JP2004262855A - 毛髪処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間が長い毛髪処理剤を提供すること。
【解決手段】(A)アルカリ剤、(B)過酸化水素、(C)水、及び(D)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有し、pH7〜13であって、半密閉容器に収容されてなる毛髪処理剤。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)アルカリ剤、(B)過酸化水素、(C)水、及び(D)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有し、pH7〜13であって、半密閉容器に収容されてなる毛髪処理剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液を吐出口から吐出させ毛髪に塗布して用いる毛髪処理剤に関し、更に詳細には、混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間の長い毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアカラー、ヘアブリーチ等の毛髪処理剤のうち液状のものは、使用直前に過酸化水素等の酸化剤とアンモニア等のアルカリ剤を半密閉容器内で混合し、蓋を外した後、小さな吐出口から混合液を吐出して用いる。これらの毛髪処理剤は、混合後は直ちに髪に適用し、また余剰の混合液は半密閉容器外へ直ちに廃棄するのが正しい使用方法である。しかしながら、時に電話への応対等の事情で混合液を半密閉容器内に放置してしまい、容器内での過酸化水素の分解によるガス発生のために、容器の変形や破裂、混合液の流出等が引き起こされ、周囲を汚してしまう等の事例があり、問題となっていた。
【0003】
ここで半密閉容器とは、混合液を作るために容器を振り動かす際には蓋を閉めておくが、混合液を毛髪に塗布するために吐出する際には、一つ又は複数の小さな吐出口から混合液を出すようにして使用される容器をいう(具体的には、ノズル型の吐出口を取り付けた容器、吐出口を有するブラシやコームを取り付けた容器、ディップチューブを有する容器など)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−26943号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液を吐出口から吐出させ毛髪に塗布して用いる毛髪処理剤において、混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間の長い毛髪処理剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、毛髪処理剤混合物中に、従来、過酸化水素の安定化剤として知られている(例えば、特許文献1参照)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有させることにより、混合後のガス発生速度が抑制され、その結果、混合液が半密閉容器中に放置された場合にも、容器の変形・破裂等を抑止できることを見出した。
【0007】
本発明は、(A)アルカリ剤、(B)過酸化水素、(C)水、及び(D)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有し、pH7〜13であって、半密閉容器に収容されてなる毛髪処理剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、各成分の含有量は、当該成分の使用量を示す。したがって、半密閉容器内での混合後の反応による含有量の変動は考慮せず、当該反応前の量を示すものとする。
【0009】
成分(A)のアルカリ剤は、半密閉容器内で混合されるまでは、成分(B)の過酸化水素を含有する組成物(第2剤)とは別個に、第1剤中に含有されるものである。アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノブタノール等のアルカノールアミン;グアニジン;アンモニア等が挙げられ、なかでもアルカノールアミン、特にモノエタノールアミンが好ましい。
【0010】
これらのアルカリ剤は、成分(A)として2種以上を併用してもよく、本発明の毛髪化粧料中の含有量は、十分な脱色・染色効果の点、及び頭皮への刺激低減の点から、全組成〔第1剤及び第2剤(三剤型の場合には更に第3剤)の混合後の全組成。以下同じ〕中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.1〜6重量%、特に1〜3重量%が好ましい。本発明の染色剤組成物は、アルカリ剤としてアンモニアを用いない場合には、アンモニアによる刺激臭が全く無く、使用中に不快感を生じないが、アンモニアを用いれば、更に強力な脱色・染色効果を得ることができる。モノエタノールアミンとアンモニア(炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の塩由来を含む)を併用する場合、アンモニア/モノエタノールアミン(モル比)が1以下であるのが好ましく、更には0.5以下、特に0.3以下、とりわけ0.1以下であるのが好ましい。
【0011】
成分(B)の過酸化水素は、半密閉容器内で混合されるまでは、成分(A)のアルカリ剤を含有する組成物(第1剤)とは別個に、第2剤中に含有されるものである。過酸化水素の含有量は、十分な脱色・染色効果及び頭皮の刺激低減の点から、全組成中の0.1〜12重量%とされるが、1〜9重量%、特に2〜6重量%が好ましい。
【0012】
