JP2002265399A - 1−クロロ−4−アリールブタン類の製造方法 - Google Patents

1−クロロ−4−アリールブタン類の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 工業的に有利な一般式2 (RはH、低級アルキル基または低級アルコキシ基、X
はCl、BrまたはI。)の1−クロロ−4−アリール
ブタン類の製造方法を提供する。 【解決手段】1−ブロモ−3−クロロプロパンと一般式
(Rは上記と同一の意味を表わす。)の化合物を、溶媒
中で反応させることにより、一工程で収率よく1−クロ
ロ−4−アリールブタン類を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−クロロ−4−
アリールブタン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(2) (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
コキシ基を表わす。)で示される1−クロロ−4−アリ
ールブタン類は、医農薬合成中間体として有用であり、
その製造方法としては、4−アリール−1−ブタノール
類と塩化チオニルを反応させる方法が一般的である。し
かしながら、かかる方法は、原料である4−アリール−
1−ブタノール類の製造が面倒であり、しかも複数工程
を必要とすることから、必ずしも工業的に十分満足し得
る製造方法ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の下、
本発明者らは、より工業的に有利な1−クロロ−4−ア
リールブタン類の製造方法について検討したところ、安
価で入手容易な1−ブロモ−3−クロロプロパンとベン
ジルマグネシウムハライド類を、溶媒中で反応させるこ
とにより、一工程で収率よく1−クロロ−4−アリール
ブタン類を得ることができることを見出し、本発明に至
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、1−
ブロモ−3−クロロプロパンと一般式(1) (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
コキシ基を表わし、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子を表わす。)で示される化合物を、溶媒中で反応
させることを特徴とする一般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
1−クロロ−4−アリールブタン類の製造方法を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。一般式(1) で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)
の式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
コキシ基を表わす。また、上記化合物(1)の式中、X
は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。
【0006】低級アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ヘプチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜
6のアルキル基が挙げられる。低級アルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−
ヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1
〜6のアルコキシ基が挙げられる。
【0007】かかる化合物(1)としては、例えばベンジル
マグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムブロミ
ド、ベンジルマグネシウムヨーダイド、2−メチルベン
ジルマグネシウムクロリド、2−メチルベンジルマグネ
シウムブロミド、2−メチルベンジルマグネシウムヨー
ダイド、3−メチルベンジルマグネシウムクロリド、3
−メチルベンジルマグネシウムブロミド、3−メチルベ
ンジルマグネシウムヨーダイド、4−メチルベンジルマ
グネシウムクロリド、4−メチルベンジルマグネシウム
ブロミド、4−メチルベンジルマグネシウムヨーダイ
ド、2−エチルベンジルマグネシウムクロリド、2−エ
チルベンジルマグネシウムブロミド、2−エチルベンジ
ルマグネシウムヨーダイド、
【0008】3−n−プロピルベンジルマグネシウムクロリ
ド、3−n−プロピルベンジルマグネシウムブロミド、
3−n−プロピルベンジルマグネシウムヨーダイド、2
−イソプロピルベンジルマグネシウムクロリド、2−イ
ソプロピルベンジルマグネシウムブロミド、2−イソプ
ロピルベンジルマグネシウムヨーダイド、3−n−ブチ
ルベンジルマグネシウムクロリド、3−n−ブチルベン
ジルマグネシウムブロミド、3−ブチルベンジルマグネ
シウムヨーダイド、2−tert−ブチルベンジルマグ
ネシウムクロリド、2−tert−ブチルベンジルマグ
ネシウムブロミド、2−tert−ブチルベンジルマグ
ネシウムヨーダイド、
【0009】2−メトキシベンジルマグネシウムクロリド、
2−メトキシベンジルマグネシウムブロミド、2−メト
キシベンジルマグネシウムヨーダイド、3−メトキシベ
ンジルマグネシウムクロリド、3−メトキシベンジルマ
グネシウムブロミド、3−メトキシベンジルマグネシウ
ムヨーダイド、4−メトキシベンジルマグネシウムクロ
リド、4−メトキシベンジルマグネシウムブロミド、4
−メトキシベンジルマグネシウムヨーダイド、2−エト
キシベンジルマグネシウムクロリド、2−エトキシベン
ジルマグネシウムブロミド、2−エトキシベンジルマグ
ネシウムヨーダイド、3−n−プロポキシベンジルマグ
ネシウムクロリド、3−n−プロポキシベンジルマグネ
シウムブロミド、3−n−プロポキシベンジルマグネシ
ウムヨーダイド、
【0010】2−イソプロポキシベンジルマグネシウムクロ
リド、2−イソプロポキシベンジルマグネシウムブロミ
ド、2−イソプロポキシベンジルマグネシウムヨーダイ
ド、3−n−ブトキシベンジルマグネシウムクロリド、
3−n−ブトキシベンジルマグネシウムブロミド、3−
n−ブトキシベンジルマグネシウムヨーダイド、2−イ
ソブトキシベンジルマグネシウムクロリド、2−イソブ
トキシベンジルマグネシウムブロミド、2−イソブトキ
シベンジルマグネシウムヨーダイド等が挙げられる。
【0011】かかる化合物(1)は、市販されているものを
用いてもよいし、例えばマグネシウムと対応するベンジ
ルハライド類を、後述する溶媒中で反応させたものを用
いてもよい。なお、ベンジルハライド類や溶媒は、例え
ばモレキュラーシーブス、硫酸マグネシウム等の脱水剤
で脱水処理するか、蒸留して脱水したものを用いること
が好ましい。
【0012】本発明は、1−ブロモ−3−クロロプロパンと
上記化合物(1)を、溶媒中で反応させるものである。
【0013】本反応においては、化合物(1)を1−ブロモ
−3−クロロプロパンに対して、1モル倍以上用いても
よいし、1−ブロモ−3−クロロプロパンを化合物
(1)に対して、1モル倍以上用いてもよく、反応性、
経済性等を考慮して、適宜選択すればよい。
【0014】溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソ
ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、アニソール等
のエーテル系溶媒、かかるエーテル系溶媒と例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒との混合溶
媒、かかるエーテル系溶媒と例えばヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒等が挙げられ
る。かかる溶媒は、通常モレキュラーシーブス等の脱水
剤で脱水処理するか、蒸留により脱水処理したものが用
いられる。
【0015】溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常
2重量倍以上である。その上限は特にないが、あまり多
くなると、容積効率の面で不利になるため、実用的に
は、20重量倍以下である。なお、化合物(1)とし
て、該化合物(1)の溶媒溶液を用いた場合には、あら
ためて溶媒を加えなくてもよい。
【0016】本反応の反応温度は、通常−60〜100℃、
好ましくは−20〜60℃である。
【0017】本反応は、化合物(1)と溶媒の混合液
に、1−ブロモ−3−クロロプロパンを加えてもよい
し、1−ブロモ−3−クロロプロパンと溶媒の混合液
に、化合物(1)を加えてもよい。また、溶媒中へ、化
合物(1)と1−ブロモ−3−クロロプロパンを併注し
てもよい。
【0018】反応終了後、得られた反応液と、例えば塩酸、
硫酸、塩化アンモニウム等の酸水溶液、水等を混合し、
残存する化合物(1)を分解処理した後、分液処理する
ことにより、目的とする一般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
1−クロロ−4−アリールブタン類を取り出すことがで
きる。取り出した一般式(2)で示される1−クロロ−
4−アリールブタン類は、例えば蒸留、カラムクロマト
グラフィ等によりさらに精製してもよい。
【0019】なお、上記した残存する化合物(1)の分解処
理やその後の分液処理の際に、水に不溶の有機溶媒を加
えてもよい。水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げ
られ、その使用量は特に制限されない。
【0020】かくして得られる一般式(2)で示される1−
クロロ−4−アリールブタン類としては、例えば1−ク
ロロ−4−フェニルブタン、1−クロロ−4−(2−メ
チルフェニル)ブタン、1−クロロ−4−(3−メチル
フェニル)ブタン、1−クロロ−4−(4−メチルフェ
ニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−エチルフェニ
ル)ブタン、1−クロロ−4−(3−n−プロピルフェ
ニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−イソプロピルフ
ェニル)ブタン、1−クロロ−4−(3−n−ブチルフ
ェニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−tert−ブ
チルフェニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−メトキ
シフェニル)ブタン、1−クロロ−4−(3−メトキシ
フェニル)ブタン、1−クロロ−4−(4−メトキシフ
ェニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−エトキシフェ
ニル)ブタン、1−クロロ−4−(3−n−プロポキシ
フェニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−イソプロポ
キシフェニル)ブタン、1−クロロ−4−(3−n−ブ
トキシフェニル)ブタン、1−クロロ−4−(2−イソ
ブトキシフェニル)ブタン等が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0022】実施例1 攪拌装置、冷却管を付した反応容器に、ベンジルマグネ
シウムクロリド/テトラヒドロフラン溶液(含量:1
2.5重量%)150gを仕込み、内温0℃に調整し
た。同温度で、1−ブロモ−3−クロロプロパン19.
6gを2時間かけて滴下した後、内温0〜5℃で4時間
攪拌、保持した。反応液を10重量%塩酸55gに加え
た(この際、混合液の内温は30℃以下を保持し
た。)。攪拌、静置後、有機層を分液し、該有機層を飽
和食塩水55gで洗浄し、減圧条件下で、濃縮し、1−
クロロ−4−フェニルブタンを含む油状物23.2gを
得た。ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析
したところ、1−クロロ−4−フェニルブタンの含量
は、89.5重量%であった。1−ブロモ−3−クロロ
プロパンに対する収率:98.6%。
【0023】実施例2 攪拌装置、冷却管を付した反応容器に、1−ブロモ−3
−クロロプロパン21.5gおよびテトラヒドロフラン
123gを仕込み、内温0℃に調整した。同温度で、ベ
ンジルマグネシウムクロリド/テトラヒドロフラン溶液
(含量:13.7重量%)150gを2時間かけて滴下
した後、内温0〜5℃で4時間攪拌、保持した。反応液
を10重量%塩酸60gに加えた(この際、混合液の内
温は30℃以下を保持した。)。攪拌、静置後、有機層
を分液し、該有機層を飽和食塩水60gで洗浄し、減圧
条件下で、濃縮し、1−クロロ−4−フェニルブタンを
含む油状物23.6gを得た。ガスクロマトグラフィ
(内部標準法)により分析したところ、1−クロロ−4
−フェニルブタンの含量は、91.0重量%であった。
1−ブロモ−3−クロロプロパンに対する収率:94.
1%。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価で入手容易
な1−ブロモ−3−クロロプロパンとベンジルマグネシ
ウムハライド類を反応させることにより、一工程で、収
率よく、目的とする1−クロロ−4−アリールブタン類
を製造することができるため、工業的に有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 晋 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 宮本 泰延 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 奥本 五夫 福井県坂井郡三国町山岸テクノポート1丁 目5番2号 小野薬品工業株式会社福井総 合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 BB15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−ブロモ−3−クロロプロパンと一般式
    (1) (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
    コキシ基を表わし、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ
    素原子を表わす。)で示される化合物を、溶媒中で反応
    させることを特徴とする一般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
    1−クロロ−4−アリールブタン類の製造方法。
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