JP2002257051A - 容量可変型圧縮機の制御弁及び同制御弁の調整方法 - Google Patents
容量可変型圧縮機の制御弁及び同制御弁の調整方法Info
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Abstract
間の磁束の通りを良好とすることができるとともに、可
動子の底面と収容筒の内底面との間に電磁力の生じ難い
容量可変型圧縮機の制御弁を提供すること。 【解決手段】収容筒52の下端部は、磁性材よりなる有
底の第2筒状部材59によって構成されている。同収容
筒52内において、プランジャ56の底面56aと第2
筒状部材59の内底面59aとの間には、非磁性材より
なるシム65が介装されている。
Description
冷媒循環回路を構成する容量可変型圧縮機の吐出容量を
制御するための制御弁及び同制御弁の調整方法に関す
る。
御可能な電磁弁を用いることがある。同制御弁には、図
4に示すような電磁アクチュエータ部101が設けられ
ている。
定子103及び可動子104が配置されている。同収容
筒102の外周側にはコイル105が配置されている。
そして、同コイル105の通電に基づき固定子103と
可動子104との間に生じる電磁力によって、同可動子
104が収容筒102の内周面に摺動案内されて移動
し、同可動子104の移動力がロッド106を介して弁
体(図示しない)に伝達される。この可動子104の移
動に基づく弁体の変位によって、圧縮機の吐出容量変更
につながる制御弁の弁開度調節が行われることとなる。
は、斜板収容室であるクランク室の内圧を変更すること
によって行われる。そして、このクランク室の内圧変更
のために制御弁は、吐出室からクランク室へ高圧冷媒を
供給するための給気通路の開度を調節する。
ては、冷媒として二酸化炭素を用いることが一般化され
つつあり、この二酸化炭素冷媒を用いた場合には、冷媒
圧力がフロン冷媒を用いた場合よりも遥かに高くなる。
従って、圧縮機の吐出容量制御のために二酸化炭素冷媒
を取り扱う制御弁においても、内部の耐圧性を高める必
要があり、例えば収容筒102として肉厚なものを用い
るようにしている。
03と可動子104との間からの磁束漏れを防止するた
めに非磁性材により構成されている。従って、同収容筒
102の肉厚を厚くしてゆくと、コイル105と可動子
104との間で磁束が通り難くなる。
102において、可動子104付近である下端側の有底
円筒部分を磁性材により構成することが考えられる。こ
のようにすれば、収容筒102を肉厚として耐圧性を確
保しつつ、コイル105と可動子104との間での磁束
の通りを良好とすることができる。
動子104が最下動位置に配置されると、同可動子10
4の底面と収容筒102の内底面とが接触してしまう。
同じ磁性材よりなる可動子104の底面と収容筒102
の内底面との接触は、同可動子104に対して下方側へ
向かう電磁吸引力が強く作用されることとなる。つま
り、可動子104に対して、固定子103との間に生じ
る電磁吸引力を減殺する方向に大きな電磁吸引力が作用
されてしまう。従って、電磁アクチュエータ部101か
ら弁体への出力電磁力(上方側への付勢力)が弱くなっ
てしまう問題があった。
の対向形状は、例えばコイル105への給電量が同じで
ある場合には、両者103,104間の距離に関わらず
ほぼ一定の電磁吸引力が生じるように構成されている。
しかし、可動子104の底面と収容筒102の内底面と
の間においてはそれを考慮していないため、両者10
2,104間に生じる電磁吸引力は、コイル105への
給電量が同じであったとしても、両者102,104間
の距離が変化すると変化してしまう。従って、コイル1
05への給電量と、電磁アクチュエータ部101から弁
体への出力電磁力とが一対一で対応されなくなり、制御
弁の外部制御性が悪化する問題、つまり圧縮機の高精度
な吐出容量制御を行い得ない問題があった。
もコイルと可動子との間の磁束の通りを良好とすること