成分(C)の水の含有量は、全組成中の20〜80重量%とされるが、25〜65重量%、特に重量%が好ましい。水が20重量%以上であると染色力が向上し、80重量%以下であると脱色成分であるアルカリ剤と過酸化水素が毛髪中で有効に作用し、脱色力が向上する。
【0013】
成分(D)の1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩は、第1剤と第2剤を混合したときのガス発生速度の抑制に寄与するものである。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩は、酸性領域での過酸化水素の安定化効果は知られているが、本発明のような中性からアルカリ性領域でのガス発生速度抑制効果は知られていない。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の塩としては、四ナトリウム塩、四カリウム塩等が挙げられる。
【0014】
これらの化合物は、成分(D)として2種以上を併用してもよく、第1剤及び第2剤の少なくとも一方に含有される。またその含有量は、混合後のガス発生速度抑制効果の点から、全組成中の0.001〜3重量%が好ましく、更には0.005〜3重量%、特に0.01〜2重量%、とりわけ0.02〜1重量%が好ましい。
【0015】
本発明の毛髪処理剤のpHは7〜13であるが、脱色・染色効果と皮膚刺激性の点でpH7.5〜12、特にpH8〜11が好ましい。
【0016】
また、本発明の毛髪処理剤は、成分(E)として高級脂肪アルコールを含有するのが好ましい。このような成分(E)としては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の一価アルコール、例えばミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられ、セチルアルコール、オレイルアルコール等が好ましい。高級脂肪アルコールは、成分(E)として2種以上を使用でき、またその含有量は、全組成中の0.1〜20重量%、特に0.2〜10重量%が好ましい。
【0017】
本発明の毛髪処理剤は、HLBの異なる2種以上の非イオン界面活性剤、すなわち、成分(F):HLB10〜20の親水性非イオン界面活性剤、及び成分(G):HLB1〜10の親油性非イオン界面活性剤を含有するのが好ましい。
【0018】
成分(F)の親水性非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオシキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;アルキルグリコシド等でHLB10〜20のものが挙げられる。
【0019】
成分(G)の親油性非イオン界面活性剤としては、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルでHLB1〜10のものや、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルグリセリルペンタエリスリトイルエーテル、アルキルジグリセリルエーテル、アルキルトリグリセリルエーテル等でHLB1〜10のものが挙げられる。特に、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルジグリセリルエーテル及びイソステアリルグリセリルペンタエリスリトイルエーテルが好ましい。
【0020】
成分(F)と成分(G)は、平均のHLBが8〜12、好ましくは9〜11になるように、重量比で1/10〜10/1の割合で、第1剤と第2剤からなる全組成中に合計で1〜60重量%、特に2〜30重量%となるように含有させると、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方が液状になり、かつ混合すると増粘して毛髪への塗布時に液だれし難いものとなる。ここで、HLB値は、Griffinの方法により求めたものをいい、また、液状とは、25℃、B型回転粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下の状態をいう。第1剤と第2剤の混合後の粘度は、1000〜20000mPa・s、特に5000〜15000mPa・sとなるのが好ましい。
【0021】
本発明の毛髪処理剤には、更に過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を加えることで、脱色効果をより強力なものとすることができる。これら過硫酸塩は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、全組成中の1〜30重量%、特に3〜15重量%とすることが好ましい。過硫酸塩を使用する場合は、別途第3剤として、過硫酸塩造粒物からなる粉末状酸化剤の形態に調製するのが好ましい。
【0022】
本発明の毛髪処理剤は、単に毛髪の脱色を目的とする場合は、酸化染料中間体又は直接染料を含有しないで毛髪脱色剤(ヘアブリーチ)として使用されるが、毛髪の染色を目的とする場合は、更に酸化染料中間体又は直接染料を第1剤中に含有させ、染毛剤として使用される。
【0023】
かかる酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知の顕色物質及びカップリング物質を用いることができる。顕色物質としては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、N−メトキシエチル−パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミン、1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノフェニル)アミノ)−2−プロパノール、PEG−3,3,2′−パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−アセタミドフェノール、3,4−ジアミノ安息香酸、5−アミノサリチル酸、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−1−(4′−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ヒドロキシエチルピラゾールとこれらの塩等が挙げられる。
