JP2003000985A - 洗濯乾燥機 - Google Patents

洗濯乾燥機

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JP2003000985A JP2001187717A JP2001187717A JP2003000985A JP 2003000985 A JP2003000985 A JP 2003000985A JP 2001187717 A JP2001187717 A JP 2001187717A JP 2001187717 A JP2001187717 A JP 2001187717A JP 2003000985 A JP2003000985 A JP 2003000985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転中心軸を鉛直方向に有する内槽内に温風
を送風して衣類を乾燥させる行程を有する洗濯乾燥機に
おいて、送風手段の回転数を低くすることで、製品の騒
音を小さくしたり、送風手段の回転数を高くすること、
乾燥時間を短くするとともに、乾燥むらがなく効率よく
乾燥できるようにする。 【解決手段】 筐体1内に吊支した外槽3内に、回転中
心軸を鉛直方向に有する内槽4を回転自在に支持し、内
槽4の内底部に回転翼5を回転自在に設け、ヒータ13
により加熱した循環風を乾燥用送風機12により内槽4
内に送風し、制御手段により乾燥行程を制御する。制御
手段は、使用者が選択したコースで、乾燥用送風機12
を制御して循環風量を変え、かつ内槽4を回転させなが
ら乾燥する槽回転モードと回転翼5を回転させながら乾
燥する回転翼回転モードの時間比率の異なる行程を2つ
以上有し、少なくとも1つの行程時間を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転中心軸を鉛直
方向に有する内槽内に温風を送風して衣類を乾燥させる
行程を有し、洗濯から乾燥までを一貫して実施できる洗
濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の洗濯乾燥機は、たとえ
ば、特開平11ー276761号公報に開示されている
ように、筐体内に弾性的に吊支した外槽内に、回転中心
軸を鉛直方向に有する内槽を回転自在に支持し、内槽の
内底部に回転翼を回転自在に設け、洗い行程、すすぎ行
程では、回転翼を回転して内槽内で洗濯物(衣類)を洗
い、すすぎするとともに、脱水行程では、内槽を高速回
転させて脱水し、脱水行程につづく乾燥行程では、加熱
装置により加熱した空気を送風手段により内槽内に送風
して乾燥するよう構成している。
【0003】上記構成においてその動作を簡単に説明す
ると、脱水行程終了後に回転翼を回転速度130r/m
inで1秒オン、0.5秒オフの周期で右回転と左回転
とを交互に繰り返して2〜3往復させる掻き落とし行程
を行い、脱水時に内槽の内壁面に遠心力によって張り付
いた衣類を掻き落とす。
【0004】つぎに、この掻き落とし行程の後に乾燥行
程に入り、まず回転翼を回転速度130r/minで
0.5秒オン、0.5秒オフの周期で右回転と左回転と
を交互に繰り返して5〜10往復させるほぐし行程を行
って、回転翼の上に分散された衣類をランダムに入れ換
えてほぐした後に、加熱装置により加熱された温風を内
槽内に数分間供給して衣類を乾燥させる。そして、乾燥
度合いを判定し、乾燥していれば乾燥終了して送風に移
るが、未乾燥であれば再度上記のほぐし行程と乾燥運転
を繰り返すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の洗濯
乾燥機では、送風手段の回転数(風量)で乾燥時間が大
きく左右される。送風手段の動作時に製品の騒音が大き
い。また乾燥時間が長いという問題があった。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、送風手段の回転数(風量)を低くすることで、製品
の騒音を小さくしたり、送風手段の回転数(風量)を高
くすること、乾燥時間を短くするとともに、衣類の量が
多い場合や綿の多い種類であっても乾燥むらがなく効率
よく乾燥できるようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、筐体内に弾性的に吊支した外槽内に、回転
中心軸を鉛直方向に有する内槽を回転自在に支持し、内
槽の内底部に回転翼を回転自在に設け、内槽または回転
翼を駆動手段により駆動し、加熱手段により加熱した循
環風を送風手段により内槽内に送風し、冷却送風手段に
より筐体内部に外部から冷却風を導入し、運転コースを
選定する入力設定手段からの情報で、制御手段により駆
動手段、送風手段、加熱手段、冷却送風手段等の動作を
