JP2003515046A - サクションジェットポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動車の燃料タンクに設けられた供給ユニット用のサクションジェットポンプが、混合管（１８）と一体的に製造されたノズル（１０）を有している。この混合管（１８）は管シリンダ状に構成されており、したがってほぼサクションジェットポンプ（８）全体を、軸線方向で離型可能な工具型内でプラスチックから製造することができる。そのためこのノズル（１０）は混合管（１８）に対して正確に位置決めされている。したがってこのサクションジェットポンプ（８）は特に高い効率を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は混合管に前置されたノズルと、該ノズルを混合管に対して位置決めす
るための保持部材とを有するサクションジェットポンプであって、ノズルと混合
管とが射出成形法によってプラスチックから製造されている形式のものに関する
。

【０００２】 このような形式のサクションジェットポンプは今日の自動車の燃料タンク内に
挿入されており、公知である。このサクションジェットポンプは燃料タンク内に
配置されたスプラッシュポットを充填するために、またはマルチチャンバタンク
（Mehrkammertank）では燃料を一方の室から他方の室に供給するために使用され
ている。この公知のサクションジェットポンプを燃料に対して耐性のあるプラス
チック材料から製造する際に、混合管とノズルとが、別個の工具型内において例
えば射出成形法で製造され、次いで互いに接着される。この際、保持部材はノズ
ルと一体的に取り付けられたウェブとして形成されており、サクションジェット
ポンプを組み付けた後、混合管の相応した面に支持される。

【０００３】 このような公知のサクションジェットポンプの欠点は、ノズルと混合管とがそ
れぞれ誤差を有しており、そのため互いに対しての位置決めは困難な状態でしか
行うことはできないことにある。しかしノズルが混合管に対して誤った位置決め
が行われると、サクションジェットポンプの効率は著しく低下してしまう。

【０００４】 本発明の課題は冒頭に記載した形式のサクションジェットポンプを改良して、
特に高い効率を有しかつコスト安に製造可能なサクションジェットポンプを提供
することにある。

【０００５】 この課題は本発明においてノズルと混合管とが、連続した構成部材として製造
するために共通の１つの工具型内で形成されていることによって解決された。

【０００６】 この構成によって、ノズルと混合管とは工具型から取り出された後には、互い
に正確に位置決めされている。これによりサクションジェットポンプは特に高い
効率を有している。本発明によるサクションジェットポンプの重要な構成部材全
てが一体的に製造されているので、誤った組付けによって同様に効率の低下が生
じることはない。このサクションジェットポンプを単一の工具型内で製造するこ
とによって、特にコスト安に製造することができる。この構成による別の利点は
、本発明のサクションジェットポンプが高い安定性を有していて、そのため燃料
タンク内での保持力によって効率の低下が生じることはないという点にある。

【０００７】 サクションジェットポンプが、自動車の燃料タンク内に配置された供給ユニッ
トまたはスプラッシュポット内にサクションジェットポンプを緊締するための手
段を有していると、燃料を自動車のスプラッシュポットに供給するための本発明
によるサクションジェットポンプの位置決めと取り付けは簡単に同時に実施され
る。これにより供給ユニット内へのサクションジェットポンプの組付けは著しく
簡易化される。供給ユニット内に緊締されたサクションジェットポンプの別の利
点は、供給ユニットが非常にコンパクトに構成されていてかつモジュール形式に
予め組付け可能なユニットを成すように構成できることにある。

【０００８】 ノズルが混合管とは反対の側にシールフランジと、相応して形成された推進媒
体管路を緊締するための手段とを有していると、推進媒体管路の本発明によるサ
クションジェットポンプとの接続部は構造的に特に簡単に構成される。ノズルの
シールフランジと推進媒体管路とを緊締するために例えば互いにねじ締結される
かまたは係止手段によって互いに結合され得る。

【０００９】 混合管の外側面に環状のシール面が、供給ユニットまたはスプラッシュポット
に組み付けられたサクションジェットポンプをシールするために配置されている
と、本発明によるサクションジェットポンプの組付けをさらに簡易化するのに役
立つ。

【００１０】 供給ユニットまたはスプラッシュポットに取り付けるための係止手段が、混合
管の外側面に配置されていると、本発明によるサクションジェットポンプを簡単
に、隣接した構成部材に緊締することができる。

【００１１】 係止手段が係止フックとして形成されていると、本発明の別の有利な改良形態
に基づき係止手段が構造的に特に簡単に構成される。

【００１２】 混合管全体が、吸込領域から自由端部に向かって直線的に形成されているかま
たは円錐状に拡がるように形成されていると、本発明によるサクションジェット
ポンプの製造を主に、軸線方向で離型可能な工具型内で行うことができる。当然
直線的な区分と円錐状の区分とを有する混合管に交換することもできる。

【００１３】 燃料を吸い込むための吸込開口を、例えば混合管の、ノズルを収容する端面に
配置することができる。しかし本発明によるサクションジェットポンプは、保持
部材が、混合管の外周面に配置された吸込開口を側方で制限するために形成され
ていると、特にコンパクトに形成される。

【００１４】 本発明は数多くの実施例が可能である。さらに本発明の基本原理を明確にする
ためにこれらの実施例のうち１つが図面に示されており、この図面に基づき詳説
する。