【0024】
また、カップリング物質としては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール、2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4−ジメトキシ−1,3−ジアミノベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2−メチル−5−アミノフェノール、2−メチル−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−クロロ−3−アミノ−6−メチルフェノール、2−メチル−4−クロロ−5−アミノフェノール、N−シクロペンチル−メタアミノフェノール、2−メチル−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2−メチル−4−フルオロ−5−アミノフェノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4−メチレンジオキシフェノール、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェノール、3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジンとこれらの塩等が挙げられる。
【0025】
顕色物質とカップリング物質は、それぞれ2種以上を併用してもよく、またそれらの含有量はそれぞれ、全組成中の0.01〜5重量%、特に0.1〜4重量%が好ましい。
【0026】
また、直接染料としては、染毛剤に利用可能である公知の酸性染料、塩基性染料、分散染料、反応性染料等を用いることができる。酸性染料としては、例えば赤色2号(C.I.16185)、赤色3号(C.I.45430)、赤色102号(C.I.16255)、赤色104号の(1)(C.I.45410)、赤色105号の(1)(C.I.45440)、赤色106号(C.I.45100)、黄色4号(C.I.19140)、黄色5号(C.I.15985)、緑色3号(C.I.42053)、青色1号(C.I.42090)、青色2号(C.I.73015)、赤色201号(C.I.15850)、赤色227号(C.I.17200)、赤色230号の(1)(C.I.45380)、赤色231号(C.I.45410)、赤色232号(C.I.45440)、だいだい色205号(C.I.15510)、だいだい色207号(C.I.45425)、黄色202号の(1)(C.I.45350)、黄色203号(C.I.47005)、緑色201号(C.I.61570)、緑色204号(C.I.59040)、緑色205号(C.I.42095)、青色202号(C.I.42052)、青色205号(C.I.42090)、かっ色201号(C.I.20170)、赤色401号(C.I.45190)、赤色502号(C.I.16155)、赤色503号(C.I.16150)、赤色504号(C.I.14700)、赤色506号(C.I.15620)、だいだい色402号(C.I.14600)、黄色402号(C.I.18950)、黄色403号の(1)(C.I.10316)、黄色406号(C.I.13065)、黄色407号(C.I.18820)、緑色401号(C.I.10020)、緑色402号(C.I.42085)、紫色401号(C.I.60730)、黒色401号(C.I.20470)、アシッドブラック52(C.I.15711)、アシッドブルー1(C.I.42045)、アシッドブルー3(C.I.42051)、アシッドブルー62(C.I.62045)、アシッドブラウン13(C.I.10410)、アシッドグリーン50(C.I.44090)、アシッドオレンジ3(C.I.10385)、アシッドオレンジ6(C.I.14270)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド35(C.I.18065)、アシッドレッド73(C.I.27290)、アシッドレッド184(C.I.15685)、ブリリアントブラック1(C.I.28440)等が挙げられる。
【0027】
塩基性染料としては、例えばベーシックブルー7(C.I.42595)、ベーシックブルー16(C.I.12210)、ベーシックブルー22(C.I.61512)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックレッド2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719)、ベーシックイエロー87、ベーシックブラック2(C.I.11825);特公昭58−2204号公報、特開平9−118832号公報等に記載されている、芳香環の側鎖に4級化窒素原子を含有する塩基性染料;特表平10−502946号公報、特開平10−182379号公報、特開平11−349457号公報等に記載されている塩基性染料などが挙げられる。
【0028】
