JP2006004955A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェット洗浄処理後に行われる乾燥処理で、基板を迅速かつ確実に乾燥できるようにした基板処理装置、並びに、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を、例え硬質な膜であっても、急勾配なエッジプロファイルを得た状態で、短時間で除去でき、しかも、不要な薄膜を除去した後のベベル部乃至エッジ部における表面粗さを小さく抑えることができるようにする。
【解決手段】 本発明の基板処理装置は、基板Wを保持する基板ホルダ22と、基板ホルダ22で保持した基板Wの表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部32,36とを有する。本発明の基板処理システムは、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を研磨する研磨装置と、研磨装置による研磨後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去するエッチング装置とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に係り、特にウェット(湿式)洗浄処理を施した基板表面の水分を除去する乾燥機構を備えた基板処理装置、及び基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を効率よく除去できるようにした基板処理装置及び基板処理方法に関する。
本発明はまた、特に基板のウォータマーク等の発生を抑制することができるようにした基板処理装置及び基板処理方法に関する。
半導体装置の製造における各処理工程にあっては、半導体ウェハ等の基板に各種の処理を施した後、ウェット洗浄処理を行い、この洗浄処理の最後に、基板表面の水分を完全に除去する目的で乾燥処理を行ことが広く行われている。この乾燥処理として、基板を高速で回転させ、その遠心力で基板上の水分を除去するスピン乾燥が、一般的な乾燥法として普及している。
半導体ウェハ等の基板の大口径化に伴い、基板の洗浄・乾燥処理方式は、従来のバッチ式から枚葉式が主流になってきている。この枚葉式スピン洗浄及び乾燥処理を行う基板処理装置は、一般に、基板を基板ホルダで略水平に保持し、この基板ホルダを回転駆動機構により高速で回転させるように構成されている。この基板処理装置による基板処理は、まず、基板を回転させた状態で該基板の表面に薬液が供給されて薬液処理工程が行われ、その後、純水(DIW)等の洗浄液が供給されて洗浄工程(リンス洗浄工程)が行われる。この洗浄工程後の基板の表面には、洗浄液であるDIW等が付着して残留しているので、そのDIW等を除去するために基板を高速回転させる乾燥工程(スピン乾燥工程)が行われる。
通常、枚葉式スピン洗浄による薬液洗浄やリンス洗浄においては、薬液やDIW(処理液)が基板の全面に行き渡るように、基板の回転速度を数百rpm程度とすることが多い。またそれに続く乾燥処理においては、基板に付着した目視可能な液滴だけでなく、サブミクロン径の微小な液滴も速やかに除去するため、基板の回転速度を1000rpm〜4000rpm程度の高速とすることが多い。
図1は、従来の基板処理における基板回転速度のプロファイルの一例を示す。図1に示すグラフにおいて、横軸は基板乾燥工程の開始からの経過時間(秒)であり、縦軸は基板回転速度(rpm)である。これら横軸と縦軸の変数は、以下の他の基板処理における基板回転速度プロファイルを示す図においても同じである。図1に示す基板回転速度プロファイルでは、薬液処理工程及び洗浄工程での基板回転速度を500rpmとし、乾燥工程において、乾燥工程の開始時の基板回転速度500rpmから最大回転速度である2500rpmまで、回転加速度1000rpm/s(約16.7sec−2)で急激に回転速度を上昇させている。
ところで、HF等で処理した後の基板のシリコン表面やlow−k膜の表面は、疎水表面になっており、基板のスピン乾燥中に基板から飛散した基板処理液の液滴が基板の周囲に設置された飛散防止カップ等の内壁に衝突して細分化されてミスト状になる。そして、このミスト状の液滴が疎水表面に飛散して再付着することにより、シリコン酸化物を成分とする所謂ウォータマークが形成されやすいという問題があった。特に、基板乾燥工程の開始時においては、基板表面に多量の基板処理液が残された状態であるため、基板回転速度を急速に加速・上昇させると多量の液体が遠心力で振り飛ばされて、ウォータマークが大量に発生する原因となってしまう。
従来の基板乾燥工程においては、図1で示したように、基板洗浄工程が終了して基板乾燥工程に移行した際に、基板回転速度が急激に高速になるように加速していたため、ウォータマークの発生を防ぐことができなかった。これに対する対応策として、基板を比較的低速で回転させることで、液滴の跳ね返りが少ない状態で基板表面に付着した液体の大部分を除去した後、高速回転に移行させて微小な液滴を除去するという基板乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
また、半導体装置の製造工程では、基板の表面に薄膜を形成するための薄膜形成工程が行われ、この薄膜を形成する方法として、スパッタリングやCVD(化学気相成長)、めっきなどの方法が一般に用いられている。これらの方法を用いて基板の表面に薄膜を形成した場合、一般に、基板の全面に薄膜が形成されるが、半導体ウェハなどの基板において薄膜の形成が必要とされるのは、基板の片側の面、特に回路形成部のみである。このように、基板の全面または薄膜が必要とされない基板のベベル部乃至エッジ部に薄膜が形成されると、例えば、基板の搬送の際に搬送ロボットハンドを介して他の基板に薄膜が付着してしまったり、基板から剥れた薄膜が拡散したりしまうことがあり、他の各種工程の処理環境を汚染する、いわゆるクロスコンタミネーションの原因ともなってしまう。このため、基板製造工程においては、薄膜形成後に、これらの不要な薄膜を除去する処理工程が行われている。
基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を除去する処理方法としては、基板のベベル部乃至エッジ部にエッチング液(薬液)を供給して薄膜を選択的にエッチング除去するエッチング処理や、基板のベベル部乃至エッジ部に研磨具を押付けて薄膜を研磨除去する研磨処理が一般に行われている。
特開2003−92280号公報
従来のスピン乾燥にあっては、ミクロンからサブミクロン以下の径の水滴を基板上から除去することが難しく、特にフッ酸溶液処理後のような疎水性の表面や、表面に微細なパターンが形成されているような場合には、このような水滴が残留しているところだけ酸化が進行してウォータマークが生じたり、素子(形成予定)部が変質したりすることがある。
上記のように、基板乾燥工程で基板の回転速度を低速から高速に移行させても、この移行させる際の回転加速度を大きくすると、回転速度が急激に増加するため、やはり多量の液体が遠心力で振り飛ばされてウォータマークが大量に発生する原因となってしまう。また、基板乾燥工程における低速での回転速度が小さいと、この低回転速度の段階で基板の表面に付着した液体が十分に除去されない。すると、低回転速度から高回転速度まで急速に加速した場合には、基板表面に残留する液体が十分に除去されない段階で高回転速度に到達してしまう。このため、残留する液体が強い遠心力で振り飛ばされて跳ね返りウォータマークの発生の原因となってしまう。
疎水性であることが多い低誘電率材や、親疎水混合面では、特にウォータマークの発生が顕著となり、製造工程上大きな問題となる。
なお、スピン乾燥以外の乾燥方法の一つである真空乾燥方式で基板を乾燥すれば液跳ねの問題は生じないが、装置に機密性が必要になり、しかも真空ポンプなどの付帯装置が別途必要となる。また加熱のみによる乾燥では、乾燥処理に時間を要し、基板に形成された膜を変質させる可能性もある。
装置内の雰囲気は、比較的乾燥した状態を保つことが望ましいが、基板の連続処理により雰囲気中にミストが浮遊し、装置内が濡れるため、湿度は増加しやすい。この湿度の増加を防ぐため、十分な給排気を実施している。しかし、通常、給排気量は一定であるので、湿度変動を抑えるためには、予め給排気量を多めに設定したり、基板の処理間隔を空けたりするなどの調整が必要であり、時間及びエネルギのロスになる。更に、排気流量だけでなく、供給ガスの温度及び湿度が一定であるために、前処理の影響などによる突発的な湿度増加によるウォータマークは防ぐことは難しい。
基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を、薬液によるエッチングで除去する場合には、薄膜の除去幅を小さくするため、エッチングによって除去されずに基板上に残る薄膜の外周端部におけるエッジプロファイルの勾配が大きいことが求められる。エッチング処理では、薬液の濡れ性のため、薄膜のエッジプロファイルに急勾配が得られず、このため、薄膜の除去幅を小さくしようとしても一定の限界があるのが現状である。また薬液のエッチング能力に限界があるために、例えば高い誘電率を有する絶縁膜として用いられる窒化シリコン膜(Si)や酸化タンタル膜(Ta)など硬質の膜の除去には長い処理時間を要している。
一方、研磨による薄膜の除去処理では、エッチング処理に比べ短時間で膜の急峻なエッジプロファイルが得られ、硬質膜の除去も比較的容易であるが、研磨後における基板のベベル部乃至エッジ部の表面粗さが大きくなってしまう。
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、ウェット洗浄処理後に行われる乾燥処理で、基板を迅速かつ確実に乾燥できるようにした基板処理装置、並びに、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を、例え硬質な膜であっても、急勾配なエッジプロファイルを得た状態で、短時間で除去でき、しかも、不要な薄膜を除去した後のベベル部乃至エッジ部における表面粗さを小さく抑えることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを第1の目的とする。
本発明はまた、基板表面への液滴の跳ね返りを防止し、ウォータマークの発生を抑制することができる基板処理方法及び基板処理装を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の基板処理装置は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部とを有することを特徴とする。
基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にすることで、たとえ疎水性の表面や、表面に微細なパターンが形成されているような場合にあっても、ウェット洗浄処理後に基板上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させて、基板表面にウォータマークと呼ばれる一種の欠陥が生じたり、素子(形成予定)部が変質したりすることを防止することができる。
基板ホルダは、回転自在に構成されていることが好ましく、これにより、ウェット洗浄処理後に、いわゆるスピン乾燥処理を行うようにした基板処理装置に本発明を適用することができる。
前記ドライガス供給部は、前記基板ホルダで保持した基板の少なくとも一部に向けて、湿度が制御されたドライガスを吹き付けて供給するように構成されていることが好ましい。
前記ドライガス供給部は、前記基板ホルダを収納した処理チャンバ内に、相対湿度が0〜30%に制御された不活性ガスまたは空気からなるドライガスを供給するように構成されていることが好ましい。
ドライガスとして、相対湿度が0〜30%に制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガス、または安価な空気を使用することで、基板を効率的に乾燥させて、ウォータマークの発生を抑えることができる。
前記ドライガス供給部は、該ドライガス供給部から前記処理チャンバの内部にドライガスを供給することに伴って排気される総排気風量の0.5〜3倍の風量のドライガスを処理チャンバの内部に供給するように構成されていることが好ましい。
これにより、基板を乾燥させるのに十分なドライガスの風量を確保することができる。
本発明の他の基板処理装置は、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を研磨する研磨装置と、前記研磨装置による研磨後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去するエッチング装置とを有することを特徴とする。
これにより、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を、先ず研磨装置で研磨除去することで、例え窒化シリコン膜(Si)や酸化タンタル膜(Ta)などの硬質な膜であっても、急勾配なエッジプロファイルを得た状態で、短時間で除去でき、しかも、その後に、エッチング装置でベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去することで、不要な薄膜を除去した後のベベル部乃至エッジ部における表面粗さを小さく抑えることができる。
前記研磨装置及び前記エッチング装置の少なくとも一方は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部とを有することが好ましい。
これにより、研磨処理及び/またはエッチング処理後にウェット洗浄処理を施し、洗浄後に基板上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させることができる。
本発明の好ましい一態様は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部とを有し、前記エッチング装置でベベル部乃至エッジ部をエッチングした基板を洗浄し乾燥する洗浄・乾燥装置を更に有することを特徴とする。
これにより、洗浄後に基板上に残った水滴を、洗浄・乾燥装置において、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させることができる。