制御して乾燥行程を制御するよう構成し、制御手段は、
使用者が選択した運転するコースで、送風手段を制御し
て循環風量を変え、かつ内槽を回転させながら乾燥する
槽回転モードと回転翼を回転させながら乾燥する回転翼
回転モードの時間比率の異なる行程を2つ以上有し、少
なくとも1つの行程時間を補正するようにしたものであ
る。
【0008】これにより、送風手段の回転数(風量)を
低くして製品の騒音を小さくしたり、送風手段の回転数
(風量)を高くすることで乾燥時間を短くすることがで
きる。また、衣類の量が多い場合や綿の多い種類であっ
ても、乾燥むらがなく効率よく乾燥することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、筐体内に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を鉛
直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持した内槽と、
前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内
槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に循
環風を送風する送風手段と、前記送風手段により送風さ
れる空気を加熱する加熱手段と、前記筐体内部に外部か
ら冷却風を導入する冷却送風手段と、運転コースを選定
する入力設定手段と、前記入力設定手段からの情報で前
記駆動手段、送風手段、加熱手段、冷却送風手段等の動
作を制御して乾燥行程を制御する制御手段とを備え、前
記制御手段は、使用者が選択した運転するコースで、前
記送風手段を制御して循環風量を変え、かつ前記内槽を
回転させながら乾燥する槽回転モードと前記回転翼を回
転させながら乾燥する回転翼回転モードの時間比率の異
なる行程を2つ以上有し、少なくとも1つの行程時間を
補正するようにしたものであり、たとえば「お静かコー
ス」として、送風手段の風量を抑えることで、乾燥時間
は長くなるが送風手段から発生する音を小さくすること
ができ夜間でも運転することができ、また、「お急ぎコ
ース」として、送風手段の風量を多くすることで、騒音
は大きくなるが乾燥時間を短くできる。
【0010】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、内槽内の衣類の量を検知する布量
検知手段を備え、制御手段は、前記布量検知手段で検知
した衣類の量に基づいて、各行程の時間を決めるように
したものである。これは、定格容量に合わせて各行程の
時間を設定すると、衣類の量が少量の場合には乾燥時間
が長くなりすぎて過乾燥になってしまうという問題があ
り、また少量に合わせて各行程の時間を設定すると、衣
類の量が多い場合には未乾燥のままで終わってしまうと
いう問題があり、この課題を解決するために、最後の行
程を長くする方法もあるが、そうすれば、乾燥率の低い
状態で回転翼回転モードが主体の乾燥時間が過度に長く
なり、衣類が過度にからみ、しわの発生を抑えられなく
なってしまうという問題がある。そこで、衣類の量に応
じて各行程の時間を変えることにより、衣類の量に適し
た乾燥時間で乾燥を終了することができ、また乾燥むら
がなく、そしてしわの発生を抑えた乾燥を実現すること
ができ、請求項1のコースを実現することができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、入力設定手段の設定
に基づいて、回転翼回転の強さを変えるようにしたもの
であり、運転音を抑えたコースの場合は、例えば標準時
限よりもオン時間を長くすることにより、上下左右に衣
類を入れ換えることができるようになり、衣類にまんべ
んなく温風を当てられるので乾燥むらがなく効率よく乾
燥することができ、請求項1のコースを実現することが
できる。
【0012】請求項4に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、内槽内の衣類の布質を判定する布
質判定手段を備え、制御手段は、前記布質判定手段で判
定した衣類の布質に基づいて、各行程の時間を決めるよ
うにしたものであり、衣類で化繊が多めであることを確
実に判定でき、衣類の布質に応じて乾燥むらがなく効率
よく乾燥することができ請求項1のコースを実現するこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0014】(実施例1)図1に示すように、筐体1
は、内部に複数のサスペンション2によって外槽3を弾
性的に吊支し、運転時の振動をサスペンション2によっ
て吸収する構成としている。外槽3の内部には、回転中
心軸を鉛直方向に有し洗濯物および乾燥対象物(以下、
