【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定した周波数の信号を発生させるのに用いるPLLおよびそのPLLに用いる位相比較器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平05−069658号公報
【特許文献2】特開平08−046498号公報
【特許文献3】特開2000−005873号公報
【特許文献4】特開2002−223164号公報
【非特許文献1】United States Patent 6,141,394
【非特許文献2】United States Patent 6,236,703
【非特許文献3】United States Patent 6,308,049
【非特許文献4】United States Patent 6,407,643
【0003】
従来の技術においては、PLLにおける位相比較器として、図35に示すものが使われてきた。しかし、この方式の位相比較器では、位相の比較を行う二つの信号の位相差が小さいときのゼロクロス歪が生じていた。これは、片方の信号の位相が他方より進んでいるときは、対になっているチャージポンプの片方のみが動作し、その逆のときはチャージポンプの他方のみが動作するようになっているので、二つの信号の位相差が小さいときには、両方のチャージポンプが瞬時的に同時に動作したり、どちらのチャージポンプが働かないようなデッドバンドを持ってしまうからである。この様子を図36に示す。しかし、Δ−Σ手法を用いて分数PLLを実現しようとする場合、この位相比較器の非線形性により、発生させる信号のスプリアスをあまり抑制できないといった問題を発生させてしまっていた。
【0004】
また、場合によっては、分数PLLを実現させたいが、Δ−Σ手法を用いることが適当でない場合などもある。このような場合、従来は電流注入法が用いられたり、DLL(遅延ループロック)により多相信号を発生させる方法が用いられたりしてきた。しかし、電流注入法では、位相のずれを補償するための精度のよい電流注入が容易でないといった問題がある。また、DLLを用いた方法では、位相の精度の高い多相信号の生成が容易でないといった問題がある。どちらの方法にしても、扱う周波数が高くなるほどこれらの問題は顕著となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PLLにおける位相比較器の線形性を高めることを目的とする。すなわち、位相比較器の出力が二つの入力信号の位相差に精度良く比例するようにすることを目指す。
【0006】
また、分数PLLを実現するための精度の高い位相比較器を実現することを目的とする。すなわち、位相比較器の二つの入力信号と出力信号の関係において、入力信号位相差に精度良くオフセットを持たせることを目指す。
【0007】
【課題を解決するための手段】
位相比較器の線形性を高めるための手段として、1対のチャージポンプの両方が作動する二つの信号の位相差の範囲を広げることにより、二つの信号の位相差が小さいときの位相比較器の線形性を高くする。1対のチャージポンプの両方が作動する二つの信号の位相差の範囲を、そのどちらかの信号を得るために用いるカウンタを用いて設定することにより、その位相差の範囲を適切な値に容易に設定することができる。
【0008】
また、チャージポンプの出力の値を適切に設定し、上記の位相差の範囲を変化させることにより、位相比較器の入力信号位相差に対してオフセットを変化させることが可能になり、このことを用いて分数PLLを実現する。
【0009】
また、位相比較器とチャージポンプの複数の組を用い、各位相比較器に供給する信号位相差に一定の差を付け、それぞれのチャージポンプの出力電流の比を変化させることにより、全体としての位相比較器の位相オフセットを変化させ、非整数PLL動作を実現する。
【0010】
さらに、位相比較器のチャージポンプの正側のチャージポンプが働く時間と負側のチャージポンプが働く時間の合計時間を一定とし、正側のチャージポンプの電流と負側のチャージポンプの電流の比を変化させることにより、位相比較器の位相オフセットを変化させ、非整数PLL動作を実現する。
【0011】
【実施例】
○第1の実施例
図1は、本発明第1の実施例である位相比較器のブロック図である。第3の信号f1をカウンタCT1により分周した信号である第1の信号と第2の信号f2との位相差に応じた信号を位相比較器出力Ioとして出力するものであり、1周期あたりの位相比較器出力Ioの出力電荷が位相差の1次関数となるものである。
【0012】
第3の信号f1は、カウンタCT1に入力される。このとき、カウンタCT1は0からカウントを行ない予め設定されている整数N−1までカウントアップされ、次の入力パルスによりカウント値は0にリセットされる。整数A,Bは予め設定されている正の整数であり、カウンタCT1のカウント値がN−Aであるときに第1の信号の第1の位相を示す信号91がHになり、他のときはLとなる。また、カウンタCT1のカウント値がBであるときに第1の信号の第2の位相を示す信号93がHになり、他のときはLとなる。
【0013】
スイッチQ1,Q2,Q3,Q4は電子的なスイッチである。定電流源S1,S2,S3,S4は一定の電流を流そうとするものであり、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4がオンとなっているときにそれぞれ電流I1,I2,I3,I4が流れて位相比較器出力Ioに出力される。ただし、電流I1,I3は正であるとし、電流I2,I4は負であるとする。また、出力Ioは吐き出し電流を正の電流とする。
【0014】
この位相比較器は、信号91の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がると、信号91の立ち上がりエッヂから信号f2の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioとして電流I1が流れ、信号f2の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioとして電流I2が流れる。この様子を図2に示す。
【0015】
信号91の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がる場合においては、信号f2が立ち上がるタイミングがΔTだけ遅れた場合、出力Ioとして電流I1が流れる時間がΔTだけ長くなり、出力Ioとして電流I2が流れる時間がΔTだけ短くなる。この事実は、この位相比較器に用いている論理回路の遅延時間にも依存せず、スイッチQ1,Q2,Q3,Q4の遅延時間にも依存しない。したがって、位相差が小さい範囲において、非常に線形性の高い位相比較器となっている。
【0016】
この位相比較器は、信号91の立ち上がりエッヂよりも前に信号f2が立ち上がると、信号f2の立ち上がりエッヂから信号91の立ち上がりエッヂまでの間、出力Ioとして電流I4が流れる。また、信号93の立ち上がりエッヂの後に信号f2が立ち上がると、信号93の立ち上がりエッヂの立ち上がりから信号f2の立ち上がりエッヂまでの間、出力Ioとして電流I3が流れる。この様子を図3に示す。電流I3および電流I4の絶対値を電流I1および電流I2の絶対値よりも十分に大きくすることにより、位相差が大きいときの位相比較器のゲインを位相差が小さいときのゲインに比べて十分に大きくすることができる。
【0017】
このようなゲインの位相差依存性は、この位相比較器を用いてPLLを構成する場合において、ロックアップ時間の短縮に大きな役割を果たすことができる。すなわち、位相差が小さいときには、位相比較器のゲインを小さくして、PLLによって発生する信号のスプリアスを抑えることができるし、位相差が大きいときには、位相差のゲインを大きくして、速いロックアップを計ることができる。このような位相比較器のゲインの変更に関しては、既に提案されている方法があるが、それらは外部から位相比較器のチャージポンプの電流を変更する指令を与えたり、ロックアップ検出手段を用いてチャージポンプの電流を変更したりしていた。しかし、本発明の第1の実施例においては、外部から位相比較器のゲインを設定する必要もなく、また、ロックアップ検出手段を用いて位相比較器のゲインを変更しなくても良く、位相差の大小に応じて自動的に位相比較器のゲインを変更しているといった利点を持っている。
【0018】
本発明の第1の実施例においては、第1の信号の第1の位相と第2の位相のタイミングを得るのに、第3の信号f1をカウンタCT1により分周し、カウンタCT1のカウント値が特定の値になることを検出することにより行っていたが、第1の信号の第1の位相と第2の位相のタイミングを得る手段としてはこの方法に限るものではない。たとえば、第1の信号の立ち上がりエッヂと立ち下がりエッヂをそれぞれ第1の位相と第2の位相としても良い。また、第3の信号f1をカウンタCT1により分周し、カウンタCT1のカウント値が特定の値になることを検出することにより第1の信号の第1の位相を検出し、その信号を第3の信号f1をクロックとするシフトレジスタにより遅延させた信号を用いて第1の信号の第2の位相を検出してもよい。
【0019】○第2の実施例
図4は、本発明第2の実施例である位相比較器のブロック図である。第3の信号f1をカウンタCT1により分周した信号と第2の信号f2との位相差に応じた信号を位相比較器出力Ioとして出力するものであり、1周期あたりの位相比較器出力Ioの出力電荷が位相差の1次関数となるものである。
【0020】
第3の信号f1は、カウンタCT1に入力される。このとき、カウンタCT1は0からカウントを行ない予め設定されている整数N−1までカウントアップされ、次の入力パルスによりカウント値は0にリセットされる。整数Aは予め設定されている正の整数であり、カウンタCT1のカウント値がN−Aであるときに第1の信号の第1の位相を示す信号91がHになり、他のときはLとなる。また、カウンタCT1のカウント値がAであるときに第1の信号の第2の位相を示す信号93がHになり、他のときはLとなる。カウンタCT1のカウント値がゼロであることを示す信号92は、カウント値が0であるときにHとなり、それ以外のときはLとなる。
【0021】
スイッチQ1,Q2,Q5,Q6は電子的なスイッチである。定電流源S1,S2,S5,S6は一定の電流を流そうとするものであり、スイッチQ1,Q2,Q5,Q6がオンとなっているときにそれぞれ電流I1,I2,I5,I6が流れて位相比較器出力Ioに出力される。ただし、電流I1,I5は正であるとし、電流I2,I6は負であるとする。また、出力Ioは吐き出し電流を正の電流とする。さらに、I5の値はI2の値の符号を変えたものに等しいものとし、I6の値はI1の値の符号を変えたものに等しいものとする。
【0022】
図5に、本発明第2の実施例の動作波形の例を示す。この位相比較器は、信号91の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がると、信号91の立ち上がりエッヂから信号f2の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioに電流I1が重畳され、信号f2の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioに電流I2が重畳される。また、信号91の立ち上がりエッヂから信号92が立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioに電流I6が重畳され、信号92の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioに電流I5が重畳される。理想的な状態においては、信号f2と信号92が同時に立ち上がるときに、出力Ioの平均値が0となり、このような状況においては、どの瞬時においても電流が相殺されて出力Ioには電流が流れない。信号91の立ち上がりエッヂから信号92の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がると、信号91の立ち上がりエッヂから信号f2の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioには電流は相殺されて出力されず、信号f2の立ち上がりエッヂから信号92の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioには電流I2+I6が出力され、信号92の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioには電流は相殺されて出力されず、その他の期間においては、出力Ioには電流は出力されない。信号92の立ち上がりエッヂ信号93の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がると、信号92の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioには電流I1+I5が出力され、その他の期間においては、出力Ioには電流は出力されない。
【0023】
このように、本発明第2の実施例においては、位相比較器は従来の位相比較器と同様な動作を行うが、位相差が小さい場合の位相差と出力との線形性に関しては、本発明第1の実施例と同様、従来のものよりも高い線形性を得ることができる。また、本発明第1の実施例と比較すると、位相差が小さいときにおいて、出力Ioの実効値を小さくすることができるので、この位相比較器を用いてPLLを構成する際に、ループフィルタの設計の条件が緩和されるといった利点を持っている。
【0024】
本発明第2の実施例においては、信号f2が信号91より早く立ち上がったり、信号f2が信号93より遅く立ち上がった場合などのような位相差が大きい場合における位相検出器のゲインの変更は行っていないが、本発明第1の実施例のように、位相差の大きさに応じて位相比較器のゲインが変わるようにしてもよい。
【0025】○第3の実施例
図6は本発明の第3の実施例におけるPLL装置のブロック図である。基準周波数信号frの周波数に対して外部から与えられた値を乗じた周波数の信号を電圧制御発振器出力信号fvとして得るものである。
【0026】
位相比較器PD2は本発明第2の実施例の位相比較器である。補償器CPは位相比較器出力Ioを入力とし、電圧信号を出力して電圧制御発振器VCOに供給するものであり、PLLの閉ループ系を安定化させるとともに、電圧制御発振器出力信号fvのスプリアスを抑制し、短いロックアップ時間を実現させる役割を持っているループフィルタである。電圧制御発振器VCOは入力信号に応じた周波数の電圧制御発振器出力信号fvを出力するものである。コントローラCR1は基準周波数信号frの1周期毎に位相比較器PD2に対してカウンタCT1の分周数Nを与える働きをするものである。周波数設定値Xは、電圧制御発振器出力信号fvとして基準周波数信号frの周波数の何倍の周波数の信号を発生させるかの指令値であり、その値は整数とは限らないものである。
【0027】
基準周波数信号frは位相比較器PD2の第2の信号f2として入力され、電圧制御発振器出力信号fvは位相比較器PD2の第3の信号f1として入力されるので、電圧制御発振器出力信号fvの周波数は基準周波数信号frに分周数Nの平均値を乗じた値となる。また、コントローラCR1は分周数Nを、その平均が周波数設定値Xに等しくなるように出力することにより、所望の周波数の電圧制御発振器出力信号fvを得ることができる。
【0028】
周波数設定値Xが整数でない場合、電圧制御発振器出力信号fvに含まれるスプリアスをなるべく抑制するように、分周数Nを時系列信号として扱った場合の直流成分を除く低周波成分がなるべく少なくなるように分周数Nの時系列を設定するわけであるが、位相比較器PD2の線形性が良くないと所望のスプリアス抑制特性が得られない。位相比較器PD2として本発明第2の実施例のものを用いることにより、位相比較器の高い線形性を確保し、所望のスプリアス抑制特性を得ることができる。分周数Nの時系列の設定の方法としては、Δ−Σ技術を用いた量子化ノイズの周波数シェーピングの方法が知られている。
【0029】○第4の実施例
図7は本発明の第4の実施例におけるPLL装置のブロック図である。基準周波数信号frの周波数に対して外部から与えられた値を乗じた周波数の信号を電圧制御発振器出力信号fvとして得るものである。
【0030】
位相比較器PD2は本発明第2の実施例の位相比較器である。補償器CPは位相比較器出力Ioを入力とし、電圧信号を出力して電圧制御発振器VCOに供給するものであり、PLLの閉ループ系を安定化させるとともに、電圧制御発振器出力信号fvのスプリアスを抑制し、短いロックアップ時間を実現させる役割を持っているループフィルタである。電圧制御発振器VCOは入力信号に応じた周波数の電圧制御発振器出力信号fvを出力するものである。コントローラCR2はカウンタCT2の1周期毎にカウンタCT2の分周数Yを与える働きをするものである。周波数設定値Xは、電圧制御発振器出力信号fvとして基準周波数信号frの周波数の何倍の周波数の信号を発生させるかの指令値であり、その値は整数とは限らないものである。
【0031】
基準周波数信号frは位相比較器PD2の第3の信号f1として入力され、電圧制御発振器出力信号fvはカウンタCT2によってY分周されてから位相比較器PD2の第2の信号f2として入力される。したがって、位相比較器PD2の内部において、基準周波数信号frをN分周した信号と電圧制御発振器出力信号fvをY分周された信号の位相が比較されることになるので、分周数Nが一定のとき、電圧制御発振器出力信号fvの周波数は基準周波数信号frに分周数Yの平均値を乗じ分周数Nで割った値となる。また、コントローラCR2は分周数Yを、その平均が周波数設定値Xに等しくなるように出力することにより、所望の周波数の電圧制御発振器出力信号fvを得ることができる。
【0032】
周波数設定値Xが整数でない場合、電圧制御発振器出力信号fvに含まれるスプリアスをなるべく抑制するように、分周数Yを時系列信号として扱った場合の直流成分を除く低周波成分がなるべく少なくなるように分周数Yの時系列を設定するわけであるが、位相比較器PD2の線形性が良くないと所望のスプリアス抑制特性が得られない。位相比較器PD2として本発明第2の実施例のものを用いることにより、位相比較器の高い線形性を確保し、所望のスプリアス抑制特性を得ることができる。
【0033】○第5の実施例
本発明第5の実施例は、モジュロの値を2とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、2を分母とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図8は本発明第5の実施例において用いられる位相比較器PD1のブロック図である。図9は本発明第5の実施例におけるPLL装置のブロック図である。
【0034】
図8に示す位相比較器PD1は、カウンタCT1の分周数Nと整数A,Bの値を外部から逐次設定できるようになっている。この位相比較器は、信号91の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂの間に信号f2が立ち上がると、信号91の立ち上がりエッヂから信号f2が立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioとして電流I1が流れ、信号f2の立ち上がりエッヂから信号93の立ち上がりエッヂまでの間は出力Ioとして電流I2が流れる。本発明第5の実施例においては、電流I1と電流I2の値が等しくなるようにする。すると、整数Aの値を1増やすか整数Bの値を1減ずると、その前の状態に対して、出力Ioの1周期にわたる平均がゼロとなる第3の信号f1の位相がちょうど半周期早まり、逆に整数Aの値を1減ずるか整数Bの値を1増やすと、出力Ioの1周期にわたる平均がゼロとなる第3の信号f1の位相がちょうど半周期遅くなる。ただし、整数Aや整数Bの値を変化させたときの信号91や信号93のタイミングの相対的変化に対する精度が必要とされるので、信号91や信号93は第3の信号f1により同期を取っておくことが望ましい。