本発明の基板処理方法は、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を研磨除去し、この研磨後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去することを特徴とする。
前記ベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去した基板を洗浄し乾燥させることが好ましい。
本発明の更に他の基板処理装置は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の乾燥の程度をモニタするモニタ部と、前記モニタ部から出力された基板の乾燥の程度を示すモニタ値に基づいて前記基板ホルダの回転を制御する制御部を有することを特徴とする。
基板ホルダで保持した基板の乾燥の程度をモニタ部でモニタし、このモニタの結果に基づいて基板ホルダの回転、例えば回転速度及び/または回転加速度を制御することで、基板ホルダや基板から飛散する液滴の量が少ない状態で基板を回転させて乾燥させることができる。従って、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
モニタ部は、例えば、基板の乾燥時に基板から飛散する液滴の質量を計測する質量計、基板の周囲の温度を計測する温度計、基板の周囲のミスト量を計測するミスト量計測計、基板表面の液滴付着部分の面積を計測する液滴付着面積計測機構、基板及び基板ホルダの質量を計測する質量計の少なくとも一つからなる。そして、モニタ部による液滴の質量、湿度、ミスト量、基板表面の液滴付着部分の面積、基板及び基板ホルダの質量の少なくとも一つの計測値または該計測値の変化量を、制御部にフィードバックすることで、計測値または変化量が一定値または一定値以下となるように基板ホルダの回転速度を制御することが好ましい。
本発明の更に他の処理装置は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダの回転速度を連続的または段階的に加速し減速させる制御部を有することを特徴とする。
例えば、当初は、基板上の液量を少なくするのに十分かつ液跳ねの少ない回転速度で基板ホルダを基板と共に回転させ、それ以降、段階的または連続的に基板ホルダの回転速度を上げて基板上の液量を更に少なくしていくことで、基板の回転速度が急激に増加して多量の液体が遠心力で振り飛ばされてウォータマークの原因となることを防止しつつ、基板をより迅速に乾燥させることができる。
本発明の好ましい一態様は、前記制御部は、基板ホルダの回転速度を、基板ホルダの回転速度が最大回転速度に到達するまでの間、基板乾燥の開始時からの経過時間に対する1次関数または2次以上の多次関数として増加させ、且つ前記基板ホルダの回転加速度を0〜300rpm/s(5sec−2)とすることを特徴とする。
これにより、基板ホルダの回転速度を、低い回転速度から低い加速度で緩やかに且つ徐々に上昇させていくことで、基板ホルダと共に回転する基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去できる。
本発明の好ましい一態様は、前記制御部は、基板乾燥の開始時の初期回転速度から最大回転速度に到達するまでの間の基板ホルダの回転速度をn段階に変化させ、第k−1番目(2≦k≦n)の回転速度から第k番目の回転速度に到達するまでを第k番目の回転加速度で加速させるとともに、第k番目の回転速度を第k−1番目の回転速度よりも大きくし、且つ第k番目の回転加速度を第k−1番目の回転加速度よりも大きくすることを特徴とする。
これにより、基板ホルダの回転速度を、低い回転速度から低い加速度で緩やかに且つ徐々に上昇させて、基板ホルダと共に回転する基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去できる。また、効率よく液体を除去できるので、基板の最大回転速度を低く抑え、且つ最大回転速度の保持時間を短くして、乾燥処理の時間を短縮することができる。
本発明の好ましい一態様は、前記基板ホルダで保持した基板に付着した液体の蒸発を促進する乾燥部と、前記乾燥部を制御する制御部を更に有することを特徴とする。
乾燥部は、例えばドライガス供給部、加熱部または減圧部等からなり、基板ホルダで保持した基板に付着した液体の蒸発を乾燥部で促進することで、基板の乾燥処理時間を更に低減させることができる。
本発明の好ましい一態様は、前記基板ホルダで保持した基板雰囲気の湿度、露点または温度をモニタし前記制御部にフィードバック信号を送るモニタ部を更に有することを特徴とする。
これにより、基板ホルダで保持した基板を取囲む、湿度等の雰囲気をより一定にして、ウォータマーク等を安定して抑制できる環境を維持することができる。
本発明の他の基板処理方法は、基板ホルダで基板を保持し、基板ホルダを、該基板ホルダの回転速度が最大回転速度に到達するまでの間、基板乾燥工程の開始時からの経過時間の1次関数または2次以上の多次関数として増加させ、且つ回転加速度を0〜300rpm/s(5sec−2)とした回転速度で回転させて該基板ホルダで保持した基板を乾燥させることを特徴とする。
これにより、基板ホルダの回転加速度を緩やかに増加させるとともに、所定の値以下に抑えることで、基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去し、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
基板ホルダの最大回転速度を4000rpm以下とすることが好ましく、このように、基板ホルダの最大回転速度を低く抑えることで、基板乾燥工程の処理時間を短縮することができる。また、基板ホルダ及び基板の回転による気流の巻き込みを抑制でき、基板のディフェクト発生を抑制することができる。
基板乾燥工程の開始時における基板ホルダの回転速度を500rpm以下とすることが好ましく、これにより、基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去し、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
本発明の更に他の基板処理方法は、基板ホルダで基板を保持し、基板ホルダを、基板乾燥工程の開始時の初期回転速度から最大回転速度に到達するまでの間をn段階に変化させ、第k−1番目(2≦k≦n)の回転速度から第k番目の回転速度に到達するまでを第k番目の回転加速度で加速させ、第k番目の回転速度を第k−1番目の回転速度よりも大きくし、且つ第k番目の回転加速度を第k−1番目の回転加速度よりも大きくした回転速度で回転させて該基板ホルダで保持した基板を乾燥させることを特徴とする。
これにより、基板ホルダの回転速度を低い回転速度から低い加速度で緩やかに且つ徐々に上昇させていく工程で、基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去でき、基板から除去された液滴の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。また、基板に付着した液体を効率良く除去できるので、基板ホルダの最大回転速度を低く抑え、且つ最大回転速度の保持時間を短くすることができるため、乾燥処理の時間を短縮することができる。
基板ホルダの第1番目の回転速度を1000rpm以下とし、且つ第1番目の回転加速度を0〜300rpm/s(5sec−2)とすることが好ましく、これにより、基板に付着した液体を飛び散らすことなく除去し、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
本発明によれば、基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にすることで、例え疎水性の表面や、表面に微細なパターンが形成されているような場合にあっても、ウェット洗浄処理後に基板上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させて、基板表面にウォータマークと呼ばれる一種の欠陥が生じたり、素子(形成予定)部が変質したりすることを防止することができる。
また、基板ホルダや基板から飛散する液滴の量が少ない状態で基板を回転させて乾燥させたり、基板ホルダの回転速度を低い回転速度から低い加速度で緩やかに且つ徐々に上昇させたりすることで、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態における基板処理装置(システム)の平面配置図を示す。図2に示すように、この基板処理システムは、例えばスパッタリング、CVDまたはめっきによって、表面に薄膜を成膜した基板を収容した基板カセットを搭載する2基のロード・アンロード部10と、薄膜を形成した基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を研磨除去する研磨装置12と、この研磨装置12で研磨した後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去するエッチング装置14と、エッチング装置14でベベル部乃至エッジ部をエッチング除去した基板を洗浄し乾燥する洗浄・乾燥装置16とを備えている。更に、この基板処理装置は、ロード・アンロード部10、研磨装置12、エッチング装置14及び洗浄・乾燥装置16の間で基板を搬送する搬送ロボット18を備えている。
なお、この例では、洗浄・乾燥装置16で基板の洗浄と乾燥を行うようにした例を示している。一次洗浄を行う洗浄装置と、二次(仕上げ)洗浄及び乾燥を行う洗浄・乾燥装置とを別に設けて、一次洗浄と、二次(仕上げ)洗浄及び乾燥を別々に行うようにしてもよい。
図3は、図2に示す基板処理装置(システム)に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としての研磨装置12の概要を示す。図3に示すように、この研磨装置(基板処理装置)12は、処理チャンバ20内に位置して、表面(被処理面)を上向きにして基板Wの裏面を着脱自在に保持する、回転自在な基板ホルダ22と、この基板ホルダ22で保持した基板Wのベベル部乃至エッジ部に近接自在に、例えば砥石や研磨パッド等からなる研磨具24を支持した回転自在な回転体26と、この研磨具24乃至回転体26の外方を包囲して、基板Wの表面に供給される液体の飛散を防止する円筒状の飛散防止カバー28とを有している。この基板ホルダ22で保持した基板Wの上方に位置して、基板Wの上面に、例えば研磨液や純水等の液体を供給する液体供給ノズル30が配置されている。
更に、処理チャンバ20には、この内部に、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入する、第1ドライガス供給部としての第1ドライガス供給管32が接続されている。また基板ホルダ22を上端に連結して上下方向に延びる支持棒34の内部には、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを流通させて該ドライガスを基板ホルダ22と該基板ホルダ22で保持した基板との間に向けて吹き付ける、第2ドライガス供給部としての第2ドライガス供給管36が設けられている。
この例では、回転体26を介して研磨具24を回転させながら、基板ホルダ22で保持した基板Wのベベル部乃至エッジ部に研磨具24を押付け、同時に液体供給ノズル30から基板Wの上面に、例えばスラリーからなる研磨液を供給することで、基板Wのベベル部乃至エッジ部を研磨具24で研磨する。そして、この研磨終了後、研磨具24を基板Wのベベル部乃至エッジ部から離し、基板ホルダ22を回転させ、同時に、基板Wの表面に液体供給ノズル30から純水等の洗浄液(リンス液)を供給することで、基板Wを洗浄(リンス)し、しかる後、洗浄液の供給を止めて、基板Wを高速で回転させてスピン乾燥させる。
この洗浄及びスピン乾燥時に、処理チャンバ20の内部に、第1ドライガス供給管(第1ドライガス供給部)32から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入し、同時に、第2ドライガス供給管(第2ドライガス供給部)36から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを基板ホルダ22と該基板ホルダ22で保持した基板Wとの間に向けて吹き付ける。このように、基板ホルダ22で保持した基板Wの表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にすることで、例え疎水性の表面や、表面に微細なパターンが形成されているような場合にあっても、ウェット洗浄処理後に基板W上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させて、基板Wの表面にウォータマークと呼ばれる一種の欠陥が生じたり、素子(形成予定)部が変質したりすることを防止することができる。
このドライガスとしては、基板処理を行うクリーンルーム内の通常の温度(20℃)のもとで、通常の相対湿度以下(約40%以下)のものが使用される。ドライガスとして、好ましくは相対湿度が0〜30%に制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスを使用することで、基板を効率的に乾燥させて、ウォータマークの発生を効果的に抑えることができる。つまり、図6は、20℃−相対湿度58%に制御したドライガスを使用した場合と、20℃−相対湿度30%に制御したドライガスを使用した場合に成長する酸化膜厚(成長酸化膜厚)と放置時間との関係を示すグラフである。このグラフから、20℃−相対湿度30%に制御したドライガスを使用することで、酸化膜の成長を効果的に抑えられることが判る。
なお、ArガスやNガス等の不活性ガスは一般に高価であり、例えば、反応性が低い素材の基板を使用した場合には、ドライガスとして、相対湿度が0〜30%に制御された、安価な大気(清浄エアー)を使用することによっても、基板を効率的に乾燥させて、ウォータマークの発生を抑えることができる。
基板ホルダ22で保持した基板Wの表面の少なくとも一部が曝される雰囲気がドライガスで満たされる必要があるため、ドライガス供給部32,36から供給されるドライガスの風量は、ドライガスを供給することに伴って処理チャンバ20から排気される総排気風量以上あればよい。好ましくは0.5倍から3倍に設定すればよい。これにより、基板Wを乾燥させるのに十分なドライガスの風量を確保することができる。
なお、この上記のドライガスの相対湿度や風量等は、以下の各例においても同様である。