ができるとともに、可動子の底面と収容筒の内底面との
間に電磁力の生じ難い容量可変型圧縮機の制御弁及び同
制御弁の調整方法を提供することにある。
に請求項1の発明は、有底の収容筒と、同収容筒内に配
置された固定子と、前記収容筒内において固定子よりも
底部側に配置された可動子と、前記収容筒の外周側に配
置されたコイルと、前記可動子に作動連結された弁体と
からなり、前記コイルの通電に基づき固定子と可動子と
の間に生じる電磁力によって、可動子が収容筒内を軸方
向に移動することで弁体が動作されて、容量可変型圧縮
機の吐出容量変更につながる弁開度調節が行われる構成
の制御弁において、前記収容筒は、非磁性材よりなる第
1筒状部材と、可動子を取り囲むようにして配置された
磁性材よりなる有底の第2筒状部材とからなり、前記収
容筒内において可動子の底面と第2筒状部材の内底面と
の間に、非磁性体を介装したことを特徴とする容量可変
型圧縮機の制御弁である。
の周壁が磁性材(第2筒状部材)とされており、同収容
筒の肉厚を厚くしても可動子とコイルとの間の磁束の通
りを良好とすることができる。また、可動子の底面と第
2筒状部材の内底面との間には、非磁性体が介装されて
いる。従って、可動子が最下動位置に配置されたとして
も、同じ磁性材よりなる第2筒状部材の内底面との間に
は、非磁性体によってギャップが確保されることとな
る。このため、可動子の底面と第2筒状部材の内底面と
の間に下向きの電磁力が生じることを抑制できる。な
お、第2筒状部材の底壁を周壁と同じ磁性材で構成する
のは、同底壁を周壁とは異なる非磁性材により構成する
場合と比較して、はるかに製作が容易だからである。
記載は、制御弁が後述する実施形態(図2参照)のよう
な上下関係にあるものとしてなされた表現である。従っ
て、例えば制御弁が図2とは上下反転して用いられる場
合には、「有底」は「有蓋」を、「底部」は「蓋部」を
意味することとなる。
弁の調整方法であって、非磁性体の軸方向の厚みを調節
することで、可動子の移動範囲を調節するようにしたこ
とを特徴としている。
動子の移動範囲がバラつくこと、ひいては弁開度調節特
性がバラつくことを、専用の調節手法を用いなくとも防
止できる。
形態について説明する。 (容量可変型斜板式圧縮機)図1に示すように、容量可
変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)のハウジン
グ11内には、斜板収容室であるクランク室12が区画
されている。同クランク室12内には、駆動軸13が回
転可能に配設されている。同駆動軸13は、車両の走行
駆動源であるエンジンEに作動連結され、同エンジンE
からの動力供給によって回転駆動される。
には、ラグプレート14が一体回転可能に固定されてい
る。同クランク室12内にはカムプレートとしての斜板
15が収容されている。同斜板15は、駆動軸13にス
ライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒン
ジ機構16は、ラグプレート14と斜板15との間に介
在されている。従って、斜板15は、ヒンジ機構16を
介することで、ラグプレート14及び駆動軸13と同期
回転可能であるとともに、駆動軸13に対して傾動可能
となっている。
一つのみ示す)のシリンダボア11aが形成されてお
り、各シリンダボア11a内には片頭型のピストン17
が往復動可能に収容されている。各ピストン17は、シ
ュー18を介して斜板15の外周部に係留されている。
従って、駆動軸13の回転にともなう斜板15の回転運
動が、シュー18を介してピストン17の往復運動に変
換される。
方)側には、ピストン17と、ハウジング11に内装さ
れた弁・ポート形成体19とで囲まれて圧縮室20が区
画されている。ハウジング11の後方側の内部には、吸
入室21及び吐出室22がそれぞれ区画形成されてい
る。
トン17の上死点位置から下死点側への移動により、弁
・ポート形成体19に形成された吸入ポート23及び吸
入弁24を介して圧縮室20に吸入される。圧縮室20