【0035】
図9において、周波数設定値Xは2を分母とする分数である。位相比較器PD1は、第2の信号f2として基準周波数信号frを入力し、第3の信号f1として電圧制御発振器出力信号fvを入力する。コントローラCR3は、周波数設定値Xを入力とし、基準周波数信号frの1周期ごとにカウンタCT1の分周数Nと整数A,Bを位相比較器PD1に供するものである。位相比較器PD1の内部において、電圧制御発振器出力信号fvをN分周した信号と基準周波数信号frの位相が比較されるので、電圧制御発振器出力信号fvの周波数は基準周波数信号frの周波数にカウンタCT1の分周数Nの平均値を乗じた値となる。
【0036】
周波数設定値Xが1/2の倍数であるが整数ではないとき、カウンタCT1の分周数Nは1サイクルごとに1の増減を繰り返すことになる。このとき、整数A,Bの値が一定であると、位相比較器出力Ioは1サイクルごとに増減を繰り返すことになってしまい、電圧制御発振器出力信号fvにスプリアスを多く含ませる原因になるし、それを阻止しようとすると補償器CPのカットオフ周波数を低くする必要が生じ、PLLのロックアップ時間の悪化をもたらしてしまう。そこで、カウンタCT1の分周数Nがその平均値よりも大きい値をとるときは、そうでないときに比べて整数Aの値を1増やすか整数Bの値を1減ずるかを行うことにより、毎周期における位相比較器出力Ioの平均値を一定なものにすることができ、電圧制御発振器出力信号fvのスプリアスを抑制することができる。
【0037】
本発明の第5の実施例においては、整数A,Bの値を変化させることによって得られる位相のオフセットの精度は、定電流源S1,S2の出力電流I1,I2の相対比によって決まるので、I1およびI2の値を精度良くそろえることにより、高いスプリアス抑制効果を得ることができる。
【0038】
本発明第5の実施例においては、周波数設定値Xは2を分母とする分数であったが、2を分母とする分数でなくともよく、他の数を分母とするものであってもよい。そのときもカウンタCT1の分周数Nの平均値が周波数設定値Xに等しくするわけであるが、整数A,Bの値を適当に変化させることによって、毎周期ごとの位相比較器出力Ioの直流成分を除く低周波成分を抑制することができる。その結果、補償器CPのカットオフ周波数を上げることができる。
【0039】○第6の実施例
本発明第6の実施例は、モジュロの値を8とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母を8とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図11は本発明第6の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図9に示すものに比べて調整器ADによる電流I2を補正する手段が付加されている点が異なる。図11における位相比較器PD1のブロック図は、図8に示す通りであり本発明第5の実施例のものと同じであるが、電流I1と電流I2の比が異なる点と電流I2を外部から補正することができる点が異なる。
【0040】
本発明第6の実施例における電流I1とI2の比は5対−3である。整数A,Bの値を適当に設定することにより位相比較器PD1に位相のオフセットを持たせるわけであるが、モジュロ8の分数PLL動作を実現させるためには電圧制御発振器出力信号fvの周期に対して1/8間隔で位相のオフセットを持たせる必要がある。図10は、そのような位相のオフセットを持たせる整数A,Bの組み合わせの例である。図10において、「Aの変化幅」とあるのは、整数Aの値について、その基準値があり、Aの値のその基準値からの変化幅であることを意味している。「Bの変化幅」についても同様である。
【0041】
位相比較器PD1における位相のオフセットの精度は、位相比較器PD1の内部の回路における遅延時間には依存せず、電流I1とI2の比の精度によって決まる。この電流I1とI2の比を十分な精度でもって設定できる場合は問題ないが、そうでない場合は何らかの方法により電流I1とI2の比の誤差を検出し、その誤差信号をもとに電流I1とI2の比を補正する方法が有効である。
【0042】
本発明第6の実施例においては、位相比較器出力Ioを解析することにより電流I1とI2の比の誤差を検出している。いま、周波数設定値Xが整数でない場合を考える。このとき、図10に示す表のうちのいくつかの項番に対する整数A,Bの組み合わせを繰り返し設定される。ただし、どの周波数設定値Xに対しても、項番1の整数A,Bの組み合わせを含むように繰り返しが設定されるものとする。このとき、電流I1とI2の比に誤差が含まれている場合、各周期に対する位相比較器出力Ioの1周期における積分値は、図10に示す表の内積パターンに比例した摂動を持つ。また、内積パターン自身の平均値は0となるので、位相比較器出力Ioと内積パターンとの内積を8の整数倍の周期にわたって若しくは十分に長い時間にわたって取ることにより、電流I1とI2の比の誤差に比例した信号を得ることができる。しかし、現実問題としては、位相比較器出力Ioをそのまま誤差検出に用いることはできないことが多い。図11にブロック図を示す本発明の第6の実施例においては、位相比較器出力Ioは電流信号であり、補償器CPは抵抗とコンデンサによるパッシブ回路であるものとし、補償器CPの入力電圧を電流I1とI2の比の誤差を検出するための信号として用い、調整器ADにより、補償器CPの入力電圧と内積パターンとの内積を積分していくことにより電流I2の補正を行うための信号を得ている。補償器CPには通常積分特性を含ませているが、PLLの安定化のためにゼロ点も設定するので、この電流I1とI2の比の誤差を補償する閉ループも安定にすることができる。
【0043】
周波数設定値Xが整数であるとき、周波数設定値Xが整数でありつづける場合においては電流I1とI2の比に誤差が含まれていても問題ないが、後で周波数設定値Xが非整数となりえる場合においては、電流I1とI2の比の誤差を常に検出して補正をしておくことが望ましい。しかし、整数A,Bの値が変化しないと電流I1とI2の比の誤差を検出することができない。そこで、周波数設定値Xが整数である場合には、図10に示す表の項番8と項番9を交互に繰り返すことにより、整数A,Bの値に変化をもたらし、電流I1とI2の比の誤差の補正を可能にしている。
【0044】
本発明第6の実施例においては、整数A,Bのパターンとして図10に示す表のものを用いていたが、整数A,Bのパターンは図10に示す表のものに限るものではない。
【0045】
本発明第6の実施例においては、電流I1とI2の比の誤差の補正をオンラインにより常時行っていたが、電源がオンになったときにオフライン動作により行ってもよいし、定期的に補正動作を行っても良い。また、位相比較器PD1を製造する際に、同様な方法を用いてトリミングにより補正を行ってもよい。また、電流I1とI2の比について必要とされる精度が得られている場合には、電流I1とI2の比の誤差の補正を行わなくてもよい。
【0046】
本発明第6の実施例においては、電流I1とI2の比を5対−3としたが、I1とI2の最大公約数がI1−I2の値の1/8、またはその整数分の1であればよく、電流I1とI2の比は他の値でもよい。
【0047】
本発明第6の実施例における電流I1とI2の比は5対−3としていたが、電流I1とI2の比を3対−5とした場合には、図10に示す表における「Aの変化幅」の値と「Bの変化幅」の値を入れ替えることにより、図10に示す表における「位相オフセット」の値に対して、その符号を変えた位相オフセットを実現することができる。
【0048】○第7の実施例
本発明第7の実施例は、モジュロの値を16とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母を16とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。本発明第7の実施例におけるPLL装置のブロック図は図9に示すものと同じである。図9における位相比較器PD1のブロック図は、図8に示す通りであり本発明第5の実施例のものと同じであるが、電流I1と電流I2の比が異なる点が異なる。
【0049】
本発明第7の実施例における電流I1とI2の比は9対−7である。整数A,Bの値を適当に設定することにより位相比較器PD1に位相のオフセットを持たせるわけであるが、モジュロ16の分数PLL動作を実現させるためには電圧制御発振器出力信号fvの周期に対して1/16間隔で位相のオフセットを持たせる必要がある。図12は、そのような位相のオフセットを持たせる整数A,Bの組み合わせの例である。図12において、「Aの変化幅」とあるのは、整数Aの値について、その基準値があり、Aの値のその基準値からの変化幅であることを意味している。「Bの変化幅」についても同様である。
【0050】
位相比較器PD1における位相のオフセットの精度は、位相比較器PD1の内部の回路における遅延時間には依存せず、電流I1とI2の比の精度によって決まる。この電流I1とI2の比を十分な精度でもって設定できる場合は問題ないが、そうでない場合は何らかの方法により電流I1とI2の比の誤差を検出し、その誤差信号をもとに電流I1とI2の比を補正する方法が有効である。本発明第7の実施例においては、電流I1とI2の比を補正する手段を持たせていない。
【0051】
本発明第7の実施例においては、整数A,Bのパターンとして図12に示す表のものを用いていたが、整数A,Bのパターンは図12に示す表のものに限るものではない。
【0052】
本発明第7の実施例においては、電流I1とI2の比の誤差の補正を行う手段を有していなかったが、本発明第6の実施例のように電流I1とI2の比の誤差の補正を行う手段を持たせてもよい。
【0053】
本発明第7の実施例においては、電流I1とI2の比を9対−7としたが、I1とI2の最大公約数がI1−I2の値の1/16、またはその整数分の1であればよく、電流I1とI2の比は他の値でもよい。
【0054】
本発明第7の実施例における電流I1とI2の比は9対−7としていたが、電流I1とI2の比を7対−9とした場合には、図12に示す表における「Aの変化幅」の値と「Bの変化幅」の値を入れ替えることにより、図12に示す表における「位相オフセット」の値に対して、その符号を変えた位相オフセットを実現することができる。
【0055】
本発明第7の実施例におけるPLLでは、モジュロの値が16であったが、2以上の任意の整数Mに対して、電流I1とI2の比をI1とI2の最大公約数がI1−I2の値の1/Mとなるように設定することにより、モジュロの値をMとするPLLを構成することができる。
【0056】○第8の実施例
本発明第8の実施例は、モジュロの値を16とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frをN分周した信号の周波数に対して、分母を16とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。本発明第8の実施例におけるPLL装置のブロック図を図14に示す。図14における位相比較器PD11のブロック図を図13に示す。
【0057】
位相比較器PD11の動作は次のようになる。カウンタCT1の計数値が0になってからカウンタCT2の計数値がAとなったとき、カウンタCT1の計数値が0になってからカウンタCT2の計数値がAとなるまでの間スイッチQ1が閉じられ、位相比較器出力Ioに電流I1が重畳される。また、カウンタCT2の計数値がY−BになってからカウンタCT1の計数値がEとなったとき、カウンタCT2の計数値がY−BになってからカウンタCT1の計数値がEとなるまでの間スイッチQ2が閉じられ、位相比較器出力Ioに電流I2が重畳される。PLLの動作は、この点と電流I2の構成手段を有していない点を除いて、本発明第7の実施例とほぼ同じである。電流I1とI2の比や整数A,Bの変化と位相オフセットの関係も本発明第7の実施例と同じである。
【0058】
本発明第7の実施例に対する本発明第8の実施例の優位点は、位相比較器出力Ioに電流I1が重畳される期間と電流I2が重畳される期間とで重なる期間を発生させることができるので、位相比較器出力Ioの信号の実効値を抑えることができ、電圧制御発振器出力信号fvのスプリアスの抑制が容易であることである。ただし、本発明第8の実施例においては基準周波数信号frを分周した信号と電圧制御発振器出力信号fvを分周した信号の双方に対して複数の位相の信号を発生させる必要がある。
【0059】○第9の実施例
本発明第9の実施例は、モジュロの値を16とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母を16とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図16は本発明第9の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図16における位相比較器PD3のブロック図を図15に示す。本発明第6の実施例および本発明第7の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源が正側と負側あわせて二つであったのに対し、本発明第9の実施例では正側と負側あわせて三つ有しているところが大きく異なる。
【0060】
本発明第9の実施例における電流I1とI2とI7の比は5対−7対4である。整数A,B,Cの値を適当に設定することにより位相比較器PD3に位相のオフセットを持たせるわけであるが、モジュロ16の分数PLL動作を実現させるためには電圧制御発振器出力信号fvの周期に対して1/16間隔で位相のオフセットを持たせる必要がある。図17は、そのような位相のオフセットを持たせる整数A,B,Cの組み合わせの例である。図17において、「Aの変化幅」とあるのは、整数Aの値について、その基準値があり、Aの値のその基準値からの変化幅であることを意味している。「Bの変化幅」、「Cの変化幅」についても同様である。
【0061】
位相比較器PD3における位相のオフセットの精度は、位相比較器PD3の内部の回路における遅延時間には依存せず、電流I1とI2とI7の比の精度によって決まる。この電流I1とI2とI7の比を十分な精度でもって設定できる場合は問題ないが、そうでない場合は何らかの方法により電流I1とI2とI7の比の誤差を検出し、その誤差信号をもとに電流I1とI2とI7の比を補正する方法が有効である。本発明第9の実施例においては、電流I1とI2とI7の比を補正する手段を持たせていない。
【0062】
本発明第9の実施例における本発明第7の実施例に対する優位性は、整数A,B,Cの変化幅を小さくできることである。その結果、1周期のうち位相比較器出力Ioが出力される期間が短くすることができるので、電圧制御発振器出力信号fvに含まれるスプリアスを低減させることが容易になる。
【0063】
本発明第9の実施例においては、整数A,B,Cのパターンとして図17に示す表のものを用いていたが、整数A,B,Cのパターンは図17に示す表のものに限るものではない。
【0064】
本発明第9の実施例においては、電流I1とI2とI7の比の誤差の補正を行う手段を有していなかったが、本発明第6の実施例のように電流I1とI2とI7の比の誤差の補正を行う手段を持たせてもよい。ただし、非整数PLL動作を行ないながら補正を行なう場合においては、内積パターンを2種類用意し、それらを同時に用いる必要がある。また、非整数PLL動作を行ないながら補正を行なう場合においては、同じ位相オフセットを実現する整数A,B,Cの組を少なくとも三つ用意し、それらを順次切り換えて用いる必要がある。
【0065】
本発明第9の実施例においては、電流I1とI2とI7の比を5対−7対4としたが、I1とI2とI7の最大公約数がI1−I2+I7の値の1/16、またはその整数分の1であればよく、電流I1とI2とI7の比は他の値でもよい。
【0066】
本発明第9の実施例におけるPLLでは、モジュロの値が16であったが、2以上の任意の整数Mに対して、電流I1とI2とI7の比をI1とI2とI7の最大公約数がI1−I2+I7の値の1/Mとなるように設定することにより、モジュロの値をMとするPLLを構成することができる。大きなMの値の場合においては、チャージポンプを三つ用意していることで、本発明第7の実施例におけるチャージポンプ二つの場合に比べて、整数A,B,Cの小さい変化幅で分数PLL動作を実現することができる。
【0067】
本発明第9の実施例においては、チャージポンプとして、正側に定電流源S1,S7の二つ、負側に定電流源S2の一つを用いているが、正側に一つ、負側に二つの定電流源を用いてもよい。
【0068】○第10の実施例
本発明第10の実施例は、モジュロの値を16とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frをN分周した信号の周波数に対して、分母を16とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図19は本発明第10の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図19における位相比較器PD12のブロック図を図18に示す。
【0069】
本発明第8の実施例が本発明第7の実施例に対して位相比較器に位相オフセットを持たせるための手段である定電流源S7やカウント値と比較する整数Cなどを追加したのと同様に、本発明第10の実施例は本発明第9の実施例に対して位相オフセットを持たせるための手段である定電流源S7やカウント値と比較する整数Cなどを追加したものである。従って、本発明第10の実施例における電流I1とI2とI7の比や所望の位相オフセットを与える整数A,B,Cの値は本発明第9の実施例と同じである。
【0070】
本発明第9の実施例に対する本発明第10の実施例の優位点は、本発明第7の実施例に対する本発明第8の実施例の優位点と同様、位相比較器出力Ioの信号の実効値を抑えることができ、電圧制御発振器出力信号fvのスプリアスの抑制が容易であることである。ただし、本発明第10の実施例においては基準周波数信号frを分周した信号と電圧制御発振器出力信号fvを分周した信号の双方に対して複数の位相の信号を発生させる必要がある。
【0071】○第11の実施例
本発明第11の実施例は、モジュロの値を8とするPLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母を8とする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図21は本発明第11の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図21における位相比較器PD4のブロック図を図20に示す。本発明第9の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源が正側と負側あわせて三つであったのに対し、本発明第11の実施例では正側と負側あわせて四つ有している。
【0072】