図4は、図2に示す基板処理装置(システム)に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としてのエッチング装置14の概要を示す。このエッチング装置(基板処理装置)14は、基板Wをその表面(被処理面)を上向きで保持し回転させる基板ホルダ40を有している。この基板ホルダ40は、基板Wの外方に内方に向けて移動自在に配置した複数本の回転支持体42を有し、この回転支持体42を内方に移動させて基板Wを左右から挟持して保持し、この状態で、回転支持体42を回転させて基板Wを回転させる。この基板ホルダ40の周囲は、処理チャンバ44の内部に配置された飛散防止カバー43で囲繞されている。
基板ホルダ40の側方に位置して、基板ホルダ40で保持した基板Wの表面のほぼ中央に純水等の洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル46が配置され、基板ホルダ40で保持した基板Wの上方に位置して、基板Wの表面の中央部に薬液(エッチング液)等の液体を供給する第1液体供給ノズル48と、基板のベベル部乃至エッジ部に薬液(エッチング液)等の液体を供給する第2液体供給ノズル50が配置されている。また、基板ホルダ40で保持した基板Wの裏面側のほぼ中央に位置して、基板ホルダ40で保持した基板の裏面のほぼ中央に純水や薬液(エッチング液)等の液体を供給する第3液体供給ノズル52が鉛直方向に配置されている。
前述の研磨装置12の場合とほぼ同様に、処理チャンバ44には、この内部に、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入する、第1ドライガス供給部としての第1ドライガス供給管54が接続されている。また、第3液体供給ノズル52を上端に連結して上下方向に延びる液体供給管56の内部には、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを流通させて該ドライガスを基板ホルダ40で保持した基板Wの裏面に向けて吹き付ける、第2ドライガス供給部としての第2ドライガス供給管58が設けられている。
この例では、基板ホルダ40で保持して回転させた基板Wの表面に向けて、第1液体供給ノズル48から薬液(第1エッチング液)等を供給し、これを基板Wの遠心力で基板Wの全面に拡がらせ、同時に、第2液体供給ノズル50から基板Wのベベル部乃至エッジ部に向けて薬液(第2エッチング液)等を供給し、これによって、基板Wのベベル部乃至エッジ部のエッチングの処理を行う。同時に、必要に応じて、第3液体供給ノズル52から、基板Wの裏面に向けて純水または薬液(エッチング液)を供給して、基板Wの裏面の純水による洗浄またはエッチング液によるエッチングを行う。そして、この処理終了後、基板Wを回転させたまま、基板Wの表面に洗浄液供給ノズル46から純水等の洗浄液(リンス液)を供給し、更に、必要に応じて、基板の裏面にも、第3液体供給ノズル52から純水等の洗浄液(リンス液)を供給して、基板の表裏面を同時に洗浄(リンス)し、しかる後、洗浄液の供給を止めて、基板Wをスピン乾燥させる。
この洗浄及びスピン乾燥時に、前述とほぼ同様に、処理チャンバ44の内部に、第1ドライガス供給管(第1ドライガス供給部)54から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入し、同時に、第2ドライガス供給管(第2ドライガス供給部)58から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを基板ホルダ22で保持した基板Wの裏面に吹き付ける。これにより、ウェット洗浄処理後に基板W上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させることができる。
図5は、図2に示す基板処理装置(システム)に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としての洗浄・乾燥装置16の概要を示す。この洗浄・乾燥装置(基板処理装置)16は、基板Wをその表面(被処理面)を上向きで保持し回転させる基板ホルダ60を有している。この基板ホルダ60は、基板Wの外方に、内方に向けて移動自在に配置した複数本の回転支持体62を有し、この回転支持体62を内方に移動させて基板Wを左右から挟持して保持し、この状態で、回転支持体62を回転させて基板Wを回転させる。この基板ホルダ60の周囲は、処理チャンバ64の内部に配置された飛散防止カバー63で囲繞されている。
基板ホルダ60の側方に位置して、基板ホルダ60で保持した基板Wの表面のほぼ中央に純水等の洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル66が配置され、基板ホルダ60で保持した基板Wのほぼ中央の上方に位置して、基板Wの表面の中央部に薬液(洗浄液)等の液体を供給する第1液体供給ノズル68が配置されている。この第1液体供給ノズル68の側方に位置して、基板ホルダ60で保持した基板Wの上面に擦り付けて該上面をスクラブ洗浄する、例えばポリビニルアルコール(PVA)や不織布からなる洗浄部材70が上下動自在に配置されている。また、基板ホルダ60で保持した基板Wの裏面側のほぼ中央に位置して、基板ホルダ60で保持した基板の裏面のほぼ中央に純水や薬液(洗浄液)等を供給する第2液体供給ノズル72が鉛直方向に配置されている。
前述のエッチング装置14の場合とほぼ同様に、処理チャンバ64には、この内部に、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入する、第1ドライガス供給部としての第1ドライガス供給管74が接続されている。また、第2液体供給ノズル72を上端に連結して上下方向に延びる液体供給管76の内部には、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを流通させて該ドライガスを基板ホルダ60で保持した基板Wの裏面に向けて吹き付ける、第2ドライガス供給部としての第2ドライガス供給管78が設けられている。
この例では、基板ホルダ60で保持して回転させた基板の表面に向けて、第1液体供給ノズル68から薬液(洗浄液)を供給し、同時に、洗浄部材70を基板Wの表面に擦り付けて、基板Wの表面の洗浄(スクラブ洗浄)を行う。同時に、必要に応じて、第2液体供給ノズル72から基板Wの裏面に向けて薬液(洗浄液)を供給して、基板Wの裏面の薬液(洗浄液)による洗浄を行う。そして、この処理終了後、洗浄部材70を基板Wから離し、基板Wを回転させたまま、基板Wの表面に洗浄液供給ノズル66から純水等の洗浄液(リンス液)を供給し、更に、必要に応じて、基板の裏面にも、第2液体供給ノズル72から純水等の洗浄液(リンス液)を供給して、基板の表裏面を洗浄(リンス)し、しかる後、洗浄液の供給を止めて、基板をスピン乾燥させる。
この洗浄及びスピン乾燥時に、前述とほぼ同様に、処理チャンバ64の内部に、第1ドライガス供給管(第1ドライガス供給部)74から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを導入し、同時に、第2ドライガス供給管(第2ドライガス供給部)78から、湿度が制御された、例えばArガスやNガス等の不活性ガスや、清浄な空気等のドライガスを基板ホルダ60で保持した基板Wの裏面に吹き付ける。これにより、ウェット洗浄処理後に基板W上に残った水滴を、湿度が制御されたドライガスで迅速に乾燥させることができる。
次に、図2に示す基板処理装置(システム)における基板の処理について説明する。
先ず、スパッタリング、CVDまたはめっきにより表面に薄膜を成膜した一枚の基板を、ロード・アンロード部10に搭載した基板カセットから搬送ロボット18で取出して、研磨装置12に搬送する。そして、この研磨装置12で、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した不要な薄膜を研磨除去する。この時、このベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を全て除去することなく、僅かに残るようにする。この研磨装置12で研磨した後の基板を、純水等の洗浄液(リンス液)で洗浄しスピン乾燥させた後、エッチング装置14に搬送する。次に、このエッチング装置14で、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜をエッチング除去し、純水等の洗浄液(リンス液)で洗浄しスピン乾燥させる。
このように、基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を、先ず研磨装置12で研磨除去することで、例え窒化シリコン膜(Si)や酸化タンタル膜(Ta)などの硬質な膜であっても、急勾配なエッジプロファイルを得た状態で、短時間で除去できる。しかも、その後に、エッチング装置14でベベル部乃至エッジ部に残った薄膜を完全にエッチング除去することで、ベベル部乃至エッジ部の表面粗さを小さく抑えることができる。
そして、このエッチング装置14でベベル部乃至エッジ部をエッチングした基板を、洗浄・乾燥装置16に搬送し、この洗浄・乾燥装置16で洗浄しスピン乾燥させ、しかる後、スピン乾燥後の基板Wをロード・アンロード部10に搭載された基板カセットに戻す。
なお、前述の例では、研磨装置として、砥石または研磨パッドからなる研磨具を備え、スラリー等からなる研磨液を供給しつつ研磨するようにしたものを使用した例を示している。他の研磨方法、例えば電解研磨、放電研磨または超音波研磨を使用したものを使用してもよく、またアブレーシブまたはそれを塗布した材料を研磨具として使用するようにしてもよい。更に、研磨時に、純水、電解水またはガス溶存水を基板に供給するようにしてもよい。
また、エッチング装置(基板処理装置)14にあっては、基板ホルダ40で保持して回転させた基板に向けて、第1液体供給ノズル48及び第2液体供給装置50から薬液(エッチング液)等を供給して、基板Wのベベル部乃至エッジ部のエッチングの処理を行い、同時に、処理チャンバ44の内部に、第1ドライガス供給管(第1ドライガス供給部)54から、湿度が制御されたドライガスを導入してもよい。更に、必要に応じて、第2ドライガス供給管(第2ドライガス供給部)58から、湿度が制御されたドライガスを基板ホルダ22で保持した基板Wの裏面に吹き付けるようにしてもよい。
エッチング装置14において、エッチングのために基板Wに薬液を供給する際、基板W、基板ホルダ40及び飛散防止カバー42の内壁などに液が衝突し微小な液滴が発生する。そして、この微小な液滴が基板Wに再付着すると、その部分が酸化・エッチングされる。特に、ベベルエッチングにおいては、ベベル部以外のエッチングを防止する必要があるので、基板Wへの微小な薬液の付着が問題となる。基板Wが回転していると、装置の内壁近傍に沿って上昇し、基板Wの中心に向かって下降する気流が発生するので、この気流に乗って微小な液滴が移動し、基板Wの中心付近に付着しやすくなる。
この例によれば、処理チャンバ44の内部に、第1ドライガス供給管(第1ドライガス供給部)54から、湿度が制御されたドライガスを導入し、処理チャンバ44の内部をドライガス雰囲気にしつつ、エッチング処理を行うことで、このような微小な液滴を蒸発させ、再付着を防止することができる。これにより、保護したい部分の損傷(酸化、エッチング)を防止しつつ、エッチングしたい部分のみの膜を除去することができる。
このことは、研磨装置(基板処理装置)12にあっても同様で、処理チャンバ内にドライガスを供給しつつ、研磨処理を行うようにしてもよい。更に、洗浄・乾燥装置(基板処理装置)14においても、処理チャンバ内にドライガスを供給しつつ、乾燥のみを行うようにしてもよい。
図7は本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。図7に示す基板処理装置1−1は、回転軸105と基板ホルダ104を有している。基板ホルダ104は、回転軸105の上端部から水平方向外側に放射状に延伸して設けられた複数個のベース部102と、ベース部102の先端部に設けられた基板保持機構103を有している。ベース部102及び基板保持機構103は、複数組(3組以上)設けられており、複数個の基板保持機構103の中央部に、処理対象である半導体ウェハ等の基板Wが載置され、基板保持機構103に設けた基板押え部材103aで基板Wが把持される。基板押え部材103aは、その重心位置より上方を回動ピンで回転自在に支承され、その自重で回転軸105と平行となるように配置されている。そして、回転軸105の回転に伴って基板押え部材103aに生じる遠心力で、基板押え部材103aの回転ピンより下方側が外方に移動して持ち上がり、基板押え部材103aの回転ピンより上方側が基板Wを押え込むように内方に倒れ込んで基板Wを把持するようになっている。回転軸105は、図示しない駆動部に連結されており、基板ホルダ104は、基板保持機構103に基板Wを保持した状態で回転軸105を中心に回転する。基板ホルダ104は、制御部107と制御信号ライン108で接続されており、駆動部は制御部107からの制御信号によって、基板ホルダ104を任意の加速度で加速/減速させ、目的とする回転速度で回転させる。
基板ホルダ104の上方には、基板Wの表面に薬液や洗浄液等の処理液を供給する処理液供給ノズル106が設置されている。この処理液供給ノズル610から供給される処理液の流量等は、処理液供給ノズル106に接続された処理液供給系106aによって調節される。
一方、基板ホルダ104の側部を囲む位置には、基板Wに供給された処理液が飛散することを防止する飛散防止カップ109が設置されている。飛散防止カップ109は、基板保持機構103や基板Wから飛散する処理液を受け止めて、下部に設けた廃液排出口109aから排出する。ここで、基板Wをリンス洗浄する洗浄液としては、一般にDIW(純水)またはガス溶存水が使用される。目的に応じて他の薬液を使用して洗浄を行うようにしてもよい。
基板処理装置1−1は、飛散防止カップ109の側壁の基板保持機構103に対向する位置に、基板保持機構103や基板Wから飛散した処理液の液滴を捕集する液滴捕集器111が設けられている。液滴捕集器111で集められた液滴は、高精度の質量計(モニタ部)112に導かれ、ここでその質量が計測される。質量計112と制御部107とは制御信号ライン113で結ばれており、質量計112で計測された液滴の質量の計測値は、制御部107にフィードバックされる。この基板処理装置1−1によって、基板の薬液処理工程、基板洗浄工程及び基板乾燥工程を順に行うことができる。各処理工程において、基板Wの回転速度や回転加速度は、制御部107によって制御される。