に吸入された冷媒ガスは、ピストン17の下死点位置か
ら上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、
弁・ポート形成体19に形成された吐出ポート25及び
吐出弁26を介して吐出室22に吐出される。
に、前記ハウジング11内には抽気通路27及び給気通
路28が設けられている。抽気通路27はクランク室1
2と吸入室21とを連通する。給気通路28は吐出室2
2とクランク室12とを連通する。ハウジング11にお
いて給気通路28の途中には制御弁CVが配設されてい
る。
ことで、給気通路28を介したクランク室12への高圧
な吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室
12からのガス導出量とのバランスが制御され、同クラ
ンク室12の内圧が決定される。クランク室12の内圧
変更に応じて、ピストン17を介してのクランク室12
の内圧と圧縮室20の内圧との差が変更され、斜板15
の傾斜角度が変更される結果、ピストン17のストロー
クすなわち圧縮機の吐出容量が調節される。
ると斜板15の傾斜角度が増大し、圧縮機の吐出容量が
増大される。逆に、クランク室12の内圧が上昇される
と斜板15の傾斜角度が減少し、圧縮機の吐出容量が減
少される。
用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、上述し
た圧縮機と外部冷媒回路30とから構成されている。外
部冷媒回路30は、凝縮器31、膨張弁32及び蒸発器
33を備えている。冷媒としては二酸化炭素が用いられ
ている。
されている。第2圧力監視点P2は、第1圧力監視点P
1から凝縮器31側(下流側)へ所定距離だけ離れた冷
媒通路の途中に設定されている。第1圧力監視点P1と
制御弁CVとは第1検圧通路35を介して連通されてい
る。第2圧力監視点P2と制御弁CVとは第2検圧通路
36(図2参照)を介して連通されている。
2に示すように、前記制御弁CVのバルブハウジング4
1内には、弁室42、連通路43及び感圧室44が区画
されている。弁室42及び連通路43内には、作動ロッ
ド45がバルブハウジング41の軸方向(図面では垂直
方向)に移動可能に配設されている。連通路43と感圧
室44とは、同連通路43に挿入された作動ロッド45
の上端部によって遮断されている。弁室42は、給気通
路28の上流部を介して吐出室22と連通されている。
連通路43は、給気通路28の下流部を介してクランク
室12に連通されている。弁室42及び連通路43は給
気通路28の一部を構成する。
間部に形成された弁体部46が配置されている。弁室4
2と連通路43との境界に位置する段差は弁座47をな
しており、連通路43は一種の弁孔をなしている。そし
て、作動ロッド45が図2の位置(最下動位置)から弁
体部46が弁座47に着座する最上動位置へ上動する
と、連通路43が遮断される。つまり作動ロッド45の
弁体部46は、給気通路28の開度を調節可能な弁体と
して機能する。
感圧部材48が収容配置されている。同感圧部材48の
上端部はバルブハウジング41に固定されている。感圧
部材48の下端部には作動ロッド45の上端部が嵌入さ
れている。感圧室44内は、有底円筒状をなす感圧部材
48によって、同感圧部材48の内空間である第1圧力
室49と、同感圧部材48の外空間である第2圧力室5
0とに区画されている。第1圧力室49には、第1検圧
通路35を介して第1圧力監視点P1の圧力PdHが導
かれている。第2圧力室50には、第2検圧通路36を
介して第2圧力監視点P2の圧力PdLが導かれてい
る。
示すように、前記バルブハウジング41の下方側には電
磁アクチュエータ部51が設けられている。同電磁アク
チュエータ部51は、バルブハウジング41内の中心部
に有底円筒状の収容筒52を備えている。同収容筒52
において上方側の開口端部には、磁性材(例えば鉄系
材)よりなる円柱状のセンタポスト(固定子)53が嵌