衣類という)を収容する内槽4を回転自在に支持し、内
槽4の内底部に衣類を撹拌する回転翼5を回転自在に設
けている。回転翼5は、外周が傾斜面形状の鍋型に形成
している。
【0015】内槽4の内部周壁には多数の小孔(図示せ
ず)を設け、その上方には流体バランサ6を設けてい
る。そして、外槽3および内槽4の底部中心付近には、
中空で二軸構造をしている洗濯・脱水軸7と、洗濯また
は脱水時により回転力の伝達を洗濯・脱水軸7に切り換
えるクラッチ8を設けている。モータ(駆動手段)9
は、外槽3に設け、クラッチ8を介して内槽4または回
転翼5を駆動するようにしている。
【0016】外槽3の下部から、伸縮自在の下部蛇腹状
ホース10を介して循環ダクト11へと通路を構成し、
循環ダクト11の出口は乾燥用送風機(送風手段)12
の入口に連結している。乾燥用送風機12の出口は通路
11aに連結し、この通路11a内に加熱手段であるヒ
ータ13を設け、通路11aに伸縮自在の上部蛇腹状ホ
ース14を連結している。上部蛇腹状ホース14は、内
槽4へ向けて開口しており、内槽4は、内部周壁の小孔
を通して外槽3に通じているので、これら通路は循環経
路を構成している。
【0017】内槽4の上部には開閉自在の内蓋15を設
けており、内蓋15の近傍には、伸縮自在の上部蛇腹状
ホース14からつづく温風噴出孔16を開けている。冷
却用送風機(冷却送風手段)17は、筐体1の側面に取
り付け、筐体1の内部に外気を導入できるように構成し
ている。排水弁18は外槽3内の水を排水するものであ
り、切換弁19は循環経路を切り換えるものである。
【0018】給水弁20は内槽4内に給水するものであ
り、水位検知手段21は外槽3内の水位を検知するもの
である。また温度検知手段22は、循環風の温度を検知
するもので、乾燥用送風機12の出口とヒータ13との
間に設けている。
【0019】制御装置23は、操作表示部24により設
定された設定内容に基づいて、洗い、すすぎ、脱水の各
行程を有する洗濯行程とこの洗濯行程につづく乾燥行程
とを制御するもので、図2に示すように構成している。
【0020】制御手段25は、マイクロコンピュータな
どで構成し、水位検知手段21の出力を入力し、入力設
定手段26により設定された設定内容に基づいて、表示
手段27に設定内容を表示するとともに、双方向性サイ
リスタ、リレーなどで構成した負荷駆動手段28を介し
て、クラッチ8、乾燥用送風機12、ヒータ13、冷却
用送風機17、排水弁18、切換弁19、給水弁20な
どの動作を制御して洗濯行程および乾燥行程を制御す
る。29は商用電源である。
【0021】また、回転制御手段30は制御手段25の
一部でマイクロコンピュータなどで構成し、位置検出手
段31からの情報に基づいて駆動回路32を介してイン
バータ回路33を制御することによりモータ9を回転制
御するように構成している。
【0022】モータ9は直流ブラシレスモータで、図示
していないが、3相巻線を有するステータと、リング状
に永久磁石を配設しているロータとで構成し、ステータ
は3相巻線を構成する第1の巻線9a、第2の巻線9
b、第3の巻線9cにスロットを設けた鉄心に巻き付け
ることで構成している。
【0023】インバータ回路33は、パワートランジス
タ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなる
スイッチング素子で構成している。スイッチング素子3
3a、33bの直列回路と、スイッチング素子33c、
33dの直列回路と、スイッチング素子33e、33f
の直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は
並列接続している。
【0024】ここで、スイッチング素子33a〜33f
の直列回路の両端は入力端子で、直流電源を接続し、ス
イッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチン
グ素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。
出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子に接続
し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイ
ッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V
端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態
にする。
【0025】スイッチング素子33a〜33fのオン・
オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段31