基板処理装置1−1で行う基板の薬液処理工程、基板洗浄工程、基板乾燥工程の手順を簡単に説明する。まず、図示しないロボットハンド等で、処理対象の基板Wを基板保持機構103の中央部に落とし込んで、基板押え部材103aで把持する。その後、基板ホルダ104を回転させることで基板Wを回転させる。この状態で、処理液供給ノズル106から基板Wに薬液を供給して、基板Wの薬液処理を行う(薬液処理工程)。続いて、基板Wを回転させた状態で、処理液供給ノズル106から基板WにDIW等の洗浄液を供給して基板Wの洗浄(リンス洗浄)を行う(基板洗浄工程)。基板洗浄工程が終了したら、基板Wを高速で回転させることで、基板Wに付着した洗浄液等の液体を振り飛ばして除去し、基板Wを乾燥させる(基板乾燥工程)。
基板乾燥工程において、基板保持機構103や基板Wから振り飛ばされて飛散した液滴を、液滴捕集器111で捕集し、質量計112でその質量を計測する。この質量計112で計測された液滴の質量の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の回収率が一定値以下に保たれるように、基板ホルダ104の回転速度を制御する。これにより、基板乾燥工程で、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が少ない状態で基板Wを回転させて乾燥させることができるので、基板Wから除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図8は、基板処理装置1−1を用いて基板乾燥工程を行った場合の、基板乾燥工程の開始からの経過時間(s)に対する基板Wの回転速度(rpm)、回転加速度(rpm/s)、及び単位時間に回収された基板Wと基板ホルダ104から飛散した液体の質量(液体の回収率)(g/s)を示す図である。ここでは、基板Wの回転速度を所定時間増加させた後、一度減少させ、再び所定時間増加させることを繰り返しながら回転速度を徐々に上昇させて、その後、基板回転速度を最高回転速度で所定時間一定に保っている。このように基板Wの回転速度を制御することで、単位時間に回収された液体の回収率がゼロになるまでの間、回収率が所定の上限値以下の値を保つようにしている。
図9は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。図9に示す基板処理装置1−2において、図7に示す基板処理装置1−1と共通する部分には同一の符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。以下の他の実施の形態にかかる基板処理装置においても同様とする。
この図9に示す基板処理装置1−2の図7に示す基板処理装置1−1と異なる点は、図7に示す液滴捕集器111と質量計112に代えて、飛散防止カップ109の内部の基板保持機構103及び基板Wの周囲の湿度を計測するセンサ部114を有する湿度計(モニタ部)115を設けた点である。湿度計115と制御部107とは制御信号ライン116で接続されており、湿度計115で計測された基板Wの周囲の湿度の計測値は、制御部107にフィードバックされる。
基板処理装置1−2によって、基板の薬液処理工程、洗浄処理工程、及び乾燥処理工程を順に行うことができる点は、図7に示す基板処理装置1−1と同様であるため、ここではその説明は省略する。なおこの点は、以下の他の基板処理装置においても同様である。
基板処理装置1−2では、基板乾燥工程において、基板保持機構103や基板Wから振り飛ばされて飛散した液滴が飛散防止カップ109等にあたってミスト状になり、基板Wの周囲の湿度が変化する。そこで、湿度計115のセンサ部114で基板保持機構103及び基板Wの周囲の湿度を計測する。この湿度計115のセンサ部114とで計測された基板Wの周囲の湿度の計測値を、制御部107にフィードバックすることで、この湿度の計測値またはその増加率が一定値以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御する。このように、湿度計115で計測された湿度の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が一定量以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御することができる。したがって、基板乾燥工程で、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が少ない状態で基板Wを回転させて乾燥させることができるので、基板Wから除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図10は、基板処理装置1−2を用いて基板乾燥工程を行った場合の、基板乾燥工程の開始からの経過時間(s)に対する基板Wの回転速度(rpm)、回転加速度(rpm/s)、及び基板Wの周囲の湿度(%)を示す図である。ここでは、基板Wの回転速度を所定時間増加させた後、一度減少させ、再び所定時間増加させることを繰り返しながら回転速度を徐々に上昇させて、その後、基板回転速度を最高回転速度で所定時間一定に保っている。このように、基板Wの回転速度を制御することで、基板Wの周囲の湿度が基板乾燥工程の開始時のレベルになるまでの間、湿度の値が所定の上限値以下の値を保つようにしている。
図11は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。図11に示す基板処理装置1−3が図7に示す基板処理装置1−1と異なる点は、図7に示す液滴捕集器111と質量計112に代えて、飛散防止カップ109の内部に開口するミスト吸引部117を設けると共に、ミスト吸引部117と接続されたミスト計測器(モニタ部)118を設けた点である。ミスト計測器118と制御部107とは制御信号ライン119で接続されており、ミスト計測器118で計測されたミスト量の計測値は、制御部107にフィードバックされる。
基板処理装置1−3では、基板乾燥工程において、基板保持機構103や基板Wから振り飛ばされて飛散した液滴が飛散防止カップ109に当たってミスト状になる。そこで、ミスト吸引部117から基板Wの周囲のミストを吸引してこれをミスト計測器118へ導き、基板Wの周囲のミスト量を計測する。このミスト計測器118で計測された基板Wの周囲のミスト量を制御部107にフィードバックすることで、ミスト量の計測値またはその増加率が一定値以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御する。このように、ミスト計測器118で計測されたミスト量の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が一定量以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御することができる。したがって、基板乾燥工程で、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量を少ない状態で基板Wを回転させて乾燥させることができるので、基板Wから除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図12は、基板処理装置1−3を用いて基板乾燥工程を行った場合の、基板乾燥工程の開始からの経過時間(s)に対する基板Wの回転速度(rpm)、回転加速度(rpm/s)、及び基板Wの周囲のミスト密度(0.1μmφ<)の変化を示す図である。ここでは、基板Wの回転速度を所定時間増加させた後、一度減少させ、再び所定時間増加させることを繰り返しながら回転速度を徐々に上昇させて、その後、基板回転速度を最高回転速度で所定時間一定に保っている。このように基板Wの回転速度を制御することで、基板Wの周囲のミスト密度が基板乾燥工程の開始時のレベルになるまでの間、ミスト密度の値が所定の上限値以下の値を保つようにしている。
図13は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。図13に示す基板処理装置1−4が図7に示す基板処理装置1−1と異なる点は、図7に示す液滴捕集器111と質量計112に代えて、基板Wの表面の画像を撮影する画像撮影用カメラ120を設けると共に、画像撮影用カメラ120と接続された画像処理装置121を設けて液滴付着面積計測機構(モニタ部)を構成した点である。画像処理装置121は、画像撮影用カメラ120で撮影された基板W表面の画像の解析を行い、基板Wの表面のうち液体が付着した部分の面積を計測するように構成されている。また、画像処理装置121と制御部107とは制御信号ライン122で接続されており、画像処理装置121で計測された基板Wの表面の液体付着部分の面積の計測値は、制御部107にフィードバックされる。
画像撮影用カメラ120としては、例えばCCDカメラ、近赤外カメラ及びレーザフォーカス変位計を使用することができる。
基板処理装置1−4では、基板乾燥工程において、基板Wの表面に先の基板洗浄工程で供給された基板処理液が付着している。そこで、画像撮影用カメラ120で基板Wの表面の画像を撮影し、この画像を画像処理装置121に送り解析することで、基板Wの表面の液体付着部分の面積を計測する。この画像処理装置121で計測された基板Wの表面の液体付着部分の面積の計測値を制御部107にフィードバックすることで、液体付着部分の面積の計測値またはその減少率が一定値以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御する。このように、画像処理装置121で計測された液体付着部分の面積の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が一定量以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御することができる。したがって、基板乾燥工程で、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が少ない状態で基板Wを回転させて乾燥させることができるので、基板Wから除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図14は、基板処理装置1−4を用いて基板乾燥工程を行った場合の、基板乾燥工程の開始からの経過時間(s)に対する基板Wの回転速度(rpm)、回転加速度(rpm/s)、及び基板Wの表面の液体付着部分の面積の減少率(cm/s)を示す図である。ここでは、基板Wの回転速度を所定時間増加させた後、一度減少させ、再び所定時間増加させることを繰り返しながら回転速度を徐々に上昇させて、その後基板回転速度を最高回転速度で所定時間一定に保っている。このように基板Wの回転速度を制御することで、基板Wの表面の液体付着部分の面積の減少率がゼロになるまでの間、この減少率が所定の上限値以下の値を保つようにしている。
図15は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。図15に示す基板処理装置1−5が図7に示す基板処理装置1−1と異なる点は、図7に示す液滴捕集器111と質量計112に代えて、基板W及び基板ホルダ104の質量を計測する質量計(モニタ部)123を設けた点である。質量計123は、基板Wと基板ホルダ104の質量を高精度で計測することで、基板Wや基板ホルダ104に付着した液体の質量の変化を計測することができる。また、質量計124と制御部107とは制御信号ライン124で接続されており、質量計123で計測された質量の計測値は制御部107にフィードバックされる。
基板乾燥工程において、基板ホルダ104を回転させることで、基板Wや基板保持機構103に付着した液体が振り飛ばされて除去されることで、基板Wと基板ホルダ104の質量が次第に減少していく。そこで、基板処理装置1−5では、質量計123で基板W及び基板ホルダ104の質量を計測する。この質量計123で計測された質量の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板Wや基板ホルダ104から振り飛ばされる液体の量が一定値以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御する。このように、質量計123で計測された質量の計測値を制御部107にフィードバックすることで、基板保持機構3や基板Wから飛散する液滴の質量が一定量以下に保たれるように基板ホルダ104の回転速度を制御することができる。したがって、基板乾燥工程で、基板保持機構103や基板Wから飛散する液滴の量が少ない状態で基板Wを回転させて乾燥することができ、基板Wから除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図16は、基板処理装置1−5を用いて基板乾燥工程を行った場合の、基板乾燥工程の開始からの経過時間(s)に対する基板Wの回転速度(rpm)、回転加速度(rpm/s)、及び基板Wと基板ホルダ104の質量の減少率(g/s)を示す図である。ここでは、基板Wの回転速度を所定時間増加させた後、一度減少させ、再び所定時間増加させることを繰り返しながら回転速度を徐々に上昇させて、その後、基板回転速度を最高回転速度で所定時間一定に保っている。このように基板Wの回転速度を制御することで、基板Wと基板ホルダ104の質量の減少率がゼロになるまでの間、この減少率が所定の上限値以下の値を保つようにしている。
図17は、上記した基板処理装置1−1〜1−5のうちのいずれか一つ、またはこれらのうちの複数の基板処理装置を備えたCMP装置の構成例を示す平面図である。このCMP装置130は、基板カセット131−1,131−2,131−3,131−4と、基板搬送ロボット132−1,132−2と、本発明に係る上記した基板処理装置1−1〜1−5のいずれかである基板処理装置133−1,133−2,133−3,133−4と、研磨モジュール(研磨装置)134−1,134−2と、仮置き台35とを備えている。基板処理装置133−1〜133−4には洗浄薬液供給装置136が接続され、研磨モジュール134−1,134−2にはスラリー供給装置137が接続されている。CMP装置130の各部には、制御部138からの制御信号が送られるようになっている。