入固定されている。このセンタポスト53の嵌入によ
り、収容筒52内の最下部にはプランジャ室54が区画
されている。同センタポスト53は、弁室42とプラン
ジャ室54との間の区隔壁の役目もなしている。
の開口端部には、磁性材よりなるドーナッツ状のプレー
ト55が装着されている。同プレート55は、中央透孔
の内周縁部が上方に向かって筒状に立ち上げられている
(筒状部55a)。同プレート55は、収容筒52の下
端部に筒状部55aを以って外嵌されており、同収容筒
52の下端部とバルブハウジング41との環状間隙を閉
塞している。
なる有蓋円筒状のプランジャ(可動子)56が、軸方向
に移動可能に収容されている。同プランジャ56の移動
は、収容筒52の内周面によって摺動案内される。セン
タポスト53の中心には軸方向に延びるガイド孔57が
貫通形成され、同ガイド孔57内には、作動ロッド45
の下端側が軸方向に移動可能に配置されている。作動ロ
ッド45の下端面は、プランジャ室54内においてプラ
ンジャ56の上端面に当接されている。
56との対向面の外周縁部には、ガイド孔57の開口を
中心とした、つまりバルブハウジング41の軸線を中心
とした環状に、先鋭の凸状部53aが形成されている。
プランジャ56においてセンタポスト53との対向面の
外周縁部56bは、センタポスト53の凸状部53aを
内側に避けつつ同凸状部53aの内側面の傾斜に沿うよ
うにして面取り加工がなされている。このように構成す
ることで、センタポスト53とプランジャ56との間の
距離変化に対して、両者53,56間に生じる電磁吸引
力(後述する)をリニアに変化させることが可能とな
る。
の内底面とプランジャ56との間には、コイルバネより
なるプランジャ付勢バネ60が収容されている。このプ
ランジャ付勢バネ60は、プランジャ56を作動ロッド
45側に向けて付勢する。また、作動ロッド45は、感
圧部材48自身が有するバネ性(以下ベローズバネ48
と呼ぶ)に基づいて、プランジャ56側に向けて付勢さ
れている。従って、プランジャ56と作動ロッド45と
は常時一体となって上下動する。なお、ベローズバネ4
8は、プランジャ付勢バネ60よりもバネ力の大きいも
のが用いられている。
イド孔57と作動ロッド45との間の隙間を介して連通
され、同プランジャ室54は弁室42と同じ吐出圧力の
雰囲気となっている。なお、詳述しないが、プランジャ
室54を弁室42と同じ圧力雰囲気とすることで、そう
とはしない場合と比較して、制御弁CVの弁開度調節特
性が良好となることがわかっている。
性ステンレス材)よりなる円筒状(詳しくは蓋及び底無
し)の第1筒状部材58と、磁性材よりなる有底円筒状
の第2磁性部材59とからなっている。同第2筒状部材
59の底壁を周壁と同じ磁性材で構成するのは、同底壁
を周壁とは異なる非磁性材により構成する場合と比較し
て、はるかに製作が容易だからである。
3及びプランジャ56の外周を取り囲むようにして配置
されている。同第1筒状部材58においてプランジャ5
6付近の下端部は、上端側(大径部58a)よりも薄肉
とされて小径部58bをなしている。前記第2筒状部材
59は、第1筒状部材58に対して小径部58bに外嵌
固定されている。なお、第2筒状部材59の外径は第1
筒状部材58の大径部58aの外径とほぼ同じに設定さ
れている。
56の底面56aと第2筒状部材59の内底面59aと
の間には、非磁性材よりなるドーナッツ板状のシム65
(非磁性体)が介装されている。制御弁CVの組立時に
おいて、シム65は軸方向の厚みが異なる複数種が準備
されており、制御弁CVの個体毎に厚みを選択して組み
付けるようにしている。つまり、各部品の寸法公差の積
み重なりや組み付け誤差が生じたとしても、プランジャ
56の移動範囲が制御弁CVの個体毎に大きく異ならな
いように、それに組み付けるシム65の厚みで調節する
のである。なお、シム65の厚みは、第1筒状部材58
の小径部58bの肉厚より大きく設定されている。
9の内底面59aとプランジャ付勢バネ60との間に介