【００１５】 図１には本発明によるサクションジェットポンプを有するフィードポンプの概
略図が示されていて、 図２には図１のサクションジェットポンプの斜視図が示されている。

【００１６】 図１は自動車の燃料タンク２のスプラッシュポット１に組み込まれた供給ユニ
ット３を概略的に示している。この供給ユニット３は電動モータ４によって駆動
される、フィードポンプ６の羽根車５を有しており、この供給ユニット３はスプ
ラッシュポット１の底部に設けられた開口７内にシールされて挿入されている。
この供給ユニット３のための保持体にはサクションジェットポンプ８が配置され
ている。このサクションジェットポンプ８は羽根車５に接続された推進媒体管路
９を介して燃料を供給する。推進媒体管路９を介してサクションジェットポンプ
に供給された燃料は次にノズル１０に到達する。サクションジェットポンプ８は
吸込開口１１を介して燃料を燃料タンク２から吸い込み、この燃料をスプラッシ
ュポット１に供給する。フィードポンプ６はスプラッシュポット１から燃料を管
路１２を介して吸い込み、この燃料を別の管路１３を介して自動車の内燃機関（
図示せず）に供給する。明確にするために、図面では燃料の流れを矢印を用いて
示した。このサクションジェットポンプ８はノズル１０寄りの端面にシールフラ
ンジ１４を有しており、このシールフランジ１４によってサクションジェットポ
ンプ８は供給ユニット３の相応して形成された領域に対して予圧されている。サ
クションジェットポンプ８の、シールフランジ１４とは反対側の端部では、サク
ションジェットポンプ８が供給ユニット３の切欠１５に突き通されている。この
切欠１５にはＯリング１６が配置されている。サクションジェットポンプ８はこ
の領域に環状のシール面１７を有している。

【００１７】 図２には、図１のサクションジェットポンプ８が斜視図で示されている。この
サクションジェットポンプ８はノズル１０とは反対側に位置する混合管１８を有
している。複数の吸込開口１１が、混合管１８のノズル１０に隣接する領域に配
置されている。これらの吸込開口１１はウェブとして構成された保持部材１９に
よって側方で制限されている。さらに混合管１８は外周面に取り付けられた係止
フック２０を有している。混合管１８の、半径方向外側および内側の面はそれぞ
れ円筒状に構成されている。ノズル１０は混合管１８に向かって先細りしている
。これによりサクションジェットポンプ８を、吸込開口１１を除いて一体的に、
軸線方向で離型可能な工具型内において製造することができる。これらの吸込開
口１１を例えば工具型内に挿入しようとするコアを用いてまたは切削加工によっ
て製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるサクションジェットポンプを有するフィードポンプの概略図であ
る。

【図２】 図１のサクションジェットポンプの斜視図である。

【符号の説明】

１ スプラッシュポット、 ２ 燃料タンク、 ３ 供給ユニット、 ４ 電
動モータ、 ５ 羽根車、 ６ フィードポンプ、 ７ 開口、 ８ サクショ
ンジェットポンプ、 ９ 推進媒体管路、 １０ ノズル、 １１ 吸込開口、 １２，１３ 管路、 １４ シールフランジ、 １５ 切欠、 １６ Ｏリン
グ、 １７ シール面、 １８ 混合管、 １９ 保持部材、 ２０ 係止フッ
ク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター マルクス ドイツ連邦共和国 ヴォルフスブルク ボ ンナー シュトラーセ １

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 混合管に前置されたノズルと、該ノズルを混合管に対して位
   置決めするための保持部材とを有するサクションジェットポンプであって、ノズ
   ルと混合管とが射出成形法によってプラスチックから製造されている形式のもの
   において、 ノズル（１０）と混合管（１８）とが、連続した構成部材として製造するため
   に共通の１つの工具型内で形成されていることを特徴とする、サクションジェッ
   トポンプ。
2. 【請求項２】 サクションジェットポンプを、自動車の燃料タンク（２）内
   に配置された供給ユニット（３）またはスプラッシュポット（１）に緊締するた
   めの手段が設けられている、請求項１記載のサクションジェットポンプ。
3. 【請求項３】 ノズル（１０）が、混合管（１８）とは反対の側にシールフ
   ランジ（１４）と、相応して形成された推進媒体管路（９）に緊締するための手
   段とを有している、請求項１または２記載のサクションジェットポンプ。
4. 【請求項４】 混合管（１８）の外側面に環状のシール面（１７）が、供給
   ユニット（３）またはスプラッシュポット（１）に組み付けられたサクションジ
   ェットポンプ（８）をシールするために配置されている、請求項１から３までの
   いずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
5. 【請求項５】 混合管（１８）の外側面に、供給ユニット（３）またはスプ
   ラッシュポット（１）に取り付けるための係止手段が配置されている、請求項１
   から４までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
6. 【請求項６】 前記係止手段が係止フック（２０）として形成されている、
   請求項１から５までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
7. 【請求項７】 混合管（１８）全体が、吸込領域から自由端部に向かって直
   線的に形成されているかまたは円錐状に拡がるように形成されている、請求項１
   から６までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
8. 【請求項８】 保持部材（１９）が、混合管（１８）の外周面に配置された
   吸込開口（１１）を側方で制限するために形成されている、請求項１から７まで
   のいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。