このCMP装置130では、制御部138から送られる制御信号に基づいて、基板搬送ロボット132−1が、基板カセット131−1〜131−4の何れかから未処理の基板Wを一枚ずつ取り出して仮置き台135上に載置する。仮置き台135上に載置された基板Wは、いずれかの研磨モジュール134−1,134−2に搬送されて、研磨処理が行われる。その後、基板Wは、基板搬送ロボット132−2によって、基板処理装置133−1〜133−4に順次送られて、薬液処理、洗浄処理及び乾燥処理が施される。なお、基板処理装置133−1〜133−4で必要な薬液及び洗浄液は、洗浄薬液供給装置136から供給され、研磨モジュール134−1,134−2で必要なスラリー液は、スラリー供給装置137から供給される。
このCMP装置130は、洗浄薬液供給装置136やスラリー供給装置137や、図示しない測定装置等の付帯装置を、制御部138から出される制御信号で制御している。制御部138は、入力レシピに従った操作を行うように洗浄薬液供給装置136やスラリー供給装置137等の各装置に制御信号を送る。この制御信号により、スラリー供給ライン140や洗浄薬液供給ライン141等に設けた図示しないバルブ類を開閉したり、図示しないモータを駆動したりする。また、流量センサ等を設けて、この流量センサからの信号を制御部138に入力して、流量検出値が予め設定された設定値と合致するようにフィードバック制御を行うことや、流量検出値が予め設定された許容値の範囲外である場合や流量センサから異常信号が出された場合は、装置を停止させることも可能である。また、制御部138は、基板処理装置133−1〜133−4の基板回転速度、回転加速度等の制御を行う。なお、洗浄薬液供給装置136、スラリー供給装置137、制御部138、表示部139等はCMP装置130に組み込んでもよい。
図18は、上記した基板処理装置を備えためっき装置の構成例を示す平面図である。このめっき装置150は、図18に示すように、基板カセット151−1,151−2,151−3,151−4と、基板搬送ロボット152−1,152−2と、本発明に係る基板処理装置1−1〜1−5のいずれかである基板処理装置153−1,153−2と、めっき槽154−1,154−2,154−3,154−4と、仮置き台155とを備えている。基板処理装置153−1,153−2には洗浄薬液供給装置156が接続され、めっき槽154−1,154−2,154−3,154−4にはめっき薬液供給装置157が接続されている。また、めっき装置150の各部には、制御部158からの制御信号が送られるようになっている。
このめっき装置150では、制御部158から送られる制御信号に基づいて、基板搬送ロボット152−1が、基板カセット151−1〜151−4の何れかから未処理の基板Wを一枚ずつ取出して仮置き台155上に載置する。仮置き台155上に載置された基板Wは、基板搬送ロボット152−2によって、いずれかのめっき槽154−1〜154−4に送られて、基板Wにめっきが施される。その後、基板Wは、基板搬送ロボット152−2によって、いずれかの基板処理装置153−1,153−2に送られて、洗浄・乾燥処理が行われる。なお、めっき槽154−1〜154−4で必要なめっき液は、めっき薬液供給装置157から供給され、基板処理装置153−1,153−2で必要な洗浄液は、洗浄薬液供給装置156から供給される。
このめっき装置150は、洗浄薬液供給装置156やめっき薬液供給装置157や、図示しない測定装置等の付帯装置を、制御部158から出される制御信号で制御している。制御部158は、入力レシピに従った操作を行うように洗浄薬液供給装置156やめっき薬液供給装置157等の各装置に制御信号を送る。この制御信号により、めっき液供給ライン160や洗浄液供給ライン161等に設けた図示しないバルブ類を開閉したり、図示しないモータを駆動したりする。また、流量センサ等を設けて、この流量センサからの信号を制御部158に入力して、流量検出値が予め設定された設定値と合致するようにフィードバック制御を行うことや、流量検出値が予め設定された許容値の範囲外である場合や流量センサから異常信号が出された場合は、装置を停止させることも可能である。また、制御部158は、基板処理装置153−1、153−2の基板回転速度、回転加速度等の制御を行う。なお、洗浄薬液供給装置156、めっき薬液供給装置157、制御部158、表示部159等はめっき装置150に組み込んでもよい。
図19は、上記した基板処理装置を備えた洗浄装置の構成例を示す平面図である。この洗浄装置170は、図19に示すように、基板カセット171−1,171−2,171−3,171−4と、基板搬送ロボット172−1,172−2と、本発明に係る基板処理装置173−1,173−2と、ロール洗浄機ユニット174−1,174−2,174−3,174−4と、仮置き台175とを備えている。基板処理装置173−1,173−2には洗浄薬液供給装置176が接続され、ロール洗浄機ユニット174−1,174−2,174−3,174−4には超純水供給装置177が接続されている。また、洗浄装置170の各部には、制御部178からの制御信号が送られるようになっている。
この洗浄装置170では、制御部178から送られる制御信号に基づいて、基板搬送ロボット172−1が、基板カセット171−1〜171−4のいずれかから未処理の基板Wを一枚ずつ取り出して仮置き台175上に載置する。仮置き台175上に載置された基板Wは、基板搬送ロボット172−2によって、いずれかのロール洗浄ユニット174−1〜174−4に送られて、基板Wのロール洗浄が行われる。その後、基板Wは、基板搬送ロボット172−2によって、本発明に係るいずれかの基板処理装置173−1,173−2に送られて、洗浄及び乾燥処理が行われる。なお、ロール洗浄機ユニット174−1〜174−4で必要な超純水は、超純水供給装置177から供給され、基板処理装置173−1,173−2で必要な薬液及び洗浄液は、洗浄薬液供給装置176から供給される。
この洗浄装置170は、洗浄薬液供給装置176や超純水供給装置177や、図示しない測定装置等の付帯装置を、制御部178から出される制御信号で制御している。制御部178は、入力レシピに従った操作を行うように洗浄薬液供給装置176や超純水供給装置177等の各装置に制御信号を送る。この制御信号により、超純水供給ライン180や洗浄液供給ライン181等に設けた図示しないバルブ類を開閉したり、図示しないモータを駆動したりする。また、流量センサ等を設けて、この流量センサからの信号を制御部178に入力して、流量検出値が予め設定された設定値と合致するようにフィードバック制御を行うことや、流量検出値が予め設定された許容値の範囲外である場合や流量センサから異常信号が出された場合は、装置を停止させることも可能である。また、制御部178は、基板処理装置173−1,173−2の基板回転速度、回転加速度等の制御を行う。なお、洗浄薬液供給装置176、超純水供給装置177、制御部178、表示部179等は洗浄装置170に組み込んでもよい。
上記各実施形態で説明した基板処理装置1−1〜1−5で行われる基板処理は、前述の例に限られるものではなく、処理液供給ノズル106等の設置位置や、これらから供給される洗浄液や薬液の種類や、供給するタイミング等を変更することで、基板Wの種類に応じた処理を行うように構成することができる。即ち、上記基板処理装置1−1〜1−5を示す各図では、基板Wの上部に処理液供給ノズル106を設置し、基板Wの上面に基板処理液を供給する例を示したが、処理液供給部を基板Wの下面側や側部に設置して、基板Wの下面や側面に基板処理液を供給するように構成することもできる。また、画像撮影用カメラ120は、基板Wの上面を撮影する位置に設置した例を示しているが、設置位置は、これに限られるのではなく、基板の下面や側面も撮影できる位置に設置することもできる。
なお、基板処理装置1−1〜1−5では、図8,10,12,14及び16にそれぞれ示したように、所定の上限値及び所定の下限値を設けて、各計測値が上限値を越えたら、基板Wの回転速度を減速させ、下限値を下回ったら基板Wの回転速度を増速させるように制御部107により基板ホルダ104の回転速度を制御するようにしてもよい。また上限値が著しくオーバーシュートしないように、最初の増速過程ではその後の増速過程よりも基板Wの回転加速度を低く(望ましくは300rpm/s(5sec−2)以下)し、その後増速過程では高く(例えば500rpm/s(約8.3sec−2)以上)するようにしてもよい。
図20は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置の概略構成を示す。この基板処理装置は、回転軸201と基板ホルダ204を有している。基板ホルダ204は、回転軸201の上端部から水平方向外側に放射状に延伸して設けられた複数個のベース部202と、ベース部202の先端部に設けられた基板保持機構203を有している。ベース部202及び基板保持機構203は、複数組(3組以上)設けられており、複数個の基板保持機構203の中央部に処理対象である半導体ウェハ等の基板Wが載置され、基板保持機構203に設けた把持部203aで基板Wが把持される。回転軸201は図示しない駆動部に連結されており、基板ホルダ204は、基板保持機構203で基板Wを保持した状態で回転軸201を中心に回転する。駆動手段は、基板ホルダ204を任意の加速度で加速/減速させ、目的とする回転速度で回転させる。
基板ホルダ204の上方には、基板Wの表面に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル205と、基板Wの表面に薬液を供給する薬液供給ノズル206が設置されている。これら洗浄液供給ノズル205と薬液供給ノズル206とから供給される洗浄液及び薬液の流量等は、洗浄液供給ノズル205に接続された洗浄液供給系205a及び薬液供給ノズル206に接続された薬液供給系206aによって調節される。これら洗浄液供給系205a及び薬液供給系206aは、制御部207と制御信号ラインで接続されており、洗浄液供給系205a及び薬液供給系206aは、制御部207からの制御信号によって制御される。制御部207には、表示・入力部208が接続されている。
基板ホルダ204の側部を囲む位置には、基板Wに供給された処理液が飛散することを防止する飛散防止カップ209が設置されている。飛散防止カップ209は、基板保持機構203や基板Wから飛散する処理液を受け止めて、下部に設けた廃液排出口209aから排出する。ここで、基板Wをリンス洗浄する基板洗浄液としては、一般にDIW(純水)またはガス溶存水等が使用されるが、目的に応じて他の薬液を使用して洗浄を行うようにしてもよい。
この図20に示す基板処理装置によって、基板の薬液処理工程、洗浄処理工程及び乾燥処理工程を順に行うことができる。各処理工程において、基板の回転速度や回転加速度、及び薬液・洗浄液を供給するタイミング等は、表示・入力手段208より入力されたプログラムを用いて制御部207によって制御されることで決定される。ここで、基板の薬液処理工程、洗浄処理工程、乾燥処理工程の手順を簡単に説明する。まず、図示しないロボットハンド等で、処理対象の基板Wを基板保持機構203の中央部に落とし込んで、把持部203aで把持する。その後、基板ホルダ204を回転させることで、基板Wを回転させる。この状態で、薬液供給ノズル206から基板Wに薬液を供給して、基板Wの薬液処理を行う(基板処理工程)。続いて基板Wを回転させた状態で、洗浄液供給ノズル205から基板WにDIW等の洗浄液を供給して基板Wの洗浄(リンス洗浄)を行う(基板洗浄工程)。基板洗浄工程が終了したら、基板Wを高速で回転させることで、基板Wに付着した洗浄液等の基板処理液を振り飛ばして除去し、基板Wを乾燥させる(基板乾燥工程)。
図21は、上記した基板処理における基板回転速度プロファイルの一例を示す。この例では、基板回転速度を500rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、乾燥工程において、基板回転速度を経過時間の2次関数に従って上昇させている。ここで、基板乾燥工程の開始時をゼロ時間として、経過時間をX(s)、基板回転速度をY(rpm)とすると、この基板乾燥工程の基板回転速度プロファイルは、下記の式(1)で表される。また、基板乾燥工程における基板の最大回転速度は、3500rpmとする。基板の回転加速度の最大値は、X=20(s)における回転加速度100rpm/s(約1.7sec−2)である。
Y=A・(X−B)+C ……式(1)
(ここで、0≦X≦20のとき、A=2.5rpm/s,B=0,C=500rpm、20<X≦40のとき、A=−2.5rpm/s,B=40s,C=3500rpm、40<X≦50のとき、Y=3500)
このように、基板の回転加速度を経過時間の2次関数として緩やかに増加させるとともに、回転加速度を所定の値以下に抑えることで、基板に付着した液体を飛び散らせずに除去することができ、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。また、基板の最大回転速度を小さくすることで、基板乾燥工程の処理時間を短縮できる。さらに、基板の回転による気流の巻き込みを抑制でき、基板のディフェクト発生を抑制することができる。
図22は、基板処理における基板回転速度プロファイルの他の例を示す。この例では、基板回転速度を1200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を経過時間の2次関数に従って上昇させている。ここで、基板乾燥工程の開始時をゼロ時間として、経過時間をX(s)、基板回転速度をY(rpm)とすると、基板乾燥工程における基板回転速度プロファイルは、下記の式(2)で表される。また、基板乾燥工程における基板の最大回転速度は3200rpmとする。基板の回転加速度の最大値は、X=20(s)における150rpm/s(2.5sec−2)である。
Y=A・(X−B)+C ……式(2)
(ここで、0≦X≦20のとき、A=3.75rpm/s,B=0,C=200rpm、20<X≦40のとき、A=−3.75rpm/s,B=40s,C=3200rpm、40<X≦50のとき、Y=3200)
このように、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を低く抑える(500rpm以下とする)ので、基板に付着した液体を飛び散らせずに除去することができ、基板から除去された液体の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。