また酸性染料及び塩基性染料以外の直接染料としては、例えば2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、3−ニトロパラヒドロキシエチルアミノフェノール、2−ニトロパラフェニレンジアミン、4−ニトロオルトフェニレンジアミン、4−ニトロメタフェニレンジアミン、6−ニトロオルトトルイジン、6−ニトロパラトルイジン、ヒドロキシエチル−2−ニトロパラトルイジン、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、N−エチル−3−ニトロPABA、ピクラミン酸、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、4−ニトロフェニルアミノエチルウレア、紫色201号(C.I.60725)、ソルベントイエロー44(C.I.56200)、ディスパーズレッド17(C.I.11210)、ディスパーズバイオレット1(C.I.61100)、ディスパーズバイオレット4(C.I.61105)、ディスパーズブルー3(C.I.61505)、ディスパーズブルー7(C.I.62500)、HCブルーNo.2、HCブルーNo.8、HCオレンジNo.1、HCオレンジNo.2、HCレッドNo.1、HCレッドNo.3、HCレッドNo.7、HCレッドNo.8、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、HCレッドNo.13、HCレッドNo.16、HCバイオレットNo.2、HCイエローNo.2、HCイエローNo.5、HCイエローNo.6、HCイエローNo.7、HCイエローNo.9、HCイエローNo.12等が挙げられる。
【0029】
直接染料は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、全組成中の0.001〜5重量%、特に0.01〜4重量%が好ましい。また、酸化染料中間体と直接染料を併用することもできる。
【0030】
本発明の毛髪処理剤には、上記成分以外に、通常化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意成分としては、有機溶剤、天然又は合成の高分子化合物、脂肪酸、油脂、炭化水素、一価又は多価アルコール、シリコーン誘導体、成分(F)及び(G)以外の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アミノ酸誘導体、蛋白誘導体、防腐剤、酸化防止剤、植物抽出物、ビタミン類、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料等が挙げられる。
【0031】
本発明の毛髪処理剤は、現在広く利用されている酸化型毛髪脱色剤又は染色剤と同様に、アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤よりなる二剤型として、又は脱色力向上のため、更に過硫酸塩等の造粒物からなる粉末状酸化剤(第3剤)を組み合わせてなる三剤型として提供される。これらの第1剤及び第2剤の剤形は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状などとすることができる。容器内での混合しやすさの点から第2剤は液状であることが好ましい。本発明の毛髪化粧料は、半密閉容器に収納された第1剤と第2剤(又は更に第3剤)の混合液を吐出口から吐出させて毛髪に塗布する形態のものである。本発明の毛髪処理剤は、混合後のガス発生速度を抑制できるので、混合後、半密閉容器内に混合液を放置してしまったような場合にも、ガス発生による容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間が長く、個人向けの製品として極めて好適である。
【0032】
本発明の毛髪処理剤を用いて毛髪を脱色又は染色処理するには、例えば本発明の毛髪処理剤の第1剤と第2剤(又は更に第3剤)を混合した後、15〜45℃の温度で毛髪に適用し、1〜50分間、好ましくは3〜30分間の作用時間をおいて毛髪を洗浄した後、乾燥すればよい。
【0033】
【実施例】
実施例1
表1に示す第1剤(1−1)〜(1−4)及び表2に示す第2剤(2−1)を、常法に従って調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、第1剤(1−1)〜(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつを混合し(混合液のpH=約10)、キャップを閉めて30℃恒温槽内に静置した。容器の変形の様子を経時的に観察した。
その結果、第1剤(1−2)又は(1−4)を使用したもの(比較品)はいずれも、混合後約10分の時点で明らかに容器変形が認められたが、第1剤(1−1)又は(1−3)を使用したもの(本発明品)はいずれも、24時間経過時点でも大きな変化は見られなかった。
【0037】
実施例2
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、実施例1で調製した第1剤(1−3)及び(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつを混合し(混合液のpH=約10)、室温で混合後24時間のガス発生量を水上置換法で測定した。
その結果、第1剤(1−4)を使用した場合(比較品)、ガス発生量は510mlに達したが、第1剤(1−3)を使用した場合(本発明品)、ガス発生量は15mlに過ぎなかった。
【0038】
実施例3
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、実施例1で調製した第1剤(1−1)〜(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつ、並びに表3に示す第3剤(3−1)10gを混合し(混合液のpH=約10)、ガス発生速度を観察した。
その結果、第1剤(1−1)又は(1−3)を使用したもの(本発明品)は、第1剤(1−2)又は(1−4)を使用したもの(比較品)に比べて明らかにガス発生速度が抑制された。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