本発明第11の実施例における電流I1とI2とI7とI8の比は1対−1対2対−4である。すなわち、各電流の絶対値は2のべき乗として並んでおり、最小のもののみが二つある。整数A,B,C,Dの値を適当に設定することにより位相比較器PD3に位相のオフセットを持たせるわけであるが、モジュロ8の分数PLL動作を実現させるためには電圧制御発振器出力信号fvの周期に対して1/8間隔で位相のオフセットを持たせる必要がある。図22は、そのような位相のオフセットを持たせる整数A,B,C,Dの組み合わせの例である。図22において、「Aの変化幅」とあるのは、整数Aの値について、その基準値があり、Aの値のその基準値からの変化幅であることを意味している。「Bの変化幅」、「Cの変化幅」、「Dの変化幅」についても同様である。
【0073】
位相比較器PD4における位相のオフセットの精度は、位相比較器PD4の内部の回路における遅延時間には依存せず、電流I1とI2とI7とI8の比の精度によって決まる。この電流I1とI2とI7とI8の比を十分な精度でもって設定できる場合は問題ないが、そうでない場合は何らかの方法により電流I1とI2とI7とI8の比の誤差を検出し、その誤差信号をもとに電流I1とI2とI7とI8の比を補正する方法が有効である。本発明第9の実施例においては、電流I1とI2とI7とI8の比を補正する手段を持たせていない。
【0074】
本発明第11の実施例における本発明第9の実施例に対する優位性の一つは、2のべき乗をモジュロとする分数PLLへの拡張が容易な点である。このことは、出力電流のための各定電流源における電流の絶対値を2のべき乗としてならべ、最小のもののみ二つ用意していることによる。本発明第11の実施例においては出力電流のための定電流源を四つ用いて8をモジュロとする分数PLLを実現しているが、定電流源の数を五つにすることにより、16をモジュロとすることができ、さらに定電流源の数を六つにすることにより、32をモジュロとすることができる。このように、定電流源の数の数を増やすことによりモジュロの値を大きくしていくことができる。このアプローチの利点として、そのときの各位相オフセットを実現する整数A,B,C,Dなどの組み合わせについても規則的に算出することができることが挙げられる。また、整数A,B,C,Dなどの変化幅は最大でも1になる。その結果、1周期のうち位相比較器出力Ioが出力される期間を短くできるので、電圧制御発振器出力信号fvに含まれるスプリアスを低減させることが容易になる。
【0075】
本発明第11の実施例においては、整数A,B,C,Dのパターンとして図22に示す表のものを用いていたが、整数A,B,C,Dのパターンは図22に示す表のものに限るものではない。また、本発明第11の実施例においては、電流I1とI2とI7とI8の比は1対−1対2対−4であるが、それぞれの電流の絶対値が順不同にて1対1対2対4であれば同じように8をモジュロとする分数PLLを構成することができる。さらに、電流I1とI2とI7とI8の比は任意の値であってもよい。これらの電流の比を適切に設定することにより、大きい数をモジュロとする分数PLLを実現することができる。
【0076】
本発明第11の実施例においては、電流I1とI2とI7とI8の比の誤差の補正を行う手段を有していなかったが、本発明第6の実施例のように電流I1とI2とI7とI8の比の誤差の補正を行う手段を持たせてもよい。
本発明第11の実施例においては、チャージポンプとして、正側に定電流源S1,S7の二つ、負側に定電流源S2,S8の二つを用いているが、正側に一つ、負側に三つの定電流源を用いてもよいし、正側に三つ、負側に一つの定電流源を用いてもよい。
【0077】○第12の実施例
本発明第12の実施例は、Mの値を自然数としたとき、モジュロの値をMとする分数PLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母をMとする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図24は本発明第12の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図24における位相比較器PD5のブロック図を図23に示す。本発明第12の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源の正側と負側の組み合わせをM組持っており、それらの電流の値はすべて等しいものである。位相比較器PD5は複数の位相比較器を並列に接続することにより実現できるが、カウンタCT1の部分など共通している部分が多いため、共通部分を一つにまとめている。
【0078】
位相比較器PD5におけるカウンタCT1においては、カウント値が0、1、B、B+1に等しいことを示す信号が出力されるが、スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMは、それぞれ、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミング、またはカウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングのどちらかに従ってオン・オフの動作を行なう。そのどちらのタイミングによって動作を行なうかは、切り換え信号SW1からSWMにより切り換えられるようになっている。前者のタイミングにおいては、後者のタイミングに対して、正側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ長く、負側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ短い。各定電流源の電流は等しいので、M組の定電流源の内、L組の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号に基づいてオン・オフされ、残りの(M−L)組の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号に基づいてオン・オフされると、位相比較器PD5は第3の信号f1の周期に対してL/M倍の時間の位相オフセットを持つことになる。
【0079】
この位相比較器PD5の位相オフセットの値は、切り換え信号SW1からSWMによって変更することができるので、図24におけるコントローラCR6が毎周期、カウンタCT1の分周数Nの値と切り換え信号SW1からSWMの値を適当に出力することにより、モジュロの値をMとする分数PLLを実現することができる。
【0080】
本発明第12の実施例における一つの利点は、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をそれぞれ等しくすることができる点である。各定電流源の電流の値を等しくすることにより、各定電流源の電流の値に重みを付けた場合に比べて、電流の相対精度を上げることができる。また、本発明の第12の実施例における一つの利点は、正側の定電流源の電流の値と負側の定電流源の値を必ずしも揃えなくてもよいという点である。従って、各定電流源の回路を、FET一つにより実現することも可能である。
【0081】
本発明第12の実施例においては、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をそれぞれ等しくしていたが、重み付けを行なってもよい。重み付けを行なうことにより、少ない数の定電流源を用いて大きなモジュロの値の分数PLLを実現することができる。この場合においても、正側の定電流源の電流の値と負側の定電流源の値は整合をとる必要はない。また、各定電流源の電流の比は整数比とすることになるので、各定電流源は、いくつかのFETまたはチャネル幅の異なる一つのFETにより構成することが可能となる。
【0082】
本発明第12の実施例においては、スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMをオン・オフするタイミングを、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミング、および、カウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングの2種類のものを切り換えていたが、カウンタCT1のカウント値が2である信号とB+2である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングなどを加えるなどして、さらに多くのタイミングを用意して切り換えるようにしてもよい。タイミングの数を増やすことにより、少ない数の定電流源を用いて大きな数をモジュロとする分数PLLを実現することができる。
【0083】○第13の実施例
本発明第13の実施例は、Mの値を自然数としたとき、モジュロの値を2Mとする分数PLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母を2Mとする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図26は本発明第13の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図26における位相比較器PD6のブロック図を図25に示す。本発明第13の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源を正側と負側合わせて2M個持っており、それらの電流の絶対値はすべて等しいものである。位相比較器PD6は複数の位相比較器を並列に接続することにより実現できるが、カウンタCT1の部分など共通している部分が多いため、共通部分を一つにまとめている。
【0084】
位相比較器PD6におけるカウンタCT1においては、カウント値が0、1、B、B+1に等しいことを示す信号が出力されるが、スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMは、それぞれ、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミング、またはカウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングのどちらかに従ってオン・オフの動作を行なう。そのどちらのタイミングによって動作を行なうかは、切り換え信号SWP1からSWPMおよびSWN1からSWNMにより切り換えられるようになっている。前者のタイミングにおいては、後者のタイミングに対して、正側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ長く、負側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ短い。各定電流源の電流は等しいので、2M個の定電流源の内、L個の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号に基づいてオン・オフされ、残りの(2M−L)個の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号に基づいてオン・オフされると、位相比較器PD6は第3の信号f1の周期に対してL/(2M)倍の時間の位相オフセットを持つことになる。
【0085】
この位相比較器PD6の位相オフセットの値は、切り換え信号SWP1からSWPMおよびSWN1からSWNMによって変更することができるので、図26におけるコントローラCR7が毎周期、カウンタCT1の分周数Nの値と切り換え信号SWP1からSWPMおよびSWN1からSWNMの値を適当に出力することにより、モジュロの値を2Mとする分数PLLを実現することができる。
【0086】
本発明第13の実施例における一つの利点は、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をすべて等しくすることができる点である。各定電流源の電流の値を等しくすることにより、各定電流源の電流の値に重みを付けた場合に比べて、電流の相対精度を上げることができる。また、本発明第12の実施例に対する本発明第13の実施例の利点として、同じ数の定電流源を用いてモジュロの数を2倍にすることができる点がある。しかし、本発明第13の実施例においては、正側の定電流源の電流と負側の定電流源の電流の絶対値を等しくしなければならない。
【0087】
本発明第13の実施例においては、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をそれぞれ等しくしていたが、重み付けを行なってもよい。重み付けを行なうことにより、少ない数の定電流源を用いて大きなモジュロの値の分数PLLを実現することができる。この場合においても、正側の定電流源の電流の値と負側の定電流源の値は精度良く整合をとる必要がある。
【0088】
本発明第13の実施例においては、スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMをオン・オフするタイミングを、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミング、および、カウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングの2種類のものを切り換えていたが、カウンタCT1のカウント値が2である信号とB+2である信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングなどを加えるなどして、さらに多くのタイミングを用意して切り換えるようにしてもよい。タイミングの数を増やすことにより、少ない数の定電流源を用いて大きな数をモジュロとする分数PLLを実現することができる。
【0089】○第14の実施例
本発明第14の実施例は、Mの値を自然数としたとき、モジュロの値をMとする分数PLLによる信号発生装置である。基準周波数信号frの周波数に対して、分母をMとする分数倍の周波数の信号を発生させるものである。図28は本発明第14の実施例におけるPLL装置のブロック図である。図28における位相比較器PD7のブロック図を図27に示す。本発明第14の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源の正側と負側の組み合わせをM組持っており、それらの電流の値はすべて等しいものである。位相比較器PD7は複数の位相比較器を並列に接続することにより実現できるが、カウンタCT1の部分など共通している部分が多いため、共通部分を一つにまとめている。
【0090】
カウンタCT2は、電圧制御発振器出力信号fvをY分周するが、そのカウント値が0に等しい信号と1に等しい信号をそれぞれ信号f2,f3として出力し、位相比較器PD7に入力する。位相比較器PD7におけるカウンタCT1は基準周波数信号frをN分周するが、そのカウント値が0、1、B、B+1に等しいことを示す信号が出力される。スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMは、それぞれ、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が0である信号によって生成されるタイミング、またはカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が1である信号によって生成されるタイミングのどちらかに従ってオン・オフの動作を行なう。そのどちらのタイミングによって動作を行なうかは、切り換え信号SW1からSWMにより切り換えられるようになっている。 前者のタイミングにおいては、後者のタイミングに対して、正側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が電圧制御発振器出力信号fvの1クロック分だけ長く、負側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が電圧制御発振器出力信号fvの1クロック分だけ短い。各定電流源の電流は等しいので、M組の定電流源の内、L組の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が1である信号とB+1である信号に基づいてオン・オフされ、残りの(M−L)組の定電流源についてカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号に基づいてオン・オフされると、位相比較器PD7は電圧制御発振器出力信号fvの周期に対してL/M倍の時間の位相オフセットを持つことになる。
【0091】
この位相比較器PD7の位相オフセットの値は、切り換え信号SW1からSWMによって変更することができるので、図28におけるコントローラCR8が毎周期、カウンタCT2の分周数Yの値と切り換え信号SW1からSWMの値を適当に出力することにより、モジュロの値をMとする分数PLLを実現することができる。
【0092】
本発明第12の実施例に対する本発明第14の実施例における利点は、高い周波数であることがある電圧制御発振器出力信号fvを分周するカウンタCT2の出力信号の数が2と少ないことである。本発明第12の実施例においては、電圧制御発振器出力信号fvはカウンタCT1により分周を行なっているが、その出力信号の数は4であった。これらの信号のタイミングは相対精度が必要とされるので、カウンタから直接えられた信号に対して電圧制御発振器出力信号fvなどにより同期を行なう必要がある。したがって、電圧制御発振器出力信号fvを分周するカウンタの出力の数が少ないことは、回路規模を抑えることにもつながるし、低消費電流化ともなる。しかし、基準周波数信号frを分周しているので、基準周波数信号frの周波数が十分に高くない場合においては、位相比較を行なう周期が長くなってしまうこと、位相比較器出力Ioが出力される期間が長くなってしまうことなどの考慮すべき点を持っている。
【0093】
本発明第14の実施例における一つの利点は、本発明第12の実施例と同様、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をそれぞれ等しくすることができる点である。各定電流源の電流の値を等しくすることにより、各定電流源の電流の値に重みを付けた場合に比べて、電流の相対精度を上げることができる。また、本発明の第14の実施例における一つの利点は、正側の定電流源の電流の値と負側の定電流源の値を必ずしも揃えなくてもよいという点である。従って、各定電流源の回路を、FET一つにより実現することも可能である。
【0094】
本発明第14の実施例においては、定電流源SP1からSPMの電流値と定電流源SN1からSNMの電流値をそれぞれ等しくしていたが、重み付けを行なってもよい。重み付けを行なうことにより、少ない数の定電流源を用いて大きなモジュロの値の分数PLLを実現することができる。
【0095】
本発明第14の実施例においては、スイッチQP1,QN1からスイッチQPM,QNMをオン・オフするタイミングを、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が0である信号によって生成されるタイミング、および、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が1である信号によって生成されるタイミングの2種類のものを切り換えていたが、カウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が2である信号によって生成されるタイミングなどを加えるなどして、さらに多くのタイミングを用意して切り換えるようにしてもよい。タイミングの数を増やすことにより、少ない数の定電流源を用いて大きな数をモジュロとする分数PLLを実現することができる。
【0096】
本発明第14の実施例においては、正側の定電流源に対するスイッチのオン・オフのタイミングと負側の定電流源に対するスイッチのオン・オフのタイミングをセットで切り換えていたが、本発明第13の実施例のように、個別にタイミングを切り換えるようにしてもよい。そのようにすることにより、正側と負側の定電流源の電流に対する整合性を取る必要が発生するが、同じ数の定電流源でより大きい数をモジュロとする分数PLLを実現することができる。