a、31b、31cからの情報に基づいて回転制御手段
29により制御される。位置検出手段31a、31b、
31cは電気角で120度の間隔でロータが有する永久
磁石に対向するように、ステータに配設している。
【0026】図3に示すように、ロータが1回転する間
に、3つの位置検出手段31a、31b、31cは、そ
れぞれ図に示したようなタイミングでパルスを出力す
る。回転制御手段29は、図に示した矢印のタイミング
(3つの位置検出手段いずれかの信号の状態が変わった
とき)を検知して、位置検出手段31a、31b、31
cの信号を基に、スイッチング素子33a〜33fのオ
ン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W
端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの
第1の巻線9a、第2の巻線9b、第3の巻線9cに通
電して磁界を作り、ロータを回転させるものである。
【0027】また、スイッチング素子33a、33c、
33eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例
えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比
を制御することで、ロータの回転数を制御するようにし
てあり、回転制御手段30は、3つの位置検出手段31
a、31b、31cのいずれかの信号の状態が変わるた
びにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を
算出して、設定回転数になるようにスイッチング素子3
3a、33c、33eをPWM制御する。
【0028】抵抗34は電流を検知するもので、抵抗3
4の両端電圧でインバータ33の入力電流値を検知す
る。商用電源29は、ダイオードブリッジ35、チョー
クコイル36、平滑用コンデンサ37からなる直流電源
変換装置を介して、インバータ33に接続している。
【0029】操作表示部23は、図4に示すように、水
位設定スイッチ26a、洗い時間設定スイッチ26b、
すすぎ回数設定スイッチ26c、脱水時間設定スイッチ
26d、乾燥時間設定スイッチ26e、スタート・一時
停止スイッチ26f、コース設定スイッチ26g、電源
入/切スイッチ26hなどの入力設定手段26と、水位
表示部27a、洗い時間表示部27b、すすぎ回数表示
部27c、脱水時間表示部27d、乾燥時間表示部27
e、残り時間表示部27f、コース表示部27gなどの
表示手段27とで構成している。
【0030】ここで、運転コースについては、コース設
定スイッチ26gにより、洗濯から乾燥まで行うおまか
せ、お急ぎ、お静かと、洗濯のみのデリケート、ゴシゴ
シ、お急ぎの3コースが選べるようにしている。
【0031】また、布量検知手段38および布質判定手
段39は、制御手段25の一部でマイクロコンピュータ
などで構成し、布量検知手段38は、位置検出手段31
aからの信号を入力することにより、内槽4内に投入さ
れた衣類の量を検知するものであり、布質判定手段39
は入力設定手段26で設定された運転コースで衣類の布
質を判定するようにしている。
【0032】上記構成において動作を説明する。まず、
洗濯行程について説明する。内槽4に衣類40、洗剤な
どを投入して運転を開始すると、制御手段25は回転制
御手段30を介して回転翼5を例えば1秒オン、2秒オ
フの時限で、右回転、左回転を2往復行う。このとき、
布量検知手段38は、位置検出手段31aからの信号を
入力することにより、モータ9をオフしたときのロータ
の惰性回転量を検知することにより、内槽4内に投入さ
れた衣類の量を検知する。
【0033】制御手段25は、布量検知手段38で検知
した衣類の量に基づき、洗濯行程では水位や洗濯時間、
脱水時間等を変えて制御し、乾燥行程では各行程の時間
を変えて制御する。そして制御装置23により給水弁2
0を駆動し、水位検知手段21により検知した水位が衣
類の量ごとに決められた所定の水位になるまで給水し、
モータ9を駆動して内槽4を回転させる。このとき、排
水弁18と切換弁19は閉じている。
【0034】このことにより、内槽4内の水の外周部分
は、遠心力により上昇する。これに伴い、内槽4と外槽
3の間の水は外槽3の内壁に沿って上昇した後、内槽4
の上部から内槽4内に散水され、循環することになる。
これにより、内槽4内では洗剤を含んだ水が衣類40を
通過することになり洗浄される。
【0035】その後、排水弁18を開いて排水し、再度
給水して、洗い行程と同様にして衣類をすすぐすすぎ行
程を経て、脱水行程では、衣類40が入った内槽4を高
速で回転させることによって生じる遠心力により、衣類
40が内槽4の内壁に押しつけられることになり、この