本発明の毛髪処理剤は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間が長い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液を吐出口から吐出させ毛髪に塗布して用いる毛髪処理剤に関し、更に詳細には、混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間の長い毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアカラー、ヘアブリーチ等の毛髪処理剤のうち液状のものは、使用直前に過酸化水素等の酸化剤とアンモニア等のアルカリ剤を半密閉容器内で混合し、蓋を外した後、小さな吐出口から混合液を吐出して用いる。これらの毛髪処理剤は、混合後は直ちに髪に適用し、また余剰の混合液は半密閉容器外へ直ちに廃棄するのが正しい使用方法である。しかしながら、時に電話への応対等の事情で混合液を半密閉容器内に放置してしまい、容器内での過酸化水素の分解によるガス発生のために、容器の変形や破裂、混合液の流出等が引き起こされ、周囲を汚してしまう等の事例があり、問題となっていた。
【0003】
ここで半密閉容器とは、混合液を作るために容器を振り動かす際には蓋を閉めておくが、混合液を毛髪に塗布するために吐出する際には、一つ又は複数の小さな吐出口から混合液を出すようにして使用される容器をいう(具体的には、ノズル型の吐出口を取り付けた容器、吐出口を有するブラシやコームを取り付けた容器、ディップチューブを有する容器など)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−26943号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液を吐出口から吐出させ毛髪に塗布して用いる毛髪処理剤において、混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間の長い毛髪処理剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、毛髪処理剤混合物中に、従来、過酸化水素の安定化剤として知られている(例えば、特許文献1参照)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有させることにより、混合後のガス発生速度が抑制され、その結果、混合液が半密閉容器中に放置された場合にも、容器の変形・破裂等を抑止できることを見出した。
【0007】
本発明は、(A)アルカリ剤、(B)過酸化水素、(C)水、及び(D)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有し、pH7〜13であって、半密閉容器に収容されてなる毛髪処理剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、各成分の含有量は、当該成分の使用量を示す。したがって、半密閉容器内での混合後の反応による含有量の変動は考慮せず、当該反応前の量を示すものとする。
【0009】
成分(A)のアルカリ剤は、半密閉容器内で混合されるまでは、成分(B)の過酸化水素を含有する組成物(第2剤)とは別個に、第1剤中に含有されるものである。アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノブタノール等のアルカノールアミン;グアニジン;アンモニア等が挙げられ、なかでもアルカノールアミン、特にモノエタノールアミンが好ましい。
【0010】
これらのアルカリ剤は、成分(A)として2種以上を併用してもよく、本発明の毛髪化粧料中の含有量は、十分な脱色・染色効果の点、及び頭皮への刺激低減の点から、全組成〔第1剤及び第2剤(三剤型の場合には更に第3剤)の混合後の全組成。以下同じ〕中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.1〜6重量%、特に1〜3重量%が好ましい。本発明の染色剤組成物は、アルカリ剤としてアンモニアを用いない場合には、アンモニアによる刺激臭が全く無く、使用中に不快感を生じないが、アンモニアを用いれば、更に強力な脱色・染色効果を得ることができる。モノエタノールアミンとアンモニア(炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の塩由来を含む)を併用する場合、アンモニア/モノエタノールアミン(モル比)が1以下であるのが好ましく、更には0.5以下、特に0.3以下、とりわけ0.1以下であるのが好ましい。
【0011】
成分(B)の過酸化水素は、半密閉容器内で混合されるまでは、成分(A)のアルカリ剤を含有する組成物(第1剤)とは別個に、第2剤中に含有されるものである。過酸化水素の含有量は、十分な脱色・染色効果及び頭皮の刺激低減の点から、全組成中の0.1〜12重量%とされるが、1〜9重量%、特に2〜6重量%が好ましい。
【0012】
成分(C)の水の含有量は、全組成中の20〜80重量%とされるが、25〜65重量%、特に重量%が好ましい。水が20重量%以上であると染色力が向上し、80重量%以下であると脱色成分であるアルカリ剤と過酸化水素が毛髪中で有効に作用し、脱色力が向上する。
【0013】
成分(D)の1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩は、第1剤と第2剤を混合したときのガス発生速度の抑制に寄与するものである。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩は、酸性領域での過酸化水素の安定化効果は知られているが、本発明のような中性からアルカリ性領域でのガス発生速度抑制効果は知られていない。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の塩としては、四ナトリウム塩、四カリウム塩等が挙げられる。
