低コストで行なえる。
又、本発明の場合には、上記取付面の回転振れ精度及び平面度を良好にする為に、取付フランジを削らず、この取付フランジをバックアップローラと成形用ローラとの間で塑性変形させる。この為、製造上不可避な寸法誤差や組付け誤差により、加工前の取付面の回転振れ精度や平面度が悪くなっていたとしても、加工後の取付フランジの厚さ寸法を全周に亙りほぼ均一にできる。従って、本発明の場合には、取付面を加工した後の車輪支持用軸受ユニットの回転バランスが悪化する事を防止できる。
更に、本発明の場合には、上記取付面に塑性加工を施す為、この取付面を硬化させる事ができ、しかもこの取付面の面粗度を小さくできる。
請求項1に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した様に、取付面に対する成形用ローラの外周面又は外周縁の接触部の幅寸法T1 を、反取付面に対するバックアップローラの外周面の接触部の幅寸法T2 よりも小さくする(T1 <T2 の関係を成立させる)。
この様にすれば、取付面に対する成形用ローラの外周面又は外周縁の接触面積S1 (接触面圧P1 )と、反取付面に対するバックアップローラの外周面の接触面積S2 (接触面圧P2 )との間に、差(S1 <S2 、P1 >P2 )を生じさせる事ができる。この結果、上記反取付面を塑性変形させずに、上記取付面だけを塑性変形させる事ができる。この場合、特に、上記取付面に対する上記成形用ローラの外周面又は外周縁の接触部の幅寸法T1 を、反取付面に対する上記パックアップローラの外周面の接触部の幅寸法T2 に比べて小さくする程、小さな加工荷重で上記取付面の加工を行なえる。又、上記反取付面に対する上記バックアップローラの外周面の接触部の幅寸法T2 を大きくする程、この反取付面を塑性変形させにくくできる。
又、より好ましくは、請求項3に記載した様に、取付フランジの取付面に成形用ローラの外周面又は外周縁を押し付けたまま、この押し付け位置を上記取付フランジの径方向に移動させる。
この様にすれば、上記取付面の加工を、小さな加工荷重で行なえる。
又、より好ましくは、請求項4に記載した様に、成形用ローラの外周面又は外周縁の径寸法D1 を、バックアップローラの外周面の径寸法D2 よりも小さくする(D1 <D2 の関係を成立させる)。
この様にすれば、やはり、上述の請求項2に記載した発明の場合と同様、取付面に対する成形用ローラの外周面又は外周縁の接触面積S1 (接触面圧P1 )と、反取付面に対するバックアップローラの外周面の接触面積S2 (接触面圧P2 )との間に、差(S1 <S2 、P1 >P2 )を生じさせる事ができる。この結果、上記反取付面を塑性変形させずに、上記取付面だけを塑性変形させる事ができる。この場合、特に、上記成形用ローラの外周面又は外周縁の径寸法D1 を小さくする程、小さな加工荷重で上記取付面の加工を行なえる。又、上記バックアップローラの外周面の径寸法D2 を大きくする程、上記反取付面を塑性変形させにくくできる。
又、更に好ましくは、請求項5に記載した様に、取付フランジの取付面の径方向一部に全周に亙り、径方向の幅寸法がバックアップローラの外周面の幅寸法よりも小さい円環状の突出部を設け、この突出部の軸方向端面を成形用ローラにより加工する。
この様にすれば、上記取付面の被加工領域を小さくできる(被加工領域を上記突出部の軸方向端面だけにできる)為、この取付面の加工時間を短くできる。又、この取付面の加工を行なう際には、この取付面のうち上記突出部の軸方向端面のみが成形用ローラの外周面又は外周縁と接触する為、これら取付面と成形用ローラの外周面又は外周縁との接触面積を小さく(接触面圧を大きく)できる。従って、小さい加工荷重で上記取付面を加工できる。