在されており、同バネ60のバネ座の役目をなしてい
る。このように構成することで、シム65がプランジャ
付勢バネ60によって第2筒状部材59の内底面59a
に押し付けられることとなる。従って、シム65をプラ
ンジャ56の底面56a或いは第2筒状部材59の内底
面59aに固定しなくとも、同シム65をプランジャ室
54内において安定配置することができる。なお、シム
65をプランジャ56の底面56aに固定する態様、或
いは第2筒状部材59の内底面59aに固定する態様
は、いずれも本発明の趣旨を逸脱するものではない。
ト53及びプランジャ56を跨ぐ範囲にコイル61が巻
回配置されている。このコイル61には、外部情報検知
手段72からの外部情報(エアコンスイッチのオン・オ
フ情報、車室温度情報及び設定温度情報等)に応じた制
御装置(コンピュータ)70の指令に基づき、駆動回路
71から電力が供給される。
イル61に磁束が発生し、この磁束はプレート55や第
2筒状部材59から、第1筒状部材58の小径部58b
を介してプランジャ56に流れ込み、同プランジャ56
からセンタポスト53を介してコイル61側へ流れるこ
ととなる。従って、コイル61への電力供給量に応じた
大きさの電磁力(電磁吸引力)が、プランジャ56とセ
ンタポスト53との間に発生し、この電磁力はプランジ
ャ56を介して作動ロッド45に伝達される。なお、同
コイル61への通電制御は印加電圧を調整することでな
され、この印加電圧の調整にはPWM(パルス幅変調)
制御が採用されている。
いては、次のようにして作動ロッド45(弁体部46)
の配置位置つまり弁開度が決まる。
通電がない場合(デューティ比=0%)は、作動ロッド
45の配置には、ベローズバネ48の下向き付勢力の作
用が支配的となる。従って、作動ロッド45は最下動位
置に配置され、弁体部46は連通路43を全開とする。
このため、クランク室12の内圧は、その時おかれた状
況下において取り得る最大値となり、このクランク室1
2の内圧と圧縮室20の内圧とのピストン17を介した
差は大きくて、斜板15は傾斜角度を最小として圧縮機
の吐出容量は最小となっている。
1に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>
0%)の通電がなされると、プランジャ付勢バネ60の
上向き付勢力に加勢された上向きの電磁力が、ベローズ
バネ48による下向き付勢力を凌駕し、作動ロッド45
が上動を開始する。この状態では、プランジャ付勢バネ
60の上向きの付勢力によって加勢された上向き電磁力
が、ベローズバネ48の下向き付勢力によって加勢され
た二点間差圧ΔPd(=PdH−PdL)に基づく下向
き押圧力に対抗する。そして、これら上下付勢力が均衡
する位置に、作動ロッド45の弁体部46が弁座47に
対して位置決めされる。
冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間
差圧ΔPdに基づく力が減少してその時点での電磁力で
は作動ロッド45に作用する上下付勢力の均衡が図れな
くなる。従って、作動ロッド45(弁体部46)が上動
して連通路43の開度が減少し、クランク室12の内圧
が低下傾向となる。このため、斜板15が傾斜角度増大
方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は増大される。圧縮機
の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路における冷媒流量
も増大し、二点間差圧ΔPdは増加する。
媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差
圧ΔPdに基づく力が増大して、その時点での電磁力で
は作動ロッド45に作用する上下付勢力の均衡が図れな
くなる。従って、作動ロッド45(弁体部46)が下動
して連通路43の開度が増加し、クランク室12の内圧
が増大傾向となる。このため、斜板15が傾斜角度減少