【0014】
これらの化合物は、成分(D)として2種以上を併用してもよく、第1剤及び第2剤の少なくとも一方に含有される。またその含有量は、混合後のガス発生速度抑制効果の点から、全組成中の0.001〜3重量%が好ましく、更には0.005〜3重量%、特に0.01〜2重量%、とりわけ0.02〜1重量%が好ましい。
【0015】
本発明の毛髪処理剤のpHは7〜13であるが、脱色・染色効果と皮膚刺激性の点でpH7.5〜12、特にpH8〜11が好ましい。
【0016】
また、本発明の毛髪処理剤は、成分(E)として高級脂肪アルコールを含有するのが好ましい。このような成分(E)としては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の一価アルコール、例えばミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられ、セチルアルコール、オレイルアルコール等が好ましい。高級脂肪アルコールは、成分(E)として2種以上を使用でき、またその含有量は、全組成中の0.1〜20重量%、特に0.2〜10重量%が好ましい。
【0017】
本発明の毛髪処理剤は、HLBの異なる2種以上の非イオン界面活性剤、すなわち、成分(F):HLB10〜20の親水性非イオン界面活性剤、及び成分(G):HLB1〜10の親油性非イオン界面活性剤を含有するのが好ましい。
【0018】
成分(F)の親水性非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオシキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;アルキルグリコシド等でHLB10〜20のものが挙げられる。
【0019】
成分(G)の親油性非イオン界面活性剤としては、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルでHLB1〜10のものや、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルグリセリルペンタエリスリトイルエーテル、アルキルジグリセリルエーテル、アルキルトリグリセリルエーテル等でHLB1〜10のものが挙げられる。特に、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルジグリセリルエーテル及びイソステアリルグリセリルペンタエリスリトイルエーテルが好ましい。
【0020】
成分(F)と成分(G)は、平均のHLBが8〜12、好ましくは9〜11になるように、重量比で1/10〜10/1の割合で、第1剤と第2剤からなる全組成中に合計で1〜60重量%、特に2〜30重量%となるように含有させると、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方が液状になり、かつ混合すると増粘して毛髪への塗布時に液だれし難いものとなる。ここで、HLB値は、Griffinの方法により求めたものをいい、また、液状とは、25℃、B型回転粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下の状態をいう。第1剤と第2剤の混合後の粘度は、1000〜20000mPa・s、特に5000〜15000mPa・sとなるのが好ましい。
【0021】
本発明の毛髪処理剤には、更に過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を加えることで、脱色効果をより強力なものとすることができる。これら過硫酸塩は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、全組成中の1〜30重量%、特に3〜15重量%とすることが好ましい。過硫酸塩を使用する場合は、別途第3剤として、過硫酸塩造粒物からなる粉末状酸化剤の形態に調製するのが好ましい。
【0022】
本発明の毛髪処理剤は、単に毛髪の脱色を目的とする場合は、酸化染料中間体又は直接染料を含有しないで毛髪脱色剤(ヘアブリーチ)として使用されるが、毛髪の染色を目的とする場合は、更に酸化染料中間体又は直接染料を第1剤中に含有させ、染毛剤として使用される。
【0023】
かかる酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知の顕色物質及びカップリング物質を用いることができる。顕色物質としては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、N−メトキシエチル−パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミン、1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノフェニル)アミノ)−2−プロパノール、PEG−3,3,2′−パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−アセタミドフェノール、3,4−ジアミノ安息香酸、5−アミノサリチル酸、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−1−(4′−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ヒドロキシエチルピラゾールとこれらの塩等が挙げられる。
【0024】