図1は、請求項1〜4及び6に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、取付フランジ17の取付面26の仕上加工方法にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図4に示した従来構造の場合とほぼ同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合には、上記取付面26に仕上加工を施す為に、先ず、図1に示す様に、この取付面26に仕上加工を施す前のハブ本体15と、内輪16と、外輪6と、複数個の玉20、20とを、互いに組み立てる。そして、この状態で、上記外輪6の内端部外周面をチャック27により把持する事により、この外輪6を固定する。又、上記ハブ本体15のスプライン孔21に駆動軸28の先端部に設けた雄スプライン部29を係合させた状態で、この駆動軸28を回転させる事により、上記ハブ本体15及び内輪16(ハブ8)を、上記外輪6に対して回転させる。又、この状態で、中心軸α周りに回転自在であり、且つ、この中心軸αを上記取付フランジ17の径方向(図1の上下方向)に一致させたバックアップローラ30の外周面(円筒面)を、上記取付フランジ17の反取付面31(内側面)の円周方向一部に十分に大きな支持力で(例えば適切な予圧力で)転がり接触させる事により、当該部分を、図1の右方への変位を防止する程度に大きな剛性で支持する。
そして、この状態で、中心軸β周りに回転自在であり、且つ、この中心軸βを上記取付フランジ17の径方向に一致させた成形用ローラ32の外周面(円筒面)を、上記取付フランジ17の取付面26のうち、上記バックアップローラ17の外周面と上記反取付面31との接触部に整合する(ハブ本体15の軸方向に対向する)部分に押し付ける(強く転がり接触させる)事により、当該部分を塑性変形させる。更に本実施例の場合には、この様に押し付けたままの状態で、上記成形用ローラ32を上記取付フランジ17の径方向に(例えば図1に矢印Aで示す様に、径方向外端部から径方向内端部に向けて)所定の送り速度で移動させる事により、上記取付面26の全体(又は制動用回転部材を接触させる一部の環状領域)に塑性加工を施す。これにより、この塑性加工を施した部分を、回転振れ精度及び平面度が良好な平面に仕上げる。尚、上述の様に成形用ローラ32を径方向に移動させる際には、この成形用ローラ32と上記バックアップローラ30との整合関係が維持される様に、必要に応じて上記バックアップローラ30も径方向に移動させる。又、これら成形用ローラ32及びバックアップローラ30は、上記取付フランジ17の径方向に関して往復移動させる様にしても良い。
尚、上述の様にして成形用ローラ32により取付面26の塑性加工を行なえる様にする為に、本実施例の場合には、上記成形用ローラ32と上記バックアップローラ30との寸法を規制している。具体的には、上記成形用ローラ32の外周面の幅寸法W1 (上記取付面26に対するこの外周面の接触部の幅寸法T1 )及び径寸法D1 を、それぞれ上記バックアップローラ30の外周面の幅寸法W2 (上記反取付面31に対するこの外周面の接触部の幅寸法T2 )及び径寸法D2 よりも小さく{W1 <W2 (T1 <T2 )、D1 <D2 }している。これにより、上記取付面26に対する上記成形用ローラ32の外周面の接触面積S1 (接触面圧P1 )と、上記非取付面31に対する上記バックアップローラ30の外周面の接触面積S2 (接触面圧P2 )との間に、差(S1 <S2 、P1 >P2 )を持たせている。そして、この様な差を持たせる事により、上記バックアップローラ30の外周面を当接させた上記反取付面31の一部で塑性変形が起こらない様に(又は起こりにくく)し、上記成形用ローラ32の外周面を当接させた上記取付面26の一部でのみ(又は主としてこの一部に)塑性変形が起こる様にしている。
上述した様に、本実施例の車輪支持用軸受ユニットとその製造方法の場合には、外輪6とハブ8と複数個の玉20、20とを互いに組み立てた後、この外輪6を固定し、このハブ8を回転させつつ、取付面26の加工を行なう。この為、前述した従来技術の場合と同様、この取付面26の回転振れ精度及び平面度を良好にできる。特に、本実施例の場合には、この取付面26の加工を、この取付面26の一部に成形用ローラ32の外周面を押し付けて、当該部分を塑性変形させる事により行なう。この様な取付面26の加工は、乾式で(加工個所に油を供給する事なく)行なえる。又、この取付面26の加工時に、切粉や砥石粉が生じる事はない。この為、本実施例の場合には、上記取付面26の加工時に、上記各玉20、20を設置した空間内に上記油や切粉等の異物が侵入する可能性がない。従って、本実施例の場合には、この異物が侵入する事を防止する為の設備を用いる必要がなく、上記取付面26の加工を低コストで行なえる。