方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は減少される。圧縮機
の吐出容量が減少すれば冷媒循環回路における冷媒流量
も減少し、二点間差圧ΔPdは減少する。
ティ比を大きくして上向きの電磁力を大きくすると、そ
の時点での二点間差圧ΔPdに基づく力では上下付勢力
の均衡が図れなくなる。このため、作動ロッド45(弁
体部46)が上動して連通路43の開度が減少し、圧縮
機の吐出容量が増大される。その結果、冷媒循環回路に
おける冷媒流量が増大し、二点間差圧ΔPdも増大す
る。
小さくして上向きの電磁力を小さくすれば、その時点で
の二点間差圧ΔPdに基づく力では上下付勢力の均衡が
図れなくなる。このため、作動ロッド45(弁体部4
6)が下動して連通路43の開度が増加し、圧縮機の吐
出容量が減少する。その結果、冷媒循環回路における冷
媒流量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
の通電デューティ比によって決定された二点間差圧ΔP
dの制御目標(設定差圧)を維持するように、この二点
間差圧ΔPdの変動に応じて内部自律的に作動ロッド4
5(弁体部46)を位置決めする構成となっている。ま
た、この設定差圧は、コイル61への通電デューティ比
を調節することで外部から変更可能となっている。
する。 (1)プランジャ56の底面56aと第2筒状部材59
の内底面59aとの間には、非磁性材よりなるシム65
が介装されている。従って、プランジャ56が最下動位
置に配置されたとしても、同じ磁性材よりなる第2筒状
部材59の内底面59aとの間には、シム65によって
非磁性のギャップが確保されることとなる。このため、
プランジャ56の底面56aと第2筒状部材59の内底
面59aとの間に下向きの電磁吸引力が生じることを抑
制できる。よって、この下向きの電磁吸引力が、電磁ア
クチュエータ部51から作動ロッド45への出力電磁力
(上向きの付勢力)を弱くしてしまう問題を解消でき
る。また、コイル61への給電量と、電磁アクチュエー
タ部51から作動ロッド45への出力電磁力とを一対一
で対応させることが可能となり、制御弁CVの外部制御
性を良好として圧縮機の高精度な吐出容量制御を達成で
きる。
の外周面を直接的に取り囲むようにして配置されるとと
もに、同第1筒状部材58の外周面側に、言い換えれば
プランジャ56との間で第1筒状部材58を挟むように
して、第2筒状部材59が配置されている。従って、プ
ランジャ56の摺動案内を第1筒状部材58の内周面の
みによって行うようにすることと(一般的に磁性材より
なるものは、非磁性材よりなるものと比較して、同じ磁
性材よりなる他のものとの摺動性に難がある)、同プラ
ンジャ56と収容筒52(第1筒状部材58)との接触
面積を広く確保することとを簡単に両立できる。特に本
実施形態においては、収容筒52の内周面においてプラ
ンジャ56の最外周面の移動範囲に対向する領域は、全
て第1筒状部材58の内周面によって構成されている。
このため、プランジャ56のガタツキを防止して収容筒
52との間での摺動抵抗を軽減することができ、制御弁
CVの弁開度調節特性においてヒステリシスな傾向が抑
制される。
において、プランジャ56付近の部位は薄肉(小径部5
8b)とされている。従って、コイル61とプランジャ
56との間での磁束の通りが良好となり、例えば小型の
コイル61であっても所望の電磁力を発生できる。よっ
て、電磁アクチュエータ部51ひいては制御弁CVを小
型化することができる。
は、第2筒状部材59が外嵌固定されている。従って、
同小径部58bの薄肉が第2筒状部材59によって補強
されることとなり、この第1筒状部材58の薄肉化によ
っても収容筒52の所定の強度を確保することができ
る。よって、制御弁CVの耐圧性の向上を図ることがで
き、フロン冷媒よりも遥かに高圧となる二酸化炭素を冷
媒として採用することも容易となる。また、プランジャ