【0097】○第15の実施例
本発明第15の実施例は、基準周波数信号frの周波数に対して、整数とは限らない正の実数Xを乗じた周波数の信号を発生させるPLLである。図30は本発明第15の実施例におけるPLLのブロック図である。図30における位相比較器PD8のブロック図を図29に示す。本発明第15の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源の電流の値を定電流源の電流設定値Ia,Ibによって位相比較器の外部から設定できるようになっている。位相比較器PD8は二つの位相比較器を並列に接続することにより実現できるが、カウンタCT1の部分など共通している部分が多いため、共通部分を一つにまとめている。
【0098】
位相比較器PD8におけるカウンタCT1においては、カウント値が0、P、B、B+Pに等しいことを示す信号がそれぞれ出力される。ただし、PはN−Bより小さい正の整数である。スイッチQ1,Q2はカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングに従ってオン・オフの動作を行なう。スイッチQ7,Q8はカウンタCT1のカウント値がPである信号とB+Pである信号、第2の信号f2によって生成されるタイミングに従ってオン・オフの動作を行なう。前者のタイミングにおいては、後者のタイミングに対して、正側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1のPクロック分だけ長く、負側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1のPクロック分だけ短い。定電流源S1,S2の電流設定値Iaおよび定電流源S7,S8の電流設定値Ibを外部から変化させることができるので、電流設定値Ia,Ibの値により、位相比較器PD8に位相オフセットを持たせることができる。その位相オフセットの値は、第3の信号f1の周期に対してP×Ib/(Ia+Ib)を乗じた時間となる。したがって、位相オフセットの分解能は、電流設定値Ia,Ibの分解能によって決まる。図30におけるコントローラCR9が毎周期、カウンタCT1の分周数Nの値と電流設定値Ia,Ibを適当に出力することにより、非整数PLLを実現することができる。
【0099】
本発明第15の実施例における利点は、電流設定値Ia,Ibの設定分解能を高めることによって、電圧制御発振器出力信号fvの周波数設定値の分解能を高くすることができることである。
【0100】○第16の実施例
本発明第16の実施例は、基準周波数信号frの周波数に対して、整数とは限らない正の実数Xを乗じた周波数の信号を発生させるPLLである。図32は本発明第16の実施例におけるPLLのブロック図である。図32における位相比較器PD9のブロック図を図31に示す。本発明第16の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源の電流の値を定電流源の電流設定値Ia,Ibによって位相比較器の外部から設定できるようになっている。位相比較器PD9は二つの位相比較器を並列に接続することにより実現できるが、カウンタCT1の部分など共通している部分が多いため、共通部分を一つにまとめている。
【0101】
位相比較器PD9におけるカウンタCT1においては、カウント値が0、Bに等しいことを示す信号がそれぞれ出力される。カウンタCT2においては、カウント値が0、1に等しいことを示す信号がそれぞれ出力される。スイッチQ1,Q2はカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が0である信号によって生成されるタイミングに従ってオン・オフの動作を行なう。スイッチQ7,Q8はカウンタCT1のカウント値が0である信号とBである信号、カウンタCT2のカウント値が1である信号によって生成されるタイミングに従ってオン・オフの動作を行なう。前者のタイミングにおいては、後者のタイミングに対して、正側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ長く、負側の定電流源に対するスイッチがオンとなっている期間が第3の信号f1の1クロック分だけ短い。定電流源S1,S2の電流設定値Iaおよび定電流源S7,S8の電流設定値Ibを外部から変化させることができるので、電流設定値Ia,Ibの値により、位相比較器PD8に位相オフセットを持たせることができる。その位相オフセットの値は、第3の信号f1の周期に対してIb/(Ia+Ib)を乗じた時間となる。したがって、位相オフセットの分解能は、電流設定値Ia,Ibの分解能によって決まる。図32におけるコントローラCR10が毎周期、カウンタCT2の分周数Yの値と電流設定値Ia,Ibを適当に出力することにより、非整数PLLを実現することができる。
【0102】
本発明第16の実施例における利点は、電流設定値Ia,Ibの設定分解能を高めることによって、電圧制御発振器出力信号fvの周波数設定値の分解能を高くすることができることである。
【0103】
本発明第15の実施例に対する本発明第16の実施例における利点は、高い周波数であることがある電圧制御発振器出力信号fvを分周するカウンタCT2の出力信号の数が2と少ないことである。本発明第15の実施例においては、電圧制御発振器出力信号fvはカウンタCT1により分周を行なっているが、その出力信号の数は4であった。これらの信号のタイミングは相対精度が必要とされるので、カウンタから直接えられた信号に対して電圧制御発振器出力信号fvなどにより同期を行なう必要がある。したがって、電圧制御発振器出力信号fvを分周するカウンタの出力の数が少ないことは、回路規模を抑えることにもつながるし、低消費電流化ともなる。しかし、基準周波数信号frを分周しているので、基準周波数信号frの周波数が十分に高くない場合においては、位相比較を行なう周期が長くなってしまうこと、位相比較器出力Ioが出力される期間が長くなってしまうことなどの考慮すべき点を持っている。
【0104】
本発明第16の実施例においては、カウンタCT2において、そのカウント値が0である信号と1である信号を取り出していたが、それらのカウント値の差は1でなくてもよく、他の自然数であってもよい。
【0105】○第17の実施例
本発明第17の実施例は、基準周波数信号frの周波数に対して、整数とは限らない正の実数Xを乗じた周波数の信号を発生させるPLLである。図34は本発明第17の実施例におけるPLLのブロック図である。図34における位相比較器PD10のブロック図を図33に示す。本発明第17の実施例における位相比較器においては、チャージポンプを構成する定電流源S1,S2の電流の値を定電流源の電流設定値Ic,Idによって位相比較器の外部から設定できるようになっている。また、定電流源S3,S4は、位相が大きくずれた際に動作するものである。
【00106】
位相比較器PD10におけるカウンタCT1においては、カウント値が0、Pに等しいことを示す信号がそれぞれ出力される。ただし、Pは2以上の整数である。カウンタCT1のカウント値が0になってからカウント値がPになるまでの間に第2の信号f2が立ち上がったとき、カウンタCT1のカウント値が0になってから第2の信号f2が立ち上がるまでの期間のみスイッチQ2がオンになり、第2の信号f2が立ち上がってからカウンタCT1のカウント値がPになるまでの期間のみスイッチQ1がオンになる。したがって、位相比較器PD10における位相オフセットは、第3の信号f1の周期に対してP×Id/(Ic+Id)を乗じた時間となる。すなわち、定電流源の電流設定値Ic,Idの比を適当に設定することにより所望の位相オフセットを持たせることができ、位相オフセットの分解能は、電流設定値Ic,Idの分解能によって決まる。図34におけるコントローラCR11が毎周期、カウンタCT1の分周数Nの値と電流設定値Ic,Idを適当に出力することにより、非整数PLLを実現することができる。
【00107】
本発明第15の実施例に対する本発明第17の実施例の利点は、電流の値を位相比較器の外部からの信号により設定しなければならない定電流源の数が少ないことである。しかし、本発明第17の実施例においては、内部の回路における遅延時間の不揃いが位相オフセットの精度に影響を及ぼしてしまうので、遅延時間の不揃いが問題にならない場合に用いるか、そうでない場合には何らかの方法で遅延時間の不揃いを補償する手段を持たせるなどの考慮が必要になる。内部回路における遅延時間の不揃いを補償する手段としては、本発明第6の実施例の手法を用いて互いに位相オフセットの時間の差が第3の信号f1の1周期と等しくなるような二組の定電流源の電流設定値Ic,Idを求め、1次補間により所望の位相オフセットに対する電流設定値Ic,Idを算出するなどの方法がある。
【00108】
【発明の効果】以上のように、本発明を用いることにより、ゼロクロス歪を持たない位相比較器を実現することができ、それを応用することによって位相比較器に位相オフセットを精度よく持たせることができ、分数PLLなどの非整数動作を行うPLLを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における位相比較器のブロック図
【図2】本発明の第1の実施例における信号波形の例
【図3】本発明の第1の実施例における信号波形の例
【図4】本発明の第2の実施例における位相比較器のブロック図
【図5】本発明の第2の実施例における信号波形の例
【図6】本発明の第3の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図7】本発明の第4の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図8】本発明の第5の実施例における位相比較器のブロック図
【図9】本発明の第5の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図10】本発明の第6の実施例における位相オフセットの表
【図11】本発明の第6の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図12】本発明の第7の実施例における位相オフセットの表
【図13】本発明の第8の実施例における位相比較器のブロック図
【図14】本発明の第8の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図15】本発明の第9の実施例における位相比較器のブロック図
【図16】本発明の第9の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図17】本発明の第9の実施例における位相オフセットの表
【図18】本発明の第10の実施例における位相比較器のブロック図
【図19】本発明の第10の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図20】本発明の第11の実施例における位相比較器のブロック図
【図21】本発明の第11の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図22】本発明の第11の実施例における位相オフセットの表
【図23】本発明の第12の実施例における位相比較器のブロック図
【図24】本発明の第12の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図25】本発明の第13の実施例における位相比較器のブロック図
【図26】本発明の第13の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図27】本発明の第14の実施例における位相比較器のブロック図
【図28】本発明の第14の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図29】本発明の第15の実施例における位相比較器のブロック図
【図30】本発明の第15の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図31】本発明の第16の実施例における位相比較器のブロック図
【図32】本発明の第16の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図33】本発明の第17の実施例における位相比較器のブロック図
【図34】本発明の第17の実施例におけるPLL装置のブロック図
【図35】従来の位相比較器のブロック図の例
【図36】従来の位相比較器の入出特性の例
【符号の説明】
f1・・・・第3の信号
f2・・・・第2の信号または第2の信号の第4の位相を与える信号
f3・・・・第2の信号の第5の位相を与える信号
fr・・・・基準周波数信号
fv・・・・電圧制御発振器出力信号
A,B,C,D,E,P・・・・整数、カウンタCT1またはカウンタCT2の計数値との比較値に使用
AD・・・・調整器
CP・・・・補償器
CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6・・・・コントローラCR7,CR8,CR9,CR10,CR11,CR12,CR13・・・・コントローラ
CT1,CT2・・・・カウンタ
EOC・・・・1サイクル終了信号
I1,I2,I3,I4,I7,I8・・・・S1,S2,S3,S4,S7,S8の出力電流
Ia,Ib,Ic,Id・・・・定電流源の電流設定値
Io・・・・位相比較器出力
N・・・・カウンタCT1の分周数
PD1,PD2,PD3,PD4,PD5,PD6・・・・位相比較器
PD7,PD8,PD9,PD10,PD11,PD12・・・・位相比較器
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,Q8・・・・スイッチ
QP1,QPM,QN1,QNM・・・・スイッチ
S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8・・・・定電流源
SP1,SPM,SN1,SNM・・・・定電流源
SW1,SWM・・・・切り換え信号
SWP1,SWPM,SWN1,SWNM・・・・切り換え信号
VCO・・・・電圧制御発振器
X・・・・周波数設定値、整数とは限らない
Y・・・・カウンタCT2の分周数
91・・・・第1の信号の第1の位相を示す信号
92・・・・カウンタCT1のカウント値がゼロであることを示す信号
93・・・・第1の信号の第2の位相を示す信号[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a PLL used to generate a signal having a designated frequency and a phase comparator used for the PLL.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 05-066958
[Patent Document 2] JP-A-08-046498
[Patent Document 3] JP-A-2000-005873
[Patent Document 4] JP-A-2002-223164
[Non-Patent Document 1] United States Patent 6,141,394
[Non-Patent Document 2] United States Patent 6,236,703
[Non-Patent Document 3] United States Patent 6,308,049
[Non-Patent Document 4] United States Patent 6,407,643
[0003]
In the prior art, the one shown in FIG. 35 has been used as a phase comparator in a PLL. However, in the phase comparator of this system, zero-cross distortion occurs when the phase difference between two signals for comparing the phases is small. This is because when the phase of one signal is ahead of the other, only one of the paired charge pumps operates, and vice versa, only the other of the charge pumps operates. This is because, when the phase difference between the two signals is small, both charge pumps operate instantaneously at the same time or have a dead band in which one of the charge pumps does not operate. This is shown in FIG. However, when trying to realize a fractional PLL using the Δ-Σ method, a problem has arisen that the spuriousness of the generated signal cannot be suppressed so much due to the nonlinearity of the phase comparator.
[0004]
In some cases, it is desired to realize a fractional PLL, but it is not appropriate to use the Δ-Σ method. In such a case, a current injection method has been conventionally used, or a method of generating a polyphase signal by DLL (delay loop lock) has been used. However, the current injection method has a problem in that accurate current injection for compensating a phase shift is not easy. In addition, the method using the DLL has a problem that it is not easy to generate a polyphase signal with high phase accuracy. In either case, these problems become more prominent as the frequency to be handled becomes higher.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to improve the linearity of a phase comparator in a PLL. That is, it aims to make the output of the phase comparator accurately proportional to the phase difference between the two input signals.