また、カップリング物質としては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール、2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4−ジメトキシ−1,3−ジアミノベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2−メチル−5−アミノフェノール、2−メチル−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−クロロ−3−アミノ−6−メチルフェノール、2−メチル−4−クロロ−5−アミノフェノール、N−シクロペンチル−メタアミノフェノール、2−メチル−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2−メチル−4−フルオロ−5−アミノフェノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4−メチレンジオキシフェノール、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェノール、3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジンとこれらの塩等が挙げられる。
【0025】
顕色物質とカップリング物質は、それぞれ2種以上を併用してもよく、またそれらの含有量はそれぞれ、全組成中の0.01〜5重量%、特に0.1〜4重量%が好ましい。
【0026】
また、直接染料としては、染毛剤に利用可能である公知の酸性染料、塩基性染料、分散染料、反応性染料等を用いることができる。酸性染料としては、例えば赤色2号(C.I.16185)、赤色3号(C.I.45430)、赤色102号(C.I.16255)、赤色104号の(1)(C.I.45410)、赤色105号の(1)(C.I.45440)、赤色106号(C.I.45100)、黄色4号(C.I.19140)、黄色5号(C.I.15985)、緑色3号(C.I.42053)、青色1号(C.I.42090)、青色2号(C.I.73015)、赤色201号(C.I.15850)、赤色227号(C.I.17200)、赤色230号の(1)(C.I.45380)、赤色231号(C.I.45410)、赤色232号(C.I.45440)、だいだい色205号(C.I.15510)、だいだい色207号(C.I.45425)、黄色202号の(1)(C.I.45350)、黄色203号(C.I.47005)、緑色201号(C.I.61570)、緑色204号(C.I.59040)、緑色205号(C.I.42095)、青色202号(C.I.42052)、青色205号(C.I.42090)、かっ色201号(C.I.20170)、赤色401号(C.I.45190)、赤色502号(C.I.16155)、赤色503号(C.I.16150)、赤色504号(C.I.14700)、赤色506号(C.I.15620)、だいだい色402号(C.I.14600)、黄色402号(C.I.18950)、黄色403号の(1)(C.I.10316)、黄色406号(C.I.13065)、黄色407号(C.I.18820)、緑色401号(C.I.10020)、緑色402号(C.I.42085)、紫色401号(C.I.60730)、黒色401号(C.I.20470)、アシッドブラック52(C.I.15711)、アシッドブルー1(C.I.42045)、アシッドブルー3(C.I.42051)、アシッドブルー62(C.I.62045)、アシッドブラウン13(C.I.10410)、アシッドグリーン50(C.I.44090)、アシッドオレンジ3(C.I.10385)、アシッドオレンジ6(C.I.14270)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド35(C.I.18065)、アシッドレッド73(C.I.27290)、アシッドレッド184(C.I.15685)、ブリリアントブラック1(C.I.28440)等が挙げられる。
【0027】
塩基性染料としては、例えばベーシックブルー7(C.I.42595)、ベーシックブルー16(C.I.12210)、ベーシックブルー22(C.I.61512)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックレッド2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719)、ベーシックイエロー87、ベーシックブラック2(C.I.11825);特公昭58−2204号公報、特開平9−118832号公報等に記載されている、芳香環の側鎖に4級化窒素原子を含有する塩基性染料;特表平10−502946号公報、特開平10−182379号公報、特開平11−349457号公報等に記載されている塩基性染料などが挙げられる。
【0028】
また酸性染料及び塩基性染料以外の直接染料としては、例えば2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、3−ニトロパラヒドロキシエチルアミノフェノール、2−ニトロパラフェニレンジアミン、4−ニトロオルトフェニレンジアミン、4−ニトロメタフェニレンジアミン、6−ニトロオルトトルイジン、6−ニトロパラトルイジン、ヒドロキシエチル−2−ニトロパラトルイジン、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、N−エチル−3−ニトロPABA、ピクラミン酸、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、4−ニトロフェニルアミノエチルウレア、紫色201号(C.I.60725)、ソルベントイエロー44(C.I.56200)、ディスパーズレッド17(C.I.11210)、ディスパーズバイオレット1(C.I.61100)、ディスパーズバイオレット4(C.I.61105)、ディスパーズブルー3(C.I.61505)、ディスパーズブルー7(C.I.62500)、HCブルーNo.2、HCブルーNo.8、HCオレンジNo.1、HCオレンジNo.2、HCレッドNo.1、HCレッドNo.3、HCレッドNo.7、HCレッドNo.8、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、HCレッドNo.13、HCレッドNo.16、HCバイオレットNo.2、HCイエローNo.2、HCイエローNo.5、HCイエローNo.6、HCイエローNo.7、HCイエローNo.9、HCイエローNo.12等が挙げられる。