図23は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を経過時間の2次関数に従って上昇させている。ここで、基板乾燥工程の開始時をゼロ時間として、経過時間をX(s)、基板回転速度をY(rpm)とすると、基板乾燥工程における基板回転速度プロファイルは、下記の式(3)で表される。また、基板乾燥工程における基板の最大回転速度は3000rpmとする。基板の回転加速度の最大値は、X=10(s)及び30(s)における140rpm/s(約2.3sec−2)である。
Y=A・(X−B)+C ……式(3)
(ここで、0≦X≦10のとき、A=7.0rpm/s,B=0,C=200rpm、10<X≦20のとき、A=−7.0rpm/s,B=20s,C=1600rpm、20<X≦30)のとき、A=7.0rpm/s,B=20s,C=1600rpm、30<X≦40のとき、A=−7.0rpm/s,B=40s,C=3000rpm、40<X≦50のとき、Y=3000)
図24は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を、経過時間20(s)までは経過時間に対して線型に上昇させ、その後は経過時間の2次関数に従って上昇させている。ここで、基板乾燥工程の開始時をゼロ時間として、経過時間をX(s)、基板回転速度をY(rpm)とすると、基板乾燥工程における基板回転速度プロファイルは、下記の式(4),(5)で表される。また、基板乾燥工程における基板の最大回転速度は3000rpmとする。基板の回転加速度の最大値は、X=30(s)における40rpm/s(約0.7sec−2)である。
Y=A・X+B ……式(4)
(ここで、0≦X≦20、A=20.0rpm/s,B=200rpm)
Y=C・(X−D)+E ……式(5)
(ここで、20<X≦30のとき、C=1.0rpm/s,D=10s,E=1200rpm、30<X≦50のとき、C=−1.0rpm/s,D=50s,E=3000rpm)
図25は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。基板回転速度を600rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、乾燥工程において、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を600rpmとし、基板回転速度を基板乾燥工程の開始時からの経過時間に対して直線状に増加させている。また、基板乾燥工程における基板の最大回転速度は3000rpmとする。基板の回転加速度は80rpm/s(約1.3sec−2)で一定である。
図26は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を経過時間に対して直線状に増加させている。基板乾燥工程における基板の最大回転速度は3200rpmとする。基板の回転加速度は100rpm/s(約1.7sec−2)で一定である。
図27は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を、基板乾燥工程の開始時から経過時間10(s)までは回転加速度をゼロとし、その後の回転加速度は150rpm/s(2.5sec−2)で一定としている。
図28は、処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を500rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板乾燥工程において、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度(初期回転速度)N=500rpmから第1の回転速度N=600rpmに到達するまでの第1の回転加速度αを10rpm/s(α=10rpm/s(約0.17sec−2))とし、第1の回転速度Nから第2の回転速度N=1000rpmに到達するまでの第2の回転加速度αを30rpm/s(α=30rpm/s(0.5sec−2))とし、第2の回転速度Nから第3の回転速度N=3000rpmに到達するまでの第3の回転加速度αを200rpm/s(α=200rpm/s(約3.3sec−2))としている。即ち、基板乾燥工程における基板回転速度を多段階で変化させて、該変化における基板回転速度を順次大きくすると共に、回転加速度も順次大きくしている。このように基板回転速度を変化させることで、低い回転速度から低い加速度で回転速度を緩やかに且つ徐々に上昇させていく工程で基板に付着した液体を飛び散らせずに除去でき、基板から除去された液滴の跳ね返りを防止して、ウォータマーク等の発生を抑制することができる。また、基板に付着した液体を効率良く除去できるので、基板の最大回転速度を低く抑えることができ、且つ最大回転速度の保持時間を短くすることができるため、乾燥処理の時間を短縮することができる。
図29は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1000rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度(初期回転速度)をN=200rpmとし、基板回転速度Nから第1の回転速度N=600rpmに到達するまでの第1の回転加速度αを40rpm/s(α=40rpm/s(約0.67sec−2))とし、第1の回転速度Nから第2の回転速度N=1200rpmに到達するまでの第2の回転加速度αを60rpm/s(α=60rpm/s(1sec−2))とし、第2の回転速度Nから第3の回転速度N=3000rpmに到達するまでの第3の回転加速度αを180rpm/s(α=180rpm/s(3sec−2))としている。即ち、基板乾燥工程における基板回転速度を多段階に変化させて、該変化における基板回転速度を順次大きくすると共に、回転加速度も順次大きくしている。
図30は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を1000rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度(初期回転速度)N=200rpmとし、基板回転速度Nから第1の回転速度N=600rpmに到達するまでの第1の回転加速度αを40rpm/s(α=40rpm/s(約0.67sec−2))としている。そして、基板の回転速度が第1の回転速度Nに到達した後、3秒間にわたりその回転速度を維持し、その後、第1の回転速度Nから第2の回転加速度αを60rpm/s(α=60rpm/s(1sec−2))で加速して第2の回転速度N=1200rpmとした後、3秒間にわたりその回転速度を維持し、その後、第2の回転速度Nから第3の回転加速度αを180rpm/s(α=180rpm/s(3sec−2))で加速して第3の回転速度N=3000rpmとしている。即ち、基板乾燥工程における基板回転速度を多段階に変化させて、該変化における基板回転速度を順次大きくすると共に、回転加速度も順次大きくしている。
図31は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を500rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板洗浄工程の終了時に基板回転速度を200rpmまで減速させて、基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を、基板乾燥工程の開始時から経過時間10(s)までは回転加速度をゼロとし、その後の回転加速度は45rpm/s(0.75sec−2)で一定としている。また、基板の最大回転速度は1100rpmである。この基板回転速度プロファイルにおいては、低い回転速度から低加速度で回転速度を緩やかに上昇させていく過程で液体が効率よく除去されるため、最大回転速度が1100rpmと低く最大回転速度の保持時間も2秒と短くしているにも関わらず、基板の表面に付着した液体が十分に除去される。
図32は、図31に示す基板回転速度プロファイルに基づいて、直径200mmのシリコン基板を、薬液処理工程、洗浄工程、乾燥工程の順に処理を行った後、基板表面のディフェクト数の増加量を計測した結果の一例を示す。比較データとして、乾燥時の回転加速度が500rpm/s(約8.3sec−2)以上である従来方法による乾燥処理を行った場合の結果を併記する。図32から明らかなように、本発明にかかる基板乾燥工程によれば、従来の基板乾燥工程における処理の結果と比較して、基板表面のディフェクトの発生数が約1/7に減少している。この基板回転速度プロファイルにおいては、回転加速度を小さくしたことにより、基板の回転速度を加速する際に、基板の表面に付着した薬液を跳ね返りの影響がない状態で十分に除去することができる。したがって、基板乾燥工程の最大回転速度を1200rpm以下とし、この最大回転速度の保持時間を5(s)以下とするなど、これらの値を従来の基板乾燥工程よりも小さい値に設定しても、基板を十分に乾燥させることができる。
なお、特許文献1に開示された従来例においては、基板乾燥工程で、基板回転速度を加速する時間を除いた時間は18秒〜47秒であり、基板の加速にかかる時間がこれに加わることを考慮に入れると(例えば、基板回転速度を200rpmから3400rpmまで320rpm/s(約5.3sec−2)の加速度で上昇させると10(s)かかる)、本発明に係る基板乾燥工程における乾燥時間は、特許文献1に記載された基板乾燥工程の乾燥時間よりも短縮されることとなる。
図33は、基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す。この例では、基板回転速度を200rpmとして薬液処理工程及び洗浄工程を行い、基板洗浄工程の終了時、及び基板乾燥工程の開始時の基板回転速度を200rpmとし、その後の基板回転速度を、経過時間に対して直線状に増加させている。また、基板の最大回転速度は3000rpmで、回転加速度は100rpm/s(約1.7sec−2)で一定である。この基板回転速度プロファイルでは、薬液処理工程及び洗浄工程における基板回転速度が低いため、図20に示す基板に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル205、及び薬液を供給する薬液供給ノズル206をそれぞれ2箇所以上設置すること等により、基板に供給する薬液及び洗浄液の流量を多くすることで、基板の全面に十分な薬液及びDIWが行き渡るようにすることが望ましい。
なお、図20に示す基板処理装置を、図17に示すCMP装置130の基板処理装置131−1,131−2,131−3,131−4に使用したり、図18に示すめっき装置150の基板処理装置153−1,153−2に使用したり、図19に示す洗浄装置170の基板処理装置173−1,173−2に使用したりしてもよいことは勿論である。
また、図20に示す基板処理装置で行われる基板処理にあっても、洗浄液供給ノズル205や薬液供給ノズル206等の設置位置、及びこれらから供給される洗浄液や薬液の種類や供給するタイミング等を変更することで、基板Wの種類に応じた処理を行うように構成することができる。また、上記した基板処理における基板回転速度プロファイルは一例であり、本願発明の基板処理方法はこれに限られるものではない。
図34は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置を示す。この基板処理装置は、密閉可能な処理チャンバ302と、この処理チャンバ302の内部に配置され、表面を上向きにして基板Wを着脱自在に保持する基板ホルダ304を有している。基板ホルダ304は、回転自在で、回転速度及び/または回転加速度を調整自在な回転軸306の上端に連結されている。基板ホルダ304の上方には、基板Wの表面に薬液や洗浄液等の処理液を供給する処理液供給ノズル308が配置され、この処理液供給ノズル308は、処理チャンバ304の外部から該処理チャンバ304の内部に延びる処理液供給ライン310に接続されている。
処置チャンバ302の頂部は、ドライガス供給装置312から延びるドライガス供給管(ドライガス供給部)314に接続され、処理チャンバ302の底部は、排気装置316から延びる排気管318に接続されている。排気管316には、気水分離槽320が介装されている。このドライガス供給装置312は、例えば、前述のように、相対湿度が0〜30%に制御された不活性ガスまたは空気からなるドライガスを、ドライガス供給管314を通して処理チャンバ302内に供給する。これにより、基板ホルダ304で保持した基板に付着した液体の蒸発を促進する乾燥部が構成されている。
更に、処理チャンバ302の内部の基板ホルダ304に保持した基板Wの上方位置には、ここでの湿度を計測する第1湿度センサ(モニタ部)322aが、基板ホルダ304に保持した基板Wの下方位置には、ここでの湿度を計測する第2湿度センサ(モニタ部)322bがそれぞれ配置されている。この湿度センサ322a,322bからの出力は、制御部324にフィードバック信号としてそれぞれ入力され、この制御部324からの出力信号が乾燥部としてのドライガス供給装置312及び排気装置316に入力される。そして、ドライガス供給装置312及び排気装置316は、制御部324からの信号によって、処理チャンバ302内におけるドライガスの流量、湿度及び排気量が、予め設定した設定値となるように制御される。
なお、この例では、乾燥部としてドライガスを用いたものを使用し、処理チャンバ内の湿度をモニタ部としての湿度センサで計測するようにした例を示しているが、処理チャンバ内に露点や温度をモニタ(計測)して、処置チャンバ内の露点や温度が予め設定した設定値となるように制御するようにしてもよい。
この図20に示す基板処理装置によって、基板の薬液処理工程、洗浄処理工程及び乾燥処理工程を順に行うことができることは前述の例と同じである。
図35は、上記した基板処理における基板回転速度プロファイルの一例を示す。この例では、例えば基板Wを回転速度Nで回転させつつ、基板の表面に処理液を供給して薬液処理を行う。そして、処理液の供給を停止した後、基板を1000rpm以下の初期回転速度Nで基板を回転させながら、前述のように、処置チャンバの内部に低湿度のドライガスを供給して、基板の初期乾燥を行い、これによって、基板上の液体をある程度除去する。しかる後、処置チャンバの内部に低湿度のドライガスを供給しつつ、段階的または連続的に基板の回転速度を変化させて基板上の液量を減少させ、更に800rpm以上の最高回転数Nで基板Wを回転させて基板上の液を蒸発させた後、基板の回転速度を0rpmまで落として基板の乾燥を終了する。