[0006]
It is another object of the present invention to realize a highly accurate phase comparator for realizing a fractional PLL. That is, in the relationship between the two input signals and the output signal of the phase comparator, it is aimed to give an accurate offset to the input signal phase difference.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a means for improving the linearity of the phase comparator, by expanding the range of the phase difference between the two signals operated by both the pair of charge pumps, the phase comparator can be used when the phase difference between the two signals is small. Increase linearity. By setting the range of the phase difference between two signals operated by both of the pair of charge pumps using a counter used to obtain one of the signals, the range of the phase difference can be easily set to an appropriate value. Can be set to
[0008]
Also, by appropriately setting the output value of the charge pump and changing the range of the phase difference, it is possible to change the offset with respect to the input signal phase difference of the phase comparator. To implement a fractional PLL.
[0009]
Also, by using a plurality of sets of phase comparators and charge pumps, by giving a certain difference to the signal phase difference supplied to each phase comparator and changing the ratio of the output current of each charge pump, the overall The non-integer PLL operation is realized by changing the phase offset of the phase comparator.
[0010]
Further, the total time of the positive charge pump working time and the negative charge pump working time of the phase comparator charge pump is fixed, and the ratio of the positive charge pump current to the negative charge pump current is calculated. , The phase offset of the phase comparator is changed, and a non-integer PLL operation is realized.
[0011]
【Example】
○ First embodiment
FIG. 1 is a block diagram of a phase comparator according to a first embodiment of the present invention. A signal corresponding to the phase difference between the first signal and the second signal f2, which is a signal obtained by dividing the third signal f1 by the counter CT1, is output as a phase comparator output Io. The output charge of the phase comparator output Io is a linear function of the phase difference.
[0012]
The third signal f1 is input to the counter CT1. At this time, the counter CT1 starts counting from 0 and counts up to a preset integer N-1, and the count value is reset to 0 by the next input pulse. The integers A and B are preset positive integers. When the count value of the counter CT1 is N−A, the signal 91 indicating the first phase of the first signal becomes H, and at other times, Is L. When the count value of the counter CT1 is B, the signal 93 indicating the second phase of the first signal becomes H, and otherwise becomes L.
[0013]
Switches Q1, Q2, Q3, Q4 are electronic switches. The constant current sources S1, S2, S3, and S4 try to flow a constant current, and when the switches Q1, Q2, Q3, and Q4 are on, the currents I1, I2, I3, and I4 flow, respectively. Is output to the phase comparator output Io. However, it is assumed that the currents I1 and I3 are positive and the currents I2 and I4 are negative. The output Io has a positive discharge current.
[0014]
When the signal f2 rises between the rising edge of the signal 91 and the rising edge of the signal 93, the phase comparator outputs the current I1 as the output Io from the rising edge of the signal 91 to the rising edge of the signal f2. During the period from the rising edge of f2 to the rising edge of the signal 93, the current I2 flows as the output Io. This is shown in FIG.
[0015]
When the signal f2 rises between the rising edge of the signal 91 and the rising edge of the signal 93, if the rising timing of the signal f2 is delayed by ΔT, the time for the current I1 to flow as the output Io becomes longer by ΔT, and the output Io The time during which the current I2 flows becomes shorter by ΔT. This fact does not depend on the delay time of the logic circuit used in the phase comparator, nor does it depend on the delay times of the switches Q1, Q2, Q3, and Q4. Therefore, the phase comparator has a very high linearity in a range where the phase difference is small.
[0016]
In this phase comparator, when the signal f2 rises before the rising edge of the signal 91, a current I4 flows as the output Io from the rising edge of the signal f2 to the rising edge of the signal 91. When the signal f2 rises after the rising edge of the signal 93, the current I3 flows as the output Io from the rising edge of the rising edge of the signal 93 to the rising edge of the signal f2. This is shown in FIG. By making the absolute values of the currents I3 and I4 sufficiently larger than the absolute values of the currents I1 and I2, the gain of the phase comparator when the phase difference is large is sufficiently larger than the gain when the phase difference is small. Can be larger.
[0017]
Such a phase difference dependency of the gain can play a large role in shortening the lock-up time when a PLL is configured using this phase comparator. That is, when the phase difference is small, the gain of the phase comparator can be reduced to suppress the spurious of the signal generated by the PLL, and when the phase difference is large, the gain of the phase difference can be increased to achieve fast lock-up. Can be measured. With respect to such a change in the gain of the phase comparator, there are already proposed methods.However, these methods externally give a command to change the current of the charge pump of the phase comparator, or use a lock-up detecting means. Or changing the current of the charge pump. However, in the first embodiment of the present invention, there is no need to externally set the gain of the phase comparator, and it is not necessary to change the gain of the phase comparator using lock-up detection means. There is an advantage that the gain of the phase comparator is automatically changed according to the magnitude of the phase difference.
[0018]
In the first embodiment of the present invention, in order to obtain the timings of the first phase and the second phase of the first signal, the third signal f1 is divided by the counter CT1, and the count value of the counter CT1 is obtained. Is detected by detecting that the first signal has a specific value. However, the means for obtaining the timing of the first phase and the second phase of the first signal is not limited to this method. For example, the rising edge and the falling edge of the first signal may be the first phase and the second phase, respectively. Further, the third signal f1 is frequency-divided by the counter CT1, the first phase of the first signal is detected by detecting that the count value of the counter CT1 reaches a specific value, and the signal is converted to the third signal. The second phase of the first signal may be detected using a signal delayed by a shift register that uses the signal f1 as a clock.
The second embodiment
FIG. 4 is a block diagram of a phase comparator according to a second embodiment of the present invention. A signal corresponding to the phase difference between the signal obtained by dividing the third signal f1 by the counter CT1 and the second signal f2 is output as the phase comparator output Io. The output charge is a linear function of the phase difference.
[0020]
The third signal f1 is input to the counter CT1. At this time, the counter CT1 starts counting from 0 and counts up to a preset integer N-1, and the count value is reset to 0 by the next input pulse. The integer A is a preset positive integer. When the count value of the counter CT1 is N−A, the signal 91 indicating the first phase of the first signal becomes H, and at other times, it becomes L. It becomes. When the count value of the counter CT1 is A, the signal 93 indicating the second phase of the first signal becomes H, and otherwise becomes L. The signal 92 indicating that the count value of the counter CT1 is zero becomes H when the count value is 0, and becomes L otherwise.
[0021]
Switches Q1, Q2, Q5, and Q6 are electronic switches. The constant current sources S1, S2, S5, and S6 try to pass a constant current, and the currents I1, I2, I5, and I6 flow when the switches Q1, Q2, Q5, and Q6 are on. Is output to the phase comparator output Io. However, the currents I1 and I5 are assumed to be positive, and the currents I2 and I6 are assumed to be negative. The output Io has a positive discharge current. Further, it is assumed that the value of I5 is equal to a value obtained by changing the sign of the value of I2, and a value of I6 is equal to a value obtained by changing the sign of the value of I1.
[0022]
FIG. 5 shows an example of the operation waveform of the second embodiment of the present invention. When the signal f2 rises between the rising edge of the signal 91 and the rising edge of the signal 93, the phase comparator superimposes the current I1 on the output Io from the rising edge of the signal 91 to the rising edge of the signal f2. During the period from the rising edge of the signal f2 to the rising edge of the signal 93, the current I2 is superimposed on the output Io. The current I6 is superimposed on the output Io from the rising edge of the signal 91 to the rising edge of the signal 92, and the current I5 is superimposed on the output Io from the rising edge of the signal 92 to the rising edge of the signal 93. . In an ideal state, when the signal f2 and the signal 92 rise at the same time, the average value of the output Io becomes 0. In such a situation, the current is canceled at any moment and the current flows to the output Io. Absent. When the signal f2 rises between the rising edge of the signal 91 and the rising edge of the signal 92, the current is canceled and not output to the output Io from the rising edge of the signal 91 to the rising edge of the signal f2, and the signal f2 The current I2 + I6 is output to the output Io from the rising edge of the signal 92 to the rising edge of the signal 92, and the current is canceled and not output to the output Io from the rising edge of the signal 92 to the rising edge of the signal 93. During the other periods, no current is output to the output Io. When the signal f2 rises during the rising edge of the signal 93, the current I1 + I5 is output to the output Io during the period from the rising edge of the signal 92 to the rising edge of the signal 93, and in other periods, No current is output to the output Io.
[0023]
As described above, in the second embodiment of the present invention, the phase comparator performs the same operation as the conventional phase comparator, but the linearity between the phase difference and the output when the phase difference is small is equal to that of the present invention. As in the first embodiment, higher linearity than the conventional one can be obtained. Further, when compared with the first embodiment of the present invention, when the phase difference is small, the effective value of the output Io can be reduced. Therefore, when configuring the PLL using this phase comparator, It has the advantage that the design conditions are eased.
[0024]
In the second embodiment of the present invention, the gain of the phase detector is changed when the phase difference is large such as when the signal f2 rises earlier than the signal 91 or when the signal f2 rises later than the signal 93. However, as in the first embodiment of the present invention, the gain of the phase comparator may be changed according to the magnitude of the phase difference.
○ Third embodiment
FIG. 6 is a block diagram of a PLL device according to the third embodiment of the present invention. A signal having a frequency obtained by multiplying the frequency of the reference frequency signal fr by a value given from the outside is obtained as the voltage controlled oscillator output signal fv.
[0026]
The phase comparator PD2 is a phase comparator according to the second embodiment of the present invention. The compensator CP receives the phase comparator output Io as an input, outputs a voltage signal, and supplies the voltage signal to the voltage-controlled oscillator VCO, stabilizes the closed loop system of the PLL, and suppresses the spurious of the voltage-controlled oscillator output signal fv. In addition, the loop filter has a role of realizing a short lock-up time. The voltage controlled oscillator VCO outputs a voltage controlled oscillator output signal fv having a frequency corresponding to the input signal. The controller CR1 functions to give the frequency division number N of the counter CT1 to the phase comparator PD2 for each cycle of the reference frequency signal fr. The frequency setting value X is a command value indicating how many times the frequency of the reference frequency signal fr is to be generated as the voltage controlled oscillator output signal fv, and the value is not necessarily an integer.
[0027]
Since the reference frequency signal fr is input as the second signal f2 of the phase comparator PD2 and the voltage-controlled oscillator output signal fv is input as the third signal f1 of the phase comparator PD2, the frequency of the voltage-controlled oscillator output signal fv Is a value obtained by multiplying the reference frequency signal fr by the average value of the frequency division number N. Further, the controller CR1 outputs the frequency division number N such that the average thereof becomes equal to the frequency set value X, thereby obtaining a voltage controlled oscillator output signal fv of a desired frequency.
[0028]
When the frequency setting value X is not an integer, low-frequency components excluding a DC component when the frequency division number N is treated as a time-series signal are reduced as much as possible so as to suppress spurious components included in the voltage controlled oscillator output signal fv as much as possible. The time series of the frequency division number N is set as described above, but if the linearity of the phase comparator PD2 is not good, a desired spurious suppression characteristic cannot be obtained. By using the phase comparator PD2 according to the second embodiment of the present invention, it is possible to ensure high linearity of the phase comparator and obtain desired spurious suppression characteristics. As a method of setting a time series of the frequency division number N, a method of frequency shaping of quantization noise using a Δ-Σ technique is known.
○ Fourth embodiment
FIG. 7 is a block diagram of a PLL device according to a fourth embodiment of the present invention. A signal having a frequency obtained by multiplying the frequency of the reference frequency signal fr by a value given from the outside is obtained as the voltage controlled oscillator output signal fv.
[0030]
The phase comparator PD2 is a phase comparator according to the second embodiment of the present invention. The compensator CP receives the phase comparator output Io as an input, outputs a voltage signal, and supplies the voltage signal to the voltage-controlled oscillator VCO, stabilizes the closed loop system of the PLL, and suppresses the spurious of the voltage-controlled oscillator output signal fv. In addition, the loop filter has a role of realizing a short lock-up time. The voltage controlled oscillator VCO outputs a voltage controlled oscillator output signal fv having a frequency corresponding to the input signal. The controller CR2 serves to give the frequency division number Y of the counter CT2 for each cycle of the counter CT2. The frequency setting value X is a command value indicating how many times the frequency of the reference frequency signal fr is to be generated as the voltage controlled oscillator output signal fv, and the value is not necessarily an integer.
[0031]
The reference frequency signal fr is input as the third signal f1 of the phase comparator PD2, and the voltage-controlled oscillator output signal fv is Y-divided by the counter CT2 and then input as the second signal f2 of the phase comparator PD2. Therefore, the phase of the signal obtained by dividing the reference frequency signal fr by N and the signal obtained by dividing the voltage-controlled oscillator output signal fv by Y are compared inside the phase comparator PD2. When the frequency is constant, the frequency of the voltage controlled oscillator output signal fv is a value obtained by multiplying the reference frequency signal fr by the average value of the frequency division number Y and dividing by the frequency division number N. Further, the controller CR2 outputs the frequency division number Y such that the average thereof becomes equal to the frequency setting value X, thereby obtaining the voltage controlled oscillator output signal fv of a desired frequency.
[0032]
When the frequency setting value X is not an integer, low frequency components other than DC components when the frequency division number Y is treated as a time series signal are reduced as much as possible so as to suppress spurious components included in the voltage controlled oscillator output signal fv as much as possible. The time series of the frequency division number Y is set as described above, but if the linearity of the phase comparator PD2 is not good, a desired spurious suppression characteristic cannot be obtained. By using the phase comparator PD2 according to the second embodiment of the present invention, it is possible to ensure high linearity of the phase comparator and obtain desired spurious suppression characteristics.
○ Fifth embodiment
The fifth embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL in which a modulo value is 2. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 2 with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. FIG. 8 is a block diagram of the phase comparator PD1 used in the fifth embodiment of the present invention. FIG. 9 is a block diagram of a PLL device according to a fifth embodiment of the present invention.
[0034]
The phase comparator PD1 shown in FIG. 8 is capable of sequentially setting the frequency division number N of the counter CT1 and the values of the integers A and B from outside. When the signal f2 rises between the rising edge of the signal 91 and the rising edge of the signal 93, the phase comparator outputs the current I1 as the output Io from the rising edge of the signal 91 to the rising edge of the signal f2. During the period from the rising edge of f2 to the rising edge of the signal 93, the current I2 flows as the output Io. In the fifth embodiment of the present invention, the values of the current I1 and the current I2 are made equal. Then, if the value of the integer A is increased by 1 or the value of the integer B is reduced by 1, the phase of the third signal f1 in which the average over one cycle of the output Io becomes zero is advanced by a half cycle with respect to the previous state. Conversely, if the value of the integer A is decreased by one or the value of the integer B is increased by one, the phase of the third signal f1 whose output Io has an average of zero over one cycle is delayed by exactly half a cycle. However, since accuracy is required for the relative change of the timing of the signal 91 or the signal 93 when the value of the integer A or the integer B is changed, the signal 91 or the signal 93 is synchronized with the third signal f1. It is desirable to keep.