【0029】
直接染料は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、全組成中の0.001〜5重量%、特に0.01〜4重量%が好ましい。また、酸化染料中間体と直接染料を併用することもできる。
【0030】
本発明の毛髪処理剤には、上記成分以外に、通常化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意成分としては、有機溶剤、天然又は合成の高分子化合物、脂肪酸、油脂、炭化水素、一価又は多価アルコール、シリコーン誘導体、成分(F)及び(G)以外の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アミノ酸誘導体、蛋白誘導体、防腐剤、酸化防止剤、植物抽出物、ビタミン類、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料等が挙げられる。
【0031】
本発明の毛髪処理剤は、現在広く利用されている酸化型毛髪脱色剤又は染色剤と同様に、アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤よりなる二剤型として、又は脱色力向上のため、更に過硫酸塩等の造粒物からなる粉末状酸化剤(第3剤)を組み合わせてなる三剤型として提供される。これらの第1剤及び第2剤の剤形は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状などとすることができる。容器内での混合しやすさの点から第2剤は液状であることが好ましい。本発明の毛髪化粧料は、半密閉容器に収納された第1剤と第2剤(又は更に第3剤)の混合液を吐出口から吐出させて毛髪に塗布する形態のものである。本発明の毛髪処理剤は、混合後のガス発生速度を抑制できるので、混合後、半密閉容器内に混合液を放置してしまったような場合にも、ガス発生による容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間が長く、個人向けの製品として極めて好適である。
【0032】
本発明の毛髪処理剤を用いて毛髪を脱色又は染色処理するには、例えば本発明の毛髪処理剤の第1剤と第2剤(又は更に第3剤)を混合した後、15〜45℃の温度で毛髪に適用し、1〜50分間、好ましくは3〜30分間の作用時間をおいて毛髪を洗浄した後、乾燥すればよい。
【0033】
【実施例】
実施例1
表1に示す第1剤(1−1)〜(1−4)及び表2に示す第2剤(2−1)を、常法に従って調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、第1剤(1−1)〜(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつを混合し(混合液のpH=約10)、キャップを閉めて30℃恒温槽内に静置した。容器の変形の様子を経時的に観察した。
その結果、第1剤(1−2)又は(1−4)を使用したもの(比較品)はいずれも、混合後約10分の時点で明らかに容器変形が認められたが、第1剤(1−1)又は(1−3)を使用したもの(本発明品)はいずれも、24時間経過時点でも大きな変化は見られなかった。
【0037】
実施例2
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、実施例1で調製した第1剤(1−3)及び(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつを混合し(混合液のpH=約10)、室温で混合後24時間のガス発生量を水上置換法で測定した。
その結果、第1剤(1−4)を使用した場合(比較品)、ガス発生量は510mlに達したが、第1剤(1−3)を使用した場合(本発明品)、ガス発生量は15mlに過ぎなかった。
【0038】
実施例3
先端に一つの吐出口を有するノズルを備えた半密閉容器内で、実施例1で調製した第1剤(1−1)〜(1−4)のいずれかと第2剤(2−1)のそれぞれ50gずつ、並びに表3に示す第3剤(3−1)10gを混合し(混合液のpH=約10)、ガス発生速度を観察した。
その結果、第1剤(1−1)又は(1−3)を使用したもの(本発明品)は、第1剤(1−2)又は(1−4)を使用したもの(比較品)に比べて明らかにガス発生速度が抑制された。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
本発明の毛髪処理剤は、半密閉容器内に収容されたアルカリ剤と過酸化水素を含む混合液からのガス発生速度が抑制され、これを放置した場合にも容器の変形、破裂、混合液の流出等が起きるまでの時間が長い。
Claims (1)
- (A)アルカリ剤、(B)過酸化水素、(C)水、及び(D)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩を含有し、pH7〜13であって、半密閉容器に収容されてなる毛髪処理剤。
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