遠心力で水分が衣類40から分離されて脱水される。
【0036】乾燥行程では、切換弁19を開いた状態
で、乾燥用送風機12の送風とヒータ13の発熱によ
り、上部蛇腹状ホース14、温風噴出孔16を通して内
槽4へ乾いた温風が送り込まれる。
【0037】このとき、衣類40は、内槽4の回転によ
り内槽4とともに回転したり、または回転翼5の左右回
転により跳ね上げられたり、その後落下したりしている
状態であり、内槽4へ送り込まれた温風は、これら衣類
の動きの隙間を通るときに衣類から水分を奪い、湿った
状態で、内槽4から外槽3の内側へと出た後、下部蛇腹
状ホース10を通過し、切換弁19を通過して循環ダク
ト11へ至る。この流れを、図1では、矢線で示してい
る。
【0038】湿気を含んだ温風が、外槽3の内壁や循環
ダクト11内を通過しているとき、冷却用送風機17に
よる外部空気の流入で、外槽3や循環ダクト11の外壁
は冷却されることになり、湿った空気の水分はその内壁
に結露し、湿った温風は除湿されて、乾燥用送風機12
へと戻る。外槽3の内壁に結露した水分は、切換弁19
を通過して、循環ダクト11の内壁に結露した水分とと
もに排水口41より適宜排出される。そして乾燥行程終
了後に、乾燥用送風機12、冷却用送風機17を駆動す
る送風行程を行った後に終了する。
【0039】つぎに、乾燥行程における制御手段25お
よび回転制御手段30によるモータ9の制御方法につい
て図5を参照しながら説明する。
【0040】図5は、乾燥行程における各行程の流れを
示すフローチャートであり、洗濯行程が終了して乾燥行
程に入ると、まず、ステップ100で、洗濯行程の最後
の脱水で衣類が内槽4内に張り付いているので、これを
はがし、そして十分にほぐして、衣類の空気との接触面
積が大きくなるようにするために布はがし行程を行う。
【0041】具体的には、回転翼5を1秒オン、2秒オ
フの時限で、右回転、左回転を5往復行う。こうするこ
とにより、脱水時に内槽4内に張り付いていた衣類が内
槽4からはがれ、そして、衣類の布かさが増して空気と
の接触面積が大きくなって、以後の乾燥の進行が早くな
るようにする。このとき、乾燥行程であるので、乾燥用
送風機12の送風とヒータ13の発熱により、上部蛇腹
状ホース14、温風噴出孔16を通して内槽4へ乾いた
温風が送り込まれ、また冷却用送風機17も駆動してい
る。
【0042】つぎに、ステップ101からステップ10
3までで、内槽4を回転させながら乾燥させる槽回転モ
ードと回転翼5を回転させながら乾燥させる回転翼回転
モードの時間比率の異なる第1の乾燥行程から第3の乾
燥行程を行う。各行程での、運転時間、槽回転の時間、
回転翼回転の時間を(表1)に示す。
【0043】
【表1】
【0044】行程の時間は、洗濯行程の最初に布量検知
手段38で検知された衣類の量に最適な乾燥となるよう
に決めており、「おまかせコース」で、第1の乾燥行程
は衣類の量が3〜4kgの場合に96分で、槽回転の時
間15分に対して回転翼回転の時間は1分であるため、
回転翼回転の時間比率は約6%である。第2の乾燥行程
は50分で、槽回転の時間4分に対して回転翼回転の時
間は1分であるため、回転翼回転の時間比率は20%で
あり、第3の乾燥行程は100分で、回転翼回転の時間
比率は100%であり、行程の進行とともに回転翼回転
の時間比率が高くなるようにしている。
【0045】また、衣類に温風が集中したり、しわや傷
みをなくするために、第1の乾燥行程では、16分毎、
第2の乾燥行程では、5分ごとに回転翼回転の時限とし
て、1秒オン、2秒オフの強い回転翼の回転を1往復入
れて衣類を上下左右に入れ換えている。
【0046】また、衣類の偏りをなくすために、第1の
乾燥行程、第2の乾燥行程とも回転翼5の回転時間を
0.3秒オン、2.7秒オフの弱い回転を9往復してい
る。
【0047】また、衣類の乾燥率が90%を越えると衣
類のしわやからみが進行しないために回転翼回転100
%としている。
【0048】図6は、乾燥用送風機(送風手段)12の
回転数と乾燥性能Dと製品の騒音Nの特性図であり、回
転数を上げると乾燥性能はよくなるが、騒音は悪化して
いる。
【0049】「おまかせコース」、「お急ぎコース」、
「お静かコース」などの各コースでの乾燥用送風機12
の回転数は異なり、その運転時間、槽回転の時間、回転
翼回転の時間を(表1)に示している。
【0050】乾燥用送風機12の回転数は、使用者が設
定したコースで、「おまかせコース」は、5000r/
minで、「お急ぎコース」は、6500r/min、
「お静かコース」は4000r/minと設定してい
る。
【0051】また、行程の時間は、洗濯行程の最初に布
量検知手段38で検知された衣類の量で最適な乾燥とな
るように決めており、「お急ぎコース」では、乾燥用送