又、本実施例の場合には、上記取付面26の回転振れ精度及び平面度を良好にする為に、取付フランジ17を削らず、この取付フランジ17をバックアップローラ30と成形用ローラ32との間で塑性変形させる。この為、製造上不可避な寸法誤差や組付け誤差により、加工前の取付面26の回転振れ精度や平面度が悪くなっていたとしても、加工後の取付フランジ17の厚さ寸法を全周に亙りほぼ均一にできる。従って、本実施例の場合には、上記取付面26を加工した後の車輪支持用軸受ユニットの回転バランスが悪化する事を防止できる。更に、本実施例の場合には、上記取付面26に塑性加工を施す為、この取付面26を硬化させる事ができ、しかもこの取付面26の面粗度を小さくできる。
次に、図2は、やはり請求項1〜4及び6に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、外輪6は、支持台の如き外輪固定具33に対し、ボルト34により結合固定している。又、ハブ8を回転駆動する駆動軸28aは、この駆動軸28aの先端面を上記ハブ8の外端部に設けた円孔35の底面36に摩擦係合させる事により、このハブ8に対し回転力の伝達を自在としている。
又、本実施例の場合には、取付フランジ17の取付面26に当接させる成形用ローラ32aの外周縁の幅寸法W1 及び径寸法D1 を、上述の図1に示した実施例1の場合よりも小さくしている。特に、上記幅寸法W1 を小さくする為に、上記成形用ローラ32aの外周面を山形の凸面とし、この外周面の幅方向中央部に存在する幅の狭い端縁(外周縁)のみを、上記取付面26に押し付ける様にしている。尚、上記成形用ローラ32aの外周縁は、断面円弧状の凸曲面とする事もできる。この様に構成する本実施例の場合には、上記成形用ローラ32aを、上記取付フランジ17の径方向に、少しずつ移動させつつ、上記取付面26を加工する。本実施例では、この取付面26に対する上記成形用ローラ32aの外周縁の接触面圧P1 を十分に大きくできる為、小さな加工荷重で上記取付面26の塑性加工を行なえる。又、上記接触面圧P1 よりも、上記取付フランジ17の非取付面31に対するバックアップローラ30の外周面の接触面圧P2 を十分に大きくできる為、上記非取付面31側で塑性変形が起こる事をより確実に防止できる。尚、本実施例の場合、上記取付面26の塑性加工を行なう際には、上記成形用ローラ32aの中心軸βを上記取付フランジ17の径方向に対して傾斜させた状態で、この成形用ローラ32aの外周縁を上記取付面26に押し付ける事もできる。この場合には、この成形用ローラ32aの外周縁を、断面円弧形の凸曲面とする事が好ましい。その他の構成及び作用は、上述した実施例1の場合と同様である。
次に、図3は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合、取付フランジ17aの取付面26aの径方向中間部で、スタッド9(図4参照)の各取付孔37、37の開口部を含む円輪状の領域に、凹部38を形成している。これにより、上記取付面26aのうち、上記凹部38の径方向両側部分(図3に斜格子を付して示した部分)に、それぞれこの凹部38の底面よりも軸方向に突出する突出部39、40を設けている。尚、このうちの径方向外側の突出部39の幅寸法W3 は、上記取付面26aの仕上加工を行なう際に使用するバックアップローラ30の外周面の幅寸法W2 (図1〜2参照)よりも小さく(W3 <W2 )している。そして、本実施例の場合には、上述の様な各突出部39、40を設ける事により、上記取付面26aのうち、これら各突出部39、40に対応する部分にのみ、制動用回転部材が接触する様にしている。これに伴い、本実施例の場合には、上記取付面26aのうち、上記各突出部39、40に対応する部分にのみ、成形用ローラによる仕上加工を施す様にしている。
この様な本実施例の場合、上記成形用ローラによる上記取付面26aの被加工領域を、小さくできる(上記各突出部39、40に対応する部分のみにできる)。この為、上記取付面26aの仕上加工時間を短くできる。又、上記成形用ローラとして、外周面の幅寸法W1 が、上記径方向外側の突出部39の幅寸法W3 よりも大きいものを使用する場合には、この成形用ローラにより上記取付面26aの径方向外側部分の仕上加工を行なう際に、上記径方向外側の突出部39の先端面のみが、上記成形用ローラの外周面に接触する様になる。この結果、この接触部の面圧が大きくなる為、小さい加工荷重で上記突出部39の先端面の仕上加工を行える。その他の構成及び作用は、上述した実施例1〜2の場合と同様である。