図36は、処理液によって濡れた基板を回転させた時の基板回転速度と気中ミスト数の関係を示す。図36より、気中ミスト数は、基板回転速度が小さいほど減少し、特に基板の回転速度が1000rpm以下の場合に、この現象が顕著に現れることがわかる。従って、基板を1000rpm以下の初期回転速度Nで基板を回転させながら、必要に応じて、処置チャンバの内部に低湿度のドライガスを供給して、基板の初期乾燥を行うことで、回転中の基板の近傍雰囲気中のミスト数を大幅に減少させることができる。
図37は、処理液によって濡れた基板を、基板回転速度500rpm、1000rpm及び1500rpmでそれぞれ回転した時に飛散する液滴径とウェーバ数(We数)の関係を示す。ここでウェーバ数(We数)は、下記の式で表される。
1500rpmと基板回転速度が大きい時はWe数が大きくなり、微小な液滴でも、図38(c)に示すように分裂し易くなる。1000rpm、500rpmと基板回転速度を落としていくとWe数は増加し難くなり、図38(b)に示すように、滴滴330は、装置内壁332等に反射する状態から、図38(a)に示すように、分裂することなく装置内壁332等に付着しやすくなる。複数に分裂するような液滴の下限サイズは大きくなり、すなわち分裂領域に該当するサイズの液滴は少なくなるため、総じて分裂する液滴は少なくなる。
従って、基板を1000rpm以下、好ましくは500rpm以下の初期回転速度Nで基板を回転させながら、必要に応じて、処置チャンバの内部に低湿度のドライガスを供給して、基板の初期乾燥を行うことで、液滴が装置内壁へ衝突して小さい液滴に分裂することを抑制して、雰囲気中のミストや湿度の増加を防止することができる。
図39は、図35に示す基板回転速度プロファイルに基づいて、直径200mmのシリコン基板を、薬液処理工程、基板洗浄工程、基板乾燥工程の順に処理を行った後、基板表面のウォータマーク数を計測した結果(多段階回転)、及び処置チャンバの内部への低湿度のドライガスの供給を更に併用して基板の乾燥処理を行った後、基板表面のウォータマーク数を計測した結果(多段階回転+低湿度ガス)をそれぞれ示す。比較データとして、基板を単段階で回転させて基板の乾燥処理を行った後、基板表面のウォータマーク数を計測した結果(単段階回転)、及び処置チャンバの内部への低湿度のドライガスの供給を更に併用して基板の乾燥処理を行った後、基板表面のウォータマーク数を計測した結果(単段階回転+低湿度ガス)を併記する。
図39から明らかなように、処理液で濡れた基板を乾燥させるにあたって、一定回転速度で基板を処理しても、低湿度ガスを供給することでウォータマーク数が大きく減少する。低湿度ガスを供給することなく、基板を多段階回転(低回転速度で基板上の大部分の液体を除去してから、回転速度を増して残留液体を除く)させてもウォータマーク数は減少し、これに低湿度ガスを組み合わせると、更にウォータマーク数は少なくなることが判る。
図40は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)の全体配置図を示す。この基板処理装置(システム)は、メインフレーム400内への基板の搬入及び搬出を行う2基のロード・アンロード部402を備えている。メインフレーム400の内部には、基板の表面に形成しためっき膜に熱処理(アニール)を行う熱処理装置404、基板の周縁部に成膜しためっき膜を除去するベベルエッチング装置406、基板の表面を薬液や純水等の洗浄液で洗浄しスピン乾燥させる4基の洗浄・乾燥装置208、基板を仮置きする基板ステージ410及び2基のめっき装置412が配置されている。また、メインフレーム400の内部には、ロード・アンロード部402と基板ステージ410との間で基板の受渡しを行う走行自在な第1搬送ロボット414と、基板ステージ410、熱処理装置404、ベベルエッチング装置406、洗浄・乾燥装置408及びめっき装置412の間で基板の受渡しを行う走行自在な第2搬送ロボット416が備えられている。
ここで、ベベルエッチング装置406、洗浄・乾燥装置208及びめっき装置412の少なくとも一つとして、例えば図34に示す構成の基板処理装置が使用される。
メインフレーム400には遮光処理が施され、これによって、このメインフレーム400内での以下の各工程を遮光状態で、つまり、配線に照明光等の光が当たることなく行えるようになっている。このように、配線に光を当たることを防止することで、例えば銅からなる配線に光が当たって光電位差が生じ、この光電位差によって配線が腐食してしまうことを防止することができる。
更に、メインフレーム400の側方に位置して、めっき液タンク420とめっき液分析装置422を有し、めっき装置412で使用するめっき液の成分を分析し管理して、所定の組成のめっき液をめっき装置412に供給するめっき液管理装置424が付設されている。めっき液分析装置422は、例えばサイクリックボルタンメトリ(CVS)や液クロマトグラフィ等により有機物を分析する有機物分析部と、中和滴定、酸化還元滴定、ポーラログラフィまたは電気滴定等により無機物を分析する無機物分析部を有している。そして、めっき液分析装置422の分析結果をフィードバックして、めっき液タンク420内のめっき液の成分を調整するようになっている。めっき液管理装置424をメインフレーム400内に内蔵するようにしてもよい。
次に、この図40に示す基板処置装置(システム)で銅配線を形成する例を、図41を更に参照して説明する。先ず、図41(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材501上の導電層501aの上にSiOからなる絶縁膜502を堆積し、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール503とトレンチ504かなる配線用の微細凹部を形成し、その上にTaNやTiN等からなるバリア層505、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層507を順次形成した基板Wを用意する。この基板Wを収納した基板カセットをロード・アンロード部502に搭載する。
そして、ロード・アンロード部402に搭載した基板カセットから1枚の基板を第1搬送ロボット414で取出してメインフレーム400内に搬入し、基板ステージ410に搬送して載置保持する。第2搬送ロボット416は、基板ステージ410に載置保持された基板を、いずれかのめっき装置412に搬送する。
めっき装置412では、先ず、基板の表面(被処理面)にプレコート等のめっき前処理を行い、しかる後、基板の表面にめっきを行う。これによって、図41(b)に示すように、基板Wのコンタクトホール503及びトレンチ504内に銅を充填するとともに、絶縁膜502上に銅膜506を堆積する。この時、めっき液タンク420内のめっき液の組成をめっき液分析装置422で分析し、不足する成分をめっき液タンク420内のめっき液に補給することで、めっき液タンク420から一定の組成のめっき液をめっき装置412に供給する。そして、めっき終了後、基板上に残っためっき液を回収し、基板のめっき面をリンスした後、基板の表面を純水等で洗浄(水洗)し、この洗浄後の基板を第2搬送ロボット416でベベルエッチング装置406に搬送する。
ベベルエッチング装置406では、例えば基板を水平に保持し回転させた状態で、基板の表面側の中央部に酸溶液を連続的に、周縁部に酸化剤溶液を連続的または間欠的に供給する。この酸溶液としては非酸化性の酸であればよく、例えばフッ酸、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸等を用いる。この酸化剤溶液としては、オゾン水、過酸化水素水、硝酸水、次亜塩素酸ナトリウム水等のいずれかを用いるか、またはそれらの組み合わせを用いる。これにより、基板Wの周縁部(ベベル部)に成膜乃至付着した銅等を酸化剤溶液で急速に酸化させ、同時に基板の中央部から供給されて基板の表面全面に拡がる酸溶液によってエッチングして溶解除去する。
この時、基板の裏面中央部に酸化剤溶液とシリコン酸化膜エッチング剤とを同時または交互に供給し、これにより基板Wの裏面側に金属状で付着している銅等を基板のシリコンごと酸化剤溶液で酸化しシリコン酸化膜エッチング剤でエッチングして除去するようにしてもよい。
このベベルエッチング後の基板を、第2搬送ロボット416でいずれかの洗浄・乾燥装置408へ搬送して、基板の表面の薬液や純水等の洗浄水による洗浄を行ってスピン乾燥させる。そして、この乾燥後の基板を、第2搬送ロボット416で熱処理装置404に搬送する。
この熱処理装置404では、基板Wの表面に形成した銅膜506の熱処理(アニール)を行い、これによって、配線を形成する銅膜506を結晶化させる。この熱処理(アニール)は、基板を、例えば400℃となるように加熱し、例えば数十秒〜60秒程度、加熱を継続して終了する。同時に、必要に応じて、熱処理装置404の内部に酸化防止用のガスを導入し、このガスを基板の表面に沿って流すことで、銅膜506の表面の酸化を防止する。基板の加熱温度は、一般的には、100〜600℃、好ましくは300〜400℃である。
この熱処理を行った基板Wを、第2搬送ロボット416で基板ステージ410に搬送して保持し、この基板ステージ410で保持した基板を第1搬送ロボット414でロード・アンロード部402のカセットに戻す。
しかる後、絶縁膜502上に形成された余分な金属並びにバリア層を化学機械的研磨(CMP)などの方法によって除去し平坦化することにより、図41(c)に示すように、銅膜506からなる配線を形成する。
なお、上記の例では、バリア層としてTaNやTiN等を、シード層として銅をそれぞれ使用した例を示しているが、これらの他に、Ti,V,Cr,Ni,Zr,Nb,Mo,Ta,Hf,W,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,PtまたはIr、またはこれらの窒化物を使用してもよい。
図42は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)の全体構成を示す平面図である。この基板処理装置は、半導体ウェハ(Siウェハ)などの基板のベベル部、エッジ部及びノッチ部を研磨することにより、基板のベベル部、エッジ部及びノッチ部等の周縁部に発生する表面の荒れや基板の周縁部に付着し汚染源となる膜を除去する処理を行い、この周縁部の処理後に基板を洗浄して乾燥させ搬出するものである。
図42に示すように、基板処理装置(システム)は、複数の半導体ウェハ等の基板を収容した基板カセットC1,C2を載置する一対のロード/アンロードステージ601と、ドライな基板を搬送する第1搬送ロボット602と、ウェットな基板を搬送する第2搬送ロボット603と、処理前または処理後の半導体ウェハを載置する仮置き台4と、半導体ウェハの周縁部を研磨する研磨装置610と、研磨後の半導体ウェハを洗浄する洗浄装置605,606とを備えている。第1搬送ロボット602は、ロード/アンロードステージ1上のカセットC1,C2、仮置き台604、洗浄装置606の間で基板を搬送するようになっている。また第2搬送ロボット603は、仮置き台604、研磨装置610、洗浄装置605,606の間で基板を搬送するようになっている。
この例では、研磨装置610は基板の周縁部を研磨した後に基板の1次洗浄を行う1次洗浄機を備えている。したがって、洗浄装置605は、基板の2次洗浄を行う2次洗浄機を構成し、洗浄装置606は基板の3次洗浄を行う3次洗浄機を構成している。
ここで、研磨装置610、洗浄装置605及び洗浄装置606の少なくとも一つとして、例えば図34に示す構成の基板処理装置が使用される。
図42に示す基板処理装置は、ハウジング407で囲まれており、上部に設けられた図示しないエアー供給ファン,ケミカルフィルタ,HEPAまたはULPAフィルタを介して清浄な空気が下部の排気部に向かって供給される。これにより、研磨、洗浄および搬送の際に基板が汚染されないように基板表面に清浄な空気のダウンフローが形成される。なお、各部は、ロード/アンロードステージ601>仮置き台604及び洗浄装置606>洗浄装置605>研磨装置610の順に圧力勾配が設けられている。このような構成により、基板処理装置は、クリーンルームのみならず、ダスト管理をしていない通常の環境に設置されても、極めて清浄なプロセスを行うことができるドライイン・ドライアウト型の基板周縁研磨装置とすることができる。
次に、図42に示す構成を具備した基板処理装置(システム)の処理工程を説明する。
CMP工程や胴成膜工程を終えた基板が収容された基板カセットC1,C2が図示しない基板搬送装置によって基板処理装置に搬送され、ロード/アンロードステージ601に載置される。第1搬送ロボット602は、ロード/アンロードステージ601上の基板カセットC1またはC2から基板を取出し、この基板を仮置き台604に載置する。第2搬送ロボット603は、仮置き台604に載置された基板を受取り、この基板を研磨装置610に搬送する。この研磨装置610において、ベベル部、エッジ部及びノッチ部の研磨が行われる。
研磨装置610においては、研磨中または研磨後に、基板の上方に配置された1以上のノズルから純水または薬液を供給して基板の上面(ベベル部を含む)、エッジ部及びノッチ部を洗浄する。この洗浄液は、研磨装置610での基板の表面材質の管理(例えば、薬液などによる基板表面の不均一な酸化などの変質を避けて均一な酸化膜を形成するなど)の目的のために行われる。また、研磨後に基板の周縁部にスポンジローラを押し当ててスクラブ洗浄を行う。この研磨装置610での洗浄を1次洗浄という。
洗浄装置605,606ではそれぞれ基板の2次洗浄、3次洗浄が行われる。つまり、研磨装置610において1次洗浄された基板は、第2搬送ロボット603により洗浄装置605または606に搬送され、洗浄装置605において2次洗浄、場合によっては洗浄装置606において3次洗浄、あるいは両ユニット605,606において2次洗浄及び3次洗浄を行う。
最終洗浄の行われた洗浄装置605または606において、基板を乾燥させ、第1搬送ロボット602が乾燥した基板を受け取って、これをロード/アンロードステージ601上のウェハカセットC1,C2に戻す。
なお、上述した2次洗浄、3次洗浄においては、接触型の洗浄(ペンシル型やロール型などの例えばPVA製スポンジでの洗浄)と非接触型の洗浄(キャビテーションジェットや超音波印加液体による洗浄)を適宜組み合わせてもよい。