風機12の回転数が高くすることにより乾燥効率が高く
なるために、第1の乾燥行程は衣類の量が3〜4kgの
場合に96分を60分に、槽回転の時間も15分に対し
9分に、第2の乾燥行程は50分を40分に、槽回転の
時間も4分に対し3分に、第3の乾燥行程は100分を
90分に変更し、行程の進行とともに送風手段の風量を
上げるとともに回転翼回転の時間比率が高くなるように
している。
【0052】これにより、乾燥循環風量を上げるととも
に、衣類の上下左右の移動も多くして「おまかせコー
ス」より60%の時間短縮を図ることができる。
【0053】また、マニュアル乾燥では、乾燥時間は同
じで乾燥率を上げることが可能である。
【0054】つぎに、「お静かコース」の場合は、乾燥
用送風機12の回転数を下げるため風量が下がり、第1
の乾燥行程は衣類の量が3〜4kgの場合に96分を2
00分に、槽回転の時間を15分に対し19分に、第2
の乾燥行程は50分を100分に、槽回転の時間4分に
対し10分に変更し、行程の進行とともに乾燥用送風機
12の風量を上げるとともに回転翼回転の時間比率が高
くなるようにしている。
【0055】これにより、「おまかせコース」より騒音
の低下を図り、夜間でも運転可能にすることができる。
【0056】つぎに、図5のステップ104で、乾燥検
知が終了したかどうかを判定し、乾燥検知していればス
テップ105へ移行する。乾燥行程中の温度検知手段2
2で検知される循環風温度は、図7に示すように変化す
る。すなわち、乾燥行程が始まると、乾燥用送風機1
2、ヒータ13が作動し、循環経路を温風が循環する。
温風噴出孔16から内槽4へ吹き出された温風は、回転
翼5によって撹拌される湿った衣類に吹き付けられて、
効率的な乾燥を行う。
【0057】さらに、衣類から水分を奪って多湿になっ
た温風は、循環ダクト11を通過するとき、冷却用送風
機17によって送られる送風によって、循環ダクト11
の壁面を介し熱交換を行う。このとき冷やされて結露点
に達した温風は、循環ダクト11の内壁面に結露水を形
成する。
【0058】図7に示す恒率乾燥期の期間は衣類からの
蒸発水分量が一定(平衡状態)であり、冷却風による冷
却効果は凝縮という状態変化に費やされ、循環ダクト1
1の壁面温度および温度検知手段22で検知される循環
風温度は平衡状態を保ったままとなる。さらに乾燥が進
行し減率乾燥期に入って、衣類からの蒸発水分量が徐々
に減少し、循環風の温度が上昇していくので、恒率乾燥
期に温度検知手段22で検知される温度TaよりΔTだ
け上昇すれば乾燥終了検知する。
【0059】そして、ステップ105で、乾燥用送風機
12、冷却用送風機17を駆動する送風行程を行った後
に、ステップ106で乾燥を終了する。
【0060】なお、本実施例では、槽回転モードと回転
翼回転モードの時間比率の異なる3つの乾燥行程で乾燥
運転を制御するようにしたが、これは3行程に限らず、
それ以上の行程に分けてきめ細やかに制御すればより一
層の効果がある。
【0061】また、各行程の時間や、各行程における槽
回転の時間、回転翼回転の時間、槽回転の回転数、回転
翼回転の時限は、本発明における一実施例であり、これ
らの数値に限定されるものではない。
【0062】また、回転翼回転の強さを変える方法とし
て、モータ9のオン時間を変えるようにしたが、これは
モータ9の回転数を変えるようにしても同等の効果を得
ることができる。
【0063】また、駆動手段として直流ブラシレスモー
タを使用し、インバータ制御するようにしたが、これは
インダクションモータであってもよい。
【0064】(実施例2)図2に示す制御手段25は、
布質判定手段39で判定した衣類の布質に基づいて、各
行程の時間を決めるようにしている。他の構成は上記実
施例1と同じである。
【0065】上記構成において動作を説明する。まず、
各コースを実施する布質判定行程における各行程の流れ
を図8を参照しながら説明する。
【0066】ステップ120で洗濯を開始し、ステップ
121では、布量検知手段45が位置検出手段31aか
らの信号を入力することにより、モータ9をオフしたと
きのロータの惰性回転量を検知することにより、内槽4
内に投入された衣類の量を検知する。つぎにステップ1
22で、水位検知手段21により検知した水位が衣類の
量ごとに決められた所定の水位になるまで給水する。
【0067】そして、ステップ123で、回転制御手段
30を介して回転翼5を例えば2秒オン、1秒オフの時
限で左右反転させ、この撹拌を1分間行う。そして、ス
テップ124で、水位検知手段21からの信号を入力し
て、撹拌前からの水位の低下量を測定し、ステップ12
5で、布質判定手段46は布量検知手段45で検知され
た衣類の量に応じて水位低下量の程度を判定し、水位低
下量が小さければ化繊が多め、水位低下量が大きければ