本発明の実施例1を示す断面図。 同実施例2を示す断面図。 同実施例3を示す、ハブの軸方向外側から見た図。 従来から知られている車輪支持用軸受ユニットの第1例を、車輪及び制動用回転部材を取り付けた状態で示す断面図。 同第2例を、制動用回転部材を取り付けた状態で示す断面図。 同第3例を示す断面図。
符号の説明
1 ホイール
2 ディスク
3 ナックル
4 支持孔
5、5a、5b 車輪支持用軸受ユニット
6 外輪
7 ボルト
8、8a、8b ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 結合フランジ
13 通孔
14 ねじ孔
15、15a ハブ本体
16、16a、16b 内輪
17、17a 取付フランジ
18a、18b 内輪軌道
19 小径段部
20 玉
21 スプライン孔
22 等速ジョイント
23 スプライン軸
24 制動用摩擦面
25 かしめ部
26、26a 取付面
27 チャック
28、28a 駆動軸
29 雄スプライン部
30 バックアップローラ
31 反取付面
32、32a 成形用ローラ
33 外輪固定具
34 ボルト
35 円孔
36 底面
37 取付孔
38 凹部
39 突出部
40 突出部

Claims (6)

  1. 静止側周面に複列の静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に複列の回転側軌道を、外周面に車輪及び制動用回転部材を取り付ける為の取付フランジを、それぞれ有し、使用時に回転するハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備えた車輪支持用軸受ユニットの製造方法であって、上記静止輪と上記ハブと上記各転動体とを互いに組み立てた後、この静止輪を固定し、このハブを回転させつつ、上記取付フランジの両側面のうちで上記制動用回転部材を接触させない側面である反取付面の一部に、自身の中心軸周りに回転自在なバックアップローラの外周面を接触させて当該部分を支持すると共に、上記取付フランジの両側面のうち上記制動用回転部材を接触させる側面である取付面の一部で、上記バックアップローラの外周面と上記反取付面との接触部に整合する部分に、自身の中心軸周りに回転自在な成形用ローラの外周面又は外周縁を押し付けて当該部分を塑性変形させる事により、上記取付面の回転振れ精度及び平面度を良好にする、車輪支持用軸受ユニットの製造方法。
  2. 取付面に対する成形用ローラの外周面又は外周縁の接触部の幅寸法T1 が、反取付面に対するバックアップローラの外周面の接触部の幅寸法T2 よりも小さい、請求項1に記載した車輪支持用軸受ユニットの製造方法。
  3. 取付フランジの取付面に成形用ローラの外周面又は外周縁を押し付けたまま、この押し付け位置を上記取付フランジの径方向に移動させる、請求項2に記載した車輪支持用軸受ユニットの製造方法。
  4. 成形用ローラの外周面又は外周縁の径寸法D1 が、バックアップローラの外周面の径寸法D2 よりも小さい、請求項1〜3の何れかに記載した車輪支持用軸受ユニットの製造方法。
  5. 取付フランジの取付面の径方向一部に全周に亙り、径方向の幅寸法がバックアップローラの外周面の幅寸法よりも小さい円環状の突出部を設け、この突出部の軸方向端面を成形用ローラにより加工する、請求項1〜4の何れかに記載した車輪支持用軸受ユニット。
  6. 静止側周面に複列の静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に複列の回転側軌道を、外周面に車輪及び制動用回転部材を取り付ける為の取付フランジを、それぞれ有し、使用時に回転するハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備えた車輪支持用軸受ユニットに於いて、上記取付フランジの両側面のうちで、上記車輪及び制動用回転部材を取り付ける取付面を、請求項1〜5の何れかに記載した製造方法により加工した事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
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