室54内に、高圧である吐出圧力を導入する構成の採用
も容易となる。
ランジャ56の移動範囲を調節するための調節部材とし
ても利用している。従って、制御弁CVの個体毎にプラ
ンジャ56の移動範囲がバラつくこと、ひいては弁開度
調節特性がバラつくことを、専用の調節手法を用いなく
とも防止できる。
以下の態様でも実施できる。 ・給気通路28ではなく、抽気通路27の開度調節によ
りクランク室12の内圧を調節する、所謂抜き側制御弁
において具体化すること。
い、単なる電磁制御弁において具体化すること。 ・ワッブルタイプの容量可変型圧縮機に用いられる制御
弁に具体化すること。
ついて記載する。 (1)前記容量可変型圧縮機は、空調装置の冷媒循環回
路を構成するとともにカムプレートを収容するクランク
室の内圧を調節することで吐出容量を変更可能であっ
て、同クランク室と冷媒循環回路の吸入圧力領域とは抽
気通路を介して連通されているとともに、冷媒循環回路
の吐出圧力領域とクランク室とは給気通路を介して連通
されており、前記弁体は抽気通路又は給気通路の開度を
調節することでクランク室の内圧を調節する構成である
請求項1に記載の制御弁。
点の圧力を検知可能であって、同圧力監視点の圧力変動
に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力変動を打
ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるよ
うに弁体を動作させる感圧機構を備え、前記コイルの通
電量を変更して弁体に付与する電磁力を変更すること
で、感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設
定圧力を変更可能である請求項1又は前記(1)に記載
の制御弁。
って二箇所に設定され、前記感圧部材は二つの圧力監視
点間の圧力差変動に基づいて変位し、前記電磁力を変更
することで、感圧部材による弁体の位置決め動作の基準
となる設定差圧を変更可能な構成である前記(2)に記
載の制御弁。
回路の吐出圧力領域にそれぞれ設定されている前記
(3)に記載の制御弁。 (5)前記容量可変型圧縮機を冷媒循環回路に備える空
調装置は、冷媒として二酸化炭素を用いている請求項1
又は(1)〜(4)のいずれかに記載の制御弁。
れば、収容筒の肉厚を厚くしても、コイルと可動子との
間の磁束の通りを良好とすることができるとともに、可
動子の底面と収容筒の内底面との間に電磁力が生じ難く
することができる。
個体毎に可動子の移動範囲がバラつくこと、ひいては弁
開度調節特性がバラつくことを、専用の調節手法を用い
なくとも防止できる。
子としてのセンタポスト、56…可動子としてのプラン
ジャ、56a…プランジャの底面、58…第1筒状部
材、59…第2筒状部材、59a…第2筒状部材の内底
面、61…コイル、65…非磁性体としてのシム、CV
…制御弁。
Claims (2)
- 【請求項1】 有底の収容筒と、同収容筒内に配置され
た固定子と、前記収容筒内において固定子よりも底部側
に配置された可動子と、前記収容筒の外周側に配置され
たコイルと、前記可動子に作動連結された弁体とからな
り、前記コイルの通電に基づき固定子と可動子との間に
生じる電磁力によって、可動子が収容筒内を軸方向に移
動することで弁体が動作されて、容量可変型圧縮機の吐
出容量変更につながる弁開度調節が行われる構成の制御
弁において、 前記収容筒は、非磁性材よりなる第1筒状部材と、可動
子を取り囲むようにして配置された磁性材よりなる有底
の第2筒状部材とからなり、 前記収容筒内において可動子の底面と第2筒状部材の内
底面との間に、非磁性体を介装したことを特徴とする容
量可変型圧縮機の制御弁。 - 【請求項2】 請求項1に記載の制御弁の調整方法であ
って、非磁性体の軸方向の厚みを調節することで、可動
子の移動範囲を調節するようにしたことを特徴とする調
整方法。
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