[0035]
In FIG. 9, the frequency setting value X is a fraction having 2 as a denominator. The phase comparator PD1 inputs the reference frequency signal fr as the second signal f2, and inputs the voltage controlled oscillator output signal fv as the third signal f1. The controller CR3 receives the frequency set value X and supplies the frequency division number N of the counter CT1 and the integers A and B to the phase comparator PD1 for each period of the reference frequency signal fr. Since the phase of the signal obtained by dividing the voltage of the voltage controlled oscillator output signal fv by N and the reference frequency signal fr are compared inside the phase comparator PD1, the frequency of the voltage controlled oscillator output signal fv is countered by the frequency of the reference frequency signal fr. It is a value obtained by multiplying the average value of the dividing number N of CT1.
[0036]
When the frequency setting value X is a multiple of が but not an integer, the dividing number N of the counter CT1 repeats increasing and decreasing by 1 every cycle. At this time, if the values of the integers A and B are constant, the phase comparator output Io repeatedly increases and decreases every cycle, which causes the voltage controlled oscillator output signal fv to include a lot of spurious components. In order to prevent this, the cut-off frequency of the compensator CP needs to be lowered, and the lock-up time of the PLL deteriorates. Therefore, when the frequency division number N of the counter CT1 takes a value larger than the average value, whether the value of the integer A is increased by 1 or the value of the integer B is reduced by 1 is compared with the case where the division number N is not otherwise. The average value of the phase comparator output Io in the cycle can be made constant, and the spurious of the voltage controlled oscillator output signal fv can be suppressed.
[0037]
In the fifth embodiment of the present invention, the accuracy of the phase offset obtained by changing the values of the integers A and B is determined by the relative ratio of the output currents I1 and I2 of the constant current sources S1 and S2. By accurately setting the values of I1 and I2, a high spurious suppression effect can be obtained.
[0038]
In the fifth embodiment of the present invention, the frequency setting value X is a fraction with 2 as the denominator, but need not be a fraction with 2 as the denominator, and another number may be the denominator. . Also at this time, the average value of the frequency division number N of the counter CT1 is made equal to the frequency set value X. By appropriately changing the values of the integers A and B, the output of the phase comparator output Io for each cycle is obtained. Low frequency components other than DC components can be suppressed. As a result, the cutoff frequency of the compensator CP can be increased.
○ Sixth embodiment
The sixth embodiment of the present invention relates to a signal generator using a PLL having a modulo value of 8. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 8 with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. FIG. 11 is a block diagram of a PLL device according to a sixth embodiment of the present invention. The difference from the one shown in FIG. 9 is that a means for correcting the current I2 by the adjuster AD is added. The block diagram of the phase comparator PD1 in FIG. 11 is as shown in FIG. 8 and is the same as that of the fifth embodiment of the present invention, except that the ratio of the current I1 to the current I2 is different and the current I2 is The difference is that it can be corrected.
[0040]
The ratio between the currents I1 and I2 in the sixth embodiment of the present invention is 5 to -3. The phase comparator PD1 is provided with a phase offset by appropriately setting the values of the integers A and B. However, in order to realize the modulo 8 fractional PLL operation, the period of the voltage control oscillator output signal fv must be adjusted. On the other hand, it is necessary to provide a phase offset at 1/8 intervals. FIG. 10 shows an example of a combination of integers A and B having such a phase offset. In FIG. 10, “the change width of A” means that there is a reference value for the value of the integer A, and the change width of the value of A from the reference value. The same applies to the “change width of B”.
[0041]
The accuracy of the phase offset in the phase comparator PD1 does not depend on the delay time in the circuit inside the phase comparator PD1, but is determined by the accuracy of the ratio between the currents I1 and I2. There is no problem if the ratio between the currents I1 and I2 can be set with sufficient accuracy, but if not, an error in the ratio between the currents I1 and I2 is detected by some method, and the current I1 and I2 are determined based on the error signal. A method of correcting the ratio of I2 is effective.
[0042]
In the sixth embodiment of the present invention, the error of the ratio between the currents I1 and I2 is detected by analyzing the output Io of the phase comparator. Now, consider a case where the frequency setting value X is not an integer. At this time, combinations of the integers A and B for some item numbers in the table shown in FIG. 10 are repeatedly set. However, it is assumed that the repetition is set so as to include a combination of the integers A and B of the item number 1 for any frequency setting value X. At this time, if an error is included in the ratio between the currents I1 and I2, the integral value of the phase comparator output Io in one cycle for each cycle has a perturbation proportional to the inner product pattern in the table shown in FIG. Further, since the average value of the inner product pattern itself is 0, the inner product of the phase comparator output Io and the inner product pattern is obtained over a period of an integral multiple of 8 or for a sufficiently long time, so that the ratio of the currents I1 and I2 is obtained. A signal proportional to the error can be obtained. However, as a practical problem, it is often impossible to use the phase comparator output Io as it is for error detection. In the sixth embodiment of the present invention whose block diagram is shown in FIG. 11, the phase comparator output Io is a current signal, the compensator CP is a passive circuit including a resistor and a capacitor, and the input voltage of the compensator CP is Is used as a signal for detecting an error in the ratio between the currents I1 and I2, and the adjuster AD integrates the inner product of the input voltage of the compensator CP and the inner product pattern to correct the current I2. Getting the signal. Normally, the compensator CP includes an integration characteristic. However, since a zero point is also set for stabilizing the PLL, a closed loop for compensating for an error in the ratio between the currents I1 and I2 can also be stabilized.
[0043]
When the frequency setting value X is an integer, if the frequency setting value X continues to be an integer, there is no problem even if the ratio between the currents I1 and I2 includes an error, but the frequency setting value X becomes a non-integer later. In such a case, it is desirable to always detect and correct the error in the ratio between the currents I1 and I2. However, unless the values of the integers A and B change, an error in the ratio between the currents I1 and I2 cannot be detected. Therefore, when the frequency set value X is an integer, the values of the integers A and B are changed by alternately repeating the item numbers 8 and 9 in the table shown in FIG. Correction of the ratio error is enabled.
[0044]
In the sixth embodiment of the present invention, the patterns of the tables shown in FIG. 10 are used as the patterns of the integers A and B, but the patterns of the integers A and B are not limited to those of the table shown in FIG.
[0045]
In the sixth embodiment of the present invention, the correction of the error of the ratio between the currents I1 and I2 is always performed online, but the correction may be performed by an offline operation when the power is turned on, or the correction may be performed periodically. Operation may be performed. When manufacturing the phase comparator PD1, a similar method may be used to perform correction by trimming. If the required accuracy is obtained for the ratio between the currents I1 and I2, it is not necessary to correct the error in the ratio between the currents I1 and I2.
[0046]
In the sixth embodiment of the present invention, the ratio of the currents I1 and I2 is set to 5 to -3, but the greatest common divisor of I1 and I2 is 1 / of the value of I1−I2, or one-integral thereof. The ratio between the currents I1 and I2 may be another value.
[0047]
Although the ratio between the currents I1 and I2 in the sixth embodiment of the present invention is set to 5 to -3, when the ratio between the currents I1 and I2 is set to 3 to -5, the "change in A" in the table shown in FIG. By exchanging the value of the “width” and the value of the “change width of B”, it is possible to realize a phase offset having a different sign from the value of the “phase offset” in the table shown in FIG.
○ Seventh embodiment
The seventh embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL with a modulo value of 16. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 16 with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. The block diagram of the PLL device according to the seventh embodiment of the present invention is the same as that shown in FIG. The block diagram of the phase comparator PD1 in FIG. 9 is as shown in FIG. 8 and is the same as that of the fifth embodiment of the present invention, except that the ratio between the current I1 and the current I2 is different.
[0049]
The ratio of the currents I1 and I2 in the seventh embodiment of the present invention is 9 to -7. The phase comparator PD1 is provided with a phase offset by appropriately setting the values of the integers A and B. In order to realize the modulo 16 fractional PLL operation, the period of the voltage controlled oscillator output signal fv must be adjusted. On the other hand, it is necessary to provide a phase offset at intervals of 1/16. FIG. 12 shows an example of a combination of integers A and B having such a phase offset. In FIG. 12, “the change width of A” means that there is a reference value for the value of the integer A and the change width of the value of A from the reference value. The same applies to the “change width of B”.
[0050]
The accuracy of the phase offset in the phase comparator PD1 does not depend on the delay time in the circuit inside the phase comparator PD1, but is determined by the accuracy of the ratio between the currents I1 and I2. There is no problem if the ratio between the currents I1 and I2 can be set with sufficient accuracy, but if not, an error in the ratio between the currents I1 and I2 is detected by some method, and the current I1 and I2 are determined based on the error signal. A method of correcting the ratio of I2 is effective. In the seventh embodiment of the present invention, there is no means for correcting the ratio between the currents I1 and I2.
[0051]
In the seventh embodiment of the present invention, the patterns of the integers A and B shown in the table of FIG. 12 are used, but the patterns of the integers A and B are not limited to those of the table shown in FIG.
[0052]
In the seventh embodiment of the present invention, there is no means for correcting the error of the ratio between the currents I1 and I2. However, as in the sixth embodiment of the present invention, the error of the ratio between the currents I1 and I2 is not corrected. A means for performing the correction may be provided.
[0053]
In the seventh embodiment of the present invention, the ratio of the currents I1 and I2 is set to 9 to -7, but the greatest common divisor of I1 and I2 is 1/16 of the value of I1−I2, or 1 / integer thereof. The ratio between the currents I1 and I2 may be another value.
[0054]
In the seventh embodiment of the present invention, the ratio of the currents I1 and I2 is set to 9 to -7. However, when the ratio of the currents I1 and I2 is set to 7 to -9, the "change of A" in the table shown in FIG. By swapping the value of “width” and the value of “change width of B”, it is possible to realize a phase offset having a different sign from the value of “phase offset” in the table shown in FIG.
[0055]
In the PLL according to the seventh embodiment of the present invention, the modulo value is 16, but for any integer M equal to or greater than 2, the ratio of the currents I1 and I2 is expressed by the greatest common divisor of I1 and I2 is I1-I2 By setting it to be 1 / M of the value of, a PLL having a modulo value of M can be configured.
Eighth Embodiment
The eighth embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL with a modulo value of 16. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 16 with respect to the frequency of the signal obtained by dividing the reference frequency signal fr by N is generated. FIG. 14 is a block diagram of a PLL device according to the eighth embodiment of the present invention. FIG. 13 shows a block diagram of the phase comparator PD11 in FIG.
[0057]
The operation of the phase comparator PD11 is as follows. When the count value of the counter CT2 becomes A after the count value of the counter CT1 becomes 0, the switch Q1 is closed between the time the count value of the counter CT1 becomes 0 and the count value of the counter CT2 becomes A. The current I1 is superimposed on the phase comparator output Io. When the count value of the counter CT2 becomes Y-B and then the count value of the counter CT1 becomes E, the count value of the counter CT2 becomes Y-B and then the count value of the counter CT1 becomes E. During this period, the switch Q2 is closed, and the current I2 is superimposed on the phase comparator output Io. The operation of the PLL is almost the same as that of the seventh embodiment of the present invention except for this point and the point that the current I2 is not provided. The relationship between the ratio between the currents I1 and I2, the change in the integers A and B, and the phase offset is the same as in the seventh embodiment of the present invention.
[0058]
An advantage of the eighth embodiment of the present invention over the seventh embodiment of the present invention is that a period in which the current I1 is superimposed on the phase comparator output Io and a period in which the current I2 is superimposed are generated. Therefore, the effective value of the signal of the phase comparator output Io can be suppressed, and the spurious of the voltage controlled oscillator output signal fv can be easily suppressed. However, in the eighth embodiment of the present invention, it is necessary to generate a plurality of phase signals for both the signal obtained by dividing the reference frequency signal fr and the signal obtained by dividing the voltage controlled oscillator output signal fv.
The ninth embodiment
The ninth embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL with a modulo value of 16. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 16 with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. FIG. 16 is a block diagram of a PLL device according to the ninth embodiment of the present invention. FIG. 15 shows a block diagram of the phase comparator PD3 in FIG. In the phase comparators according to the sixth embodiment and the seventh embodiment of the present invention, the number of the constant current sources constituting the charge pump is two in total on the positive side and the negative side. The ninth embodiment differs greatly in that it has three positive and negative sides.
[0060]
The ratio of the currents I1, I2, and I7 in the ninth embodiment of the present invention is 5: 7: 4. The phase comparator PD3 is provided with a phase offset by appropriately setting the values of the integers A, B, and C. In order to realize the fractional PLL operation of the modulo 16, the output of the voltage controlled oscillator output signal fv is required. It is necessary to have a phase offset at intervals of 1/16 of the period. FIG. 17 shows an example of a combination of integers A, B, and C having such a phase offset. In FIG. 17, “the change width of A” means that there is a reference value for the value of the integer A, and the change width of the value of A from the reference value. The same applies to the “change width of B” and “change width of C”.
[0061]
The accuracy of the phase offset in the phase comparator PD3 does not depend on the delay time in the circuit inside the phase comparator PD3, but is determined by the accuracy of the ratio of the currents I1, I2, and I7. There is no problem if the ratio between the currents I1, I2 and I7 can be set with sufficient accuracy, but if not, an error in the ratio between the currents I1, I2 and I7 is detected by some method, and the error signal is obtained. The method of correcting the ratio of the currents I1, I2, and I7 is effective. In the ninth embodiment of the present invention, there is no means for correcting the ratio between the currents I1, I2 and I7.
[0062]
The advantage of the ninth embodiment of the present invention over the seventh embodiment of the present invention is that the variation width of the integers A, B, and C can be reduced. As a result, the period during which the phase comparator output Io is output in one cycle can be shortened, so that spurious components included in the voltage controlled oscillator output signal fv can be easily reduced.
[0063]
In the ninth embodiment of the present invention, the patterns of the tables shown in FIG. 17 are used as the patterns of the integers A, B, and C. However, the patterns of the integers A, B, and C are limited to those of the table shown in FIG. Not something.
[0064]
In the ninth embodiment of the present invention, there is no means for correcting the error of the ratio between the currents I1, I2, and I7. However, as in the sixth embodiment of the present invention, there is no means for correcting the currents I1, I2, and I7. Means for correcting the ratio error may be provided. However, when performing correction while performing a non-integer PLL operation, it is necessary to prepare two types of inner product patterns and use them simultaneously. Further, when performing the correction while performing the non-integer PLL operation, it is necessary to prepare at least three sets of integers A, B, and C for realizing the same phase offset, and to switch and use them sequentially.
[0065]
In the ninth embodiment of the present invention, the ratio of the currents I1, I2, and I7 is 5: -7: 4, but the greatest common divisor of I1, I2, and I7 is 1/16 of the value of I1-I2 + I7, or The ratio may be any one of the integers, and the ratio between the currents I1, I2, and I7 may be another value.
[0066]
In the PLL according to the ninth embodiment of the present invention, the modulo value is 16, but for any integer M equal to or greater than 2, the ratio of the currents I1, I2, and I7 is the greatest common divisor of I1, I2, and I7. Is set to be 1 / M of the value of I1−I2 + I7, whereby a PLL having a modulo value of M can be configured. In the case of a large value of M, the provision of three charge pumps makes it possible to reduce the fractions of the integers A, B, and C by a small change width as compared with the case of two charge pumps in the seventh embodiment of the present invention. PLL operation can be realized.