綿が多めと判定するようにして、ステップ126で次行
程に進む。
【0068】図9は、衣類の量ごとに決められた所定の
水位に達してからの1分間の撹拌で水位の低下の概略を
示したもので、詳細には撹拌のオン、オフに同期して変
動している。初期水位がhiで、綿が多い場合cは、時
間tm(撹拌時間より長い時間で例えば1分5秒)での
低下量が大きいhcとなり、化繊多めの場合aは逆に低
下量が小さいhaとなる。これは、撹拌により衣類が吸
水するためで、化繊は吸水率が低く、綿は吸水率が高い
ためである。なお、bは標準衣類の場合である。
【0069】つぎに、制御手段25により布質判定手段
39で判定した衣類の質に基づき、乾燥の各行程の時間
を補正する方法について説明する。
【0070】(表1)に示したように、制御手段25
は、布量検知手段38で検知した衣類の量に基づき、第
1の乾燥行程から第3の乾燥行程の時間を決定するが、
さらに布質判定手段39で判定した衣類の質に基づき、
各行程の時間を(表2)に示すように補正する。
【0071】
【表2】
【0072】これは例えば、衣類の量が3〜4kgであ
る場合に、標準的な衣類の第1の乾燥行程から第3の乾
燥行程の時間は順に96分、50分、100分である
が、化繊多めの場合は72分、38分、80分と短めに
補正し、逆に、綿多めの場合は120分、62分、12
0分と長めに補正する。
【0073】このように補正することにより、衣類の種
類が異なっても行程が切り換わるときの乾燥度合いをほ
ぼ一定にすることができるので、布からみに起因するし
わの発生を低減することができ、また乾燥むらがなく効
率よく乾燥することができる。
【0074】つぎに、制御手段25が布質判定手段39
で判定した衣類の質に基づき、乾燥中の回転翼回転の強
さを変える方法について説明する。
【0075】(表1)では、標準的な衣類の場合の回転
翼回転時限を示したが、さらに制御手段25は、布質判
定手段39で判定した衣類の質に基づき、回転翼回転時
限を(表3)に示すように変える。
【0076】
【表3】
【0077】これは、綿が多めの場合は、標準時限より
オン時間を長くして強くすることにより、上下左右に洗
濯物を入れ換えることができ、洗濯物にまんべんなく温
風を当てている。一方、化繊が多めの場合は、標準時限
よりオン時間を短くしている。
【0078】また、衣類の量に応じて各行程の時間を変
えることにより、衣類の量に適した乾燥時間で乾燥を終
了している。
【0079】また、布質判定手段39の判定結果に基づ
いて、回転翼回転の強さを変え、洗濯物の綿が多めの場
合は、例えば標準時限よりもオン時間を長くし、上下左
右に洗濯物を入れ換え、洗濯物にまんべんなく温風を当
て、乾燥むらがなく効率よく乾燥している。
【0080】また、温度検知手段22を乾燥用送風機1
2の出口とヒータ13との間に設けて循環風の温度を検
知するようにし、恒率乾燥期に温度検知手段22で検知
される温度TaよりΔTだけ上昇すれば乾燥終了検知し
ているので、衣類の量や周囲温度に応じた乾燥時間で終
了する。
【0081】このように本実施例によれば、簡単な構成
で精度良く布質を判定することが可能となり、しかも洗
濯行程の当初に布質を判定することができ、洗濯物の布
質に応じて乾燥むらがなく効率よく乾燥することができ
る。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、筐体内に弾性的に吊支した外槽と、回転
中心軸を鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持し
た内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼
と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記
内槽内に循環風を送風する送風手段と、前記送風手段に
より送風される空気を加熱する加熱手段と、前記筐体内
部に外部から冷却風を導入する冷却送風手段と、運転コ
ースを選定する入力設定手段と、前記入力設定手段から
の情報で前記駆動手段、送風手段、加熱手段、冷却送風
手段等の動作を制御して乾燥行程を制御する制御手段と
を備え、前記制御手段は、使用者が選択した運転するコ
ースで、前記送風手段を制御して循環風量を変え、かつ
前記内槽を回転させながら乾燥する槽回転モードと前記
回転翼を回転させながら乾燥する回転翼回転モードの時
間比率の異なる行程を2つ以上有し、少なくとも1つの
行程時間を補正するようにしたから、送風手段の風量を
抑えることで、乾燥時間は長くなるが送風手段から発生
する音を小さくすることができて、夜間でも運転するこ
とができ、また、送風手段の風量を多くすることで、騒
音は大きくなるが乾燥時間を短くできる。