研磨装置610における研磨終点は、研磨時間によって管理してもよいし、あるいは、ベベル部の研磨ヘッドが位置しない場所に、基板のデバイス形成面の法線方向から所定形状及び所定強度の光(レーザやLEDなど)を図示しない光学的手段によって照射し、その散乱光を測定することでベベル部の凹凸を測定し、これに基づいて研磨終点を検知することとしてもよい。
図43は、本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)を示す。図43に示す基板処理装置は、研磨装置710 、一次洗浄装置720及び二次洗浄装置730を2系列有している。研磨装置710、一次洗浄装置720、二次洗浄装置730は、それぞれ1台ずつ、隔壁で仕切られた部屋に設置されており、各部屋は独立して排気されて互いの雰囲気が干渉しないようになっている。そのために、研磨装置710でのスラリーを含むミスト等が一次洗浄装置720や二次洗浄装置730に悪影響を与えず、また、一次洗浄装置720での薬液を含んだミスト等が二次洗浄装置730に悪影響を与えることもない。
それぞれの研磨装置710を収納する部屋には、基板702を一旦置くための受渡台741が設置されている。研磨装置710を収容する部屋に隣接して、一次洗浄装置720が配置されている。2台の一次洗浄装置720の間には、基板を搬送する搬送機743が設置されている。一次洗浄装置720の隣には、基板の表裏を反転させる反転機742が系列毎に設置され、その先に二次洗浄装置730が配置されている。2つの二次洗浄装置730の間には、基板を搬送する搬送機744が設置されている。そして、二次洗浄装置730と搬送機744に隣接して、研磨・洗浄しようとする、あるいは研磨・洗浄し終えた基板を複数枚まとめて収納するカセットを設置するロード/アンロード部750が配置されている。
ここで、研磨装置710、一次洗浄装置720及び二次洗浄装置730の少なくとも一つとして、例えば図34に示す構成の基板処理装置が使用される。
次に、図43に示す構成を具備した基板処理装置(システム)の処理工程を説明する。
ロード・アンロード部750から取出され、反転機742により電気回路が組み込まれている面が下向きとされた基板は、研磨装置710に搬送される。研磨装置710で基板はスラリーを用いて研磨(CMP)され、電気回路が組み込まれている面が平坦化される。この平坦化後の基板は、反転機42に搬送され、表裏が反転されて(鏡面側が上向きにされて)、一次洗浄装置720に搬送される。一次洗浄装置720では、薬液を供給しながら、洗浄部材で基板の表面をスクラブ洗浄する。スクラブ洗浄された基板は、搬送機743または搬送機744により二次洗浄装置730に搬送される。二次洗浄装置730では、例えば前述の図35に示すように、基板を回転させながら、洗浄水としてのDIW
を供給する二次洗浄を行い、しかる後、DIW の供給を停止し、基板を最高回転速度で回転させることにより、基板を乾燥させる。乾燥した基板は、搬送機744 によりロード/アンロード部750に戻される。図43に示す基板処理装置では、研磨装置710、一次洗浄装置720及び二次洗浄装置730を2系列有するので、並行して、研磨から洗浄・乾燥の作業を行うことができる。
上記の作業は、制御部760により制御される。図43では、主な通信経路だけを図示しているが、基板処理装置の各装置は、それぞれ制御部760と繋がっており、制御部760からの信号に従い動作する。制御部760では、各運転のプログラムを記憶しており、例えば、基板の搬送機743、744による搬送、二次洗浄装置730での二次洗浄時の回転速度や洗浄時間、乾燥前段で下げる回転速度、乾燥するときの高速の回転速度も組み込まれている。運転プログラムが制御装置に組み込まれていることにより、容易に前記の研磨、洗浄及び乾燥の運転を実現することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
従来の基板処理における基板回転速度のプロフィールの一例を示す図である。 本発明の実施の形態における基板処理装置(システム)を示す平面図である。 図2に示す基板処理装置に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としての研磨装置を示す概要図である。 図2に示す基板処理装置に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としてのエッチング装置を示す概要図である。 図2に示す基板処理装置に備えられている、本発明の実施の形態における基板処理装置としての洗浄・乾燥装置を示す概要図である。 20℃−相対湿度58%に制御したドライガスを使用した場合と、20℃−相対湿度30%に制御したドライガスを使用した場合に成長する酸化膜厚(成長酸化膜厚)と放置時間との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 図7に示す基板処理装置の基板回転速度、回転加速度及び単位時間に回収された基板と基板ホルダから飛散した液体の質量(液体の回収率)を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 図9に示す基板処理装置の基板回転速度、回転加速度及び基板の周囲の湿度の変化を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 図11に示す基板処理装置の基板回転速度、回転加速度及び基板の周囲のミスト密度の変化を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 図13に示す基板処理装置の基板回転速度、回転加速度及び基板の表面の液体付着部分の面積の減少率を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 図15に示す基板処理装置の基板回転速度、回転加速度及び基板と基板ホルダの質量の減少率を示す図である。 本発明の実施の形態の基板処理装置を備えためっき装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態の基板処理装置を備えためっき装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態の基板処理装置を備えた洗浄装置を示す平面図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの一例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 基板表面のディフェクト数の増加量を計測した結果を示す図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態における基板処理装置を示す概要図である。 基板処理における基板回転速度プロファイルの更に他の例を示す図である。 処理液によって濡れた基板の回転させた時の回転速度と気中ミスト数の関係を示すグラフである。 処理液によって濡れた基板の異なる最高回転速度で回転させた時の液滴径とWe数の関係を示すグラフである。 We数の大小と液滴の状態の関係を模式的に示す図である。 基板表面のウォータマーク数を計測した結果を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)を示す平面図である。 銅配線を形成する例を工程順に示す図である。 本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)を示す平面図である。 本発明の更に他の実施の形態の基板処理装置(システム)を示す平面図である。
符号の説明
12 研磨装置(基板処理装置)
14 エッチング装置(基板処理装置)
16 洗浄・乾燥装置(基板処理装置)
20,44,64 処理チャンバ
22,40,60 基板ホルダ
24 研磨具
30,48,50,52,68,72 液体供給ノズル
32,36,54,58,74,78 ドライガス供給管(ドライガス供給部)
46,66 洗浄液供給ノズル
56,76 液体供給管
70 洗浄部材

Claims (19)

  1. 基板を保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部とを有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記ドライガス供給部は、前記基板ホルダで保持した基板の少なくとも一部に向けて、湿度が制御されたドライガスを吹き付けて供給するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記ドライガス供給部は、前記基板ホルダを収納した処理チャンバの内部に、相対湿度が0〜30%に制御された不活性ガスまたは空気からなるドライガスを供給するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  4. 前記ドライガス供給部は、該ドライガス供給部から前記処理チャンバの内部にドライガスを供給することに伴って排気される総排気風量の0.5〜3倍の風量のドライガスを処理チャンバの内部に供給するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
  5. 基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を研磨する研磨装置と、
    前記研磨装置による研磨後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去するエッチング装置とを有することを特徴とする基板処理装置。
  6. 前記研磨装置及び前記エッチング装置の少なくとも一方は、基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部を有することを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
  7. 基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダで保持した基板の表面の少なくとも一部が曝される雰囲気を、湿度が制御されたドライガス雰囲気にするドライガス供給部とを有し、前記エッチング装置でベベル部乃至エッジ部をエッチングした基板を洗浄し乾燥する洗浄・乾燥装置を更に有することを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
  8. 基板のベベル部乃至エッジ部に成膜乃至付着した薄膜を研磨除去し、
    この研磨後の基板のベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去することを特徴とする基板処理方法。
  9. 前記ベベル部乃至エッジ部に残った薄膜をエッチング除去した基板を洗浄し乾燥させることを特徴とする請求項8記載の基板処理方法。
  10. 基板を保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダで保持した基板の乾燥の程度をモニタするモニタ部と、
    前記モニタ部から出力された基板の乾燥の程度を示すモニタ値に基づいて前記基板ホルダの回転を制御する制御部を有することを特徴とする基板処理装置。
  11. 前記制御部は、基板ホルダの回転速度及び/または回転加速度を制御することを特徴とする請求項10記載の基板処理装置。
  12. モニタ部は、基板の乾燥時に基板から飛散する液滴の質量を計測する質量計、基板の周囲の温度を計測する温度計、基板の周囲のミスト量を計測するミスト量計測計、基板表面の液滴付着部分の面積を計測する液滴付着面積計測機構、基板及び基板ホルダの質量を計測する質量計の少なくとも一つからなり、モニタ部による液滴の質量、湿度、ミスト量、基板表面の液滴付着部分の面積、基板及び基板ホルダの質量の少なくとも一つの計測値または該計測値の変化量を、前記制御部にフィードバックすることで、計測値または変化量が一定値または一定値以下となるように基板ホルダの回転を制御することを特徴とする請求項10記載の基板処理装置。
  13. 基板を保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダの回転速度を連続的または段階的に加速し減速させる制御部を有することを特徴とする基板処理装置。
  14. 前記制御部は、基板ホルダの回転速度を、基板ホルダの回転速度が最大回転速度に到達するまでの間、基板乾燥の開始時からの経過時間に対する1次関数または2次以上の多次関数として増加させ、且つ前記基板ホルダの回転加速度を0〜300rpm/sとすることを特徴とする請求項13記載の基板処理装置。
  15. 前記制御部は、基板乾燥の開始時の初期回転速度から最大回転速度に到達するまでの間の基板ホルダの回転速度をn段階に変化させ、第k−1番目(2≦k≦n)の回転速度から第k番目の回転速度に到達するまでを第k番目の回転加速度で加速させるとともに、第k番目の回転速度を第k−1番目の回転速度よりも大きくし、且つ第k番目の回転加速度を第k−1番目の回転加速度よりも大きくすることを特徴とする請求項13記載の基板処理装置。
  16. 前記基板ホルダで保持した基板に付着した液体の蒸発を促進する乾燥部と、
    前記乾燥部を制御する制御部を更に有することを特徴とする請求項13記載の基板処理装置。
  17. 前記基板ホルダで保持した基板雰囲気の湿度、露点または温度をモニタし前記制御部にフィードバック信号を送るモニタ部を更に有することを特徴とする請求項16記載の基板処理装置。
  18. 基板ホルダで基板を保持し、
    基板ホルダを、この回転速度が最大回転速度に到達するまでの間、基板乾燥工程の開始時からの経過時間の1次関数または2次以上の多次関数として増加させ、且つ回転加速度を0〜300rpm/sとした回転速度で回転させて該基板ホルダで保持した基板を乾燥させることを特徴とする基板処理方法。
  19. 基板ホルダで基板を保持し、
    基板ホルダを、基板乾燥工程の開始時の初期回転速度から最大回転速度に到達するまでの間をn段階に変化させ、第k−1番目(2≦k≦n)の回転速度から第k番目の回転速度に到達するまでを第k番目の回転加速度で加速させ、第k番目の回転速度を第k−1番目の回転速度よりも大きくし、且つ第k番目の回転加速度を第k−1番目の回転加速度よりも大きくした回転速度で回転させて該基板ホルダで保持した基板を乾燥させることを特徴とする基板処理方法。
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