[0067]
In the ninth embodiment of the present invention, as the charge pump, two constant current sources S1 and S7 are used on the positive side and one of the constant current sources S2 is used on the negative side. Two constant current sources may be used on the side.
The tenth embodiment
The tenth embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL with a modulo value of 16. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 16 with respect to the frequency of the signal obtained by dividing the reference frequency signal fr by N is generated. FIG. 19 is a block diagram of a PLL device according to the tenth embodiment of the present invention. FIG. 18 shows a block diagram of the phase comparator PD12 in FIG.
[0069]
The eighth embodiment of the present invention is different from the seventh embodiment of the present invention in that a constant current source S7 which is a means for giving a phase offset to a phase comparator and an integer C to be compared with a count value are added. Similarly, the tenth embodiment of the present invention is different from the ninth embodiment of the present invention in that a constant current source S7 as a means for providing a phase offset and an integer C to be compared with a count value are added. . Therefore, the ratio of the currents I1, I2 and I7 and the values of the integers A, B and C giving the desired phase offset in the tenth embodiment of the present invention are the same as in the ninth embodiment of the present invention.
[0070]
The advantage of the tenth embodiment of the present invention over the ninth embodiment of the present invention is similar to the advantage of the eighth embodiment of the present invention over the seventh embodiment of the present invention. The value can be suppressed, and the spurious of the voltage controlled oscillator output signal fv can be easily suppressed. However, in the tenth embodiment of the present invention, it is necessary to generate a plurality of phase signals for both the signal obtained by dividing the reference frequency signal fr and the signal obtained by dividing the voltage controlled oscillator output signal fv.
The eleventh embodiment
The eleventh embodiment of the present invention is a signal generator using a PLL in which the modulo value is 8. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 8 with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. FIG. 21 is a block diagram of a PLL device according to the eleventh embodiment of the present invention. FIG. 20 shows a block diagram of the phase comparator PD4 in FIG. In the phase comparator according to the ninth embodiment of the present invention, the number of the constant current sources constituting the charge pump is three in total on the positive side and the negative side. It has four on the negative side.
[0072]
The ratio of the currents I1, I2, I7 and I8 in the eleventh embodiment of the present invention is 1: 1-1: 2: -4. That is, the absolute value of each current is arranged as a power of two, and there are only two minimum values. The phase comparator PD3 is provided with a phase offset by appropriately setting the values of the integers A, B, C, and D. In order to realize the modulo 8 fractional PLL operation, a voltage controlled oscillator output signal is required. It is necessary to provide a phase offset at 1/8 interval with respect to the period of fv. FIG. 22 shows an example of a combination of integers A, B, C, and D having such a phase offset. In FIG. 22, “the change width of A” means that there is a reference value for the value of the integer A and the change width of the value of A from the reference value. The same applies to the “change width of B”, “change width of C”, and “change width of D”.
[0073]
The accuracy of the phase offset in the phase comparator PD4 does not depend on the delay time in a circuit inside the phase comparator PD4, but is determined by the accuracy of the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8. There is no problem if the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8 can be set with sufficient accuracy, but if not, an error in the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8 is detected by some method, and the error is detected. A method of correcting the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8 based on the signal is effective. In the ninth embodiment of the present invention, there is no means for correcting the ratio between the currents I1, I2, I7, and I8.
[0074]
One of the advantages of the eleventh embodiment of the present invention over the ninth embodiment of the present invention is that it can be easily extended to a fractional PLL using a power of 2 as a modulo. This is because the absolute value of the current in each constant current source for the output current is arranged as a power of 2, and only two minimum values are prepared. In the eleventh embodiment of the present invention, a fractional PLL modulo 8 is realized by using four constant current sources for output current, but by using five constant current sources, 16 Can be made modulo, and by making the number of constant current sources six, 32 can be made modulo. Thus, the modulo value can be increased by increasing the number of constant current sources. An advantage of this approach is that a combination of integers A, B, C, D, etc. realizing each phase offset at that time can be calculated regularly. Further, the variation widths of the integers A, B, C, D, etc. are 1 at the maximum. As a result, the period during which the phase comparator output Io is output in one cycle can be shortened, so that the spurious included in the voltage controlled oscillator output signal fv can be easily reduced.
[0075]
In the eleventh embodiment of the present invention, the patterns of the tables shown in FIG. 22 are used as the patterns of the integers A, B, C, and D. However, the patterns of the integers A, B, C, and D are the tables shown in FIG. It is not limited to those. In the eleventh embodiment of the present invention, the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8 is 1: 1-1: 2: -4, but the absolute values of the currents are 1: 1 to 1: 1 in any order. In the case of 2 to 4, a fractional PLL in which 8 is modulo can be similarly configured. Further, the ratio of the currents I1, I2, I7, and I8 may be any value. By appropriately setting the ratio of these currents, it is possible to realize a fractional PLL in which a large number is modulo.
[0076]
In the eleventh embodiment of the present invention, there is no means for correcting the error of the ratio between the currents I1, I2, I7, and I8. However, as in the sixth embodiment of the present invention, the current I1, I2 Means for correcting the error of the ratio between I7 and I8 may be provided.
In the eleventh embodiment of the present invention, as the charge pump, two constant current sources S1 and S7 are used on the positive side, and two constant current sources S2 and S8 are used on the negative side. Alternatively, three constant current sources may be used on the negative side, or three constant current sources may be used on the positive side and one constant current source may be used on the negative side.
The twelfth embodiment
The twelfth embodiment of the present invention is a signal generator using a fractional PLL in which the value of M is a natural number and the modulo value is M. A signal having a frequency that is a fraction multiple of the frequency of the reference frequency signal fr with the denominator being M is generated. FIG. 24 is a block diagram of a PLL device according to a twelfth embodiment of the present invention. FIG. 23 shows a block diagram of the phase comparator PD5 in FIG. The phase comparator according to the twelfth embodiment of the present invention has M combinations of positive and negative sides of the constant current source constituting the charge pump, and all the current values are equal. The phase comparator PD5 can be realized by connecting a plurality of phase comparators in parallel. However, since there are many common parts such as the counter CT1, the common parts are put together.
[0078]
The counter CT1 of the phase comparator PD5 outputs a signal indicating that the count value is equal to 0, 1, B, and B + 1. The switches QP1 and QN1 switch QPM and QNM respectively output the count value of the counter CT1. Is a signal that is 0 and B, a timing generated by the second signal f2, or a signal in which the count value of the counter CT1 is 1 and a signal that is B + 1, a timing generated by the second signal f2. The on / off operation is performed according to either of them. The timing at which the operation is performed is switched by the switching signals SW1 to SWM. In the former timing, the period during which the switch for the positive-side constant current source is ON is longer by one clock of the third signal f1 compared to the latter timing, and the switch for the negative-side constant current source is turned on. The ON period is shorter by one clock of the third signal f1. Since the currents of the respective constant current sources are equal, of the M sets of constant current sources, the L sets of constant current sources are turned on / off based on the signal whose counter value of the counter CT1 is 1 and the signal whose value is B + 1. Of the (ML) pairs of constant current sources are turned on / off based on the signal of which the count value of the counter CT1 is 0 and the signal of which is B, the phase comparator PD5 becomes the period of the third signal f1. On the other hand, it has a phase offset of L / M times.
[0079]
Since the value of the phase offset of the phase comparator PD5 can be changed by the switching signals SW1 to SWM, the controller CR6 in FIG. By outputting the value appropriately, a fractional PLL with a modulo value of M can be realized.
[0080]
One advantage of the twelfth embodiment of the present invention is that the current values of the constant current sources SP1 to SPM and the current values of the constant current sources SN1 to SNM can be made equal. By making the current values of the respective constant current sources equal, the relative accuracy of the current can be increased as compared with the case where the current values of the respective constant current sources are weighted. One advantage of the twelfth embodiment of the present invention is that the value of the current of the positive constant current source and the value of the negative constant current source do not necessarily have to be equal. Accordingly, the circuit of each constant current source can be realized by one FET.
[0081]
In the twelfth embodiment of the present invention, the current values of the constant current sources SP1 to SPM and the current values of the constant current sources SN1 to SNM are equal, but weighting may be performed. By performing weighting, a fractional PLL having a large modulo value can be realized using a small number of constant current sources. Also in this case, it is not necessary to match the value of the current of the positive constant current source with the value of the negative constant current source. Further, since the ratio of the current of each constant current source is an integer ratio, each constant current source can be configured by several FETs or one FET having a different channel width.
[0082]
In the twelfth embodiment of the present invention, the timing for turning on / off the switches QPM and QNM from the switches QP1 and QN1 is generated by a signal whose count value of the counter CT1 is 0, a signal of B, and a second signal f2. And the signal generated when the count value of the counter CT1 is 1, the signal B + 1, and the timing generated by the second signal f2 are switched. More timings may be prepared and switched by adding a signal generated by the second signal f2 and the signal generated by the second signal f2. By increasing the number of timings, it is possible to realize a fractional PLL that uses a small number of constant current sources and modulo a large number.
The thirteenth embodiment
The thirteenth embodiment of the present invention is a signal generator using a fractional PLL in which the value of M is a natural number and the value of modulo is 2M. A signal having a frequency that is a fractional multiple of 2M with respect to the frequency of the reference frequency signal fr is generated. FIG. 26 is a block diagram of a PLL device according to a thirteenth embodiment of the present invention. FIG. 25 shows a block diagram of the phase comparator PD6 in FIG. The phase comparator according to the thirteenth embodiment of the present invention has 2M constant-current sources constituting the charge pump on the positive side and the negative side, and the absolute values of the currents are all equal. The phase comparator PD6 can be realized by connecting a plurality of phase comparators in parallel. However, since there are many common parts such as the counter CT1, the common parts are combined into one.
[0084]
The counter CT1 of the phase comparator PD6 outputs a signal indicating that the count value is equal to 0, 1, B, B + 1. The switches QP1, QN1 switch QPM, QNM respectively output the count value of the counter CT1. Is a signal that is 0 and B, a timing generated by the second signal f2, or a signal in which the count value of the counter CT1 is 1 and a signal that is B + 1, a timing generated by the second signal f2. The on / off operation is performed according to either of them. The timing at which the operation is performed is switched by the switching signals SWP1 to SWPM and SWN1 to SWNM. In the former timing, the period during which the switch for the positive-side constant current source is ON is longer by one clock of the third signal f1 compared to the latter timing, and the switch for the negative-side constant current source is turned on. The ON period is shorter by one clock of the third signal f1. Since the currents of the respective constant current sources are equal, of the 2M constant current sources, the L constant current sources are turned on / off based on the signal in which the count value of the counter CT1 is 1 and the signal in which the count value of the counter CT1 is 1; When the (2M−L) constant current sources are turned on / off based on the signal of which the count value of the counter CT1 is 0 and the signal of which is B, the phase comparator PD6 becomes the period of the third signal f1. On the other hand, it has a phase offset of L / (2M) times.
[0085]
Since the value of the phase offset of the phase comparator PD6 can be changed by the switching signals SWP1 to SWPM and SWN1 to SWNM, the controller CR7 in FIG. By appropriately outputting the values of SWP1 to SWPM and SWN1 to SWNM, a fractional PLL with a modulo value of 2M can be realized.
[0086]
One advantage of the thirteenth embodiment of the present invention is that the current values of the constant current sources SP1 to SPM and the current values of the constant current sources SN1 to SNM can all be made equal. By making the current values of the respective constant current sources equal, the relative accuracy of the current can be increased as compared with the case where the current values of the respective constant current sources are weighted. An advantage of the thirteenth embodiment of the present invention over the twelfth embodiment of the present invention is that the number of modulos can be doubled using the same number of constant current sources. However, in the thirteenth embodiment of the present invention, the absolute values of the current of the positive constant current source and the current of the negative constant current source must be equal.
[0087]
In the thirteenth embodiment of the present invention, the current values of the constant current sources SP1 to SPM and the current values of the constant current sources SN1 to SNM are equal, but weighting may be performed. By performing weighting, a fractional PLL having a large modulo value can be realized using a small number of constant current sources. Also in this case, it is necessary to accurately match the value of the current of the positive constant current source with the value of the negative constant current source.
[0088]
In the thirteenth embodiment of the present invention, the timing for turning on / off the switches QPM and QNM from the switches QP1 and QN1 is generated by a signal having a count value of a counter CT1 of 0, a signal of B, and a second signal f2. And the signal generated when the count value of the counter CT1 is 1, the signal B + 1, and the timing generated by the second signal f2 are switched. More timings may be prepared and switched by adding a signal generated by the second signal f2 and the signal generated by the second signal f2. By increasing the number of timings, it is possible to realize a fractional PLL that uses a small number of constant current sources and modulo a large number.
The fourteenth embodiment
The fourteenth embodiment of the present invention is a signal generator using a fractional PLL in which the value of M is a natural number and the value of modulo is M. A signal having a frequency that is a fraction multiple of the frequency of the reference frequency signal fr with the denominator being M is generated. FIG. 28 is a block diagram of a PLL device according to a fourteenth embodiment of the present invention. FIG. 27 shows a block diagram of the phase comparator PD7 in FIG. The phase comparator according to the fourteenth embodiment of the present invention has M combinations of positive and negative sides of the constant current source constituting the charge pump, and all of the current values are equal. The phase comparator PD7 can be realized by connecting a plurality of phase comparators in parallel. However, since there are many common parts such as the counter CT1, the common parts are combined into one.
[0090]
The counter CT2 divides the voltage-controlled oscillator output signal fv by Y, and outputs signals whose count values are equal to 0 and 1 as signals f2 and f3, respectively, and inputs the signals to the phase comparator PD7. The counter CT1 in the phase comparator PD7 divides the reference frequency signal fr by N, and outputs a signal indicating that the count value is equal to 0, 1, B, B + 1. The switches QP1 and QN1 to the switches QPM and QNM respectively determine the timing generated by the signal whose counter value of the counter CT1 is 0 and the signal B, the timing generated by the signal whose counter value of the counter CT2 is 0, or the count of the counter CT1. The on / off operation is performed in accordance with one of a signal generated by a signal having a value of 0, a signal having a value of B, and a signal having a count value of 1 of the counter CT2. The timing at which the operation is performed is switched by the switching signals SW1 to SWM. In the former timing, the period during which the switch for the positive-side constant current source is ON is longer by one clock of the voltage-controlled oscillator output signal fv, and the switch for the negative-side constant current source is different from the latter timing. Is shorter by one clock of the voltage controlled oscillator output signal fv. Since the currents of the respective constant current sources are equal, of the M sets of constant current sources, the L sets of constant current sources are turned on / off based on the signal whose counter value of the counter CT1 is 1 and the signal whose value is B + 1. Of the (ML) pairs of constant current sources are turned on / off based on the signal of which the count value of the counter CT1 is 0 and the signal of which is B, the phase comparator PD7 outputs the cycle of the voltage-controlled oscillator output signal fv. Has a phase offset of L / M times as long as.