【0083】また、請求項2に記載の発明によれば、内
槽内の衣類の量を検知する布量検知手段を備え、制御手
段は、前記布量検知手段で検知した衣類の量に基づい
て、各行程の時間を決めるようにしたから、衣類の量に
応じて各行程の時間を変えることにより、衣類の量に適
した乾燥時間で乾燥を終了することができ、また乾燥む
らがなく、そしてしわの発生を抑えた乾燥を実現するこ
とができる。
【0084】また、請求項3に記載の発明によれば、制
御手段は、入力設定手段の設定に基づいて、回転翼回転
の強さを変えるようにしたから、衣類の種類が異なって
も、上下左右に衣類を入れ換えることができるようにな
り、衣類にまんべんなく温風を当てられるので乾燥むら
がなく、効率よく乾燥することができる。
【0085】また、請求項4に記載の発明によれば、内
槽内の衣類の布質を判定する布質判定手段を備え、制御
手段は、前記布質判定手段で判定した衣類の布質に基づ
いて、各行程の時間を決めるようにしたから、衣類の布
質に応じて乾燥むらがなく効率よく乾燥することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】同洗濯乾燥機の要部ブロック回路図
【図3】同洗濯乾燥機のモータの駆動方法を示すタイミ
ングチャート
【図4】同洗濯乾燥機の操作表示部の正面図
【図5】同洗濯乾燥機の乾燥行程を示す要部フローチャ
ート
【図6】同洗濯乾燥機の乾燥送風手段の回転数の乾燥性
能と騒音の特性図
【図7】同洗濯乾燥機の循環風の温度変化を示すタイム
チャート
【図8】本発明の第2の実施例の洗濯乾燥機の布質判定
方法を示す要部フローチャート
【図9】同洗濯乾燥機の水位変化を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 筐体 3 外槽 4 内槽 5 回転翼 9 モータ(駆動手段) 12 乾燥用送風機(送風手段) 13 ヒータ(加熱手段) 17 冷却用送風機(冷却送風手段) 25 制御手段 26 入力設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 正一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 足立 一利 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA16 BA03 BB16 CA05 CA06 CB07 CB49 CB52 KA02 KA03 LA04 LA11 LB02 LC02 LC06 MA01 MA05 MA06 MA07 MA09 MA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内に弾性的に吊支した外槽と、回転
    中心軸を鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持し
    た内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼
    と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記
    内槽内に循環風を送風する送風手段と、前記送風手段に
    より送風される空気を加熱する加熱手段と、前記筐体内
    部に外部から冷却風を導入する冷却送風手段と、運転コ
    ースを選定する入力設定手段と、前記入力設定手段から
    の情報で前記駆動手段、送風手段、加熱手段、冷却送風
    手段等の動作を制御して乾燥行程を制御する制御手段と
    を備え、前記制御手段は、使用者が選択した運転するコ
    ースで、前記送風手段を制御して循環風量を変え、かつ
    前記内槽を回転させながら乾燥する槽回転モードと前記
    回転翼を回転させながら乾燥する回転翼回転モードの時
    間比率の異なる行程を2つ以上有し、少なくとも1つの
    行程時間を補正するようにした洗濯乾燥機。
  2. 【請求項2】 内槽内の衣類の量を検知する布量検知手
    段を備え、制御手段は、前記布量検知手段で検知した衣
    類の量に基づいて、各行程の時間を決めるようにした請
    求項1記載の洗濯乾燥機。
  3. 【請求項3】 制御手段は、入力設定手段の設定に基づ
    いて、回転翼回転の強さを変えるようにした請求項1記
    載の洗濯乾燥機。
  4. 【請求項4】 内槽内の衣類の布質を判定する布質判定
    手段を備え、制御手段は、前記布質判定手段で判定した
    衣類の布質に基づいて、各行程の時間を決めるようにし
    た請求項1記載の洗濯乾燥機。
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