[0091]
Since the value of the phase offset of the phase comparator PD7 can be changed by the switching signals SW1 to SWM, the controller CR8 in FIG. 28 controls the value of the frequency division number Y of the counter CT2 and the switching signals SW1 to SWM every cycle. By outputting the value appropriately, a fractional PLL with a modulo value of M can be realized.
[0092]
An advantage of the fourteenth embodiment of the present invention over the twelfth embodiment of the present invention is that the number of output signals of the counter CT2 for dividing the voltage controlled oscillator output signal fv which may be a high frequency is as small as two. . In the twelfth embodiment of the present invention, the frequency of the voltage controlled oscillator output signal fv is divided by the counter CT1, but the number of output signals is four. Since the timing of these signals requires relative accuracy, it is necessary to synchronize the signals directly obtained from the counter with the voltage controlled oscillator output signal fv or the like. Therefore, a small number of outputs of the counter that divides the voltage-controlled oscillator output signal fv leads to a reduction in circuit size and a reduction in current consumption. However, since the frequency of the reference frequency signal fr is divided, if the frequency of the reference frequency signal fr is not sufficiently high, the period for performing the phase comparison becomes longer, and the phase comparator output Io is output. There are points to consider, such as a longer period.
[0093]
One advantage of the fourteenth embodiment of the present invention is that, like the twelfth embodiment of the present invention, the current values of the constant current sources SP1 to SPM and the current values of the constant current sources SN1 to SNM can be made equal. It is. By making the current values of the respective constant current sources equal, the relative accuracy of the current can be increased as compared with the case where the current values of the respective constant current sources are weighted. One advantage of the fourteenth embodiment of the present invention is that the value of the current of the positive constant current source and the value of the negative constant current source do not always have to be equal. Accordingly, the circuit of each constant current source can be realized by one FET.
[0094]
In the fourteenth embodiment of the present invention, the current values of the constant current sources SP1 to SPM are equal to the current values of the constant current sources SN1 to SNM, but weighting may be performed. By performing weighting, a fractional PLL having a large modulo value can be realized using a small number of constant current sources.
[0095]
In the fourteenth embodiment of the present invention, the timing at which the switches QP1 and QN1 turn on / off the switches QPM and QNM is determined by the timing at which the count value of the counter CT1 is 0 and the count value of the counter CT2 are 0. , A signal having a count value of a counter CT1 of 0 and a signal of B, and a timing generated by a signal having a count value of a counter CT1 of 1. However, more timings are prepared and switched by adding a timing generated by a signal whose counter value of the counter CT1 is 0 and a signal which is B, a timing generated by a signal whose counter value of the counter CT2 is 2, and the like. You may do so. By increasing the number of timings, it is possible to realize a fractional PLL that uses a small number of constant current sources and modulo a large number.
[0096]
In the fourteenth embodiment of the present invention, the on / off timing of the switch for the positive constant current source and the on / off timing of the switch for the negative constant current source are switched as a set. As in the thirteenth embodiment, the timing may be individually switched. By doing so, it is necessary to match the currents of the positive and negative constant current sources. However, it is possible to realize a fractional PLL having a larger number modulo with the same number of constant current sources. it can.
The fifteenth embodiment
The fifteenth embodiment of the present invention is a PLL that generates a signal having a frequency obtained by multiplying the frequency of the reference frequency signal fr by a positive real number X that is not necessarily an integer. FIG. 30 is a block diagram of a PLL according to the fifteenth embodiment of the present invention. FIG. 29 shows a block diagram of the phase comparator PD8 in FIG. In the phase comparator according to the fifteenth embodiment of the present invention, the value of the current of the constant current source constituting the charge pump can be set from outside the phase comparator by the current setting values Ia and Ib of the constant current source. I have. The phase comparator PD8 can be realized by connecting two phase comparators in parallel. However, since there are many common parts such as the counter CT1, the common parts are combined into one.
[0098]
The counter CT1 of the phase comparator PD8 outputs signals indicating that the count value is equal to 0, P, B, B + P. Here, P is a positive integer smaller than NB. The switches Q1 and Q2 perform an on / off operation in accordance with the timing generated by the signal of which the count value of the counter CT1 is 0, the signal of B, and the second signal f2. The switches Q7 and Q8 perform on / off operations in accordance with the timing generated by the signal whose counter value of the counter CT1 is P, the signal whose value is B + P, and the second signal f2. In the former timing, the period during which the switch for the positive-side constant current source is on is longer by the P clock of the third signal f1 compared to the latter timing, and the switch for the negative-side constant current source is turned on. The ON period is shorter by P clocks of the third signal f1. Since the current set values Ia of the constant current sources S1 and S2 and the current set values Ib of the constant current sources S7 and S8 can be externally changed, the phase offset is added to the phase comparator PD8 by the values of the current set values Ia and Ib. Can be provided. The value of the phase offset is a time obtained by multiplying the cycle of the third signal f1 by P × Ib / (Ia + Ib). Therefore, the resolution of the phase offset is determined by the resolution of the current setting values Ia and Ib. A non-integer PLL can be realized by the controller CR9 in FIG. 30 outputting the value of the frequency division number N of the counter CT1 and the current set values Ia and Ib appropriately every cycle.
[0099]
An advantage of the fifteenth embodiment of the present invention is that the resolution of the frequency set value of the voltage controlled oscillator output signal fv can be increased by increasing the set resolution of the current set values Ia and Ib.
○ Sixteenth embodiment
The sixteenth embodiment of the present invention is a PLL that generates a signal having a frequency obtained by multiplying the frequency of the reference frequency signal fr by a positive real number X, which is not necessarily an integer. FIG. 32 is a block diagram of a PLL according to the sixteenth embodiment of the present invention. FIG. 31 shows a block diagram of the phase comparator PD9 in FIG. In the phase comparator according to the sixteenth embodiment of the present invention, the current value of the constant current source constituting the charge pump can be set from the outside of the phase comparator by the current setting values Ia and Ib of the constant current source. I have. The phase comparator PD9 can be realized by connecting two phase comparators in parallel. However, since there are many common parts such as the counter CT1, the common parts are put together.
[0101]
The counter CT1 in the phase comparator PD9 outputs signals indicating that the count value is equal to 0 or B, respectively. The counter CT2 outputs signals indicating that the count value is equal to 0 or 1, respectively. The switches Q1 and Q2 perform on / off operations in accordance with timings generated by a signal having the count value of the counter CT1 being 0 and a signal having a count value of B, and a signal having the count value of the counter CT2 being 0. The switches Q7 and Q8 perform on / off operations in accordance with timings generated by a signal whose counter value of the counter CT1 is 0 and a signal which is B, and a signal whose counter value of the counter CT2 is 1. In the former timing, the period during which the switch for the positive-side constant current source is ON is longer by one clock of the third signal f1 compared to the latter timing, and the switch for the negative-side constant current source is turned on. The ON period is shorter by one clock of the third signal f1. Since the current set values Ia of the constant current sources S1 and S2 and the current set values Ib of the constant current sources S7 and S8 can be externally changed, the phase offset is added to the phase comparator PD8 by the values of the current set values Ia and Ib. Can be provided. The value of the phase offset is a time obtained by multiplying the cycle of the third signal f1 by Ib / (Ia + Ib). Therefore, the resolution of the phase offset is determined by the resolution of the current setting values Ia and Ib. A non-integer PLL can be realized by the controller CR10 in FIG. 32 outputting the value of the frequency division number Y of the counter CT2 and the current set values Ia and Ib appropriately every cycle.
[0102]
An advantage of the sixteenth embodiment of the present invention is that the resolution of the frequency set value of the voltage controlled oscillator output signal fv can be increased by increasing the set resolution of the current set values Ia and Ib.
[0103]
An advantage of the sixteenth embodiment of the present invention over the fifteenth embodiment of the present invention is that the number of output signals of the counter CT2 which divides the voltage controlled oscillator output signal fv which may be a high frequency is as small as two. . In the fifteenth embodiment of the present invention, the frequency of the voltage controlled oscillator output signal fv is divided by the counter CT1, but the number of output signals is four. Since the timing of these signals requires relative accuracy, it is necessary to synchronize the signals directly obtained from the counter with the voltage controlled oscillator output signal fv or the like. Therefore, a small number of outputs of the counter that divides the voltage-controlled oscillator output signal fv leads to a reduction in circuit size and a reduction in current consumption. However, since the frequency of the reference frequency signal fr is divided, if the frequency of the reference frequency signal fr is not sufficiently high, the period for performing the phase comparison becomes longer, and the phase comparator output Io is output. There are points to consider, such as a longer period.
[0104]
In the sixteenth embodiment of the present invention, the signal whose count value is 0 and the signal whose value is 1 are taken out by the counter CT2, but the difference between those count values may not be 1 and other natural numbers may be used. It may be.
○ Seventeenth embodiment
The seventeenth embodiment of the present invention is a PLL for generating a signal having a frequency obtained by multiplying the frequency of the reference frequency signal fr by a positive real number X which is not necessarily an integer. FIG. 34 is a block diagram of a PLL according to the seventeenth embodiment of the present invention. FIG. 33 shows a block diagram of the phase comparator PD10 in FIG. In the phase comparator according to the seventeenth embodiment of the present invention, the current values of the constant current sources S1 and S2 constituting the charge pump can be set from outside the phase comparator by the current setting values Ic and Id of the constant current sources. It has become. The constant current sources S3 and S4 operate when the phases are greatly shifted.
[00106]
The counter CT1 in the phase comparator PD10 outputs signals indicating that the count value is equal to 0 and P, respectively. Here, P is an integer of 2 or more. When the second signal f2 rises between the time when the count value of the counter CT1 becomes 0 and the time when the count value becomes P, the time until the second signal f2 rises after the count value of the counter CT1 becomes 0 The switch Q2 is turned on only during the period of, and the switch Q1 is turned on only during the period from when the second signal f2 rises to when the count value of the counter CT1 becomes P. Therefore, the phase offset in the phase comparator PD10 is a time obtained by multiplying the cycle of the third signal f1 by P × Id / (Ic + Id). That is, a desired phase offset can be provided by appropriately setting the ratio of the current set values Ic and Id of the constant current source, and the resolution of the phase offset is determined by the resolution of the current set values Ic and Id. A non-integer PLL can be realized by the controller CR11 in FIG. 34 outputting the value of the frequency division number N of the counter CT1 and the current set values Ic, Id appropriately in each cycle.
[00107]
An advantage of the seventeenth embodiment of the present invention over the fifteenth embodiment of the present invention is that the number of constant current sources for which the value of the current has to be set by a signal from outside the phase comparator is small. However, in the seventeenth embodiment of the present invention, since the irregularity of the delay time in the internal circuit affects the accuracy of the phase offset, it is used in the case where the irregularity of the delay time does not cause a problem. In such a case, it is necessary to consider a method of compensating for the irregularity of the delay time in some way. As means for compensating for the irregularity of the delay time in the internal circuit, there are provided two sets such that the time difference between the phase offsets becomes equal to one cycle of the third signal f1 using the method of the sixth embodiment of the present invention. There is a method of calculating the current set values Ic and Id of the constant current source and calculating the current set values Ic and Id for a desired phase offset by primary interpolation.
[00108]
As described above, by using the present invention, a phase comparator having no zero-cross distortion can be realized, and by applying the same, the phase comparator can have a phase offset with high accuracy. Thus, a PLL that performs a non-integer operation such as a fractional PLL can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram of a phase comparator according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 shows an example of a signal waveform according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 shows an example of a signal waveform according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a block diagram of a phase comparator according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 shows an example of a signal waveform according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a block diagram of a PLL device according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a block diagram of a PLL device according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a block diagram of a phase comparator according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a block diagram of a PLL device according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a table showing a phase offset according to the sixth embodiment of the present invention;
FIG. 11 is a block diagram of a PLL device according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a table of a phase offset according to the seventh embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a block diagram of a phase comparator according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a block diagram of a PLL device according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a block diagram of a phase comparator according to a ninth embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a block diagram of a PLL device according to a ninth embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a table showing a phase offset according to the ninth embodiment of the present invention;
FIG. 18 is a block diagram of a phase comparator according to a tenth embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a block diagram of a PLL device according to a tenth embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a block diagram of a phase comparator according to an eleventh embodiment of the present invention.
FIG. 21 is a block diagram of a PLL device according to an eleventh embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a table showing a phase offset according to the eleventh embodiment of the present invention;
FIG. 23 is a block diagram of a phase comparator according to a twelfth embodiment of the present invention.
FIG. 24 is a block diagram of a PLL device according to a twelfth embodiment of the present invention.
FIG. 25 is a block diagram of a phase comparator according to a thirteenth embodiment of the present invention.
FIG. 26 is a block diagram of a PLL device according to a thirteenth embodiment of the present invention.
FIG. 27 is a block diagram of a phase comparator according to a fourteenth embodiment of the present invention.
FIG. 28 is a block diagram of a PLL device according to a fourteenth embodiment of the present invention.
FIG. 29 is a block diagram of a phase comparator according to a fifteenth embodiment of the present invention.
FIG. 30 is a block diagram of a PLL device according to a fifteenth embodiment of the present invention.
FIG. 31 is a block diagram of a phase comparator according to a sixteenth embodiment of the present invention.
FIG. 32 is a block diagram of a PLL device according to a sixteenth embodiment of the present invention.
FIG. 33 is a block diagram of a phase comparator according to a seventeenth embodiment of the present invention.
FIG. 34 is a block diagram of a PLL device according to a seventeenth embodiment of the present invention.
FIG. 35 is an example of a block diagram of a conventional phase comparator.
FIG. 36 shows an example of input / output characteristics of a conventional phase comparator.
[Explanation of symbols]
f1... third signal
f2... a signal giving a second signal or a fourth phase of the second signal
f3... a signal giving a fifth phase of the second signal
fr: Reference frequency signal
fv ···· Voltage controlled oscillator output signal
A, B, C, D, E, P: integer, used for comparison with the count value of counter CT1 or counter CT2
AD: Adjuster
CP: Compensator
CR1, CR2, CR3, CR4, CR5, CR6: Controller CR7, CR8, CR9, CR10, CR11, CR12, CR13: Controller
CT1, CT2 ····· Counter
EOC: One-cycle end signal
I1, I2, I3, I4, I7, I8... S1, S2, S3, S4, S7, S8 output current
Ia, Ib, Ic, Id: current set value of constant current source
Io ... Phase comparator output
N: Number of divisions of counter CT1
PD1, PD2, PD3, PD4, PD5, PD6 ... Phase comparator
PD7, PD8, PD9, PD10, PD11, PD12 ... Phase comparator
Q1, Q2, Q3, Q4, Q5, Q6, Q7, Q8 ... switch
QP1, QPM, QN1, QNM ... switch
S1, S2, S3, S4, S5, S6, S7, S8 ... constant current source
SP1, SPM, SN1, SNM ... Constant current source
SW1, SWM ... switching signal
SWP1, SWPM, SWN1, SWNM... Switching signal
VCO ··· Voltage controlled oscillator
X: Frequency setting value, not necessarily an integer
Y: Number of divisions of counter CT2
91... A signal indicating a first phase of the first signal
92... A signal indicating that the count value of the counter CT1 is zero
93... A signal indicating the second phase of the first signal